2016年1月16日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月15日)

 1月15日のロンドン市場は市場のリスク回避姿勢の強まりを背景にドルが対円、対ユーロで下落した。ドル円は117円台後半から117円台前半に下落。欧州株や日経平均先物は取引序盤から下落基調で推移。取引中盤に入る頃には原油先物価格(WTI)が30ドルを割れ。米債利回りも下げ足が強まり、ドル円はじり安の動きとなった。

 ユーロドルは取引中盤までに1.08ドル台後半から1.09ドルちょうど近辺に上昇。11月のユーロ圏貿易収支(季調値)は227億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を上回り、過去最高を記録した2月以来の高水準。ただユーロ買いの反応は乏しく、取引後半のユーロドルは1.09ドルちょうど近辺での小動きとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月15日)

 新興国通貨は一部東欧通貨を除き対ドルで下落。原油安を背景に資源国通貨の下げが目立った。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅上昇。12月のインドネシア貿易収支は2.36億ドルの赤字と市場予想に反し2カ月連続の赤字。輸出、輸入ともに減少幅は市場予想を下回ったが、輸入の落ち込みの方が小さかった。12月の同国二輪車販売は前年比4.7%減と2カ月連続の前年割れ。同月同国の自動車販売は同7.0%減と16カ月連続の前年割れとなった。

 SGDは対ドルで0.3%の下落。11月のシンガポール小売売上高は前年比4.7%増と市場予想を上振れ。ただ自動車を除くコア売上高は同2.0%減と市場予想を上回る落ち込みとなった。

 PHPは対ドルで0.2%の下落。11月のフィリピン海外労働者送金は前年比3.2%増と小幅ながら市場予想を下振れた。

 CLPは対ドルで0.8%の下落。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.50%で据え置き。同中銀は声明で、今後の金融政策の柔軟性を確保しつつ、今後得られる情報とインフレに関するインプリケーションに基づいて今後の金融政策を決定していく意向を示した。

 PENは対ドルで0.2%の下落。ペルー中銀は大方の予想通り政策金利を25bp引き上げ4.00%にすると発表。同中銀は声明でインフレが更新したら追加利上げをする準備ができていると表明した。11月のペルー経済活動指数は前年比+4.0%と市場予想を上回り、7カ月ぶりの高い伸び。12月のペルー失業率は5.7%と市場予想通り前月から低下した。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。1月のブラジルIGP-10は前月比+0.69%と市場予想を上回る伸び。11月のブラジル経済活動指数は前年比-6.14%と市場予想ほど落ち込まなかった。10月のブラジル失業率は9.0%と市場予想通り前月から上昇。11月のブラジルCNI設備稼働率は77.0%と2003年の統計開始以来最低を更新した。

 TRYは対ドルで0.9%の下落。USD/TRYは3.05ちょうど近辺と昨年9月29日以来の高水準に上昇した。10月のトルコ失業率は10.5%と市場予想に反し前月から上昇した。

 ILSは対ドルで0.6%の下落。12月のイスラエルCPIは前年比-1.0%と市場予想に反し落ち込み幅が前月から拡大した。

 RUBは対ドルで2.1%の下落。USD/RUBは77.9台と過去最高を記録した2014年12月16日以来の高水準に上昇した。11月のロシア貿易収支は91.1億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下振れ。12月のロシア外貨準備は3684億ドルと市場予想を下回ったが、前月からは増加した。

 PLNは対ドルで1.5%の下落。S&Pはポーランド格付けを「BBB+」に引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ」にすると発表。同社はポーランド新政権の政策が主要政府機関の独立性や効果を損ねる恐れがあると指摘した。S&Pの発表を受けてEUR/PLNは4.41台後半から4.49台前半に急上昇し、約4円ぶりの高値を記録。USD/PLNは4.03台半ばから4.10ちょうど近辺に上昇。2003年4月以来の高値に達した。

