2014年5月30日金曜日

コロンビア・政策金利(現在3.50%)

コロンビア中銀は明日、政策金利を発表する。政策金利は25bp引き上げられ、3.75%となる見込みである。COP高に対する懸念は強いものの、コロンビア中銀は利上げ局面に突入した。コロンビア当局者の発言によると、利上げペースは緩やかとなる見込みだ。

チリ・製造業指数と小売売上高(ともに2014年4月)

本日午後10時に4月のチリ製造業指数と小売売上高が発表される。市場予想では製造業指数が前年比-2.9%と前月(同+0.8%)一転し、再び前年割れ。小売売上高は同4.5%増と前月(同5.2%増)から鈍化し、2009年10月以来の低い伸びとなる見込みである。

4月のチリCPIは前年比+4.3%と目標レンジ(2~4%)の上限を上回っており、チリ中銀は景気が弱含む中、4月、5月と政策金利を4.00%で据え置いた。ただインフレが鈍化すれば、同中銀は再び利下げに踏み切るだろう。

ブラジル・GDP(2014年第1四半期)

本日午後9時に第1四半期のブラジルGDPが発表される。市場予想では前年比2.0%増と前期(同1.9%増)から小幅加速する見込みである。

本日午後10時半には4月の同国基礎的財政収支も発表される。こちらは170億レアルの黒字と前月(36億レアルの黒字)から黒字額が拡大する見込みである。ブラジルの財政事情は改善基調で推移している。

トルコ・貿易収支(2014年4月)

本日午後4時に4月のトルコ貿易収支が発表される。市場予想では65.5億ドルの赤字と前年同月(103億ドルの赤字)から赤字額が縮小する見込みである。この結果、過去12カ月累計の経常赤字は915億ドルと先月までの953億ドルから急速に縮小し、2013年5月以来の低水準に縮小することになる。

トルコの対外収支は景気減速を背景に改善を続ける見込みだが、トルコ中銀が22日に高インフレ下のもと50bpの利下げに踏み切ったことはリスクがあると思われる。5月のトルコCPIは前年比+10.05%と2012年4月以来の二桁の伸びとなる見込みで、トルコのインフレ懸念が再び強まる可能性もある。

南アフリカ・M3と貿易収支(ともに2014年4月)

本日午後3時に4月の南アフリカM3が発表される。市場予想では前年比7.13%増と前月(同7.86%増)から鈍化する見込みである。本日午後9時には同月同国の貿易収支も発表される。こちらは107億ランドの赤字と前月(114億ランドの赤字)から赤字額が縮小する見込みである。

同国中銀のマーカス総裁は金利水準の正常化の必要性を主張し続けているが、景気減速が追加利上げを難しくしているのも事実である。

インド・GDP(2014年第1四半期)

本日午後9時に第1四半期のインドGDPが発表される。市場予想では前年比4.7%増と前期と同じ伸びが見込まれている。インドの金融市場はモディ政権の経済政策に対する期待感から大きく上昇したが、同政権に対する期待が数カ月続くとは思われない。インド景気は底打ちの兆しがみられるが、今年に力強い成長を期待することは難しい。モディ政権による経済政策が効果を発揮するのは来年以降だろう。

仮にINRが上昇を続ければ、インド中銀は年後半に利下げを開始することになるだろう。

タイ・経常収支(2014年4月)

本日午後4時半に4月のタイ経常収支が発表される。市場予想では2.0億ドルの黒字と、前月(29.0億ドルの黒字)から黒字額が急減する見込みである。タイの対外収支は改善傾向にあるが、その主因は景気低迷で輸入が落ち込んだためである。

タイの政局混乱は、タイ軍によるクーデターによって収束に向かうだろう。ただ景気が回復基調を強めるには少なくとも数カ月は必要と思われる。また海外投資家はタイが民主的なプロセスに戻るには当初の予想よりも時間がかかる可能性があることを懸念し始めている。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年5月29日)

 新興国通貨は対ドルで買い優勢。米10年債利回りが節目とされる2.50%を割り込んだこともあって、新興国通貨は底堅い動きとなった。

 BRLは対ドルで0.3%の上昇。ブラジル中銀は市場予想通り政策金利を11.00%に据え置き。決定は全会一致。同中銀は声明でマクロ経済見通しの変化やインフレ見通しを考慮して「現時点では」金利を据え置くと表明。今後の利上げの可能性に含みを残した。5月のブラジルIGP-Mは前年比+7.84%と市場予想を小幅下振れ。5月のCNIブラジル消費者信頼感は107.6と2カ月連続で低下し、2009年3月以来の低水準に低下した。

 TRYは対ドルで0.7%の上昇。トルコ中銀は会合議事録(5月22日開催分)を公表。同会合ではレポレートが市場予想に反し50bp引き下げられた。同議事録によると、メンバーは第2四半期から消費需要は緩やかに拡大するとみており、金融政策スタンスは引き続き引き締め気味で推移するだろうと指摘。TRYの上昇はインフレにとって好ましいとの認識も示された。

