2014年2月21日金曜日

メキシコGDP(2013年第4四半期)

本日午後11時に昨年第4四半期のメキシコGDPが発表される。市場予想では前年比1.0%増と前期(同1.3%増)から鈍化する見込みである。

メキシコ景気は回復の兆しが見られないまま2014年に入ってしまった。メキシコ中銀の会合議事録(2月1日開催分)では、同国景気の景気について同中銀の強気の姿勢が示された。また同議事録ではインフレリスクが悪化し、労働市場での雇用過剰感がやや引き締まったとも指摘された。一方で、足元のインフレの高まりは一時的との見方も示された。しかし、今後もメキシコの経済指標が軟化を続ければ、メキシコ中銀は強気の姿勢を変えざるを得ないと思われる。

ブラジル・IPCA(2014年2月)、経常収支・対内直接投資(ともに2014年1月)

本日午後9時に2月のブラジルIPCAが発表される。市場予想では前年比+5.62%と前月(同+5.63%)とほぼ同じ伸びが見込まれている。市場はブラジル中銀が2月27日の会合で政策金利を25bp引き上げ10.75%にすると見込んでいるが、ブラジル中銀の週次サーベイによると今年末の政策金利見通しは11.25%となっている。次回会合で利上げが打ち止めになるとの見方は後退している。

本日午後10時半には1月のブラジル経常収支と対内直接投資も発表される。経常収支は116.6億ドルの赤字と統計開始以来最大の赤字が見込まれている。仮に市場予想通りとなれば2013年のブラジル経常赤字はGDP比3.7%と2012年の同2.4%から拡大する。一方、対内直接投資は40億ドルと前月(64.9億ドル)から縮小する見込みである。

2014年2月20日木曜日

中国・HSBC製造業PMI(2014年2月)

さきほど発表された2月の中国HSBC製造業PMI(速報)は48.3と市場予想(49.5)や前月(49.5)を下回り、好不況の分岐点とされる50を2カ月連続で割り込んだ。

1月の中国・輸出は前年比10.6%増と急増した。ただ1月末からの春節(旧正月)の大型連休を前に駆け込み的に輸出が集中したほか、輸出を装って海外から投機資金を持ち込む「水増し輸出」が増えた可能性もある。

今回発表されたHSBC製造業PMIの結果が中国景気の実情を的確に示しているといえ、新興国を中心に対中輸出の依存度の高い国ほど景気の先行き期待は持ちにくい。

2014年2月19日水曜日

Mt.Gox問題を根拠にビットコインの将来性を否定することの是非

ビットコインの取引所として世界有数の規模を誇り、日本では事実上唯一のビットコイン取引所とされるMt.Gox(マウントゴックス)の口座からビットコインが引き出せない状態が続いています。同社が顧客による引き出しを一時停止したと公表したのは2月7日ですから、すでに2週間近くが経過したことになります。

Mt.Goxからビットコインが引き出せない、ということで、Mt.Goxの顧客がビットコインの換金売りを続けたのは自然なことです。Mt.Goxでのビットコイン価格は、2月5日の900ドル台から下落基調で推移。2月16日には200ドル割れをうかがう水準まで下落しましたが、その後は300ドル手前でのもみ合いが続いています。一方、他取引所でのビットコイン価格は600ドルを超えています。

最近では、Mt.Goxでのビットコイン価格の下落を見て、ビットコインは終わったとする指摘が目立つようになっています。理由として、(Mt.Goxがビットコインの引き出し停止の理由として指摘した)ビットコインの不正引き出しを技術的に防ぐことはできないとの指摘もありますが、そもそもビットコインは何もないところからスタートしたものだけに、ビットコイン価格が上昇していた昨年12月あたりからビットコインをバブル視する見方もありました。今回のMt.Goxの問題は、ビットコインをバブル視したい方にとっては良い材料になったのでしょう。

Mt.Goxは2月17日に、ビットコインの引き出しを「間もなく」再開するとし、20日には引き出し再開対応の進捗状況を報告すると発表しました。同社を信用するのであれば、Mt.Goxからビットコインを引き出すことは可能となりますので、Mt.Goxでのビットコイン価格は他取引所と同水準に収れんすることが期待されます。

Mt.Gox問題はビットコインの不正引き出しに関する脆弱性を示したといえますが、ビットコインの利便性を否定するものではありません。ビットコインは送金手段として伝統的な他送金方法に比べ圧倒的なメリットを有します。またビットコインは「善意の第三者による認証」というこれまでにない認証方法を備えていますので、ビットコインの仕組みを「所有権の新しい確認方法」として活用するアイデアも出されています。技術的にはオープンプラットフォームですので、能力の高い企業であればビットコインを活用したビジネス拡大を期待することもできます。

悲惨な放火被害が報じられたからといって火を使うことを止めようと考える方は皆無である、というロジックはビットコインでも使えるような気がします。

ポーランド・鉱工業生産販売(2014年1月)

