2017年2月17日金曜日

マーク・ファーバーのコメント(2017年2月)

今回も
マーク・ファーバー博士の月刊マーケットレポート
の内容を一部ご紹介します。
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=9933&c=2011281600009


年初(年末)になると「今年(来年)はこうなる」といった予測がメディアで賑います。


しかし“専門家”の経済予測は多くが占いに近く、また“的中”といっても宝くじ的な事象にすぎず、惨憺たる成績で終わるのが普通だそうです。


ただ、博士はそうした専門家(自分を含め)よりもひどい人たちがおり、それが「エコノミスト(経済学者・経済研究者)」だといいます。


現代経済学が「有り得ない(現実にそぐわない)条件を前提にした意味不明な数学」と化しており、心理学、哲学、歴史学、政治学などの幅広い知識・視点に欠けているからという指摘です。


しかし、予測そのものは愚行でも不要でもなく、そこに求められる姿勢が重要であり、それはするほうにも聞くほうにも求められる、と博士は説いています。

そうでなければ、何も知らないほうがマシだ
ということでしょう。


さて、投資方針では、不動産、債券・現金(通貨)、株式、コモディティ(貴金属)のポートフォリオの内容について具体例を出しながら組み入れた理由について説明しています。


また、博士が目先または長期的に有望とみている分野、心しておきたいサプライズについても言及しています。


そして、レポートの最後は『ダウの犬投資法』で知られるマイケル・オヒギンズ氏の寄稿です。

氏の2016年MOARポートフォリオは中長期米国債に30%の配分をしているにもかかわらず手数料抜き後トータルリターンで12.99%を上げておりS&P500の11.95%を上回っています。


その中核となるのが「世界の犬」です。「ダウの犬」のアイデアを世界市場に広げたこの戦略は昨年の注目として挙げたロシアとブラジルが見事に的中し、分配金を含めプラス24.66%のリターンを上げました。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年2月16日)



 2月16日のロンドン市場は取引前半にドルが下落。ただ、その後は方向感に欠ける動きとなった。

 ドル円は取引前半に114円ちょうどから113円台後半に下落。米債利回りは小動きが続いたが、前日終値付近で始まったドイツ株はマイナス圏に下落。ドル円を下押しした。ただ、その後のドル円は113円台後半で小動き。取引終盤にFRBフィッシャー副議長は一部米系TVのインタビューで発言。同副議長は米国のインフレは2%目標に向けた動きとなっているが、経済は妥当なペースで成長していくと予想されると述べた。

 ユーロドルは取引序盤に1.06ドルちょうどに小幅低下。しかしドル円の下落に伴い1.06ドル台前半に上昇した。ただ、この日はユーロ圏主要国で主な経済指標の発表もなく材料難。取引中盤以降のユーロドルは1.06ドル台前半で動意に乏しく推移した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年2月16日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチだった。

 CNYは対ドルで0.3%の上昇。
1月の中国海外直接投資は前年比9.2%減と市場予想に反し6カ月ぶりの前年割れだった。

 MYRは対ドルで小幅下落。
第4四半期のマレーシアGDPは前年比4.5%増と市場予想を小幅上振れ。同時に発表された同期同国の経常収支は122億リンギットの黒字と黒字額が市場予想を上回り、2014年第2四半期以来の高水準に拡大した。

 IDRはBloombergによると対ドルでほぼ変わらず。
インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を4.75%で据え置き。同中銀は声明でインドネシア景気は安定感を増していると指摘。今年のインフレ目標は達成される地震があるとの認識を示した。また金融政策姿勢を変えることは依然として難しく、金融緩和の余地はさほど大きくないとも指摘した。1月のインドネシア貿易収支は14.0億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上回った。

 BRLは対ドルで1.1%の下落。
12月のブラジル経済活動指数は前年比-1.82%と市場予想を下回った。

 ILSは対ドルで0.5%の上昇。
第4四半期のイスラエルGDPは前期比年率6.2%増と市場予想を大きく上回り、 2010年第1四半期以来の高い伸びを記録した。

 TRYは対ドルでほぼ変わらず。
2月10日までの週のトルコ非居住者によるトルコ債投資は2.6億ドルの売り越しだった。

 RUBは対ドルで0.5%の下落。
2月10日のロシア金・外貨準備高は3936億ドルと前週から減少した。

 PLNは対ドルで0.6%の上昇。
1月のポーランド雇用は前年比4.5%増と2008年7月以来の高い伸び。同月同国の平均総賃金は同4.3%増と市場予想通りで5カ月ぶりの高い伸びに加速した。

