2015年3月28日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月27日)

 3月27日のロンドン市場は取引前半にドルが上昇した。米上院は2016会計年度予算決議案を52対46の賛成多数で可決。下院共和党もすでに予算決議案を可決しており、6年ぶりの本予算成立の道が開いた。米上院での予算案可決が報じられると、ドルは買いが先行。。ドル円は119円台前半から119円台半ばに上昇する一方、ユーロドルは1.08ドル台後半から1.08ドルちょうど近辺に下落した。しかし取引中盤に入ると、ドル円は119円台半ば近辺、ユーロドルは1.08ドル台前半でそれぞれもみ合い。後半に入り米債利回りが上昇に転じたもののドル買いの動きは後退し、ドル円は119円台前半に小幅下落。ユーロドルは1.08ドル台半ば近辺に上昇した。

 ポンドは取引前半に下落したが、後半にBOEカーニー総裁の発言を受けて買いが先行する展開となった。取引序盤に発表された3月の英全国住宅価格指数は前年比+5.1%と市場予想を下回る伸び。これを受けてポンドドルは1.48ドル台前半から1.48ドルちょうど近辺に下落。中盤は1.48ドル台前半での推移となった。後半に入りBOEカーニー総裁が独連銀主催の討論会で金利に関する次の動きは引き上げになるというメッセージは変わっていないと発言。同発言が伝わるとポンドドルは1.48ドル台後半に上昇。終盤にかけてはポンド買いの動きがさらに強まり、ポンドドルは1.49ドルちょうど近辺とこの日の高値を更新した。

 NY市場はドルの上値が重い動きとなった。昨年第4四半期の米GDP(確報値)は前期比年率2.2%増と市場予想に反し改定値から変わらず。個人消費は同4.4%増と市場予想通り上方修正されたが在庫投資が下方修正された。GDPが市場予想を下回ったことで米債利回りは小幅低下。ドル円は119円台前半から119円ちょうど近辺に下落する一方、ユーロドルは1.08ドル台後半から1.09ドルちょうど近辺に上昇。その後発表された3月のミシガン大消費者信頼感(確報値)が93.0と市場予想を上回ると、米債利回りは持ち直し、ドル円は119円台前半に上昇。ただユーロは1.08ドル台後半でのもみ合いが続いた。

 一部メディアはギリシャ財務省の代表団が27日にも改革リストを提出すると報ずると、ユーロドルは一時1.09ドル台前半に伸長。ただユーロ買いの動きは続かなかった。

 取引後半に入ると米債利回りの上値が重くなる一方、米国株は伸び悩み。ドル円は119円台前半でじり安の動きとなる一方、ユーロドルは1.09ドルちょうど近辺でのもみ合い。取引終盤にはFRBイエレン議長がサンフランシスコ連銀主催のカンファレンスでスピーチ。同総裁は堅調な経済成長が今後も続くとみられることを理由に今年後半の利上げがおそらく正当化されると発言。ただ、経済の基調を歴史的水準に照らしてみると極めて弱いままだとも述べ、利上げに適切な時にはまだ至っていないとの見方も示した。また利上げのペースは緩やかになると予想しているとも述べ、利上げペースは経済状況次第で加速や減速、あるいは逆戻りするとし、全体として金融政策は当面緩和的なままにしておくのが適切だと説明した。同総裁の発言を受けてドル円は119円ちょうど近辺から119円台前半で激しくもみ合い。ユーロドルも1.09ドルちょうど近辺から1.09ドル台前半に急伸する場面もみられたが、スピーチが進むにつれ、徐々にドル買い優勢の展開。ドル円は119円台前半でじり高の動きとなる一方、ユーロドルは1.08ドル台後半に下落した。

 米国では4月3日に3月の米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数は25万人程度の増加とやや減速する見込み。平均時給は前年比2.0%増と前月から伸びが変わらない。雇用者数が増えたところで賃金の増加がなければ6月の利上げ開始はないとの見方が多く、今回の場合、雇用よりも平均時給の方が注目されるだろう。もちろん雇用増ペースが大きく鈍化すればドル売りの反応となる。

