2015年6月27日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年6月26日)

 6月26日のロンドン市場はドル、ユーロともに膠着感の強い展開となった。ドル円は123円台半ば手前でのもみ合い。米債利回りは短期債中心にじり高の動きが続いたが、欧州株はマイナス圏での推移。市場のリスク回避姿勢は根強く、ドル円の上値を抑えた。

 ユーロドルは1.12ちょうどを挟んで小幅上下動での推移。6月のイタリア消費者信頼感は109.5と市場予想を大きく上回り3カ月ぶりの高水準。同指標の結果を受けてユーロが強含む場面もあったが、その動きは一時的だった。ユーログループのデイセルブルム議長は、ギリシャ合意は27日中に行う必要があると発言。一部メディアはECBがギリシャ市中銀行向けELAの上限を据え置いたと報じた。また他一部米系メディアは、当局者の話として、ギリシャの債権団がギリシャ支援プログラムの5カ月延長を提案したと報道。報道によると、支援規模はEFSFから87億ユーロ、SMPの利益33億ユーロ、IMFから35億ユーロなど計163億ユーロが想定されている。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年6月26日)

 新興国通貨は一部アジア通貨を除き対ドルで下落。ギリシャのデフォルト懸念を背景に市場のリスク回避姿勢が強まる展開。新興国通貨の重石となった。

 BRLは対ドルで小幅下落。6月のブラジルFGV建設コストは前月比+1.87%と市場予想を上回る伸び。一方で同月同国のFGV消費者信頼感は83.9と2カ月連続で低下。今年3月に記録した統計開始以来最低(82.9)水準に近づいた。ブラジル金融カウンシルは2017年のインフレ目標レンジを4.5%±1.5%にすると発表。現在の4.5%±2.0%よりも変動幅を抑制した。

 MXNは対ドルで0.4%の下落。5月のメキシコ失業率は4.37%と市場予想に反し、前月から小幅上昇。同月同国の貿易収支は10.2億ドルの赤字と赤字額が市場予想を大きく上振れ。輸入が前年比5.5%減と2009年10月以来の大幅な落ち込みとなったが、輸出が同8.8%減と、こちらも009年10月以来の大幅な落ち込み。貿易赤字を拡大させた。

 CLPは対ドルで0.9%の下落。チリ中銀は会合議事録(6月12日開催分)を公表。対象会合では利下げも利上げも議論されなかったことが判明。同中銀調査担当局からは景気の回復ペースが当初の見込みより遅いことが指摘された。メンバーの一部はCLP安がインフレを3%に戻すのを遅らせており、インフレの高止まりが利下げを難しくしていると発言。他メンバーからは2016年始めには利上げされる可能性が示された。

よい週末をお過ごしください。

2015年6月26日金曜日

海外プロジェクトの動向も為替に影響する(2)

 海外の利子・配当と同じように、直接投資も国全体でみると、受け取りと支払いの両方が行われています。そこで国全体での直接投資の動きを知るために、受け取りと支払いのそれぞれの金額だけでなく、受け取り額から支払額を差し引いた額もみることも大事となります。これは専門用語で直接投資収支と呼ばれます。

 直接投資収支は、直接投資の受け取りが、直接投資の支払いを上回る(直接投資収支はプラスとなる)とき、直接投資収支は黒字といいます。逆に支払いが受け取りを上回る(直接投資収支がマイナスとなる)とき、直接投資収支は赤字といいます。

●直接投資収支とは直接投資の受け取りから直接投資の支払いを差し引いた金額
 直接投資収支が黒字=直接投資の受け取りが直接投資の支払いを上回っている
 直接投資収支が赤字=直接投資の支払いが直接投資の受け取りを上回っている

 直接投資収支が黒字の国は、直接投資の受け取りが直接投資の支払いを上回っているわけですから、国全体でみた場合、外貨を自国通貨に換える需要が、自国通貨を外貨に換える需要よりも強いことになります。逆に直接投資収支が赤字の国は、自国通貨を外貨に換える需要が、外貨を自国通貨に換える需要よりも強いことになります。