 ZARは同0.5%の上昇。4月の南アフリカPPIは前年比+8.8%と市場予想を上回る伸び。同国ネネ新財務相は同国景気の弱さは懸念しており、財政支出の余地があると発言。インフレは目標を上回ることを容認する余地もあるとの認識を示した。同国中銀のミネレ副総裁は同国経済が不況に陥る可能性があると指摘。経常赤字は不快な水準に高まっており、ZARは経常赤字に基づいて決まる可能性があると発言。同副総裁はインフレリスクは引き続き高いものの、利上げ継続は当然のことではないとの認識も示した。

ロンドン・NY市場の主要通貨(2014年5月29日)

 5月29日のロンドン市場はユーロが小幅反発。ユーロドルは1.35ドル台後半から1.36ドル台前半に上昇した。取引序盤に発表された第1四半期のスペインGDP(改定値)は前年比0.5%増と速報値から小幅下方修正。来週のECB理事会での緩和観測もあってユーロは同指標発表後売り優勢となったが、欧州債利回りが前日終値水準を維持する一方で米債利回りはじり安の動き。金利差拡大を背景にユーロは対ドルで買い戻し基調となった。

 一方、ドル円は101円台半ば近辺でのもみ合い。米債利回りはじり安の動きとなったものの、ドイツ株、日経平均先物はともに下げ渋り。この日発表予定の米GDP(確報値)や米中古住宅販売成約指数の結果を見極めたいとの思惑もあり、ドル円は様子見姿勢の強い展開となった。

 ポンドは方向感に欠ける動き。ポンドドルは取引序盤に1.67ドル台前半から1.67ドルちょうど近辺に急落したが、取引前半には再び1.67ドル台前半に反発。BOEのウィール政策委員は一部メディアとのインタビューで利上げは今やらなければならないほどの緊急性はないとしながらも、政策金利を適切なタイミングで段階的に動かしたいのであれば、利上げは早めに開始する必要があるだろうと発言。英経済は需要がかなり急速なペースで拡大を続けているとも指摘したことが材料視された模様。ただ中盤以降のポンドは上値が重くなり、ポンドドルは1.67ドル台前半で上値を切り下げる動きとなった。

 NY市場ではドルが底堅く推移した。第1四半期米GDP(改定値)は前期比年率1.0%減と市場予想を上回る落ち込みを記録。ただ個人消費は同3.1%増と速報値から小幅上方修正。成長率の落ち込みの主因は悪天候を背景とした建設投資の減少と在庫の伸び鈍化だった。同時に発表された米新規失業保険申請件数は30.0万件と市場予想を下回り、3週ぶりの低水準。両指標発表直後はドルが売られたが、米民需は底堅く、米雇用環境は引き続き良好だとの見方から売り一巡後にドルは買い優勢に。ドル円は101円台半ば近辺から101円台後半に上昇。一方、ユーロドルは1.36ドル台前半から1.36ドルちょうど近辺に下落した。ただ、その後発表された4月の米中古住宅販売成約指数は前年比-9.4%と市場予想を上回る落ち込みとなり、7カ月連続の前年割れ。同指標発表後、米債利回りが低下したことでドルは一転して下落基調で推移。取引中盤にはドル円は101円台半ば近辺に下落。ユーロドルは1.36ドル台前半に反発した。

 しかしリッチモンド連銀のラッカー総裁は一部メディアとのインタビューで来年第2四半期には利上げを開始する可能性があると指摘。別のインタビューでは当局が政策金利を引き上げるのにインフレが望ましくない水準に達するまで待つ必要はなく、物価は底入れをしており、インフレは金融当局の目標である2%に向けて加速する兆しがみられると発言。これを受けて米債利回りは取引中盤以降、上昇基調で推移。取引終盤には米国株が上げ幅を広げ、ドルは再び買い優勢に。取引中盤以降のドル円は上昇基調で推移し、引けにかけては101円台後半での推移。ユーロドルは1.36ドルちょうど近辺に下落した

 米10年債利回りは一時2.40%ちょうど近辺まで低下。その後、同利回りは2.46%近辺まで反発したが、節目とされる2.50%は割り込んだまま。ドルの上値を重くしている。米国株は反発したものの、市場のリスク選好姿勢が強まる様子もなく、本日東京市場でのドル円は上値が抑えられる展開が予想される。なお本日は日本で4月のCPIや鉱工業生産など消費税率引き上げ後の経済指標が数多く発表される。日銀の追加緩和期待に影響を与えないか注目したい。ユーロはECB理事会での緩和観測を背景に上値の重い動きを予想。アジア通貨は慎重な値動きが予想される。

2014年5月29日木曜日

6月5日のECB理事会での金融緩和策について考える

ECBは6月5日に定例理事会を開催します。今月の会合後の会見でECBドラギ総裁が何らかの緩和策が実施されることを公言したこともあり、6月5日の理事会での緩和実施が有力視されています。

