2016年5月28日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年5月27日)


 5月27日のロンドン市場はドル円が上値の重い動きとなった。ドル円は取引序盤に109円台後半で強含んだが、その後は一転してじり安の動き。取引後半には109円台半ば近辺まで下落。終盤は109円台後半にやや持ち直したものの、ロンドン序盤の水準には戻らなかった。今夜発表される米経済指標やFRBイエレン議長の内容を見極めたいとの思惑も強かったが、米債利回りは原油先物価格が軟調だったこともあって小幅低下。ドイツ株は下落して始まり、取引中盤には前日終値水準に反発したものの、その後は伸び悩み。ドル円の上値を重くした。

 ユーロドルは1.11ドル台後半で小動き。終盤に米債利回りが小幅反発すると、1.11ドル台後半で小幅下落した。この日はユーロ圏主要国で注目度の高い経済指標の発表なし。ユーロは材料難の展開だった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年5月27日)

 新興国通貨はアジア通貨が対ドルで底堅く推移したものの、他は対ドルで下落した。

 MXNは対ドルで変わらず。4月のメキシコ失業率は3.93%と市場予想を下回り、2008年9月以来となる3%台に改善した。

 COPは対ドルで0.4%の下落。コロンビア中銀は大方の通り政策金利を25bpを引き上げ7.25%にすると発表。同中銀のウリベ総裁は今回の決定が全会一致ではなかったことを明らかにし、インフレ期待は小幅だが低下しているとの認識を示した。一方、同国カルデナス財務相は、私見としながらも利上げ局面が終了もしくは終了に近付いているべきと発言した。

 TRYは対ドルで0.9%の下落。5月のトルコ経済信頼感は82.3と4カ月ぶりの高水準。4月の同国外交人観光客数は前年比28.1%減と2006年の統計開始以来最大の落ち込みを記録した。

 PLNは対ドルで0.3%の下落。ポーランド中銀は会合議事録(5月6日結果発表分)を公表。メンバー数人は財政規律の弛緩は金利決定の重要な要素となると指摘する一方、他数人のメンバーは景気減速やデフレの深化、デフレによる景気への負の影響が観察される場合には利下げの可能性を排除しないと発言。ただメンバーは現在の政策金利水準が経済の均衡に役立っているとの認識で合意した。

よい週末をお過ごしください。

2016年5月27日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年5月26日)

 
5月26日のロンドン市場は取引序盤に円売りの動きが強まったが、その後は小動き。ユーロなど他主要通貨も動意に欠ける展開となった。ドル円は取引序盤に109円台後半から110円ちょうど近辺に上昇。ドイツ株は小幅プラスで始まり、米債利回りも底堅い動き。ドル円は円売り優勢となった。

 ただ、その後のドル円は110円ちょうど近辺で膠着感が強い動き。米債利回りは小高く推移したが、ドイツ株や日経平均先物は伸び悩み。この日発表される米経済指標の結果を見極めたいとの思惑も強く、ドル円は様子見姿勢が強まった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年5月26日)

