2017年1月23日月曜日

軟調地合いが続くと見込まれるフィリピン・ペソ(PHP)

 フィリピンでは26日、昨年第4四半期GDPが発表される。Bloomberg調査によると、予想GDP成長率(前年比)は6.0~7.2%増と幅が大きいが、アジアで最も高い成長を続けるインドは、同期に前年比6.0%増に大きく減速するとみられており、フィリピンはアジアの中では最も高い成長を記録する可能性が高い。今後もフィリピン景気は、同国政府による公共投資の拡大などを背景に、前年比6%台後半程度の伸びを維持するとみられる。

 景気が堅調に推移する一方で、フィリピン・ペソ(PHP)は軟調地合いが続いている。PHPは昨年12月下旬に対ドルで50.056と2008年11月以来の安値を記録。昨年末には、やや持ち直し、年初は49.5を下回る場面もあったが、16日には再び50台を記録。その後は50ちょうど手前水準で推移している。ちなみにアジア通貨の年初来パフォーマンス(対ドル)をみると、アジア通貨のほとんどが上昇する中、PHPは0.2%の下落と、INR(0.4%の下落)に次ぐ下落となっている。

 PHPが軟調な背景にはフィリピンの貿易赤字の拡大がある。堅調な景気を背景に輸入が前年比二ケタペースで拡大する一方、輸出は前年割れが続いている。昨年11月のフィリピン貿易収支は25.7億ドルの赤字と、過去2番目の赤字を記録。昨年1月は、26.4億ドルの赤字と過去最大の赤字を記録するなど、フィリピンの貿易赤字は拡大傾向にある。この結果、フィリピンの経常収支も黒字額が縮小傾向にあり、12カ月移動平均でみると、昨年後半の黒字は2009年4月以来の低水準に落ち込んでいる。

 景気拡大や原油先物価格の上昇を背景にフィリピンではインフレ圧力が強まっている。昨年12月のフィリピン・コアCPIは前年比+2.5%と2015年4月以来の高い伸びに加速。フィリピンM3は昨年、前年比で11~13%のペースで拡大しており、フィリピンのインフレ圧力が早期に鈍化するとは考えにくい。インフレ圧力の強まりはPHPの下押し材料となる。

 フィリピン中銀のハト派姿勢もPHPの重石となっているようだ。同中銀のテタンコ総裁は一部米系メディアとのインタビューで、今年と来年のインフレは目標レンジ(2~4%)内に収まる見込みであり、急な利上げを必要としないと明言。PHPは当面、安定的な動きが見込まれるとも述べ、PHPの先行きに対して楽観的な見方を示した。

 フィリピンは他アジア諸国に比べ貿易面で中国や米国との依存度が高くないことを理由に、PHPは今後安定感を増すとの見方も一部にあるようだが、筆者は懐疑的にみている。景気拡大を背景とした輸入増の流れは続くなか、フィリピン中銀のインフレ加速容認姿勢はPHPの重石となり続ける。USD/PHPの次の節目は、2005年7月の高値(56.448)から2008年2月の安値(40.250)の61.8%戻し水準である50.26近辺。その次は76.4%戻し水準の52.63近辺と予想される。

 
 
 
 
 

2017年1月21日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年1月20日)



 1月20日のロンドン市場はドルが上昇基調で推移した。

 ドル円は114円台後半から115円台前半に上昇。ロンドン市場に入り米債利回りが上昇。米10年債利回りは1月3日以来の2.50%台に達した。下げて始まったドイツ株も、その後、前日終値水準に回復し、ドル円の上昇をサポートした。

 ユーロドルは取引序盤に1.07ドルちょうど手前に強含む場面もあったが、その後、下落基調で推移し、取引終盤には1.06ドル台前半で推移。ECB専門家調査では、2017年のインフレ見通しが従来の1.2%から1.4%に、GDP見通しは従来の1.4%から1.5%に、それぞれ上方修正されたが、ユーロドルもドル買い優勢の展開となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年1月20日)