ただ、ECBによる緩和の内容については市場関係者の間でも意見が分かれています。緩和の候補としては、ECB関係者の発言などから以下のものが考えられます。

(1)政策金利(レポレート)の引き下げ
(2)預金ファシリティ金利の引き下げ(マイナス化)
(3)限界貸出金利の引き下げ
(4)LTROの期限延長
(5)SMPの不胎化
(6)融資拡大を目的とした新LTRO
(7)銀行融資をプールしたABSの購入(民間債券を対象としたQE)
(8)国債の購入(国債を対象としたQE)

●実施される可能性

上記8施策が実施される可能性を「高・中・低」の3つに分けてみました(私見です)。

(1)政策金利(レポレート)の引き下げ:可能性が高い
(2)預金ファシリティ金利の引き下げ:可能性が高い
  (ただし準備預金に適用する金利は変更せず)
(3)限界貸出金利の引き下げ:可能性は中くらい
(4)LTROの期限延長:可能性が高い
(5)SMPの不胎化:可能性は中くらい
(6)融資拡大を目的とした新LTRO:可能性は中くらい
(7)民間債券を対象としたQE:可能性は低い
(8)国債を対象としたQE:可能性は低い

●債券市場への影響

債券市場への影響として、利回りの方向感を「上昇・中立・低下・大きく低下」の4つに分けてみました(私見です)。

(1)政策金利(レポレート)の引き下げ:利回りは低下
(2)預金ファシリティ金利の引き下げ:利回りは大きく低下
(3)限界貸出金利の引き下げ:中立
(4)LTROの期限延長:中立
(5)SMPの不胎化:中立
(6)融資拡大を目的とした新LTRO:中立
(7)民間債券を対象としたQE:利回りは大きく低下
(8)国債を対象としたQE:利回りは大きく低下

●EONIA(ユーロ圏翌日物金利)の動き

上記8施策が実施された場合、EONIAが方向感を「上昇・中立・低下」の3つに分けてみました(私見です)。

(1)政策金利(レポレート)の引き下げ:中立
(2)預金ファシリティ金利の引き下げ:中立or低下
(3)限界貸出金利の引き下げ:低下
(4)LTROの期限延長:中立
(5)SMPの不胎化:低下
(6)融資拡大を目的とした新LTRO:中立
(7)民間債券を対象としたQE:中立
(8)国債を対象としたQE:中立

●ユーロ相場への影響

債券利回りやEONIAの(予想される)動きから上記8施策が実施された場合のユーロ相場の値動きについても考えてみました。

(1)政策金利(レポレート)の引き下げ:中立
(2)中銀預金金利のマイナス化:中立or下落
(3)限界貸出金利の引き下げ:中立
(4)LTROの期限延長:中立
(5)SMPの不胎化:中立
(6)融資拡大を目的とした新LTRO:中立
(7)民間債券を対象としたQE:ユーロは上昇
(8)国債を対象としたQE:ユーロは上昇

ECBが上記8施策を実施したとしても、ユーロが下落するのは、中銀預金金利をマイナスにした場合のみで、他は中立ないしはユーロが上昇する、というのが私の見方です。

政策金利の引き下げ(利下げ)だけが実施されてもユーロ相場に与える影響は限定的でしょう。市場予想では15bpの利下げが有力視されていますが、この程度では債券市場への影響は限定的で、EONIAが低下することも期待できません。

預金ファシリティ金利の引き下げ(マイナス化)は、EONIAの低下を通じてユーロを押し下げると思われます。ただ、仮に準備預金に上限を設けなければ、市中銀行の余剰資金は準備預金にシフトするだけでEONIAが低下することも期待できません。

預金ファシリティ金利の引き下げ(マイナス化)と同時に準備預金にもマイナス金利を適用する場合、もしくは準備預金に上限を設定し、上限を超えた部分にマイナスとなった預金ファシリティ金利を適用する場合、EONIAの低下を通じてユーロは下落するでしょう。

しかし預金ファシリティ金利と準備預金へのマイナス金利の適用は、市中銀行の収益率を低下させ、結果的に融資がさらに縮小。ディスインフレ(デフレ)圧力が強まる恐れがあります。準備預金にまでマイナス金利を適用することは現時点では考えにくいと思われます。

ユーロ圏の融資を拡大させるという意味では限界貸出金利の引き下げは、ある程度、有効思われます。ただ、市中銀行が借り入れた資金を融資に回さず、ユーロ圏周縁国債の保有を増やす可能性があり、この場合、ユーロ相場への影響は限定的となります。

LTROの期限延長、SMPの不胎化、融資拡大を目的とした新LTROの3施策は、実施の容易性も考えると、6月の理事会で実施が決まる可能性が比較的高いと思われます。ただ、SMPの不胎化でEONIAが低下したとしても、低下幅は限られると思われ、ユーロ相場への影響も限定的と思われます。LTROの期限延長や新LTROはユーロ相場に対しては中立に働くと思われます。

ECBによるQEはユーロ圏債券利回りを大きく低下させるでしょうが、ユーロはむしろ上昇してしまうと思われます。ユーロ圏外の投資家もユーロ圏債券買いの動きを強めると考えられるからです。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年5月28日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。中南米通貨は買い優勢となる一方、東欧通貨はユーロと連れ安となった。

