2015年5月22日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年5月21日)

 5月21日のロンドン市場はユーロが上昇。ユーロドルは1.11ドルちょうど近辺から取引後半には1.11ドル台後半に上昇基調で推移した。取引序盤に発表された5月のフランス製造業PMIは49.3と市場予想を上回り、昨年4月以来の高水準。同月のドイツ製造業PMIは51.4と市場予想を下回ったが、その後発表された同月のユーロ圏製造業PMIは52.3と市場予想を上回り、フランスと同じく昨年4月以来の高水準。3月のユーロ圏経常収支(季調値)は186億ユーロの黒字と市場予想を大きく下回ったが、ユーロは買い優勢の動きとなった。しかし、取引終盤に発表されたECB理事会議事要旨(4月15日開催分)では、メンバーが金融政策を着実に実施していくと強調する必要があるとの認識で一致。量的緩和に伴う債券不足リスクが誇張されてきたと指摘され、金融政策が安定的な軌道にあることを強調すべきとの意見で概ね一致したとし、金融政策スタンスの変更を検討する必要はないと結論付けた。これを受けてユーロは買いの動きが後退。ユーロドルは取引終盤には1.11ドル台前半に反落した。

 一方、ドル円は121円ちょうどを挟んでの小動き。欧州株は小幅ながらマイナス圏での推移。日経平均先物も東京市場終値付近で膠着。米債利回りが上値の重い動きとなったことがドル円の重石となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年5月21日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。前日に上昇したBRL、TRYなどは下落。一方、商品市況の上昇でCOPやPENが上昇した。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。3月のブラジル経済活動指数は前年比+0.54%と市場予想を下回り、前月分は同-4.13%と2009年4月以来の大幅落ち込みに下方修正。4月のブラジル失業率は6.4%と市場予想を上回り、2011年5月以来の高水準に上昇した。4月のブラジル税収は前年比3.2%増、インフレ調整後は同4.6%減と弱い結果。ブラジルのファンダメンタルズの弱さが目立つ内容ばかりとなった。

 MXNは対ドルで0.2%の下落。第1四半期のメキシコGDPは前年比2.5%増と市場予想を上回ったが、名目GDPは同4.8%増と市場予想を下回り、5四半期ぶりの弱い伸び。メキシコインフレ圧力の弱さを印象付けた。

 TRYは対ドルで0.4%の下落。5月のトルコ消費者信頼感は64.3と市場予想を下回り、2009年3月以来の低水準。トルコ景気の回復は遅れている。

 PLNは対ドルで0.2%の下落。ポーランド中銀は会合議事録(5月6日開催分)を公表。複数のメンバーはポーランド景気が回復基調にあることを指摘したが、別の複数のメンバーは負のGDPギャップは続いていると指摘。この結果、インフレは下落傾向が続くとの見方が示された。

 ZARは対ドルで変わらず。南アフリカ中銀は市場予想通り政策金利を5.75%で据え置き。同中銀のクガニャゴ総裁は決定は賛成4反対2によるもので、反対2名は25bpの利上げを主張していたことを明らかにした。また同総裁はインフレリスクは高まっていると指摘。来年第1四半期のインフレは目標水準を超えるとの見通しを示した。

 ILSは対ドルで小幅下落。4月のイスラエル先行S指数は前月比+0.23%と昨年7月以来の低い伸びに留まった。

私は江頭2:50さんのファンですが、高田純次さんも多少、好きだということが昨日、判明しました。

2015年5月21日木曜日

1%程度の冴えない成長が続く見込みの日本景気

 昨日(5月20日)発表された日本の第1四半期GDPは、今後の日本の成長率が1%前後で伸び悩む可能性を示す内容となった。

 日本の第1四半期GDPは実質で前期比年率2.4%増と、2四半期プラスとなり、伸びは昨年第1四半期の4.9%増に次ぐ水準に加速した。市場予想では前期と同じ1.5%増程度の伸びに留まるとの見方が多かったことから、日本経済は市場予想を上回る成長となった、と言えなくもない。

価格が決まる大原則~需要と供給の関係(1)

