世界景気は、昨年(2016年)後半から堅調に拡大している。OECDが公表する世界景気先行指数(Global Leading Economic Indicator)は、2013年後半に前年比3%程度のペースで上昇していたが、その後、上昇ペースは鈍化し、2014年後半から2016年前半までの2年間は1.5%程度とギリシャショックの2011年後半以来の低い伸びが続いた。しかし2016年7月から世界景気先行指数は加速に転じ、9月には前年比2.0%、12月には同2.5%、そして最新データにあたる今年3月には同2.9%に加速した。
4-6月期も世界景気は堅調なペースで拡大を続けている。主要国の4-6月期・実質GDP成長率を見ると、米国が前年比2.2%増と前期(1-3月期)から加速。中国は同6.9%増と前期と変わらず。ドイツは同2.1%増と2014年1-3月期以来の高い伸びに加速した。
7-9月期も世界景気は好調を維持していると推察される。米ISM製造業景況指数は8月に58.8と2011年4月以来の高水準を記録。中国製造業PMIは8月に51.7と6月と同水準に高止まり。ドイツZEW景況感(期待指数)は7-9月平均で14.8と、前期(4-6月期)の19.6から低下したものの、前々期(1-3月期)の13.3を上回っている。
日本も他国と同じように比較的順調な拡大を維持している。実質GDP成長率は昨年7-9月期に前年比1.1%増と1年ぶりに1%超を記録。翌10-12月期は同1.7%増に加速した。しかし今年1-3月期は同1.5%増、4-6月期は同1.4%増と、今年に入っても成長率は1%台を維持しているものの、緩やかに鈍化している。
日本の成長率が伸び悩む理由として潜在成長率の低さが指摘されている。潜在成長率とは、経済的な付加価値を産出する際に必要とされる労働力、資本、生産性の3つの要素をすべてフル活用した場合に達成される成長率のことである。日本は、すでに人口減少局面に入っているため労働力の伸びが低く、設備投資が盛り上がっていないことから資本ストックの伸びも小さい。この結果、日本の潜在成長率は現在、ゼロ%台前半から1%程度と言われており、足元の成長率(1%台半ば近辺)は、潜在成長率からみれば良好であるとの見方すら存在する。
ただ潜在成長率は、あくまで国内の生産要素を想定した考え方で、海外経済との連動性を明示的に考慮していない。仮に日本経済が、海外経済の拡大をより効果的に取り込むことができれば、日本のGDP成長率は、潜在成長率を大きく上回ることも可能である。
日本が海外経済の拡大をどの程度、取り込むことができているかを見るために、ここではGDP成長率に対する純輸出(財・サービスの輸出から輸入を差し引いた額)の寄与度をみてみよう。今年4-6月期の場合、純輸出の寄与度は+0.5%と、全体の伸び(+1.4%)の約3分の1を占めている。なお、アベノミクスが始まった2013年1-3月期以降、日本の純輸出の寄与度は、-1.2~+1.3%と非常に狭い範囲で推移しており、2013年1-3月期から今年4-6月期までの4年半の平均は+0.2%に過ぎない。
外需寄与度が狭い範囲に収まり、平均では+0.2%に過ぎないことは、日本経済が外需に左右されず、内需中心の体質になったと解釈することもできる。しかし、足元のように海外経済が堅調に拡大している局面では、日本が海外経済の拡大という恩恵を取りこぼす結果になっているとも解釈できる。
たとえば、日本がオイルショックを乗り越えて再び成長軌道を取り戻した1980年代前半(1981~84年)の純輸出の寄与度は、0.0%~+2.3%と常にプラスで、平均で+0.9%と今の4倍以上の水準にあった。この結果、同期間の日本の実質GDP成長率は、平均で+3.9%と、こちらも今の4倍以上の高い伸びとなっている。当時の日本は、海外経済の動きを効率的に取り込み、高い成長を確保できていた。
なぜ今の日本は、海外経済の拡大という追い風を取りこぼすようになってしまったのだろうか。一つの仮説として考えられるのは、日本企業がグローバリゼーションという世界的な流れへの対応に遅れてしまったということだ。日本では第二次世界大戦後から90年代前半までの長きにわたり国内市場が持続的に拡大してきた。この結果、日本企業の多くは、たとえ内需型産業であっても、それなりに発展することができたが、この成功体験が、海外市場への対応を軽視する企業文化につながった可能性がある。
