2014年6月6日金曜日

チリ・CPI(2014年5月)

 本日午後9時に5月のチリCPIが発表される。市場予想では前年比+4.6%と2010年12月の統計開始以来、最も高い伸びを記録する見込みである。チリ景気は低迷を続けており、利下げの必要性が指摘されている。

 チリのインフレは目標レンジ(2~4%)の上限を上回っており、チリ中銀は景気が弱含む中、4月、5月と政策金利を4.00%で据え置いた。6月13日に予定されている中銀会合でも政策金利は4.00%で据え置かれる見通しとなっている。ただ年後半にでもインフレが鈍化すれば、同中銀は再び利下げに踏み切るだろう。

ブラジル・IPCA(2014年5月)

 本日午後9時に5月のブラジルIPCAが発表される。市場予想では前年比+6.29%と前月(同+6.28%)とほぼ同じ伸びが見込まれている。ブラジルのインフレはピークに達したと思われ、ブラジル中銀の金利据え置き姿勢をサポートしている。

 昨日公表されたブラジル中銀の会合議事録(5月29日開催分)では、インフレ圧力の強まりは一服感がみられると指摘。これまでの利上げ効果は強まる傾向にあるとの見方も示されたが、2014年と2015年のインフレは目標レンジの上限を上回る見通し。金融政策は引き続き慎重なものである必要があるとの認識も示され、追加利上げの可能性が示唆された。

メキシコ・政策金利(現在3.50%)

 本日午後11時にメキシコ中銀は政策金利を発表する。政策金利は3.50%で据え置かれる見込みである。メキシコ経済指標は一進一退の動きを続けているが、メキシコ中銀は今回の会合でよりハト派寄りの姿勢を示すと思われる。

 メキシコ景気が第2四半期にどのように推移するかが注目されが、仮に指標が軟化するようであれば年後半の利下げの可能性が高まると思われる。

チェコ・貿易収支と鉱工業生産(いずれも2014年4月)

 本日午後4時に4月のチェコ貿易収支と鉱工業生産が発表される。貿易収支は185億CZKの黒字と前月より黒字額が縮小するが、高水準の黒字が確保される見込み。鉱工業生産は前年比+7.0%と、こちらも前月より鈍化するが高い伸びが続く見込みである。チェコ景気は回復基調にあるが、4月のチェコCPIは前年比+0.1%とデフレリスクは続いている。

 チェコ中銀のフォワードガイダンスでは金融政策は2015年まで変更されない見通しとなっており、次回中銀会合(6月26日)でも金融政策は維持されると思われる。

ハンガリー・貿易収支(2014年4月)

 本日午後4時に4月のハンガリー貿易収支が発表される。市場予想では6.62億ユーロの黒字と2カ月連続で黒字額が縮小する見込みだが、比較的安定的な推移が見込まれている。ドル建てでみたハンガリー輸出は過去4カ月のうち3カ月で二桁の伸びを示した。ハンガリー景気は回復基調で推移しているが、4月のハンガリーCPIが前年比-0.1%と1968年の統計開始以来、初めて前年割れとなったように、デフレ圧力は強いままである。

 次回中銀会合は6月24日に予定されているが、ここでもハンガリー中銀は10bpの小幅利下げを実施するとみられている。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月5日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。EMEA通貨の上げが目立った。

 BRLは対ドルで0.8%の上昇。ブラジル中銀は会合議事録(5月29日開催分)を公表。同会合では政策金利は11.00%で据え置かれた。同議事録ではインフレ圧力の強まりは一服感がみられると指摘。これまでの利上げ効果は強まる傾向にあるとの見方も示されたが、2014年と2015年のインフレは目標レンジの上限を上回る見通し。金融政策は引き続き慎重なものである必要があるとの認識も示され、追加利上げの可能性が示唆された。

 MXNは同0.4%の上昇。5月のメキシコ消費者信頼感は90.7と市場予想や前月を上回り3カ月連続の上昇。MXNは買い優勢の動きとなった。

 HUFは対ドルで0.9%の上昇。4月のハンガリー鉱工業生産は前年比+10.1%と市場予想を大きく上回り、2011年2月以来となる二桁の伸び。ハンガリー景気の先行き期待が強まった。

 TRYは同0.9%の上昇。トルコ中銀のバシュチュ総裁は今年のトルコ成長率は上方修正される可能性があると発言。また同国インフレは6月から鈍化し始めているとの認識も示された。