 スーパーや八百屋で売られているダイコンやネギといった野菜には価格が付いています。同じようにマグロやアサリといった魚介類にも価格が付いています。そして、株式や債券、為替レートなど金融市場で取引される金融資産にも価格が付いています。

 価格は、買い手と売り手が取引(売買)をするためについています。価格がないと、買い手はいくらで買えるのかわかりませんし、売り手はいくらで売りたいかを示すことができません。価格が付いているということは、買い手と売り手の両方が必ずいることになります。

 価格はいつも同じではなく、変わります。価格が変わるのは、買い手と売り手のお互いの状況が変わるためです。買い手としては、できるだけ安く買いたいところですが、多少価格が高くても何らかの事情で買わざるを得ない時もあるでしょう。売り手としては、できるだけ高く売りたいところですが、多少価格が安くてもすぐに売らなければならない時もあります。

 買い手と売り手の両方の事情や考えを反映した動きは、需給動向と呼ばれます。需給とは「需要(買い手)」と「供給(売り手)」の二つの言葉を省略した言葉です。需要とは「何かを必要とすること」を意味し、供給とは「何かを与えること」を意味します。

 一般的には、需要と供給は、それぞれが無関係に別々に決まるように考えられていますが、価格が決まる時点で、需要と供給は一致します。需要と供給の関係は、コインの表裏の関係と同じで、コイン(価格)が存在するならば、表と裏(需要と供給)が一致します。

 需要と供給が一致する時は、需要と供給の変わり方は正反対となります。つまり、需要が強い時は供給が弱く、逆に需要が弱い時は供給が強いことになります。これはコインの表側が上を向くときはコインの裏側が下を向き、裏側が下を向くときは裏側が上を向くのと同じです。

 需要が強まる(供給が弱まる)と、価格は上がりやすくなります。逆に需要が弱くなる(供給が強くなる)と、価格は下がりやすくなります。

●需要が強い(供給が弱い)=価格は上がりやすい
●需要が弱い(供給が強い)=価格は下がりやすい

 たとえば、ドル円レートの場合、ドルを買う(円をドルに換える)動きが強ければ、ドルの需要が強いことになり、ドル円は上がります。逆に、ドルを売る、言い換えると円を買う動きが強いときは、円の需要が強いことになり、ドル円は下がります。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年5月20日)

 5月20日のロンドン市場はドルが伸び悩む展開。ドル円は取引序盤こそ121円ちょうどでの推移となったが、その後は121円手前に小幅下落し、同水準でのもみ合いが続いた。欧州株、日経平均先物はともに小幅マイナス圏での推移。米債利回りの上値は抑えられ、ドル円は様子見姿勢が強まった。

 ユーロドルは東京市場終盤に1.11ドルちょうど近辺から1.10ドル台後半に下落。一部現地メディアはギリシャ与党の議会幹部が、IMFへの6月5日の債務返済について、それまでに債権団と合意できなければ支払いは不可能と発言したと報道。同報道が伝わるとユーロは売りが先行した。しかしロンドン市場に入ると、ユーロは買い戻され、ユーロドルは取引中盤には1.11ドル台前半に反発。終盤にムーディーズがギリシャの銀行部門では今後1年から1年半にわたり、流動性と資金調達が圧迫される状況が続き、その結果として資本規制と預金凍結が導入される可能性があるとの見方を示すと、ユーロドルは1.11ドルちょうど近辺に下落したが、ギリシャ現地メディアがギリシャ政府が銀行取引に0.1~0.2%を課税し、年3~6億ユーロの調達を目指す提案を債権団にしたと報じると、ユーロの下値は堅くなった。

外国為替市場を動かす市場参加者(2)

 お客様からの為替取引の注文を受けたセールスは、もう一つの仕事を担当する「トレーダー」と呼ばれる人に注文を伝えます。注文を受けたトレーダーは、インターバンク市場の為替レートをもとに、注文に当てはまる為替レートをセールスにすぐに伝えます。セールスは、トレーダーから受けた為替レートをお客様に伝え、お客様がその為替レートを了承すると、セールスはトレーダーにお客様からが了承したことを伝え、そこで取引が終了します。

