日本で事実上、唯一のビットコイン取引所だったMt.Gox(マウントゴックス)がウェブサイトを閉鎖したことが話題となっています。同社は2月7日に技術的不具合を理由に顧客名義のビットコインの引き出しを停止していましたが、25日にはウェブサイトを閉鎖。26日未明には、同社サイトには英語で
・サイトと利用者を保護するため、当面、すべての取引を停止することを決めた。
と表示されるようになりました。本原稿作成時点(2月27日午後)では、同社CEOとされるマーク・カルプレス(Mark Karpeles)氏の名で
・私は依然として日本におり、関連企業のサポートを得て問題解決に向けて懸命に働いている
とのコメントも記されています。
しかし、同社サービスの復旧の見通しは示されないままで、同社の顧客は、同社に預けているビットコインや現金を引き出すことができない状況が続いています。そもそもMt.Goxはネット企業ですから、一般企業でいうところの「夜逃げ」をしたと判断していいと思います。
一部報道によると、同社が事実上の夜逃げに至った主因は同社が保有していたビットコインがハッキングによって流出してしまったためのようです。一部メディアが内部資料として報じた「Crisis Strategy Draft」によると、Mt.Goxはハッキングによって744,408(74.4万)ビットコインを紛失。仮に1ビットコイン=500ドル(約5万円)とすれば、同社は370億円程度の資産を失ったことになります。
Mt.Gox夜逃げの後の状況については、各種メディアが数多く報じていますので、詳細は割愛しますが、渋谷にあるMt.Goxのオフィスには誰もいないようです。菅官房長官は26日の記者会見で、Mt.Goxが夜逃げしたことに関し、金融庁や警察庁などの関係省庁が情報を収集していると述べ、利用者への影響などの調査を始めたことを明らかにしました。しかしMt.GoxのCEOとされるマルク・カルプレス氏を始め、同社の関係者の所在が不明なわけですから、Mt.Goxの顧客が同社に預けていたビットコインや現金を早期に取り戻すのは難しいと思われます。
Mt.Goxの夜逃げ事件は、ビットコイン業界にも大きな影響を及ぼすでしょう。またビットコイン業界は衰退する、との見方も徐々に強まっているようです。Mt.Goxの夜逃げを受けて、米民主党のマンチン上院議員は、ビットコインは薬物などの違法取引に悪用されており、米経済に悪影響を及ぼす恐れのある「危険な通貨」だと指摘。ビットコインの規制強化を求める書簡を米財務省や米FRBに送ったと報じられています。同議員はMt.Goxの取引停止にも言及し、現状を放置すれば「米国の消費者が取引で損失を受ける」との懸念を示したそうです。これまで米政府・当局は、ビットコインに対し比較的寛容な姿勢を示してきましたが、今後は他新興国と同様にビットコインの利用そのものを規制する方向に動く可能性もあります。
ビットコイン取引所などを営む企業6社(Coinbase、Kraken、BitStamp.net、BTC China、Blockchain.info、Circle)は24日、
・Mt.Goxの件は同社の責任によるもので、仮想通貨そのものの価値が揺らいだわけではない。
・取引所各社は共に顧客資産保護に協力する。
とする共同声明を発表しました。しかし、業界最大手の一角とされていたMt.Goxが夜逃げしたという事実は重く、他6社が自身の健全性をいくら主張したところで、ビットコインの既存ユーザーも含め数多くの方がビットコインの利用を躊躇すると考えるのが自然です。ビットコインの取引需要は大きく後退すると予想されます。
世界各国には投機を目的としたビットコイン取引者がそれなりに存在すると思われ、Mt.Goxを除く取引所でビットコインは取引されることでしょう。ただMt.Goxの夜逃げによって取引参加者は減少したと考えられるので、ビットコインの値動きはさらに激しくなると思われます。
しかし、ビットコインのメリットである、送金の容易性や発行主体を持たずに善意の第三者による取引認証の仕組みは、Mt.Goxの夜逃げや夜逃げの主因とされるハッキングとは関係がなく、今後も続きます。そもそもビットコインが短期間で広く普及した背景には、こうしたメリットがあったわけですから、Mt.Goxが夜逃げしたからといって、すぐさまビットコインが消滅することはないでしょう。
