2018年2月19日月曜日

さらに下落する可能性があるフィリピン・ペソ(PHP)

 フィリピン・ペソ(PHP)の下落が止まらない。年初は対ドルで49.7台だったが、1月第2週から下落基調が続き、週明けの本日(2月19日)は52.5近辺と2006年7月以来の安値を記録した。

 PHP安の背景には、フィリピンのファンダメンタルズの悪化がある。フィリピンCPIは1月に前年比+4.0%と2014年10月以来、コアCPIは同+3.9%と2012年8月以来の高い伸びにそれぞれ加速。フィリピンのインフレ圧力は高まり続けている。

 しかしフィリピン中銀は、2月8日の会合でも政策金利を3.00%、中銀預金金利を2.50%でそれぞれ据え置き。声明では1月のインフレ加速は、タバコ税や一部食品価格の上昇による一時的なものであると指摘し、2019年にはインフレが目標レンジ(3.0±1.0%)に収束するとの見方を示した。また同中銀は2月15日に、銀行機能を市場実勢に近づける目的のためとし、預金準備率を1%引き下げ19%にすることを突然発表。同中銀のメダラ委員は、一部現地メディアとのインタビューで同中銀のエスペニリャ総裁が任期を迎える2023年までに預金準備率を10%未満に引き下げることが目標であると述べた。

 フィリピンの貿易赤字は拡大が続いている。昨年12月のフィリピン貿易赤字は40.2億ドルの赤字と、2カ月連続で過去最高を更新。フィリピンは、輸出競争力が高くない一方で、資本財を中心に輸入依存度が高い。世界景気の拡大を背景に輸出増が続いたとしても、内需拡大を受けた輸入増のペースが上回り、結果的に貿易収支の悪化が続く恐れが高い。

 海外投資家によるフィリピン株式市場への資本フローも昨年の流入超から一転し、流出超が続いている。昨年のフィリピン株式市場への資本流入額は11.0億ドルとなったが、今年は2月15日現在、年初来1.5億ドルの流出超となっている。

 海外投資家がフィリピン株に対し慎重な姿勢を強めているのは、PHPの先安観が強まっているためと解釈することもできる。フィリピン株の代表的な指数であるフィリピン総合指数(PCOMP)は、PHP建てで年初来2.2%上昇だが、ドル建てでは2.7%、円建てでは8.0%の下落。フィリピン景気は今後も期待が持てるのかもしれないが、PHP安で先進国通貨建てのパフォーマンスが悪化を続けるとの懸念が強まっても不思議ではない。

 インフレ圧力が高まっているのにフィリピン中銀はハト派姿勢を維持しており、貿易赤字は拡大継続。海外投資家による株式市場からの資本流出が続く可能性も考えると、PHPが今後も下落を続ける可能性は否定できない。上述したようにUSD/PHPは、対ドルで52.5まで一時上昇(PHPは下落)したが、52.5を大きく上抜けると、次の節目は2006年6月の高値である53.6近辺。その次は54ちょうど、55ちょうど、そして2004年3月に記録した過去最高値(PHPは過去最安値)の56.5近辺となる。






2018年2月17日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2018年2月15日)


 2月16日のロンドン市場はドルが上昇基調で推移した。

 ドル円は105円台後半から106円台前半まで上昇基調で推移。ロンドン市場に入り米債利回りは低下。しかし欧州株はプラス圏で底堅く推移。米長期金利上昇懸念の後退を背景にドル円はドル買い優勢の展開が続いた。

 ユーロドルは取引中盤まで1.25ドル台前半で動意に欠ける動き。米債利回りの低下がユーロドルの下値をサポートした。しかし後半に入ると、ユーロドルは1.24ドル台後半に下落した。

■新興国通貨の概況(2月16日)

 新興国通貨は対ドルで売り優勢の展開となった。

 BRLは対ドルで変わらず。
2月14日の週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.03%と市場予想を下振れ。12月のブラジルIBGEサービス部門売上高は前年比0.5%増と市場予想に反し、前年越えとなった。

