2015年11月13日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年11月12日)

 11月12日のロンドン市場はユーロの上値が重い展開。ユーロドルは取引前半に1.07ドル台前半から1.07ドル割れに下落。中盤は1.07ドル台前半に反発したものの、その後は上値を抑えられる動きとなった。ECBドラギ総裁は欧州議会の証言で、経済の下振れリスクは明確に見えており、ECBは12月に金融緩和の度合いを再検証すると明言。必要なら資産買い入れプログラムは16年9月を過ぎても実施するとも述べ、ECB追加緩和観測を強めた。9月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+1.7%と市場予想を小幅上回り、前月分も同+2.2%と上方修正された。

 一方、ドル円は123円ちょうどを挟んでの小動き。米長期債利回りがじり安の動きとなったものの、欧州株や日経平均先物は下値の堅い動き。ドル円は様子見姿勢の強い動きが続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年11月12日)

 新興国通貨は原油先物価格の下落を受けてCOPやRUBが対ドルで下落。一方、東欧通貨は対ドルで底堅く推移するなどマチマチの動きとなった。

 INRは休場。9月のインド鉱工業生産は前年比+3.6%と市場予想や前月を下振れ。一方、10月のインドCPIは同+5.00%と市場予想や前月を上回る伸びとなった。

 BRLは対ドルで0.3%の下落。9月のブラジル小売売上高は前年比6.2%減と落ち込み幅が市場予想を下回った。

 MXNは対ドルで変わらず。メキシコ中銀は会合議事録(10月30日開催分)を公表。一人のメンバーは市場のボラティリティが拡大したら米利上げ開始の前にメキシコが利上げをする必要性があるかもしれないと発言。一方、他メンバーたちは米国に先んじる形での利上げは賢明ではないと指摘。別のメンバーは米国の利上げがメキシコに与える影響を見極めるまで様子を見るべきと発言。米国利上げ開始に対する見解の違いが明らかになった。

 CLPは対ドルで0.5%の下落。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.25%で据え置いた。

 COPは対ドルで3.1%の下落。コロンビア中銀のウリベ総裁はCOP買い介入はCOP相場の安定に寄与していると発言。また、エルニーニョ現象はコロンビアのインフレが目標に収束するのを遅らせており、COP安によるインフレへの影響は現時点では限定的だが、引き続き注視すると述べた。

 RUBは対ドルで1.7%の下落。11月6日時点のロシア金・外貨準備高は3661億ドルと前週から減少。第3四半期のロシアGDPは前年比4.1%減と落ち込み幅が市場予想を下回り、前期からも縮小した。

徐々に寒さが強まってきた気がします。そろそろ湯たんぽを出そうかと考えています。

2015年11月12日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年11月11日)

 11月11日のロンドン市場はドルが底堅く推移。ドル円は123円ちょうど近辺から123円台前半に小幅上昇した。この日は米国がベテランズデーのため米債券市場が休場。ただ欧州株は堅調な推移となり、ドル円を下支えした。

 ユーロドルは1.07ドル台前半での推移。終盤にユーロ売りがやや優勢となった。イタリア中銀のビスコ総裁はECBの責務を果たすため、適切な金融緩和は維持されるべきだと発言。資産買い入れプログラムの規模、内訳、期間の変更を意味する可能性を含むだけでなく、中銀預金金利の追加引き下げも検討されるだろうと述べた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年11月11日)

 新興国通貨はRUB、BRLなど一部を除き対ドルで上昇した。

 MXNは対ドルで小幅上昇。9月のメキシコ鉱工業生産は前年比+1.7%と市場予想を小幅上振れ。10月のメキシコANTAD既存店売上高は前年比9.8%増と市場予想を上回り、2011年11月以来の高い伸びを記録した。

 TRYは対ドルで1.4%の上昇。9月のトルコ経常収支は1.0億ドルの黒字と市場予想に反し黒字化。前月分も上方修正され、小幅ながら黒字に転換。トルコの対外収支の改善継続が確認された。

