2014年11月22日土曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月21日)

欧米株の上昇で新興国通貨も持ち直し機運が強まりつつあります。

 新興国通貨はマチマチの動き。ユーロの下落を受けて東欧通貨は対ドルで大きく下落。一方、BRL、RUBは米債利回りの低下もあって対ドルで大きく上昇した。

 BRLは対ドルで2.3%の上昇。USD/BRLは2.51台まで低下した。一部メディアはブラジル中銀のトンビニ総裁が第二次ルセフ政権下でも総裁職を続けると報じた。

 MXNは対ドルで0.3%の上昇。第3四半期のメキシコGDPは前年比2.2%増と市場予想を小幅下振れ。製造業は同3.2%増と前期から加速したが、非製造業は伸び悩みが目立った。

 RUBは対ドルで1.0%の上昇。10月のロシア実質賃金は前年比0.3%増と市場予想に反し前年割れを回避。前月分も同1.5%増と速報段階の同1.0%減から大きく上方修正された。同月同国の実質小売売上高は同1.7%増と市場予想を上回る伸び。ただ同月同国の失業率は5.1%と市場予想通り前月から悪化した。

※来週と再来週はブログの更新を休止する予定です。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月21日)

日本、ユーロ圏だけでなく、中国も利下げで金融緩和モードに突入。米国のテーパリング終了との違いがより鮮明になりました。来週も主要国の金融政策の違いが為替市場のテーマとなりそうです。

※チャート(11月21日まで)は中国の貸出金利(1年物)の推移。5.60%になるのは22日からです。

 11月21日のロンドン市場はECBドラギ発言を受けてユーロが下落した。ECBドラギ総裁は講演でユーロ圏の成長モメンタムは引き続き弱いと指摘。インフレ過度に低下しており、低インフレに迅速に対処するために資産購入を拡大する用意があると発言した。これを受けてユーロは売りが先行。ユーロドルは1.25ドル台前半から1週間ぶりとなる1.24ドル台前半に下落した。

 一方、ドル円は117円台後半から118円ちょうど近辺のレンジで方向感に欠ける動き。欧州株はECBドラギ総裁の発言を受けて上昇基調で推移したものの、日経平均株価は小幅高と伸び悩み。米債利回りも小幅上昇したことがドル円をサポートしたが、ここ数日の値動きと比べると、ドル円の上値の重さが目立った。

 安倍首相は、衆議院の解散後の記者会見で、この解散はアベノミクス解散だと発言。アベノミクスの継続の是非を問う考えを強調した。

 豪ドルは中国の利下げを受けて買いが先行した。中国人民銀行は貸出金利(1年物)を40bp引き下げ5.60%、預金金利(同)を25bp引き下げ2.75%とすると発表。利下げは2012年7月以来。同銀は声明で、景気に下振れの圧力があるなか、特に中小零細企業の資金調達コストが高止まりしている問題を解決することが安定成長にとって重要と指摘。ただ今回の利下げは、中立的な操作であり、穏健な金融政策という政策の方向性の変化を意味するものではないとした。豪ドル/ドルは中国利下げ発表後、0.86ドル台前半から0.87ドル台前半に急騰。その後、0.87ドルちょうど近
辺に反落したが、引けにかけては豪ドルは同水準で強含んだ。

 NY市場に入ってもユーロは売り優勢。ユーロドルは1.24ドル台前半から1.23ドル台後半に下落した。ECBは資産担保証券(ABS)の購入を本日開始したと発表。買い入れ状況は、毎週月曜日にウェブサイトで公表するとした。

 ドル円は取引中盤までに118円ちょうど近辺から117円台前半に下落。ロンドン市場で上昇していた米国債はNY市場に入ると一転して低下基調で推移。11月のカンザスシティ連銀製造業活動指数は+7と市場予想や前月を上回ったが、米債利回りは下げ止まらず、ドル円を下押しした。取引後半に入り、ドル円は118円ちょうど近辺まで反発したが、引けにかけては117円台後半での推移と上値は重いままだった。

 カナダドルはカナダCPIを受けて上昇。ドルカナダは1.12台後半からCPI発表後に1.12ちょうど近辺に下落。ただその後は、じり高の動きが続き、NY市場取引後半は1.12台前半での推移となった。10月のカナダCPIは前年比+2.4%と市場予想を大きく上回り、4カ月ぶりの高い伸び。カナダ中銀の利上げ期待を高めた。

 米景気の先行き期待は継続。一方で、日欧だけでなく中国も金融緩和姿勢を示したことで米国と他主要国との間の金融政策の方向性の違いはより明確となった。米債利回りの低位安定でドル買いの動きは盛り上がらなかったものの、世界的な株高もあって市場のリスク選好姿勢も続いている。来週も円、ユーロは売り優勢の動きとなりそうだ。

 来週は日本で10月のCPIや鉱工業生産が発表される。コアCPIは前年比+2.9%と鈍化傾向が続く見込みで、鉱工業生産は前年割れといずれも冴えない結果となる見込み。物価の弱さが目立つようだと日銀の追加緩和期待が早くも盛り上がるかもしれない。

 ユーロ圏では11月のドイツIFO企業景況感とCPI、ユーロ圏CPIが発表される。こちらも物価の弱さが目立つことでECB追加緩和期待が強まる可能性もある。

 一方、米国では第3四半期GDP(改定値)や10月の米耐久財受注が発表されるが、両者ともに底堅い結果が予想されている。米景気の先行き期待が大きく変わることはないだろう。

※来週と再来週はブログの更新を休止する予定です。

2014年11月21日金曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月20日)

