2016年4月9日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年4月8日)

 4月8日のロンドン市場はドルの上値が抑えられた。ドル円は取引前半に108円台後半から109円ちょうど近辺に上昇。欧州株は上げて始まり、その後もプラス圏を維持。米債利回りも短期債中心に底堅く推移。ドルをサポートした。

 しかし中盤に入るとドル円は109円ちょうど手前でもみ合いを続け、後半に入ると108円台後半で上値の重い動き。欧州株、米債利回りともに小動きとなり、ドル買い一服となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年4月8日)

 新興国通貨は対ドルで買い優勢の動き。原油先物価格の上昇が新興国通貨の買い戻しを促した。

 INRは休場。3月のインド自動車販売は前年比10.8%増と2カ月連続の二桁増だった。

 BRLは対ドルで2.8%の上昇。3月のブラジルIPCAは前年比+9.39%とほぼ市場予想通りで前月から鈍化した。

 CLPは対ドルでほぼ変わらず。3月のチリCPIは前年比+4.5%と市場予想や前月を下回った。

 MXNは対ドルで0.6%の上昇。3月のメキシコ名目賃金は前年比4.5%増と前月から加速。同月同国の消費者信頼感は89.2と市場予想を下回ったが前月からは上昇した。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。3月のチェコ失業率は6.1%と市場予想通り前月から低下した。

 HUFは対ドルで小幅上昇。3月のハンガリーCPIは前年比-0.2%と市場予想を下回り、6カ月ぶりの前年割れ。2月の同国貿易収支は9.8億ユーロの黒字と市場予想を小幅上回り、過去最高の黒字額を記録した昨年3月に次ぐ大幅黒字となった。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。2月のトルコ鉱工業生産は前年比+5.8%と市場予想を上回り、前月から加速した。

 RUBは対ドルで1.4%の上昇。3月のロシア軽自動車売上高は前年比10.0%減と減少率が市場予想や前月を下回った。第1四半期のロシア消費者信頼感は-30と3期連続の悪化となった。

東京地方では桜の花びら落ちてきましたね。よい週末をお過ごしください。

2016年4月8日金曜日

足元の円上昇は対外投資にとって絶好のチャンスか

 ドル円は、日本時間の昨日(4月7日)深夜から本日未明にかけて下落基調が強まり、一時107円台後半と、日銀が2回目の追加緩和を実施した2014年10月末の安値を割り込み、同年10月27日以来の安値に下落。日足では5営業日続落となり、4月1日の高値(112円台半ば)から5円近く下落したことになる。

 ドル円の下の節目は2014年8月の安値(101.5近辺)から2015年6月の高値(125.9近辺)の76.4%戻し水準となる107.3近辺。次は2011年10月の安値(75.4近辺)から2015年6月の高値の38.2%戻し水準となる106.6近辺となりそうだ。本日東京市場にドル円は108円台後半まで反発したが、これはゴトウビでドル需要が見込まれていたほか、麻生財務大臣の円高けん制発言によるもの。今後は、これまでサポートとして機能してきた110円ちょうど近辺がレジスタンスとして意識されやすくなると思われる。

 4月に入ってからのドル円下落の主因は円の上昇。4月1日から本日まで、円は対ドルで約3.5%の上昇と、G10通貨、新興国通貨の両者を含め最も高い上昇率を記録。日本銀行が公表する円の名目実効レート(円インデックス)は、3月31日の98.03から4月7日(昨日)には100.53と2.6%も上昇し、今年2月下旬と同様に2013年11月以来の高値に達した。

 円買いが強まったきっかけとして指摘されるのが、日本株の急落。4月1日の日経平均は前日比594円安の1万6164円と急落した。同日発表された日銀短観で、今年度の大企業・経常利益(計画)は製造業で1.9%減、非製造業で2.1%減といずれも減益。大企業・製造業の想定為替レートは117.46円と当時のドル円レートから5円も円安水準。日本企業の業績先行き懸念を強めた。

 安倍首相の発言も円買いの動きを後押しした。同首相は4月5日、一部米紙とのインタビューで、ここ数カ月の円高傾向や人民元の下落、その他の主要通貨の不安定な動きについて、「通貨安競争は絶対避けなければならない」と発言。「恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」とも述べ、ドル円の下落に対し介入を見送る意向を示唆した。