つまり、これまでのようなスピードでビットコインが普及することはないものの、ビットコインのメリットに意義を見出した一定層がビットコインを利用し続ける、という状況が当分、続くと考えられます。ただ日本の場合、事実上、唯一のビットコイン取引所だったMt.Goxが夜逃げをしたわけですから、ビットコインの利用は当面、停滞したままと思われます。
ビットコイン業界が、Mt.Goxの夜逃げで被ったダメージから回復するには、今回の事件をMt.Goxによる特殊事例と位置付けるのではなく、業界全体で解決すべき事例とし、Mt.Goxの顧客への損害補償にも積極的に対応することが有効と思われます。ビットコインの取引所においては、Mt.Goxの夜逃げをチャンスととらえ、各取引所が共同出資することで統一的な取引所を創設し、これまで個別に実施してきた取引を一元化することがビットコインの取引透明化に資すると考えられます。こうすることでMt.Goxの夜逃げによって慎重になったビットコイン取引者のセンチメントを改善し、ビットコイン業界の健全性をアピールすることがビットコインの利用普及を後押しするでしょう。
ただ、残念ながら、ビットコイン業界で、こうした全体的な動きが出るとは思えません。なぜならビットコインの思想背景には「自己責任原則」があるからです。ビットコインが国家や中央銀行といった権威から自由であることは、ビットコインの初期ユーザー層を魅了しました。自由であるがゆえに、ユーザーはメリットだけではなくデメリットも甘受する自己責任が求められる、という思想です。これは米共和党・保守派運動「ティーパーティー(茶会)」に相通じるものに思えます。
たとえばビットコインの取引にはウォレットと呼ばれるフリーソフトをダウンロードし、メールアドレスとパスワードで口座を開設する必要がありますが、パスワードを管理するのはユーザーだけで、他者は誰もパスワードを把握していません。仮に口座利用者がパスワードを失念してしまうと、ウォレットを開けることは永遠にできなくなるのです。通常の金融サービスの場合、サービス提供者がパスワードの復元などをサポートしてくれますが、ビットコインの場合、サポートは受けられません。今回のMt.Goxの夜逃げに対しても、他6社が責任をMt.Goxのみにある、と断じたことも、ビットコインの自己責任原則に則った動きと解釈すべきでしょう。
2014年2月27日木曜日
2014年2月19日水曜日
Mt.Gox問題を根拠にビットコインの将来性を否定することの是非
ビットコインの取引所として世界有数の規模を誇り、日本では事実上唯一のビットコイン取引所とされるMt.Gox(マウントゴックス)の口座からビットコインが引き出せない状態が続いています。同社が顧客による引き出しを一時停止したと公表したのは2月7日ですから、すでに2週間近くが経過したことになります。
Mt.Goxからビットコインが引き出せない、ということで、Mt.Goxの顧客がビットコインの換金売りを続けたのは自然なことです。Mt.Goxでのビットコイン価格は、2月5日の900ドル台から下落基調で推移。2月16日には200ドル割れをうかがう水準まで下落しましたが、その後は300ドル手前でのもみ合いが続いています。一方、他取引所でのビットコイン価格は600ドルを超えています。
最近では、Mt.Goxでのビットコイン価格の下落を見て、ビットコインは終わったとする指摘が目立つようになっています。理由として、(Mt.Goxがビットコインの引き出し停止の理由として指摘した)ビットコインの不正引き出しを技術的に防ぐことはできないとの指摘もありますが、そもそもビットコインは何もないところからスタートしたものだけに、ビットコイン価格が上昇していた昨年12月あたりからビットコインをバブル視する見方もありました。今回のMt.Goxの問題は、ビットコインをバブル視したい方にとっては良い材料になったのでしょう。
Mt.Goxは2月17日に、ビットコインの引き出しを「間もなく」再開するとし、20日には引き出し再開対応の進捗状況を報告すると発表しました。同社を信用するのであれば、Mt.Goxからビットコインを引き出すことは可能となりますので、Mt.Goxでのビットコイン価格は他取引所と同水準に収れんすることが期待されます。
Mt.Gox問題はビットコインの不正引き出しに関する脆弱性を示したといえますが、ビットコインの利便性を否定するものではありません。ビットコインは送金手段として伝統的な他送金方法に比べ圧倒的なメリットを有します。またビットコインは「善意の第三者による認証」というこれまでにない認証方法を備えていますので、ビットコインの仕組みを「所有権の新しい確認方法」として活用するアイデアも出されています。技術的にはオープンプラットフォームですので、能力の高い企業であればビットコインを活用したビジネス拡大を期待することもできます。
