2014年11月7日金曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月6日)

新興国通貨はドル高の動きもあって軟調な推移が続いています。ファンダメンタルズの悪化が目立つブラジル・レアル(BRL)とロシア・ルーブル(RUB)は、この日も大きく下げました。



 新興国通貨は対ドルで下落。RUB、BRLの下げが目立った。

 MYRは対ドルで0.3%の上昇。マレーシア中銀は市場予想通り政策金利を3.25%で据え置き。同中銀は声明で現在の金融政策は緩和的であると指摘。同国景気は堅調な推移を辿るとみられる一方、インフレは年後半にかけて伸びが高まる可能性があるとの見方を示した。

 BRLは対ドルで2.4%の下落。USD/BRLは一時2.57ちょうど近辺と2008年12月以来のBRL安水準に達した。10月のブラジルIGP-DIは前年比+3.21%と前月とほぼ同じ伸び。ブラジル中銀は会合議事録(10月30日開催分)を公表。メンバーの過半は2015年と2016年の良質なインフレ見通しをより低いコストで維持するために即時の対応が必要と指摘。BRL安と政府管理物価の上昇がインフレリスクはやや悪化方向に向かわせるとの認識を示した。同議事録でインフレに対する見方が楽観的との見方から、BRLは同議事録公表後、下落基調での推移が続いた。

 COPは対ドルで1.2%の下落。9月のコロンビア自動車販売は前年比19.8%増と3カ月連続の加速。10月の同国CPIは同+3.29%、コアCPIは同+2.91%と前月より加速。コロンビアの個人消費の堅調ぶりとインフレ圧力の強さが示された。

 CLPは対ドルで0.3%の下落。9月のチリ実質賃金は前年比1.3%増と2カ月連続の鈍化。チリ景気の先行き懸念を強めた。

 HUFは対ドルで0.5%の下落。9月のハンガリー鉱工業生産は前年比+5.2%と市場予想通りの伸び。10月の同国財政収支(年初来)は8096億フォリントの赤字と2カ月連続で赤字額が縮小した。

 CZKは対ドルで0.8%の下落。9月のチェコ鉱工業生産は前年比+8.3%と市場予想を上回る伸び。同月同国の貿易収支は193億コルナの黒字と黒字額が市場予想を上回り、今年3月以来の高水準に達した。チェコ中銀は市場予想通り政策金利を0.05%、CZKの対ユーロ上限を27でそれぞれ据え置き。同中銀は2014、15年の成長率見通しを下方修正し、インフレが2%を超えるのは2016年初めとの見方を示した。また現行のCZKの対ユーロ上限設定策は2016年第1四半期まで続けられる見通しも示した。

 ZARは対ドルで0.9%の下落。ムーディーズは南アフリカ債格付けを従来の「Baa1」から「Baa2」に引き下げたと発表。格祐見通しは「安定的」とした。同社は格下げの理由として2012-14年に同国成長率が潜在成長率を下回る状態が続いていることを指摘した。

 RUBは対ドルで3.7%の下落。USD/RUBは46.6台まで上昇。2日連続で過去最高値(RUBは過去最安値)を更新した。10月末時点のロシア外貨準備は4286億ドルと前月から105億ドルも減少。ウクライナのポロシェンコ大統領は、東部に部隊を追加で派遣することを決定。今年9月の停戦合意に基づいて制定した、東部の親ロシア派が掌握する地域に自治権の拡大を認める法律を、廃止する手続きも開始した。これに対し、親ロシア派の指導者は、声明で、ポロシェンコ大統領が自治権の拡大を見直すなら、停戦合意に基づいた行動は取れなくなると指摘。ウクライナ情勢の緊張もRUBを下押しした。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月6日)

ドル円は再び115円台前半に上昇。ドル買い・円売りムードはまだまだ続きそうです。




 11月6日のロンドン市場はドル、ユーロともに様子見姿勢の強い展開。ドル円は取引前半に114円台前半から114円台後半に小幅上昇。その後は同水準でのもみあいが続いた。欧州株、日経平均先物はともに前日終値水準をやや下回っての推移。米債利回りも動意に乏しく、ドル円は方向感に欠ける動きが続いた。