この日発表された米経済指標は概ね好結果でしたがドル買いの動きは強まらず。少しずつですが新興国通貨を買い戻す動きがしっかりしつつあるようにも感じます。

 新興国通貨はRUB、ZARなどEMEA通貨を中心に対ドルで買い優勢の動き。米債利回りの伸び悩みもあって新興国通貨を買い戻す動きが優勢となった。

 TWDは対ドルで0.4%の下落。10月の台湾輸出受注は前年比13.4%増と市場予想に反し、前月から加速。第3四半期の同国経常収支は158億ドルの黒字と黒字額が前年越え。台湾のファンダメンタルズの強さが示された。

 MXNは対ドルで小幅下落。9月のメキシコ小売売上高は前年比4.5%増と市場予想に反し前月から加速。メキシコ景気の回復期待を強めた。

 ILSは対ドルで小幅上昇。9月のイスラエル製造業生産は前月比1.3%増と前月から鈍化。ただ2カ月連続のプラスは昨年10月以来でイスラエル景気の底打ち期待を強めた。

 TRYは対ドルで0.6%の上昇。トルコ中銀はレポレートなど主要3金利を市場予想通りすべて据え置き。同中銀は声明で融資の拡大ペースは合理的な水準にあると指摘。イールドカーブがフラットニングするまで金融政策は引き締めを維持されるべきとの考えを示した。

 PLNは対ドルで小幅上昇。10月のポーランド鉱工業生産販売は前年比1.6%増と前月から鈍化したが、前月比では3.5%増と前月の16.5%増後も増勢基調を継続。同月同国のPPIは前年比-1.2%と市場予想通りだったが、落ち込み幅は前月から縮小した。ポーランド中銀は会合議事録(11月5日開催分)を公表。同会合では100bp、50bp、25bpの利下げが主張されたがいずれも否決。メンバーの多くが足元の景気減速は一時的との見方を示した。

 ZARは対ドルで0.8%の上昇。南アフリカ中銀は市場予想通り政策金利を5.75%で据え置き。同中銀は今年の成長率見通しを従来の1.5%から1.4%に、来年を従来の2.9%から2.5%にそれぞれ下方修正した。ただ今年のインフレ見通しは6.1%と従来の6.2%から小幅下方修正され、同中銀はインフレは今年第2四半期にピークに達したとの見方を示した。

あるポータルサイトのニュース欄の見出しに「長すぎる社名、略称決まる」というのがありました。私の勤務先のことかと思いましたが、違うようです。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月20日)

ドル円はロンドン市場序盤に119円ちょうど近辺まで上昇。しかしNY市場が終わったころには118円ちょうど近辺。ドル円の値動きは半日で1円の値幅。こういう時こそ長めのトレンドを意識すべきかと思われます。

 11月20日のロンドン市場は円が買い戻される展開。ドル円は取引序盤につけた119円ちょうど近辺から118円台前半に下落した。欧州株、日経平均先物はともに小幅ながらマイナス圏での推移。米債利回りも低下基調での推移となるなど市場のリスク選好姿勢は後退。ドル円は円買い優勢の動きが続いた。

 一方、ユーロドルは取引序盤に1.25ドル台前半から1.25ドル台後半に上昇。しかし、11月のフランス製造業PMIは47.6、同月のドイツ製造業PMIは50.0とともに市場予想や前月を下回る期待外れの結果。ユーロドルは一転してユーロ売りが先行し、1.25ドルちょうど近辺まで下落した。ただ取引後半のユーロドルはじり高の動きとなり、引けにかけては1.25ドル台前半まで反発した。

 ポンドはじり高の動き。ポンドドルは1.56ドル台前半から1.56ドル台後半に上昇した。10月の英小売売上高は前年比4.3%増と市場予想を上回り、6カ月ぶりの高い伸び。ポンドをサポートした。

 NY市場は円買い優勢の動きとなった。10月の米CPIは前年比+1.7%と市場予想を上回り、コアCPIは同+1.8%と前月から加速。同時に発表された米新規失業保険申請件数は29.1万件と市場予想を上回る結果となったが、FOMC議事録でも指摘されたインフレ期待の低下懸念は後退。両指標発表後、ドル円は118円台前半で強含む動きとなったが、その後米債利回りが低下に転じたことで、ドル円は再び軟調な動き。取引中盤には117円台後半に下落した。その後発表された11月のフィラデルフィア連銀製造業指数は40.8と市場予想を大きく上回り、1993年12月以来の高水準を記録。同時に発表された10月の米中古住宅販売件数は526万戸とこちらも市場予想を上回り、昨年9月以来の高水準。両指標の好結果を受けて、米債利回りは上昇に転じ、ドル円は118円台前半に反発した。ただ、取引後半は米債利回り、米国株ともに方向感に乏しく推移。ドル円は118円ちょうど近辺に小幅下落するなど上値の重い動きとなった。

 一方、ユーロドルは取引序盤に1.25ドル台半ば近辺に小幅上昇したが、米CPIを受けて1.25ドル台前半に下落。取引中盤には一時1.25ドル台後半に反発したが、フィラデルフィア連銀製造業指数などの好結果を受けて再び1.25ドル台前半に下落。取引後半は1.25ドル台半ば近辺に反発したが、その後は伸び悩んだ。

 カナダドルは上昇。ドルカナダは1.13台前半から1.13ちょうど近辺に下落した。9月のカナダ卸売売上高は前月比1.8%増と市場予想を上回り、4カ月ぶりの高い伸び。ドルが軟調だったこともあり、ドルカナダは下落基調での推移が続いた。