 ZARは対ドルで0.8%の下落。
S&Pアナリストは南アフリカは格付けが投機的水準に格下げされることを望まないのであれば、歳出コントロールをより強くする必要があると指摘した。

本日の東京地方の最高気温は19度くらいの見込みとのこと。飛散する花粉の量も増えそうです。

本日もよろしくお願いいたします。

2017年2月16日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年2月15日)

 2月15日のロンドン市場はドルが対欧州通貨を中心に底堅く推移した。

 ドル円は取引序盤に114円台前半から114円台半ばに小幅上昇。その後は同水準で小動きが続いた。ドイツ株は上げて始まったが、その後は上げ幅を緩やかに縮める動き。東京市場で上値が重かった米債利回りは、ロンドン市場に入ると下げ止まりからじり高の動きに転じ、ドル円を下支えした。

 ユーロドルは1.05ドル台後半から1.05ドル台半ば近辺に下落基調で推移。12月のユーロ圏貿易収支(季調値)は245億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を上回り、過去最高を記録した4月以来の高水準に拡大。しかし一部メディアは、来週20日のユーロ圏財務相会合に向けたギリシャ支援に関する協議が依然として合意にいたっていないと報道。ユーロの重石となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年2月15日)

 新興国通貨は対ドルで底堅く推移した。

 KRWは対ドルで0.4%の下落。
1月の韓国失業率は3.6%と市場予想や前月を上回った。マレーシアの現地メディアは、北朝鮮の金正恩委員長の兄・金正男氏が13日、マレーシアで死亡したと報じた。また一部報道は、正男氏を殺害したとされる女性2人も死亡しているとの情報があると報じたが、マレーシア警察当局は正男氏殺害に関与した疑いのある女性の身柄を拘束したと発表した。

 SGDは対ドルで小幅上昇。
12月のシンガポール小売売上高は前年比0.4%増と市場予想を下振れ。前月分も下方修正された。

 PHPは対ドルで小幅下落。
12月のフィリピン海外労働者送金は前年比3.6%増と市場予想に反し前年越えを維持した。

 INRは対ドルで変わらず。
1月のインド貿易収支は98.4億ドルの赤字と赤字額が前年同月比28.4%増に拡大。輸入が前年比10.7%増とに急増したことが響いた。

 BRLは対ドルで0.9%の上昇。
2月のブラジルIGP-10は前月比+0.14%と市場予想を下振れ。12月のブラジルIBGEサービス部門売上高は前年比5.7%減と市場予想を上回る減少となった。

 CLPは対ドルで0.4%の上昇。
チリ中銀は政策金利を3.25%で据え置くと発表。同中銀は声明で金融政策による景気刺激が短期的に必要になるだろうと指摘。今後の追加利下げの可能性に含みを持たせた。

 COPは対ドルで0.2%の上昇。
1月のコロンビア消費者信頼感は-30.2と市場予想を大きく下回り、2002年の統計開始以来の最低を更新した。

 PENは対ドルで0.4%の上昇。
1月のペルー失業率は7.2%と市場予想を上回り、10カ月ぶりの高水準。12月のペルー経済活動指数は前年比+3.3%と市場予想や前月を小幅上回る伸びとなった。

 TRYは対ドルで0.2%の下落。
11月のトルコ失業率は12.1%と前月から悪化。1月の同国財政収支は114.3億リラの黒字と2006年の統計開始以来最大の黒字額を記録した。

 ZARは対ドルで1.4%の上昇。
1月の南アフリカCPIは前年比+6.6%と市場予想を小幅下振れ。コアCPIは同+5.5%と、こちらも市場予想を下回り、4カ月ぶりの低い伸びに鈍化した。一方、12月の同国小売売上高は前年比0.9%増と市場予想を下回った。

 RUBは対ドルで0.3%の下落。
2月13日のロシアCPIは前週比横ばいに鈍化した。

 ILSは対ドルで0.2%の上昇。USD/ILSは一時3.73台半ばと昨年5月以来のILS高水準を記録した。
1月のイスラエルCPIは前年比+0.1%と2014年7月以来の前年越えを記録した。