 日本では3月30日に2月の鉱工業生産、4月1日に日銀短観が発表される。生産は前月比2%程度のマイナスが予想されているが、日銀短観では景況感の改善が示される見込み。先週末に発表された労働指標が総じて良好だったことから、理屈の上では日銀の追加緩和は期待しにくい状況。景気回復ペースの加速が示されるようだと、追加緩和期待がさらに後退するだろう。

 ユーロ圏では3月のCPIが発表される。前年比-0.3%と前月と同じ下落率が見込まれているが、ユーロ安効果でCPIの下落率が縮小する可能性もある。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月27日)

 新興国通貨は対ドルで軟調な動きとなった。原油先物価格が再び50ドルを下回ったことが嫌気された。

 BRLは対ドルで1.7%の下落。昨年第4四半期GDPは前年比0.2%減と市場予想ほど落ち込まず、前期比は0.3%増と市場予想に反しプラス成長を維持。しかし、この日のBRLは売り優勢の展開となった。

 MXNは対ドルで0.2%の下落。2月のメキシコ失業率は4.51%と市場予想を上振れ。同月同国の貿易収支は5.58億ドルの黒字と市場予想を上回ったが、前年同月からは黒字額が39.2%減少。輸出が前年比2.6%減と原油輸出の大幅減少で落ち込んだことが響いた。

 COPは対ドルで0.2%の上昇。昨年第4四半期のコロンビア経常収支は63.6億ドルの赤字と2000年の統計開始以来最大の赤字を記録。貿易赤字が前年同期から4倍以上拡大し経常赤字を押し上げた。コロンビア中銀は議会提出の報告で第2四半期か第3四半期にインフレが鈍化する見通しを示した。

 HUFは対ドルでほぼ変わらず。2月のハンガリー失業率は7.7%と市場予想に反し前月から悪化。6カ月ぶりの高水準に達した。

 TRYは対ドルで0.5%の下落。2月のトルコ外交人観光客数は前年比2.3%増と前月から大きく落ち込んだ。

2015年3月27日金曜日

ドル円が下落するまで期待するのは難しい日銀の追加緩和

 本日朝方は日本で数多くの経済指標が発表されたが、それらの結果は、日銀が4月に追加緩和に踏み切るとの見方をさらに後退させるものとなった。

 2月のコアCPI(総合CPIから生鮮食品を除くベース)は前年比+2.0%と市場予想を下回り、消費税率の引き上げ効果を除けば前年並みに鈍化。総合CPIから食料とエネルギーを除いたコアコアCPIも同+2.0%とやはり市場予想を下回った。同月の実質消費支出は前年比2.9%減と11カ月連続の前年割れ。小売業販売額は前月比でこそ0.7%増とプラスに転じたが1月の落ち込み(1.9%減)をカバーできず。原油安がインフレを抑制する、といっても、消費の回復がこうも弱いようでは、インフレの早期回復は期待できない。

 ただ、日銀の金融政策決定会合・声明文でも示されているように、日銀はコアCPIの前年比が当面、0%程度で推移すると見通し済み。今回のコアCPIの伸び鈍化は、日銀に言わせれば「想定通り」となる。

 日銀・黒田総裁が物価の中長期的な動向を決める要因として指摘する需給ギャップと予想物価上昇率の動きは、日銀の追加緩和を否定する結果となっている。2月の失業率は3.5%と前月から低下。有効求人倍率は1.15倍と1992年3月以来、約23年ぶりの高水準に上昇した。一方、消費動向調査で示される1年後の物価見通しは、上昇するとの回答割合が87.3%と昨年10月の追加緩和以降、高止まりのままである。

 春闘の結果を見極めたいとの思惑もある。連合が26日発表した2015年春闘の中間集計結果によると、25日午後3時時点での平均賃上げ率は2.36%と、前年の同時期の2.23%を上回る水準。すでに現金給与総額は昨年12月から2カ月連続で前年比1%超の伸び。雇用環境だけでなく所得環境も改善が続くのであれば、需給ギャップが需要庁の方向に拡大するとの見方も説得力を増す。