日本人の多くは強く感じるように、外国語に対するアレルギーも日本企業のグローバリゼーション対応の遅れにつながったのかもしれない。また日本は第二次世界大戦後、米ソ冷戦体制のもと米国に追随することで奇跡的な発展を手に入れたが、この結果、日本では海外=米国という枠組みが頭の中で定着し、90年代後半からの中国をはじめとする新興国の経済発展の流れに乗り遅れてしまった可能性も考えられる。
リーマンショックと呼ばれる2008~09年に起きた世界的な金融危機による大打撃が、日本企業経営者のトラウマとなっているのかもしれない。リーマンショック時の日本では、大企業も含め数多くの企業が破綻し、数多くの労働者が解雇された。この痛手からの教訓として、日本企業の経営者は、海外経済との連動性をあえて断ち切り、業績の安定化を手に入れたのかもしれない。しかし、その引き換えに、海外経済の拡大を取り込み、業績を大きく拡大させるチャンスを見過ごしてしまった可能性も考えられる。この見方は、日本企業の多くが、万が一に備えるという名目で、増収増益が続いているにもかかわらず、設備投資や賃上げを実施せず、稼いだ利益を負債返済や現預金の積み増しに動いている姿からも推察できる。
アベノミクスにおける第一の矢(金融緩和)や第二の矢(財政支出の拡大)は、日本経済を活性化したものの、海外経済の拡大を取り込むという点で大きな期待は持ちにくい。それゆえにエコノミストの一部は、日本経済のさらなる発展を目指し、第三の矢(成長戦略)に強い期待を示しているが、海外経済拡大の取り込みにおいては、政府が策定する成長戦略が果たす役割は限定的なものでしかない。結局のところ、日本企業経営者が、考え方や行動を変え、最終的には日本企業の収益力を上げていくしかない。10月22日投開票の衆議院選挙どのような結果に終わったとしても、日本経済の先行きは、政治ではなく日本企業の変革にかかっているように思われる。
2017年9月29日金曜日
2017年9月14日木曜日
日本の上場企業経営者の課題:敵対型アクティビストを回避するための資本生産性の引き上げ
法人企業統計によると、今年6月末時点の日本企業(除く金融・保険)の総資産は1556兆円と3月末の1569兆円から縮小したが、自己資本は664兆円へと増加し、自己資本比率は42.7%と1954年の統計開始以来の過去最高を更新した。
日本企業の自己資本が増加を続けているのにもかかわらず、日本の株式市場では日本企業の多くが割安に放置されている。全上場企業のうち株価純資産倍率(PBR)が1倍未満の割合を日米英独の4カ国別にみると、英国が14%、米国とドイツが10%であるのに対し、日本は38%と突出して高い。
日本の上場企業が割安に放置される理由の一つとして考えられるのは、日本企業が現預金を過剰に保有していることだ。日本企業が保有する現預金は、6月末時点で192兆円と過去最高を更新し、総資産に占める割合は12.3%と26年(1991年6月末)ぶりの高水準に上昇した。手元流動性が時価総額の30%を超える日本の上場企業数は約4千社のうち200を超える。
日本は英米にくらべ現金保有コストが高い。日銀は2016年1月にマイナス金利政策を導入。これにより預金金利は、すべての預入期間においてほぼゼロとなり、円建ての安全資産とされる日本国債の利回りも、満期10年未満まですべてマイナスとなり、10年物ですらゼロ近辺となった。こうした結果、有価証券から得られる日本企業の金利収入は激減した。
日本企業の自己資本が増加を続けているのにもかかわらず、日本の株式市場では日本企業の多くが割安に放置されている。全上場企業のうち株価純資産倍率(PBR)が1倍未満の割合を日米英独の4カ国別にみると、英国が14%、米国とドイツが10%であるのに対し、日本は38%と突出して高い。
日本の上場企業が割安に放置される理由の一つとして考えられるのは、日本企業が現預金を過剰に保有していることだ。日本企業が保有する現預金は、6月末時点で192兆円と過去最高を更新し、総資産に占める割合は12.3%と26年(1991年6月末)ぶりの高水準に上昇した。手元流動性が時価総額の30%を超える日本の上場企業数は約4千社のうち200を超える。
日本は英米にくらべ現金保有コストが高い。日銀は2016年1月にマイナス金利政策を導入。これにより預金金利は、すべての預入期間においてほぼゼロとなり、円建ての安全資産とされる日本国債の利回りも、満期10年未満まですべてマイナスとなり、10年物ですらゼロ近辺となった。こうした結果、有価証券から得られる日本企業の金利収入は激減した。
2017年8月24日木曜日
帰属家賃の品質調整で日銀の金融政策に変化は生ずるか?
