2019年9月30日月曜日

資産形成におけるキャピタルゲインとインカムゲイン

資産から新たなお金(利益)を得るには、二つの経路(方法)があります。キャピタルゲインとインカムゲインです。

キャピタルゲインとは、資産の価格が上がることで利益を得ることです。たとえば、1株100円の株式を買ったとします。そして、その後、その株式が1株150円になったとします。その時点で、持っている株式を売れば、1株あたり50円の利益を得ることができます。これは、50円のキャピタルゲインを得た、といいます。

一方、インカムゲインとは、資産を持っている方だけに配分される利益を得ることです。銀行預金の利息、債券の金利、株式の配当、不動産の家賃は、すべてインカムゲインにあたります。たとえば、1株につき2円の配当金を支払う企業の株式を持っていると、その株式を持っている方は1株あたり2円の利益を得ることができます。これは、2円の配当を得た、ということもありますし、2円のインカムゲインを得た、ということもあります。


2019年9月28日土曜日

一番大事なことを意識することが節約の第一歩

自分が使うお金を節約するには、金額の大きな支出に注意を払うと効果的といわれています。

金額の大きな支出の代表例は住宅です。持ち家に住む方は住宅ローン、賃貸住宅に住む方は家賃は、節約の際には重要なポイントとなります。だからこそ、持ち家と賃貸住宅の間で、どちらがトクかといった論争が注目されがちです(持ち家と賃貸住宅に関する議論については、以前のコラム「持ち家・賃貸論争」もご覧ください)。

ただ住宅に関する費用は、頻繁に節約することができません。自分が住んでいる住宅の家賃が高いからと、家賃の安いところに頻繁に移動していては、家賃が安くなるかもしれませんが、引っ越し代がかかりますし、引っ越しのために時間も取られてしまいます。我々がまずすべきことは、持ち家にせよ賃貸にせよ、住宅を決める際に節約意識を持って判断することで、住宅を決めてしまった後は、他の支出を節約することに意識を振り向けざるを得ません。

2019年9月26日木曜日

とりあえずポイントサービスには参加した方がいいのか?

大手小売店の多くは、いわゆる「ポイントサービス」を顧客に提供しています。お客様は、買った金額に応じて、小売店からポイントが与えられ、そのポイントを使うことで、割引サービスが受けられる、というものです。

ポイント制度を用意する小売店は、お客様にポイントサービスへの参加を勧めます。参加するために費用を支払う必要はないのに、何かを買えば自動的にポイントがたまるので「お得ですよ」と説明します。

しかし、ポイントに参加するために名前や住所、メールアドレスなどを登録する場合がありますので、手続きが面倒なので参加を見送る方も少なくありません。ポイントサービスを受けるためには、カードを持ってくる必要があるため、財布の中がカードでいっぱいになってしまう、という理由で参加を見送る方もいらっしゃいます。

このためか、最近では、ポイントを手に入れるためにカードではなくて、スマホのアプリを使うことが増えてきました。最近では、スマホを常に持っている方も増えていますし、アプリであれば、ポイントサービスにたくさん参加しても、スマホがかさばることもありません。

2019年9月23日月曜日

賢い買い物に役に立つ減価償却という考え方


会計の言葉(会計用語)の一つに「減価償却」というものがあります。減価償却は、最初に支払ったお金を、その後の一定期間で少しずつ使ったこととみなす、というルールです。

ここでは企業を例に考えてみます。ある企業が100万円の車を買ったとします。100万円は、車を買った時に支払うので、直感的には来年以降、車を買うための費用はゼロのように思えます。しかし車は、企業が買った年だけでなく、その後も数年は使われます。そこで企業の会計では、その後も車を使うであろう期間(耐用年数)を想定し、車を買った金額を(この場合は100万円)を期間に応じて分けて(分割して)、分けた金額だけを費用に計上します。100万円で車を買った場合、車の耐用年数は4年とされているので、25万円(=100万円÷4年)が企業の費用として4年間、計上されます。