悲惨な放火被害が報じられたからといって火を使うことを止めようと考える方は皆無である、というロジックはビットコインでも使えるような気がします。
Mt.Goxからビットコインが引き出せない、ということで、Mt.Goxの顧客がビットコインの換金売りを続けたのは自然なことです。Mt.Goxでのビットコイン価格は、2月5日の900ドル台から下落基調で推移。2月16日には200ドル割れをうかがう水準まで下落しましたが、その後は300ドル手前でのもみ合いが続いています。一方、他取引所でのビットコイン価格は600ドルを超えています。
最近では、Mt.Goxでのビットコイン価格の下落を見て、ビットコインは終わったとする指摘が目立つようになっています。理由として、(Mt.Goxがビットコインの引き出し停止の理由として指摘した)ビットコインの不正引き出しを技術的に防ぐことはできないとの指摘もありますが、そもそもビットコインは何もないところからスタートしたものだけに、ビットコイン価格が上昇していた昨年12月あたりからビットコインをバブル視する見方もありました。今回のMt.Goxの問題は、ビットコインをバブル視したい方にとっては良い材料になったのでしょう。
Mt.Goxは2月17日に、ビットコインの引き出しを「間もなく」再開するとし、20日には引き出し再開対応の進捗状況を報告すると発表しました。同社を信用するのであれば、Mt.Goxからビットコインを引き出すことは可能となりますので、Mt.Goxでのビットコイン価格は他取引所と同水準に収れんすることが期待されます。
Mt.Gox問題はビットコインの不正引き出しに関する脆弱性を示したといえますが、ビットコインの利便性を否定するものではありません。ビットコインは送金手段として伝統的な他送金方法に比べ圧倒的なメリットを有します。またビットコインは「善意の第三者による認証」というこれまでにない認証方法を備えていますので、ビットコインの仕組みを「所有権の新しい確認方法」として活用するアイデアも出されています。技術的にはオープンプラットフォームですので、能力の高い企業であればビットコインを活用したビジネス拡大を期待することもできます。
悲惨な放火被害が報じられたからといって火を使うことを止めようと考える方は皆無である、というロジックはビットコインでも使えるような気がします。
2014年2月17日月曜日
日本・GDP(2013年第4四半期)
昨年第4四半期の日本GDPは前期比年率1.0%増と市場予想(同2.8%増)を大きく下回った。一部メディアは消費税率引き上げ前の駆け込み消費の弱さを指摘していたが、民需は前期比0.8%増(年率3.2%増)と伸びが加速している。
成長率を押し下げたのは輸入の増加だ。輸入は前期比3.5%増と成長率を年率2.4%程度押し下げた。ただ、輸入の増加は日本の内需の強さの表れとみることもできる。日本景気は、堅調な推移を続けていると評価していいだろう。
今年第1四半期の成長率も年率1~2%程度の伸びを期待していいだろう。消費税率の引き上げ前の駆け込み需要は、それなりに続く見込みで、個人消費は年率1%程度の伸びを維持すると思われる。補正予算効果で公共投資も成長率を下支えするだろう。ただ一方で、輸入は引き続き成長率を押し下げると思われる。
今回発表されたGDPで興味深いのは、円安効果が景気にとって中立に近付いている点だ。昨年第4四半期の輸出は前期比0.4%増にとどまり、輸入(同3.5%増)に比べ伸びが弱い。すでに指摘されていることだが、日本の輸出企業は円安進展でも外貨建て輸出価格を引き下げず(円建ての輸出価格の上昇を受け入れ)、輸出数量の拡大を狙っていない。円安の進展は、日本の輸出企業の収益増にはつながっても、数量面での生産活動の拡大にはつながっていない。これでは実質でみた輸出が増えないのも当然で、日本の輸出企業が雇用・賃金を増やさないのも自然といえる。
円安の進展で輸入コストが上昇し、実質所得の伸びを抑えているのも興味深い。雇用者報酬は名目で前期比0.7%増と2011年第1四半期以来の高い伸びとなったが、実質では同0.1%増と前期(同0.4%減)から反発できていない。マインドの改善持続で個人消費は実質でも堅調に推移しているものの、消費の源泉である賃金(雇用者報酬)は実質ではピークアウトの感すらある。このまま所得が弱いようだと、消費税率引き上げ後の個人消費の反動減が長期化する可能性もある。