 ユーロドルは取引前半に1.25ドル台前半から1.25ドルちょうど近辺に小幅下落。しかし中盤からは持ち直し、引けにかけては1.25ドル台前半とロンドン市場序盤の水準に反発した。ECB理事会の結果を見極めたいとの思惑が強く、ユーロも様子見姿勢が強かった。

 ポンドは下落。ポンドドルは1.60ドルちょうど近辺から1.59ドル台半ば近辺に下落した。9月の英鉱工業生産は前年比+1.5%と市場予想を小幅下回り、前月分も下方修正。英景気の先行き期待を後退させた。BOEは市場予想通り政策金利を0.50%、資産購入枠を3750億ポンドでそれぞれ据え置き。同決定を受けてポンドは1.59ドル台前半に小幅下落したが、大きな値動きにはならなかった。

 NY市場ではECBドラギ総裁の会見を受けてユーロが大きく売られた。ECBは市場予想通り政策金利など主要3金利を据え置き。主要政策金利であるリファイナンス金利は0.05%、上限金利の限界貸出金利は0.30%、下限金利の中銀預金金利はマイナス0.20%でそれぞれ据え置かれた。その後の会見でECBドラギ総裁は一部メディアが報じた理事会メンバーが持つ政策懸念が表明されることはなかったと言明。ABSの買い入れは間もなく始まり、買い入れプログラムは少なくとも2年間は続くとした。またTLTROとあわせてECBのバランスシートは2012年初頭の水準に向かう見込みとし、必要なら理事会は責務の範囲内において、さらに非標準的な措置を講じることに全会一致でコミットしていると発言した。ドラギ総裁が追加緩和に関し改めて前向きな姿勢を示したことでユーロは売りが先行。同総裁の発言が伝わると、ユーロドルは1.25ドル台前半から1.24ドルちょうど近辺と2012年8月以来の安値に下落。その後いったんは1.24ドル台前半に反発したが、取引中盤以降はドル買いの動きに押され、ユーロドルは1.23ドル台後半まで下落した。

 ドル円は底堅い動きが続いた。米新規失業保険申請件数は27.8万件と市場予想を下回り、3週ぶりの低水準に低下。指標発表後、ドル円は115円ちょうど近辺に上昇したが、取引中盤にかけて米債利回りが低下に転ずると114円台前半に反落した。しかし取引後半に米債利回りが再度上昇基調で推移すると、ドル円はドル買い優勢の動きに。取引終盤には115円台前半に上昇した。

 カナダドルは下落基調で推移。ドルカナダは1.14ちょうど近辺から1.14台前半に上昇した。9月のカナダ住宅建設許可件数は前月比12.7%増と市場予想を大きく上回ったが市場の反応は限定的。10月のカナダIvey購買部協会指数が51.2と市場予想を大きく下回ると、カナダドルは売り優勢の展開となった。

 欧米株は底堅く推移する一方、米債利回りは10月初旬の水準まで回復。米利上げ期待は根強く、本日東京市場でもドル円は底堅い動きを続けると予想される。一方、ユーロはECBの追加緩和姿勢の強さが確認されたことから、上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は米債利回りの上昇を背景に対ドルで軟調な推移となりそうだ。

2014年11月6日木曜日

諏訪内 晶子・バイオリニスト(日本経済新聞夕刊・2014年11月5日)

 外遊びの体験はバイオリニストになってからも大いに役立っている。演奏家や指揮者にとって運動神経と体力は必須だと思う。私は短距離走が最も得意で、いつもリレー選手だった。外国で演奏家仲間とスポーツをすると、太った方でも卓球がうまかったりして感心することが多い。

 演奏家はただ楽器を弾くだけではない。旅行の連続で、どんな環境にもすぐに順応する能力が必要だ。飛行機に乗って、慣れない場所に着いて、リハーサルをし、演奏会を開き、それで終わりではなく、また次の場所に飛行機で移動する。評判にも動じない。タフでなければやっていけない。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月5日)