●直接投資収支が黒字の国=外貨を自国通貨に換える需要が強い
●直接投資収支が赤字の国=自国通貨を外貨に換える需要が強い

 直接投資について為替市場で注目されるのが、企業買収に関するニュースです。企業買収とは、ある企業が別の企業を買い、その企業を経営したり、利益を自分のものにすることを意味します。

 ある国の企業が、別の国の企業を買収するには、買収する企業がある国の通貨を使う必要があります。このため、買収される企業の国の通貨の需要が強まると考えられます。

 たとえば日本の大手携帯通信会社は、米国の大手通信会社を買収すると発表し大きな話題となったことがあります。日本の大手携帯通信会社は、買収のために多額の米ドルを必要とすると考えられ、為替市場では円が売られドルが買われる取引が活発になったことがありました。

●規模の大きな海外企業が他国の企業に買収される=買収される企業がある国の通貨の需要が強まる

 企業は、別の国の企業を買収するのではなく、別の国で自らビジネスを始めることもあります。別の国でビジネスを始めるには、事務所や設備を用意し、従業員を雇う必要がありますが、そのために必要なお金は、その国の通貨でなければなりません。このため、外国でイチから企業を始める場合にも外国の企業を買収する時と同じように外貨が必要となります。つまり海外の企業が数多く進出してくる国の通貨は、需要が強まると考えられます。

●海外企業が数多く進出してくる=その国の通貨の需要が強まる

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年6月25日)

 6月25日のロンドン市場では取引前半にギリシャ債務協議の先行き不透明感から市場のリスク回避姿勢が強まる場面もあったが、その後、市場のリスク回避姿勢は後退。結局、ドル、ユーロともに大きな値動きを示さなかった。

 一部メディアはギリシャ政府の修正案提出期限が日本時間午後6時になったと報道。またECBは2日続けてギリシャ市中銀行向けELAの上限を据え置いたとの報道も流れた。しかし午後6時を過ぎてもギリシャ政府が修正案を提出したとの報道はないまま。市場のリスク回避姿勢は強まり、ユーロが売られる一方で円は買い優勢の動きに。ユーロドルは1.12ドルちょうど近辺から1.11ドル台半ば近辺に下落し、ドル円は123円台後半から123円台前半に下落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年6月25日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。ドル、ユーロが様子見姿勢を強める中、新興国通貨も方向感に欠ける展開となった。

 KRWは対ドルで0.2%の下落。6月の韓国消費者信頼感は99と2012年12月以来の低水準。韓国政府は15兆ウォンを上回る景気刺激策を計画していることを公表。また今年の成長率見通しを3.1%と従来の3.8%から下方修正。CPI見通しは0.7%と従来の2.0%から下方修正した。

 PHPは対ドルで変わらず。4月のフィリピン貿易収支は3.0億ドルの赤字と、赤字額が市場予想を下振れ。輸入が前年比12.8%減と大きく落ち込んだことで貿易赤字が抑制された。フィリピン中銀は市場予想通り政策金利を4.00%、SDRを2.50%でそれぞれ据え置き。同中銀のテタンゴ総裁はフィリピン内需は依然として堅調であると指摘。しかし、同中銀は今年のインフレ見通しを2.1%に下方修正。同中銀の高官は金融政策による景気刺激は必要ないとの認識を示したものの、必要があれば金融政策を調整する意向を示した。

 TWDは対ドルで小幅下落。台湾中銀は市場予想通り政策金利を1.875%で据え置き。同中銀は年後半にインフレは加速する見通しと指摘。同中銀の彭総裁は金融政策は十分に緩和しており、TWDの実質実効レートはKRWより低いとも発言。第3四半期以降の金融政策は経済指標次第との認識も示した。

 BRLは対ドルで1.0%の下落。現地報道は汚職関連で逮捕がまぬがれているルラ前大統領の逮捕許諾権の申請が準備されていると報道。6月22日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.54%と前週から変わらず。5月のブラジル失業率は6.7%と市場予想を上回り、2010年8月以来の高水準。5月のブラジル中央政府財政収支は81億レアルの赤字と赤字額が市場予想を上回った。

