2014年5月9日金曜日

エコノミストは差別化が難しいのか

私が二十歳代後半のころ、ある都市銀行から私の勤務先に出向された方(当時、部長の肩書)が、私にこんなアドバイス(?)をしてくれました。

エコノミストはアナリストと違って基本的には公開データしか情報源がないから差別化が難しい。君も早くエコノミスト業界から足を洗った方がいい。

(もしかしたら、私がエコノミスト業務に向いていないことを示唆したかったのかもしれませんが)この方は若いころ(おそらく二十歳代)にエコノミスト部署で働いていた経験があるとかで、(経緯は覚えていないのですが)私に親切なアドバイスをしたいとお話してくれました。

この方によると、アナリストはインサイダー情報で差別化できるが、エコノミストがインサイダー情報を得ることはマスコミと違って難しい、とも教えてくれました。

当時の私は、この方の話を聞いて、この方はかわいそうだな、と思いました。今でもその見方に変わりはありません。

エコノミストの基本動作の一つは、政府など各種機関が公表する経済指標のデータを分析することです。この方は、(おそらくですが)分析対象の経済指標が同じなら、誰が分析しても結果は同じ、という前提で私にアドバイスをしてくれたと思っています。

しかし、同じ材料や器具を使っても料理人によって作られる料理の味が異なるように、同じ経済指標を使ってもエコノミストによって出てくる結果(アウトプット)は異なると私は思っています。

また、私が他のエコノミストと似たような結果や結論を出した場合、私の実力はまだまだだなぁと、思うようにしています。

私が思いつきもしなかった結果や結論を提示したエコノミストの方々、これまでに誰も打ち出されたことがなかった結果や結論を提示したエコノミストの方々に対しては、敬意を表するようにしています。

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