2015年10月9日金曜日

円安の動きが期待しにくい日銀による追加緩和

10月30日に予定されている金融政策決定会合で日本銀行が追加緩和に踏み切るとの期待が一部で続いているようだ。日本経済の最近の情勢を考えれば、こうした期待を無碍に否定することが難しいのも事実である。

日本景気は先行き懸念が強まっている。日本の鉱工業生産は8月に前月比-0.5%と市場予想に反し2カ月連続の低下。生産予測指数をもとに試算すると、7-9月期は前期比-1.1%と、2期連続の減産となる見通しで、日本のGDP成長率が2期連続のマイナスとなることも視野に入りつつある。

需要側から見ても日本景気の先行きを楽観視することは難しい。8月の実質消費支出は前年比2.9%増と市場予想に反し3カ月ぶりの高い伸び。ただ同月の実質現金給与総額は同0.2%増と市場予想を下振れ。今年初めには、消費税率の引き上げ効果が剥落する今年4月以降の実質所得の持ち直しが期待されていたが、4~8月の間での最大の伸びは7月の0.5%増。一方で6月は3.0%も減少した。実質所得の回復が弱い以上、実質消費に大きな期待を抱くのは無理がある。8月の実質消費が比較的高い伸びとなったのは、家計調査にありがちなサンプルバイアスによるものとも思え、このペースで実質消費が拡大を続けるとは考えにくい。

設備投資の先行き不透明感も強まっている。民間設備投資の先行指標とされる機械受注・民需(除く船舶・電力)は、8月が前月比5.7%減(前年比3.5%減)と市場予想に反し3カ月連続の減少。内閣府は機械受注の基調判断を2カ月連続で下方修正した。仮に9月の受注額が前月比横ばいとすると、7-9月期は前期比12.2%減と大きく落ち込むことになる。

9月調査の日銀短観では、今年度の設備投資(含む土地投資)計画が全規模・全産業で前年度比6.4%増と前回調査から上方修正され、昨年度から伸びが拡大。同計画を根拠に設備投資の先行きを期待する見方もあるが、同計画では今年度上期が前年同期比12.0%増となる一方で、今年度下期は同2.0%増と大きく減速。機械受注の結果から考えると、上期の設備投資は計画比未達となる可能性が高い。上期に積み残した設備投資が下期に実行されることも期待できるかもしれないが、8月以降、中国を始めとする世界景気の減速感は強まるばかり。むしろ下期の設備投資計画が下方修正され、結果的に設備投資が伸び悩む可能性を視野に入れた方が現実的のように思われる。

10月6、7日の金融政策決定会合では声明で、「企業の業況感は、一部にやや慎重な動きもみられるが、総じて良好な水準を維持している」との文言を追加。9月調査での日銀短観・大企業業況判断DIが高水準を維持したことを示唆したとみられるが、DIが改善したのは非製造業であって、景気との連動性が強い製造業DIは前回調査から悪化。非製造業についても、今年度の売り上げ計画は前年度比横ばいと前回調査から小幅下方修正される一方で、経常利益が前年度比5.6%増と前回調査から上方修正。非製造業での業況判断DIの改善は、最終需要の拡大を反映した増収によるものではなく、円安一服などでコストが抑えられたことで増益幅の拡大が見込まれる結果になったためと解釈できる。9月調査の日銀短観ですら、日本政府や日銀が期待するような景気拡大の好循環が途切れつつあることが示されたと言える。

日銀による前回の緩和が昨年10月末と、次回(今年10月30日)会合のちょうど1年前であることも、次回会合での追加緩和期待を醸成しているのかもしれない。ドル円は、昨年10月末の追加緩和を受け、109円台前半から112円台半ばに急伸。その後も上昇基調で推移し、12月初めには120円を突破した。ただ、足元のドル円は昨年12月初めと同じ120円台のまま。仮に日銀が次回会合で追加緩和を見送ると、ドル円の上方モメンタムも期待しにくくなり、(米利上げ開始の有無にもよるが)ドル円の前年比の伸びが12月に向けてゼロに近付く可能性が高まる。8月のコアCPIは前年比-0.1%と、2013年4月以来の前年割れ。2016年度前半頃とされている2%物価目標の達成時期が疑問視される中、ドル円(ひいては輸入物価)の伸び鈍化は、目標達成時期の再度の先送り観測を高める。