 BRLは対ドルで小幅上昇。4月のブラジルPPIは前年比+7.14%と2カ月連続の鈍化。日本時間本日朝方発表見込みのブラジル中銀の金融政策委員会(COPOM)での政策金利据え置き観測を強めた。

 TRYは対ドルで小幅上昇。トルコのゼイベクチ経済相は現在の政策金利水準は高すぎると発言。TRYは対ドルで2.15~2.25水準であれば輸出を促進するとの考えも示した。同国シムシェク財務相はトルコのインフレは5月にピークをつけると述べたが、長期的なインフレの安定はトルコ経済にとって不可欠との認識も示した。

 HUFは対ドルで0.4%の下落。4月のハンガリーPPIは前年比-1.5%と市場予想通り2カ月連続の前年割れ。ハンガリーのディスインフレ傾向の継続が示された。

ブラジル・IGP-M(2014年5月)

ブラジル中銀はさきほど政策金利を11.00%で据え置くことを発表した。決定は全会一致。同中銀は声明で今回の決定はインフレと景気の両見通しによるものとした。

本日午後8時に5月のブラジルIGP-Mが発表される。市場予想では前年比+7.93%と前月(同+7.98%)から小幅鈍化する見込みである。昨日発表された4月のブラジルPPIは前年比+7.14%と前月(同+7.98%)から鈍化した。ブラジルのインフレ圧力はピークをつけた模様だ。仮にインフレがこのまま緩和に向かえば、ブラジルの実質金利は上昇することになり、BRLの魅力が高まることになる。

南アフリカ・PPI(2014年4月)

本日午後6時半に4月の南アフリカPPIが発表される。市場予想では前年比+8.4%と2012年12月の統計開始以来最も高い伸びを更新する見込みである。

第1四半期の南アフリカGDPは前年比1.6%増と市場予想(同1.9%増)を下回り、1年ぶりの低い伸びとなった。同国中銀のマーカス総裁は金利水準の正常化の必要性を主張し続けているが、景気減速が追加利上げを難しくしているのも事実である。

ロンドン・NY市場の主要通貨(2014年5月28日)

 5月28日のロンドン市場はユーロ、ポンドが売り優勢の展開。ユーロドルは1.36ドル台前半から1.36ドルちょうど近辺に下落した。5月のドイツ失業者数は2.4万人増と市場予想に反し、6カ月ぶりの増加。4月のユーロ圏M3は前年比0.8%増と市場予想を下回り、2010年9月以来の1%割れ。来週のECB理事会での緩和観測を強める内容となった。

 ECBメルシュ専務理事はECBがこれまで利用可能な措置の範囲を広げてきており、その成果の一部を理事会で公表することになると発言。来週のECB理事会では複数の措置を打ち出す可能性があり、どういった措置をとるかは準備の状況次第と述べ、来週の理事会で積極的な緩和策が実施されるとの見方を示した。また同専務理事はECBが利下げをするとしても3つの主要金利の差(コリドー)には変更がない見込みと発言。中銀預金金利がマイナスに引き下げられた場合、リファイナンス金利と限界貸出金利も同じ幅で引き下げられる考えを示した。

 ポンドドルは1.68ドルちょうど近辺から1.67ドル台半ば近辺まで下落。5月の英CBI小売調査は16と市場予想を大きく下振れ。英景気の先行き期待を後退させ、ポンドの下押し圧力を強めた。

 ドル円は101円台後半から102円ちょうど近辺に小幅上昇。取引前半に2.50%を割り込んだ米10年債利回りは2.50%ちょうど近辺に小幅反発。ドイツ株、日経平均先物はともに前日終値水準で下げ渋り。東京市場で円買い優勢だったドル円はロンドン市場ではじり高の動きとなった。

 NY市場でもユーロ、ポンドは取引前半にかけて下落。ユーロドルは取引前半に1.36ドルちょうど近辺から1.36ドル台前半に急反発する場面もあったが、その後は再び下落基調で推移。取引中盤には1.36ドルを割り込み、後半は1.36ドル手前でのもみ合いとなった。ECBコンスタンシオ副総裁は金融安定化報告の発表に伴う会見で来週のECB理事会での主要テーマは金融安定化ではなく低インフレの長期化リスクになるだろうと発言。来週の理事会ではいくつかの政策手段がセットで打ち出されるだろうとも述べ、ECBの緩和期待を強めた。

 ポンドドルは1.67ドル台半ば近辺から取引中盤には1.67ドルちょうど近辺まで下落。後半は1.67ドルちょうどをやや上回る水準で方向感に欠ける動きとなった。

 ドル円は取引前半に102円ちょうど近辺から101円台後半に急落したが、その後持ち直し、101円台後半でじり高の動き。NY市場に入り米10年債利回りは2.43%台と昨年7月以来の低水準に低下。米国株も軟調な推移となり、ドル円の上値を抑えた。