 CZKは同0.4%の上昇。4月のチェコ小売売上高は前年比6.0%増と市場予想通り前月から加速。第1四半期の同国平均実質賃金は前年比3.1%増と市場予想を上回り、2010年以降最も高い伸びとなった。

ロンドン・NY市場の主要通貨(2014年6月5日)

 6月5日のロンドン市場はECB理事会の結果を受けてユーロが下落。ユーロドルは1.36ドルちょうど近辺から1.35ドル台後半に下落した。ECBは政策金利を10bp引き下げ0.15%、上限金利となる限界貸出金利を35bp引き下げ0.40%、下限金利となる中銀預金ファシリティ金利を10bp引き下げ-0.10%、にそれぞれ設定すると発表。ECBは声明で金融政策の波及メカニズムの機能強化に向けた追加的な金融政策措置をめぐり、同中銀ドラギ総裁の会見後となる日本時間午後10時半に声明を発表するとした。ユーロドルはECBの利下げを受けて下落したが、ECBの追加発表を控えていることもあって、ロンドン市場終盤にかけては1.35ドル台後半で下げ渋った。

 一方、ドル円は102円台半ば近辺で小動き。ECB利下げを受けてドイツ株、日経平均はともに上昇。ただ米債利回りは上値が抑えられる動き。5月の米チャレンジャー人員削減数が前年比45.5%増と昨年8月以来の増加となったこともあってドル円は慎重な値動きが続いた。

 ポンドは底堅い動き。ポンドドルは1.67ドル台半ば近辺から1.67ドル台後半に小幅上昇した。BOEは市場予想通り政策金利を0.50%、資産購入枠を3750億ポンドでそれぞれ据え置き。市場予想通りとはいえ利下げ先送り姿勢が確認されたことで英景気の先行き期待は強まる展開。ポンドをサポートした。

 NY市場はユーロがECBの追加緩和策発表を受けて売られたものの、売り一巡後は買い戻される値動きの激しい展開となった。

 ECBドラギ総裁は利下げとあわせて金和パッケージを発表。ECBは2種類の目標を絞った長期リファイナンスオペ(TLTRO)を今年9月と12月に実施。当初の規模は4000億ユーロとし、オペの満期は2018年9月とした。TLTROでは対象金融機関によるユーロ圏の民間非金融部門への総貸し出しから家計の住宅購入向けローンを除いた額の7%に相当する借り入れを可能とするとした。またECBはあわせて固定金利でのオペ全額供給の継続、証券市場プログラム(SMP)の不胎化オペ停止、中小企業への支援を目的とした資産担保証券(ABS)買い切りオペに向けた準備を行うことも決定。またマイナスとなった預金ファシリティ金利は超過準備にも適用されることになった。

 ECBドラギ総裁はECBの緩和措置は依然として終了していないと明言。またECBは為替動向を注視しており、金利は以前の見通しよりも長期間、低くとどまる可能性があると発言した。また同総裁はECBスタッフ予想でインフレ見通しが2014年が従来の1.0%から0.7%、2015年が1.3%から1.1%、2016年が1.5%から1.4%にそれぞれ下方修正され、GDP見通しも2014年が従来の1.2%から1.0%に引き下げられたことも明らかにした。

 ECBドラギ総裁の発言を受けてユーロドルは1.35ドル台後半から1.35ドルちょうど近辺と2月6日以来の低水準に下落。ただドラギ総裁の会見後、ユーロは一転して買い戻しの動きに。ユーロドルは取引中盤にはECB利下げ発表前の水準である1.36ドルちょうど近辺に反発。その後もユーロドルは上昇基調で推移し、取引終盤は1.36ドル台後半での推移となった。

 ドル円はECBドラギ総裁の会見を受けてドル買いの動きが強まり102円台後半に上昇。ただ一時急騰した米債利回りが取引中盤にかけてNY市場序盤の水準に戻すとドル買いの動きは後退。ドル円は取引中盤には再び102円台半ば近辺に下落。その後もドル円は102円台前半で方向感に欠ける動きとなった。

 カナダドルは対ドルで買い優勢となった。5月のカナダIvey購買部協会指数は48.2と市場予想に反し、前月を下回り、5カ月ぶりの低水準。ドルカナダは1.09台前半から1.09台半ば近辺に上昇した。しかし中盤以降はドル買いの動きが後退したことで、ドルカナダは一転して下落基調での推移。引けにかけては1.09台前半とこの日の安値圏に下落した。