 COPは対ドルでほぼ変わらず。コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を4.50%で据え置き。同中銀のウリベ総裁は金利据え置きは全会一致での決定だったと発言。同国のインフレ期待は依然として安定しているが、景気はとても緩やかに減速しているとの認識を示した。

 ZARは対ドルで0.4%の上昇。5月の南アフリカPPIは前年比+3.6%と市場予想を上回り、今年最も高い伸びを示した。

 CZKは対ドルで小幅上昇。チェコ中銀は市場予想通り金融政策の現状維持を決定。同中銀は声明でCZKの対ユーロ上限策は2016年後半より前に終了することはなく、変更される可能性も低下しているとの認識を示した。

 RUBは対ドルで0.3%の下落。6月19日時点のロシア金・外貨準備高は3646億ドルと前週から増加し、今年2月下旬以来の水準に回復した。

米国シアトル市のマレー市長は、市内にある個室タイプの公衆トイレを男女別にせず、性別不問にするための条例を提案したそうです。トイレの稼働率が平準化されて、待ち行列も減りそうですね。

2015年6月25日木曜日

海外プロジェクトの動向も為替に影響する(1)

 直接投資は、企業が外国で実際にビジネスをすることを目的に、外国で工場を建てたり、企業を始めたり、外国の企業を買収することを意味します。自分の国の企業が、海外で直接投資をすることを直接投資の支払いといい、逆に海外の企業が、自分の国に直接投資をすることを直接投資の受け取りといいます。

 外国企業を買うことや、外国に工場を建てるには外国の通貨(外貨)が必要です。そこで企業は、直接投資のために、自分の国の通貨を外貨に換える必要があり、直接投資の動向が為替市場に影響を及ぼすことになります。

 たとえば日本の企業が、米国で自動車工場を建てる場合を考えてみます。これは日本からみた場合、直接投資の支払いに当たります。

 日本企業は、米国で工場を建てるための土地を買い、工場を建てるために必要な資材の多くを米国で調達することになります。また工場で働く人も雇わなければなりません。こうした工場を建てるために必要な費用は、工場が立てられる場所である米国で支払われることになるため、使われる通貨は米ドルとなります。

 このため日本の企業は、日本円を米ドルに換える必要が生まれ、日本円を米ドルに換える為替取引をします。

 このように直接投資の支払いでは、自国の通貨(この例では日本円)を外貨(この例では米ドル)に換える需要(必要性)が生じます。

●直接投資の支払い=外貨を自国の通貨に換える需要が生ずる

 次に米国の企業が日本に事務所を開かれる場合を考えてみましょう。これは日本からみた場合、直接投資の受け取りに当たります。

 米国企業は、事務所を開くためにオフィスビルの一室を借り、事務所で働く人を雇わなければなりません。こうした費用は、事務所が開かれる日本で支払われるため、使われる通貨は日本円となります。

 このため米国の企業は、米ドルを日本円に換える必要が生まれ、米ドルを日本円に換える為替取引をします。

 このように直接投資の受け取りでは、外貨(この例では米ドル)を自国の通貨(この例では日本円)に換える需要(必要性)が生じます。

●直接投資の受け入れ=自国の通貨を外貨に換える需要が生ずる

円相場次第の日本景気の「いい雰囲気」

日本景気は回復基調を強めている。第1四半期GDPは速報段階の前期比年率2.8%増から二次速報段階で同3.9%増に上方修正。個人消費は前期比0.4%増と小幅ながら3期連続でプラス。設備投資は消費税率引き上げ後に伸び悩んでいたが、第1四半期に前期比2.7%増と伸びが加速した。

今後も個人消費や設備投資は底堅く推移すると思われる。4月の現金給与総額は前年比0.7%増と今年最大の伸びを記録し、実質では同0.1%減と下げ止まった。消費者態度指数や景気ウォッチャー調査が示すように、消費者マインドも安定的に推移しており、個人消費は(緩やかかもしれないが)増加基調を維持するだろう。一方、設備投資の先行指標である機械受注(民需除く船舶電力)は4月に前年比3.0%増と5カ月連続でプラス。設備稼働率の低下など製造業の設備投資は先行き不透明感が強いものの、一部メディアが報じた設備投資計画などを考慮すると、設備投資も増勢基調が続くとみられる。

