2014年2月10日月曜日

ビットコインの波紋、金融革新の可能性(日本経済新聞)

 
――ビットコインに将来性はあるか。

 「ネット上の買い物などの決済手段として世界的に普及する可能性は十分ある。短時間で決済が完了し、クレジットカード決済にかかる手数料も不要なためだ。コストの高い国際送金をビットコインが代替する可能性もある。特に銀行口座が普及していない新興国では送金が容易になる」

 ――他通貨との交換レートは乱高下している。

 「現在の相場の動きは極端に激しく、資産を保存する手段として普及するのはまだ難しい。ただ、投機ではなく実需の買いも出てきており、いずれ安定するだろう」

 ――課題はないのか。

 「現状では私設取引所の規模が小さく、誰もが気軽に入手できる状況ではない。取引ルールの整備など利用者保護の仕組みも必要になってくる」

 ――今後の影響は。

 「米国ではビットコインを活用したベンチャー企業が次々と誕生し、新たな産業分野になりつつある。今まで金融分野のイノベーション(技術革新)は株や債券の取引を電子化するにすぎなかったが、インターネットから生まれたビットコインは真のイノベーションだ。デリバティブ(金融派生商品)に匹敵する革新になるかもしれない」

*本稿は日本経済新聞(2014年2月8日)に掲載されたものです。

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