 新興国通貨は対ドルで下落。欧米株は上昇したものの、小幅ながら米債利回りは上昇。新興国通貨は売り優勢の展開となった。

 MXNは対ドルで0.3%の下落。10月のメキシコ消費者信頼感は90.6と市場予想や前月を下回る結果。フィッチはメキシコ景気に関するレポートを公表。今年の成長率は2.5%、来年は3.6%との見通しを示し、同国社債信用状況は来年にかけて改善するとの見方も示した。

 CLPは対ドルで0.6%の下落。9月のチリ経済活動指数は前年比+1.4%と前月からは加速したものの、市場予想を下回る伸び。銅価格が続落となったこともあってCLPは軟調な推移となった。

 HUFは対ドルで1.1%の下落。9月のハンガリー小売売上高は前年比4.5%増と市場予想を大きく上回り、4カ月ぶりの高い伸び。ハンガリー景気の先行き期待をサポートした。

 PLNは対ドルで0.6%の下落。ポーランド中銀は市場予想に反し政策金利を2.00%で据え置き。市場予想では多くが25bpの利下げを見込んでいた。同中銀は声明で前回会合での利下げでインフレの下方リスクは抑制されたと指摘。ただ、今年と来年の成長率とインフレ見通しを全て下方修正し、経済指標に減速がみられれば、金融政策での追加対応に踏み切るとした。同中銀のベルカ総裁は同中銀は予防的措置をすでに実施したと発言。足元での景気減速が一時的である可能性があるとの見方も示したが、追加利下げの余地はあるとの見解も示した。

 ZARは対ドルで1.0%の下落。10月の南アフリカSACCI企業景況感は88.8と前月から低下し、3カ月ぶりの低水準。ただZARはロンドン市場序盤に売られた後は、動意に欠ける動きを続けた。

 RUBは対ドルで2.6%の下落。USD/RUBは一時45ちょうど近辺と過去最高値を更新した。ロシア中銀は金融市場の安定性が脅かされるようであれば為替介入を実施する用意があるとする声明を公開。ただ、これまで約25億ドル規模だった1日当たりの介入額を今後は3.5億ドルに制限すると発表。同中銀は声明で為替相場の柔軟性が大幅に高まり、市場が相場を決定する余地が大きくなるとした。これを受けてRUBは急落した。ドイツのメルケル首相は、ウクライナ情勢をめぐりロシアに科した制裁を緩和、あるいは解除する可能性はないと言明。また、ウクライナ東部で親ロシア派勢力が独自に実施した選挙で選ばれた指導者らを、新たに制裁対象に加える可能性があることも明らかにした。

千葉県船橋市の非公認ご当地キャラクター・ふなっしーが一部スポーツで報じられた引退報道についてツイッターで否定した、という報道を目にしました。この報道のおかげで、ふなっしーに「ふなごろー」という弟がいることも知りました。日々勉強ですね。。。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月5日)

 11月5日のロンドン市場はドルが上昇。ドル円は取引序盤に114円台前半から114円台半ばに上昇。その後は同水準でもみ合ったが、引けにかけて114円台後半に一段高となった。欧州株は反発し、日経平均先物も底堅い動き。米債利回りが上昇基調で推移したことから、ドル買い優勢の展開が続いた。

 ユーロドルは1.25ドル台前半から1.24ドル台後半に下落。10月のユーロ圏サービス業PMI(確報値)は52.3、9月のユーロ圏小売売上高は前年比0.6%増といずれも市場予想を下振れ。ユーロ圏景気の先行き懸念を背景にユーロは下落基調での推移となった。

 ポンドも下落。ポンドドルは1.59ドル台後半から取引後半には1.58ドル台後半と10月中旬以来の安値に下落。引けにかけて1.59ドルちょうど近辺に反発したが上値は抑えられた。10月の英サービス業PMIは56.2と市場予想に反し前月から低下。英景気の先行き期待が後退し、ポンドも売り優勢となった。