成長率を押し下げたのは輸入の増加だ。輸入は前期比3.5%増と成長率を年率2.4%程度押し下げた。ただ、輸入の増加は日本の内需の強さの表れとみることもできる。日本景気は、堅調な推移を続けていると評価していいだろう。
今年第1四半期の成長率も年率1~2%程度の伸びを期待していいだろう。消費税率の引き上げ前の駆け込み需要は、それなりに続く見込みで、個人消費は年率1%程度の伸びを維持すると思われる。補正予算効果で公共投資も成長率を下支えするだろう。ただ一方で、輸入は引き続き成長率を押し下げると思われる。
今回発表されたGDPで興味深いのは、円安効果が景気にとって中立に近付いている点だ。昨年第4四半期の輸出は前期比0.4%増にとどまり、輸入(同3.5%増)に比べ伸びが弱い。すでに指摘されていることだが、日本の輸出企業は円安進展でも外貨建て輸出価格を引き下げず(円建ての輸出価格の上昇を受け入れ)、輸出数量の拡大を狙っていない。円安の進展は、日本の輸出企業の収益増にはつながっても、数量面での生産活動の拡大にはつながっていない。これでは実質でみた輸出が増えないのも当然で、日本の輸出企業が雇用・賃金を増やさないのも自然といえる。
円安の進展で輸入コストが上昇し、実質所得の伸びを抑えているのも興味深い。雇用者報酬は名目で前期比0.7%増と2011年第1四半期以来の高い伸びとなったが、実質では同0.1%増と前期(同0.4%減)から反発できていない。マインドの改善持続で個人消費は実質でも堅調に推移しているものの、消費の源泉である賃金(雇用者報酬)は実質ではピークアウトの感すらある。このまま所得が弱いようだと、消費税率引き上げ後の個人消費の反動減が長期化する可能性もある。
2014年2月12日水曜日
日本・消費動向調査、景気ウォッチャー調査(2014年1月)
1月の消費動向調査によると消費者態度指数は40.5と市場予想に反し前月(41.3)から悪化し、2012年12月以来の低水準となった。内訳をみると、耐久消費財の買い時判断が36.4と2011年5月以来の水準に低下。昨年9月の47.0(過去3年間のピーク)から10ポイント近く悪化した。昨年秋から冬にかけては消費税引き上げ前の駆け込みもあって耐久消費財の購入意欲が高まっていたが、本調査をみる限り、そうした動きは一服。一部では、消費税引き上げ直前の2月、3月の消費増を期待する声もあるが、マインドをみる限り、期待外れに終わる可能性も出てきた。
1月の景気ウォッチャー調査では、先行き判断が49.0と安部政権始まって以来、初めての50割れ。内訳をみると、小売、飲食が前月(昨年12月)から大きく落ち込んでおり、消費税引き上げの影響を懸念する声が一般小売店で強まっている様子がわかる。
日本株は年末の水準を大きく下回ったまま。ドル円は102円台を維持しているものの、以前のような円安期待は後退しつつある状況。今後半年くらいは補正予算効果もあって日本景気は底堅い動きを続けるだろうが、その後はこれといった目立ったイベントが(今のところ)用意されていない。日本の消費者マインドの改善は、今後あまり期待しない方がいいだろう。
1月の景気ウォッチャー調査では、先行き判断が49.0と安部政権始まって以来、初めての50割れ。内訳をみると、小売、飲食が前月(昨年12月)から大きく落ち込んでおり、消費税引き上げの影響を懸念する声が一般小売店で強まっている様子がわかる。
日本株は年末の水準を大きく下回ったまま。ドル円は102円台を維持しているものの、以前のような円安期待は後退しつつある状況。今後半年くらいは補正予算効果もあって日本景気は底堅い動きを続けるだろうが、その後はこれといった目立ったイベントが(今のところ)用意されていない。日本の消費者マインドの改善は、今後あまり期待しない方がいいだろう。
2014年2月11日火曜日
Mt.Gox(マウントゴックス)のトラブルが日本のビットコイン業界をさらに発展させる
日本で唯一といっていいビットコイン取引所であるMt.Gox(マウントゴックス)は7日、システム上の問題から「ビットコインの引き出し機能を停止する」との声明を公表しました。これを受け、複数のメディアは同社がビットコインから米ドルや日本円などへの換金を一時停止したと報道。ビットコインの価格が大幅下落したと報じました。