 ECBの追加緩和で欧米金融市場では株、債券ともに上昇。流動性相場の様相が強まってきた。日本株は上げて始まる見込み。ただ、米債利回りは上値が抑えられているほか、本日は米雇用統計の発表を控えていることもあり、東京市場でのドル円は様子見姿勢が強まると思われる。一方、ユーロはECB追加緩和を背景とした欧州債先行き期待も強く、引き続き底堅い動きとなりそうだ。アジア通貨は欧米株の上昇を受けて対ドルで買い優勢の展開が予想される。

2014年6月5日木曜日

メキシコ・消費者信頼感(2014年5月)

 本日午後10時に5月のメキシコ消費者信頼感が発表される。市場予想では90.3と前月と同じ水準が見込まれている。

 5月前半のメキシコCPI(隔週)は前年比+3.44%とほぼ市場予想通りの伸びで、メキシコのインフレ圧力は落ち着いているといえる。メキシコ中銀は当面、政策金利を3.50%で据え置き続けると思われるが、メキシコ景気が第2四半期にどのように推移するかが注目される。

ブラジル・中銀会合議事録(5月29日開催分)

 本日午後8時半にブラジル中銀は会合議事録(5月29日開催分)を公表する。同会合では政策金利は11.00%で据え置かれた。本日公表される議事録はブラジル中銀の金融政策の行方を考察するうえで重要なヒントを示すと思われる。

 ブラジルのインフレ圧力は緩和しつつあるため、ブラジル中銀は当面、金利を据え置くだろう。ただ、ブラジル景気は明らかに軟化している。

ハンガリー・鉱工業生産(2014年4月)

 本日午後4時に4月のハンガリー鉱工業生産が発表される。市場予想では前年比+7.0%と前月(同+8.1%)から鈍化するものの堅調な推移が見込まれている。ハンガリー景気は回復基調で推移しているが、4月のハンガリーCPIは前年比-0.1%と1968年の統計開始以来、初めての前年割れとなったように、デフレ圧力は強いままである。

 次回中銀会合は6月24日に予定されているが、ここでもハンガリー中銀は10bpの小幅利下げを実施するとみられている。

チェコ・小売売上高(2014年4月)

 本日午後4時に4月のハンガリー小売売上高が発表される。市場予想では前年比6.0%増と前月(同5.2%増)から加速する見込みである。チェコ景気は回復基調にあるが、4月のチェコCPIは前年比+0.1%とデフレリスクは続いている。

 チェコ中銀のフォワードガイダンスでは金融政策は2015年まで変更されない見通しとなっており、次回中銀会合(6月26日)でも金融政策は維持されると思われる。

フィリピン・CPI(2014年5月)

 本日午前10時に5月のフィリピンCPIが発表される。市場予想では前年比+4.2%と前月(同+4.1%)から加速し、今年1月と同様に2011年12月以来の高い伸びとなる見込みである。

 インフレは目標レンジ(3~5%)の範囲内にあるが、景気は減速気味である。第1四半期のフィリピンGDPは前年比5.7%増と2011年第4四半期以来の低成長となった。次回中銀会合は6月19日に予定されているが、フィリピン中銀は政策金利を3.50%で据え置くだろう。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月4日)

 新興国通貨はPLNを除き対ドルで下落。米債利回りの上昇が新興国通貨を下押しした。

 BRLは対ドルで0.2%程度の下落。ブラジル政府は期間半年から1年の海外からの借り入れに関し、6%の金融取引税(IOF)を撤廃すると発表。同国マンテガ財務相は今回の措置はインフレ抑制ではなく、為替相場の正常化が狙いと説明。今回の措置により小規模銀行が最も恩恵を受けるとした。同発表を受けてBRLは買い優勢となったが、その後発表された4月のブラジル鉱工業生産は前年比-5.8%と落ち込み幅が市場予想をやや下回ったが、2012年2月以来の大幅な落ち込みを記録。BRLは軟調な推移となった。

 PLNは対ドルで0.4%の上昇。ポーランドのコモロフスキ大統領は通貨ユーロの導入はポーランドをEU主要国の仲間入りにさせると発言。同国中銀ベルカ総裁は同大統領の発言を全面的に支持するとし、ポーランドは2015年の総選挙後にユーロ導入の議論を開始すべきと述べた。

