2018年7月10日火曜日

普通の銀行業に進出するとは思えないアマゾン

日本経済新聞は、インターネット通販最大手のアマゾンが、日本で銀行業に参入する可能性を時々、報じています。6月14日の記事では、金融庁の金融審議会・金融制度スタディグループの中間整理(最終案)にて、「事業会社を頂点とする異業種グループがグループ内に銀行を保有し、自らの事業とのシナジー効果を発揮する例が見られる」との文章が掲載されるとの見込みを示し、アマゾンなどが銀行を買収するシナリオを示唆しているとの解釈を紹介しています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31771410U8A610C1EE9000/?n_cid=SPTMG053

6月29日の記事では、KDDI、LINE、丸井が金融業界に参入した例を紹介し、アマゾンが第二種金融商品取引業の登録を受け、銀行にならなくとも投信販売を核にした個人向けの資産運用サービスを手掛けられるとの見方を示しています。同記事では、アマゾンが投信販売を始めれば、書籍や物品の販売を通じた膨大な顧客情報の集積が強みになるとの見方も示されています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32330590X20C18A6000000/?n_cid=SPTMG053

アマゾンは、資金力もあり、世界中に多数の顧客を有する大企業です。日本の当局は、商業と銀行の融合に対し比較的前向きな姿勢を示していますので、アマゾンが日本で銀行業を始める可能性は高そうに思えます。

2018年7月5日木曜日

金融は情報収集・コミュニケーションの一環となりうるか

電車など公共交通で、乗客の多くがスマートフォン(スマホ)を操作している場面を目にすることが増えてきました。場合によっては、乗客を眺めている自分を除く乗客全員がスマホに視線を向けていることもあります。

総務省が公表する「通信利用動向調査」によると、日本のスマホ保有世帯割合(普及率)は、2017年(昨年)末に75.1%と、パソコン(72.5%)や固定電話(70.6%)を初めて抜きました。またタブレット端末の普及率は36.4%とFAX(35.3%)を初めて抜きました。固定電話やパソコンの普及率は徐々に低下する一方で、スマホやタブレット端末は上昇を続けていますので、今後もしばらくは、スマホやタブレット端末の存在感は高まり続けると思われます。

(出所)総務省「通信利用動向調査」

スマホ保有割合を年齢別にみると、20代、30代ではほとんどがスマホを保有しており、40代でも8割以上(85.5%)がスマホを保有。50代でも7割以上(72.7%)が保有するなど、スマホはいわゆる社会人層に広く浸透していることがわかります。

2018年7月4日水曜日

女性ミレニアム世代がカギとなりそうなスマホアプリ・ポストペイ式電子マネーでの決済

楽天リサーチが6月29日に公表した「キャッシュレス決済に関する調査」によると、日常の買い物で最も利用する決済手段の回答割合(利用率)は、現金が47.8%、クレジットカードが36.0%、電子マネー(商業系、交通系、ポストペイ式の合計)が11.7%の結果となりました。ちなみにスマートフォンを利用した決済サービス(以下、スマホアプリ)は1.7%、デビットカードは1.1%、銀行・郵便振込は1.0%、商品券は0.4%となっています。

https://research.rakuten.co.jp/report/20180629/

同調査では、最も利用する手段とあわせて、決済で利用する手段を複数回答で質問しています。これによると、クレジットカードの利用割合は82.5%と、8割以上の方がクレジットカードを利用していることがわかります。電子マネーの利用割合は、商業系カード型(nanacoなど)が43.4%、交通系カード型(Suicaなど)が38.8%と、約4割の方が利用しています。最も利用する手段では利用率が非常に低かったグループでも、銀行・郵便振込は30.8%、商品券は29.4%と、約3割の利用があります。一方、スマホアプリは15.0%、ポストペイ式カード型電子マネー(QUICPayなど)は9.3%、デビットカードは8.3%と、利用していない方が8割以上いる結果となっています。


(出所)楽天リサーチ「キャッシュレス決済に関する調査」

全体の8割以上がクレジットカードを利用しており、電子マネーや銀行・郵便振替も3~4割の方が利用していることから、日本でもキャッシュレス社会が広がっていると解釈できるのかもしれません。しかしクレジットカードの取扱高(ショッピング信用供与額)は、個人消費総額に対し、2016年時点で18.0%(今年の推定値は21%程度)に過ぎず、クレジットカードの利用率が非常に高い韓国(76.5%)だけでなく、米国(25.8%)よりも低い水準です。電子マネーやデビットカードによる買い物は、クレジットカードよりも金額が小さい傾向にあることを考えると、日本での買い物(個人消費)では、金額ベースでは、まだまだ現金が主流といえそうです。

2018年7月1日日曜日

JPモルガン スマホアプリでの銀行サービス開始

米大手銀行JPモルガン・チェースは、6月28日、iPhoneアプリによるネット銀行サービス(Finn by Chase)を、米国全土で開始したと発表しました。アンドロイド・スマホに対応したサービスは今年末に提供される見込みです。
https://www.chase.com/personal/finnbank

Finn by Chaseは、支店に立ち寄ることなく、スマートフォン(スマホ)を通じて銀行サービスを提供するもので、サービス内容は以下の通りです。

・口座維持手数料ゼロ
・全米29,000のATMで無料で現金引き出し
・スマホを通じたチャットによる問い合わせを24時間受付
・残高照会機能
・家計管理(家計簿)機能
・自動貯蓄機能

2018年1月19日金曜日

仮想通貨・大幅下落につながったドル円の下落


 株式であれ債券であれ、一般の証券であれば、価格を考える際になんらかの基準がある。株式であれば企業収益が、国債や社債などの債券であれば、債券を発行する組織の信用力(元本を償還する能力)が基準となる。

 しかし仮想通貨の場合、(ビットコインが代表例だが)発行者(主体)が存在しないことが多い。発行者が存在しない以上、株式や債券のように発行者の経済価値や信用をもとにした基準も存在せず、基準をもとに価格を考えることもできない。

 仮想通貨の中には(リップルなどのように)発行者が存在するものもある。ただ仮想通貨は株式ではないため、仮想通貨の保有者が、仮想通貨の発行者に影響力を行使することはできない。そもそも仮想通貨の発行者のほとんどは、発行した仮想通貨の経済価値を保証しているわけでなく、仮想通貨の(何らか)に対し法的な義務も負っていない。発行者がすることといえば、発行した仮想通貨の機能に関するアピールくらいだろう。こうしたことから、発行者が存在する仮想通貨でも、発行者を根拠とした基準は不明瞭なものでしかなく、価格水準の妥当性を検討するには役に立たない。