2014年3月14日金曜日

ロシア・政策金利(現在7.00%)

本日午後6時半にロシア中銀は政策金利(1週間物入札レポレート)を発表する。市場予想では政策金利は7.00%に据え置かれる見込みである。ロシア中銀は3月3日の緊急会合でRUB安に対応し政策金利を150bp引き上げた。ロシアの金融資産は下落圧力がかかり続けており、RUBをサポートすべく、ロシア中銀が予想に反し利上げを続けることも考えられる。しかし追加利上げは、原油価格の下落や欧米による追加制裁も加わり、ロシア景気を大きく減速させる可能性もある。

チェコ・鉱工業生産と小売売上高(ともに2014年1月)

本日午後5時に1月のチェコ鉱工業生産と小売売上高が発表される。鉱工業生産は前年比+6.7%、小売売上高は同3.0%増と、両者ともに前月から鈍化すると見込まれている。2月のチェコCPIは前年比+0.2%と市場予想通りとはいえ低い伸びとなった。

チェコ中銀のシンガー総裁は現在のCZK安策はインフレ圧力が弱いことから延長される可能性があると発言した。チェコ景気は回復基調で推移しているが、チェコ中銀はCZK安策を早期に終了させる意向を持っていないことがわかる。過去に同中銀はCZK安策が2014年中は続くとの見通しを示した。なおシンガー総裁は、チェコ景気が停滞した場合、CZK安の目標水準を変更するよりもCZK安の延長が望ましいとの見解を示した。

ポーランド・CPI(2014年2月)

本日午後10時に2月のポーランドCPIが発表される。市場予想では前年比+0.8%と前月(同+0.7%)から小幅加速する見込みである。

ポーランド中銀は3月5日、2014年と2015年のインフレ見通しを下方修正し、政策金利は少なくとも今年第3四半期まで据え置く意向を示した。それまでポーランド中銀の高官は、政策金利を今年半ばまで据え置く意向を示していた。またポーランド当局はウクライナ情勢の緊迫化によってポーランド景気が低迷する可能性を懸念している。

ブラジル・経済活動指数(2014年1月)

本日午後8時半に1月のブラジル経済活動指数が発表される。市場予想では前年比+0.40%と前月(同+0.71%)から鈍化する見込みである。

ブラジル景気は減速を続けている一方でインフレ圧力は再び高まりつつある。このためブラジル中銀は今後、難しい判断が求められる。2月のブラジルFIPE、IPCAともに加速している。生産者段階のインフレ圧力は昨年後半から強まっているため、今後も両指標が加速を続けても不思議ではない。ブラジル中銀は4月2日の次回会合でも25bpの利上げを実施し、政策金利は11.00%になることが見込まれている。同中銀は次回会合での利上げを最後にしたいと望んでいるようだが、インフレ圧力の強まりが今後も続くようなら、同中銀は利上げを続けざるを得ないだろう。5月の会合は5月28日に予定されている。

シンガポール・小売売上高(2014年1月)

本日午後2時に1月のシンガポール小売売上高が発表される。市場予想では前年比3.7%減%と前月(同5.5%減)から減少率は縮小するものの、7カ月連続の前年割れとなる見込みである。

ここ数カ月のシンガポール経済指標は、小売売上高、輸出、鉱工業生産などで軟調な推移が続いている。さらにシンガポールのインフレ圧力は後退しており、1月のシンガポールCPIは前年比+1.4%と2010年2月以来の低い伸びとなった。中国景気の減速もシンガポール景気の重石となっている。シンガポールMASは4月の会合でも金融政策を現状維持にするだろうとみているが、MASが内外需の低迷を受けて金融緩和に踏み切る可能性もある。

ビットコインは本当に終わったのか(ロイター)

インターネットでしか流通しない仮想通貨「ビットコイン」に対する否定的な見方が急速に広がっている。しかし筆者は、大きな利点を有する仮想通貨が今後も世界規模で普及を続け、代表的な存在であるビットコインも、多くの方の予想に反し一定の存在感を今後も示し続けるだろうと考えている。