個人消費や設備投資の拡大は、日本景気の先行きに対する自信を深めるだろう。昨日(6月24日)、日経平均株価が終値で2万868円と、2000年4月に記録したITバブル時の最高値を超えたのも、日本景気の先行きに対する自信の表れと解釈できなくもない。一般メディアでの報道ぶりなどを見ると、日本景気は「いい雰囲気」にあるようだ。

日本景気が「いい雰囲気」になったのは、アベノミクスのおかげ、と思う方もいらっしゃるかもしれない。たしかに安倍政権は、その前の民主党政権に比べ、景気拡大や株価上昇に熱心な姿勢を露骨に示した。その結果が表れたという見方を完全に否定することはできない。

しかし、アベノミクス(ないしは安倍政権の姿勢)のおかげで日本経済が変わった、と考えるのも無理がある。そもそもアベノミクスの三本の矢のうち一本目(金融緩和)と二本目(財政拡大)は、伝統的な経済学に基づく景気刺激策。日本経済が変わっていないからこそ、日本景気はアベノミクスで拡大できたと言える。

三本目の矢(成長戦略)に対する期待は、株式市場関係者を中心に依然としてあるようだが、どちらかというと尻すぼみとなっている。米国とのTPP協議は、米国での法案成立の遅れもあって交渉妥結に至らないまま。規制改革については、農協改革や再生医療薬の承認までの期間短縮といった実績がある一方で、高度外国人材の活用や地熱発電関連は進展が見られない。安倍政権が22日に決めた成長戦略の素案は、官民対話の開始や中高年の転職や出向を受け入れる企業への助成制度の創設など、過去2回に比べ小粒となった。安倍政権の成長戦略に対する意気込みは認めたいものの、結果が伴わない印象が強まっている。

日本経済は変わらず、三本目の矢が期待外れであっても、日本景気が「いい雰囲気」になったからいいではないか、という声もあるようだ。たしかに、そういう考え方でもいいのかもしれない。ただ、現在の日本経済は、円安という追い風で救われている部分が相当あることを忘れてはならない。

日銀の黒田総裁が発言したように、日本円の実質実効レートは歴史的な低水準にあり、今後さらに低下する(円安になる)とは考えにくい。黒田総裁は、名目でのさらなる円安を否定したわけではないと釈明したが、仮に名目での円安が止まらず、実質実効レートが上昇に転ずるのであれば、それは日本の物価上昇が進むことを意味する。

日本の物価上昇が進めば、日銀の大規模緩和が終了に近付くことを市場は意識するだろう。黒田総裁は、出口戦略(大規模緩和の終了)を述べるのは時期尚早と繰り返すが、可能性を否定した直後に追加緩和に踏み切った実績があるだけに、市場は黒田総裁による出口戦略否定論を真に受けなくなるだろう。

安倍政権後の円安基調の大前提は、日銀による大規模緩和の実施。その前提が崩れてしまえば、円売りの動きは止まる。こうなるとあとは、ドル高による相対的な円安の進展を期待するしかなく、日本景気の先行き期待も後退しやすくなる。今の「いい雰囲気」の継続性を考えることは、円相場の先行きを考えることと同じのように思える。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年6月24日)

 6月24日のロンドン市場はドル、ユーロともに方向感に欠ける展開となった。ドル円は124円手前での推移。欧州株は取引前半に小幅下落したが、その後は動意に乏しく推移。米債利回りも方向感に乏しく、ドル円は様子見姿勢の強い展開が続いた。

 ユーロドルは取引前半に1.12ドルちょうど近辺から1.12ドル台前半に上昇。一部米メディアはギリシャ中銀がECBにこの日はELAの増額を求めなかったと報道。ギリシャ債務協議の進展期待もあってユーロは買い優勢の展開となった。しかし中盤に入り、ギリシャのチプラス首相は債権団がギリシャ政府の提案を受け入れなかったと発言。ユーログループのデイセルブルム議長がギリシャに関して作業すべきことはまだ多いと述べたこともあって、ユーロドルは1.11ドル台後半に下落。しかし後半に入り、債権団がギリシャ政府に修正案を提示したことが伝わるとユーロドルは1.12ドルちょうど近辺に反発した。6月のドイツIFO企業景況感は107.4と市場予想を下回り2カ月連続の悪化となったが、市場の反応は限定的だった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年6月24日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油先物価格が小幅下落したものの、米債利回りの上昇も一時的だったことで新興国通貨は方向感に欠ける展開となった。

