2017年1月19日木曜日

マーク・ファーバーのコメント(2017年1月)

 世界経済の見通しに弱気な博士ですが2016年の運用は上首尾だったようです。
 保有する株式・債券ポートフォリオは11-21%のプラス成績とのことでした。

“トランプ相場”で米国債価格が急落しても債券部分の大半を占める新興国の社債がそれを補ってあまりある好成績だったそうです。

また、本レポートで再三指摘していたように割安株・新興国株が強烈な復活を遂げたのも大きかったと語っています。

さて、2017年ですが、投資家の間ではトランプが公約している税制改革・規制緩和からロナルド・レーガンが大統領だった80年代の再来を期待する声があるようです。

そこで博士は、トランプがレーガンほど“幸運”な経済・金融環境にあるか比較分析をしています。

そして、そこには対照的な違いがいくつかある一方で“主役交代”という意味では同じことが起こり得る可能性があるようです。

さらに、具体的銘柄を挙げながら博士が有望視する分野・業種についていくつか言及しています。

また、日本株についても言及しており、肯定的な予測をしていました。

後半は、博士の友人であるジョージ・カラヘリオス氏が一企業家の視点からトランプが支持された理由、トランプ政権が市場に与える長短期的影響について執筆しています。

トランプ氏について「過激かつ単純な言い回しで一面的な話(シングルストーリー)を何度もする」という批判があります。
しかし、ここには一面的なメディアが報じない別の面の話(アナザーストーリー)があるように思いました。

なお、文中には70年代アメリカンロックを象徴する「ホテルカリフォルニア」の歌詞がいくつか引用されています。

この曲の最後に「好きなときに出られますが、決して出られません」といった意味合いの歌詞がありかつて、リチャード・フィッシャー元ダラス連銀総裁が出口戦略のない金融緩和政策について「ホテルカリフォルニア的政策だ」と述べるなど、そのタイトルは比喩として世界的によく使われているようです。

マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=9933&c=2011281600009