減価償却によって毎年費用として計上される金額(減価償却費)は、何かを得るために支払った金額と、これから使うであろうと想定する期間(耐用年数)の2つで決まります。たとえば、1億円で鉄筋コンクリートのビルを買ったとしても、そのビルを使う期間(耐用年数)が100年であれば、毎年の減価償却額は100万円(=1億円÷100年)となります。

2019年9月21日土曜日

副業は効率が悪い


会社や役所に勤め、毎月お給料を受け取っている方は、自分の時給を(ざっくりと)計算することができます。たとえば、ボーナスも含めて1年間に受け取るお給料が500万円(いわゆる年収500万円)の方は、平均して毎月41.7万円(=500万円÷12カ月)を受け取っています。

週休2日を仮定すると、働く日は一カ月間で22日くらいですので、一日に受け取るお給料は約1万9千円(=41.7万円÷22日)となります。一日に残業も含めて平均10時間働いているのであれば、時給は1,900円(=1万9千円÷10時間)となりますし、平均8時間働いているのであれば、時給は約2,370円(=1万9千円÷8時間)となります。日本の最低賃金時間額(全国加重平均)は874円(平成30年度)、三大都市圏(首都圏・東海・関西)のアルバイト・パート募集時の平均時給は、2018年10月に過去最高を更新したものの1,047円*だそうです。最低賃金やアルバイトの時給と比較すると、年収500万円の方は、最低賃金やアルバイト・パートの2~3倍の時給を受け取っていることになります。

*株式会社リクルートジョブズの調査機関「ジョブズリサーチセンター」の調査。

2019年9月19日木曜日

お金を働かせる難しさ


資産形成では、お金をできるだけ働かせることが大事と言われています。

といっても、お金はアルバイトに出かけることができませんし、自宅で食事を作ってもらうこともできません。お金を働かせる、というのは、保有しているお金(元手)を使って、より多くのお金を生み出す、という意味です。

元手を使って、お金を生み出す方法としてよく知られているのが銀行預金です。銀行にお金を預けておけば、預けている期間に応じて利息が生まれます。生まれた利息は、新たな元手となり、利息が利息を生み出すことになります。これを複利(効果)といいます。

しかし、日本の銀行預金の利息は、ほとんどゼロに近い(いわゆるゼロ金利)状態です。たとえばメガバンクの普通預金の利息は、1年間預けた場合、元手に対して0.001%にすぎません。これは100万円を1年間、メガバンクの普通預金に預けておいても、生まれる利息は10円を意味します。しかも、この10円の利息に対し、2円(20%)の税金が課せられるので、手元に残る利息は8円となります。厳密にはゼロではないものの、これでは「お金が働いた」とはいえません。

2019年9月16日月曜日

資産形成を考えることは不謹慎?


社会の中では、資産形成に励むことを快く思わない方が、一定層(ある程度の数)いるようです。資産形成を目指すことは、家族との生活や仕事を疎(おろそ)かにする、といった考え方も一部にはあるようです。

資産形成のために、何らかの活動をするには、それだけ時間を使うことになり、結果として生活や仕事のための時間が少なくなるかもしれません。資産形成を効率的に進めようとするあまり、生活や仕事に支障をきたす可能性も否定できません。

周りを見渡すと、資産形成のために、常に支出を切り詰めようとしたり、必要もないのに残業を続け、少しでも多くの残業代を得ようとする、といった姿を目にすることもあります。おそらく、こうした行動をとる方は、少しでも多くのお金を手元に残したい(より大きく資産形成をしたい)との思いが強いのかもしれません。

2019年9月13日金曜日

ストックとフロー、資産形成との関係



資産形成では、ストックとフローを意識することが大事です。まず、それぞれの意味を確認しておきましょう。

ストックとは、「蓄え(蓄積)」を意味します。冷蔵庫にしまってある食品もストックですし、お腹の周りについてしまった脂肪もストックです。ただ資産形成を考える際には、ストックはお金(財産)にかかわることだけとなります。銀行に預けたお金が100万円は、(資産形成を考えるうえでの)ストックといえます。