 TWDは対ドルで0.2%の下落。5月の台湾鉱工業生産は前年比-3.18%と市場予想に反し、昨年1月以来の前年割れ。落ち込み幅は2013年3月以来の大きさとなった。同時に発表された同月同国の商業売上高は同4.27%減と市場予想を上回る落ち込み。台湾景気の先行き懸念を強めた。

 BRLは対ドルで0.7%の下落。ブラジル中銀は四半期インフレ報告を公表。インフレ参照シナリオは今年9.0%と4金連続で加速。一方、今年のGDP成長率見通しは1.1%減と前期から下方修正された。

 COPは対ドルで0.3%の下落。4月のコロンビア貿易収支は10.4億ドルの赤字と、赤字額が市場予想を小幅上ぶれ。ただ輸入は前年比18.4%減と減少幅が拡大。コロンビア景気の低迷継続を示した。

 CLPは対ドルで小幅上昇。5月のチリPPIは前月比+2.2%と前月から加速し、昨年7月以来の高い伸び。チリ中銀の金利据え置き観測をサポートした。

 MXNは対ドルで0.6%の下落。6月上旬のメキシコCPIは前年比+2.87%と市場予想や前月から小幅加速。ただコアCPIは同+2.31%と前月から小幅鈍化した。

 HUFは対ドルで小幅下落。6月のハンガリー企業景況感は5.1と今年の最高水準を更新。一方、同月同国の消費者信頼感は-27.0と2013年10月以来のマイナスを記録した。

 CZKは対ドルで小幅上昇。6月のチェコ企業景況感は14.7と3カ月連続で改善し、2011年1月以来の高水準を記録した。

 PLNは対ドルで0.2%の上昇。5月のポーランド失業率は10.8%と市場予想通り3カ月連続で改善し、2009年8月以来の低水準となった。

 TRYは対ドルで小幅上昇。6月のトルコ企業景況感は101.5と3カ月ぶりの低水準に低下。一方、同月同国の設備稼働率は75.1%と小幅ながら前月から上昇した。

 RUBは対ドルで1.2%の下落。6月22日までの週のロシアCPIは前週比+0.1%と前週から伸びは変わらなかった。

調査会社の発表によると2014年の生活満足度ランキングでパナマが2年連続の首位となったそうです。日本は92位とのこと。アフガニスタンは最下位の145位だったそうです。日本は来年もアフガニスタンより上位にランキングされることを祈りましょう。

2015年6月24日水曜日

海外の利子・配当も為替に影響する(2)

 次に米国の投資家が日本企業の株式を買った(投資をした)場合を考えてみましょう。通常、株式会社は、決算した後に株式を持っている投資家に配当金を支払います。米国の投資家が配当を支払う日本企業の株式を持っていれば、他の投資家と同じように配当を受け取ることになります。日本からみた場合、海外の利子・配当の支払いに当たります。

 ただ、ほとんどの場合、日本企業が支払う配当金は日本円で支払われます。このため、米国のファンドであっても受け取る配当は日本円建てとなります。このため、受け取った配当を米国で使おうとする米国の投資家は、日本円を米ドルに換える為替取引をする需要(必要性)が生じます。

●海外の利子・配当の支払い=自国の通貨を外貨に換える需要が生ずる

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年6月23日)

 6月23日のロンドン市場はユーロが軟調な推移となった。ユーロドルは1.12ドル台後半から1.12ドルちょうど近辺に下落。6月のドイツ製造業PMIは51.9、同月のユーロ圏製造業PMIは52.5とともに市場予想を上振れ。今週中にもギリシャ支援の合意があるとの見方から欧州株は上昇し、欧州債利回りは低下。市場のリスク回避姿勢の後退を受けたドル買いの動きも加わり、ユーロドルはじり安の動きが続いた。