 各種報道では、ドル円の下落(円高)がさらに進むとの見方が散見される。日本の経常収支は、1年程度の遅れでドル円相場に影響を与えるとし、日本の経常黒字が昨年(2015年)に14兆円も拡大したことから円高圧力が強まったとの指摘がある。円の実質実効レートは、長期平均から依然として10%以上も割安であることから、円安修正は始まったばかりとの声もある。

 円買いが続く理由として世界計の減速感の強まりを指摘する声も多い。アトランタ連銀の経済モデル「GDPナウ」によると、第1四半期の米成長率は0.4%増の見込み。一時は2.3%増まで高まったことを考えれば、米景気の先行き期待が大きく後退しても不思議ではない。

 とはいえ、こうした悲観的な見方が蔓延するなか、世界景気が、じつは今年1-3月期が底で、4-6月期から持ち直す可能性がでてきた点には注意が必要である。今年3月の米ISM製造業景況感指数は51.8と、昨年8月以来の50超えを記録。内訳をみると、先行性のある新規受注が急上昇したほか、生産や在庫も2ポイント以上も改善した。同月同国の日製造業景況感指数も54.5と、前月から1.1ポイント上昇し、非製造業の拡大ペースが再加速しつつあることも示された。

 新興国各国でも、ほとんどの国で3月の製造業PMIが2月から改善している。中国の製造業PMIは3月に50.2と8カ月ぶりに50超え。景気悪化が長きにわたり指摘されてきたブラジルですら、製造業PMIは3月に46.0と、前月(44.5)から改善し、1-3月平均では46.0と、昨年10-12月期の44.5から大きく上昇している。

 本邦投資家による外国債投資は、4月2日までに年初来7.7兆円の買い越しと、昨年1年間の買い越し額(11.8兆円)の65.6%に達している。世界景気の持ち直し機運が強まれば、本邦投資家による対外証券投資は拡大基調を続けるだろう。足元の円上昇は、結果として対外投資の絶好のチャンスだった、となることも考えられる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年4月7日)

 4月7日のロンドン市場は、円が取引中盤まで上昇基調で推移。ドル円は108円台後半から108円ちょうど近辺まで下落した。ドイツ株は前日終値水準で推移したが、日経平均先物は下落基調で推移。米債利回りも低下基調で推移し、ドル円を下押しした。取引後半に入り菅官房長官が足元の為替相場が一方方向に偏った動きがみられると述べ、場合によっては必要な措置を取ると語るとドル円は108円台半ば近辺に反発したが、上値は抑えられたままだった。

 ユーロドルは取引前半に1.14ドル台前半から1.13ドル台後半に下落。ECBコンスタンシオ副総裁は欧州議会で物価安定の目標達成のために必要なあらゆる措置をこれまで取ったし、今後も責務の範囲内で続けると発言。しかし、その後、同プラート専務理事は、マイナス金利が2、3年続けばかなり懸念すべき事態だろうと発言。この発言が伝わるとユーロドルは1.13ドル台後半で下げ止まり、後半には一時1.14ドルちょうど近辺に上昇。ECBが公表した3月理事会の議事要旨で一部メンバーが政策金利の追加引き下げの可能性と見込みを排除しないと指摘したことが判明すると、ユーロドルは1.13ドル台後半に小幅下落したが下値は堅かった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年4月7日)

 新興国通貨はアジア通貨が対ドルで底堅く推移したものの、他は下落。米債利回りは低下したものの、欧米株や原油先物価格は下落。新興国通貨を下押しした。

 TWDは対ドルで小幅上昇。3月の台湾CPIは前年比+2.00%と市場予想を上回る伸び。一方、同月同国のWPIは同-4.94%と市場予想を上回る落ち込みとなった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.5%の上昇。3月のインドネシア外貨準備高は1075.0億ドルと2カ月連続で増加し、昨年7月以来の高水準に達した。