本日の東京地方は最高気温が15度くらいまで上昇する見込みだそうです。服装選びが難しいですね。

本日もよろしくお願いいたします。

2017年2月15日水曜日

ドル安・円高誘導ではなく米貿易赤字の削減を目指すトランプ米大統領

 2016年の日本の経常収支は20.6兆円の黒字と、黒字額が前年から4.2兆円増加し、2007年以来(8年ぶり)の高水準に達した。内訳をみると、第一次所得収支が18.1兆円の黒字と黒字額が前年から2.5兆円減少したが、貿易収支が5.6兆円の黒字と前年の0.6兆円の赤字から6年ぶりに黒字へ転換。サービス収支黒字も前年から0.7兆円増加し、経常収支黒字を押し上げた。

 経常収支黒字の多くは米国との取引によるものである。昨年の地域別の経常収支は、原稿執筆時点で9月末までしか公表されていないが、経常収支黒字の57%が米国との取引によるもの。アジアとの取引による黒字は全体の38%、欧州は15%と米国に比べ少ない。

 通関統計ベースの貿易収支をみると、日本の貿易黒字における米国への依存度の高さが目立つ。2016年の日本の貿易黒字は4.1兆円だが、対米黒字は6.8兆円と、全体の黒字額を上回っている。一方で、対アジアの貿易黒字は3.9兆円にとどまり、対EUでは0.2兆円とわずかではあるが赤字である。

 トランプ米大統領は、これまで幾度となく米貿易赤字の問題を指摘している。たとえば、大統領就任前の記者会見では、米国の貿易協定は惨事であると指摘。中国、メキシコ、日本を名指しし、米貿易赤字の削減を目指す方針を表明した。2月10日に開催された日米首脳会談では、麻生副総理とペンス米副大統領をトップとする経済対話を新設し、日米間の貿易に関する枠組みを議論することが決まった。トランプ米大統領の発言については、様々な解釈がなされているものの、同大統領は米貿易赤字の削減を目指す意向が強いとみていいだろう。

 このためか一部からは、トランプ大統領が米国の対日貿易赤字削減策としてドル安・円高誘導を試みるとの見方が示されている。たしかに同大統領は1月末、米製薬会社幹部との会合で、中国や日本が市場で何年も通貨安誘導を繰り広げていると日本を名指しで批判。米貿易赤字に関し、(中国や日本を念頭に)他国は資金供給と通貨安誘導で有利な立場にあると発言している。

 しかし、これを根拠に、ドル円相場がドル安・円高(下落)方向に向かうと主張するのは無理があるように思える。当局の意向が為替市場に影響を与えることは否定しないが、為替市場参加者の多様性や取引高の拡大を背景に、近年の為替市場は当局の意向通りに動かなくなっている。中国当局は巨額の元買い介入を数年にわたり続けているが、人民元安に歯止めがかかっていないのはわかりやすい一例である。

 昨日(2月14日)のFRBイエレン議長の議会証言でも改めて示されたように、FRBは利上げを中心とする金融政策の正常化を目指す意向が強い。米景気は堅調地合いを強めており、アトランタ連銀の経済モデル「GDPナウ」は、第1四半期の米成長率が2.7%と、前期(1.9%増)から加速すると予想している。1月の製造業PMIをみても、米国だけでなく、日本、ユーロ圏、英国など先進各国はいずれも改善方向で推移しており、株式市場は世界的に買い優勢の展開が続いている。こうした状況では、ドルを大きく売り越すことが難しいだけでなく、いわゆるリスクオフを主因とした円買いの動きを期待することも難しい。

 過去の言動から考えれば、トランプ大統領は、今後もSNSなどを通じ、円安を批判する発言を繰り返すとみたほうが自然だろう。しかし、その目的は、ドル円相場をドル安・円高方向に誘導することではなく、円安批判を通じ日本政府に圧力をかけ、両国政府主導で米国の対日貿易赤字を縮小することにあるとみるべきだ。トランプ米大統領は、ドル安・円高を通じて時間をかけることなく、より直接的かつ高圧的な手法で、日本政府の協力を引き出すことで、米国の対日貿易赤字の削減を目指しているように思える。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年2月14日)