 一方、ドル円は123円台後半で膠着。日経平均、米債利回りともに方向感に欠ける動きとなり材料難。ドル円は様子見姿勢の強い展開となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年6月23日)

 新興国通貨は対ドルで下落。米債利回りの上昇が嫌気された。

 SGDは対ドルで0.5%の下落。5月のシンガポールCPIは前年比-0.4%と市場予想通り。ただコアCPIは同+0.1%と市場予想を下振れ。シンガポールのディスインフレ基調の継続を示した。

 TWDは対ドルで0.2%の下落。5月の台湾輸出受注は前年比5.9%減と落ち込み幅が市場予想を大きく上回り、2013年3月以来の落ち込み。台湾景気の先行き懸念を強めた。

 BRLは対ドルでほぼ変わらず。6月22日までの週のIPC-Sは前月比+0.83%と市場予想や前月を小幅下回る伸び。ただ5月のブラジルローン残高は前月比0.7%増とやや高い伸び。ブラジル中銀による追加利上げ観測をサポートした。

 ZARは対ドルで0.7%の下落。4月の南アフリカ先行指標は95.4と伸び悩み前月分も下方修正。第1四半期の南アフリカ経常収支はGDP比4.8%の赤字と赤字額が市場予想を下振れ。IMFは景気低迷やインフレが目標レンジの上限を上回る状態は一時的に終わる可能性を指摘し、利上げを見送る余地があるとの見解を示した。

 TRYは対ドルで0.5%の下落。トルコ中銀は市場予想通りレポレートなど主要3金利を全て据え置き。同中銀はインフレが食品価格の調整を通じ低下するだろうと指摘。TRYの動きはコアインフレの改善に遅れているとし、慎重な金融政策が続けられることが求められているとの認識を示した。

 HUFは対ドルで1.3%の下落。ハンガリー中銀は市場予想通り政策金利を15bp引き下げ1.50%にすると発表。同中銀は声明で経済指標は小幅ながら追加緩和の余地があることを示していると指摘。インフレ圧力は依然として緩やかであるとの認識も示した。

 RUBは対ドルで小幅上昇。ロシア中銀のユダエバ第1副総裁は同中銀がインフレ期待を目標水準に安定化させることに依然として成功していないと発言。またプーチン大統領は同中銀に外貨準備の増額を命じていないことも明らかにした。

サントリービールは、ビール「モルツ」の販売を終了し、9月8日から新たに「ザ・モルツ」の名称で売り出すと発表したそうです。私も今の名前の前に「ザ」をつけたらいいのかもしれませんね。

2015年6月23日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年6月22日)

 6月22日のロンドン市場はドルが上昇。ドル円は122円台後半から123円台前半に上昇した。東京市場取引後半から上昇した米債利回りはロンドン市場に入っても小高く推移。ギリシャ債務協議の進展期待から欧州株は上げて始まったことで円売りの動きも加わった。

 一方、ユーロドルは取引前半に1.13ドル台後半から1.13ドル台前半に下落。一部メディアはギリシャ政府が新提案として送付した書類が間違っていたと報道。ユーロ売りの材料とされた。しかし、その後、ギリシャ政府は同報道を否定。一部メディアはECB関係筋の話としてECBがギリシャ市中銀行向けELAの上限を引き上げると報じた。ユーロは取引中盤に持ち直し、取引後半は1.13ドル台半ば近辺での推移。欧州委員会のユンケル委員長は、この日予定されているユーロ圏首脳会談で合意に達するか定かではないと発言。ドイツのメルケル首相も合意に至るための時間が今週まだあると述べており、ユーロ圏首脳会談での合意期待を後退させた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年6月22日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。米債利回りは上昇したものの、欧米株も上昇。原油先物価格も下げ渋り、新興国通貨をサポートした。

 BRLは対ドルで0.5%の上昇。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末までのインフレ見通しが上方修正。政策金利見通しも4週間ぶりに上方修正され14.25%となった。5月のブラジル経常収支は33.7億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回る一方、同月同国の海外直接投資は66.1億ドルと市場予想を大きく上回り、今年最大を記録。6月21日までのブラジル貿易収支は32.2億ドルの黒字と黒字額が前週から拡大した。