 NY市場では、ドル、ユーロなど主要通貨は方向感に欠ける動きとなった。10月の米ADP雇用統計は民間雇用者数が23.0万人増と市場予想を上回り、前月分も上方修正。ただ上昇基調で推移していた米債利回りは一転して低下。米国株はプラス圏での推移となったが、ドル買いの動きは一服した。その後発表された10月の米ISM非製造業景況指数は57.1と市場予想を下回り、4カ月ぶりの低水準に低下。米債利回りは一段と低下し、ドル円は114円台前半に小幅下落する場面もあったが、取引後半には米債利回りも持ち直し。ドル円も114円台後半に反発した。

 ユーロドルは取引前半に1.24ドル台後半から1.25ドルちょうど近辺に反発したが、上値は重いまま。米ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ってもユーロ買いの動きが強まることはなく、取引中盤以降、ユーロドルは1.24ドル台後半で方向感に乏しい動きを続けた。一方、ポンドドルは取引前半に1.59ドルちょうど近辺から1.59ドル台後半に上昇。中盤以降も同水準で下値の堅い動きとなった。

 欧米株は上昇したものの、日経平均先物は伸び悩み。米債利回りの上昇も限定的なものとなった。ただ日銀の追加緩和をきっかけとした円売りの動きはくすぶり続けている様子で、本日東京市場ではドル円が節目とされる115円越えを狙う動きもみられそうだ。一方、ユーロは本日のECB理事会を控え様子見姿勢が強まる見込み。アジア通貨は米債利回りの上昇を背景に対ドルで軟調な推移が予想される。

2014年11月5日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月4日)

台風20号が日本に接近しています。私は寒くなってきたので海にはいかない予定ですが、サーファーなど海でのレジャーを計画されている方はご注意ください。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月4日)

 新興国通貨は対ドルで方向感に欠ける動き。ユーロと連れ高となる格好で東欧通貨は対ドルで上昇する一方、中南米通貨やRUBは下落した。

 SGDは対ドルで0.2%の上昇。10月のシンガポール購買部景気指数は51.9と市場予想を上回り、2011年4月以来の高水準を記録。同時に発表された同月同国の電子産業指数も52.5と市場予想を上振れ。シンガポール景気の回復期待を高めた。

 BRLは対ドルで0.4%の下落。9月のブラジル鉱工業生産は前年比-2.1%と市場予想を上回る落ち込み。指標発表後、BRLは下落基調での推移となったが、NY市場中盤以降は緩やかながら買い戻された。

 COPは対ドルで0.6%の下落。商品市況は原油を中心に下落。COPは取引開始時に売りが先行した。コロンビアのカルデナス財務相はCOP安は同国輸出業者にとって朗報であり、原油安の悪影響をカバーすると発言。原油安をカバーするため原油生産量を拡大させる必要があるとの認識も示した。また足元での原油価格の下落は今年の同国成長率に大きな影響を与えないだろうとも述べた。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月4日)

日銀の追加緩和を受けた円売りの動きはようやく一服。欧米株が下げている一方で、米債利回りは伸び悩み。ドル円の値動きも慎重なものになりそうです。




■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月4日)

 11月4日のロンドン市場はドルが軟調な推移。ドル円は取引中盤まで113円台後半での揉み合いとなったが後半には113円台前半に下落した。欧州株、日経平均先物ともに取引中盤まで小高く推移していたが、欧州委員会がユーロ圏の成長率見通しを今年が0.8%、来年が1.1%と下方修正。サウジアラビアが米国向け原油価格を引き下げたことで原油先物価格も2011年10月以来の安値に下落。欧州株、日経平均先物が前日終値水準まで上げ幅を縮め、米債利回りは低下。ドル円を押し下げた。

 ユーロドルは1.25ドル台前半での推移。取引後半にはドル売りの動きを受けてユーロドルは強含んだ。9月のユーロ圏PPIは前年比-1.4%と市場予想ほどの落ち込みを示さなかったこともユーロをサポートしたが、ユーロ圏景気の先行き懸念は根強く、ユーロの上値は抑えられた。