 ILSは対ドルで0.4%の上昇。10月のイスラエル貿易収支は10.8億ドルの赤字と今年最大の赤字を記録した。

 RUBは対ドルで1.3%の下落。11月9日までの週のロシアCPIは前週比+0.2%と前週と同じ伸び。9月のロシア貿易収支は96.1億ドルの黒字と市場予想を上回ったが、3カ月連続で黒字額が前年を下回った。

今朝は寒くて起きてしまいました。

2015年11月11日水曜日

弱かったと素直に認めるべき今年夏のボーナス

11月9日に発表された毎月勤労統計によると、今年(2015年)夏のボーナスの一人当たり平均支給額(以下、今夏ボーナス)は前年比2.8%減(35.7万円)と2年ぶりの減少となった。6月分の特別給与が前年比6.7%減と、事前予想に反し大きく減少したことから、今回の結果には、さほど意外感がないはずだが、雇用・所得環境の改善が続いていると思い込んでいる一部エコノミストにとっては、それなりに驚きを与えたようだ。

今夏ボーナスが減少に転じた理由として、一部エコノミストは、毎月勤労統計で今年1月に実施された調査対象(サンプル)の入れ替えを指摘している。しかし同統計では500人以上の事業所は全てが調査対象。つまりサンプル入れ替えの影響が全くない。それにもかかわらず、500人以上事業所の今夏ボーナスは、前年比2.6%減と、全体の結果と同様に前年割れ。サンプル入れ替えというテクニカルな理由だけで、今夏ボーナスの減少を説明するのは無理がある。

むしろ毎月勤労統計で今夏ボーナスが減少に転じた理由として指摘すべきは、非正規雇用者や再雇用された高齢者の割合の増加だろう。非正規雇用者や再雇用された高齢者に支払われるボーナスは、正社員に比べ少ないのが一般的。ボーナスの少ない社員の割合が前年から高まれば、平均でみた一人当たりボーナスが前年から減少しても不思議ではない。

昨年の夏季ボーナス(昨夏ボーナス)の伸びが高すぎた面もある。同統計によると昨夏ボーナスは前年比2.7%増と1991年以来の高い伸び。企業業績は改善基調にあるものの、今夏ボーナスの基準となる2014年度の企業増益率は2013年度比で大きく鈍化していることも考えると、今夏ボーナスが反動もあって減少に転ずることも考えられる。

それにもかかわらず一部エコノミストが、毎月勤労統計で示された今夏ボーナスに対して違和感を持つのは、今夏ボーナスに関する各種アンケート調査が総じて好結果だったからだろう。たとえば経団連調査によると今夏ボーナスは前年比2.81%増。毎月勤労統計を発表する厚生労働省による調査では3.95%増だった。

ただ注意すべきは、こうしたアンケートでの調査対象は基本的には正社員であり、かつ対象企業も大企業が中心。一方、毎月勤労統計は、パート社員や再雇用された高齢者も調査対象であり、対象企業には中小企業も含まれる。一般的にエコノミストは、一国経済全体(マクロ経済)を対象とするはずだが、大企業・正社員の状況に目を奪われ、今夏ボーナスが減少したことに疑義を唱えるのは、単なる自己否定ないしは自己矛盾のようにみえる。日本経済全体でみた場合、今夏ボーナスは予想以上に弱かったと素直に認めるのが自然だろう。

今夏ボーナスが弱かった以上、今年冬のボーナス(今冬ボーナス)も弱いものになりそうだ。今夏ボーナスほど大きな落ち込みにはならないまでも、今冬ボーナスも前年比2%弱の減少が見込まれる。弱い伸びとはいえ一人当たり賃金(現金給与総額)は前年比プラスを維持し、雇用も増加基調で推移していることから、雇用者所得(雇用者全体でみた所得)も拡大を続けていると判断される。しかしボーナスが弱い分、家計所得の増加ペースは緩やかなものにならざるを得ない。結果として、個人消費の伸びは当分、実質で前年比1%弱と、冴えない状況が続くと予想される。


■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年11月10日)