 BRLは対ドルで1.5%の下落。3月のブラジルIGP-DIは前年比+11.07%とほぼ市場予想通りで、前月から鈍化した。

 CLPは対ドルで1.3%の下落。3月のチリ貿易収支は6.1億ドルの黒字と黒字額が市場予想を小幅上振れ。2月のチリ名目賃金は前年比5.4%増と前月から鈍化した。

 MXNは対ドルで1.4%の下落。3月のメキシコCPIは前年比+2.60%とほぼ市場予想通りで、前月から鈍化。ただコアCPIは同+2.76%と4カ月連続で加速した。

 CZKは対ドルで0.2%の下落。2月のチェコ鉱工業生産は前年比+5.6%とほぼ市場予想通り。同月同国の小売売上高は同10.5%増と市場予想を上回り、昨年6月以来の二桁増を記録した。

 ZARは対ドルで1.2%の下落。3月の南アフリカSACCI企業景況感は81.2と3カ月連続で上昇。2月の南アフリカ製造業生産は前年比+1.9%と市場予想に反し前年越えとなった。

 RUBは対ドルで0.7%の下落。3月のロシア外貨準備高は3870億ドルと市場予想を上回り、2014年11月以来の高水準に増加した。

ご安心下さい。パナマ文書に私の名前は記載されていません。

2016年4月7日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年4月6日)

 4月6日のロンドン市場はドルが対欧州通貨中心に底堅く推移した。ユーロドルは1.13ドル台後半から1.13ドル台半ば近辺に小幅下落。東京市場後半に発表された2月のドイツ鉱工業生産は前年比+1.3%と市場予想を上振れ、ユーロはやや強含んだが、その後発表された3月のユーロ圏小売業PMIは49.2と前月から低下。ロンドン市場に入り米債利回りが緩やかながら上昇基調で推移し、ユーロドルはドル買い優勢となった。

 ドル円は110円台半ば手前で方向感に欠ける動き。ドイツ株は前日終値付近での小動きとなったが、日経平均先物は小幅マイナス圏での推移。菅官房長官が為替については緊張感をもって注視し、必要に応じて適切に対応したいと述べたると、円売りの動きが強まる場面もあったが一時的。ドル円の上値の重さは続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年4月6日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチとなった。

 MYRは対ドルで0.2%の上昇。2月のマレーシア貿易収支は73.5億リンギットの黒字と黒字額が市場予想を上振れ。輸出が前年比6.7%増と市場予想を上回る伸びとなり、貿易収支を改善させた。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。3月のブラジル自動車生産は前年比23.7%減と大幅減が継続。3月の同国商品価格指数は前年比+9.63%と前月から大きく鈍化した。

 COPは対ドルで小幅上昇。3月のコロンビアCPIは前年比+7.98%と市場予想を上回り、2001年10月以来の高い伸び。コアCPIも同+6.20%と2004年2月以来の高い伸びを記録した。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。2月のチェコ貿易収支は220億コルナの黒字と2005年の統計開始以来最大の黒字を記録した。

 HUFは対ドルで0.5%の上昇。2月のハンガリー鉱工業生産は前年比+1.8%と市場予想に反し前月から鈍化した。

 RUBは対ドルで1.5%の上昇。4月4日のロシアCPIは前週比+0.1%と前週から変わらなかった。

 PLNは対ドルで0.2%の上昇。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を1.50%で据え置き。同中銀は声明で足元のデフレは景気や成長を安定化させていると指摘。現在の金利水準はポーランド景気を均衡させているとし、デフレが今後数四半期は続くとの見方を示した。同中銀のベルカ総裁は近々の利下げはないと明言した。

「インターナリー・フローレス(内部無傷)」の等級を持つビビッドブルーのオーバルカットダイヤモンド(10.10カラット)が5日、香港で競売にかけられ、3180」万ドル(約35億円)で落札されたそうです。私の心にはあまり響かないニュースでした。

2016年4月6日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年4月5日)

 4月5日のロンドン市場は、円買い・ドル買い優勢の展開が続いた。ドル円は取引序盤に110円台半ば近辺から110円台後半に上昇。菅官房長官が為替水準の動向を注視していると発言したことにドル円は反応した。しかし円売りの動きは続かず、ドル円は再び110円台半ばに下落。取引後半はじり安の動きとなり110円台前半と年初来安値を更新。終盤には米債利回りの反発を受けて110円台後半に上昇したが上値は抑えられた。

