2016年12月17日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年12月16日)



 12月16日のロンドン市場は円、ユーロなど主要通貨の多くが方向感に欠ける動きとなった。ドル円は取引中盤まで118円台前半で底堅く推移。米債利回りは動意に欠けるなか、ドイツ株も前日終値水準で推移。ドル円は下値の堅い動きとなった。しかし、後半に入り、米債利回りの上値が重くなると、ドル円は118円ちょうど近辺に下落。終盤には118円台前半に反発したが、上値は抑えられた。

 ユーロドルは取引中盤まで1.04ドル台半ば近辺で推移と様子見姿勢の強い展開。後半に入り米債利回りが小幅低下すると、ユーロドルは1.04ドル台後半に上昇した。その後発表された10月のユーロ圏貿易収支(季調値)は197億ユーロの黒字と、黒字額が市場予想を下振れ、11月のユーロ圏CPI(確報値)は前年比+0.6%と市場予想通りだったが、前月分は小幅下方修正。これらを受け、ユーロドルは上値が重くなり、終盤には1.04ドル台半ば近辺での推移となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年12月16日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨が反発する一方で、中南米通貨は続落となった。

 SGDは対ドルで0.2%の下落。11月のシンガポール輸出(除く石油)は前年比11.5%増と急増。EU向けが前年比48.3%増となったほか、中国向けも同15.8%増と大きく拡大した。

 COPは対ドルで0.2%の下落。11月のコロンビア消費者信頼感は-4.6と市場予想を下回り、3カ月ぶりの低水準。10月のコロンビア小売売上高は前年比0.7%減と、ほぼ市場予想通り。同月同国の鉱工業生産は同+0.4%と市場予想を下回った。コロンビア中銀は市場予想に反し、政策金利を25bp引き下げ7.50%にすると発表。決定は賛成4反対3の僅差だった。同中銀のウリベ総裁はインフレが当初の見通し以上に鈍化していると指摘。同国カルデナス財務相は利下げを歓迎する意向を示した。

 PENは対ドルで変わらず。ペルー中銀は市場予想通り政策金利を4.25%で据え置き。同中銀は声明でインフレ期待はわずかに上昇したが、依然として目標レンジ内への収束トレンドを維持していると指摘。国内経済活動は潜在成長率水準のペースに近い成長が見込まれるとの見方を示した。

 RUBは対ドルで0.6%の下落。ロシア中銀は市場予想通り政策金利を10.00%で据え置き。同中銀は声明で来年第1四半期の利下げを検討していることを表明。4%のインフレ目標が未達になるリスクは低下しているとの見方を示した。

 PLNは対ドルで0.5%の上昇。11月のポーランド平均総賃金は前年比4.0%増と市場予想を小幅上振れ。同月同国の雇用は同3.1%増と市場予想を小幅上回り、前月と同じ伸びを維持した。

よい週末をお過ごしください。

2016年12月16日金曜日

マーク・ファーバーのコメント(2016年12月)

米大統領選後、米国株が上昇しています。
S&P500は2200を超え、NYダウは2万ドルを突破しようという勢いです。

日本株もTOPIXが1500を超え、日経平均は1万9000円を突破しました。

この株高をトランプの景気浮揚策への期待を反映した
“トランプ相場”とみる向きもあるようです。

しかし、ファーバー博士は
「クリントンの落選が米国や世界平和にとって
良いことであったのは間違いない」としたうえで、
トランプに過度の期待も不安も禁物であるとし、
本レポートでは、その理由について説明しています。

むしろ、財政赤字と債務残高をさらに拡大させ、
FRBのバランスシート膨張再開に期待する可能性が高く、
したがって、あれだけ非難していた
イエレンFRBに頭を垂れることもあり得るとのことでした。

現在の相場については基本、予断を許さない状況だが、
大天井を付けそうな株もあるようです。

レポート後半は博士の友人であるヤン・ロビンズ氏が
現金保有の危険性、貴金属保有の有効性、
コモディティが金融政策から受けた影響、
そして日銀の政策が“詰んで”しまい
「ドミノ倒しの初めのひと押し」になる可能性
について執筆しています。