 NY市場はドルが上値の重い動きを続けた。NY市場に入り米債利回りが下げ止まると、ドル円は113円台前半、ユーロドルは1.25ドル台前半でそれぞれもみ合い。9月の米貿易収支は430億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上振れ。輸出の減少が貿易赤字を拡大させた。指標発表後、米債利回りは反発。ドル円は113円台後半に反発する一方、ユーロドルは1.25ドルちょうど近辺に下落するなどドル買い優勢の動きとなったが、その後発表された9月の米製造業受注は前月比0.6%減と市場予想通りの結果。コア資本財受注は同1.6%減と前月の0.4%増からマイナスに転じたこともあり、上昇していた米債利回りは再び低下へ。ドル円は113円台前半に下落する一方、ユーロドルは1.25ドル台後半に反発した。取引後半には米債利回りが緩やかながら上昇基調で推移する一方、米国株は下げ幅を縮め、前日終値水準を回復する動き。ドルもやや買い戻され、ドル円は113円台半ば近辺に反発する一方、ユーロドルは1.25ドル台半ば近辺に下落したが、引けにかけてドル買いの動きが強まることはなかった。

 一部報道は、ユーロ圏諸国の中央銀行総裁らが、ECBドラギ総裁がバランスシート拡大で事実上の目標を設定したことなどに不満を持っており、6日の理事会で異議を呈する計画であると報道した。

 カナダドルは軟調な推移。ドルカナダはロンドン市場で1.13台前半から1.14ちょうど近辺に上昇。NY市場に入ると1.14台前半と2009年7月以来のカナダドル安水準まで上昇した。9月のカナダ国際商品貿易が7.1億カナダドルの黒字と市場予想に反し、黒字に転じたことでカナダドルは買い戻しの動き。ドルカナダは1.14ちょうど近辺まで下落したが、カナダ中銀のポロッツ総裁が原油安で来年の成長率が0.25%押し下げると発言。これを受けてドルカナダは再び1.14台前半に上昇。NY市場取引後半には1.14ちょうど近辺に反落したが、その後、カナダドル買いの動きが強まることはなかった。

 日銀の追加緩和をきっかけとした円売りの動きは一服。欧米株が続落となる一方で米債利回り伸び悩んだまま。本日東京市場でもドル円は慎重な姿勢が続きそうだ。なお本日昼頃より日銀黒田総裁の講演が予定されており、今回の追加緩和後の市場の反応に関する言及が注目される。一方、ユーロは明日のECB理事会を前に方向感に欠ける動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで様子見姿勢が強まると予想される。

2014年11月4日火曜日

過度な期待は持ちくいメキシコ・ペソ(MXN)

 メキシコの製造業セクターに回復の兆しが見えてみた。10月のメキシコIMEF製造業指数は54.8と市場予想を上回り、2012年6月以来の高水準を記録。前月分も小幅ながら上方修正された。同月同国のHSBC製造業PMIも53.3と3カ月連続で上昇し、今年1月以来の高水準に達した。

 IMEF製造業指数の内訳をみると、新規受注が57.6と2012年6月以来の高水準に上昇。雇用は52.6と3カ月連続で上昇し、出荷も52.0と2カ月連続の50超となった。9月の貿易収支を見ても、輸出が前年比9.2%増と加速。米国景気拡大の恩恵がメキシコ製造業セクターに波及してきたと思われる。

 メキシコ製造業セクターの回復は、いずれ比製造業セクターにも波及し、メキシコ景気全体の底堅さが増すと期待される。メキシコ中銀は政策金利を3.00%で据え置いた会合での声明で、第3四半期景気は緩やかな回復を示したと指摘。外需がメキシコ景気の拡大に貢献しているとの見方も示した。同中銀は金融政策について米国との相対的な関係を注視しているともし、一部で懸念されていた追加利下げを暗に否定した。

 メキシコ景気については、一部市場関係者から期待が強かったものの、今年前半は失速。足元での景気回復の兆しは、ようやくの朗報といえそうだが、対ドルでみたMXNの先行きについては過度な期待は持ちにくいのも事実と思われる。