 ユーロドルは取引序盤に1.13ドル台後半から1.13ドル台半ばに下落。2月のドイツ製造業受注は前年比0.5%増と市場予想を下回り、前月分も下方修正。ユーロを下押しした。その後ユーロドルは1.13ドル台後半で方向感に欠ける動き。2月のユーロ圏小売売上高は前年比2.4%増と市場予想を上回り、ユーロをサポートしたが、欧州株の下げが比較的大きいこともあり、ユーロの上値は抑えられた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年4月5日)

 新興国通貨は対ドルで下落。欧米株が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まり、新興国通貨は売り優勢となった。

 PHPは対ドルで0.4%の下落。3月のフィリピンCPIは前年比+1.1%、コアCPIは同+1.5%と、いずれも市場予想通りだった。

 THBは対ドルで0.2%の下落。3月のタイ消費者信頼感は73.5と3カ月連続で低下した。

 INRは対ドルで0.4%の下落。インド中銀は市場予想通りレポレートを25bp引き下げ6.50%に決定。しかしリバースレポレートは市場予想に反し25bp引き上げられ6.00%とされた。現金準備率は4.00%で据え置き。同中銀は声明で金融政策は引き続き緩和的であり、利下げはインド景気を刺激するだろうと指摘。インフレは緩やかな鈍化が続き、2017年には5%近辺になるとの見通しを示した。同中銀のラジャン総裁は今後も利下げ余地があるとの見方を示した。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.4%の下落。3月のインドネシア消費者信頼感は109.8と前月並みの水準を維持した。

 BRLは対ドルで1.6%の下落。3月のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.97%と市場予想や前月を上回る伸び。3月のブラジル・サービス業PMIは38.6と過去最低を更新した前月から小幅改善した。

 CLPは対ドルで0.8%の下落。2月のチリ経済活動指数は前年比+2.8%と市場予想を上回り、前月分も上方修正された。

 COPは対ドルで0.7%の下落。2月のコロンビア輸出は前年比26.7%減と、市場予想ほど落ち込まなかったが、減少基調に変わりはなかった。

 HUFは対ドルで0.4%の下落。2月のハンガリー小売売上高は前年比6.4%増と市場予想を上回り、7カ月ぶりの高い伸びを記録した。

 ZARは対ドルで2.1%の下落。3月の南アフリカ・スタンダード銀行PMIは47.0と市場予想を大きく下回り、2014年7月以来の低水準に低下した。南アフリカ議会はズマ大統領の弾劾案を反対多数で否決した。

 RUBは対ドルで0.2%の下落。3月のロシアCPIは前年比+7.3%と市場予想を下回る伸び。コアCPIも同+8.0%と市場予想を小幅下回った。

本日の東京地方は晴天に恵まれる見込み。気温も20度近くまで上昇すると予想されています。気温の変化が大きいままですが、体調維持で本日もご活躍ください。

2016年4月5日火曜日

トレンド系の手法:移動平均線

 為替レートの値動きは、いつも滑らかなわけではなく、細かくみるとジグザグした不規則な動きをしていることがほとんどです。このジグザグした不規則な動きは、為替レートのトレンドと関係ないことが多いのですが、トレンドの判断を迷わせることもあります。そこで市場関係者は、為替の値動きによって生じる細かいジグザグの動きを取り除き、トレンドを判断しやすくする方法として、移動平均線と呼ばれる線をチャートに描きます。

 移動平均線とは、過去の一定期間の値動きを平均化した値を結び合わせた線のことです。移動平均線は、仕組みが単純なこともあって、トレンドを判断する際の基本的な方法として知られています。

 たとえばドル円が以下のような値動きをしたとします。

1月1日 100円
1月2日 101円
1月3日 102円
1月4日 103円
1月5日 104円

 ここで平均期間を3日とした3日移動平均線を作成するとします。すると、移動平均線は以下のようになります。

     ドル円レート 3日移動平均
1月1日 100円
1月2日 101円
1月3日 102円   101円(=(100円+101円+102円)÷3)
1月4日 103円   102円(=(101円+102円+103円)÷3)
1月5日 104円   103円(=(102円+103円+104円)÷3)