 新興国通貨はRUBなど一部を除き対ドルで上昇した。

 KRWは対ドルで0.2%の上昇。5月の韓国消費者信頼感は99と3カ月ぶりの100割れを記録した。

 SGDは対ドルで0.3%の上昇。4月のシンガポール鉱工業生産は前年比+2.9%と市場予想に反しプラス。2014年8月以来の高い伸びを記録した。

 COPは対ドルで変わらず。4月のコロンビア小売業信頼感は26.0、鉱工業信頼感は5.9と、いずれも前月から改善した。

 HUFは対ドルで0.4%の上昇。4月のハンガリー失業率は5.8%と市場予想を下回り、2004年6月以来の低水準に改善した。

 ZARは対ドルで0.7%の上昇。4月の南アフリカPPIは前年比+7.0%と市場予想に反し前月から鈍化した。

 RUBは対ドルで0.5%の下落。5月20日時点のロシア金・外貨準備高は3883億ドルと2週連続で減少した。

KPPが何の略なのかを昨日知りました。

2016年5月26日木曜日

マイナス金利政策の効果を高める預金金利のマイナス化



 日本ではメディアや有識者と呼ばれる方々を中心に、日銀のマイナス金利付き量的・質的金融緩和(マイナス金利政策)に対する批判的な指摘が続いている。マイナス金利政策が発動され3カ月が過ぎたが、設備投資や個人消費の拡大は限定的。3月の長期貸出平均金利が0.967%と初めて1%を割り込むなど、企業向け貸出や住宅ローンの金利は過去最低水準に低下したが、銀行・信金による貸出は4月時点で前年比2.2%増と伸び悩んだまま。メガバンク経営陣からは、マイナス金利政策による収益下振れ懸念が指摘されている。

 マイナス金利政策を始めた後に日銀がWEBサイトに掲載した「5分で読めるマイナス金利」の評判も悪い。この中では、マイナス金利政策の導入で個人の預金金利が下がり、消費が悪くなる可能性を指摘した質問に対し、「100万円預けて1年間の利息が200円だったのが10円になったということです。消費を悪くするほどの規模ではありませんよね」と回答。個人が得られるべき利息が減ることを認めながらも、それによって消費が悪くなることはないと根拠なく言い切る姿勢は、読み手に悪い印象を与えているようにも思える。

 日銀の黒田総裁は、金融政策の効果の波及には、ある程度の時間が必要と発言。4月28日の金融政策決定会合では効果を見極めるとの理由から金融政策の現状維持が決定された。一方で日銀は、同会合で物価上昇2%の目標達成時期を2017年度前半頃から2017年度中(2018年3月まで)に先送り。いくら時間がかかるとはいえ、効果が出る時期を1年以上先に設定する姿勢も日銀に対する批判を強める一因となっている。

 日銀のマイナス金利は(短期間とはいえ)目立った効果が出ていないほか、マイナス金利に対する批判は(目先の結果に囚われただけとの見方もできるが)理解しやすく、日銀より批判する側に分があるように見える。ただ、だからといって、マイナス金利という仕組みそのものを全否定するのは、やや行き過ぎているようにも思える。マイナス金利政策は、一部で指摘されてきた日銀(そしてECB)の量的緩和政策・限界論を打破したのも事実である。

 そもそも量的緩和政策が実施されたのは、政策金利がゼロに近づき、追加利下げが難しくなるという制約を克服するため。しかし日銀は、黒田総裁のもと2度の追加緩和もあって長期新発債のほとんどを買い入れる規模まで国債買い入れペースを加速。国債買い入れ規模のさらなる拡大が難しいとの見方が強まった。マイナス金利政策は、こうした限界論に対応した新たな措置と考えられる。

 日銀のマイナス金利政策が効果を発揮しきれていない理由の一つは、政策効果が波及するには時間がかかるだけでなく、マイナス金利の効果が貸出に対してのみ現れ、預金に対しては表れていないためと思われる。

 金利は本来、貸出だけでなく預金にも適用される。しかし日銀は、個人向け預金金利のマイナス化を事実上否定。大口預金に対する金利について日銀は、各金融機関の判断としているが、国内大手行は大口預金に対するマイナス金利適用を見送っている。貸出金利が低下する一方で、貸出原資となる預金への金利がゼロ制約のままであれば、貸出と預金を仲介する金融機関の収益が悪化するのは当然となる。

 仮に日銀がマイナス金利をさらに深堀したり、マイナス金利が適用される当座預金の範囲を拡大すれば、(金融当局の指導も必要だろうが)金融機関は、さらなる収益悪化を回避すべく、まずは大口預金に対しマイナス金利を適用し始めるだろう。これにより大口預金者のほとんどと思われる法人は、ゼロ金利が適用される現金保有を増やすことになるが、現金保有は管理コストが大きく、預金の全てを現金化するとは考えにくい。法人は預金を圧縮すべく、一部を設備投資や賃上げに回すことが期待される。

 先行き不透明感を理由に設備投資や賃上げに慎重な法人であれば、配当を増加させることで預金を圧縮するだろう。増配による株価上昇は資産効果を通じ個人消費を刺激すると考えられる。