氏は日本国債と日本円市場の「怖さ」を
承知したうえで、日本円に弱気のようです。

また、ポジション例として
イラク株ファンドと白金を挙げています

マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート

来年前半まで続きそうなドル高相場

 日本時間12月15日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて、ドルが大きく上昇している。ドル円は、FOMC声明発表直前の115円ちょうど近辺から急騰し、米連邦準備理事会(FRB)イエレン議長の会見が終わった直後には117円ちょうど近辺に上昇。15日のロンドン市場では一時118円台半ばと、2月3日以来の高値に一段高。翌日16日は、やや上値が重くなったものの118円台を維持している。

 ドル買いの動きが強まった背景にはFOMC声明と同時に発表された政策金利見通し(ドットプロット)の上方修正がある。ドットプロットでの来年(2017年)の政策金利見通しによると、回答者17名中、6名が年3回の利上げを見込み、5名が年4回以上を見込む一方、年2回以下を見込む者は6名にとどまった。前回(9月)のドットプロットでは、利上げ回数2回以下を見込む者が10名もいただけに、来年の利上げペースの加速期待が強まるのも無理はない。

 ドル円は年初来高値(121.7近辺)から年初来安値(99.0近辺)の76.4%戻し水準である116.3近辺を軽々と突破しており、テクニカル分析上では心理的な水準である120円ちょうどや、年初来高値である121.7近辺まで節目らしい節目が見当たらない。米10年債利回りが2.60%近辺と、2014年9月以来の高水準まで上昇しているだけに、ドル円が年初来高値を更新しても不思議ではない。

 もちろんドル高が急ピッチに進んだことで、ドル高に対する警戒感は強まっているだろうが、欧米がクリスマス休暇に入る数日前までは、投機的な動きが出やすいだろう。日本時間の来週23日あたりまでは、ドル高の流れについて行こうとする投機的な動きが続く展開も意識しておくべきと思われる。

 しかし時とともに、投機筋を中心にドル高の流れから降りようとする動きも強まるだろう。足元でドル高が行き過ぎた領域に入ったこともあり、クリスマス休暇明けの今月28日から来月(1月)にかけては、ドル高の動きが一気に調整されるリスクがある。

 ただ仮にドル高が調整される場面があったとしても、そのままドルが下落基調に転ずるとは考えにくい。昨日発表された米新規失業保険申請件数は25.4万件と低水準を維持するなど、米労働市場は拡大基調が続いているほか、トランプ政権の財政刺激策に対する期待感は根強く、米景気の先行き期待は維持されると予想される。

 米景気の先行き期待が後退するとしたら、早くても来年後半だろう。FRBのマクロ計量モデルである「FRB/USモデル」など各種経済モデルによると、ドル高や利上げが米景気に与える悪影響が目立ち始めるのは、ドル高や利上げが進んでから早くて3四半期後、つまり2017年7-9月期からで、時とともに悪影響の程度は大きくなる。このままドルが一段高となれば、2018年の米景気は後退入りの可能性も視野に入る。

 市場では、トランプ政権による財政刺激策に対する期待感が強いが、同政権が策定する予算の執行は、予算審議の日程から考えると2017年10月からだ。このため同年7-9月期は、ドル高・利上げの悪影響だけが米景気にのしかかることになり、9月のFOMCくらいからFRBが利上げを休止する展開も考えるべきだ。

 2017年10-12月期以降の米景気は、ドル高・利上げによる景気下押し効果と、トランプ政権の財政刺激策との綱引き次第となる。非営利団体「責任ある連邦予算委員会」(CRFB)などの推計によると、トランプ氏が提案する財政支出規模は10年間で4~7兆ドル。予算教書演説が行われる来年2月下旬から3月上旬まで10年間で数兆ドル規模の財政刺激策が実施されるとの期待が続くとみられ、市場はそれまで2017年後半以降の米景気減速の可能性をあまり意識しないと思われる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年12月15日)