同社広報担当者は一部メディアとのインタビューに応じ、同社内でビットコインを現金に換えること、ならびに同社内のウォレット同士ではビットコインの取引は可能であることを明らかにしています。一方、Mt.Gox(マウントゴックス)の口座に保有されているビットコインを外部に転送することは現在も出来ていないことも認めています。
昨年12月の中国人民銀行の通達でビットコイン価格は500ドル近辺まで下落しましたが、その後は、じり高の動きを続け、1月には一時1000ドル台まで回復しました。しかし、米アップルがビットコ
インウォレット(アプリ)をiOS App Storesと Mac App storeから削除し、ビットコイン価格は700ドル台に急落。その後、Mt.Gox(マウントゴックス)の声明を受けて一時600ドルを割り込む場面もありました。足元では600ドル台後半での推移となっています。
以前からMt.Gox(マウントゴックス)は口座開設作業だけでなく、現金の受け渡しなど事務作業全般で遅延が生じていると指摘されました。理由は同社のマンパワー不足のほか、海外当局からのプレッシャーを背景としたコンプラチェック作業の急増、業務量急増へのシステム対応の遅れ、なども考えられます。
顧客資産の保護や精神的な安定のためにも、Mt.Gox(マウントゴックス)が、ビットコインの外部への転送機能を早急に復旧するとともに、これを機に滞りがちだった各種事務作業の迅速化も進めてほしいと願っています。
ビットコインの歴史はせいぜい5年ほどで、日本で知名度が高まったのはこの半年程度です。こうした歴史の浅い業界では、今回のMt.Gox(マウントゴックス)のようなトラブルが発生するのが通例で、今回の事例をもってビットコイン業界が崩壊すると考えるのは、やや行き過ぎたもののように思えます。
Mt.Gox(マウントゴックス)の事例を機に、日本のビットコイン業界は新しいフェーズに移行すると考えた方が自然のような気がします。Mt.Gox(マウントゴックス)の対応改善だけでなく、Mt.Gox(マウントゴックス)以外の新しいビットコイン取引所が日本に出現することも考えられます。
同社広報担当者は一部メディアとのインタビューに応じ、同社内でビットコインを現金に換えること、ならびに同社内のウォレット同士ではビットコインの取引は可能であることを明らかにしています。一方、Mt.Gox(マウントゴックス)の口座に保有されているビットコインを外部に転送することは現在も出来ていないことも認めています。
昨年12月の中国人民銀行の通達でビットコイン価格は500ドル近辺まで下落しましたが、その後は、じり高の動きを続け、1月には一時1000ドル台まで回復しました。しかし、米アップルがビットコ
インウォレット(アプリ)をiOS App Storesと Mac App storeから削除し、ビットコイン価格は700ドル台に急落。その後、Mt.Gox(マウントゴックス)の声明を受けて一時600ドルを割り込む場面もありました。足元では600ドル台後半での推移となっています。
以前からMt.Gox(マウントゴックス)は口座開設作業だけでなく、現金の受け渡しなど事務作業全般で遅延が生じていると指摘されました。理由は同社のマンパワー不足のほか、海外当局からのプレッシャーを背景としたコンプラチェック作業の急増、業務量急増へのシステム対応の遅れ、なども考えられます。
顧客資産の保護や精神的な安定のためにも、Mt.Gox(マウントゴックス)が、ビットコインの外部への転送機能を早急に復旧するとともに、これを機に滞りがちだった各種事務作業の迅速化も進めてほしいと願っています。
ビットコインの歴史はせいぜい5年ほどで、日本で知名度が高まったのはこの半年程度です。こうした歴史の浅い業界では、今回のMt.Gox(マウントゴックス)のようなトラブルが発生するのが通例で、今回の事例をもってビットコイン業界が崩壊すると考えるのは、やや行き過ぎたもののように思えます。
Mt.Gox(マウントゴックス)の事例を機に、日本のビットコイン業界は新しいフェーズに移行すると考えた方が自然のような気がします。Mt.Gox(マウントゴックス)の対応改善だけでなく、Mt.Gox(マウントゴックス)以外の新しいビットコイン取引所が日本に出現することも考えられます。
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