 MXNは対ドルで変わらず。4月のメキシコ小売売上高は前年比4.6%増と市場予想を下回り、今年最も低い伸び。メキシコ景気の先行き期待を後退させた。

 TRYは対ドルで1.1%の上昇。6月のトルコ消費者信頼感は66.4と4か月ぶりの水準に回復。トルコのエルドアン大統領は早期に新内閣を樹立する意向を示した。

 ILSは対ドルで1.4%の上昇。5月のイスラエル景気先行S指数は+0.30%と前月より加速。5月のイスラエル失業率は5.0%と前月から上昇したものの、低水準を維持した。イスラエル中銀は市場予想通り政策金利を0.10%で据え置き。同中銀のフルグ総裁はインフレ期待は目標レンジ内に戻っていると発言。労働関連指標は改善を示しており、非伝統的な金融政策を使う機会は低下していると述べ、同中銀による追加緩和期待を後退させた。

昨日は夏至でした。もう今年は半分を過ぎようとしています。年後半もよろしくお願いいたします。

2015年6月22日月曜日

健闘しているものの、さらなる下落を想定すべきブラジル・レアル(BRL)

 様々な悪条件が重なっているにもかかわらずブラジル・レアル(BRL)は、4月以降、下値の堅い動きとなっている。BRLは今年2月から3月下旬にかけて売りが先行。対ドルでは2.60ちょうど近辺から3.31台半ばと2004年5月以来の安値に達した。しかし4月に入ると、BRLは一転して上昇基調で推移。4月28日には一時2.90を割り込んだが、5月は再び売り優勢となり、BRLは6月1日には3.20ちょうど近辺まで上昇。ただその後はじり高の動きとなり、先週末は3.10ちょうど近辺での推移となっている。

 2.90割れまで買い戻されたBRLが、一時的とはいえ3.20ちょうど近辺まで売られたことから、BRLはぜい弱なまま、と評価できなくもないが、BRLを取り巻く環境はひどいもので、むしろ、よく3.20ちょうど近辺で止まった、と考えた方がフェアな気がする。

 ブラジル経済はスタグフレーション色が強まっている。6月のブラジルIPCA15は前年比+8.80%と2004年以降最も高い伸び。一方、4月のブラジル鉱工業生産は前年比-7.6%と14カ月連続の前年割れ。同月同国の小売売上高も同3.5%減と今年2回目の前年割れとなり、落ち込み幅は2003年8月以来の大きさ。5月の雇用者数は11.6万人減と、1992年の統計開始ライ最大の落ち込みを記録した。

 こうしたなか、ブラジル中銀はBRL安抑制策として実施していた為替スワップのロールオーバーを縮小させている。同中銀は今年3月に為替スワップ契約の定期入札を中止。その後、同中銀はロールオーバーを続けてきたが、5月以降はロールオーバー規模を縮小。4月下旬に10600枚だったロールオーバーは、6月18日時点では5200枚に縮小している。

 BRLの重石となっているブラジル石油公社・ペトロブラスの汚職スキャンダルは終息の兆しが見られない。ブラジル警察当局は19日、ペトロブラス汚職事件に関連し、オデブレヒトなど建設最大手2社それぞれの社長ら幹部を談合などの容疑で逮捕。地元メディアなどによると、検察当局は2人の社長がペトロブラス関連事業の契約額を水増し、代わりに同社幹部に賄賂を渡す贈賄工作において主導的な役割を果たしたとみている。オデブレヒトのオデブレヒト社長は、ルラ前大統領と懇意とされ、ルラ氏が大統領退任後、同社の経費で外国に渡航し公共事業の受注を支援した疑惑も浮上している。

 ブラジルの投機的水準への格下げ懸念も強まりそうである。ブラジルの現在の格付けはBBB-/Baa2/BBB。ただBBB格を付与しているフィッチは4月、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げ。同じく「Baa2」としているムーディーズは、すでに格付け見通しを「ネガティブ」としており、格下げの是非については、第3四半期に現地を訪問し、政策担当者と会談した後に決定するとしている。現時点では格付け見通しを「安定的」としているS&Pが見通しを「ネガティブ」とすれば、ブラジルの格下げ懸念が強まる可能性もある。