 こうして求めた3日移動平均を結ぶことで、3日移動平均線が完成します。

 移動平均線は上を向いているときは、為替レートが上昇トレンドにあると判断されます。とくに直近の為替レートが移動平均線よりも上の位置にある時は、上昇トレンドが強いと考えられます。反対に移動平均線が下を向いていたり、為替レートが移動平均線よりも下の位置にある時は、下降トレンドにあるといえます。

 移動平均線は、トレンドを示すとともに、移動平均で使われる平均期間に取引されたレートの平均値を示しています。このため移動平均線は、市場関係者が意識する水準となり、為替レートが移動平均線に近付く形で上昇したときは、移動平均線上の水準がレジスタンスになりやすく、反対に為替レートが移動平均線に近付く形で加工した時は、移動平均線上の水準がサポートになりやすいと言われています。

 移動平均線でよく使われる平均期間は、5日、8日、10日、20日、21日、25日、50日、90日、200日です。5日や8日といった短い期間の移動平均線は短期のトレンドを、20~50日といった中期の移動平均線では中期のトレンドを、50日以上の長期の移動平均線では長期のトレンドを確認する時に、それぞれ使われます。

 ただ、移動平均線で使う平均期間は、あくまでも目安で、どの期間を取るのかは自分の取引スタイルによって変わります。たとえば、自分の取引期間が短いのであれば、短い期間の移動平均線がより重要になるでしょうし、逆に取引期間が長いのであれば、長い期が重要となります。自分の取引期間が決まっていない方は、短期・中期・長期の三本の移動平均線を用意し、市場のトレンドを確認します。

 移動平均線は、平均期間が短いもの速く動き、期間が長くなればなるほど動きがゆっくりとなります。たとえば上昇トレンドの時は、平均期間が5日とか8日といった平均期間の短い移動平均線から上昇し、その後、20日や25日といった平均期間が中くらいの移動平均線が上昇し、最後に90日や200日といった平均期間が長いものが上昇します。

 トレンドが上昇から下降に転ずると、まず平均期間の短い移動平均線が下がり、続いて平均期間が中くらいの移動平均線が下がり、最後に平均期間が長い移動平均線が下がります。

 平均期間の短い移動平均線が、期間の長い移動平均線を下から上に抜く状態は「ゴールデン・クロス」と呼ばれます。平均期間の短い移動平均線が、期間の長い移動平均線を上抜くということは、上昇スピードが増してきたことを意味しますので、上昇トレンドが本格化したと考えられます。

 逆に、平均期間の短い移動平均線が、期間の長い移動平均線を上から下に抜く状態は「デッド・クロス」と呼ばれます。この場合、下降トレンドが強まってきたと考えられます。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年4月4日)

 4月4日のロンドン市場は、ドル買い優勢の展開となった。ドル円は111円台前半から111円台後半に上昇。小幅マイナスで始まったドイツ株は取引中盤にはプラス圏に浮上し、後半も底堅く推移。米債利回りも底堅さを増し、ドル円の下値を支えた。

 ユーロドルは1.13ドル台後半から1.13ドル台半ば近辺に下落基調で推移。4月のユーロ圏センティックス投資家信頼感は5.7と前月を小幅上回ったが市場予想を下振れ。その後発表された2月のユーロ圏失業率は10.3%と市場予想通りとなったが、2月のユーロ圏PPIは前年比-4.2%と市場予想を下回り、前月分も下方修正。ECBのプラート理事は講演で、今日の長期にわたる低インフレ環境は目標未満のインフレ率が固定化するリスクを高めたと指摘。低インフレ定着は経済に深い打撃を与えるとし、ECBは将来も必要ならば低インフレに対し強力な対応を続けると述べ、追加緩和に対する前向きな姿勢を示した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年4月4日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油先物価格の下落でRUB、BRL、COPなどが下落する一方、東欧通貨は底堅く推移した。