 CZKは対ドルで0.8%の下落。
第4四半期のチェコGDPは前年比5.1%増と市場予想を下回ったが、2期連続の5%台を記録した。

 PLNは対ドルで0.9%の下落。
1月のポーランド平均総賃金は前年比7.3%増と市場予想を上回り前月と同じ伸び。同月同国の雇用は前年比3.8%増と市場予想を上回ったが、前月から鈍化した。

よい週末をお過ごしください。

2018年2月16日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2018年2月15日)


 2月15日のロンドン市場はドルが下げ渋る動きを見せた。

 ドル円は取引中盤まで106円台前半で方向感に欠ける動き。後半に106円台後半と東京市場前半の水準まで上昇した。ロンドン市場に入り、米債利回りが下値の堅い動き。欧州株は続伸となり、ドル円は時間とともにドルを買い戻す動きが強まった。

 ユーロドルは取引序盤に1.24ドル台後半から1.25ドルちょうどに上昇。しかし、その後のユーロドルは1.25ドルちょうど手前で上値が抑えられる動き。取引後半に発表された12月のユーロ圏貿易収支(季調値)は238億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を上回ったが、指標発表後、ユーロドルは1.24ドル台後半へとじり安の動きとなった。

■新興国通貨の概況(2月15日)

 新興国通貨は対ドルで続伸となった。

 SGDは対ドルで0.4%の上昇。
1月のシンガポール輸出(除く石油)は前年比13.0%増と市場予想を上回り、3カ月ぶりの高い伸びに加速した。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.5%の上昇。
1月のインドネシア貿易収支は6.8億ドルの赤字と、市場予想に反し赤字が継続。輸入が前年比26.4%増と急増したことが響いた。インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を4.25%で据え置き。同中銀は声明で今年のインドネシア経済は投資がサポートすると指摘。IDR相場はファンダメンタルズに沿った動きとなるよう防衛するとし、現在の金融政策は中立であるとの認識を示した。

 INRは対ドルで0.3%の上昇。
1月のインドWPIは前年比+2.84%と市場予想を下回り、6カ月ぶりの低い伸び。1月のインド貿易収支は163.0億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回り、2013年5月以来の高水準に達した。

 PHPは対ドルで0.3%の上昇。
12月のフィリピン海外労働者送金は前年比7.1%増と市場予想を上回った。

 BRLは対ドルで0.2%の下落。
2月のブラジルIGP-10は前月比+0.23%と市場予想を下回り、前月比マイナスとなった昨年8月以降、最も低い伸びに鈍化。2月11日までのブラジル貿易収支は26.3億ドルの黒字と、前月分の黒字とほぼ同じ水準に拡大。ブラジル中銀は会合議事録(2月8日結果公表分)を公表。次回会合での金融緩和の休止は適切であるとの認識が示されたが、インフレが心地よい水準で低ければ、利下げを再開する可能性があることも指摘された。

 COPは対ドルで0.6%の上昇。
1月のコロンビア消費者信頼感は-5.4と市場予想を下振れ。12月のコロンビア経済活動指数は前年比+1.3%と市場予想を下回り、前月分も同+1.4%に下方修正。第4四半期のコロンビアGDPは前年比1.6%増と市場予想を下回り、3期ぶりの低い伸びに鈍化した。

 PENは対ドルで0.5%の上昇。
1月のペルー失業率は7.3%と市場予想を小幅下回った。

 PLNは対ドルで0.4%の上昇。
1月のポーランドCPIは前年比+1.9%と市場予想通りで前月から鈍化した。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。
11月のトルコ失業率は10.3%と市場予想や前月と変わらず。1月のトルコ中央政府財政収支は16.7億リラの黒字と、黒字額が前年同月比85.4%減となった。2月のトルコ・インフレ期待(12カ月後)は+9.26%と前月並みの高水準を維持した。

 RUBは対ドルで0.5%の上昇。
1月のロシア鉱工業生産は前年比+2.9%と市場予想を上回り、昨年6月以来の高い伸びに加速した。

 ILSは対ドルで0.3%の下落。
1月のイスラエルCPIは前年比+0.1%と市場予想を下回り、4カ月ぶりの低い伸びに鈍化した。

今日は天気図記念日だそうです。通貨ストラテジスト記念日はいつなのでしょうか?

本日もよろしくお願いいたします。