しかし、こうした事情は理解できるものの、次回会合での追加緩和の可能性は依然として低いと考えるのが自然のように思える。日銀・黒田総裁は、2%物価目標達成時期が、原油価格次第で後ずれする可能性を示しながらも、物価の上昇基調が確認できる限り追加緩和に踏み切らない姿勢を維持。8月の失業率は3.4%と前月から小幅上昇したが、依然として低水準のまま。同月の有効求人倍率は1.23倍と市場予想を上回り、1992年1月以来の高水準を記録するなど、黒田総裁が物価の基調を見る上で重要視している労働需給のひっ迫も変わっていない。

日銀が追加緩和に踏み切るとすれば、7-9月期のGDP成長率が2期連続のマイナスとなり、同期の需給ギャップのマイナス(需要不足超)幅が4-6月期からさらに拡大し、失業率や有効求人倍率が悪化に転じたことが確認された後だろう。この場合、最速で11月18、19日の次々回会合や12月会合での追加緩和期待が高まることになる。

しかし日銀が仮に追加緩和に踏み切ったとしても、追加緩和の内容次第では、為替市場が円安方向に大きく反応しない可能性も考えておくべきだろう。日銀の長期国債購入額は月間8~12兆円と、年率換算で市中発行額の9割以上。これ以上、国債買い入れ規模を拡大させることは難しく、買い入れ対象を国債ではなく、地方債や財投債、政府保証債に広げるとの見方も出ている。ただ、その場合でも、拡大できる月間購入額は、地方債、財投債の市場規模から考えて、せいぜい0.5兆円(年間6兆円)程度。過去2回の緩和と比べ、インパクト不足は否めない。

国債や地方債といった公的債券の購入規模拡大は、もはやできず、できるとすれば買い入れ年限の長期化くらいしかないとの見方もある。理屈の上では、日銀が取るリスク量が増え、イールドカーブのフラットニングが強まることになるだろうが、購入規模が広げられない中でのリスク量の拡大では、為替市場が円売りの動きを強めるとも考えにくい。

一部からは、日銀当座預金の超過準備にかかる0.1%の付利の引き下げや撤廃を期待する声も出ている。この場合、市中金利のマイナス化が促されるとの見方から円売りの動きが強まる展開も考えられる。

しかし日銀・黒田総裁は、付利の引き下げや撤廃を検討していないと言明。そもそも付利を引き下げてしまうと、金融機関が日銀当座預金に現金を積み上げるインセンティブが弱くなり、当座預金残高が減少する恐れも強まる。つまり量的・質的金融緩和の基本方針であるマネタリーベースの拡大と矛盾する。追加緩和を想定した円安シナリオは、直感的には理解しやすいものの、現実のものとして考えるには無理のあるものと思われる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年10月8日)

 10月8日のロンドン市場は取引前半にドルが下落。その後もドルは上値の重い展開となった。取引前半にドル円は120円手前水準から119円台後半に下落。一方、ユーロドルは1.12ドル台半ば近辺から1.13ドルちょうど近辺に上昇した。欧州株や日経平均先物は前日終値水準で方向感に欠ける動き。ロンドン市場に入っても米短期債利回りは上値の重い動きとなり、ドル売りの動きがやや強まった。

 中盤に差し掛かる頃に米短期債利回りが小幅上昇すると、ドル売りの動きは一服。ドル円は119円台後半で下値が堅くなる一方で、ユーロドルは1.13ドルちょうど近辺で伸び悩んだ。ただ、ドルを買い戻す動きは限定的で、取引後半に入っても、ドル円は119円台後半、ユーロドルは1.13ドルちょうど近辺で、それぞれ推移した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年10月8日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。原油先物価格や米国株の上昇が新興国通貨買いの動きをサポートした。