 国際的な企業であれば、円預金の一部を外貨預金に切り替えることで、マイナス金利の適用を回避することも考えられる。海外子会社から日本の親会社への資金還流(レパトリ)も抑制されると思われ、結果的に円高圧力を弱めることになる。

 日銀・黒田総裁など金融当局者から預金金利のマイナス化を肯定する意見が示されたことはない。しかし今後、マイナス金利政策の限界論が声高に指摘されるようになると、日本の金融当局者が預金金利のマイナス化を示唆することも十分考えられる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年5月25日)


 5月25日のロンドン市場はドル円が底堅く推移。一方、ユーロは動意に欠ける展開となった。ドル円は取引前半に110円ちょうど近辺から110円台前半に小幅上昇。ドイツ株は続伸で始まり、その後もじり高の動き。日経平均先物も買いが先行すると、米債利回りもつれ高。ドル円の上昇を促した。

 ただ取引中盤に入り米債利回りは一転して低下。ドイツ株や日経平均先物も上値が重くなり、ドル円は110円台前半で伸び悩み。後半に入っても同水準での小動きが続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年5月25日)

 新興国通貨はBRLなど一部通貨を除き対ドルで上昇した。

 PHPは対ドルで0.3%の上昇。3月のフィリピン貿易収支は17.5億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回った。

 THBは対ドルで小幅上昇。4月のタイ貿易収支(通関ベース)は7.2億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上回った。輸出が前年比8.0%減と市場予想を上回る減少となったが、輸入が同14.9%減と輸出以上に落ち込み貿易黒字を拡大させた。

 BRLは対ドルで0.9%の下落。5月23日週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.50%と前週から小幅加速。5月のブラジルFGV建設コストは前月比+0.19%と市場予想を下振れ。4月のブラジル・ローン残高は前月比0.6%減と4カ月連続の減少となった。

 MXNは対ドルで小幅上昇。4月のメキシコ貿易収支は20.8億ドルの赤字と赤字額が市場予想を大きく上回り、3カ月ぶりの高水準。輸出が前年比7.6%減となったことが響いた。第1四半期のメキシコ経常収支は69.9億ドルの赤字と、赤字額は市場予想を下振れ。メキシコ中銀は四半期インフレ報告を公表。今後数カ月のインフレは3%を下回り続けるが、年末には3%を上回る水準にやや加速するとの見方を示した。

 PLNは対ドルで0.7%の上昇。4月のポーランド失業率は9.5%と前月から低下した。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。5月のトルコ企業景況感は105.7と前月と変わらず。同月同国の設備稼働率は75.7%と前月から小幅上昇した。

 RUBは対ドルで1.1%の上昇。5月23日のロシアCPIは前週比+0.1%と前週と変わらずだった。

 ILSは対ドルで0.2%の上昇。4月のイスラエル先行S指数は前月比+0.14%と前月から鈍化した。

「メイプル超合金」がお笑いコンビの名称だということを昨日知りました。

2016年5月25日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年5月24日)

 
 
5月24日のロンドン市場はドルが上昇基調で推移した。ドル円は取引前半に109円台前半から109円台半ば近辺に上昇。中盤は109円台半ばを小幅上回る水準で推移し、後半は109円台後半へと上昇した。ドイツ株や日経平均先物はプラス圏で底堅く推移。米債利回りは取引序盤に上昇後、下値の堅い動きとなり、ドル買いの動きをサポートした。

 ユーロドルは取引前半に1.12ドルちょうど近辺から1.11ドル台後半に下落。中盤は同水準で小動きとなったが、後半に入ると上値が重くなる動きとなった。5月のドイツZEW景況感は6.4と市場予想に反し3カ月ぶりに前月から低下。ドイツ景気の減速懸念がユーロの重石となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年5月24日)