 コアCPIが前年並みに落ち込み、消費の回復も弱いということであれば、4月7、8日の次回会合や、統一地方選が終わった4月30日の会合での追加緩和は自然なものとなるが、日銀・黒田総裁のロジックがそれを許さない。また黒田総裁は、2%のインフレ目標が達成する時期として「2015年度を中心とする期間」と述べ、達成時期が2016年度以降にずれ込むことを暗に容認している。これでは、日銀が目標達成に少しでも早く到達すべく、4月の会合で追加緩和をするというストーリーも考えにくくなる。すでに為替市場では、日銀の4月の追加緩和観測がかなり後退している。

 そうした中、足元では6月の米利上げ期待の後退を背景にドルが軟調に推移している。25日に発表された2月の米耐久財受注は前月比1.4%減と市場予想に反しマイナス。GDP算出に用いられるコア資本財出荷は2月こそ前月比0.2%増とプラスとなったが、1月は0.4%減と下方修正。市場関係者による第1四半期の米GDP見通しも下方修正されている。

 3月の米FOMCは声明で利上げの条件として、労働市場(雇用)のさらなる改善と中期的にインフレが2%目標に戻るとの合理的な自信が持てることを挙げている。雇用の改善は見込めても、成長率が低ければ、たとえ利上げを目指すFRBイエレン議長としても、インフレが2%に戻ると「合理的な」自信があるとは言い難い。

 頼みのドル高ストーリーも期待しにくくなったことで、ドル円は当面、120円を目途に上値の抑えられる展開が続くだろう。4月3日に発表される3月の米雇用統計がたとえ好結果だったとしても、平均時給の伸びが高まることがなければ、6月の利上げ開始期待は盛り上がりにくい。米小売売上高など3月の米景気指標が2月に続いて弱いようだと、ドル買いどころかドル売りの流れすら起こり得る。この場合、ドル円の下値の目途は116円ちょうど近辺まで広がる。この時になって、ようやく日銀は、表向きの理由は後で考えるとして、追加緩和の検討に本腰を入れるのだろう。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月26日)

 3月26日のロンドン市場はドルが取引前半に下落したが、中盤には下げ止まり。後半は買い戻し優勢の展開となった。ドル円は取引前半に118円台後半から118円台前半に下落。米債利回りがサウジアラビアのイエメン軍事介入の報道を受けて、じり安の動きのなか、欧州株は大きく下げて開始。日経平均先物も下落基調での推移となり、ドル円を下押しした。しかし取引中盤に入り米債利回りが下げ渋ると、ドル円も119円台半ば近辺でのもみ合いに。後半に入りセントルイス連銀のブラード総裁による講演原稿で、同総裁が今後2年間の景気改善に備え、今が金融政策の正常化を開始するのに適切な時期のようだとの見方を示すと、米債利回りが小幅反発。ドル円も118円台後半に反発した。

 一方、ユーロドルは取引前半に1.10ドルちょうど近辺から1.10ドル台半ば近辺に上昇。4月のドイツGfK消費者信頼感は10.0と市場予想を上回り、2005年1月の統計開始以来最高を記録したことでユーロは買い優勢となった。しかし取引後半に入るとユーロドルはドル買い優勢となり、引けにかけては1.10ドルちょうど近辺に下落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月26日)

 新興国通貨はBRLなど一部を除き対ドルで下落。原油先物価格50ドル超に上昇したものの、米債利回りが大きく上昇したことから新興国通貨は売りが先行した。

 THBは対ドルで小幅下落。2月のタイ貿易収支(通関ベース)は3.9億ドルの黒字と黒字額が市場予想を大きく下振れ。輸出が前年比6.14%減と市場予想を上回る落ち込みとなる一方、輸入は同1.47%増と市場予想に反し5カ月ぶりの前年超えとなり貿易黒字を縮小させた。