 12月15日のロンドン市場はドルが全面高の展開となった。ドル円は取引中盤まで117円台後半で小動き。ロンドン市場に入り、米債利回りは一段高となり、ドイツ株もプラスで始まったが、ドル円は高値警戒感が強く、取引中盤には米債利回りの上昇が一服したこともあり、上値の抑えられる動きが続いた。しかし後半に入り米債利回りが再度上昇すると、ドル円はドル買い優勢となり、終盤には118円台半ば近辺と2月3日以来の高値に上昇した。

 一方、ユーロドルは、取引前半に1.05ドルちょうど近辺から1.04ドル台後半に下落。12月のドイツ製造業PMI(速報値)は55.5と市場予想を上回り、2014年1月以来の高水準を記録。その後発表された同月のユーロ圏製造業PMI(速報値)も54.9と市場予想を上回り、2013年12月の統計開始以来の最高を更新したが、ユーロドルは米債利回りの上昇を背景にドル買い優勢となった。取引中盤に入り、米債利回りの上昇が一服すると、ユーロドルは1.05ドルちょうど近辺に小幅反発したが、終盤には米債利回りが再度上昇したことで、1.04ドルちょうど近辺と2003年1月以来の低水準を更新した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年12月15日)

 新興国通貨は対ドルで多くが続落。原油価格の上昇などでRUBやBRL、MXNは上昇した。

 CNYは対ドルで0.6%の下落。USD/CNYは6.94台と2008年5月以来のCNY安水準に達した。昨日発表された11月の中国資金調達総額は1兆7400億元と市場予想を大きく上回り、今年3月以来の高水準に拡大。一方、同月同国のM2は前年比11.4%増と市場予想や前月を下回った。

 INRは対ドルで0.6%の下落。11月のインド貿易収支は130.1億ドルの赤字と、赤字額が市場予想を大きく上回り、昨年7月以来の高水準に拡大。輸出が前年比2.4%増と急鈍化する一方、輸入が同10.4%増と加速したことが響いた。

 SGDは対ドルで0.4%の下落。10月のシンガポール小売売上高は前年比2.2%増と市場予想を上回った。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.8%の下落。インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を4.75%で据え置き。同中銀は声明で金利据え置きは同国経済の回復に沿ったものであり、過去の利下げが成長率をサポートするのに十分だと指摘。今年の成長率は5%をわずかに上回る水準で、来年は5.0~5.4%程度になるとの見方を示した。11月のインドネシア貿易収支は8.38億ドルの黒字とほぼ市場予想通りの水準。輸出が前年比21.34%増と市場予想を大きく上回ったが、輸入も同9.88増と急増した。

 KRWは対ドルで0.7%の下落。韓国中銀は市場予想通り政策金利を1.25%で据え置き。同中銀は声明で内需の回復は弱く、成長率は緩やかな水準が続くとの見方を示した。

 PHPは対ドルで0.5%の下落。10月の海外労働者送金は前年比3.0%減と市場予想に反し3カ月ぶりの前年割れとなった。

 BRLは対ドルで0.2%の上昇。12月のブラジルIGP-10は前月比+0.20%とほぼ市場予想通り。10月のブラジル経済活動指数は前年比-5.28%と今年3月以来の大幅な低下。12月のブラジルCNI産業信頼感は48.0と5カ月ぶりの低水準。同月同国のCNI消費者信頼感は100.3と今年4月以来の低水準に低下した。

 MXNは対ドルで0.5%の上昇。メキシコ中銀は政策金利を50bp引き上げ5.75%にすると発表。同中銀は声明で米国と比較したメキシコの金利水準や、MXN安による潜在的なインフレ圧力の増大にに特段の注意を払うとした。

 PENは対ドルで0.4%の上昇。10月のペルー経済活動指数は前年比+2.1%と市場予想を下回り、昨年5月以来の低い伸び。11月のペルー失業率は5.8%と4カ月連続で低下し、1年ぶりの低水準を記録した。