ビットコイン大手取引所の運営会社MTGOX(マウントゴックス)は2月28日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。同日開かれた同社の記者会見によると、2月初め頃からシステムのバグにより不正アクセス(ハッキング)が増加。顧客から預かっていた約75万ビットコインと、同社自身の持ち分である約10万ビットコインの計85万ビットコインのほぼ全てが消失したほか、顧客からの預かり金が最大約28億円不足していることが明らかとなった。

麻生太郎財務相兼金融担当相は、マウントゴックスがビットコインの取引停止を続けていることに対し、「こんなものは長く続かないと思っていた。どこかで破綻すると思っていた」と発言。こうした様子は、経済専門メディアだけでなく、一般紙やテレビなどでも大きく取り上げられただけに、日本に住む多くの方は、ビットコインという聞き慣れないものがハッキングに対し脆弱であり、もはや消滅する存在なのだろうと思われたかもしれない。

ただ、ハッキングに対して脆弱だったのは、取引所であるマウントゴックスのシステムであり、ビットコインのシステムではない。現にビットコインの決済作業は現在も淡々と稼働しており、大手取引所ではビットコイン価格が600ドル超の水準で安定している。

つまり、マウントゴックスの経営破綻は(多くの一般の方の印象と異なり)ビットコインの取引システム崩壊を意味しない。通常の金融システムを例にすれば、強盗は金融取引を担う市中銀行から現金を奪ったが、中央銀行はこれまで通り通貨の発行を続けている状況と同じである。

<脆弱な「富の保蔵」機能>

マウントゴックス破綻劇で明らかになったのは、ビットコインの利点の一つと思われていた「富の保蔵」機能が脆弱だった点である。

財政危機に陥ったキプロス政府が銀行預金を封鎖し、同預金への課税を決定した昨年3月、ビットコイン価格が10ドル台から200ドル台に急上昇したのは、キプロスの富裕者層が財産の一部をビットコインに移したためと考えられている。

ビットコインは、取引データがP2Pと呼ばれる分散型ネットワークに記録され、保管に必要なウォレットと呼ばれるフリーウェアを使うには本名などのプライバシー情報を開示する必要がない。このため行政当局は個々人の取引状況を把握できず、取引の強制停止や課税が難しくなる。マネーロンダリングに悪用されるという批判はあるものの、ビットコインは行政当局から監視されることなく、財産(富)を保蔵するには有用との見方は、キプロス危機を経て定着していた。

しかし、マウントゴックスという大手取引所でハッキングによりビットコインが流出したという事実は、ビットコインを通じた富の保蔵ニーズを大きく低下させた。マウントゴックス破綻後も、カナダのビットコイン取引所であるフレックスコインでハッキングにより約60万ドル分のビットコインが不正に引き出されたことが明らかとなるなど、ビットコインがハッキングによって不正に引き出される可能性が高いとの見方が強まっている。

たとえ行政当局に富を捕捉されなくても、ハッキングによって富が盗まれてしまうのであれば、ビットコインは富の保蔵手段として役に立たないことになる。

日本の場合、政府がビットコインを金融商品ではなくモノとして扱い、銀行や証券会社によるビットコインの取り扱いを禁止する方針を示したことも、ビットコインによる富の保蔵ニーズを低下させると思われる。

政府の方針により、日本でビットコインを取り扱うのはマウントゴックスのような一般企業が担うことになるため、金融機関に義務付けられている顧客資産の分別管理といった顧客保護規制がビットコイン取扱業者に適用されることはなくなる。

金融資産の取引は各種規制で顧客資産保護の体制が整う一方、ビットコインについては規制による保護はなく、取引所ではハッカーによってビットコインが盗まれる可能性があるとすれば、日本でビットコインを大量に購入し、保有しようとする動きは限定的となるだろう。