 THBは対ドルで0.3%の上昇。9月のタイ消費者信頼感は72.1と前月から小幅低下。タイ消費者マインドの悪化傾向が続いていることが示された。

 BRLは対ドルで2.3%の上昇。10月7日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+0.63%と市場予想を上回る伸び。ブラジル中銀のトンビニ総裁は同国財政改善の動きが東証の見込みより遅れていることがBRL安につながっていると指摘。またBRL安がインフレに重大な影響を与えているとの見解も示した。

 CLPは対ドルでほぼ変わらず。9月のチリCPIは前年比+4.6%と市場予想を下回る伸びに留まった。

 MXNは対ドルで1.1%の上昇。9月のメキシコCPIは前年比+2.52%と市場予想を小幅下回り、過去最低の伸びを更新した。

 CZKは対ドルで0.3%の上昇。9月のチェコ失業率は6.0%と市場予想を下回り、2009年5月以来の低水準を記録した。

 HUFは対ドルで0.5%の上昇。9月のハンガリーCPIは前年比-0.4%と市場予想を上回る落ち込みとなった。

 TRYは対ドルで1.5%の上昇。8月のトルコ鉱工業生産は前年比+7.2%と市場予想を大きく上回り、昨年1月以来の高い伸びとなった。

 ZARは対ドルで1.1%の上昇。8月の南アフリカ製造業生産は前年比-0.2%と市場予想に反し前年割れ。前月分も小幅下方修正された。

 RUBは対ドルで2.2%の上昇。10月2日のロシア金・外貨準備は3702億ドルと2月第1週の水準まで回復。9月のロシア軽自動車売上高は前年比28.6%減と落ち込み幅が前月から拡大した。

 ILSは対ドルで0.2%の上昇。イスラエル中銀は会合議事録(9月26日開催分)を公表。政策金利の現状維持は全会一致での決定だったことが判明した。ムーディーズは来年のイスラエル成長率が内需の弱さとILS高により抑制されると指摘したものの、底堅い成長が同国信用格付けをサポートするとの見方を示した。

ロシアのプーチン大統領は7日、63歳の誕生日を迎えたそうです。当日に同大統領は、ソチ冬季五輪でも使用された会場でアイスホッケーの試合に参加。自身は7得点を決め、試合は大統領のチームが15対10で勝利したとのこと。日本の首相に置き換えたら、横綱・白鵬と相撲をとって、勝利を収めたといったところでしょうか。

2015年10月8日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年10月7日)

 10月7日のロンドン市場は円、ユーロともに方向感に欠ける展開となった。ドル円は120円ちょうど近辺で膠着感の強い動き。取引終盤に120円ちょうどをやや上回る水準に小幅上昇したが、上値は抑えられた。欧州株はプラス圏での推移が続いたが、日経平均先物は上値が重く、米債利回りは小動き。日銀・金融政策決定会合後に開催された黒田総裁会見では、物価の基調は着実に高まっていると従来の見方が繰り返されただけ。市場への影響も限定的でドル円は様子見姿勢の強い展開となった。

 ユーロドルは取引序盤に1.12ドル台後半から1.12ドル台前半に下落。8月のドイツ鉱工業生産に続き、同月のスペイン鉱工業生産も市場予想を下回ったことが嫌気された。ただ、その後のユーロドルは1.12ドル台前半でのもみ合い。取引終盤には1.12ドル台後半に反発した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年10月7日)

 新興国通貨は東欧通貨が対ドルでやや軟調だったほか、BRLも売りが先行したが、他新興国通貨は対ドルで買い優勢となった。

 TWDは対ドルで1.3%の上昇。9月の台湾貿易収支は52.5億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上振れ。輸出は前年比14.6%減と市場予想を上回る落ち込みとなったが、輸入が同24.4%減と市場予想に反し落ち込み幅が前月から拡大した。

 IDRはBloombergによると対ドルで3.0%の上昇。9月のインドネシア外貨準備は1017.0億ドルと7カ月連続の減少となった。

 MYRは対ドルで3.6%の上昇。USD/MYRは一時4.17台前半と9月1日以来のMYR高水準に下落した。9月のマレーシア外貨準備は933億ドルと前月から減少し、2009年7月以来の低水準に落ち込んだ。