 SGDは対ドルで変わらず。2月のシンガポール鉱工業生産は前年比-3.6%と市場予想を上回る落ち込み。ただ前月比では4.1%増と前月から落ち込みをほぼ取り戻した。

 PHPは対ドルで小幅上昇。フィリピン中銀は市場予想通り政策金利を4.00%、SDRを2.50%でそれぞれ据え置き。同中銀は今年と来年のインフレ率が適切なレンジ内に収まると予想。引き続き力強い成長が続くとの見方を示し、今年のインフレ見通しを従来の2.3%から2.2%に小幅下方修正。来年のインフレ見通しは2.5%で据え置いた。

 TWDは対ドルでほぼ変わらず。台湾中銀は市場予想通り政策金利を1.875%で据え置き。同中銀の彭淮南総裁は今後の金融政策は経済指標の動向次第としながらも今年に入ってから同国金融政策は緩和的な状態が続いていると指摘。同中銀は声明で足元の債券高はバブルの可能性があると指摘し、デフレを心配する必要もないと説明。今後の利下げを否定する姿勢を示した。

 BRLは対ドルで0.3%の上昇。3月23日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.78%と市場予想を下回り、今年1月第1週以来の低い伸び。ブラジル中銀は四半期インフレ報告を公表。インフレは高い水準にあるとし、標準シナリオでのインフレ見通しは今年が7.9%、来年が4.9%とし、今年の成長率見通しを0.5%減とした。2月のブラジル失業率は5.9%と市場予想を上回り、2013年6月以来の高水準を記録した。

 MXNは対ドルで1.0%の下落。メキシコ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明で景気は弱さを示しており、インフレは今年末には3%を下回るだろうと指摘。MXN安によるインフレへの影響は今のところ見られず、中長期のインフレ期待はアンカーされているとの見方も示し、景気とインフレのバランスは景気が悪化するリスクがあるなど、今後の利下げ観測を強める内容となった。

 HUFは対ドルで1.1%の下落。昨年第4四半期のハンガリー経常収支は8.92億ユーロの黒字と市場予想を下振れ。サービス貿易黒字が前期から縮小したのが響いた。

 ZARは対ドルで1.1%の下落。2月の南アフリカPPIは前年比+2.6%と市場予想を上回る鈍化。南ア中銀は市場予想通り政策金利を5.75%で据え置き。同中銀のクガニャゴ総裁はインフレは上方リスクがあると指摘。一方、景気は電力不足によって抑制されるとの見方を示した。また今回の決定は全会一致によるものであり、今後もインフレ目標を守るために行動することを辞さないと発言。今後、金利据え置きを続ける余地はないとしたものの、米利上げを理由に利上げを実施する意向はないと明言した。

 ILSは対ドルで0.6%の下落。2月のイスラエル失業率は5.3%と前月から低下し、2012年1月の統計開始以来最低を更新した。

 CZKは対ドルで1.2%の下落。チェコ中銀は市場予想通り金融政策の現状維持を決定。同中銀は声明でデフレリスクが高まった場合にはCZKの対ユーロ上限水準を引き下げる用意があるとし、2016年後半までCZKの対ユーロ上限策を撤廃する意向はないと表明した。

 フロリダ州から3頭の象を乗せてダラス近郊のサーカスに向かうトラックが路肩にはまり横転しかけたところ、同乗していた象2頭がトラックの横を支えて急場をしのいだそうです。残り1頭の象が何をしていたのかが気になります。

2015年3月26日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月25日)

 3月25日のロンドン市場はドルが軟調な動き。ドル円は119円台後半から119円台半ば近辺に小幅下落した。前日終値水準でのもみ合いで始まった欧州株は取引中盤から下げ幅を広げる展開。米債利回りも取引後半に低下基調で推移しドル円の重石となった。