 米経済指標は米景気の堅調が続いていることを示す内容。来年半ばとみられる利上げ観測をサポートした。ただ一方で円売りの動きはいったん後退。しかし円安期待は続いていると思われ、本日東京市場でも再び円売りの動きが強まる可能性もあると思われる。一方、ユーロはユーロ圏景気の底打ち期待の後退から上値が重くなる見込み。アジア通貨は米債利回りが伸び悩んだことから対ドルで買い戻しの動きが期待される。

2014年11月20日木曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月19日)

ブラジル・レアル(BRL)やロシア・ルーブル(RUB)が対ドルで上昇するなど、ファンダメンタルズの弱い通貨でも買われる動きが見られました。まだまだ慎重な見方を続けるべきでしょうが、新興国通貨売りの動きにも変化が出てきたのかもしれませんね。チャートはブラジル・レアル(BRL)の対ドルレートです。


 新興国通貨はBRLなど一部通貨を除き対ドルで下落。米FOMC議事録を受けて米債利回りはいったん低下したが、取引終盤にかけて反発。新興国通貨は軟調な推移が続いた。

 BRLは対ドルで0.4%の上昇。11月のブラジルIPCA-15は前年比+6.42%と市場予想を上回るペースで前月より鈍化。10月のブラジル失業率は4.7%と市場予想に反し前月から低下した。取引開始直後は下げて始まったBRLは緩やかながら上昇基調で推移。ブラジル現地メディアはブラジル中銀のトンビニ総裁が第二次ルセフ政権下でも同中銀総裁に留まると報じた。

 ZARは対ドルで0.2%の下落。10月の南アフリカCPIは前年比+5.9%と市場予想通りの伸び。コアCPIは同+5.7%と市場予想通りだったが前月から小幅加速。南アフリカのインフレ圧力の根強さが改めて示されたが、ZARの下値は堅かった。

 PLNは対ドルで小幅下落。10月のポーランド平均総賃金は前年比3.8%増と市場予想を上回る伸び。同月同国の雇用者数は同0.8%増と市場予想通り前月と同じ伸びに留まったが、ポーランド景気の回復期待は強まった。ポーランド中銀は同国予算計画に対し、来年の同国成長率が政府見通しの3.4%を下回る可能性があると指摘した。

 RUBは対ドルで0.3%の上昇。10月のロシア鉱工業生産は前年比+2.9%と市場予想や前月を上回る伸び。11月17日までの週次CPIは日次平均・前月比+0.039%と2週続けて鈍化した。

先ほど小腹がすいたので、忍者も食べていたという雑穀米をベースとした保存食を食べてみました。常温でも3年くらい持つというもの。ただ、あまりおいしくなかったです。私は(予想通りでしたが)忍者には向いていないようです。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月19日)

米FOMC議事録ではインフレ期待の低下を警戒する姿勢が示されたものの、海外景気の減速は限定的との見方も。ドル高を懸念するわけではないとの見方もあって、議事録公表後、ドルは底堅い動きを続けました。一方、円は引き続き売り優勢の様子。ドル円は118円台に乗せました。本日もドル円は下値の堅い動きとなりそうです。


 11月19日のロンドン市場は円が下落基調で推移。ドル円は117円台前半から117円台後半に上昇した。取引前半は米債利回りの上値が重くなったことでドル円も上値が抑えられる動きとなったが、中盤にかけて欧州株が上昇。米債利回りも上昇基調に転じ、ドル円は緩やかなペースで上昇した。ただ後半に入るとドル円は117円台後半で伸び悩んだ。

 ユーロドルは1.25ドル台前半で底堅い動き。9月のユーロ圏経常収支(季調値)は300億ユーロの黒字と統計開始以来最大を更新。同時に発表された同月のユーロ圏建設支出は前年比1.7%減と昨年10月以来の大きな落ち込みとなったが、前年割れだった前月分は同1.5%増に上方修正。ユーロ圏景気の底打ち期待がユーロをサポートした。

 ポンドはBOE議事録を受けて上昇。ポンドドルは議事録発表前に1.56ドル台前半から1.56ドルちょうど近辺に下落したが、議事録発表後に1.56ドル台後半に急上昇。取引後半もポンドは買いが先行し、取引終盤には一時1.57ドルちょうど近辺まで上昇。ただ引けにかけては1.56ドル台後半に小幅下落した。BOEは会合議事録(11月5、6日開催分)を公表。同会合では金融政策の現状維持を賛成7反対2で決定。多数派は、経済成長が想定以上に鈍化するリスクがあるとし、時期尚早に金融政策を引き締めれば経済が衝撃に対して脆弱なままとなるとの見方を示した。一方で、余剰能力の規模が想定よりも速く減少するリスクがあり、それによりインフレ率が上昇して2%の目標を上回る可能性があるとも指摘した。マカファティー、ウィール両委員は金融政策の現状維持に反対。経済状況が正当化するとして政策金利の25bpの引き上げを主張した。両委員の25bpの利上げ主張は4会合連続。

 NY市場はドル円が米FOMC議事録をこなし117円台後半で底堅く推移した。10月の米住宅着工件数は前月比2.8%減の101万戸と市場予想を小幅下振れ。ただ前月分は小幅上方修正された。同時に発表された同月同国の住宅建設許可件数は同4.8%増の108万件と2008年6月以来の高水準を記録。米住宅市場の拡大を受けて米債利回りは小幅上昇し、ドル円は117円台後半でじり高の動き。一方、ユーロドルは米住宅指標を受けて一時1.25ドル台後半に上昇したが、取引中盤には1.25ドル台前半に下落。ただ後半に入ると1.25ドル台半ば近辺に反発し、もみ合いとなった。