総務省は帰属家賃に品質調整を実施する可能性がでてきたと報じられている。帰属家賃とは、実際には支払っていない持ち家に対する家賃を賃貸物件の家賃から推計したもの。消費者物価(CPI)全体に占める帰属家賃の割合(ウエイト)は日米ともに高く、日本では15%、米国では24%と高く、帰属家賃のCPIに与える影響は大きい。
日本の帰属家賃は2008年10月から前年割れを続けており、今年4-6月期は前年比で0.3%低下している。一方、同時期の米国の帰属家賃は前年比3.3%の上昇である。帰属家賃における両者の違いが、日米のインフレの違いにつながっているとの見方もある。
日本と米国では帰属家賃の推計方法に違いがある。米国では推計に際し、住宅の経年劣化の影響を織り込む(品質調整を実施する)が、日本では織り込まない(品質調整を実施しない)。一般に、住宅の品質は時間とともに劣化し、それが家賃に反映される(家賃が下がる)傾向にあるが、日本ではこの影響を考慮しないため、帰属家賃が恒常的に低下する一因であると指摘されている。
一部報道によると、日銀は2015年の政府・統計委員会で日本の住宅の老朽化を示し、住宅の品質の変化を考慮できていないために物価に下押し圧力がかかっていると指摘した。実態に近づけるために劣化を考慮し、家賃に品質調整をすれば、CPI全体が0.1~0.2%押し上げられるという。
総務省は、過去30年間の住宅・土地統計調査のデータから住宅の経年劣化が家賃に与える影響について分析し、1983年から2013年にかけて新築物件の家賃が平均で年率1.1%上昇したのに対し、既存物件は同0.7%にとどまったことを明らかにした。新築物件と既存物件の伸びの差である0.4%が経年劣化分と考えることができる。上述したように日本のCPIにおける帰属家賃のウエイトは15%だから、帰属家賃を品質調整すればCPIは0.1%弱(0.4%×15%)程度押し上げられることになる。
ただ、足元での日本のCPIは、総合CPI、コアCPIともに前年比+0.4%程度。仮に日本の帰属家賃に品質調整が実施されたとしても、両CPIは+0.5%程度になるだけで、2%インフレ目標に大きく近づくわけではない。2%インフレ目標に少しでも近づきたいという日銀の思いはわからなくもないが、多大な労力をかけた割に得られる果実は、日銀にとって大きいものに思えない。
帰属家賃が具体的に計測されるものではなく推計によるもので、かつ実際の経済活動に用いられることがないことも考えると、日銀は帰属家賃を押し上げることを考えるよりも、インフレとみなす対象指標を帰属家賃が含まれないものに変更したほうが合理的に思える。日銀が現在、対象としているインフレ指標は、生鮮食品を除く総合CPI(コアCPI)だが、たとえば対象をコアCPIから帰属家賃を除いたCPI(帰属家賃を除くコアCPI)に変更してもよい。
しかし、帰属家賃を除くコアCPIは4-6月期に前年比+0.5%と、2015年1-3月期以来の高い伸びに加速しているが、依然として1%を下回っている。帰属家賃の有無にかかわらず、日本のインフレ圧力が弱いことに変わりはない。市場関係者の一部からは、日銀の出口戦略を期待する声が依然として聞かれるが、CPIを見る限り、その声に現実味は感じられない。
日本の帰属家賃は2008年10月から前年割れを続けており、今年4-6月期は前年比で0.3%低下している。一方、同時期の米国の帰属家賃は前年比3.3%の上昇である。帰属家賃における両者の違いが、日米のインフレの違いにつながっているとの見方もある。
日本と米国では帰属家賃の推計方法に違いがある。米国では推計に際し、住宅の経年劣化の影響を織り込む(品質調整を実施する)が、日本では織り込まない(品質調整を実施しない)。一般に、住宅の品質は時間とともに劣化し、それが家賃に反映される(家賃が下がる)傾向にあるが、日本ではこの影響を考慮しないため、帰属家賃が恒常的に低下する一因であると指摘されている。