 11月10日のロンドン市場はユーロがじり安の動き。ユーロドルは1.07ドル台半ば近辺から1.07ドル台前半に下落した。政情不安を背景にポルトガル株が大きく下落。支援が滞っているギリシャ株も下げる中、フィンランド中銀のリーカネン総裁はユーロ圏のインフレ・成長率見通しは下振れリスクに直面していると指摘。ECBは物価安定を確保するために行動する意思と能力があると述べ、ECBの追加緩和観測を強めた。

 ドル円は123円台前半で上値の重い動き。欧州株や日経平均先物はマイナス圏での推移。米債利回りも低下に転ずるなど、市場のリスク回避姿勢は強まる展開。ドル円は円買い優勢の動きが続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年11月10日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。米債利回りの伸び悩みが新興国通貨をサポートしたものの、東欧通貨は上値の重い動きとなった。

 BRLは対ドルで1.4%の上昇。11月7日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.90%と前週並みの高い伸び。11月のブラジルIGP-M(一次速報)は前月比+1.31%と市場予想を上回ったが、前月からは鈍化した。現地メディアはブラジル中銀元総裁のメイレレス氏がブラジル政府高官と会談し、レビ財務相交代後の同国経済の見通しについて意見交換したと報じた。

 PENは対ドルで小幅下落。9月のペルー貿易収支は5.49億ドルの赤字と赤字額が市場予想を小幅上振れ。輸入は前年比8.5%減と減少幅が縮小する一方、輸出は同24.2%減と2カ月連続で減少幅が拡大した。

 MXNは対ドルで0.2%の上昇。10月のメキシコ名目賃金は前年比3.6%増と4年ぶりの低い伸びに鈍化した。

 HUFは対ドルで変わらず。10月のハンガリーCPIは前年比+0.1%と市場予想を小幅上回り、3カ月ぶりの前年比プラスとなった。

 ZARは対ドルで0.2%の上昇。しかしUSD/ZARは一時14.3台へと上昇。過去最高を更新した。9月の南アフリカ製造業生産は前年比0.9%増と市場予想に反し、小幅ながら前年比プラスとなった。

今朝はお腹がすいて起きてしまいました。

2015年11月10日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年11月9日)

 11月9日のロンドン市場はドルが対円を除き軟調な推移を続けた。ドル円は取引中盤までに123円台前半から123円台半ば近辺に上昇。欧州株、日経平均先物はともに高値圏で小動き。米長期債利回りが小幅上昇したこともあり、ドル円は底堅い動きとなった。取引後半に入り、ドル円は一時123円台前半に反落する場面もあったが、終盤には123円台半ばに反発した。

 ユーロドルは1.07ドル台半ば近辺から1.07ドル台後半に小幅上昇。9月のドイツ経常収支は251億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を大きく上回り、過去最高を記録した今年3月以来の高水準。11月のユーロ圏センティックス投資家信頼感は15.1と市場予想を上回り、3カ月ぶりの高水準。欧州債利回りが底堅く推移したこともあり、ユーロは下値の堅い動きとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年11月9日)

 新興国通貨は東欧通貨が対ドルで小幅反発したが、中南米通貨は原油先物価格の下げを受けて対ドルで下落した。

 TWDは対ドルで0.6%の下落。10月の台湾貿易収支は61.2億ドルの黒字と市場予想を上回る黒字。輸出が前年比11.0%減とほぼ市場予想通りの落ち込みとなる一方、輸入が同20.0%減と市場予想を上回る落ち込みとなったことで貿易黒字が膨らんだ。

 CLPは対ドルで0.5%の下落。10月の貿易収支は1.7億ドルの赤字と赤字額市場予想を小幅下振れ。輸出は前年比17.9%減と二桁マイナスが続いた。

 MXNは対ドルで小幅上昇。10月のメキシコCPIは前年比+2.48%と市場予想通り前月から小幅鈍化。ただコアCPIは同+2.47%と小幅ながら2カ月連続で加速した。

 BRLは対ドルで0.8%の下落。11月8日までのブラジル貿易収支は1.4億ドルの黒字となった。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。10月のチェコCPIは前年比+0.2%と市場予想に反し前月から鈍化。同月同国の失業率は5.9%と市場予想通り前月から小幅低下した。