 TRYは対ドルで0.7%の上昇。9月のトルコ失業率は11.3%と市場予想に反し前月から変わらず。11月のトルコ財政収支は100.2億リラの黒字と、2006年の統計開始以来、最大の黒字を記録。12月9日までの週のトルコ非居住者国債投資は1.43億ドルの売り越しと6週連続の売り越しとなった。

 ZARは対ドルで0.4%の下落。11月の南アフリカPPIは前年比+6.9%と市場予想を上回った。

 RUBは対ドルで0.6%の上昇。12月9日のロシア金・外貨準備高は3870億ドルと前週から増加した。

 ILSは対ドルで1.3%の下落。11月のイスラエルCPIは前年比-0.3%と市場予想に反し、低下率が前月と変わらなかった。イスラエル中銀高官はILSが依然として過剰に高い水準にあり、同国輸出が抑制されているとの認識を示した。

私事で恐縮ですが、このたび東洋経済新報社から「人民元切り下げ」という書籍を刊行いたしました。

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本日より大手書店を中心に店頭に並ぶ予定です。お時間ございましたら、一度お手元に取っていただければ幸甚です。

2016年12月15日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年12月14日)

 12月14日のロンドン市場は取引前半にドル買いがやや優勢となったものの、中盤以降は上値の重い動きとなった。ドル円は取引序盤に115円台前半から115円割れへと下落する一方、ユーロドルは1.06ドル台半ば近辺から1.06ドル台後半に小幅上昇。ドイツ株が下げて始まり、米債利回りが小幅低下したことでドル売りの動きが見られた。

 ただ、その後、米債利回りが下げ止まると、ドル円は115円台前半に反発し、ユーロドルは1.06ドル台前半に下落するなど、ドルは買い戻し。取引中盤はドル円が115円台前半、ユーロドルは1.06ドル台前半で、それぞれ小動きとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年12月14日)

 新興国通貨は対ドルで下落。EMEA通貨の下げが目立った。

 KRWは対ドルで0.3%の下落。11月の韓国失業率は3.6%と4カ月ぶりの低水準。10月の韓国M2は前月比0.3%増と2カ月連続で低い伸びにとどまった。

 INRは対ドルで小幅上昇。11月のインドWPIは前年比+3.15%と、ほぼ市場予想通りで、3カ月連続で鈍化した。

 BRLは対ドルで1.1%の下落。10月のブラジルIBGEサービス部門売上高は前年比7.6%減と2012年の統計開始以来、最大の減少率を記録した。

 ZARは対ドルで2.3%の下落。11月の南アフリカCPIは前年比+6.6%と市場予想通りで、今年2月以来の高い伸び。10月の南アフリカ小売売上高は前年比0.2%減と、市場予想に反し2014年6月以来の前年割れとなった。

 CZKは対ドルで1.0%の下落。10月のチェコ経常収支は169.9億コルナの黒字と、黒字額が市場予想を上回り、今年3月以来の高水準に拡大した。

 PLNは対ドルで1.2%の下落。10月のポーランド経常収支は3.9億ユーロの赤字と、赤字額市場予想を下振れ。11月のポーランドM3は前年比9.7%増と市場予想を上回り、3カ月ぶりの高い伸びに加速した。

 ILSは対ドルで小幅下落。第3四半期のイスラエル経常収支は27.6億ドルの黒字と、黒字額が前年同期比24.1%減となった。

 RUBは対ドルで2.3%の下落。12月12日のロシアCPIは前週比+0.1%と4週続けて同じ伸びだった。

 米国のアトランタ動物園は、ジャイアントパンダ「ルンルン」の双子の赤ちゃんの名前が「Ya Lun(ヤールン)」と「Xi Lun(シールン)」に決まったと発表しました。中国語で「優雅」、「幸福」の意味とのこと。「雅志」ではありませんので気を付けてください。

2016年12月14日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年12月13日)