 米10年債利回りは節目とされた2.50%をあっさりと割り込み、昨年7月以来の低水準に低下。欧米株も伸び悩んだこともあり、本日東京市場でのドル円は上値が抑えられる展開が続くと思われる。一方、ユーロはECB理事会での複数の緩和策実施観測が強まり、引き続き売り優勢の展開を予想。アジア通貨は欧米株の伸び悩みを受け対ドルで慎重な値動きが予想される。

2014年5月28日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年5月27日)

 新興国通貨は対ドルで軟調な推移。欧米株は上昇する一方、米債利回りは低下。しかし新興国通貨に対しては慎重な姿勢が強まった。

 BRLは対ドルで0.7%の下落。ブラジルのFIPE消費者物価(週次)は前月比+0.36%と市場予想を小幅下回り、3週連続の鈍化。ブラジル中銀による利上げ打ち止め観測を強めた。

 PENは対ドルで0.2%の上昇。第1四半期ペルーGDPは前年比4.8%増と市場予想通りの伸び。ただ前期は同6.9%増と大きく上方修正された。産業別にみると製造業が同2.9%増と鈍化。鉱業も鈍化するなどペルー景気の先行き懸念を強める内容といえた。

 ZARは対ドルで0.9%の下落。第1四半期の南アフリカGDPは前年比1.6%増と市場予想を下回り1年ぶりの低い伸び。前期比年率では0.6%減と2009年第2四半期以来のマイナス成長となり、同国景気の低迷ぶりが改めて示された。

 TRYは対ドルで0.9%の下落。5月のトルコ消費者信頼感は76.0と前月から低下。トルコのエルドアン首相は現在の政策金利は高すぎで、利下げされる必要があると発言。一部メディアはトルコのエルドアン首相が同国中銀のバシュチュ総裁に辞任するか大幅な利下げを実施するよう要求したと報じた。

 HUFは対ドルで0.3%の下落。ハンガリー中銀は市場予想通り政策金利を10bp引き下げ2.40%にすると発表。同中銀は声明で今後の対応はマクロ経済指標とインフレリスクと見通し次第と指摘。ただ、利下げが続くなか中期的な物価安定は達成できているとし、今後も慎重ながらも利下げを続けることは視野に入っているとの認識も示された。

ブラジル・政策金利(現在11.00%)

日本時間明日朝方にブラジル中銀は政策金利を発表する。市場予想では政策金利は11.00%で据え置かれる見込みである。ブラジルのインフレ圧力の強まりは一服しており、ブラジル中銀は利上げを(ようやく)休止することが可能な状況となっている。

ハンガリー・PPI(2014年4月)

本日午後4時に4月のハンガリーPPIが発表される。市場予想では前年比-1.5%と2カ月連続で前年割れとなる見込みである。4月のハンガリーCPIは前年比-0.1%と1968年の統計開始以来、初めての前年割れとなった。ハンガリーのデフレ圧力は強いままである。

ハンガリー中銀は昨日、市場予想通り政策金利を10bp引き下げ2.40%とした。同中銀は追加利下げに含みを持たせており、今後も1~2回追加利下げを実施する可能性がある。ただハンガリー景気は回復基調にあるため、同中銀は今年第3四半期には利下げを終了すると思われる。

タイ・貿易収支と製造業生産(ともに2014年4月)

本日午後1時に4月のタイ貿易収支(通関ベース)が発表される。市場予想では6億ドルの赤字が見込まれているが、景気低迷を背景に輸入が大きく落ち込み、貿易赤字が回避される可能性もある。本日は4月のタイ製造業生産も発表される。こちらは前年比7.5%減と13カ月連続の前年割れが見込まれている。

タイ軍によるクーデターによりタイ政局の混乱は収束に向かうだろう。ただ景気が回復基調を強めるには少なくとも数カ月は必要と思われる。また海外投資家はタイが民主的なプロセスに戻るには当初の予想よりも時間がかかる可能性があることを懸念し始めている。

ロンドン・NY市場の主要通貨(2014年5月27日)

 5月27日のロンドン市場はドルが緩やかな上昇基調で推移した。ドル円は取引前半こそ101円台後半で円買い優勢となったが、中盤以降は持ち直し102円手前まで上昇。前日に過去最高値を更新したドイツDAX指数はこの日も買い優勢の動き。米債利回りは方向感
に欠ける動きとなったもののドルは買い戻しの動きが続いた。

 ウクライナ東部のドネツクでは同国軍と親ロ派武装勢力との戦闘が激化。親ロ派武装勢力の戦闘員が50人以上死亡したと報道された。ロシアのプーチン大統領はウクライナ軍による親ロ派武装勢力に対する軍事行動をを直ちに停止するよう要求。ウクライナとロシアとの間の緊張が強まったが市場のリスク回避姿勢が強まることはなかった。

 ユーロドルは1.36ドル台半ば近辺から1.36ドル台前半に小幅下落。オーストリア中銀のノボトニー総裁はユーロ圏のインフレ率はECBの目標(2%)を明らかに下回っており、ユーロ圏はインフレ率が低過ぎるという問題を抱えていると発言。来週のECB理事会での利下げを含めた緩和実施に対し前向きな姿勢を示し、ユーロの上値を重くした。

