2014年11月6日木曜日

諏訪内 晶子・バイオリニスト(日本経済新聞夕刊・2014年11月5日)

 外遊びの体験はバイオリニストになってからも大いに役立っている。演奏家や指揮者にとって運動神経と体力は必須だと思う。私は短距離走が最も得意で、いつもリレー選手だった。外国で演奏家仲間とスポーツをすると、太った方でも卓球がうまかったりして感心することが多い。

 演奏家はただ楽器を弾くだけではない。旅行の連続で、どんな環境にもすぐに順応する能力が必要だ。飛行機に乗って、慣れない場所に着いて、リハーサルをし、演奏会を開き、それで終わりではなく、また次の場所に飛行機で移動する。評判にも動じない。タフでなければやっていけない。