市場のリスク回避姿勢は強いままで終わりましたが、良い週末をお過ごしください。

2016年1月15日金曜日

盛り上がるかもしれない1月会合での日銀・追加緩和期待

現時点では市場関係者の一部からしか指摘が出ていないようだが、日本の成長率は昨年第4四半期も前期比マイナスとなる可能性が高いと思われる。

日本経済研究センターが公表するESPフォーキャスト調査によると、昨年第4四半期成長率見通しは前期比年率0.63%増と、昨年12月時点の同1.31%増から大きく鈍化。予測値が低い8機関の平均では同0.13%減とマイナスとなっている。

第4四半期も再びマイナスとなる最大の理由は個人消費の悪化だ。家計調査ベースの実質消費支出は、昨年11月が前月比2.2%減と3カ月連続の減少。10~11月平均でみると、7~9月期(第3四半期)から1.8%の減少となっている。

減少ペースが大きいことから、家計調査のサンプルバイアスを指摘する声もあるが、家計調査よりもサンプル数の大きい家計消費状況調査でも支出総額は減少基調で推移しており、家計調査の弱さをサンプル要因のみで説明するのは無理がある。

個人消費だけでなく設備投資も成長率の重石となりそうだ。11月の機械受注(民需除く船舶・電力)は前月比14.4%の大幅減。同指標は9月、10月と2カ月連続で大きく増加したが、11月だけで過去2カ月の増加分を打ち消した。12月が前月比9%以上落ち込まなければ、10~12月期(第4四半期)で前期比プラスとなるが、これは7~9月期(第3四半期)が前期比10.0%減と大きく落ち込んだため。12月の工作機械受注では、内需が前月比6.3%減(前年比11.5%減)と大きく減少したことも考慮すると、12月の機械受注に大きな期待は持ちにくく、第4四半期の設備投資も前期と同様に伸び悩む可能性が高いと思われる。

在庫調整の進展も成長率の下押し要因となるだろう。GDP統計によると、民間在庫は昨年第1四半期と第2四半期に計3.3%もGDPを押し上げ。第3四半期は0.8%の押し下げとなったが、昨年前半の積み上がりを解消したとは言い難い。鉱工業生産指数をみても在庫調整は一半ばで、第4四半期でも民間在庫は成長率を下押しすると予想される。

第4四半期の成長率は、12月の経済指標の結果次第といえなくもないが、これまで発表された12月の経済指標を見る限り、大きな期待は持ちにくい。12月の日経製造業PMIは52.6と11月から変わらず。12月の消費者態度指数も42.7と11月とほぼ同じ。12月のマネーストック(M2)は前年比3.0%増と、市場予想に反し11月から減速した。12月の景気ウォッチャー(現状判断)は48.7と、11月の46.1から大きく上昇したが、第4四半期の平均は47.7と、第3四半期の平均(49.5)を下回っている。今後発表される12月の個人消費関連、設備投資関連の各指標が、第4四半期成長率を大きく押し上げるほどの改善を示すと期待するのは難しいようだ。

第3四半期にプラスに転じた日本の成長率が、第4四半期に再びマイナスとなると、日本景気の伸び悩みが再び注目を集め、日銀による追加緩和観測が盛り上がることだろう。次回の金融政策決定会合は1月29日だが、同じの日の朝に12月の家計調査、鉱工業生産、CPIなど重要指標が相次いで発表される。いずれの指標も弱い結果となれば、市場が日銀の追加緩和期待を大きく強める展開も考えられる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月14日)

 1月14日のロンドン市場はドルがやや軟調な動き。ドル円は取引前半に118円ちょうど近辺から117円台後半に下落。ユーロドルは1.08ドル台半ば近辺から1.09ドル台前半に上昇した。欧州株は売りが先行。東京市場で上昇した米債利回りもロンドン市場に入ると一転して低下基調で推移。ドル売りの動きを後押しした。