 ポンドは下落。ポンドドルは1.68ドル台後半から1.68ドル台前半に下落した。4月の英住宅ローン承認件数が4.2万件と市場予想を下回り3カ月連続の減少。米大手製薬メーカーが同業の英製薬メーカーの買収を断念すると発表したこともポンド売りの材料となった。

 NY市場では取引中盤までドルが上昇基調で推移。しかし後半は一転してドルの上値が重くなった。4月の米耐久財受注は前月比0.8%増と市場予想に反し、3カ月連続の前月比プラス。前月分も上方修正されるなど総じて力強い伸びとなった。その後発表された3月のS&Pケースシラー住宅価格指数は前年比+12.37%と市場予想を上回る伸び。ドル円は両指標発表後に102円ちょうど近辺に小幅上昇した。取引中盤に発表された5月の米消費者信頼感が83.0と市場予想通り前月から上昇すると、ドル円は小幅ながら一段高となり102円台前半に上昇。その後は同水準でのもみ合いとなったが、取引後半に入り米債利回りが低下するとドル買いの動きも後退。ドル円は102円ちょうど近辺に小幅下落した。

 一方、ユーロドルは取引前半に1.36ドル台前半で下落基調で推移。しかし中盤以降は下げ渋り、後半にかけてNY市場序盤の水準まで反発した。ドイツのショイブレ財務相は現在のユーロ圏の金融政策は異例の状況にあり、近く終了するのが望ましいと発言。最も弱い通貨を目指した競争は悲惨な結果になるとも述べ、ユーロ安圧力を強める動きをけん制した。

 欧米株は続伸。市場のリスク回避姿勢は一服感が強まっているが、米債利回りは低下。ドルの上値を抑えている。ウクライナ情勢や中越間の緊張といった地政学的リスクも意識されやすく、本日東京市場のドル円は上値の重い動きが予想される。一方、ユーロはECB理事会での緩和観測が根強いものの、欧州債需要の根強さを背景に下値は堅く推移する見込み。アジア通貨は欧米株の続伸を好感し、対ドルで買い優勢の動きが期待される。

2014年5月27日火曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年5月26日)

INRは対ドルで0.4%の下落。第1四半期のインド経常収支は12億ドルの赤字と3期連続で赤字が縮小し、2010年第2四半期の統計開始以来、最も低い赤字を記録。総選挙で勝利したナレンドラ・モディ氏は正式に首相に就任した。

BRLは対ドルで変わらず。ブラジル中銀の週次サーベイでは政策金利見通しが11.25%と前週から変わらず。28~29日の金融政策委員会(COPOM)での金利据え置き観測が強まっているが、同サーベイでは引き続き25bpの追加利上げが見込まれる結果となった。5月25日までのブラジル貿易収支は3.45億ドルの赤字と前週から赤字に転落した。

MXNは対ドルで小幅下落。4月のメキシコ貿易収支は5.1億ドルの黒字と市場予想に反し3カ月連続の黒字を計上。輸入が前年比1.5%減と5カ月ぶりの前年割れとなったことで貿易収支が改善した。

COPは対ドルで変わらず。25日投開票のコロンビア大統領選では野党・民主中道運動のスルアガ元財相が得票率29.25%でトップ。サントス現大統領が同25.68%となった。ただ両者とも当選に必要な過半数には達せず、両者が6月15日の決選投票に進むことになった。

ZARは対ドルで0.6%の下落。この日は南アフリカ債も軟調に推移した。南アフリカのズマ大統領は新閣僚を発表。財務大臣にはネネ前副財務相が昇格した。ネネ新財務相は一部メディアとのインタビューで財政赤字の削減を続ける意向を示した。

PLNは対ドルで小幅下落。4月のポーランド小売売上高は前年比8.4%増と市場予想を下回ったものの堅調な推移。ポーランド景気の回復基調が続いていることが示された。

ILSは対ドルで0.2%の上昇。イスラエル中銀は政策金利を0.75%で据え置き。Bloomberg調査では予測回答者21名中10名が金利据え置き、1名が15bpの利下げ、10名が25bpの利下げをそれぞれ予想するなど、利下げ観測が強かった。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年5月26日)

 5月26日のロンドン市場はユーロが小高く推移。ユーロドルは取引序盤に1.36ドル台前半で小幅上昇し、東京市場での高値を上抜け。その後も1.36ドル台半ば近辺に迫る上昇を示すなど底堅い動きとなった。ロシアのラブロフ外相はウクライナ大統領選で勝利宣言をしたポロシェンコ氏と対話をする用意があると発言。同相はウクライナ大統領選で示された意志を尊重するとした上で、貿易や天然ガス部門などでの既存の合意を履行するという前提に基づき、実用的で公平な対話を確立する用意があるとした。ポロシェンコ氏も6月前半にロシア大統領と協議する意向を示しており、ウクライナとロシアとの間の緊張緩和期待が強まった。