一部報道によると、日銀は2015年の政府・統計委員会で日本の住宅の老朽化を示し、住宅の品質の変化を考慮できていないために物価に下押し圧力がかかっていると指摘した。実態に近づけるために劣化を考慮し、家賃に品質調整をすれば、CPI全体が0.1~0.2%押し上げられるという。
総務省は、過去30年間の住宅・土地統計調査のデータから住宅の経年劣化が家賃に与える影響について分析し、1983年から2013年にかけて新築物件の家賃が平均で年率1.1%上昇したのに対し、既存物件は同0.7%にとどまったことを明らかにした。新築物件と既存物件の伸びの差である0.4%が経年劣化分と考えることができる。上述したように日本のCPIにおける帰属家賃のウエイトは15%だから、帰属家賃を品質調整すればCPIは0.1%弱(0.4%×15%)程度押し上げられることになる。
ただ、足元での日本のCPIは、総合CPI、コアCPIともに前年比+0.4%程度。仮に日本の帰属家賃に品質調整が実施されたとしても、両CPIは+0.5%程度になるだけで、2%インフレ目標に大きく近づくわけではない。2%インフレ目標に少しでも近づきたいという日銀の思いはわからなくもないが、多大な労力をかけた割に得られる果実は、日銀にとって大きいものに思えない。
帰属家賃が具体的に計測されるものではなく推計によるもので、かつ実際の経済活動に用いられることがないことも考えると、日銀は帰属家賃を押し上げることを考えるよりも、インフレとみなす対象指標を帰属家賃が含まれないものに変更したほうが合理的に思える。日銀が現在、対象としているインフレ指標は、生鮮食品を除く総合CPI(コアCPI)だが、たとえば対象をコアCPIから帰属家賃を除いたCPI(帰属家賃を除くコアCPI)に変更してもよい。
しかし、帰属家賃を除くコアCPIは4-6月期に前年比+0.5%と、2015年1-3月期以来の高い伸びに加速しているが、依然として1%を下回っている。帰属家賃の有無にかかわらず、日本のインフレ圧力が弱いことに変わりはない。市場関係者の一部からは、日銀の出口戦略を期待する声が依然として聞かれるが、CPIを見る限り、その声に現実味は感じられない。
2017年7月12日水曜日
経済運営に対する高い評価で難局を切り抜けそうな安倍政権
日本株が底堅さを増す動きを見せている。年初に19300円近辺で始まった日経平均株価は、1月半ばに1万9千円割れ。3月には19700円近くと年初来高値を小幅更新する水準まで反発したが、その後は下落基調が続き、4月半ばには18200円台と年初来安値を更新した。
しかし4月下旬から日経平均株価は上昇基調を強め、連休明けの5月11日には2万円ちょうど近辺と2015年12月以来の高値に上昇。6月2日には20200円台、6月20日には20300円台と2015年8月以来の高値を更新。7月は一時2万円を割り込む場面もあったが、今週は2万円を割り込むことなく下値の堅い動きを維持している。
東京都議選後の各種世論調査によると、安倍政権の支持率は30%台半ば前後と、政権運営が困難な危険水域とされる30%割れが目前。第1次安倍政権の際にも、2007年8月の世論調査で支持率が30%ちょうど近辺に低下し、翌9月に安倍首相が辞任したこともあり、第2次安倍政権も近い将来に終焉を迎えるとの見方も一部にあるようだ。
しかし底堅い動きを示す日本株が、安倍政権を救う可能性は十分あるように思える。日本銀行が公表する資金循環などから推計すると、今年4-6月期の日本株の評価益は、日本全体で35.5兆円の増加と、前期の0.6兆円増から大きく拡大した見込み。この結果、安倍政権が始まってから(2012年12月末以降)の日本株の評価益累計は337兆円と、2015年6月末に記録した333兆円を上回りそうだ。ちなみに民主党が政権を担当していた2009年9月末から2012年9月末までの3年間、日本株は最大67兆円の評価損を記録。民主党政権が終了する直前の2012年7-9月期だけでも日本株は11.5兆円の評価損を計上した。
