2017年3月26日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年3月24日)



 3月24日のロンドン市場は、ドルが下落基調で推移した。

 ドル円は111円台前半から111円ちょうどへと下落基調で推移。ドイツ株は前日終値水準で小動きとなったが、米債利回りは取引中盤から低下基調で推移。米議会でのオバマケア代替案の先行き不透明感もあってドル円はドル売り・円買いの動きが続いた。

 ユーロドルは取引前半に1.07ドル台後半から1.08ドルちょうど近辺に上昇。3月のドイツ製造業PMI(速報値)は58.3、その後発表された同月のユーロ圏製造業PMI(速報値)は56.2と、ともに市場予想を大きく上回り、2014年3月の現行統計開始以来の最高を更新。ユーロ買いの動きを後押しした。ただ取引中盤に入ると、ユーロの高値警戒感もあって、ユーロドルは1.08ドルちょうど近辺で伸び悩み。後半も同水準で小動きを続けた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年3月24日)

 新興国通貨は中南米通貨とEMEA通貨が対ドルで上昇。米債利回りが低下するなか、原油先物価格が底堅く推移したことがサポートとなった。

 KRWは対ドルで変わらず。
3月の韓国消費者信頼感は96.7と2カ月連続で上昇し、5カ月ぶりの高水準に回復した。

 THBは対ドルで変わらず。
2月のタイ自動車販売台数は前年比19.9%増と2カ月連続の二桁増を記録した。

 MYRは対ドルでほぼ変わらず。
2月のマレーシアCPIは前年比+4.5%と市場予想を大きく上回り、2008年11月以来の高い伸びに加速した。

 SGDは対ドルで変わらず。
2月のシンガポール鉱工業生産は前年比+12.6%と市場予想を上回る高い伸びを記録。しかし前月比では-3.7%と市場予想に反しマイナスとなった。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。
2月のブラジル経常収支は9.4億ドルの赤字と市場予想に反し赤字を記録。一方、同月同国の海外直接投資は53.1億ドルと市場予想を上回った。

 MXNは対ドルで0.9%の上昇。
1月のメキシコ小売売上高は前年比4.9%増と市場予想を下振れた。

 CLPは対ドルで0.4%の上昇。
2月のチリPPIは前年比+8.7%と前月から鈍化した。

 COPは対ドルで0.8%の上昇。
コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を25bp引き下げ7.00%にすると発表。決定は賛成4反対2で、反対1名は50bpの利下げ、別の1名は金利据え置きをそれぞれ主張した。同中銀のエチャバリア総裁は同国のインフレショックは後退し続けており、現在の金利水準は引き締め気味であると指摘した。1月のコロンビア経済活動指数は前年比+1.2%と市場予想を小幅上回った。

 CZKは対ドルで小幅上昇。
3月のチェコ企業景況感は13.1と前月から低下する一方、同月同国の消費者信頼感は6.3と前月から上昇した。

 TRYは対ドルで0.6%の上昇。
2月のトルコ住宅販売は前年比0.2%減と7カ月ぶりに前年割れとなった。

 RUBは対ドルで0.9%の上昇。
ロシア中銀は市場予想に反し、政策金利を25bp引き下げ9.75%にすると発表。同中銀は声明で今年第2四半期から第3四半期にかけて追加利下げする可能性があると指摘。ただ金融政策は緩やかながらも引き締め気味のスタンスを維持するとした。

東京地方はあいにくの雨ですが、よい日曜日をお過ごしください。

2017年3月24日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年3月23日)



 3月23日のロンドン市場は、取引中盤まで円買い優勢の展開となったが、後半に伸び悩み。一方、ユーロは取引中盤まで下落基調で推移したが、後半にやや持ち直した。

 ドル円は取引中盤までじり安の動きが続き111円台前半から111円割れへの動き。米債利回りは小動きで、ドイツ株も前日終値水準で動意に乏しく推移したが、東京市場流れを引き継ぐかのように円買いの動きが続いた。

 しかし取引後半に入り、ドイツ株が小幅ながらプラス圏に浮上すると、米債利回りも小幅上昇。ドル円は111円ちょうどで下げ止まった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年3月23日)

 新興国通貨は対ドルで小動きとなった。

 SGDは対ドルで小幅下落。
2月のシンガポールCPIは前年比+0.7%と市場予想通りで、前月から小幅加速。一方、コアCPIは同+1.2%と市場予想を小幅下回った。

 TWDは対ドルでほぼ変わらず。
2月の台湾鉱工業生産は前年比+10.64%と市場予想を小幅上回り、2013年1月以来の高い伸びを記録した。台湾中銀は市場予想通り政策金利を1.375%で据え置き。同中銀は声明でGDPギャップはマイナスのままで、インフレ圧力は緩やかであるとの認識を示した。

 PHPは対ドルで変わらず。
フィリピン中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明で現在の金融政策は引き続き緩和的で、インフレリスクは上方に傾いていると指摘。ただ一方で最新のインフレ見通しは従来よりも若干ながら低下したとも指摘した。