 シカゴ連銀のエバンス総裁はロンドンでの講演で政策金利の引き上げを2016年まで先送りするのが適切であることを示す経済情勢になる可能性が高いと指摘。インフレ率が極度に緩慢なペースで上昇し、18年まで2%に到達しないだろうとしたうえで、インフレが自身の予測よりもさらに遅いペースになる恐れもあり、ドル高が物価の下押し圧力の一因となっていると説明した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月25日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨やRUBが上昇する一方、中南米通貨はBRL中心に下落。新興国通貨全体では方向感に欠けた。

 BRLは対ドルで1.7%の下落。3月のブラジルFGV消費者信頼感は82.9と3カ月連続で悪化し、2005年9月の統計開始以来最低を更新。ブラジル中銀はBRL買い介入プログラムを3月末で終了すると発表した。

 MXNは対ドルで0.3%の下落。1月のメキシコ経済活動IGAEは前年比+2.04%と市場予想を上回ったものの、前月から鈍化した。

 TRYは対ドルで1.3%の下落。3月のトルコ企業信頼感は100.9と市場予想や前月を大きく下回り、2009年12月以来の低水準に悪化。同月同国の設備稼働率も72.4%と市場予想を下回り、2013年2月以来の低水準となった。

 RUBは対ドルで0.9%の上昇。3月23日までの週のロシアCPIは日次平均前月比+0.032%と前週と変わらず。前週比でも+0.2%と4週連続で変わらず。インフレ傾向に変わりはないが、以前のようなインフレ加速からは脱却した。

新社会人を対象とした日本の生命保険会社の調査によると、2015年の理想の上司ランキングで元プロテニスプレーヤーの松岡修造さんが2位になったそうです。ああいう感じの上司は為替の世界にいそうですね。リサーチの世界にはいないだろうなぁ。

2015年3月25日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月24日)

 3月24日のロンドン市場はドルが下落基調で推移。ドル円は取引序盤に119円台半ば近辺から119円台後半に小幅反発したが、その後は下落基調が続き、引けにかけては119円台前半での推移した。欧州株、日経平均先物はともに底堅い動き。ただ米債利回りがじり安の動きとなり、ドル円を下押しした。

 ユーロドルは1.09ドル台前半から取引中盤には1.10ドルちょうど近辺に上昇。3月のドイツ製造業PMIは52.4と市場予想や前月を上回り、昨年7月以来の高水準に上昇。同月のユーロ圏製造業PMIも51.9と市場予想や前月を上回り、昨年5月以来の高水準。ユーロ買いの動きを後押しした。ただユーロドルは取引後半に1.09ドル台半ば近辺に下落。終盤には再び1.10ドルちょうど近辺に上昇したが上値は抑えられた。

 ポンドは上値の重い動き。ポンドドルは取引前半に1.49ドル台前半から1.49ドル台後半に上昇。しかし2月の英CPIは前年比変わらずと市場予想を下回り、1990年の統計開始以来初の前年比ゼロを記録。同時に発表された1月の英住宅価格も同+8..4%と史上予想や前月を下回る伸び。両指標の結果を受けてポンドドルは1.49ドルちょうど近辺に下落。取引後半には1.49ドル台前半に反発する場面も見られたが、引けにかけては1.49ドルちょうど近辺での推移となった。

 NY市場はドルが反発した。2月の米CPIは前年比+0.0%と市場予想に反し前年割れを回避。コアCPIは同+1.7%と市場予想通り前月から小幅加速した。CPI発表後、ドル円は119円台後半に急反発したが、米債利回りが低下したことですぐに119円台前半に下落。しかし米債利回りが持ち直すと、ドル円は119円台後半に上昇。その後発表された2月の米新築住宅販売件数が53.9万戸と市場予想を大きく上回り、前月分も上方修正されると、ドル円は取引中盤には120円ちょうど近辺と、この日の高値を更新した。ただ、後半に入り、米国株が下落すると米債利回りも低下基調で推移。ドル円は119円台後半での推移となった。