 12月13日のロンドン市場はドルが底堅く推移。ドル円は115円台前半から115円台半ば手前に緩やかに上昇した。米債利回りは上値が抑えられたが、ドイツ株は上昇基調で推移。ドル円の上昇をサポートした。

 ユーロドルは1.06ドル台半ば近辺から1.06ドルちょうど近辺に下落。第3四半期のユーロ圏雇用は前年比1.2%増と前月から小幅鈍化。12月のドイツZEW景況感指数は13.8と市場予想を下回り、前月と同じだった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年12月13日)

 新興国通貨は対ドルで方向感に欠ける動きとなった。

 PHPは対ドルで小幅上昇。10月のフィリピン失業率は4.7%と2005年4月の統計開始以来の最低を更新した。

 CNYは対ドルでほぼ変わらず。11月の中国鉱工業生産は前年比+6.2%と市場予想や前月を小幅上回る伸び。同月同国の小売売上高は同10.8%増と市場予想を上回り、昨年12月以来の高い伸びに加速した。

 INRは対ドルで0.2%の下落。11月のインドCPIは前年比+3.63%と市場予想を下回り、2014年11月以来の低い伸び。第3四半期のインド経常収支34.0億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回ったが、前年同期比で60.2%減少した。

 BRLは対ドルで小幅上昇。10月のブラジル小売売上高は前年比8.2%減とほぼ市場予想通りで、5カ月ぶりの大幅減少。ブラジル上院は歳出上限法の2回目の承認を賛成53反対16で可決した。

 CLPは対ドルで0.3%の下落。フィッチはチリ格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ。格付けは「A+」で維持した。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.50%で据え置き。同中銀は声明で景気鈍化の動きが今後も続くのであれば、金融政策による刺激策が必要とあるとの見解を示した。

 PLNは対ドルで0.5%の上昇。11月のポーランド・コアCPIは前年比-0.1%と市場予想通りだった。

 TRYは対ドルで0.7%の下落。トルコ中銀は銀行協会の会合で、必要があれば為替市場で直接的な介入に踏み切る可能性があるとの意向を表明した。

日本の大手情報サービス企業が来年のトレンド予測で、「リビ充家族」、「子けいこパパ」、「おいし援」をトレンドワードとして発表したそうです。オイシ円という新しい通貨ペアが誕生したわけではないので気を付けてください。

2016年12月13日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年12月12日)



 12月12日のロンドン市場は取引前半に円が下落。中盤以降はドルが軟調に推移した。ドル円は取引前半に115円台後半から116円ちょうど近辺と2月8日以来の高値に上昇。米債利回りはロンドン市場に入ると上昇基調で推移。ドイツ株は上値の重い動きとなったが、ドル円はドル買い・円売り優勢の展開となった。ただ、取引中盤に米債利回りの上昇が一服すると、ドル円も116円ちょうど近辺で伸び悩み。後半に近づき、米債利回りが低下に転ずると、ドル円も115円台後半に下落したが、下値は堅かった。

 ユーロドルは取引前半こそ1.05ドル台後半でもみ合いとなったが、中盤から上昇基調で推移し、後半は1.06ドルちょうど近辺に上昇した。一部メディアは、伊モンテ・パスキ銀の増資にカタール投資庁が約10億ユーロを投資すると報道。これを受けて同行株は持ち直し、ユーロ買いの動きをサポートした。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年12月12日)

 新興国通貨は一部通貨を除き対ドルで上昇。米債利回りの低下で新興国通貨は買い戻された。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。12月11日までのブラジル貿易収支は8.7億ドルの黒字と黒字拡大ペースが前月から大きく鈍化した。

 MXNは対ドルで0.8%の上昇。10月のメキシコ鉱工業生産は前年比-1.4%と市場予想通りで、2カ月連続の前年割れとなった。

 ZARは対ドルで1.4%の上昇。第3四半期の同国非農業部門雇用者数は前年比0.9%増(前期比1.0%増)と前期から加速した。

 TRYは対ドルで0.2%の上昇。10月のトルコ経常収支は16.8億ドルの赤字と、赤字額がほぼ市場予想通り。第3四半期のトルコGDPは前年比1.8%減と市場予想を大きく下回り、7年ぶりの前年割れとなった。