 取引中盤に米債利回りが下げ止まると、ドル円は118円ちょうど近辺に反発する一方、ユーロドルは1.09ドルちょうどに反落するなどドルを買い戻す動きも見られたが一時的。後半に入り、欧州株が下げ幅を広げると、ドル円は再び117円台後半に下落。ユーロドルは1.09ドル台前半に上昇した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月14日)

 新興国通貨は対ドルで小幅上昇。原油先物価格の反発でCOP、RUBの上げがやや目立った。

 HUFは対ドルで0.2%の上昇。12月のハンガリーCPIは前年比+0.9%と市場予想通り前月から加速。しかし前月比では-0.3%とハンガリーのディスインフレ圧力の強さも示された。

 ZARは対ドルで0.7%の上昇。12月の南アフリカ・バークレイズ製造業PMIは45.5と市場予想や前月を小幅上振れ。11月の南アフリカ鉱物生産量は前年比0.8%減と市場予想ほど落ち込まなかったが、3カ月連続の前年割れだった。

 RUBは対ドルで0.7%の上昇。1月8日時点のロシア金・外貨準備は3681億ドルと前週から減少。12月のロシア軽自動車売上高は前年比45.7%減とほぼ市場予想通りの落ち込み。昨年第4四半期のロシア消費者信頼感は-26と2期連続で悪化した。

 PLNは対ドルで1.0%の下落。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を1.50%で据え置き。同中銀は声明でこれまでのところデフレによる悪影響は見られないとしたものの、インフレは当初の見通しよりも減速する可能性があると指摘。同中銀のベルカ総裁は今年のほとんどの期間においてインフレは非常に低いものになるとの見通しを示した。

昨日、人生で初めて胃カメラを体験しました。思った以上に大変でした。私には、まだまだいろいろと勉強が必要のようです。

2016年1月14日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月13日)

 1月13日のロンドン市場は円、ユーロともに小動きで推移した。ドル円は118円台前半でのもみ合い。ドイツ株は続伸で始まったものの、日経平均先物は上値の重い動き。米債利回りも上値が重く、ドル円は方向感に欠ける動きとなった。

 ユーロドルは1.08ドル台前半で上値がやや重く推移。11月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+1.1%と市場予想を小幅下振れ。12月のポルトガルCPIも同+0.3%と市場予想を下回る弱い伸びとなり、ユーロの重石となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月13日)

 新興国通貨は対ドルで買い優勢。ただ原油先物価格の急落で一部中南米通貨は軟調に推移した。

 BRLは対ドルで0.2%の上昇。11月のブラジル小売売上高は前年比7.8%減と減少幅が市場予想を下振れた。

 CLPは対ドルで0.7%の上昇。チリ中銀のトレーダーズサーベイではインフレ見通しが上方修正。3か月後の政策金利見通しも3.75%に上方修正された。

 PLNは対ドルで0.3%の上昇。11月のポーランド経常収支は6.2億ユーロの黒字と市場予想に反し6カ月ぶりの黒字。第一次所得収支赤字の縮小が経常収支の改善につながった。

 RUBは対ドルで0.5%の上昇。1月11日までの週のロシアCPIは日次平均・前月比で0.028%と4週連続でほぼ同じ。ロシアのシルアノフ財務相は原油価格が反発することは期待できず、むしろ今後も下がる可能性が高いと発言。ロシアの政府予算は原油安に適応したものである必要があるとし、歳出の1割削減といった緊縮策を検討する必要があるとの認識を示した。なお2015年の財政赤字はGDP比約2.6%であるとの見方を示した。ロシアの現地メディアは、同中銀・金融政策局長の発言を引用し、CPI上昇率7%、原油価格35ドルを想定したリスクシナリオが現実となれば、金融政策を引き締める可能性があると報じた。

 ILSは対ドルで小幅上昇。12月のイスラエル貿易収支は8.1億ドルの赤字と前月から赤字額が拡大した。

米国の宝くじ「パワーボール」の1等当選金が15億ドルに拡大しているそうです。ただ賞金は29年間の年次分割払いで、一括払いを希望すると、賞金は9.3億ドルに減額されるとのこと。割引率は約1.7%ですね。結構リーズナブル。