 雑誌や小説などでは、外国為替を取引するプロとして「為替ディーラー」が登場します。為替ディーラーは、銀行など金融機関で外国為替取引をする人たちのことで、セールスからの注文を受けてインターバンク市場で為替取引をするトレーダーも為替ディーラーの一人です。

 為替ディーラーは、外国為替市場の主役、とイメージがありますが、じつは為替ディーラーによる外国為替取引の割合は、徐々に低下する傾向にあります。2009年の世界的な金融危機(いわゆるリーマンショック)をきっかけに世界各国の金融機関は、合併などで規模が大きくなり、インターバンク市場で別の銀行に注文を出すことなく、お客様の買い注文と別のお客様の売り注文を付け合わせること(マリー取引と呼ばれます)が、より効率的にできるようになりました。マリー取引は、インターバンク市場での取引に比べ収益性が高いと言われているため、欧米の大規模な銀行は、お客様からの買い注文を受けると、コンピュータ・プログラム(アルゴリズム)を使って瞬時に為替レートを調整し売り注文を集め、元の買い注文を付け合わせる(マリーする)傾向を強めています。

 為替ディーラーに代わり存在感を強めているのが、機関投資家や富裕者層から私的に集めた資金を運用するヘッジファンドです。ヘッジファンドの中には、短い時間に多くの取引をする高頻度取引(英語でHFTと呼ばれます)を得意とするところもあります。高頻度取引では、コンピュータ・システムが市場の状況に応じて、自動的に売り買いの注文のタイミングや数量を決めて自動的に注文を出しますが、時には1秒間に数百回といった数で売買が繰り返されることもあります。これでは、たとえ早口が得意な為替ディーラーでも、注文の数の多さでは勝てません。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年5月20日)

 新興国通貨はBRLなど一部高金利通貨を除き対ドルで続落。東欧通貨の下げがやや目立った。

 TWDは対ドルで0.2%の下落。4月の台湾輸出受注は前年比4.0%減と市場予想を上回る落ち込み。第1四半期の台湾経常収支は220.0億ドルの黒字と1981年の統計開始以来最大の黒字額を記録した。

 ZARは対ドルで0.6%の上昇。4月の南アフリカCPIは前年比+4.5%、コアCPIは同+5.6%といずれも市場予想を小幅下振れ。ただ3月の同国小売売上高は同2.0%増と市場予想を下回り、前月分も下方修正された。

 ILSは対ドルで変わらず。3月のイスラエル製造業生産は前月比4.8%増と2012年8月以来の高い伸び。前月分も上方修正された。

 TRYは対ドルで0.6%の上昇。トルコ中銀は市場予想通りレポレートなど主要3金利を全て据え置き。同中銀は声明で物価変動が大きい間、慎重な金融政策姿勢を維持する必要性があると指摘。内需は成長率を下支えしているものの、外需は依然として弱いとの認識を示し、TRY相場の変動はコア・インフレの改善を抑制していると指摘した。

 PLNは対ドルで1.1%の下落。4月のポーランド鉱工業生産販売は前年比+2.3%と市場予想を下振れ。同月同国のPPIは前年比-2.6%と市場予想に反し前月から落ち込み幅が広がった。また同月同国の実質小売売上高は同1.5%増と昨年11月以来の低い伸びに留まった。

 RUBは対ドルで0.4%の下落。5月18日までの週のロシアCPIは前週比+0.1%と前週と変わらず。ロシアのインフレが落ち着きを見せるようになってきた。

BOEは新たに発行される20ポンド紙幣に印刷される歴史的人物の候補を公募すると発表しました。カーニー総裁は候補として、英国出身の芸術家や職人、デザイナー、映画製作者などを一般から公募すると述べたそうです。日本だと誰がいいですかね?私が思い付いたのは、黒沢明監督と、江頭2:50さんでした。

2015年5月20日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年5月19日)

 5月19日のロンドン市場はドルが上昇。ユーロドルはECB理事会メンバー二人の発言を受けて1.13ドルちょうど近辺から1.11ドル台後半に下落した。ただ、その後、大きく低下した欧州債利回りが下げ渋ると、ユーロも買い戻しの動き。ユーロドルは取引中盤には1.12ドルちょうど近辺に反発。後半は同水準でのもみ合いとなった。5月のドイツZEW景況感は41.9と市場予想を下回り、昨年末以来の低水準に悪化。同時に発表された3月のユーロ圏貿易収支(季調値)は197億ユーロと市場予想を小幅下振れ。4月のユーロ圏CPI(確定値)は前年比変わらずと速報値から変わらなかった。