<それでも残る利点とニーズ>

ただ興味深いのは、こうした状況にもかかわらず、ビットコインの価格は、マウントゴックス破綻後も暴落することなく、前述したように600ドル超の水準で安定していることである。これは、富の保蔵機能に対するニーズは低下したかもしれないが、送金機能や決済機能に対するニーズは依然として高いためと思われる。

金融機関に口座を保有していなくても、非常に低い手数料で送金を可能にするというビットコインの利点は、先進国だけでなく新興国で生活する人々にとっても非常に魅力的だ。グローバル化の進展で先進国と新興国との間でのマネーフローは拡大を続けているが、新興国に送金する際には多額の手数料が発生するほか、送金完了まで時間がかかるといったデメリットがある。低額かつ短時間で送金が可能なビットコインは、ビジネス界でのグローバル化の流れに非常にマッチしたものといえる。

クレジットカードに比べ低い手数料で決済を可能にする点も大きな利点である。インターネットでの買い物ではクレジットカード決済が一般的となっているが、カード番号や個人情報を提示することに躊躇する方も多い。一方、ビットコインであれば個人情報が流出する可能性は非常に低く、ネットでの決済もスムーズである。

現に米国のネット通販大手でナスダックに上場するオーバーストック・ドット・コムや、米家電販売大手サイトを運営するタイガー・ダイレクトは今年1月、ビットコインの受け入れを表明した。米メディアの報道によれば、オーバーストック・ドット・コムでは、ビットコインを使用した購入は予想を上回るペースで伸びており、ビットコインによる14年売上高の見通しを従来の500万ドルから1000―1500万ドルに引き上げた。

マウントゴックス破綻を機にビットコインは、消滅するとの見方も一部にあるようだが、既存の金融システムに比べ送金機能や決済機能の点で優位を維持している以上、実際には今後も一定の存在感を示し続けると思われる。ただ、低コストの送金機能や決済機能は、ビットコインだけでなく他の仮想通貨にも備わったものである。すでにビットコインの欠点とされるマイニング時間の長さ(約10分)などが改良された「リップル」という別の仮想通貨が、ビットコインに代わる存在として認知度を高めている。

世界はビットコインを通じインターネットに立脚した仮想通貨がもたらす利点を深く理解してしまった。たとえ何らかの理由でビットコインの存在感が低下したとしても、仮想通貨のニーズは今後も強まり続け、強い需要を背景に普及が進むと考えた方が自然と思われる。

*村田雅志氏は、ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト。三和総合研究所、GCIキャピタルを経て2010年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYEA2D08X20140314

2014年3月13日木曜日

ペルー・政策金利(現在4.00%)

明日午前8時にペルー中銀は政策金利を発表する。政策金利は4.00%で据え置かれる見込みである。ペルー景気は減速を続けているが、2月のペルーCPIは前年比+3.78%と目標レンジ(1~3%)の上限を上回った。しかしペルー中銀は時間ととともにハト派寄りの姿勢を強めるだろう。

チリ・政策金利(現在4.25%)

明日午前6時にチリ中銀は政策金利を発表する。市場予想では政策金利は25bp引き下げられ4.00%となる見込みである。チリ中銀は追加利下げの可能性に言及したほか、同国系経済指標は軟化を続けている。銅価格が下落基調で推移していることでCLPは下落している。CLP安が続いたことで、チリ中銀は輸入インフレを懸念し、来月まで利下げを見送る可能性もある。

南アフリカ・製造業生産(2014年1月)

本日午後8時に1月の南アフリカ製造業生産が発表される。市場予想では前年比1.9%増と前月(同2.5%増)から鈍化する見込みである。2月の同国カギソ製造業PMIは51.7と前月の49.9から上昇した。同国製造業は回復基調にある可能性も考えられる。ただ総じてみれば、今年も南アフリカ景気が低迷する一方、インフレは高止まりし、対外収支は悪化傾向を続けると思われる。仮にZARが安定的な値動きとなれば、南ア中銀は利上げを見送り続けると予想している。