 2月14日のロンドン市場は円が底堅く推移する一方、ユーロは方向感に欠ける動きとなった。

 ドル円は取引前半に113円台前半から113円台半ば近辺に小幅上昇。ロンドン市場に入り、米債利回りは上昇基調で推移。ドイツ株は前日終値付近で小動きとなったが、ドル円は円を売り戻す動きとなった。しかし、取引中盤に入り米債利回りが上昇一服となると、ドル円も113円台半ば近辺で伸び悩み。後半に入り米債利回りが小幅低下すると、ドル円は113円台前半とロンドン市場序盤の水準に反落した。

 ユーロドルは1.06ドル台前半での推移。第4四半期のドイツGDPは前年比1.7%増と市場予想を小幅下回り、同期のユーロ圏GDP(確報値)も同1.7%増と速報値から小幅下方修正。12月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+2.0%と市場予想を上回ったが、2月のドイツZEW景況感指数は10.4と市場予想を下振れ。ユーロの重石となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年2月14日)

 新興国通貨は東欧通貨が対ドルで下落した一方で、他は底堅く推移した。

 CNYは対ドルで0.2%の上昇。
1月の中国CPIは前年比+2.5%と市場予想を上回り、2014年5月以来の高い伸び。同月同国のPPIは同+6.9%と、こちらも市場予想を上回り、2011年8月以来の高い伸びに加速した。1月の中国資金調達総額は2兆300億元と市場予想を下回った。

 INRは対ドルで小幅上昇。
1月のインドWPIは前年比+5.25%と市場予想を大きく上回り、2014年7月以来の高い伸びに加速した。

 BRLは対ドルで0.8%の上昇。
12月のブラジル小売売上高は前年比4.9%減と市場予想を上回る落ち込みとなった。

 COPは対ドルで小幅下落。
12月のコロンビア小売売上高は前年比6.2%増、同月同国の鉱工業生産は同+2.2%と、いずれも市場予想を上回った。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。
12月のトルコ経常収支は42.7億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回ったが、前年同月比では15.6%増だった。

 HUFは対ドルで小幅下落。
1月のハンガリーCPIは前年比+2.3%と市場予想を上回り、20113年2月以来の高い伸びに加速。第4四半期のハンガリーGDPは前年比1.6%増と市場予想を下回り、2期連続の鈍化となった。

 CZKは対ドルで0.2%の下落。
第4四半期のチェコGDPは前年比1.7%増と市場予想に反し前期から鈍化した。

 PLNは対ドルで小幅下落。
第4四半期のポーランドGDPは前年比2.7%増と市場予想に反し前期から加速。一方、1月の同国M3は同8.5%増と市場予想を下回った。

 ZARは対ドルで1.6%の上昇。
第4四半期の南アフリカ失業率は26.5%と市場予想や前期から低下した。

早世した漫画家・ちばあきお氏の野球漫画「キャプテン」と「プレイボール」が別の漫画家によって再開される
ことになったそうです。38年ぶりの復活を喜びたいと思います。

本日もよろしくお願いいたします。

2017年2月14日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年2月13日)



 2月13日のロンドン市場は取引前半にドルの上値がやや重くなったが、中盤以降は動意に欠ける展開となった。

 ドル円は取引前半に113円台後半から113円台半ば近辺に下落。ドイツ株は上げて始まり、その後もじり高の動き。しかし米債利回りがロンドン市場に入り小幅低下。ドル円を下押しした。しかし取引中盤に入り米債利回りが上昇に転ずると、ドル円は113円台後半に反発。ドイツ株は上げ幅を広げたが、取引後半のドル円は113円台後半で方向感に欠ける動きとなった。

 安倍首相は日本のBS番組でトランプ米大統領との会談で自動車産業について発言がなかったと述べ、為替については財務相に任せることで了解を得たと語った。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年2月13日)

 新興国通貨は対ドルで小動き。東欧通貨が軟調な一方、TRY、RUBは対ドルで上昇した。

 INRは対ドルで0.2%の下落。
1月のインドCPIは前年比+3.17%と市場予想を小幅下回り、2012年の統計開始以来最低の伸びを更新した。

 BRLは対ドルで0.2%の上昇。
ブラジル中銀の週次エコノミストサーベイでは今年末のインフレ見通しが下方修正。USD/BRL見通しも3.36に下方修正された。2月12日までのブラジル貿易収支は11.7億ドルの黒字と黒字拡大ペースが前月並みだった。