 ドル円は120円ちょうど近辺で動意に欠ける展開。欧州債利回りの低下を受けて欧州株は取引序盤に買いが先行。日経平均先物は20100円台に小幅高となるなど日欧ともに株式市場は堅調な動き。しかし米債利回りは欧州債利回りの低下を受けて小幅低下。ドル円の上値を抑えた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年5月19日)

 新興国通貨は対ドルで下落。NY市場に入り米債利回りが上昇する一方、原油先物価格は下落。新興国通貨は売りが先行した。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。5月15日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.83%と市場予想を下回り、4月上旬以来の低い伸びに鈍化。5月のブラジルIGP-M(二次速報値)は前月比+0.41%と市場予想を小幅下振れ。ブラジルのインフレ圧力に鈍化の兆しがみられるようになってきた。

 MXNは対ドルで0.6%の下落。メキシコ中銀は四半期インフレ報告を公表。今年のコアインフレは通年で3%を下回り、来年は3%近辺で推移すると予想。MXN安によるインフレリスクは無視できず、今後も米利上げ、MXN安、メキシコ経済のスラックに注視するとの姿勢が示された。

 PLNは対ドルで0.8%の下落。4月のポーランド平均総賃金は前年比3.7%増と市場予想を下振れ。同月同国の雇用は同1.1%増と市場予想や前月と変わらなかった。

 CZKは対ドルで1.4%の下落。4月のチェコPPIは前年比-2.6%と市場予想通り前月から落ち込み幅が縮小した。

昆虫の混入で生産自粛が続いていた四角型のインスタント焼きそばの販売が来月上旬から再開されるそうです。コンビニの棚にどれだけ並ぶか注目ですね。

2015年5月19日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年5月18日)

 5月18日のロンドン市場はユーロが上値の重い動きとなった。ユーロドルは取引前半に1.14ドル台前半から1.13ドル台後半に下落。取引後半に1.14ドル台前半に反発したが、ロンドン市場序盤の水準には届かず。引けにかけては1.14ドルちょうど近辺での推移となった。一部米系メディアは事情に詳しい関係者の話として、ギリシャ市中銀行が利用できるELAは約950億ユーロまでで、この場合、6月末まで資金繰りは持ちこたえると報道。しかし担保の割引率が拡大されると、ELAの利用上限は約880億ユーロとなり市中銀行の資金繰りが行き詰るのは約4週間後と報じた。

 ドル円は119円台後半でもみ合い。欧州株は小幅プラス圏で推移していたが、取引後半には先週末終値水準に下落。日経平均先物も上値の重い動きとなった。一方、米債利回りは動意薄。ドル円は様子見姿勢の強い展開となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年5月18日)

 新興国通貨はRUBを除き対ドルで下落。原油先物価格が伸び悩む中、米債利回りが上昇したことで新興国通貨は売り優勢となった。

 BRLは対ドルで0.8%の下落。5月17日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+0.65%と市場予想を小幅上回ったが前週からは鈍化。ブラジル中銀の週次サーベイではすべての項目が前週とほぼ同じだった。5月17日までの週のブラジル貿易収支は616.52億ドルの黒字と黒字基調を維持した。

 CLPは対ドルで0.7%の下落。第1四半期のチリGDPは前年比2.4%増と市場予想を上回り、2期連続で加速。個人消費が同1.6%増と前期から加速。政府支出も同5.7%増と高い伸びを維持し、成長率をサポートした。

 ILSは対ドルで1.0%の下落。5月のイスラエル・予想CPIは前年比+1.1%と前月と変わらず。4月の同国M1は前年比50.3%増と2カ月連続で加速し、2009年12月以来の高い伸びとなった。