 日本時間早朝に発表されたFOMC議事録(10月28-29日開催分)によると、参加者の大半が景気見通しはほぼ均衡していると判断。参加者の多くは最近のエネルギー価格の下落は消費を加速させると分析し、ドル高が輸出に与える影響は緩やかとの見方を示した。また欧州、中国、日本で経済の下振れリスクが増しているが、米経済への影響は極めて限定的だろうとの見方を示した。また参加者の多くは、中長期のインフレ期待が下方向にシフトする可能性があることを示す兆候に引き続き注意を払うべきだと表明し、幾人かは、実際そうした事態が起きれば、経済成長が腰折れした場合に一層憂慮すべき状況になると指摘した。また参加者の数人は、事実上のゼロ金利政策が「相当の期間適切」とする声明の表現を削除すると、著しい政策姿勢の変化と受け取られるかもしれないとの懸念を表明した。

 FOMC議事録公表直後は、インフレ期待の低下を警戒する姿勢が示されたことで米債利回りが急低下。ドル円は一時117円台前半に下落する一方で、ユーロドルは1.26ドルちょうど近辺まで急上昇するなど大きな値動きとなった。しかし、その後、FOMCメンバーの大半は利上げに理解を示しているとの見方が強まり、米債利回りは反発。ドル円は117円台後半に反発後、じり高の動きとなり、取引終盤には2007年8月以来となる118円台を記録。引けにかけても118円ちょうど近辺での推移となった。一方、ユーロドルは1.25ドル台前半に下落した。

 米FOMC議事録では米国でのインフレ期待の低下を警戒する見方が示されたものの、海外景気の鈍化による影響は限定的とも指摘。来年半ばとみられる利上げ観測は続いたままでドルをサポートした。一方、円は解散・総選挙後も安倍政権が続くとの見方を織り込んだ様子で、円売りの動きが継続。本日東京市場でのドル円は、急ピッチな上昇に対する警戒感からボラティリティの大きい動きが続きそうだが、下値の堅い動きが続くと予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の底打ち期待から底堅い動きとなる見込み。アジア通貨は米債利回りが底堅い動きを示したことから、対ドルで軟調な推移が予想される。

2014年11月19日水曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月18日)

新興国通貨はようやく落ち着いた様子で、この日は買い戻し優勢でした。商品市況の下落でインフレ懸念は後退したこともあり、今後の注目ポイントは景気となりそうです。

 新興国通貨はCLPなど一部通貨を除き対ドルで上昇。商品市況はマチマチの動きとなったものの、欧米株の上昇で新興国通貨を買い戻す動きが強まった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.6%の上昇。インドネシア中銀は緊急会合を開き、政策金利を25bp引き上げ7.75%とすると発表。利上げは昨年11月以来。貸出ファシリティー金利は50bp引き上げられ8.00%となったが、翌日物預金ファシリティー金利は5.75%で据え置かれた。同中銀は声明で、利上げはインフレ期待を抑制するとともに、インフレ圧力が一時的なもので、制御できていることを確実にする狙いがあると説明。また経常赤字を持続可能な水準に圧縮する取り組みが進展したことと整合性がとれているとした。同中銀のワルジョ副総裁は、燃料価格引き上げはインフレ率を2.6%pt押し上げ、2014年末のインフレ率は7.9%になるとの見解を示した。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。BRLは上昇基調での推移となった。ただ、ブラジルFIPE消費者物価(週次)は前月比+0.53%と市場予想を上回る伸び。11月のブラジルCNI産業信頼感は44.8と統計開始以来最低を更新した。

 CLPは対ドルで0.5%の下落。第3四半期チリGDPは前年比0.8%増と市場予想を下回る弱い伸び。個人消費が前年比で5四半期連続で鈍化したほか、投資は5四半期連続の前年割れとなった。同時に発表された同期同国の経常収支は16.79億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回った。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置いた。

 ILSは対ドルで0.3%の下落。9月のイスラエルCPI予想は前年比+0.7%と2009年3月以来の低い伸び。同時に発表された10月の同国M1は前年比30.7%増と2010年2月以来の大きな伸びとなり、過去の利下げ効果が表れる格好となったが、イスラエルのディスインフレ懸念は続いた。

今年のクリスマスに、米国からのクリスマスツリー・アジア向け輸出が間に合わない可能性が出てきたそうです。米国の港湾で労働争議が発生し、作業が滞っているためとのこと。クリスマスツリーのご用意は早めがいいかもしれませんね。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月18日)

ドル円は117円ちょうど近辺と上昇基調は継続。ただアベノミクス関連の材料は出尽くした感も。米債利回りの伸び悩みも考えると、ドル円の上値追いは難しい気がします。

 11月18日のロンドン市場は安倍首相の記者会見前に下落していた円が記者会見後に買い戻されるなどドル円の値動きの大きさが目立った。一部メディアは安倍首相が自民党臨時役員会で消費税率の再引き上げの延期と衆院解散の意向を表明したと報道。これを受けてドル円は円売り優勢となり116円台後半から117円ちょうど近辺に上昇した。その後の記者会見で安倍首相は増税延期と衆院解散の意向を表明。するとドル円は一転して円買い戻しの動きが強まり、一時116円台前半とこの日の安値水準まで下落した。ただ取引後半には116円台後半に反発した。

 安倍晋三首相は18日夜、首相官邸で記者会見し、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げを1年半先送りし、21日に衆院解散に踏み切る意向を表明。衆院選は12月2日公示、14日投開票の日程となる。首相は消費税率の再引き上げを再び延期することはないとし、景気条項を付けずに確実に実施すると明言。軽減税率については自公両党間でしっかりと検討すると述べた。また来年1月召集の通常国会で、経済対策を含めた2014年度補正予算案を提出するとともに、2020年度の財政健全化目標の達成に向け、来夏までに具体的な計画を策定する考えを示した。