 ECBドラギ総裁は中央銀行に関するフォーラムでの講演で、当面の間、特に注目すべきは、問題を抱えた加盟国を中心として、低インフレやインフレ期待の低下、信用との間での負の連鎖が定着する恐れがあることだと指摘。また、今あるリスクとしては、ディスインフレ期待が定着し、家計や企業が消費や投資を先送りすることが挙げられると述べ、行き過ぎた低インフレの長期化を許すつもりなどないと発言。インフレ期待が極めて低水準となった場合、伝統的な金利政策に加え、広範な資産購入のほか、銀行向けの新たな長期融資やABSの購入なども選択肢に含まれるとし、6月の次回理事会での緩和実施の意向を示唆した。

 一方、ドル円は102円手前で上値が抑えられる動き。ドイツ株はDAX指数が過去最高値を更新するなど堅調な動きとなったが、この日は英米金融市場が休場のため市場は様子見姿勢の強い展開が続いた。

 NY市場でもユーロは底堅い動き。ユーロドルは取引前半に1.36ドル台半ば近辺とこの日の高値圏に上昇。その後、小幅反落したものの1.36ドル台半ば近辺での推移を続けた。欧州債市場ではイタリア債を中心にユーロ圏周縁国債が買い優勢の展開。欧州議会選挙では英仏などでEU会議派が議席を伸ばしたが、イタリアではレンツィ首相の中道左派・民主党が躍進。ギリシャでは反緊縮派野党の急進左派連合(SYRIZA)最多票を集めたが、与党との票差は連立政権を揺さぶるのに必要とされる5%ポイントに届かず。EU統合路線が続くとの見方がユーロをサポートした。

 ドル円は引き続き102円手前で上値の重い動き。ドイツDAX指数、日経平均先物は高値引けとなったが、リスク選好姿勢を背景とした円売りの動きは強まらず。米金融市場が休場だったことでドル円は動意に欠ける状態が続いた。

 ドイツ株、日経平均先物はともに続伸となったものの円売りの動きは強まらず。米債利回りが上昇しないことからドル買いの動きも強まりにくい。本日東京市場でもドル円は方向感に欠ける動きが続きそうだ。一方、ユーロは欧州議会選挙でEU会議派/反EU派が議席数を増やしたもののEU統合派が過半数を確保したことから下値は堅く推移する見込み。アジア通貨はアジア各国で主だった経済指標の発表がないことから様子見姿勢が強まると思われる。

2014年5月26日月曜日

中長期的には慎重な見方を強めるべきTHB

 タイのクーデターで全権を掌握した国家平和秩序評議会議長のプラユット陸軍司令官は、本日午後1時過ぎ、プミポン国王(ラーマ9世)の勅命を受け正式にタイの指導者に就任した。プラユット氏は夜間外出禁止令は状況が改善すれば解除されると述べたものの、総選挙を実施する意向を示さないまま。軍が主導する評議会が国の実権を掌握することが続く見込みが強まっている。

 米国のケリー国務長官は声明で軍によるクーデターを正当化する理由はまったくないとし、タイのクーデターを批判。米国防総省は約350万ドルのタイへの軍事支援を凍結し、実施中の合同軍事演習や6月に予定していた軍高官の相互訪問を中止することを発表した。欧州やアジア各国もクーデターに対する懸念を表明。ドイツ、フランス、および英国は、クーデターを批判する声明を発表した。プラユット氏が国王のお墨付きを得た形で最高権力者として居続ける以上、欧米各国は対を非難する姿勢を弱めることはないだろう。

 ただTHBはクーデター後も比較的、落ち着いた値動きとなっている。USD/THBはクーデター発表直後に32.3台から32.6台に上昇したが、その後は32.5~32.6のレンジ内で推移。主要格付け機関3社はタイのクーデターに懸念を示しながらもタイの格付けを「BBB+」水準で据え置いたまま。タイの信用不安が強まっているわけではない。

 タイ景気はクーデター勃発前から減速感が強い状況。第1四半期GDPは前期比2.1%減(前年比0.6%減)とマイナス成長。タイ中銀は利下げに踏み切る可能性があるものの、4月のタイCPIは前年比+2.45%と昨年3月以来の高い伸び。利下げがあるとしても1度きりとの見方が強く、THBをサポートしている。

 THBを下押ししている対外収支の悪化も改善に向かう可能性がある。タイ景気の減速が続けば、輸入が大きく減少し、貿易収支をサポートすると考えられるからだ。28日に発表される4月のタイ貿易収支(通関ベース)は6.0億ドルの赤字と3カ月ぶりの赤字が見込まれているが、輸入の落ち込みで貿易赤字が市場予想を下回れば、THBが買い戻される恐れもある。

 ただタイでは労働コストが上昇し、製造業拠点としての競争力が他ASEAN諸国に比べ低下気味。こうした中、クーデターの勃発で政情不安が続くようなら、日本をはじめとする外国企業がタイを海外生産拠点の候補から外す動きが強まる可能性もある。足元では安定的な動きをしているとはいえ、THBに対しては中長期的には慎重な見方を強めるべきと思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年5月23日)