 COPは対ドルで0.5%の上昇。8月のコロンビア輸出は前年比41.6%減と落ち込み幅が市場予想を上回り、1985年9月以来の大きさとなった。

 BRLは対ドルで0.6%の下落。9月のブラジルIGP-DIは前年比+9.31%と市場予想を上回り、2011年4月以来の高い伸び。9月のブラジルIPCAは同+9.49%と市場予想や前月とほぼ同じ伸びとなった。

 CLPは対ドルで0.2%の上昇。9月のチリ貿易収支は8500万ドルの赤字と赤字額が市場予想を小幅上振れ。輸出は前年比15.6%減と3カ月連続の二桁減となる一方、輸入は同8.0%減に留まった。8月のチリ名目賃金は前年比5.8%増と2カ月連続で鈍化し、昨年1月以来の低い伸びとなった。

 CZKは対ドルで0.4%の下落。8月のチェコ鉱工業生産は前年比+6.3%、同月同国の小売売上高は同4.4%増と、いずれも市場予想を下回った。

 HUFは対ドルで0.7%の下落。8月のハンガリー鉱工業生産は前年比+6.2%と市場予想を下回ったが前月からは加速。ハンガリー中銀は会合議事録(9月22日開催分)を公表。政策金利の据え置きは全会一致。今後も低金利を当初の見込みよりも長く据え置くことは中期的なインフレ目標の達成に合致するものとの見解が示された。

 RUBは対ドルで1.3%の上昇。10月5日までの週のロシアCPIは前週比+0.1%と前週から変わらず。9月のロシア外貨準備は3713億ドルと市場予想を上回り、2カ月連続の増加となった。

Tシャツ・短パン・掛布団なし、で寝るのは、さすがに厳しくなってきました。

2015年10月7日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年10月6日)

 10月6日のロンドン市場はドルが取引序盤に小幅下落したものの、その後は小動きとなった。ドル円は120円台前半での推移。米債利回りは方向感に欠ける動き。欧州株、日経平均は、ともに取引序盤はマイナス圏での推移となり、ドル円をやや下押ししたが、売り一巡後は小幅プラス圏に反発し、ドル円の下値をサポートした。

 ユーロドルは取引序盤に1.12ドルちょうど手前から1.12ドル台前半に上昇。9月のユーロ圏小売業PMIは51.9と小幅ながら前月から上昇。ユーロをサポートした。ただ、取引中盤以降のユーロドルは1.12ドルちょうどをやや上回る水準でのもみ合いが続いたが、終盤に1.12ドル台前半に小幅上昇した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年10月6日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。原油を始め商品市況が上昇したことが好感された。

 IDRはBloombergによると対ドルで1.8%の上昇。インドネシア預金保険機構(LPS)は、最大保証金利を25bp引き下げ7.50%にすると発表した。

 COPは対ドルで1.7%の上昇。9月のコロンビアCPIは前年比+5.35%と市場予想を大きく上回り、2009年4月以来の高い伸び。コアCPIも同+4.58%と、やはり2009年4月以降の最高水準を記録。コロンビア中銀による追加利上げ観測を高めた。

 BRLは対ドルで1.6%の上昇。9月のブラジル自動車生産は前年比42.1%減と大幅減。同販売も同32.5%減となり、ブラジル景気の悪化を改めて示した。

 MXNは対ドルで0.8%の上昇。9月のメキシコ消費者信頼感は90.6と市場予想を下回り、ほぼ前月並みの水準に伸び悩んだ。

 CZKは対ドルで0.9%の上昇。8月のチェコ貿易収支は1億コルナの赤字と市場予想に反し赤字転落した。赤字は昨年12月以来。

 ZARは対ドルで0.7%の上昇。9月のSACCI企業景況感は81.6と1993年7月以来の最低に落ち込んだ。

 PLNは対ドルで1.0%の上昇。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を1.50%で据え置き。同中銀は声明で同国インフレは翌四半期から徐々に伸びが高まるだろうと指摘。ただインフレが目標レンジを下回り続けるリスクが高まっているとの見解も示した。

私の上司がノーベル経済学賞を受賞する夢を見ました。

2015年10月6日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年10月5日)