 MXNは対ドルで小幅上昇。
1月のメキシコANTAD既存店売上高は前年比4.1%増と5カ月ぶりの低い伸びに鈍化した。

 CZKは対ドルで0.3%の下落。
12月のチェコ経常収支は221.1億コルナの赤字と市場予想に反し大幅な赤字となった。

 PLNは対ドルで0.7%の下落。
12月のポーランド経常収支は5.33億ユーロの赤字と赤字額が市場予想を下回り、前月分の赤字も下方修正。1月の同国CPIは前年比+1.8%と市場予想を上回り、2012年12月以来の高い伸びに加速した。

 ILSは対ドルで小幅下落。
1月のイスラエル貿易収支は8.5億ドルの赤字と赤字額が前年同月比65.3%増となった。

チョコレートよりも饅頭のほうが私は好きです。よろしくお願いいたします。

本日もよろしくお願いいたします。

2017年2月13日月曜日

対ドルで50を大きく突破することも想定すべきフィリピン・ペソ(PHP)

 昨年11月下旬からフィリピン・ペソ(PHP)が対ドルで軟調な動きを続けている。昨年11月初めに対ドルで48.5近辺で推移していたPHPは、下落基調で推移し、11月24日は50の大台を8年ぶりに突破。その後、PHPは持ち直し、12月8日には49.5台まで上昇したが、12月15日には再び50を突破。しかし、そこでPHPは下げ渋り。今年に入り、PHPは買い戻しの動きが続き、1月6日には49.3台まで上昇したが、16日には50を再び突破。しかし、そこでPHPは再び下げ渋り、2月6日には49.5台まで上昇したが、先週末は50ちょうど近辺まで下落。整理すると、PHPは50ちょうど近辺まで下げるものの、そこで下げ渋り、やや買い戻されるが、しばらくすると再び50ちょうどを目指す動きを続けていることになる。

 新興国通貨は今年に入り対ドルで買い優勢の展開。2月に入ると、売られる通貨も出てきたが、それでも対ドルの年初来パフォーマンス(先週末時点)は、ほとんどの新興国通貨が対ドルで上昇している。そうしたなか年初来で下落している新興国通貨は、PHP(0.3%の下落)、トルコリラ(TRY、4.7%の下落)、アイスランドクローナ(ISK、0.3%の下落)の3通貨のみ。TRYは地政学的リスクの高まりやファンダメンタルズの悪化が目立っており例外的な存在。ISKは昨年(2016年)対ドルで14.6%も上昇しており、昨年11月の米大統領選後も高止まったままである。一方、PHPの昨年の対ドルパフォーマンスは5.1%の下落であり、PHPの軟調ぶりが目立つ。

 PHPが軟調に推移する背景の一つにフィリピンの対外収支の悪化がある。昨年のフィリピン貿易収支は249.3億ドルの赤字と、赤字額が昨年から2倍に膨らみ、現行統計が始まった1980年以降、最大を記録。国際収支バランスは2015年に26.2億ドルの黒字から、昨年は4.2億ドルの赤字に転じた。フィリピンの輸入は、同国景気が堅調ということもあり、拡大基調が続く見込み。このためフィリピンの対外収支が、短期間に大きく改善するとは考えにくい。

 フィリピン中銀が利上げに消極的な姿勢にあることもPHPの重石となっている。同中銀は9日、政策金利を3.00%に据え置き。声明ではインフレリスクが高まっていると指摘したものの、世界経済の先行き不透明感もあるため現在の金融政策が適切であると指摘。同中銀が発表したインフレ見通しでは、今年が3.5%、来年が3.1%と、インフレは同中銀が設定する目標レンジ(+2.0%~+4.0%)の範囲内に収まるとの見方を示している。1月のフィリピンCPIは前年比+2.7%、コアCPIは同+2.5%と、いずれも3%を下回ったままということもあり、フィリピン中銀が早期に利上げに動くとは期待しにくい。

 フィリピンの外貨準備が減少基調にあることも注意が必要だ。昨年11月末のフィリピン外貨準備は814.5億ドルと、先月(10月)から3.7億ドルも減少。上述したように、11月のPHPは、対ドルで50ちょうど近辺まで下落しており、フィリピン当局がPHP下落を受けて、PHP買い介入に踏み切ったと考えられる。

 フィリピン当局によるPHP買い介入は12月も続けられた模様で、同月のフィリピン外貨準備は806.9億ドルと、輸入金額4.0カ月、対外債務の1.05倍に縮小した。一般に外貨準備は、少なくとも輸入代金の3カ月分や、対外債務と同額程度は必要と言われており、フィリピンの外貨準備の減少が今後も続けば、PHPの脆弱性を指摘する声も増えると予想される。

