2018年2月14日水曜日

足元の水準を維持するとみられるインドネシア・ルピア(IDR)

インドネシア・ルピア(IDR)が対ドルで安値圏にいる。今年初めに対ドルで13500台半ばだったIDRは、緩やかながら上昇基調で推移し、1月25日には13200台半ば近くと、昨年9月下旬以来の高値に上昇。しかし、その後は一転して下落基調となり、2月9日には一時13600台半ばと昨年来安値を更新。今週も、ドルが軟調に推移している割には、IDRは対ドルで13600台の推移を続けている。

 しかしインドネシア経済は安定感を増している。昨年第4四半期GDPは前年比5.19%増と市場予想を小幅上回り、2期連続で小幅加速。今年(2018年)の成長率は5.3%程度と、昨年(5.1%)から加速するとみられている。一方、CPIは1月に前年比+3.25%と2016年12月以来の低い伸びに鈍化。コアCPIは同+2.69%と2014年の統計開始以来、最低の伸びを更新した。過去にインドネシア経済の弱点とされた経常赤字(対GDP比)は、昨年2.7%と2016年から小幅上昇したが、今年は2.5%程度に落ち着くとみられている。

 インドネシア中銀は、昨年9月の会合で政策金利を4.25%に引き下げ(25bpの利下げ)。その後、今年1月の前回会合まで4会合連続で政策金利を4.25%で据え置いている。前回会合声明では、インドネシア経済の改善に自信を持っていると明言。低インフレや経常赤字の抑制とともに、海外投資家による資金流入、IDR相場の安定、高水準の外貨準備、金融システムの安定維持などを指摘した。リスクとして、銀行仲介機能の回復の遅れが指摘されたが、これまでの金融緩和効果と景気の持ち直しで、今後は底堅さを増すとの見方も示されるなど、比較的、楽観的な見方が示された。前回会合から足元まで、インドネシア経済に大きな変化も生じておらず、今月15日の会合でも政策金利は4.25%に据え置かれるとみられる。

 インドネシア経済の安定は、海外投資家にも好感されているようで、インドネシアへの資本流入は続いている。インドネシア2年債利回りは、年初に5.5%台前半だったが、その後はじり安の動きとなり、2月14日時点では5.3%台前半と、2013年6月上旬以来の低水準に低下。同国10年債利回りは、年初の6.3%ちょうど近辺から6.4%台前半に上昇したが、それでも昨年12月上旬の水準より低い。米長期債利回り上昇のインドネシア債への影響は限定的と言える。

 今後、米長期債利回りの上昇が続き、新興国からの資本流出を懸念する声が強まるかもしれない。また景気の弱さを受けて、インドネシア政府が、財政刺激策を強化し、結果としてインドネシア債売りの動きが加速する恐れもゼロではない。しかし、安定感を増すインドネシア経済と絶対的な高金利の組み合わせは、インドネシアからの資本流出を抑制するとみられ、USD/IDRは当面、13600台を維持すると考えるのが自然に思える。仮に筆者の見方に反し、IDR売りが強まったとしても、次の節目は2015年9月の高値(14820近辺)と2016年9月の安値(12890近辺)の半値戻し水準にあたる13850近辺。これは、IDRが足元の水準から対ドルで2%弱の下落に留まることを意味する。







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