 メキシコ中銀は、インフレについて今年は約4%の推移を見込むものの、来年半ばには約3%まで鈍化するとの見方を提示。足元でのインフレの高まりは肉や他食品価格の上昇によるものであり、インフレ期待は落ち着いていると指摘した。またメキシコの内需は、改善傾向にあるものの、総需要はインフレ圧力を強めていないとの見方も示し、インフレリスクはバランスがとれているとした。同中銀のこうした見方は、政策金利の据え置き観測をサポートしている。

 メキシコ製造業セクターの回復が、MXNの軟化によってもたらされた可能性もある。USD/MXNは6月に12.8まで低下(MXN高)。その後は13.0近辺でのもみ合いが続いたが、8月に入ると上昇基調での推移が続き、足元では13.6台と2012年7月以来のMXN安水準に上昇した。MXN安基調が続く9月になって、メキシコ製造業セクターの回復力が増したのは偶然ではないだろう。

 MXN高がメキシコの比製造業セクターを下押しする可能性もある。9月のメキシコ海外労働者送金は前年比7.1%増と底堅い伸びを示したが、伸びの主因は送金件数の増加によるものであり、1件当たりの送金額の伸びは前年並み。仮にMXN高が進めば、MXN建ての送金額が減少し、メキシコ個人消費の伸びを抑制する恐れも出てくる。

 MXNと連動性が強いとされる米国株の先行きも慎重にみておくべきだろう。先週末はダウ30種平均が過去最高値を更新したものの、米利上げ懸念や高値警戒感を背景に米国株の上値は重くなりつつある。

 USD/MXNの上値の目途は、10月16日に記録した13.67近辺と、2012年6月から2013年5月にかけての下落局面の76.4%戻し水準である13.97近辺。一方、下値の目途は、200日移動平均の13.15近辺と13.00近辺である。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月3日)

 新興国通貨は対ドルで下落。米債利回りの上昇を背景に新興国通貨は売り優勢の動きとなった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.2%の下落。9月のインドネシア貿易収支は2.7億ドルの赤字とほぼ市場予想通りの結果。10月の同国CPIは前年比+4.83%と市場予想を小幅上振れ。新政権による燃料価格引き上げ観測もあって、インドネシアのインフレ懸念をやや強めた。

 INRは対ドルで小幅下落。9月のインド・インフラ産業8業種指数は前年比+1.90%と今年1月以来の低い伸び。一方で10月の同国HSBC製造業PMIは51.6と前月から小幅上昇した。

 THBは対ドルで0.3%の下落。10月のタイCPIは前年比+1.48%と市場予想を下回り、昨年10月以来の低い伸び。タイ中銀による追加利下げ観測を高めた。

 BRLは対ドルで0.9%の下落。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末までのUDS/BRL見通しが2.45と前週の2.40から上方修正。BRL安観測の強まりを示した。10月のブラジル貿易収支は11.77億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回る水準。ただ主因は輸入の落ち込みによるもので、ブラジル景気の先行き懸念を継続させた。

 MXNは対ドルで0.9%の下落。9月のメキシコ海外労働者送金は前年比7.1%増と市場予想を上回り前月からも加速。10月の同国IMEF製造業指数は54.8と市場予想を上回り、2012年6月以来の高水準を記録。メキシコ景気の先行き期待を高める内容となった。

 HUFは対ドルで0.6%の下落。10月のハンガリー製造業PMIは54.9と3カ月ぶりの高水準に上昇。ハンガリー景気の持ち直し期待を高めた。

 TRYは対ドルで0.6%の下落。10月のトルコHSBC製造業PMIは51.5と市場予想を小幅上振れ。10月の同国CPIは前年比+8.96%、同コアCPIは同+9.04%といずれも市場予想を上回る伸び。同月同国PPIが同+10.10%と5カ月ぶりに10%超となるなど、トルコのインフレ圧力が再び強まりつつあることが示された。