 ドル相場次第の面はあるものの、フィリピンの対外収支の悪化が続き、フィリピン中銀が利上げに消極的で、外貨準備の水準が低くなった以上、PHPが対ドルで50を大きく突破することは十分にあり得る。USD/PHPの上の節目は、2005年7月の高値(56.44近辺)から2008年2月の安値(40.25近辺)の61.8%戻し水準である50.26近辺と、76.4%戻し水準である52.63近辺とみられる。

 


2017年2月12日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年2月10日)



 2月10日のロンドン市場はユーロとポンドが小幅下落する一方、円は買い優勢の展開となった。

 ユーロドルは取引前半に1.06ドル台後半から1.06ドル台半ば手前に小幅下落。しかし、その後は1.06ドル台半ば手前水準でもみ合いを続けた。12月のイタリア鉱工業生産は前年比+6.6%と、市場予想を大きく上回る伸びを記録したが材料視されず。ユーロは様子見姿勢が続いた。ただ終盤にユーロドルは1.06ドル台前半に下落し、ユーロの上値の重さが目立った。

 ポンドドルは取引前半に1.25ドルちょうど近辺から1.24ドル台後半に下落。12月の英貿易収支は33.04億ポンドの赤字とほぼ市場予想通りの結果となったが、前月の赤字は下方修正。同時に発表された同月同国の鉱工業生産は前年比+4.3%、建設支出は同1.8%増といずれも市場予想を上回り、英景気の底堅さを印象付けた。英経済指標の結果を受けてポンドドルは1.25ドルちょうど近辺に上昇。ただポンド買いの動きは続かず、取引後半のポンドはじり安の動き。終盤には1.24ドル台半ばに下落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年2月10日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨がやや軟調だった一方で、原油先物価格の上昇を背景にRUB、CLPなど資源国通貨が上昇した。

 PHPは対ドルで変わらず。
12月のフィリピン貿易収支は25.6億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上振れ。輸入が前年比19.1%増と市場予想を大きく上回ったことが響いた。

 CNYは対ドルで小幅下落。
1月の中国貿易収支は513.5億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上回り、1年ぶりの高水準を記録したが、前年比9.6%減だった。

 MYRは対ドルで小幅下落。
12月のマレーシア鉱工業生産は前年比+4.7%と市場予想を小幅上回ったが、前月からは鈍化した。

 INRも対ドルで小幅下落。
12月のインド鉱工業生産は前年比-0.4%と市場予想を下回り、2カ月ぶりの前年割れとなった。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅下落。
第4四半期のインドネシア経常収支は18.0億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回り、黒字を最後に記録した2011年第3四半期以降、もっとも少ない赤字となった。

 BRLは対ドルで0.4%の上昇。
2月7日のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.18%と市場予想を下回り、3週連続で鈍化した。

 MXNは対ドルで変わらず。
12月のメキシコ鉱工業生産は前年比-0.6%と市場予想を小幅下振れ。1月のメキシコ名目賃金は前年比4.1%増と上方修正された前月とほぼ同じ伸びだった。

 COPは対ドルで0.2%の上昇。
コロンビア中銀は会合議事録(1月28日結果発表分)を公表。コロンビア景気は当初の期待より弱いと指摘。インフレの大幅な上振れがなければ利下げが続けられるとの見方が示された。

 PENは対ドルで0.4%の上昇。
ペルー中銀は市場予想通り政策金利を4.25%で据え置き。同中銀は声明で金利据え置きはインフレが当初の見込み通りに推移しているためと指摘。1月の景況感は適度な水準であるとも指摘し、当面、政策金利を据え置く意向を示唆した。12月のペルー貿易収支は9.96億ドルの黒字と、ほぼ市場予想通りで、5年ぶりの大幅な黒字を記録した。

 CZKは対ドルで小幅下落。
1月のチェコCPIは前年比+2.2%と市場予想を上回り、2012年12月以来の高い伸びに加速した。

 RUBは対ドルで1.2%の上昇。
12月のロシア貿易収支は118億ドルの黒字と、黒字額が市場予想を上回り、2015年6月以来の高水準に拡大した。

よい日曜日をお過ごしください。