 RUBは対ドルで2.6%の上昇。USD/RUBは一時60.7台と昨年10月以来のRUB高水準に低下した。10月のロシア貿易収支は66億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下回った。

 ILSは対ドルで0.3%の上昇。イスラエル中銀は会合議事録(11月28日開催分)を公表。政策金利の据え置きは4対0の全会一致であることが判明した。

「プレミアムフライデー」という言葉を初めて聞いたときは、写真週刊誌の豪華版が出版されるのだと思いました。

2016年12月12日月曜日

対ドルで4.00を上抜けすることも想定すべきトルコ・リラ(TRY)

 トルコ・リラ(TRY)が軟調に推移している。USD/TRYは12月2日に3.5935まで急騰し、過去最高値(TRYは対ドルで過去最安値)を更新。週明けの6日からはTRYを買い戻す動きが強まり、8日には一時3.35割れと11月17日以来のTRY高水準に戻したが、トルコのユルドゥルム首相が、輸出業者を中小企業を対象にした政府が最大100%保障する2500億リラ規模の融資プログラムを創設すると発表すると、TRYは一転して売りが先行。9日もTRYは下落基調で推移し、本日(12日)は3.50台と、6日以来の安値水準で推移している。

 TRY下落の背景には、トルコ政府の景気優先姿勢がある。トルコのエルドアン大統領は、トルコの貸出金利が新興国の中で突出しており、投資刺激のためには利下げが必要と発言した。トルコ中銀は11月24日にTRY防衛を目的に50bpの利上げを実施したが、同大統領の発言で、今後はTRY安が進んだとしても、トルコ中銀が政府からの圧力に屈する形で利上げを見送るとの見方が強まった。

 トルコ政府は、融資プログラムの創設発表の翌日、不良債権の再編をより柔軟にするよう規制を緩和すると発表。これにより市中銀行は、不良債権支援のために低利の追加融資を実施することが可能になるが、トルコのマネーサプライの拡大ペースが加速し、TRY安圧力が強まることになる。また不良債権案件への追加融資で、不良債権がさらに拡大する恐れもある。

 これまでTRYをサポートしてきたトルコの対外収支の改善も、今後は期待しにくくなっている。10月のトルコ貿易収支は41.6億ドルの赤字と2カ月連続で赤字額が前年同月比で増加。原油先物価格は12月に入りOPECの減産合意などで一段高となっており、トルコの貿易赤字がさらに膨らむ可能性もでてきた。

 トルコの地政学的リスクの高まりもTRYの重石となっている。トルコのイスタンブールでは10日、自動車爆弾と自爆による爆発が発生し38人が死亡。少数民族クルド系武装組織が11日、犯行を認める声明を発表した。同国エルドアン大統領は、テロとの戦いを最後まで続けると発言するなど、トルコ政府と反政府組織との間の衝突は今後も続く見込み。断続的なテロの発生で外国人観光客の減少基調は続くほか、トルコの消費者マインドも抑制されるとみられ、トルコ景気の先行き懸念は高まっている。トルコ景気の悪化が続けば、トルコ政府による景気優先姿勢がさらに強まり、最終的にはTRY安が進むと予想される。

 米大統領選を機に新興国通貨は対ドルでアンダーパフォーマンスが続いているが、金利水準の高いBRL、ZAR、IDRは、比較的底堅く推移している。TRYも利上げで下げが一服したものの、今後の追加利上げが期待できないのであれば、景気や対外収支などでファンダメンタルズの悪化を通じ、TRY売りの動きが続くことになるだろう。USD/TRYでは、過去最高値(3.5935)が当面の節目になるだろうが、そこでTRY売りの動きが止まるとは考えにくい。年初来で20%下落すると仮定すれば、USD/TRYの次の節目は3.647近辺となる。25%下落であれば3.890近辺、30%下落であれば4.167近辺となる。