2016年1月13日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月12日)

 1月12日のロンドン市場はドル買い優勢の展開。ドル円は117円台前半から117円台後半に上昇する一方、ユーロドルは1.09ドルちょうど近辺から1.08ドル台半ば近辺に下落した。欧州株、日経平均先物はともに上昇基調で推移。米債利回りも上昇基調で推移するなど市場のリスク回避姿勢は後退する格好。東京市場で下落したドルは買い戻された。

 ポンドは英鉱工業生産を受けて下落基調が強まった。11月の英鉱工業生産は前年比+0.9%と市場予想を下回り、前月比は-0.7%と2013年1月以来の大幅な落ち込み。BOEによる利上げ開始観測を後退させる内容となった。これを受けてポンドは下落。ポンドドルは指標発表直後に1.45ドル台前半から1.44ドル台後半に下落。その後も下落基調は続き、引けにかけては1.44ドル台前半での推移となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月12日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油安を背景にRUB、COPが下落する一方、BRL、ZARなどは買い戻された。

 INRは対ドルで小幅下落。12月のインドCPIは前年比+5.61%と市場予想を上振れ。11月の同国鉱工業生産は同-3.2%と市場予想に反し2014年10月以来の前年割れとなった。

 BRLは対ドルで0.6%の上昇。1月7日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.88%と市場予想通りだった。

 CZKは対ドルで変わらず。12月のチェコCPIは前年比+0.1%と市場予想通り前月から変わらず。11月の同国小売売上高は同8.7%増とこちらも市場予想通りで前月から加速した。

 ZARは対ドルで0.3%の上昇。11月の南アフリカ製造業生産は前年比-1.0%と市場予想を上回る落ち込みとなった。

 TRYは対ドルで0.2%の上昇。トルコ・イスタンブール中心で日本時間12日午後に爆発。現地当局は少なくとも10人が死亡し、15人が負傷したと発表。同国エルドアン大統領は同爆発がISメンバーによる自爆テロだと述べた。

上半身や足元は普段通りでも、下半身はズボンやスカートをはかずに下着一枚で地下鉄などに乗車する毎年恒例のイベント「No Pants Subway Ride(パンツなしで地下鉄に乗ろう)」が10日、世界の60都市以上で開催されたそうです。日本でも一部がこのイベントに参加したらしいとの情報もあります。そういえば、このネタも毎年利用させていただいております。いつもありがとうございます。

2016年1月12日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月11日)

 1月11日のロンドン市場は円が売り戻しの動き。ドル円は117円台前半から117円台後半に上昇した。ドイツ株は先週末終値水準から小幅高。米債利回りは反発するなど市場のリスク回避姿勢も一服。ドル円は底堅く推移した。

 ユーロドルは取引前半に米債利回りの上昇を受けて1.09ドル台前半から1.08ドル台後半に下落。しかし中盤に入り米債利回りの上値が重くなると、ユーロドルは下値が堅くなり、取引終盤は1.09ドルちょうど近辺での推移となった。1月のユーロ圏センティックス投資家信頼感は9.6と市場予想を下回り、1円ぶりの低水準を記録したが、市場の反応は限定的だった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月11日)

 新興国通貨は一部アジア通貨を除き対ドルで下落。ZAR、RUBの下げが目立った。

 MYRは対ドルで小幅高。11月のマレーシア鉱工業生産は前年比+1.8%と市場予想を大きく下回り、2014年7月以来の低い伸び。同時に発表された同月同国の製造業売上高も同2.2%増と前月から大きく鈍化。マレーシア製造業の先行き懸念を強める内容となった。ムーディーズはマレーシア債格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げた。