 ユーロドルは米CPIを受けて1.09ドル台前半に急落した後に1.10ドル台前半と、この日の高値を更新。しかしその後はドル買い優勢の動きを受けて取引中盤には1.09ドルちょうど近辺に下落。後半に入ると1.09ドル台前半に反発したが、その後は同水準でのもみ合いが続いた。

 ドル高が進むと、米国株が下落し、米債利回りが低下し、ドルの上値が重くなるという図式が続いている。6月の米利上げ開始観測も大きく後退しており、ドル買いの動きは強まりにくい。本日東京市場でのドル円は120円ちょうどを前に上値の重い動きとなりそうだ。一方、ユーロは買い戻し基調も一服。ギリシャ支援情勢に対し神経質な動きが予想される。アジア通貨は米債利回りの低下を背景に対ドルで底堅く推移すると思われる。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月24日)

 新興国通貨は一部EMEA通貨を除き対ドルで上昇。原油先物価格が底堅い動きを示したほか、米債利回りの低下が新興国通貨をサポートした。

 BRLは対ドルで0.2%の上昇。2月のブラジル経常収支は、68.8億ドルの赤字と市場予想を下回る赤字。しかし同月同国の海外直接投資も27.7億ドルと市場予想を下振れ。2月のブラジル税収は899.8億レアルと前年比8.2%増と大きく増加した。

 MXNは対ドルで変わらず。3月上旬のメキシコCPIは前年比+2.97%と市場予想を下振れ。ただコアCPIは同+2.42%と2月下旬から小幅加速した。

 CLPは対ドルで0.4%の上昇。2月のチリPPIは前月比-1.1%と落ち込み幅が3カ月ぶりの水準まで縮小した。

 CZKは対ドルで0.3%の下落。3月のチェコ企業景況感は11.6と3カ月連続の悪化。一方、消費者信頼感は3.3と前月から変わらず、5カ月連続のプラスとなった。

 HUFは対ドルで1.3%の上昇。ハンガリー中銀は市場予想通り政策金利を15bp引き下げ1.95%にすると発表。同中銀はインフレ許容目標として2~4%を提示。ただ今年のインフレ見通しは0.0%と従来の0.9%から下方修正。一方、今年の成長率見通しは3.2%と従来の2.3%から上方修正された。同中銀のマトルチ総裁はハンガリーは新たな利下げ局面に入ったと発言。今後もインフレ目標達成のために慎重な利下げを続ける意向を示した。

毎年、新入社員の特徴を物などに例えている日本生産性本部は、平成27年度の新入社員について、柔軟性を持つが、厳しい指導には耐性が低い傾向にあるとして「消せるボールペン型」と名付けたそうです。遠い昔のことですが、私が新入社員になったときは、「浄水器型」と名付けられました。私の場合、頭のフィルタを取り替えないといけませんね。

2015年3月24日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月23日)

 3月23日のロンドン市場はドルが軟調な動き。ドル円は取引前半に120円ちょうど近辺から120円台前半に小幅上昇したが、上昇は続かず、中盤以降は下落基調で推移。引けにかけては119円台後半での推移となった。日経平均先物は上値が重くなり、欧州株は下落してのスタート。その後も上値は抑えられる展開となった。米債利回りは取引前半に小幅上昇したものの、欧州株の下落もあって、中盤以降は下落基調で推移。ドルの重石
となった。

 セントルイス連銀のブラード総裁は一部米メディアとのインタビューでFOMCが3月に行動しなかったことを理由に2015から17年の米金利予想を50bp下に動かしたと発言。クリーブランド連銀のメスター総裁は別米メディアとのインタビューで3月のFOMCで「忍耐強く」の文言削除によって6月の利上げ開始は実現可能と語ったものの、必ずしも6月に行動するというわけではなく、年内に利上げするのは適切だろうと発言。以前は6月の利上げ開始を支持すると明言していただけに、6月の利上げ開始観測を後退させた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月23日)

 新興国通貨は対ドルで全面高。米債利回りの低下と原油先物価格の上昇が新興国通貨をサポートした。

 TWDは対ドルで小幅上昇。2月の台湾鉱工業生産は前年比+3.32%と市場予想を上回ったが前月からは鈍化。同月同国の商業売上高は同0.91%増とプラス転換となった。