米マサチューセッツ州の元知事で、大統領選の共和党候補にもなったミット・ロムニー氏が、ボクシングの慈善試合に参加し、元世界ヘビー級世界王者イベンダー・ホリフィールド氏と対戦したそうです。ロムニー氏がホリフィールド氏からダウンを奪う演出もあったそうです。私は長州力選手と演出ありで戦ってみたいです。

2015年5月18日月曜日

再び軟調な動きが見込まれるマレーシア・リンギット(MYR)

 マレーシアの第1四半期GDPは前年比5.6%増と市場予想(同5.5%増)とほぼ同じ。隣国シンガポールの同期GDPが前年比2.1%増、タイが同3.0%増と伸び悩んだこと比較すると、マレーシアの景気は堅調に推移したように思える。

 しかし前期比では1.2%増と前期(同1.8%増)から減速。業種別にみると、建設業が同11.9%増と急増する一方、サービス業は1.3%増と2期連続で鈍化。製造業は前期比変わらずとなった。マレーシアは今年4月にGST(物品・サービス税)を導入。本来であれば、GST導入前の駆け込み需要で個人消費と関係するサービス業や製造業が盛り上がるべきだが、実際は建設投資が成長率をけん引したことが分かる。

 GDPと同時に発表された第1四半期のマレーシア経常収支は996.8万リンギットの黒字と、黒字額が市場予想を大きく上回り、3期ぶりの黒字を記録。しかし黒字拡大の主因は、前期に大きく拡大した第一次所得収支赤字が急減したため。マレーシアの経常収支のうち、唯一の黒字である貿易収支の黒字額は、輸出の伸び悩みを背景に前期から縮小している。

 第2四半期以降のマレーシア景気は減速感が強まるだろう。GST導入により個人消費は鈍化する見込み。マレーシア政府は財政による景気刺激策を打ち出したいところだが、原油価格の下落による歳入の減少を主因に歳出拡大は難しい。

 貿易黒字も縮小傾向が続くだろう。原油価格は反転したものの、日本向けLNG輸出価格は原油価格から4~6カ月遅れて動くため、原油安による輸出の減少はこれから本格化することになる。

 同国ナジブ首相の求心力の低下も懸念される。ナジブ首相も経営に関わっている政府投資公社1MDBが昨年末、銀行への利払いを停止。同国の元首相で依然として国民からの人気も高いマハティール氏は、1MDB関連のスキャンダルを理由に公然とナジブ首相の退陣を要求し続けている。

 こうしたなか、MYRは4月中旬以降、対ドルで底堅い動き。USD/MYRは4月15日に一時3.72台までMYR安が進んだが、その後は低下基調が続き、本日(5月18日)は3.57台で推移。4月、5月の米経済指標が弱い結果に終わったことで米債利回りは低下。米債利回りに脆弱なMYRの下支え材料となったのだろう。

 しかしMYR買いの動きが、ここからさらに強まるとは考えにくい。むしろMYRは外部要因で過度に買い戻された感すらあり、MYRは今後、再び軟調な動きを見込むべきと思われる。上述したように、マレーシア景気は鈍化する可能性が高く、政局不安も当面続く見込み。1MDBによる多額の外貨建て負債に対する懸念もあって、外貨準備の減少を懸念する見方も強まっている。USD/MYRの下値の目途は年初に記録した3.50ちょうど近辺である一方、上値は今年の高値である3.73台半ば程度まで想定すべきと思われる。

 
 

外国為替市場を動かす市場参加者(1)

 外国為替市場では、企業や人々が様々な目的で為替の取引をしています。なかでも、大量の為替取引をするのは、銀行や保険会社、証券会社といった金融機関です。

 銀行や証券会社で為替の取引がされる部屋は、ディーリング・ルームと呼ばれます。テレビのニュース番組などで銀行の為替取引の様子を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。通常、ディーリング・ルームは、机が横に並んでおり、それぞれの机にはパソコンの画面(ディスプレイ)が3つも4つも並んでいて、人によっては上下それぞれ3つ、計6つの画面を並べている人もいます。そして、それぞれの画面には、たくさんの数字や為替レートの動きを示すチャートと呼ばれるグラフが表示されています。