 CZKは対ドルで0.3%の下落。10月のチェコHSBC製造業PMIは54.4と市場予想や前月を下回った。

 ZARは対ドルで0.4%の下落。10月の南アフリカ・カギソ製造業PMIは51.8と市場予想を小幅上振れ。ただ一方で、同月同国のNaamsa自動車販売は前年比4.9%増と市場予想を下振れた。

先週末はハロウィーンだったのですね。仮装するべきだったのだろうかと、今になって思いました。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月3日)

 11月3日のロンドン市場は円が下落。ドル円は112円台後半から113円台半ば近辺と2007年12月以来の高水準に上昇した。欧州株は小幅マイナス圏での推移となったが、米シカゴ市場の日経平均先物(円建て)は17200円と先週金曜日の大阪取引所の日中終値16490円を大きく上回る堅調な推移。ロンドン市場序盤に下げた米債利回りが取引後半には持ち直したこともあり、ドル円は上昇基調での推移が続いた。

 ユーロドルは東京市場前半に1.25ドルちょうど近辺から1.24ドル台半ば近辺に下落したが、ロンドン市場に入るころには1.25ドルちょうど近辺まで反発。ロンドン市場では1.25ドルちょうど近辺で膠着感の強い動きが続いた。10月のフランス製造業PMI(確報値)は48.5と速報値から上方修正。一方で、同月のドイツ製造業PMI(確報値)は51.4と速報値から小幅下方修正。市場の反応は限定的だった。

 ポンドは小幅高。ポンドドルは1.59ドル台後半から1.60ドルちょうど近辺に上昇した。10月の英製造業PMIは53.2と市場予想を大きく上回り、3カ月ぶりの高水準。同指標発表後、ポンドドルは1.60ドル台前半まで上昇する場面もあったが一時的。ポンド買い一巡後は1.60ドルちょうど近辺に反落した。

 NY市場はドルが底堅い動きとなった。NY市場に入ると米債利回りがじり高の動き。ドル円は113円台半ば近辺から113円台後半に上昇した。10月の米ISM製造業景況指数が59.0と市場予想を大きく上回ると、米債利回りは一段高。ドル円は指標発表後に114円ちょうど近辺に上昇。その後いったんは113円台後半に下落したが、米債利回りの上昇を背景に、ドル円は114円台前半まで値を伸ばした。ただ、取引後半に入ると米債利回りが小幅低下。ドル円は114円ちょうど近辺でのもみ合いから113円台後半に小幅下落した。

 一方、ユーロドルは取引前半まで1.25ドルちょうど近辺でのもみあいが続いたが、米ISM製造業景況指数発表後はドル買い優勢の動き。取引後半には1.24ドル台後半に小幅下落した。

 先週末は日銀の追加緩和をきっかけとした円売りの動きは継続。ただ、米債利回りは上値が重く、欧米株は下落。本日の日本株は大幅上昇で始まる見込みだが、ドル円は高値警戒感もあって上値が抑えられると予想される。一方、ユーロは6日のECB理事会を前に様子見姿勢が強まる見込み。アジア通貨は米利上げ観測を背景に対ドルで軟調な推移が予想される。

2014年11月2日日曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月31日)

 新興国通貨は対ドルで下落。前日大きく買われたRUB、BRLの下げが目立った。

 MYRは対ドルで小幅下落。9月のマレーシアM3は前年比5.2%増と前月から小幅鈍化。マレーシアのマネーの鈍化傾向が改めて示された。

 BRLは対ドルで3.0%の下落。9月のブラジルPPIは前年比+2.87%と前月から加速。9月のブラジル基礎的財政収支は255億レアルの赤字と1994年以降、最大の赤字を記録。ブラジル格下げ懸念が台頭し、BRLは下落基調での推移が続いた。

 MXNは対ドルで0.3%の下落。メキシコ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明で第3四半期の同国景気は緩やかな回復を示していると指摘。同国経済のスラックは縮小を続けているとの見方も示した。ただインフレについては、総需要がインフレを押し上げてはおらず、2014年は約4%の伸び、2015年半ばまでには3%程度に鈍化するとの見方も示した。

