2019年9月21日土曜日

副業は効率が悪い


会社や役所に勤め、毎月お給料を受け取っている方は、自分の時給を(ざっくりと)計算することができます。たとえば、ボーナスも含めて1年間に受け取るお給料が500万円(いわゆる年収500万円)の方は、平均して毎月41.7万円(=500万円÷12カ月)を受け取っています。

週休2日を仮定すると、働く日は一カ月間で22日くらいですので、一日に受け取るお給料は約1万9千円(=41.7万円÷22日)となります。一日に残業も含めて平均10時間働いているのであれば、時給は1,900円(=1万9千円÷10時間)となりますし、平均8時間働いているのであれば、時給は約2,370円(=1万9千円÷8時間)となります。日本の最低賃金時間額(全国加重平均)は874円(平成30年度)、三大都市圏(首都圏・東海・関西)のアルバイト・パート募集時の平均時給は、2018年10月に過去最高を更新したものの1,047円*だそうです。最低賃金やアルバイトの時給と比較すると、年収500万円の方は、最低賃金やアルバイト・パートの2~3倍の時給を受け取っていることになります。

*株式会社リクルートジョブズの調査機関「ジョブズリサーチセンター」の調査。



最近では、お給料が増えにくいこともあって、副業に興味を持つ方が増えているようです。中には、副業による収入が、本業よりもおおくなり、副業を本業にする方も一部にいらっしゃるようです。ただ一般的には、副業で得られる収入が、本業を下回るのがほとんどで、副業で得られる収入は、せいぜいアルバイト・パートと同じ水準と言われています。時給で言えば、せいぜい1,000円程度で、年収500万円の方であれば、副業の金銭的な効率は、本業の半分に過ぎません。

副業のデメリットは、本業に比べ効率が悪い(時給が低い)だけでなく、自分の時間を費やす必要があることです。たとえば、副業としてコンビニでバイトをすれば、コンビニで働いている間の時間は、自分の時間とは言えません。最近では、アフィリエイトや情報商材の販売といったインターネットサイトでの副業が、自宅でできる副業として普及していますが、アフィリエイトのタグ設定や情報商材の作成で多くの時間を要することは知られていません。1日は24時間しかなく、本業で時間を費やし、副業でも時間を費やしてしまうと、生きていくうえで必要とされる睡眠、食事、入浴、余暇などに費やす時間が少なくなり、結果として健康を害することもあります。

資産形成を通じ、自分の資産を増やすことで、資産から得られるお金も増えることになります。資産は副業と違い、自分の時間を費やさなくても、新たな金銭を生み出してくれます。資産形成を始めたころは、積み上がる資産が少なく、資産から得られるお金も少ないため、資産形成よりも副業のほうが金銭的な効率が高いように思うかもしれません。しかし資産は増えれば増えるほど、新たなお金を生み出す効率が高くなる一方、副業の効率性(時給)は、よほどのことがない限り変わらないか、変わったとしても増える金額は微々たるものです。ちょっと長い目で見れば、副業よりも資産形成の方が、経済的にも時間においてもメリットが大きいといえます。

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