 新興国通貨はTRYなどEMEA通貨の一部が対ドルで上昇したものの他は下落した。

 BRLは対ドルで0.3%の下落。5月のブラジルFGV消費者信頼感は67.9と3カ月ぶりの高水準に上昇。4月のブラジル経常収支は4.1億ドルの黒字と赤字予想に反し黒字化し、2007年8月以来の黒字を記録。一方、同月同国の海外直接投資は68.2億ドルと市場予想を上回った。

 CLPは対ドルで小幅下落。4月のチリPPIは前年比-6.9%と2カ月連続で低下率が拡大した。

 MXNは対ドルで0.2%の上昇。5月上旬のメキシコCPIは前年比+2.53%と市場予想を下回った。

 CZKは対ドルで0.7%の下落。5月のチェコ企業景況感は13.2と前月から上昇。一方、同月同国の消費者信頼感は2.0と前月と同じだった。

 ZARは対ドルで0.3%の上昇。3月の南アフリカ先行指標は91.9と前月から小幅上昇した。

 ILSは対ドルで0.3%の上昇。3月のイスラエル製造業生産は前月比+3.0%と4カ月ぶりの高い伸びとなった。

 TRYは対ドルで1.7%の上昇。USD/TRYはロンドン市場序盤に3.00を上抜けたが、中盤にシムシェク副首相の再任が伝わるとTRYは買い戻された。トルコ中銀は市場予想通りレポレートと翌日物借入金利を据え置き。翌日物貸出金利を市場予想通り50bp引き下げ9.50%とした。同中銀は声明でコアインフレの改善は限定的なままで、翌日物貸出金利の引き下げは金融政策の単純化の動きに沿うものとの認識を示した。

 HUFは対ドルで変わらず。ハンガリー中銀は政策金利を15bp引き下げ0.90%にすると発表。翌日物預金金利は-0.05%で据え置かれ、同貸出金利は1.15%に引き下げられた。同中銀は声明で政策金利は透明ん据え置かれるとの見方を示した。

ロンドンの地下鉄2路線で8月19日から週末の終日運行が始まるそうです。だけど早寝早起きがいいと思います。

2016年5月24日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年5月23日)



 5月23日のロンドン市場は円が底堅く推移した。ドル円は109円台後半から109円台半ば近辺に下落。週明けのドイツ株は下げて開始。一時、プラス圏に浮上する場面もあったが、取引中盤からは再びマイナス圏に落ち込むなど上値の重さが目立った。一方、米債利回りも上値が抑えられる展開。ドル円の重石となった。

 ユーロドルは取引前半に1.12ドル台前半から1.12ドルちょうど近辺に下落。中盤以降は同水準でもみ合いを続けた。5月のドイツ製造業PMIは52.4と市場予想を上振れたが、同月のユーロ圏製造業PMIは51.5と市場予想に反し前月から低下。ユーロ圏全体での景気鈍化が嫌気された。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年5月23日)

 新興国通貨はILSやアジア通貨が対ドルで小幅上昇したものの、他は対ドルで下落した。

 TWDは対ドルで0.3%の上昇。4月の台湾失業率は3.97%と前月から小幅悪化。同月同国の鉱工業生産は前年比-4.06%と市場予想や前月を上回る落ち込みとなった。

 SGDは対ドルで0.3%の上昇。4月のシンガポールCPIは前年比-0.5%と低下率が9カ月ぶりの小幅。コアCPIは同+0.8%と市場予想を上回り、昨年3月以来の高い伸びを記録した。

 BRLは対ドルで1.7%の下落。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末までのUSD/BRL見通しが3.67へ、政策金利見通しが12.75%へと、それぞれ下方修正。5月22日までのブラジル貿易収支は39.9億ドルの黒字と、前月並みのペースで黒字額を増やした。

 MXNは対ドルで0.9%の下落。3月のメキシコ小売売上高は前年比6.4%増と市場予想を上回った。

 HUFは対ドルで0.8%の下落。フィッチは21日、ハンガリー長期外貨建て格付けを従来の「BB+」から「BBB-」と引き上げ。格付け見通しは「安定的」とした。同社は高水準の経常黒字、EUからの資金、銀行の外部レバレッジ解消、自己資金調達プログラム、外貨建て住宅ローンの自国通貨建てへの転換が、ハンガリーの対外バランスシートの大幅改善と脆弱性の低下に貢献したと指摘した。5月のハンガリー企業景況感は2.3と前月とほぼ同じ。同月同国の消費者信頼感は-18.9と前月から小幅改善した。