 ユーロドルは1.24ドル台後半から1.25ドル台前半に上昇。11月のドイツZEW景況感は11.5と11カ月ぶりに前月から上昇。ドイツ景気の持ち直しが好感され、ユーロドルはユーロ買い優勢の動きが続いた。

 ポンドドルは1.56ドル台後半で方向感に欠ける動き。10月の英CPIは前年比+1.3%と市場予想に反し前月から加速。しかしコアCPIは同+1.5%と市場予想に反し前月と同じ伸びに留まった。同時に発表された9月の同国住宅価格は前年比+12.1%と市場予想を上回り2007年7月以来の高い伸びを記録。ただBOE利上げ前倒し観測が強まることはなく、ポンド買いの動きは限定的だった。

 NY市場は取引中盤から円売り優勢の展開となった。10月の米PPIは前年比+1.8%と市場予想を上回り、コアPPIは同+1.8%と市場予想に反し前月から加速。しかし米債利回りは低下基調が強まり、ドル円は指標発表後に116円台前半に小幅下落した。ただ取引中盤に入ると米国株がプラス圏で推移したこともあって米債利回りも反発。11月の米NAHB住宅市場指数が58と市場予想を上回ったこともあってドル円は116円台後半に上昇した。取引後半に入ると米国株が上げ幅を広げる動き。ドル円は117円ちょうど近辺まで上昇した。

 一方、ユーロドルは1.25ドル台前半でのもみ合い。ECBプラート専務理事は一部英紙とのインタビューでECBは必要に応じて、非常に迅速に追加措置を導入できるよう用意を整えておきたいと発言。そのうえで、追加措置を検討している2委員会には非常に幅広い課題が課せられており、検討対象にタブーはないとし、いかなる措置も検討対象からはずされることはないと述べた。

 安倍首相が消費税率の再引き上げの延期と解散・総選挙を正式に表明したことで、アベノミクス期待を背景とした円売りの動きはいったん休止となったが、欧米株の上昇でドル円は堅調な動き。しかし米債利回りの上値は重いままで、本日東京市場のドル円は上値が抑えられやすい動きが予想される。なお本日は日銀が金融政策決定会合の結果を発表するが、追加緩和後、最初の会合ということもあって金融政策は現状維持となる見込み。黒田総裁の会見が注目される。ユーロはECB追加緩和観測を背景に軟調な推移の見込み。アジア通貨は本日もアジア各国で主だった経済指標の発表がないことから様子見姿勢が続くと思われる。

2014年11月18日火曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月17日)

この日はロシア・ルーブル(RUB)も落ち着いた動き。とはいえ、世界景気の軟調ぶりを反映してか、新興国通貨は冴えない動きが続いています。

 新興国通貨は対ドルで下落。ユーロと連れ安となる格好で東欧通貨が下落。米債利回りの上昇も新興国通貨の重石となった。

 BRLは対ドルで0.3%の下落。11月のブラジルIGP-10は前月比+0.82%と市場予想を上回る伸び。9月の同国経済活動指数は前年比+0.92%と市場予想を上回ったが伸びは低水準のままだった。11月16日までのブラジル貿易収支は15.51億ドルの赤字。ブラジル貿易収支の赤字基調が定着しつつあることが示された。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末までのUSD/BRL見通しが2.53と2週連続で上方修正された。

 PENは対ドルで小幅上昇。9月のペルー経済活動は前年比+2.7%と市場予想を上回る伸び。10月のペルー失業率は5.7%と市場予想通り前月から小幅上昇した。

 TRYは対ドルで小幅下落。8月のトルコ失業率は10.1%とほぼ市場予想通りで前月から上昇。6カ月ぶりに10%超となった。

 RUBは対ドルで0.2%の上昇。ロシアのプーチン大統領はドイツの一部メディアとのインタビューで、現代世界で自分たちの正義のために戦う人々は、いつでも武器を入手できると述べ、ウクライナ東部の親ロシア派勢力による武装を正当化。EU・外相理事会は、ウクライナ東部情勢の緊迫化を受けて、資産凍結など個人制裁の対象として、親ロシア派武装勢力幹部らをさらに加える方向で基本合意した。ただし、ロシアに対する新たな経済制裁は見送られた。

フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトがかぶっていた二角帽が競売にかけられ、韓国人が190万ユーロと予想された40万ユーロの約5倍の価格で落札したそうです。私がもっているNYヤンキースの野球帽も10万円くらいでいいから買っていただきたいものです。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月17日)

東京市場で大きく下げた米債利回りはNY市場で反発。とはいえ、ちょっと長い目で見れば、米債利回りの上値は抑えられたままであることもわかります。ドル買いの動きは強まりにくいままです。

 11月17日のロンドン市場は円売りの動きが再開。ドル円は115円台後半から116円台前半に上昇した。日経平均先物は甘利経済再生相が経済対策の可能性を示唆したことから底堅い動き。米債利回りは取引前半に上昇し、ドル円は緩やかな上昇基調で推移した。

 ユーロドルは1.25ドル台前半から1.25ドルちょうど近辺に下落。9月のユーロ圏貿易収支は177億ユーロの黒字と市場予想を上回る黒字額を記録。しかしドイツ連銀は月報で今年残りのドイツ経済は勢いに欠けると指摘。欧州株もマイナス圏で推移するなどユーロ圏景気の先行き不透明感は根強く、ユーロドルは上値の重い動きとなった。