新興国通貨は対ドルで小動き。米債利回りが小幅低下したことがサポート材料となったもののドル、ユーロなど主要通貨に大きな動きがないほか、英米が3連休に入ることもあって新興国通貨は様子見姿勢の強い展開となった。

BRLは対ドルで0.3%の低下。4月のブラジル経常収支は82.9億ドルの赤字と市場予想を大きく上回る赤字。同時に発表された同月同国の対内直接投資は52.3億ドルとほぼ市場予想通りの結果。ブラジルの対外収支の悪化を受けてBRLは軟調な推移となった。

MXNは対ドルで0.2%の上昇。第1四半期のメキシコGDPは前年比1.8%増と市場予想を下振れ。製造業は前年比4.3%増と前期より加速したが、建設業が同2.8%減と6四半期連続の前年割れ。同国景気の低迷を改めて示した。

COPは対ドルで0.3%の下落。3月のコロンビア貿易収支は2.76億ドルの赤字と赤字額が市場予想を小幅下回った。同国中銀のウリベ総裁はドル買いプログラムは同国外貨準備を構築する目的であるとともに、COPのボラティリティを抑制する効果も期待できると発言。同プログラムに対し前向きな姿勢を示した。コロンビアでは25日に大統領選が終了。現職のサントス大統領の苦戦が伝えられており、第1回投票では得票率が過半数に届かず、上位2候補による決選投票に進むとの見方が有力。

ILSは対ドルで小幅下落。昨日発表された4月のイスラエル先行S指数は前月比横ばい。前月分も横ばいに下方修正され、同国景気の先行き不透明感を強めた。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年5月23日)

 5月23日のロンドン市場はドルが上昇基調で推移した。ドル円は101円台後半から102円ちょうど近辺に上昇。米債利回りは小動きで推移するなか、ドイツ株、日経平均先物は底堅く推移。一部メディアがGPIF関連法改正案の今国会提出が見送られると報道し、取引序盤にドル円が売られる場面もあったが下値は堅く、ドル円は堅調な推移を続けた。

 ユーロドルは1.36ドル台半ば近辺から1.36ドル台前半に下落。5月のドイツIFO企業景況感指数は110.4と市場予想を下回り、年初来最低に低下。第2四半期のドイツ景気減速懸念が強まり、ユーロは取引前半を中心に売りが先行する展開となった。

 NY市場はドル、ユーロともに方向感に欠ける動き。ドル円は取引前半に102円ちょうど近辺から101円台後半に下落したが、中盤には持ち直し取引後半は102円ちょうど近辺での推移。4月の米住宅販売件数は43.3万戸と市場予想を上回ったが、前月比は6.4%増と前月分が上方修正されたため市場予想を下振れ。3カ月ぶりのプラスとなったものの米住宅市場の回復は力強さに欠けるとの見方もあり、市場での反応は限定的となった。

 ユーロドルは1.36ドル台前半でのもみ合い。ECBクーレ専務理事は必要が生じた場合、インフレを押し上げるための特別な刺激策を打ち出す選択肢をECB理事全員が支持しているとし、マイナスの銀行預金金利の導入も含め非伝統的手段を用いることにも同意していると発言した。

 ウクライナでは25日、大統領選を実施。親ロ派武装勢力が政府庁舎を占拠する同国東部2州では投票所の約7割の選挙区で投票が実施されなかった模様。報道によると、親欧州路線をとる元国家安全保障防衛会議書記のポロシェンコ氏は出口調査の結果をもとに第1回投票で50%以上の得票率を取るだろうと発言。事実上の勝利宣言をした。

 22日から始まった欧州議会選挙は25日に終了。投票率は43.1%と前回(2009年)選挙とほぼ同じ水準の見通し。出口調査を基にした報道によると、ドイツではCDU/CSU(ドイツキリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟)が得票率36%を獲得し、次いでSPD(ドイツ社会民主党)が同28%を獲得した模様。フランスでは極右政党として知られるFN(国民戦線)が少なくとも25%を獲得し、第一党となる見込み。次いでUMP(国民運動連合)が21%程度、現与党の社会党が15%程度を獲得したと報じられてる。ギリシャではSYRIZA(急進左派連合)が27%程度を獲得し、現与党のND(新民主主義党)の23%を抑えて第一党となる見込み。。

 カナダドルはNY市場で小幅上昇。ドルカナダは1.09ちょうど近辺から1.08台後半に下落した。4月のカナダCPIは前年比+2.0%と市場予想通りだったが前月より加速。カナダのインフレ圧力の高まりがカナダドル買いをサポートした。

 欧米株や日経平均先物の上昇で市場のリスク回避姿勢は後退。ただ米債利回りは上値が抑えられたままで、ドル買いの動きが強まることは期待しにくい。本日は英米の金融市場が休場。本日東京市場でのドル円は方向感に欠ける動きとなりそうだ。一方、ユーロは欧州議会選挙でEU会議派/反EU派の躍進を背景に上値が抑えられる見込み。アジア通貨は英米金融市場の休場を受けて様子見姿勢が強まると思われる。