日本株だけでなく、日本景気も堅調に推移している。5月の有効求人倍率は1.49倍と43年ぶりの高水準に達し、同月の現金給与総額は前年比0.7%増と緩やかながら増加基調を維持。5四半期連続で前期比プラスを記録しているGDP成長率は、4-6月期以降もプラスを続けるとの見方が強まっている。政権全体での評価は下がっているのだろうが、経済運営に対する安倍政権に対する評価は依然として高いままだろう。
日本株や日本景気が堅調に推移し、安倍政権も続くとの見方が広がれば、円売りの動きは続くとみるのが自然となる。本日(7月12日)のドル円は、114円ちょうど近辺から113円台半ば手前へと下落したが、これは前日NY市場で節目とされた114円台半ばを突破できず、ドル買いポジションが調整された結果とみられる。米FRBが利上げやバランスシート縮小といった金融政策の正常化を模索する一方で、日銀は金融緩和を続けるという金融政策の違い(ダイバージェンス)を背景に、7月後半のドル円は114円台半ばの上抜けをトライし、次の節目である115円ちょうどを目指す展開が期待される。
しかし4月下旬から日経平均株価は上昇基調を強め、連休明けの5月11日には2万円ちょうど近辺と2015年12月以来の高値に上昇。6月2日には20200円台、6月20日には20300円台と2015年8月以来の高値を更新。7月は一時2万円を割り込む場面もあったが、今週は2万円を割り込むことなく下値の堅い動きを維持している。
東京都議選後の各種世論調査によると、安倍政権の支持率は30%台半ば前後と、政権運営が困難な危険水域とされる30%割れが目前。第1次安倍政権の際にも、2007年8月の世論調査で支持率が30%ちょうど近辺に低下し、翌9月に安倍首相が辞任したこともあり、第2次安倍政権も近い将来に終焉を迎えるとの見方も一部にあるようだ。
しかし底堅い動きを示す日本株が、安倍政権を救う可能性は十分あるように思える。日本銀行が公表する資金循環などから推計すると、今年4-6月期の日本株の評価益は、日本全体で35.5兆円の増加と、前期の0.6兆円増から大きく拡大した見込み。この結果、安倍政権が始まってから(2012年12月末以降)の日本株の評価益累計は337兆円と、2015年6月末に記録した333兆円を上回りそうだ。ちなみに民主党が政権を担当していた2009年9月末から2012年9月末までの3年間、日本株は最大67兆円の評価損を記録。民主党政権が終了する直前の2012年7-9月期だけでも日本株は11.5兆円の評価損を計上した。
日本株だけでなく、日本景気も堅調に推移している。5月の有効求人倍率は1.49倍と43年ぶりの高水準に達し、同月の現金給与総額は前年比0.7%増と緩やかながら増加基調を維持。5四半期連続で前期比プラスを記録しているGDP成長率は、4-6月期以降もプラスを続けるとの見方が強まっている。政権全体での評価は下がっているのだろうが、経済運営に対する安倍政権に対する評価は依然として高いままだろう。
日本株や日本景気が堅調に推移し、安倍政権も続くとの見方が広がれば、円売りの動きは続くとみるのが自然となる。本日(7月12日)のドル円は、114円ちょうど近辺から113円台半ば手前へと下落したが、これは前日NY市場で節目とされた114円台半ばを突破できず、ドル買いポジションが調整された結果とみられる。米FRBが利上げやバランスシート縮小といった金融政策の正常化を模索する一方で、日銀は金融緩和を続けるという金融政策の違い(ダイバージェンス)を背景に、7月後半のドル円は114円台半ばの上抜けをトライし、次の節目である115円ちょうどを目指す展開が期待される。
2017年6月27日火曜日
マーク・ファーバーのコメント(2017年6月)
ファーバー博士からまたメールをいただきました。
博士が、ここまで規制を嫌い、間接部門の肥大化について
危機感を有しているとは思いませんでした。
米国の生産性の低下ともつながる話かと思います。
詳しくは以下からどうぞ。
マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート
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