 NY市場はドル買い優勢の動きとなった。FRBのパウエル理事は一部メディアとのインタビューで雇用創出の点で言えば、今年は1999年以降で最高の年となりそうだとし、利上げは2015年中、恐らく15年半ばにするのが理にかなっていると発言。来年半ばとされる米利上げ期待を継続させた。11月のNY連銀製造業景況指数は10.16と市場予想を下回ったが前月からは上昇。その後発表された10月の米鉱工業生産は前月比-0.1%と市場予想に反しマイナスとなり、同月同国の設備稼働率も78.9%と市場予想や前月を下回ったが、市場の反応は限定的。取引中盤にかけて米債利回りが上昇すると、ドル円は116円台前半から116円台半ば近辺に小幅上昇し、取引後半も同水準で底堅く推移した。

 一方、ユーロドルは1.25ドルちょうど近辺から1.24ドル台半ば近辺に下落。ECBドラギ総裁は欧州議会での証言でユーロ圏景気は抑制気味で推移しており、下方修正リスクが続いていると指摘。最近の措置で十分でないようならECBは行動するとし、追加の非伝統的措置には様々な資産の購入が含まれる可能性があり、その一つに国債が入ると言明した。

 カナダドルは下げ止まりの動き。ドルカナダは1.13台前半からNY市場後半には1.13ちょうど近辺に下落。しかし終盤にかけては、ドルカナダはドル買い優勢の動きとなった。10月のカナダ中古住宅販売件数は0.7%増と再びプラスの伸び。カナダ住宅市場の堅調ぶりが改めて示された。

 日本GDPの予想以上の悪化で米債利回りは東京市場で大きく低下したが、NY市場で低下分を取り戻す動き。ただ米債利回りは上値が抑えられる状態のまま。米国株も伸び悩んでおり、本日東京市場のドル円は、上値が抑えられやすい動きとなりそうだ。ユーロはECB追加緩和観測を背景に軟調な推移の見込み。アジア通貨はアジア各国で主だった経済指標の発表もないことから様子見姿勢が続くと予想される。

2014年11月17日月曜日

原油安でも大幅な改善は期待できないインドネシアの貿易収支

原油価格の下落でインドネシアのファンダメンタルズが改善するとの見方が一部に出ている。原油価格の下落が、インドネシアのインフレを抑制するほか、貿易赤字の縮小にもつながるとみられているからだろう。

インドネシアのジョコ・ウィドド新大統領は、大統領選の時から財政規律を維持しつつインフラ整備資金を捻出する目的で、燃料補助金の削減を実施する意向を提示。これにより、ガソリンを始めとする原油関連製品の価格は一気に上昇するとの懸念が続いていた。2005年10月、当時のインドネシア政府が燃料補助金の一部削減を実施したところ、ガソリン価格は前年比88%上昇となり、CPIは同17.9%の上昇を記録したこともある。

しかし、足元では原油価格が1バレル80ドル割れと、前年比20%近くの下落。これにより、仮に補助金が削減されてもインドネシアのインフレは以前に懸念されていたほど上昇しないとの見方が出ている。

IDR建ての原油価格の前年比とCPIの前年比の関係を見ると、両者の連動性は比較的高い。燃料補助金の削減の有無にかかわらず、原油価格の下落は、インドネシアのインフレ圧力の低下を促すと考えてよさそうだ。



一方で、原油価格と貿易収支の関係は、インフレよりもやや複雑だ。インドネシアは原油純輸入国であるから、原油価格の下落による原油需要増の効果を無視すれば、原油価格の下落はインドネシアの貿易赤字の縮小に貢献するはずである。燃料補助金の削減が実施されれば、原油価格下落が相殺され、インドネシア国内の原油販売価格が需要を刺激するほど下落することも考えにくい。

ただ原油価格の下落は、サウジアラビアの増産といった供給拡大要因だけでなく、中国やユーロ圏を始めとする世界主要国の景気減速による面もある。国際商品市況の代表的な指数とされるCRB指数は、今年5月に記録した500近辺から足元では450近辺と10%近く下落している。

インドネシアの輸出先をみると、景気が堅調な米国の割合は9%足らず(8.6%)で、割合が高いのは日本(14.8%)、中国(12.4%)、EU27(9.2%)、シンガポール(9.1%)と特定の国に偏っていない。米国以外の景気が低迷したままであることは、インドネシア輸出の低迷につながると予想される。

インドネシアの非原油輸出とCRB指数の関係を見ると、IDR建て原油価格とCPIの関係と同程度の連動性がある。このまま原油価格が下落しても、その背景が弱い需要にあるとすれば、インドネシアの貿易収支は市場が期待するほど改善せず、むしろ悪化につながる恐れもあると思われる。

消費税を5%に戻した方がよいのでは?なんて声も出てきそうな弱い日本景気

本日朝方発表された7-9月期のGDPは前期比0.4%減(前期比年率で1.6%減)と、年率2%程度のプラス成長を見込んでいた市場予想を大きく裏切り、2四半期連続のマイナス成長となりました。私も2%前後の成長は示すだろうとみていたので、他エコノミストの方々と同じように予想をはずしたことになります。



予想を大きく外した最大の要因は、民間在庫が大きく減少し、GDP全体を前期比で0.6%減も押し下げたことです。一般的には在庫は減った方がいいとされていますが、GDPの場合、在庫が減ったことは生産がそれだけ減ったことを意味しますので、GDP成長率を押し下げることになります。