 COPは対ドルで0.4%の下落。9月のコロンビア全国失業率は8.4%と昨年10月以来の低水準を記録。コロンビアのカルデナス財務相は同国原油生産を3年以内に日量110万バレルに達することを目指すと発言した。

 PENは対ドルで小幅下落。10月のペルーCPIは前年比+3.09%と市場予想を上回り、3カ月ぶりの3%台の伸び。同月同国WPIも前月比で加速するなどペルーのインフレ圧力の強まりを示した。

 TRYは対ドルで1.1%の下落。9月のトルコ貿易収支は69.3億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回る結果。輸入がほぼ前年並みとなるなか、輸出が前年比4.6%増と5カ月ぶりの高い伸びを示したことで貿易収支が改善した。

 ZARは対ドルで1.6%の下落。9月の南アフリカ貿易収支は29億ランドの赤字と赤字額が市場予想を大きく下回り、3カ月ぶりの低水準。ただ指標発表後もZARは軟調な推移が続いた。

 RUBは対ドルで3.5%の下落。ロシア中銀は政策金利を150bp引き上げ9.50%にすることを決定。市場予想では50bpの利上げが見込まれていた。同中銀は利上げの理由について、原油価格の急落と制裁強化など外部環境に大きな変化があったと指摘。物価上昇率が目標である4%に下がるまで中長期的に金融引き締めを続ける方針も示した。RUBは利上げ発表当初は買われたが、すぐに売り戻しの動きに。NY市場に入ると売り優勢となった。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月31日)

 10月31日のロンドン市場は円安基調が継続。ドル円は111円台前半から111円台後半に上昇した。日銀の予想外の追加緩和を受けて欧州株は買い先行でスタート。日経平均先物も上昇基調で推移したほか、東京市場取引終盤に急落した米債利回りも緩やかながら反発。GPIFが事前の一部報道通り、運用比率として国債の割合を60%から35%に引き下げる一方、株式は国内外ともに12%から25%、外国債券は11%から15%に引き上げると発表したこともあって円売り優勢の流れが続いた。

 ユーロドルは1.25ドル台後半で方向感に欠ける動き。9月のドイツ小売売上高は前年比2.3%増となったものの、前月分が下方修正。同月のフランス消費者支出は同0.2%増と市場予想を下振れ。10月のユーロ圏CPIは前年比+0.4%と市場予想通りだったが、コアCPIは同0.7%と市場予想を下回る伸び。ユーロの下押し材料が相次いだが、ユーロドルは大きな反応示さなかった。

 NY市場はドルが堅調な推移を見せた。取引序盤は米債利回りが小幅上昇したことを受けて、ドル円は111円台後半から112円ちょうど近辺に上昇。一方、ユーロドルは1.25ドル台後半から1.25ドルちょうど近辺に下落した。NY市場序盤に発表された9月の米個人支出は前月比0.2%減と市場予想に反し、今年1月以来のマイナス。同時に発表された9月の米PCEデフレータは同+1.4%と市場予想を下回る伸びとなったが、市場の反応は限定的。その後発表された10月のシカゴ購買部協会景気指数が66.2と市場予想を大きく上回り、昨年10月以来の高水準を記録すると、ドルは強含み、ドル円は112円台前半に上昇する一方、1.25ドル台前半に反発したユーロドルは1.25ドルちょうど近辺に下落した。ただ、取引中盤以降は、米債利回り、米国株ともに伸び悩むと、ドル買いの動きも一服。ドル円は一時112円ちょうど近辺に下落する場面もあったが、取引後半には112円台前半に持ち直し。ユーロドルは1.25ドル台前半で上値の重い動きとなった。

 先週末は日銀の追加緩和で市場のリスク選好姿勢が強まる展開。株高を背景とした円売りの動きが続き、ドル円は2008年1月以来の112円台前半に上昇した。ただ、米債利回りは伸び悩み。円ショートポジションの積み上がりを警戒する見方もあり、明日(11月3日)の東京市場からロンドン市場にかけてドル円は様子見姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはECBの追加緩和観測を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は10月の中国製造業PMIが市場予想を下回ったこともあって対ドルで軟調な推移となりそうだ。