 10月5日のロンドン市場は円売り優勢の展開。ドル円は取引中盤まで上昇基調で推移。120円ちょうど近辺から120円台前半に上昇した。年内の米利上げ開始観測の後退を背景に欧州株が底堅く推移。東京市場では膠着感の強かった米債利回りも取引中盤まで上昇が続き、ドル円を下支えした。ただ、取引後半に入り、欧州株、米債利回りともに上げ一服となると、ドル円も120円台前半で伸び悩んだ。

 ユーロドルは取引中盤まで上昇基調が続き、1.12ドル台前半から1.12ドル台後半に上昇。取引前半に発表された9月のユーロ圏総合PMI(確報値)は53.6と市場予想に反し速報値から下方修正。10月のユーロ圏センティックス投資家信頼感は11.7とほぼ市場予想通りだったが前月から低下するなど軟調な結果が続いたが、その後発表された8月のユーロ圏小売売上高は前年比2.3%増と市場予想を上回り、前月分も上方修正。ユーロ買いの動きをサポートした。ただ取引後半に入ると、ユーロドルは1.12ドル台前半に反落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年10月5日)

 新興国通貨は東欧通貨が対ドルで軟調に推移する一方で他は対ドルで上昇した。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。ブラジル中銀の週次サーベイではインフレ見通しが今年末、来年末ともに上方修正された。

 CLPは対ドルで0.8%の上昇。8月のチリ経済活動指数は前年比+1.1%と市場予想を下回り、3カ月ぶりの低い伸びとなった。

 MXNは対ドルで変わらず。メキシコ中銀は会合議事録(9月22日開催分)を公表。政策金利据え置きの決定は全会一致。年後半の同国成長は緩やかなものになるとの見方が維持された。またメンバーの一人は米国が利上げをする前に利上げをすべきと発言した。

 HUFは対ドルで0.5%の下落。8月のハンガリー小売売上高は前年比4.7%増と市場予想を大きく下振れた。

 TRYは対ドルで0.3%の上昇。9月のトルコCPIは前年比+7.95%と市場予想を上回り、4カ月ぶりの高い伸び。コアCPIは同+8.23%と8カ月ぶりの高い伸びに加速。同月同国のPPIも同+6.92%と市場予想を上回り、昨年10月以来の高い伸びに加速するなど、トルコのインフレ圧力が高まっていることが示された。

 ZARは対ドルで0.9%の上昇。9月の南アフリカ・スタンダード銀行PMIは47.9と市場予想を下回り、統計開始以来最低を記録した昨年7月以来の低水準に悪化した。

元グラビアアイドルだった女性が保育園を開園したという記事をネットで見つけました。元芸能人であることを理由に勤め先の保育園をたらい回しになり、いくつもの保育園を見てきたことが生きているとのこと。何が幸いするかわかりませんね。

2015年10月5日月曜日

総選挙を機に売り圧力が強まる可能性があるポーランド・ズロチ(PLN)

 ポーランド景気が急速に減速している兆しが出てきた。9月のポーランド・マークイット製造業PMIは50.9と市場予想(52.3)を大きく下回り、急低下した前月(51.1)をも下回る水準に低下。景況感の分岐点とされる50を上回った昨年10月以降、最低を記録した。

 ポーランド景気の減速は、世界経済の減速という枠組みから考えれば、それほど違和感の強いものではないのかもしれない。しかし、ポーランドと同じように金融緩和を進めてきたハンガリーやチェコでは景気減速の兆しは見られない。たとえば9月の製造業PMIはハンガリーが55.8と前月の51.0から大きく上昇。チェコは55.5と5か月連続で55を上回っている。東欧3国のうち景気減速感が強まっているのはポーランドだけである。

 ポーランドが、ハンガリーやチェコと違う点の一つは、内需の比率がハンガリーなど2国に比べ高いことだ。8月のポーランド小売売上高は前年比0.3%減。同月の実質でも同2.0%増と2カ月連続で鈍化。8月のポーランド平均総賃金は前月比1.7%減と3カ月ぶりのマイナス。雇用は同0.1%増とほとんど増えていない。ポーランド内需の減速が、景気減速の主因と考えられる。