 HUFは対ドルで小幅下落。4月のハンガリー小売売上高は前年比6.6%増と市場予想を下回る伸び。第1四半期のハンガリーGDP(改定値)は同3.5%増と速報値と同じだった。

 CZKは対ドルで0.2%の下落。第1四半期チェコGDP(改定値)は前年比2.5%増と市場予想や速報値を上振れ。チェコ景気の回復基調が改めて確認された。

ロンドン・NY市場の主要通貨(2014年6月4日)

 6月4日のロンドン市場はユーロが小幅買い戻される展開。ユーロドルは1.36ドルちょうど近辺から1.36ドル台前半に小幅上昇した。この日発表されたユーロ圏各国の5月サービス業PMIの多くは市場予想を小幅下回る軟調な結果。ただ、その後発表された第1四半期ユーロ圏GDP(改定値)は速報値と変わらず前年比0.9%増。その後、ユーロは緩やかながら上昇基調で推移した。

 一方、ドル円は102円台後半で小動き。ドイツ株、日経平均先物はともに小幅マイナス圏での推移。ただ東京市場で低下した米債利回りは下げ幅を縮める動きとなり、ドル円をサポートした。

 ポンドは上昇。5月の英マークイット/CIPSサービス業PMIは58.6と市場予想を上回り、前月とほぼ変わらない水準。英景気の底堅さが確認されたポンドドルは取引前半に1.67ドル台前半から1.67ドルちょうど近辺に下落したが、PMI発表後に上昇基調で推移。引けにかけては1.67ドル台後半での推移となった。

 NY市場はドルが底堅く推移した。5月の米ADP民間雇用者数は17.9万人増と市場予想を下回り、4カ月ぶりの低い伸び。その後発表された4月の米貿易収支は472億ドルの赤字と市場予想を上回り、2年ぶりの大幅な赤字を記録。前月の赤字額も上方修正され、第1、第2四半期米GDP見通しを悪化させる内容となった。両指標の結果を受けてドルは弱含みの動きに。ドル円は102円台後半から102円台半ば近辺に下落した。ただ米債利回りの低下が限定的だったこともあり、ドル円は下げ一服後、再び102円台後半に反発。その後発表された5月のISM非製造業景況指数が56.3と市場予想を上回り、昨年8月以来の高水準を記録すると、ドル円は102円台後半でこの日の高値圏に浮上。取引後半は同水準で下値の堅い動きを続けた。

 米FRBは取引後半に地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表。同報告は総括判断で米経済活動は全12地区で拡大したと指摘した。個人消費がほぼ全地区で拡大。製造業は全国を通じて拡大したが、住宅不動産関連は地区ごとにマチマチだった。ただ住宅価格は大部分の地区で引き続き上昇。労働市場は全般的に前回報告より判断が強かった。

 一方、ユーロドルは米ADPや貿易収支の結果を受けて1.36ドル台前半で上昇基調を継続。しかし取引中盤からは一転して下落基調での推移となり、取引終盤には1.36ドルちょうど近辺に下落した。

 カナダドルは軟調な展開。4月のカナダ国際商品貿易は6.4億カナダドルの赤字と市場予想に反し3カ月ぶりの赤字。ただ前月分の黒字額が大きく上方修正され、3-4月平均では市場予想を小幅下回る黒字だった。同指標発表後、カナダドルは小幅売られたが、売りの動きは限定的。その後カナダ中銀は市場予想通り政策金利を1.00%で据え置くと発表。同中銀は声明でインフレ見通しの下方リスクは従来と同様に重大と指摘。ディスインフレに対する懸念を改めて示した。一方で、同中銀は家計の不均衡に関連したリスクも引き続き高止まりしているとも指摘した。同中銀の発表を受けてドルカナダは1.09台前半から1.09台半ば近辺に上昇。ただ、取引後半に入るとカナダドルを買い戻す動きも出て、ドルカナダは1.09台前半での推移となった。

 5月の米ADP民間雇用者数はやや弱い伸びだったが、4月の米貿易赤字の拡大は輸入の拡大が主因。米ISM非製造業景況指数も予想を上回る上昇となるなど米内需の堅調ぶりが確認された。米債利回りは上昇基調を維持しており、米国株は底堅く推移。本日東京市場でのドル円は底堅い動きが期待される。一方、ユーロは本日予定されているECB理事会の結果発表を前に様子見姿勢が強まる見込み。アジア通貨は米債利回りの上昇が嫌気され対ドルで軟調な展開が予想される。