 MXNは対ドルで0.4%の上昇。
3月上旬のメキシコCPIは前年比+5.29%とほぼ市場予想通りで2009年7月以来の高い伸びに加速した。

 COPは対ドルで小幅上昇。
2月のコロンビア小売業信頼感は+23.2、同月同国の鉱工業信頼感は-0.1と、ともに前月から低下した。

 HUFは対ドルで0.3%の下落。
第4四半期のハンガリー経常収支は6.88億ユーロの黒字と、黒字額が前年同期比31.3%増となった。

 PLNは対ドルで0.2%の上昇。
2月のポーランド失業率は8.5%と市場予想に反し前月から小幅低下。ポーランド中銀は会合議事録(3月8日結果発表分)を公表。メンバーの過半は政策金利は翌四半期も据え置かれるとの見方を示したが、メンバー1名はインフレ圧力の強まりが利上げ検討を正当化する可能性があるとの考えを示した。

 TRYは対ドルで0.4%の下落。
3月のトルコ消費者信頼感は67.8と市場予想を上回り、4カ月ぶりの高水準。3月17日までの週のトルコ非居住者によるトルコ債投資は4400万ドルの買い越しだった。

 ILSは対ドルで0.2%の下落。
2月のイスラエル失業率は4.3%と前月と同じだった。

 RUBは対ドルで0.6%の上昇。
3月17日のロシア金・外貨準備高は3957億ドルと前週から増加した。

今日は江戸幕府が成立した日です。当時は花粉症なんてなかったと思います。

本日もよろしくお願いいたします。

2017年3月23日木曜日

円高リスクに備え何もしないとみるべき日銀の金融政策

 日本銀行(日銀)は、次のネガティブイベントに備えるべく、当分、何もせずに過ごすようだ。

 日銀は昨日(3月22日)、金融政策決定会合・議事要旨(1月30、31日開催分)を公表した。同議事要旨によると、大方の政策委員は、2%の「物価安定の目標」(2%目標)に向けたモメンタムは維持されているが、なお力強さに欠け、引き続き注意深く点検していく必要があるとの見方で一致。2%目標の実現までにはなお距離があることを踏まえると、現行の金融市場調節方針を堅持し、強力な金融緩和を粘り強く推進することで、2%に向けたモメンタムをしっかりと維持していくことが重要であるとの認識を共有したという。ちなみに、ある政策委員は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を中心とする現行の枠組みは所期の効果を発揮しており、その運用についても市場は冷静に受け止めているとの認識を示したという。

 1月のCPI(除く生鮮食品)は、前年比+0.1%と13カ月ぶりに前年越えとなったが、これは前年(2016年)に原油価格が大きく下落した反動の面もある。生鮮食品とエネルギーを除いたCPIは、前年比+0.2%と11カ月連続で1%未満の伸び。大方の政策委員が指摘するように2%目標の実現までの距離は長い。

 ただ今の日銀は、2013年や2014年の頃と異なり、2%目標の達成時期が2018年度頃になる可能性が高いとしており、目標達成を急ぐ必要がない。トランプ米大統領が、日銀の金融緩和策を円安誘導であると批判したこともあり、今のタイミングで金融緩和を強化するのは具合が悪い。また、だからといって、バランスシートの拡大ペースを抑制すべく、金融緩和縮小に動いてしまうと、円債市場の混乱や円高進展といったリスクが高まる。

 金融政策決定会合の声明でも示されているように、足元の日本景気は安定感を増している。国際金融市場の混乱や海外景気の失速など、国外を中心にリスク要因は存在するものの、日銀を取り巻く国内環境は、日銀にとって居心地の良いものと言える。希望的観測に過ぎないとの辛辣な見方も多いが、国外リスク要因が顕在化しなければ、現行の金融緩和を長期間続けることで、2%目標を達成する可能性もゼロではないように思える。

 日銀が新しいアクションを取るとすれば、それは国外リスク要因が顕在化した時だろう。足元で日銀にとって懸念されるのは円高の進展である。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げペースの加速を示唆するとの期待を背景に、ドル円は3月10日に115円を上抜けしたが、その後は下落基調で推移。昨夜(3月22日の夜)は、一時111円を割り込み、昨年11月22日以来の安値を記録した。

 米国では、医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の本会議採決が現地時間23日に控えている。一部報道によると、共和党の保守派メンバーで構成する「下院自由議員連盟」を中心に同法案には25名以上が反対しているといわれており、このままだとオバマケア代替法案は否決される。この場合、為替市場ではトランプ政権による財政刺激期待が大きく後退し、ドル売りの動きが強まる。

 本日(3月23日)の東京市場では、ドルを買い戻す動きが続き、ドル円は111円台半ば近辺まで上昇したが、ドル円は、50日移動平均や100日移動平均を大きく下回り、トランプラリーといわれる昨年11月上旬から12月半ばにかけての上昇(101.2円から118.7円までの上昇)の38.2%戻し水準である112円ちょうども下回っている。オバマケア代替法案が否決となれば、ドル円はトランプラリーの半値戻し水準である109.9円(ラフに言えば110円ちょうど)割れを目指す動きが予想される。

 仮にトランプラリーが解消されるようなことになれば、日銀は何らかの追加緩和を検討する準備に入るとみるべきだ。ただマイナス金利政策に対する批判は続いており、日銀のバランスシートの拡大ペースをさらに加速することも現実的には難しい部分が多く、日銀に残された追加緩和策は少ない。日銀の追加緩和は難しいとの見方が市場に広がれば、円高がさらに進展する恐れもある。そうした展開に備える意味でも、何もせず次に備える、という選択肢が今の日銀にとって最適なのだろう。