 こうした状況であれば政府が景気刺激策を打ち出すことも考えられるが、今のポーランド政府に大きな期待はかけられない。ポーランドは憲法で一般政府債務の上限を対GDP比60%と規定されており、債務の水準にあわせて自動的に財政健全化措置が発動されるようになっている。長年続いてきたEU過剰財政赤字是正手続は、今年6月に終了したものの、大規模景気刺激策そのものが発動できない仕組みとなっている。

 一方、ポーランド中銀は現時点で追加利下げに消極的だ。9月のポーランドCPIは前年比-0.8%と15カ月連続で前年割れとなるなど、ディスインフレ傾向は継続。しかしポーランド中銀は現在、デフレが民間セクターに悪影響を与えていないと評価。同中銀のベルカ総裁は、政策金利を年内は据え置く可能性が高いとの発言している。財政・金融両面で景気刺激策が打ち出されないと、ポーランド景気の減速感がさらに強まる可能性も出てくる。

 ポーランドでは10月25日に総選挙が予定されている。各種支持率調査によると、5月の大統領選に勝利した野党・法と正義(PiS)が35%程度と、与党・市民プラットフォーム(PO)の20%台前半を上回っている。PiSはPOに比べ財政支出の拡大を指向する傾向にあると言われている。仮にPiSが総選挙で勝利すれば、財政支出の拡大でポーランド景気が持ち直す期待も強まるだろう。

 またPiSは、金融政策についてハト派寄りの姿勢が強いとも言われている。現にPiSが政権を担当していた2005~2007年にはハト派色の強い人物をポーランド中銀の総裁に任命していた。

 そしてPiSはPOに比べ反EU姿勢が強いと言われている。シリアなどから流入する欧州移民問題に関し、PiSは移民・難民の大量流入による社会不安を理由に、EU主導による難民割り当て案に強く反対。経済や外交においてもEUからの独立を主張している。

 今年第3四半期のPLNのパフォーマンスは、対ユーロで1.3%の下落と、HUF(同0.5%の上昇)やCZK(同0.3%の上昇)に比べ悪化。今月25日の総選挙でPiSが勝利すれば、同等の景気刺激や反EUの姿勢の強さが懸念され、PLN売りの動きがさらに強まる可能性も考えられる。EUR/PLNの上値の目途は、年初来高値(4.367)から年初来安値(3.967)の76.4%戻しに該当する4.273近辺。次は年初来高値(4.367近辺)となる。


2015年10月4日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年10月2日)

 10月2日のロンドン市場は米雇用統計の発表を前にドルがじり高の動きとなった。ドル円は120円ちょうどから120円台前半に小幅上昇。欧州株が底堅く推移し、米債利回りも小幅上昇。ドル買いの動きをサポートした。

ユーロドルは1.11ドル台後半から1.11ドル台半ば近辺に小幅下落と、やはりドル買い優勢の展開。8月のユーロ圏PPIは前年比-2.6%と落ち込み幅が市場予想を上回り、6カ月ぶりの大きさ。ECBの追加緩和観測を継続させた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年10月2日)

 新興国通貨はRUBを除き対ドルで買いの動きが広がった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.3%の上昇。9月のインドネシア消費者信頼感は97.5と前月から急落し、2010年8月以来の低水準に落ち込んだ。

 COPは対ドルで1.4%の上昇。7月のコロンビア経済活動指数は前年比+3.7%と市場予想に反し前月から加速。昨年8月以来の高い伸びとなった。

 BRLは対ドルで2.0%の上昇。ブラジルのルセフ大統領は財政改善策の一つとして閣僚数を39から31に削減し、大統領や閣僚の給与を1割削減すると発表。また内閣改造を実施し、連立与党のブラジル民主運動党への閣僚割り当て数を増やしたが、レビ財務相、バルボザ企画・予算管理相ら主要経済閣僚は留任させた。9月のFIPE・CPIは前月比+0.66%と市場予想を小幅上振れ。8月のブラジル鉱工業生産は前年比-9.0%と落ち込み幅が市場予想よりやや小幅だった。

 MXNは対ドルで1.0%の上昇。9月のメキシコ自動車販売は前年比24.9%増と3カ月ぶりの高い伸びとなった。

 よい日曜日をお過ごしください。