2014年6月4日水曜日

ブラジル・鉱工業生産(2014年4月)

 本日午後9時に4月のブラジル鉱工業生産が発表される。市場予想では前年比-6.1%、前月比-0.4%と低迷が続く見込みである。2日に発表された5月のブラジルHSBC製造業PMIは48.8と2カ月連続で低下し、昨年7月以来の低水準に低下した。ブラジル景気は明らかに軟化しており、ブラジル当局にとっては追加利上げは好ましいものではなくなっている。

ハンガリー・小売売上高(2014年4月)

 本日午後4時に4月のハンガリー小売売上高が発表される。市場予想では前年比7.5%増と前月(同8.5%増)から鈍化するものの堅調な推移が見込まれている。ハンガリー景気は回復基調で推移しているが、4月のハンガリーCPIは前年比-0.1%と1968年の統計開始以来、初めての前年割れとなったように、ハンガリーのデフレ圧力は強いままである。

 ハンガリー中銀は5月27日、市場予想通り政策金利を10bp引き下げ2.40%とした。同中銀は追加利下げに含みを持たせており、今後も1~2回追加利下げを実施する可能性がある。ただハンガリー景気は回復基調にあるため、同中銀は今年第3四半期には利下げを終了すると思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月3日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。ZARなどEMEA通貨は軟調な動きとなる一方、CLP、COPなど中南米通貨は比較的底堅い動きを示した。

 SGDは対ドルで変わらず。5月のシンガポール購買部景気指数は50.8と市場予想に反し前月から低下。新規受注が前月から低下したほか、生産、完成品在庫も前月から悪化した。

 BRLは対ドルでほぼ変わらず。5月のブラジルFIPE消費者物価(週次)は前月比+0.25%と市場予想を下振れ。ブラジルのインフレ圧力の後退が好感されBRLは取引前半にかけて買い優勢となったが、その後発表された5月のブラジル自動車販売は前年比7.2%減と3カ月連続の前年割れ。指標発表後、BRLは上げ幅を縮める動きとなった。

 ZARは対ドルで0.9%の下落。USD/ZARは一時10.8ちょうど近辺と3月25日以来のZAR安水準に達した。南アフリカ中銀は金融政策決定委員会(MPC)が政策判断の困難に直面しており、ZAR安はインフレリスクを高めていると指摘。ただ一方で緩和的な金融政策は景気回復をサポートしており、第2四半期の同国成長率は改善を示すとの見方を示した。南アフリカ中銀のミネレ副総裁はZARがより安い水準に調整されるとの見方を提示。同中銀マーカス総裁は同国景気が後退することはないとの認識を示しながらも、同国経済のボトルネックを懸念しているとも発言した。

 TRYは同0.4%の下落。5月のトルコCPIは前年比+9.66%と前月より加速したが、市場予想を下回る伸び。同時に発表された同月同国PPIは同+11.28%と前月より鈍化した。トルコのエルドアン首相は同国中銀のバシュチュ総裁の前日の発言に対し、金利に関する彼の姿勢を全く肯定的に捉えておらず、受け入れられないと発言。同国ゼイベクチ経済相も金利が雇用や経済成長、輸出を支援できる水準に早期に達することを望むと語った。同国シムシェキ財務相はインフレ率を押し上げる要因はほとんどなく、今後は低下傾向を示すとの見通しを示し、経常赤字については、対応可能な水準であり、今後縮小するとの見方を示した。

 PLNは対ドルで小幅下落。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を2.50%で据え置き。政策金利を第3四半期末まで据え置くとするフォワードガイダンスも現状維持とした。同中銀ベルカ総裁は年内に政策金利が変更される可能性が排除されることはないとしながらも、同国CPIは低く、低い状態が続く可能性があると発言。CPIが前年比マイナスになる可能性も否定できないとし、現時点で利下げを検討していないが、利下げに踏み切る可能性はゼロではないとの認識も示した。

ロンドン・NY市場の主要通貨(2014年6月3日)