 HUFは対ドルで0.4%の上昇。9月のハンガリー貿易収支は8.1億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を下振れ、前年比13.4%減。輸入が2001年の統計開始以来最高を更新したことで貿易黒字が抑制された。

 TRYは対ドルで変わらず。9月のトルコ鉱工業生産は前年比+2.8%と市場予想を小幅上回った。

 RUBは対ドルで小幅下落。10月のロシア外貨準備は3696億ドルと市場予想に反し前月から減少となった。

ローマ法王フランシスコが少年時代の夢について、神父ではなく肉屋になりたいと思っていたと明かしたそうです。誰しも挫折経験があるものです。

2015年11月9日月曜日

改革姿勢が続く限り、下げた後の買い戻しも期待できるインド・ルピー(INR)

 8日に開票されたインド東部のビハール州議会選(定数243)では、同州議会与党のジャナタ・ダル(統一派)を中心とした3党連合が178議席を獲得。モディ首相の国政与党インド人民党(BJP)は友党と合わせても58議席と選挙前の93議席から議席数を大きく減らす大敗となった。

 BJPは今年2月のデリー首都圏(州と同格)議会選挙でも70議席中3議席しか獲得できず大敗。ちなみに、汚職撲滅を掲げる野党・庶民党(AAP)が67議席も獲得し、過去15年間デリー首都圏で過半数を維持していた国民会議派は1議席も獲得できなかった。

 昨年4月の下院選挙でBJPは、「モディ人気」を前面に打ち出し、543議席のうち336議席を獲得する大勝利。ところが直近2回の州議会選挙では、BJPがモディ首相を前面に押し出したにもかかわらず2回連続の大敗となったことで、モディ首相の人気の陰りを指摘する声も出ている。

 またBJPがビハール州議会選挙で大敗したことで、モディ首相が主張する構造改革路線が後退するとの見方も広がりそうだ。BJPは下院では単独過半数を確保しているものの、上院では245議席中48議席と全体の2割程度。インド上院議員は、全国に30ある州の州議会から間接的に選出されるため、BJPの上院議席数は減少する見込み。モディ首相の経済構造改革の目玉とされる物品・サービス税(GST)や土地収用を簡素化する関連法案の上院通過を期待することも難しくなる。

 先週末に発表された10月の米雇用統計が市場予想を上回る好結果となったことで、本日のアジア通貨は対ドルで売りが先行。INRは、ビハール州議会選挙の結果が嫌気されることもあり、対ドルで1%以上の下落(USD/INRは66.4以上の上昇)となるだろう。

 今週発表されるインド経済指標もINRを下押しする可能性がある。12日発表予定の10月のインドCPIは、いわゆるベース効果の剥落もあって前年比での加速は避けられない見込み。INR安によるインフレ圧力の高まりも考慮すると、インド中銀が追加利下げに動くことは期待しにくい。こうした中、同じく12日に発表される9月のインド鉱工業生産が大きく鈍化するようだと、これまで流入超が続いていたインド株式市場への資本流入が細り、INR売りの動きが強まる展開も考えられる。

 12月FOMCでの利上げ開始も視野に入ったことで、新興国通貨は対ドルで軟調な推移を余儀なくされるなか、INRも短期的には売り優勢の動きが続く可能性は否定しがたい。USD/INRの上値の目途は、2013年8月下旬に記録した過去最高値(68.85近辺)から2014年5月下旬に記録した安値(58.34近辺)の76.4%戻し水準である66.36近辺、年初来高値の66.89近辺、そして過去最高値の68.85近辺となる。

 しかしビハール州議会選挙の結果判明後も、モディ首相・政権主要メンバーは、経済構造改革路線を維持する姿勢を示しており、インド中銀・ラジャン総裁は、政府の改革姿勢を支持しながら、自身はインフレ抑制姿勢を続けている。米国の利上げペースに依存する部分は相当あるものの、インド政府・当局の改革姿勢が崩れない限り、INRは先行き期待も持てる高金利通貨として下げた後に買い戻される展開を期待してもよいように思われる。