民間在庫は、製造業での完成品在庫のほか、小売業や卸売業の流通在庫や製造業での仕掛品在庫などが対象となります。ただ今回発表された数値では、必要な統計がそろっていないことから流通在庫などは推計値が利用されています。今後、法人企業統計季報など必要な統計がそろった上で計算される二次速報値において、民間在庫が上方修正される可能性もあります。

ただ、仮に民間在庫が成長率に中立(前期比ゼロ)となったとしても、GDP成長率は前期比0.2%増(前期比年率0.8%増)と年率で1%に満たない成長となります。消費税率引き上げ後の反動減の反動で、7-9月期は年率2%程度は反発するだろうとの見方と比べれば、やはり弱い成長だったと言えます。

GDP成長率がここまで弱いのは、個人消費、住宅、設備投資という民間内需がそろって弱かったためです。個人消費は前期比1.5%増を記録しましたが、消費税率が引き上げられた直後の前期(4-6月期)が5.0%減だったことを考えれば、反発は非常に弱いものだったと言えます。

住宅は6.7%減、設備投資は前期比0.2%減、といずれも2四半期連続のマイナスです。この結果、個人消費、住宅、設備投資の全てを足し合わせた成長率は前期比ゼロとなり、消費税率の引き上げで落ち込んだ後、まったくといっていいほど回復していないことになります。

これだけ弱い成長だと10-12月期の成長も期待できない、ということになります。民間在庫は7-9月期に大きく減少したことから、多少は増加に転ずる可能性はあるものの、鉱工業生産でみる限り、製造業の在庫調整はまだまだ続く見込みで、場合によっては10-12月期も民間在庫が減少する可能性もあります。

個人消費や設備投資も楽観視できません。冬のボーナスは大企業中心に増加が見込まれているほか、日本株の上昇による資産効果も期待されますが、昨年の歳末商戦のような盛り上がりを期待するのは、現時点では難しそうです。日銀が10月末に追加緩和に踏み切ったことで円安・日本株高が進みましたが、その分、今後は物価も上昇する見込みで、個人消費が物価高によって実質では抑えられてしまう可能性もあります。また円安による原材料価格の上昇は企業の設備投資を慎重化させる恐れもあります。

よもやの2四半期連続のマイナス成長で安倍首相は2015年10月に予定されていた消費税率の再引き上げを延期するだろうとの見方が確実視されています。消費税率の再引き上げ延期で消費者マインドが改善するかもしれませんが、同じく確実視されている解散・総選挙もあって歳末商戦が盛り上がりに欠ける可能性も考えられます。

今年の日本景気は、消費税率の引き上げを機に低迷状態となり、そのまま力強い回復を示さないまま終わる、ということになりそうです。一部からは、解散・総選挙などせず、早期の補正予算の策定・執行を望む声も出てくるでしょうし、安倍政権も早期の補正予算の作成を検討するでしょう。ただ、建設業では人手不足を背景に現時点でさえ公共事業の着工の遅れが指摘されています。仮に補正予算が組まれたとしても、着工待ちの状態が続くだけですので、早期の景気押し上げ効果は期待できません。

早期の効果が期待できる景気対策、ということであれば、公共事業よりも低所得者層向けの補助金やバウチャーの支給といった消費に直結するものが有効でしょう。また、以前にも実施されましたが、エコカー減税の強化も候補の一つとなるでしょう。ただ、こんなことするくらいなら、消費税率を元の5%に戻した方がいいんじゃないか、といった声も出てきそうです。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年11月14日)

14日はドルが売られた割に中南米通貨が軟調な動きとなるなど、新興国通貨は方向感に欠ける動きとなりました。2回連続で上げ下げを繰り返していたロシア・ルーブル(RUB)は、続落となりました。おしい。



 新興国通貨は対ドルでマチマチ。ZARやPLNが上昇する一方、中南米通貨は軟調な動き。RUBは続落となった。

 BRLは対ドルで0.5%の下落。USD/BRLは一時2.63ちょうど近辺と2005年4月以来のBRL安水準に上昇した。9月のブラジル小売売上高は前年比0.5%増と市場予想を下回る伸び。BRLは取引前半に売り優勢となったが、中盤以降は買い戻し優勢となった。

 MXNは対ドルで0.5%の上昇。メキシコ中銀は会合議事録(11月1日開催分)を公表。政策金利据え置きの決定は全会一致。総需要からはインフレ圧力はみられないとの指摘がなされた。

 COPは対ドルで0.5%の下落。9月のコロンビア小売売上高は前年比8.7%増と市場予想に反し前月から加速。一方、同月同国の鉱工業生産は同+1.3%と市場予想を上回ったが、伸びそのものは弱かった。

 PENは対ドルで変わらず。ペルー中銀は市場予想通り政策金利を3.50%で据え置き。同中銀は声明で今回の決定は来年のインフレ見通し(2%)と整合的であると指摘。10月のインフレ加速は供給側の要因によるものとし、景気は依然として弱いとした。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。第3四半期のチェコGDPは前年比2.3%増と市場予想を下振れ。フィッチはチェコ成長率が2015~16年にかけて平均2.8%となるとの見通しを示した。

 HUFは対ドルで0.2%の上昇。9月のハンガリー経常収支は8.65億ユーロの黒字と前月から大きく増加。貿易・サービス収支の黒字が10.7億ユーロと急拡大したことが主因。その後発表された第3四半期の同国GDPは前年比3.2%増と市場予想を上回る伸び。ハンガリー景気の堅調ぶりが示された。

 PLNは対ドルで0.6%の上昇第3四半期のポーランドGDPは前年比3.3%増と市場予想を上回り、前期も同3.5%増に上方修正。10月のポーランド・コアCPIは前年比+0.2%と2006年10月以来の低い伸び。同月同国M3は同7.7%増と市場予想を下振れ。ポーランド中銀による追加利下げ観測を高める内容となった。