 BRLは対ドルで0.7%の下落。1月のブラジルIGP-M(一次速報)は前月比+0.41%と市場予想に反し前月から小幅鈍化。ブラジル中銀の週次サーベイでは今年末時点のUSD/BRL見通しが4.25に上方修正。1月10日までのブラジル貿易収支は1.5億ドルの赤字となった。

 MXNは対ドルで0.2%の下落。12月のメキシコ名目賃金は前年比4.5%増と前月から加速。11月の同国鉱工業生産は前年比+0.1%と市場予想に反し前年並みに伸び悩んだ。

 CZKは対ドルで0.3%の下落。12月のチェコ失業率は6.2%と市場予想を下回ったが、前月からは上昇した。

 TRYは対ドルで0.7%の下落。11月のトルコ経常収支は21.1億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回った。

 ILSは対ドルで0.2%の下落。イスラエル中銀は会合議事録(12月28日会合分)を公表。政策金利の据え置きは全会一致であることが判明した。

 ZARは対ドルで3.4%の下落。USD/ZARは週明けの取引開始直後に17.9台まで上昇し、過去最高を更新した。

米国人バイオリニストが260万ユーロ相当のバイオリンを列車の網棚に置き忘れる出来事があったそうです。警察が列車からバイオリンを発見したとのこと。バイオリンに損傷もなかったそうで、よかったですね。私は昔、漫画雑誌を網棚によく置き忘れました。読み終わる前だったことが多く、翌週、漫画の続きを読むと、喪失感がよみがえってくるのをよく覚えています。

2016年1月11日月曜日

過去最安値が視野に入るインドルピー(INR)

 インド株が軟調に推移している。インド株の代表的な指標であるS&P・BSEセンセックスは本日(1月11日)の寄り付きで24787.11と2014年6月以来の安値を記録。この日も続落となった中国株と連れ安の格好で始まった。

 ただインド株の下落は、中国経済の先行き懸念、ひいては市場のリスク回避姿勢の強まりだけで生じたもの、と言い切れない部分が多い。インド景気が一部の期待ほどの力強さを示さないなか、インド中銀による追加利下げ期待が後退したことがインド株の重石となっているように思われる。

 昨年第3四半期のインドGDPは前年比7.4%増と前期より加速。政府のインフラ整備拡充や海外からの対内直接投資の増加を背景に総固定資本形成が成長をけん引した。しかし一方でGDPの約6割を占める個人消費はモンスーンの雨不足もあって2期連続の鈍化。インド中銀のラジャン総裁は過去の利下げによる消費刺激効果を期待していたようだが、農村部の所得悪化が響いた。

 インド製造業の減速感の強まりも懸念される。昨年12月のインド日経・製造業PMIは49.1と5カ月連続で低下し、2013年10月以来となる50割れ。昨年10月のインド鉱工業生産は前年比+9.8%と2010年10月以来の高い伸びとなったが、これはベース効果による部分もあり、11月以降も高い伸びが続くとは期待しがたい。

 一方、インドのインフレは原油安が続くなかにおいてもじり高の推移となっている。昨年11月のインドCPIは前年比+5.41%と4カ月連続の加速。インドCPIの先行指標とされるWPIも低下幅が縮小しており、インドのインフレが以前のように鈍化するとは考えにくい。

 インド中銀は以前より+1.5~2.0%を適切な実質金利の水準であるとしているが、足元の実質金利(=レポレート-CPI前年比)は+1.34%と下回っている。インドCPIの鈍化が考えにくい以上、インド中銀による追加利下げも期待しにくい。現に同中銀・ラジャン総裁は、現在の金融政策姿勢が緩和的であるとの見方を示している。インド政府は、財政健全化に向けた緊縮策を維持する姿勢を続けており、インド中銀の追加利下げ期待の後退=インド景気の加速期待の後退、となりやすい。