 BRLは対ドルで2.7%の上昇。3月22日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+1.47%と市場予想を下振れ。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末のUSD/BRL見通しが3.15に上方修正。一方でGDP成長率見通しは0.83%減と下方修正された。

 TRYは対ドルで1.3%の上昇。3月のトルコ消費者信頼感は64.4と市場予想を大きく下回り、2009年3月以来の低水準に悪化した。

 ILSは対ドルで2.2%の上昇。イスラエル中銀は市場予想通り政策金利を0.10%で据え置き。同中銀は今年の成長率見通しを3.2%で据え置く一方、来年の成長率見通しを従来の3.0%増から3.5%に上方修正。今後1年間のインフレ見通しは1.1%に据え置いた。2月のイスラエル先行S指数は前月比+0.25%と前月から鈍化した。

水中や山登り中にアイロンがけをする「エクストリーム・アイロンがけ」という競技があるそうです。スギ林の中でマスクなしでアイロンがけするのもありかもしれませんね。

2015年3月23日月曜日

金融政策の現状維持が見込まれる4月のシンガポールMAS会合

 シンガポールでは4月10日から14日の間に第1四半期GDP(速報値)が発表される予定。おそらくシンガポール金融管理局(MAS)は、いつものようにGDP発表と同時に金融政策決定会合の結果を公表するだろう。筆者はMASが金融政策を据え置く可能性が高いとみている。

 MASは為替レートを通じてシンガポールの金融政策をコントロールしており、金融を緩める際にはシンガポールドル名目実効レート(S$NEER)を低めに誘導する。MASはS$NEERにおける中心値と(非公開の)取引バンドの傾きを設定し、金融政策における目標(ターゲット)に合致するよう為替レートを管理することが義務付けられている。仮にS$NEERレートが大きく上昇し、必要以上に金融が引き締められると、MASは金融環境をターゲットに戻すべくSGD売りの介入を実施する。

 MASは通常、4月と10月の年2回金融政策を発表するが、今年は1月28日に緊急会合を開催し、S$NEERの「小幅で緩やかな上昇」を促す従来の方針を維持しながらも、通貨高の誘導ペースを緩めることを決定。今年通年のCPI予想も下方修正し、従来の0.5%~1.5%からマイナス0.5%~0.5%に引き下げた。

 シンガポール景気は冴えない状態が続いている。昨年第4四半期GDPは前年比2.1%増と速報値から上方修正されたが前期からは減速。1月の小売売上高(除く自動車)は前年同月の反動もあって前年比8.7%減と大きく落ち込んだ。1月の鉱工業生産は前年比+0.9%と3カ月ぶりのプラスに転じたが、市場予想では2月は同-2.2%と再び前年割れとなる見込みである。

 インフレ予想を下方修正し、景気も冴えないのであれば、4月に追加緩和に踏み切るのも自然のように思える。しかしシンガポール・ドル(SGD)は、1月28日の緊急会合から先週末まで、米ドルに対し1.9%も下落。S$NEERの構成通貨と考えられる人民元(CNY)に対しても2.7%も下落している。一部で懸念されていたSGD高によるインフレならびに景気下押し圧力は、緊急会合後にそれなりに解消されたと思われる。

 MASが以前から指摘していた潜在的なインフレ圧力は解消されていない。昨年第4四半期の失業率は1.9%と前期から小幅低下。国民および永住権保持者(PR)からなる居住者の失業率は2.6%と7年ぶりの低水準となるなど、外国人労働者の規制強化により労働需給は逼迫したままである。

 本日発表される2月のシンガポールCPIは、前年比-0.2%と落ち込みが前月から縮小し、コアCPIは同+1.2%と前月から小幅加速する見込み。仮に市場予想を上回る形でCPIの伸びが高まるようだと、MASは金融政策の現状維持姿勢を強めると予想される。