 ILSは対ドルで小幅下落。10月のイスラエルCPIは前月比+0.3%と市場予想を小幅上回る伸び。第3四半期の同国GDPは前期比年率0.4%減と2009年第1四半期以来のマイナス成長に。イスラエル景気の低迷ぶりが改めて示された。

NYに住む知人から、NYでは全裸ヨガが流行っているから、いずれドーナッツなどと同じように日本でも店舗が増える、とメールをいただきました。グローバル化ですね。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年11月14日)

先週末の米経済指標は好結果が続きましたが、NY市場中盤からはドル売りの動きに。ミシガン大消費者信頼感のインフレ期待が低下したためですが、ここまでカバーするのは難しいかもしれませんね。

●ミシガン大消費者マインド指数の推移
              
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                    11月   10月   9月   8月   7月   6月   5月   4月   3月
                    2014   2014   2014   2014   2014   2014   2014   2014   2014
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マインド指数        89.4   86.9   84.6   82.5   81.8   82.5   81.9   84.1   80.0
現在の景況感       103.0   98.3   98.9   99.8   97.4   96.6   94.5   98.7   95.7
先行の景況感        80.6   79.6   75.4   71.3   71.8   73.5   73.7   74.7   70.0
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インフレ期待 1年    2.6%   2.9%   3.0%   3.2%   3.3%   3.1%   3.3%   3.2%   3.2%
インフレ期待 5年    2.6%   2.8%   2.8%   2.9%   2.7%   2.9%   2.8%   2.9%   2.9%
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(注)1966年 = 100 

 11月14日のロンドン市場は円がじり安の動き。ドル円は116円台前半から116円台半ば近辺に緩やかな上昇基調で推移した。欧米株、日経平均先物はともに上値の重い動きとなり、米債利回りは動意薄。ただ安倍首相が週明け19日に消費税率再引き上げの延期と解散・総選挙を発表するとの見方を背景に円売りの動きは続いた。

 ユーロドルは取引前半に1.24ドル台前半から1.24ドル台後半に上昇。ただ後半には1.24ドル台半ば近辺での推移と上値は抑えられた。第3四半期のユーロ圏GDPは前年比0.8%増と市場予想を小幅上回る伸び。ただユーロ圏景気の先行きを慎重にみる見方は根強く、ユーロ買いの動きは限定的だった。

 ポンドも上値が抑えられる動き。ポンドドルは1.56ドル台後半での推移となった。9月の英建設支出は前年比3.5%増と市場予想を下回ったが、前月分は上方修正された。

 NY市場は米小売売上高を受けてドル買いの動きが強まったが、その後発表されたミシガン大消費者信頼感を機に一転してドル売り優勢となった。10月の米小売売上高は前月比0.3%増と市場予想を小幅上回る伸び。GDP算出に使用されるガソリンなどを除く売上高は同0.5%増と大きな伸びとなり、マイナスだった前月分も横ばいに上方修正された。米景気の堅調持続が確認されたことで、ドル買いが先行。NY市場序盤に116円台前半に下押しされたドル円は116円台後半に上昇する一方、ユーロドルは1.24ドルちょうど近辺に下落した。

 その後発表された11月のミシガン大消費者信頼感は89.4と市場予想を大きく上回り2007年7月以来の高水準を記録。セントルイス連銀のブラード総裁は米政策金利が来年上昇する可能性は高いと言明。低インフレの効果はゼロ金利制約の中にとどまることを正当化するほど大きくはないとも述べ、利上げに前向きな姿勢を示した。

 ただ、米債市場ではミシガン大消費者信頼感のサブ指数であるインフレ期待の低下が注目され、発表後、一転して買いが先行する動き。米債利回りの低下を受けてドル円は116円台前半に下落。その後、いったんは116円台後半に反発する場面もあったが、取引後半には再び116円台前半に下落した。一方、ユーロドルは取引中盤に1.24ドル台後半に上昇。取引後半には1.25ドル台前半と一段高となった。

 カナダドルは上昇基調で推移。ドルカナダは1.13台後半から1.12台後半に下落した。9月のカナダ製造業売上高は前月比2.1%増と市場予想を上回る伸び。米下院はカナダとテキサス州を結ぶパイプライン「キーストーンXL」の建設を承認する法案を252対161の賛成多数で可決。カナダドル買いの動きを後押しした。

 週明けの為替市場はドル売り・円売りの展開。ドル円は116円台半ばでの推移。一方、ユーロドルは1.25ドル台前半で先週末終値より小幅上昇での推移となった。オーストラリアで開催されていたG20では、参加国が成長戦略を実行すれば、G20全体のGDPを2018年までに2.1%引き上げられると明記。また同宣言では、世界経済の現状について幾つかの主要国で成長がより強固になっている一方で、世界的な回復は鈍く、ばらつきがあり、必要な雇用を生んでいないと指摘。成長率の引き上げや雇用創出には、世界的な投資及びインフラの不足への対処が極めて重要とした。

 先週末に発表された米経済指標は好結果が相次いだが、米国債需要は根強く、米債利回りは低下。日本の解散総選挙ネタもかなり織り込まれた様子で、日経平均先物も上値が重いまま。本日東京市場のドル円は、朝方発表される日本GDPの結果次第とはいえ、上値追いの動きは期待しにくい。一方、ユーロはユーロ圏景気の底打ち感がユーロの下支え要因となるだろうが、ECB追加緩和観測は根強く、上値追いの動きは限定的の見込み。アジア通貨は様子見姿勢が強まると予想される。