 SGDは対ドルで小幅下落。3月のシンガポール購買部景気指数は49.4と市場予想を上回り、3カ月ぶりの高水準に上昇した。

 BRLは対ドルで1.4%の下落。ブラジル中銀の週次サーベイでは今年末のUSD/BRL見通しが4.00、同政策金利見通しが13.75%にそれぞれ下方修正。一方、成長率見通しや鉱工業生産見通しも下方修正された。

 CLPは対ドルで0.2%の下落。チリ中銀は会合議事録(3月18日結果発表分)を公表。金利据え置きは全会一致での決定。利上げペースは12月時点の見込みよりもより緩やかになるとされ、足元のCLP高はファンダメンタルズを反映したものではないとの認識が示された。

 MXNは対ドルで0.7%の下落。3月のメキシコ自動車販売は前年比11.4%増と7カ月連続の二桁増。2月のメキシコ景気先行指数は前月比-0.17と17カ月連続のマイナスとなった。

 COPは対ドルで0.9%の下落。3月のコロンビアPPIは前年比+5.72%と3カ月ぶりの低い伸びに鈍化した。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。3月のトルコCPIは前年比+7.46%と市場予想を大きく下回り、7カ月ぶりの低水準に鈍化。ただコアCPIは同+9.51%と市場予想通り高水準のままだった。

 ILSは対ドルで小幅上昇。イスラエル中銀のフルグ総裁は、ILSが依然として強く、同国景気を抑制していると指摘。先週金曜日もILS売り介入を実施したことを明らかにし、今後も介入を続ける意向を示した。

日本の研究チームが、電流で舌の味覚を刺激して、人工的に食べ物の「塩味」を味わうことができるフォークを開発したそうです。次はスプーンと箸での開発ですね!

2016年4月4日月曜日

早期の利下げは考えにくいポーランド

 ポーランド景気は堅調に推移している。3月の同国マークイット製造業PMIは53.8と、市場予想を上回り、8カ月ぶりの高水準。2月の同国・実質小売売上高は前年比6.2%増と高い伸び。昨年第4四半期GDPは前年比3.9%増と4年ぶりの高い伸びに加速。ポーランド中銀のインフレ・経済レポートによると、今年の成長率見通しは昨年11月時点の3.3%から今年3月に3.8%へ上方修正された。

 一方でポーランドのディスインフレは続いている。3月のポーランドCPIは前年比-0.9%と21カ月連続の前年割れ。同レポートによる今年のインフレ見通しは、昨年11月時点で+1.1%だったが、今年3月には-0.4%に下方修正された。

 ただポーランドのインフレ期待は、2014年6月以降、概ね前年比+0.2%で低位安定。上述のインフレ見通しをみると、インフレは今年下期から緩やかながら低下率が縮小すると予想されている。同中銀はインフレが持ち直す理由として、内需が消費中心に底堅く、雇用・所得環境が拡大基調を維持する見込みである点が指摘されている。

 ポーランド中銀のベルカ総裁は、3月11日の金融政策決定会合後の会見冒頭で、年内の利下げの可能性を排除しないと明言。しかし、足元のディスインフレがポーランド景気を抑制しているわけではないとし、利下げで融資コストが低下するとは思えないと発言するなど、総じて見れば利下げに消極的な姿勢を示した。

 その後発表された会合議事録を見ても、ECBの追加緩和の影響がポーランド経済に及ぶ可能性が指摘されているものの、雇用・所得環境の拡大を背景に内需が堅調に推移するとの見方が提示。新政府による家計向け支援プログラムの開始が景気を下支えする可能性についても指摘されているなど、早期の利下げの必要性を指摘する声は見られなかった。普通に考えればポーランド中銀が利下げに急いでいるとは思えず、4月6日の会合でも市場予想通り政策金利は1.50%で据え置かれると思われる。

 ポーランド中銀のベルカ現総裁は、今年6月に任期を向かえる。一部報道によれば、新政権は、ベルカ総裁の後任をハト派の人物にするとされているが、仮にハト派の総裁が誕生したとしても、景気が堅調に推移している以上、早期に利下げに動くとは考えにくい。景気が軟化し、インフレが見通しとは裏腹にデフレ色を強めるまで、ポーランド中銀は利下げに動かないだろう。