インドネシア・政策金利(現在7.50%)

インドネシア中銀は本日、政策金利を発表する。政策金利は7.50%で据え置かれる見込みである。2月のインドネシアCPIは前年比+7.75%と市場予想や前月を下回ったが、依然として目標レンジ(3.5~5.5%)の上限を超えている。しかしIDRは安定感を取り戻しており、インドネシア中銀はIDR安抑制のための利上げをする必要がなくなっている。

2014年3月12日水曜日

ブラジル・IPCA(2014年2月)

本日午後9時に2月のブラジルIPCAが発表される。市場予想では前年比+5.64%と前月(同+5.59%)から小幅加速する見込みである。

ブラジルのインフレ圧力は生産者段階で高まりつつある。このためブラジル中銀は慎重な姿勢を続けざるを得ない。我々は4月2日の会合で政策金利が25bp引き上げられ11.00%となる可能性もあるとみている。ただ同国景気は低迷したままであることから、ブラジル当局は追加利上げに慎重であると我々は考えている。

トルコ・経常収支(2014年1月)

本日午後5時に1月のトルコ経常収支が発表される。市場予想では53億ドルの赤字と前月(83.2億ドルの赤字)から赤字額が縮小する見込みである。同月同国の貿易赤字が前月から縮小したことから、本日発表されるトルコ経常赤字は市場予想通り前月から縮小するだろう。

トルコの対外収支は悪化傾向に歯止めがかかりつつあるが、インフレは依然として高止まりしている。トルコでは今月、地方選が予定されていることから、政局不安が高まる可能性もあり、TRYが再び下落基調で推移する展開が見込まれる。

南アフリカ・経常収支(2013年第4四半期)

本日午後5時に昨年第4四半期の南アフリカ経常収支が発表される。市場予想ではGDP比5.5%の赤字と前期(同6.8%の赤字)から縮小する見込みである。昨年第4四半期の同国貿易赤字は前期から大きく縮小した。このため本日発表される同国経常赤字が市場予想を下回ることも期待される。ただ1月の南ア貿易収支は170.6億ランドの赤字と昨年第4四半期の2倍の赤字となった。今年も南アフリカの対外収支懸念は続くと思われる。

今年も南アフリカ景気が低迷する一方、インフレは高止まりし、対外収支は悪化傾向を続けるとみている。仮にZARが安定的な値動きとなれば、南ア中銀は利上げを見送り続けると予想している。

インド・鉱工業生産(2014年1月)とCPI(2014年2月)

本日午後9時に1月のインド鉱工業生産と2月の同国CPIが発表される。鉱工業生産は前年比-0.9%と前月(同-0.6%)と同様に前年割れとなる見込みであるのに対し、CPIは同+8.30%と前月(同+8.79%)から鈍化が見込まれている。

インドのインフレ圧力は緩和しているため、インド中銀は当面、利上げを休止できるようになった。しかし今年のインド成長率は低迷したままだろう。このためインド政府は5月の総選挙を前に財政による景気刺激策を選ぶ可能性がある。

タイ・政策金利(現在2.25%)

本日午後4時半にタイ中銀は政策金利を発表する。Bloomberg調査によると、予測回答者26名のうち16名が25bpの利下げ、残り10名が金利据え置きを見込んでいる。私はタイ中銀が今回も利下げを見送る可能性があるとみている。

2月のタイCPIは前年比+1.96%と市場予想(同+1.91%)や前月(同+1.93%)を小幅上回った。しかしタイ景気は政情不安を背景に減速を続けている。特に民間消費は2014年に入り前年割れとなっている。

タイ国家安全保障会議のパラドン事務局長は11日、バンコクなどで発令された非常事態宣言が近く解除される見通しと述べた。治安が改善しているほか、企業からの要望が強いためという。ただ仮に非常事態宣言が解除されたとしてもタイの政情不安が改善に向かうとは考えにくい。