本日午後10時に1月のポーランド鉱工業生産販売が発表される。市場予想では前年比+3.5%と前月(同6.6%)から鈍化する見込みである。

ポーランド景気は緩やかに回復を続けているが、インフレは低いままである。このためポーランド中銀が政策金利を年央まで据え置くのは自然と思われる。次回中銀会合は3月5日だが、同中銀は政策金利を据え置くだろう。

マレーシア・CPI(2014年1月)

本日午後6時に1月のマレーシアCPIが発表される。市場予想では前年比+3.3%と前月(同+3.2%)から加速する見込みである。

マレーシアのインフレ圧力は強まっており、景気は緩やかながら回復基調にある。しかしマレーシア中銀は当面、利上げを見送るだろう。次回中銀会合は3月6日である。

南アフリカ・CPI(2014年1月)

本日午後5時に1月の南アフリカCPIが発表される。市場予想では前年比+5.7%と前月(同+5.4%)から加速する見込みである。1月はZAR安が進展したためCPIが市場予想を上ぶれる可能性もある。

南アフリカ中銀は1月29日、市場予想に反し政策金利を50bp引き上げ5.50%とした。しかし実質金利は依然としてマイナスのまま。同国景気が軟調に推移しているとはいえ、追加利上げが必要となる可能性がある。次回中銀会合は3月27日である。

2014年2月18日火曜日

日銀・金融政策決定会合(2014年2月)

日銀は2月18日の金融政策決定会合でいわゆる異次元緩和の現状維持を決定。一方で、二つの融資支援制度を1年延長し、規模を2倍に拡大することも決めた。これにより、日銀から金融機関への貸し出しは最大約19兆円から約38兆円に拡大することになる。

・貸出増加を支援するための資金供給
(従来)最大15兆円
(今後)最大30兆円

・成長基盤強化を支援するための資金供給
(従来)最大3.5兆円
(今後)最大7.5兆円

・二つの合計
(従来)最大18.5兆円
(今後)37.5兆円

ただ、最大約38兆円、という数字はあくまで「最大」ということを忘れてはならない。

二つの融資制度はすでに実施されたものだが、資金需要の弱さもあって貸出額は現在は約9兆円でしかない。日銀から金融機関への最大貸出額が引き上げられたとしても、実際に最大水準まで貸出が拡大するとは限らない。

日銀の発表を受けて日本株は急騰。日経平均株価は終値で450円高となり、ドル円は102円ちょうど近辺から102円台後半に上昇した。ただ、円債利回りの反応は日銀の発表を受けても限定的。日米金利差の拡大がないだけにドル円の持続的な上昇は期待できない。

2014年2月17日月曜日

日本・GDP(2013年第4四半期)

昨年第4四半期の日本GDPは前期比年率1.0%増と市場予想(同2.8%増)を大きく下回った。一部メディアは消費税率引き上げ前の駆け込み消費の弱さを指摘していたが、民需は前期比0.8%増(年率3.2%増)と伸びが加速している。

成長率を押し下げたのは輸入の増加だ。輸入は前期比3.5%増と成長率を年率2.4%程度押し下げた。ただ、輸入の増加は日本の内需の強さの表れとみることもできる。日本景気は、堅調な推移を続けていると評価していいだろう。

今年第1四半期の成長率も年率1~2%程度の伸びを期待していいだろう。消費税率の引き上げ前の駆け込み需要は、それなりに続く見込みで、個人消費は年率1%程度の伸びを維持すると思われる。補正予算効果で公共投資も成長率を下支えするだろう。ただ一方で、輸入は引き続き成長率を押し下げると思われる。

今回発表されたGDPで興味深いのは、円安効果が景気にとって中立に近付いている点だ。昨年第4四半期の輸出は前期比0.4%増にとどまり、輸入(同3.5%増)に比べ伸びが弱い。すでに指摘されていることだが、日本の輸出企業は円安進展でも外貨建て輸出価格を引き下げず(円建ての輸出価格の上昇を受け入れ)、輸出数量の拡大を狙っていない。円安の進展は、日本の輸出企業の収益増にはつながっても、数量面での生産活動の拡大にはつながっていない。これでは実質でみた輸出が増えないのも当然で、日本の輸出企業が雇用・賃金を増やさないのも自然といえる。

円安の進展で輸入コストが上昇し、実質所得の伸びを抑えているのも興味深い。雇用者報酬は名目で前期比0.7%増と2011年第1四半期以来の高い伸びとなったが、実質では同0.1%増と前期(同0.4%減)から反発できていない。マインドの改善持続で個人消費は実質でも堅調に推移しているものの、消費の源泉である賃金(雇用者報酬)は実質ではピークアウトの感すらある。このまま所得が弱いようだと、消費税率引き上げ後の個人消費の反動減が長期化する可能性もある。