 新興国通貨は対ドルで買い優勢。MXNやTRYは上げがやや目立った。

 CNYは対ドルで小幅下落。
第4四半期の中国GDPは前年比6.8%増と市場予想を上振れ。同時に発表された12月の中国鉱工業生産は前年比+6.0%と、市場予想や前月から鈍化。一方、同月同国の小売売上高は同10.9%増と市場予想や前月を上回った。
 TWDは対ドルで0.3%の上昇。
12月の台湾輸出受注は前年比6.3%増と市場予想や前月を下回った。

 MXNは対ドルで1.8%の上昇。
12月のメキシコ失業率は3.68%とほぼ市場予想通りで、前月とほぼ同じ水準だった。

 CLPは対ドルで0.5%の上昇。
チリ中銀は大方の予想通り政策金利を25bp引き下げ3.25%にすると発表。同中銀は声明で今後も金融政策による景気刺激の必要があるだろうと指摘した。

 COPは対ドルで0.9%の上昇。
11月のコロンビア経済活動指数は前年比+1.1%と市場予想を小幅下回った。

 HUFは対ドルでほぼ変わらず。
11月のハンガリー平均総賃金は前年比8.2%増と市場予想を上回り、2011年12月以来の高い伸びに加速した。

よい週末をお過ごしください。

2017年1月20日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年1月19日)



 1月19日のロンドン市場はドルの上値が抑えられる展開となった。

 ドル円は取引序盤に114円台半ば近辺から115円ちょうど手前に上昇。ロンドン市場に入り米債利回りが上昇。ドル円を押し上げた。しかし、その後、ドル円は115円ちょうど手前でもみ合いを続け、中盤には114円台半ばに反落。上昇していた米債利回りが上げ幅を縮めたことで、ドル買いの動きが後退した。取引後半に米債利回りが再び上昇すると、ドル円は114円台後半に小幅上昇したが、上値は抑えられた。

 ユーロドルは取引前半に1.06ドル台前半から1.06ドル台半ばに小幅上昇。その後発表された11月のユーロ圏経常収支(季調値)は361億ユーロの黒字と過去最大の黒字額を記録すると、ユーロドルは1.06ドル台後半へと底堅い動き。ただ取引後半は1.06ドル台半ば近辺に小反落となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年1月19日)

 新興国通貨は総じてみれば対ドルで方向感に欠ける展開となった。

 MYRは対ドルで小幅下落。
マレーシア中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明で概ね想定通りの経済成長が見込めると指摘。基調インフレは安定的に推移すると見込まれるとし、現在の金融政策は経済成長を維持する水準にあると指摘した。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.3%の下落。
インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を4.75%で据え置き。同中銀は声明で現在の政策金利水準は経済の安定を確保していると指摘。今年も景気回復が続くとの認識を示した。

 BRLは対ドルで0.7%の上昇。
1月のブラジルIGP-M(確定値)は前月比+0.76%と市場予想を下振れ。同月同国のIPCA-15は同+5.94%と、ほぼ市場予想通りで、2014年3月以来の6%割れに鈍化した。

 ZARは対ドルで0.5%の上昇。
第4四半期の南アフリカBER消費者信頼感は-10.0と市場予想や前期を大きく下回った。

 ILSは対ドルで小幅上昇。
11月のイスラエル製造業生産は前月比3.3%増と8カ月ぶりの高い伸びを記録した。

 TRYは対ドルで1.0%の下落。
1月13日のトルコ非居住者による対内国債投資は4.78億ドルの売り越しと、昨年11月第4週以来の大幅売り越しとなった。

 RUBは対ドルで0.4%の下落。
1月13日のロシア金・外貨準備高は3854億ドルと前週から大きく増加し、約1カ月ぶりの高水準に達した。

 PLNは対ドルで0.2%の上昇。
12月のポーランド鉱工業生産販売は前年比2.3%増と市場予想を上振れ。同月同国の小売売上高は同6.4%増と、市場予想や前月とほぼ同じ伸び。PPIは同+3.0%と2012年8月以来の高い伸びに加速した。

スノーブーツを新調しなくよかったです。