フローは、英語で「流れ」という意味の言葉です。資産形成では、フローのことは、ある一定期間に起きた、お金の出し入れ(収入と支出)を意味します。ある月(たとえば11月)に得た収入が15万円で、同じ月に10万円を使い、残りが5万円になった、というのがフローです。

2019年9月11日水曜日

誰もができる副業とは


資産形成を続けるためには、投資に必要なお金(タネ銭)を貯める必要があります。一般に、貯めるべきタネ銭の目安は、得られる収入の一割から二割といわれています。たとえば所得税や健康保険料などを差し引いた収入(いわゆる「手取り」)が15万円なら、1万5千円から3万円くらいを、使わずにタネ銭として取っておくことになります。

しかし、近年では、20代だけでなく全てに年代において、収入が増えにくくなっており、手取りだけでは生活するのが精一杯で、とてもタネ銭を貯めることはできない、と思われる方も多いようです。手取り15万円の方が、3万円ものお金をタネ銭として取っておくことは、現実的ではないとの見方もあるかもしれません。

2019年9月10日火曜日

持ち家・賃貸論争


自宅を自分のものにするのか、それとも借りるか、どちらがよいか、という論争をたまにみかけます。いわゆる持ち家・賃貸論争です。

結論から申し上げると、持ち家と賃貸、どちらがよいかは、人によって異なります。しかしネットなどでは、なぜか、持ち家もしくは賃貸、どちらかが論争に勝利する、という結論に落ち着きます。非常に不思議です。

こうした論争にありがちなのは、持ち家で生ずるコストと賃貸で生ずるコストの比較です。そして比較において、コストが小さい方を勝利とするのが一般的のようです。

2019年9月8日日曜日

投資と消費の違い


多くの方は、投資と消費の違いを、なんとなくボンヤリとわかっているのでしょうが、明確に説明できる方は、意外と少ないものです。

まずは消費について考えてみましょう。消費とは、文字通り、「費やして消してしまう」行為を指します。消費のたとえとして使われるのが食事です。お金を払って何かを食べても、最後に何も残りません。まさに「費やして消してしまう」ことになります。

一方、投資は、文字を見ると、「資(財産)を投ずる」行為となります。財産を何かに投ずる(支払う)ことさえすれば、文字だけ見ると、すべて投資となりそうです。

2019年9月5日木曜日

資産形成とは


資産形成、という言葉を目にすることが多くなってきました。

文字通りに解釈すれば、資産形成は、「資産」を「形成(つくる)」こと、となります。ただ、ここで気にしておくべきことは、資産形成は、単にお金を貯めることではない、ということです。たとえば、子供がお年玉を使わずに貯金箱などにしまっておいても、それは資産形成ではありません。


2019年6月30日日曜日

直伝チャンネル トークルーム vol.5 7月の参議院選と安倍政権の今後を占う


7月の参議院選挙は結局、単独実施へ
現在の自公体制に大きな変化が生ずるとは見込まれず、
今後も安倍政権は続くとみられています。

しかし最近では「老後2000万円不足問題」が浮上。
景気の先行き不透明感、外交問題、そして憲法改正の動きなどを背景に、
安倍政権に対する厳しい声も聞こえるようになっています。

今回のトークルームでは、元日本経済新聞・編集委員でネットメディア「ニュースソクラ」代表の
土屋直也氏をゲストとしてお迎え、いつもと違うテイストで日本の政治情勢を議論します。

動画は以下URLにてご覧いただけます。
https://www.jikiden.co.jp/library/3133

2019年5月31日金曜日

直伝チャンネル トークルーム vol.4 日本景気、米中覇権戦争、日米通商交渉の先行きを考える


内閣府は、3月の景気動向指数からみた国内景気の基調判断を6年2カ月ぶりに「悪化」に引き下げ。
米中貿易摩擦の激化もあって、日本景気の先行き不透明感が高まっています。