 TRYは対ドルで0.6%の下落。5月のトルコ消費者信頼感は68.75と前月から小幅改善した。トルコ与党AKPは22日、臨時党大会でユルドゥルム運輸海事通信相を新党首に選出。大統領は同日、ユルドゥルム氏を首相に指名し、組閣を指示した。同氏は演説で「新憲法で大統領制を」と述べ、大統領権限の拡大を目指す方針を示した。また、激化するクルド系反政府武装組織クルド労働者党(PKK)との紛争については、PKKが戦闘をやめるまで、作戦は止まることなく継続すると述べ、徹底して戦う構えをみせた。

 ILSは対ドルで0.4%の上昇。4月のイスラエル失業率は4.9%と2012年の統計開始以来最低を更新。イスラエル中銀は市場予想通り政策金利を0.10%で据え置き。同中銀は声明で輸出が大きく減少しており懸念していると指摘しながらも、現在の金融政策は緩和的であるとの見方を維持した。

 RUBは対ドルで変わらず。4月のロシア失業率は5.9%と前月から小幅低下。同月同国の実質賃金は前年比1.7%減と市場予想を上回る減少。実質小売売上高は同4.8%減とほぼ市場予想通りだった。

韓国では二日酔いに効くアイスクリームが発売され、話題になっているそうです。韓国では落葉樹「ケンポナシ」(玄圃梨)の枝に含まれる液が二日酔いに有効とされており、この汁が0.7%ほど含まれているとのこと。いずれ日本でお目見えするかもしれませんね。

2016年5月23日月曜日

利下げを機に売りが強まる恐れもあるインドネシア・ルピア(IDR)

 インドネシア中銀は19日、市場予想通りレファレンスレートなど主要3金利を全て据え置いた。同中銀は声明で、(1)インフレが4±1%で推移している、(2)経常赤字は改善している、(3)為替レートは比較的安定している、などマクロ経済の安定性は維持されていると指摘。この安定性が続くのであれば、生じてきた金融緩和余地が近いうちに用いられる可能性があるとの見方を示した。インドネシア中銀の声明発表後、インドネシア・ルピア(IDR)は対ドルで売り優勢。Bloombergによると、20日には対ドルで一時13680近辺と、2月9日以来のIDR安水準に達した。

 インドネシア中銀が追加緩和(利下げ)の可能性を示す前に公表された4月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、経済指標が第2四半期の成長加速を示し、インフレ率と雇用で前進が見られれば、6月に利上げする公算が大きいとの認識が示された。米国の利上げが再開されるとの見方が高まったなかでの、インドネシアの利下げ示唆だっただけに、IDRが売り優勢となったのはいたしかたない。週明け(23日)のIDRは13580近辺と、やや持ち直したが、その後、13600台に下落。同中銀の声明発表前の水準(13500近辺)まで戻せていない。

 インドネシア中銀は、「マクロ経済の安定性が維持されていれば」との条件を付けているが、インフレや経常赤字が短期間で悪化するとは考えにくい。IDRの下げが限定的であれば、同中銀が声明通りに利下げに動く可能性は十分にある。

 仮にインドネシア中銀が利下げに踏み切れば、IDR売りの動きが強まる恐れも出てくるだろう。特に利下げしたにもかかわらず、個人消費が伸び悩んだり、IDR安や原油先物価格の上昇でインフレが加速しだすと、悪循環的にIDR売りが続く展開も注意すべきだろう。

 USD/IDRの上の節目は、1月20日の高値(14000近辺)から3月7日の安値(12980近辺)の76.4%戻しとなる13760近辺と14000ちょうど近辺。ここを上抜けると14100近辺や14500近辺が次の節目となるだろうが、ここまでIDRが売られれば、インドネシア中銀は利上げに動かざるを得ないだろう。