 ブラジル経済のスタグフレーション化、同国中銀の為替スワップ・ロールオーバーの縮小、ペトロブラス汚職スキャンダル、格下げ懸念は、いずれも早期に解決に向かうとは考えにくく、市場も期待していないだろう。繰り返しになるが、そのような状況でもBRLが対ドルで3.10程度に収まっているのは健闘の部類と言える気がする。

 ただ今後、時間とともに米利上げ開始観測が強まれば、BRL売り圧力も強まるだろう。ブラジル中銀は7月29日の会合でも利上げに踏み切る可能性があるが、BRLを取り巻く環境の改善が見込まれないのであれば、金利高だけでBRL買いを進める投資家が多いとも思えない。USD/BRLの下値の目途は2.90程度まで。上値の目途は3.20、3.30、3.42(2002年10月の高値から2011年7月の安値の76.4%戻し)が想定される。仮に3.42を上抜けすると、3.50や4.00といった声も出始めるだろう。

2015年6月21日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年6月19日)

 6月19日のロンドン市場はユーロが下落。ユーロドルは1.13ドル台前半から1.13ドルちょうど近辺にじり安の推移となった。ギリシャのチプラス首相は22日のユーロ圏臨時首脳会談を歓迎する姿勢を表明。ギリシャがユーロ圏の中で成長を取り戻せるような解決策があるだろうと述べた。一部メディアはECB理事会が電話会談を行い、ギリシャ市中銀行向けELAの上限を引き上げたと報道。ただ一方で、ギリシャとロシアはロシア産天然ガスをトルコ、ギリシャと経由して欧州に輸送するパイプライン建設で協力することで暫定合意したと発表。ギリシャのデフォルト懸念は根強く、ユーロは軟調な推移となった。4月のユーロ圏経常収支(季調値)は223億ユーロと過去最高を更新したが、市場の反応は限定的だった。

 一方、ドル円は123円ちょうどを小幅上回る水準で方向感に欠ける動き。欧州株、日経平均先物はともに小幅プラス圏で小動き。米債利回りも方向感に欠ける動きとなり、ドル円は様子見姿勢が強かった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年6月19日)

 新興国通貨はZAR、TRYなど一部を除き対ドルで続落。ギリシャデフォルト懸念を背景に市場のリスク回避姿勢が強まる展開。新興国通貨の重石となった。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。4月のブラジル経済活動指数は前年比-3.13%と落ち込み幅が市場予想を上振れ。6月のブラジルIPCA15は前年比+8.80%と市場予想を上回り、2004年以降最も高い伸びを更新。ブラジルのスタグフレーション化を改めて
示した。ブラジル警察当局は、ペトロブラス汚職事件に関連し、オデブレヒトなど建設最大手2社それぞれの社長ら幹部を談合などの容疑で逮捕。地元メディアなどによると、検察当局は2人の社長がペトロブラス関連事業の契約額を水増し、代わりに同社幹部に賄賂を渡す贈賄工作において主導的な役割を果たしたとみている。オデブレヒトのオデブレヒト社長は、ルラ前大統領と懇意とされ、ルラ氏が大統領退任後、同社の経費で外国に渡航し公共事業の受注を支援した疑惑も浮上している。

 MXNは対ドルで変わらず。第1四半期のメキシコ総受給額は前年比+3.5%と市場予想を上回る伸び。ただ前期からは鈍化した。

 TRYは対ドルで0.7%の上昇。6月のトルコ中銀インフレ予想調査では今年のCPI予想が前年比+7.77%と4カ月連続の加速。トルコのインフレ懸念の強まりを示した。

 RUBは対ドルで1.1%の下落。ロシアのウリュカエフ経済発展相はロシア経済が2016年半ばには潜在成長率並みの成長に回復する余地があると発言。ただロシア景気の後退は過去3四半期続いているとの認識を示した。ロシアの前財務相クドリン氏は、現在経済危機に陥っていると発言。実質賃金はすでに10%減少し、投資の落ち込みは2009年並みと発言した。

よい週末をお過ごしください。