 画面の前に座る人は、主に二つの仕事のどちらかを担当しています。一つは「セールス」です。セールスは、自分が担当するお客様からの為替取引の注文を受け付ける役割を持っています。ここでいうお客様とは、輸出入のために為替取引を必要とする商社や輸出入企業のほか、株式や債券、為替で運用する機関投資家と呼ばれる企業です。

 セールスは、お客様に為替取引の注文を受け付けるだけでなく、為替に関する情報を伝えたり、お客様からの質問や相談を受けるサービスもしています。このため、セールスの多くは、自分の席の電話や、パソコンのチャットや電子メールなどを使ってお客様と連絡を取り合うことが主な仕事となります。セールスは、場合によっては、お客様のところに訪問することもあります。

2015年5月17日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年5月15日)

 5月15日のロンドン市場はドル買い優勢の展開となった。ドル円は119円台半ば近辺から120円手前まで上昇。一部米系メディアは複数の関係者への取材の結果として、日銀は当面追加緩和は必要ないとの姿勢を維持しつつも、追加緩和が必要な際には、付利の引き下げや撤廃を含め、あらゆる手段を排除しない方針であると報道。同報道が伝わるとドル円は上昇基調が強まった。

 ユーロドルは1.40ドルちょうど近辺から1.13ドル台前半に下落。米債利回りが動意に欠ける動きとなる一方で、欧州債利回りは低下。ギリシャ中銀は1-4月の同国歳入が134.7億ユーロ、同期の基礎的財政収支黒字は10.5億ユーロといずれも前年同期から減少したと公表。ユーロ売りの動きを強めた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年5月15日)

 新興国通貨は中南米通貨が軟調な動きとなる一方で、EMEA通貨は買い優勢の動きとなった。

 PHPは対ドルで0.3%の上昇。3月のフィリピン海外労働者送金は前年比11.3%増と市場予想を大きく上回り、2009年12月以来の高い伸び。フィリピン景気の先行き期待を高める内容となった。
 INRは対ドルで0.2%の上昇。4月のインド貿易収支は109.9億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上振れ。輸出が前年比14.0%減と低迷する一方、輸入は同7.5%減に留まったのが響いた。

 BRLは対ドルで小幅下落。5月のブラジルIGP-10は前月比+0.52%と市場予想を下回り、3カ月ぶりの低い伸び。ペトロブラスの1-3月期決算では純利益が53.3億レアルの黒字と黒字に転換した。

 CLPは対ドルで変わらず。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明で第1四半期の経済活動と需要の拡大は緩やかなペースであり、いくつかの指標はチリ経済のダイナミズムが弱いことを示唆していると指摘。インフレは高止まりしており、同中銀はインフレ動向を引き続き注視するとした。

 COPは対ドルで1.0%の下落。3月のコロンビア小売売上高は前年比3.4%増とほぼ市場予想通りで3カ月連続の鈍化。同月同国の鉱工業生産は同-0.1%と市場予想ほど落ち込まず、ほぼ前年並みとなった。4月のコロンビア消費者信頼感は+8.2と2009年6月以来の低水準を記録した前月からは改善したが、二桁の水準まで回復できなかった。

 PENは対ドルでほぼ変わらず。ペルー中銀は市場予想通り政策金利を3.25%で据え置き。同中銀は声明でペルーの政策金利水準は今年と来年のインフレ見通し(約2%)に沿った水準であると指摘。ペルー経済は依然として潜在成長率を下回る状態が続いているとした。

 TRYは対ドルで0.6%の上昇。2月のトルコ失業率は11.2%と市場予想に反し前月から低下した。

 CZKは対ドルで0.6%の上昇。第1四半期のチェコGDPは前年比3.9%増と市場予想を大きく上回り、2008年第2四半期以来の高い伸び。チェコ統計局は製造業を中心にすべての業種で成長が継続しているとのコメントを発表した。

 PLNは対ドルで1.0%の上昇。第1四半期のポーランドGDPは前年比3.5%増と市場予想を上回り、上方修正された前期から加速。一方、4月のポーランド・コアCPIは前年比+0.4%と市場予想を小幅上回る伸びとなった。

 ILSは対ドルで0.3%の上昇。4月のイスラエルCPIは前年比-0.5%と落ち込み幅が市場予想を下回った。

よい週末をお過ごしください。