 2月以降、ポーランド・ズロチ(PLN)が上昇基調で推移している。2月1日から先週末(4月1日)までの対ユーロ・パフォーマンス(新興国)を見ると、PLNは4.1%の上昇と、BRL(7.1%の上昇)、RUB(6.3%の上昇)に次ぐ高い上昇率を記録している。

 EUR/PLNは足元で4.24台と昨年末以来のPLN高水準で推移している。4.20を割り込めば、次の節目は昨年7月以来の4.10ちょうど近辺。その次は昨年4月末以来の4.00ちょうど近辺となる。



2016年4月3日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年4月1日)

 4月1日のロンドン市場はユーロが上昇基調で推移。ユーロドルは1.13ドル台後半から1.14ドル台前半と昨年10月14日以来の高値に上昇した。3月のドイツ製造業PMI(確報値)は50.7と市場予想に反し速報値から上方修正。その後発表された同月のユーロ圏製造業PMI(確報値)も51.6と速報値から上方修正され、ユーロ買いの動きを後押しした。

 一方、ドル円は取引中盤まで112円台前半での推移。取引後半は112円ちょうど近辺へとじり安の動きとなった。この日発表される米雇用統計の結果を見極めたいとの思惑も強かったが、取引後半に米債利回りが低下。欧州株がマイナス圏で推移していたこともあって、ドル円は軟調な動きが強まった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年4月1日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油安がCOPなどを下押しする一方、BRL、ZARなどは上昇した。

 PENは対ドルで0.9%の下落。3月のペルーCPIは前年比+4.30%と市場予想や前月を小幅下回った。

 BRLは対ドルで1.1%の上昇。USD/BRLは一時3.53台と昨日に引き続き昨年8月下旬以来のBRL高水準を記録した。2月のブラジル鉱工業生産は前年比-9.8%と市場予想ほど落ち込まず、半年ぶりに前年比一桁の低下に改善。3月のブラジル・マークイット製造業PMIは46.0と前月から上昇。一方、3月のブラジルCNI消費者信頼感は97.6と前月から悪化した。3月のブラジル貿易収支は44.4億ドルの黒字と黒字額が市場予想を小幅下回った。

 MXNは対ドルで0.4%の下落。2月の海外労働者送金は前年比13.6%増と市場予想を上振れ。メキシコ中銀は会合議事録(3月19日結果発表分)を公表。金利据え置きは全会一致。メンバーの一人は今後数カ月は金融引き締めが続く可能性を指摘したが、メンバーの過半は2月の緊急利上げが金融引き締めサイクルに入ったことを意味したわけではないと述べた。3月のメキシコIMEF指数は、製造業が51.6、非製造業が50.8といずれも小幅ながら市場予想を上回り、両者ともに前月分も上方修正された。

 COPは対ドルで1.1%の下落。コロンビア中銀は会合議事録(3月19日結果発表分)を公表。25bpの利上げが決定されたが、メンバー数人は50bpの利上げを主張。インフレ期待は依然として高いと指摘された。1月のコロンビア経済活動指数は前年比+3.2%と市場予想通りだった。

 HUFは対ドルで0.2%の上昇。3月のハンガリー製造業PMIは51.7と前月から大きく低下した。

 TRYは対ドルで0.2%の下落。3月のトルコ・マークイット製造業PMIは49.2と市場予想を下回り、半年ぶりの低水準に悪化した。

 PLNは対ドルで小幅下落。3月のポーランド・マークイット製造業PMIは53.8と市場予想や前月を上回った。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。3月のチェコ・マークイット製造業PMIは54.3と市場予想を下回った。

 ZARは対ドルで0.5%の上昇。3月の南アフリカ・バークレイズ製造業PMIは50.5と市場予想を上回り、8カ月ぶりに50超を記録。同月同国のNaamsa自動車販売台数は前年比14.0%減と2009年11月以来の大幅減少となった。

 RUBは対ドルで0.8%の下落。3月のロシア・マークイット製造業PMIは48.3と市場予想に反し前月から低下した。

東京地方では桜が満開の様子。よい日曜日をお過ごしください。