 外国人投資家によるインド株式市場への資本フローは、今年1月4日から4営業日連続の純流出。7日の純流出額は1.41億ドルと、米FOMCを控え市場のリスク回避姿勢が強まった昨年12月4日以来の大きさに拡大した。年初からの動きは市場のリスク回避姿勢の強まりが主因と考えられるが、インド株式市場への資本フローは、昨年10月下旬より流出基調で推移。インド景気の先行き期待の後退もインド株式市場からの資本流出の背景と考えられる。

 INRは今年に入り対ドルで下落基調が続き、1月7日には一時67ちょうど近辺と昨年12月15日以来の安値に下落。週末には66.6近辺まで買い戻される場面もみられたが、本日(1月11日)は66.8台で上値の重い展開となっている。インド景気の先行き期待が後退するなか、市場のリスク回避姿勢が強まれば、インドルピー(INR)が売り優勢となるのも自然といえる。

 今週12日は、インドで12月のCPI、11月の鉱工業生産と2つの重要指標が発表される。市場予想では、CPIが前年比+5.50%、鉱工業生産が同+2.0%と、インフレの下げ止まり(インド中銀の追加利下げ期待の後退)と景気伸び悩みの組み合わせが確認される見込み。仮に市場予想に比べ、CPIの上振れや鉱工業生産の下振れが示されるようだとINR売りの動きも強まりやすくなるだろう。USD/INRの上の節目は、67.13近辺(昨年12月14日の高値)と68.26近辺(2013年9月3日の高値)、そしてINR過去最安値でもある68.85近辺(2013年8月28日の高値)と考えられる。


2016年1月10日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月8日)

 1月8日のロンドン市場は円、ユーロともに様子見姿勢の強い展開となった。ドル円は取引序盤に118円台半ば近辺から118円台前半に小幅下落した後は同水準でで小動き。ユーロドルは取引序盤に1.08ドル台後半から1.09ドルちょうど近辺に上昇したが、上昇は続かず、中盤以降は1.08ドル台後半で推移した。欧州株はプラスで始まったものの、その後は上げ幅を縮める動き。原油先物価格はじり安の動きとなり、米債利回りは上値が重く推移。米雇用統計の発表を控えていることもあり、円相場、ユーロ相場ともに乏しい展開となった。

 ポンドも動意に乏しく推移。ポンドドルは1.46ドル台前半での小動きが続いた。11月の英貿易収支は31.7億ポンドの赤字と赤字額が市場予想を上回ったが、前月の赤字は下方修正。ポンドの反応はほとんど見られなかった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月8日)

 新興国通貨は対ドルで売り優勢。ユーロは対ドルで上昇したものの東欧通貨の多くは下落するなど、市場のリスク回避姿勢の強まりが重石となった。

 BRLは対ドルで0.5%の上昇。12月のブラジルIPCAは前年比+10.67%と市場予想を下回ったが、前月から小幅加速。11月の同国PPIは同+10.44%と前月から鈍化した。

 CLPは対ドルで0.8%の下落。USD/CLPは727台と2003年3月以来の高値に上昇した。12月のチリCPIは前年比+4.4%と市場予想を下回ったが前月からは加速し、3カ月ぶりの高い伸びとなった。

 MXNは対ドルで0.5%の下落。12月のメキシコ消費者信頼感は93.0と市場予想を下回った。

 PENは対ドルで小幅下落。11月の貿易収支は3.14億ドルの赤字とほぼ市場予想通りの結果となったが、前月分も赤字額が小幅下方修正された。

 CZKは対ドルで0.2%の下落。11月のチェコ鉱工業生産は前年比+5.7%と市場予想を下振れ。同月同国の貿易収支は143億コルナの黒字と黒字額が市場予想を上回った。

 HUFは対ドルで0.7%の下落。11月のハンガリー鉱工業生産は前年比+7.0%と前月から鈍化したが、依然として高い伸びを維持。同月同国の貿易収支は6.73億ユーロと黒字額が前月を上回った。

 TRYは対ドルで0.7%の下落。11月のトルコ鉱工業生産は前年比+3.5%と市場予想を下回った。

よい日曜日をお過ごしください。