一方で、今月(5月)20日に発表された1-3月期の実質GDPは大方の予想に反し年率2%を超えるプラス成長。
日経平均株は2万1千円台を回復するなど、株式市場は日本景気の後退を見込んでいないようです。

こんな景気情勢で問われるのが安倍政権の次の一手。
7月の参院選を前に、安倍政権は消費税の引き上げを延期するとの声が消えません。

今回のトークルームでは、

日本景気の現状や先行き
消費税引き上げの行方
考えうる景気対策
ありうるべき構造改革

などについて元経済官僚と元エコノミストが自由な立場で語り合います。

動画は以下URLにてご覧いただけます。

2019年4月24日水曜日

直伝チャンネル トークルーム vol.3 統一地方選の結果を振り返る ~自公体制、大阪都構想、参院選の行方は?~

4年ごとの統一地方選と3年ごとの参院選が同時に行われる今年は、
十二支の「亥」にちなんで「亥年選挙」

4月7日の統一地方選(前半)では、大阪府知事選と大阪市長選で大阪維新の会がともに勝利したものの北海道知事選では与党系候補が快勝。
7月の参議院選挙に衆議院選挙もぶつけるダブル選への思惑も一部に高まっています。

今回のトークルームは、統一地方選(後半)が終わった翌日をあえて選び、統一地方選の結果を総括するとともに、7月の参議院選挙や憲法改正の行方、消費税引き上げ見送りの可能性などについて自由な立場で語り合います。

動画は以下URLにてご覧いただけます。
https://www.jikiden.co.jp/library/2956


2019年4月14日日曜日

村田雅志のトークルーム vol.3 仮想通貨の発展はあるのか? ~マーケット、規制、ニーズから読み解く~

2019年4月2日 20:00

ゲスト:藤巻 健史氏(参議院議員)

国会議員でもっとも仮想通貨(暗号資産)を推しているという藤巻さんと
日本経済の行方、仮想通貨市場の有望性、我々がなすべきことについて対談しました。

藤巻さんは、日銀による異次元緩和で日本経済は破滅の道を進むしかないと言い切り、
破滅に備えて仮想通貨を利用する必要性を強く主張しています。

以下URLから藤巻さんの主張と、村田のツッコミをご覧ください。

https://www.jikiden.co.jp/library/2908


2019年2月15日金曜日

直伝チャンネル トークルーム vol.2 「平成後も安倍政権は続く?」 ~野党はなぜ大きな支持を得られないのか~

2月14日 20:00


モリカケ疑惑、自衛隊日報隠ぺい、そして統計偽装などなど問題だらけの安倍政権。
しかし安倍政権の支持率は高水準で安定。

安倍首相の在職日数は、桂太郎氏の2886日を抜き、憲政史上最長になるとの声も。

安倍政権の強さの秘密をテーマに
元経産官僚の古賀茂明さんと対談しました。

動画は以下URLにてご覧いただけます。
https://go.jikiden.jp/sid=xC2J4bYIOB


2019年2月1日金曜日

村田雅志のトークルーム 財務省が日本を亡ぼす~統計の嘘の本質を探る~

1月29日 20:00

ゲスト:三橋 貴明氏(経世論研究所 所長)

あの三橋貴明さんと、日本のあるべき姿について対談しました。

三橋さんは、財務省が主導する緊縮財政は、日本国民を貧困化させ、
日本国を着々と「発展途上国」へと落ちぶれさせようとしているといいます。

以下URLから三橋さんの主張と、村田のツッコミをご覧ください。

https://www.jikiden.co.jp/library/2765


2019年1月11日金曜日

直伝チャンネル トークルーム vol.1 ~2019年から考える日本経済の先行き

1月7日 20:00
元経産官僚の古賀茂明さんと対談しました。
個人向けのライブ配信は約9年ぶり!
動画は以下URLにてご覧いただけます。

〇海外から見た日本 もはや先進国ではない?
〇何故野党は弱いのか?野党政権なら株価暴落は本当?

https://go.jikiden.jp/sid=9Cfy7sG630