2019年9月11日水曜日
誰もができる副業とは
資産形成を続けるためには、投資に必要なお金(タネ銭)を貯める必要があります。一般に、貯めるべきタネ銭の目安は、得られる収入の一割から二割といわれています。たとえば所得税や健康保険料などを差し引いた収入(いわゆる「手取り」)が15万円なら、1万5千円から3万円くらいを、使わずにタネ銭として取っておくことになります。
しかし、近年では、20代だけでなく全てに年代において、収入が増えにくくなっており、手取りだけでは生活するのが精一杯で、とてもタネ銭を貯めることはできない、と思われる方も多いようです。手取り15万円の方が、3万円ものお金をタネ銭として取っておくことは、現実的ではないとの見方もあるかもしれません。
タネ銭は、手取りから支払った額を差し引いた残りから捻り出します。手取りが15万円の方が、タネ銭として3万円を取っておくには、支払える金額は12万円となります。支払う額が12万円を超えてしまうと、タネ銭として取っておける金額は3万円よりも少なくなります。
目標とする金額でタネ銭を取っておくことが難しいと思われる方は、手取りを増やすことが有効かもしれません。しかし、いくらでも残業できるわけではありませんし、賃金が大きく上がることも期待できませんから、今の仕事だけで手取りを増やそうとするのは難しそうです。
それでも手取りを増やすのであれば、別の仕事をすることも考えられます。いわゆる副業です。ただ、勤めている会社で副業を認めていないところも多いでしょうし、仮に認められているとしても、現在の仕事とのバランスを取るのも難しいように思えます。そもそも、どんな副業をしたらいいのか、よくわからない方も多いと思います。
そうした方は、お金を払ってやってもらうことを、自分でやることを副業とする、と考えるといいかもしれません。
たとえば、牛丼屋で牛丼を食べたとし、そこで500円を支払ったとします。この500円のうち、牛丼の材料として使われている金額(材料費)は、おそらく200円以下でしょう。外食の原価率(販売する価格全体に占める材料費の割合)は(おおむね)50%以下といわれているからです。牛丼が500円だったとしたら、その50%にあたる250円くらいまでが材料費、ということです。
では、500円の牛丼のうち200円が材料費だったとして、残り300円は何に使われるのでしょう。その多くは、人件費です。牛丼の材料を買う人、材料を調理する人、牛丼をよそう人、牛丼を運ぶ人、こうした人々の賃金(お給料)に牛丼の販売額の多くが使われます。あとは、牛丼を作るための光熱費や店舗を用意するコスト、そして牛丼屋の利益です。
では、牛丼を牛丼屋で食べるのではなく、自宅で作るとどうなるでしょう。材料費は牛丼屋の200円よりも高くなるかもしれません。自宅で作れば、光熱費が余計にかかるかもしれません。しかし、同じ質の牛丼であれば、材料費と光熱費を足し合わせても、牛丼屋での牛丼の販売価格の500円より高くなるとは考えにくいです。なぜなら、自分で牛丼を作ることは、牛丼屋の人件費を払わずにすむからです。
自分で牛丼を作り、自分で食べることは、自分が牛丼屋で働いて、自分というお客さんに牛丼を販売することを意味します。自炊は、節約の一種と考えがちですが、外食のために支払うはずだった人件費を自分が稼いでいる、と考えることもできます。この場合の賃金は、外食で支払う金額と、自炊で支払う金額の差額です。
じつは、この考え方は、外食に限りません。お金を払って他の人にやってもらっていたこと全てがあてはまります。子供の勉強の面倒を塾や家庭教師に頼まず、自分でやれば、自分が塾や家庭教師という副業をしたことになります。Yシャツのアイロンをクリーニング店に頼まず、自分でやれば、自分がクリーニング店で副業をしたことになります。ちょっと極端ですが、自分で髪の毛を切れば、自分が美容室・床屋で副業をしたことになります。
タネ銭が貯めにくい、と感じる方は、お金を払って他の人にやってもらっていることが多くないか?と自問するのも一つの方法かもしれません。仮に多いと感じるのであれば、自分ができそうなことを自分でする、という副業が役に立つと思われます。
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