 6月3日のロンドン市場はユーロが小幅買い戻される展開。注目を集めた5月のユーロ圏CPIは前年比+0.5%と市場予想を小幅下回り前月より鈍化。5日のECB理事会での追加緩和観測をサポートしたが、同時に発表された4月のユーロ圏失業率は11.7%と小幅ながら前月より改善。指標発表後、ユーロドルは1.36ドルちょうど近辺でのもみ合いを続けたが、後半に入ると1.36ドル台前半に小幅上昇した。

 一方、ドル円は102円台前半で方向感に欠ける動き。米債利回りは上昇基調で推移しドル円をサポートしたが、ドイツ株は下げ幅を広げる動きとなりドル円の上値を抑えた。

 ポンドは往って来い。5月の英全国住宅価格が前年比+11.1%と市場予想を上回り、2007年6月以来の高い伸びとなったことで、ポンドドルは1.67ドル台半ば近辺から1.67ドル台後半に上昇。ただ、その後発表された同月同国の建設業PMIが60.0と市場予想に反し前月から低下すると、ポンド買いの動きは後退。ポンドドルは一転して下落基調での推移となり、引けにかけては1.67ドル台半ば近辺とロンドン市場序盤とほぼ同じ水準に値を戻した。

 NY市場はドル円が102円台前半から102円台半ば近辺に小幅上昇するなど、底堅い動きとなった。4月の米製造業受注は前月比+0.7%と市場予想を上回り、前月分も同+1.5%と上方修正。下げて始まった米国株は下げ渋る動きとなり、NY市場に入りもみ合いとなった米債利回りは取引後半から再び上昇基調で推移。ドル円は緩やかながらも上昇基調での推移となった。米カンザスシティー連銀のジョージ総裁はFOMC見通しよりも早期に早いペースで利上げに踏み切ることが適切と発言。最初の利上げ前に、満期を迎えた保有証券の再投資をやめバランスシート縮小を容認するのが適切との認識も示し、米債利回りの上昇を促した。

 ユーロドルは1.36ドル台前半での推移。米債利回りの上昇でドル買いの動きも見られたが、ユーロは下値の固い値動きとなった。

 米債利回りは上昇基調を維持。米国株の下げ幅は限定的でリスク回避姿勢はかなり後退した印象。ただ本日発表の米ADP雇用統計の結果を見極めたいとの思惑もあり、本日東京市場でのドル円は様子見姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはECB理事会での緩和観測を背景に引き続き上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は市場のリスク回避姿勢の後退を背景に対ドルで底堅い動きが期待される。

2014年6月3日火曜日

ポーランド・政策金利(現在2.50%)

ポーランド中銀は本日、政策金利を発表する。政策金利は2.50%で据え置かれる見込みである。

ポーランド景気は回復基調で推移しているが、ポーランド中銀は回復の持続性に懸念を示し続けている。昨日発表された5月のポーランドHSBC製造業PMIは50.8と市場予想(52.1)を大きく下回り、昨年6月以来の低水準に低下した。同中銀のベルカ総裁は政策金利を今年第3四半期まで据え置くとするフォワードガイダンスを延長する意向を示している。

トルコ・CPI(2014年5月)

本日午後4時に5月のトルコCPIが発表される。市場予想では前年比+9.90%と6カ月連続で加速し、2012年4月以来の高い伸びとなる見込みである。同時に発表される同月同国のコアCPIは同+9.80%と2007年3月以来の高い伸びが見込まれている。

トルコ中銀は5月22日、高インフレ下のもと50bpの利下げに踏み切ったが、これはインフレリスクを強め、中銀の独立性に疑義をもたせる行為といえる。次回会合は6月24日に予定されているが、仮に連続利下げとなればトルコ中銀に対する投資家の信頼性は大きく低下するだろう。なお昨日発表された5月のトルコHSBC製造業PMIは50.1と3カ月連続の低下となり、トルコ景気の弱さが示された。

シンガポール・購買部景気指数(2014年5月)

本日午後10時半に5月のシンガポール購買部景気指数が発表される。市場予想では51.3と前月(51.1)から小幅上昇する見込みである。

シンガポール景気は回復基調にあるものの、拡大ペースは極めて緩やかで、MASは当面、金融政策を据え置くと予想される。

インド・政策金利(レポレート:現状8.00%)

本日午後2時半にインド中銀はレポレートなど主要3金利を発表する。レポレートは8.00%で据え置かれる見込みである。

第1四半期インドGDPは前年比4.6%増と市場予想を下回り、前期も同4.6%増に下方修正された。インドのインフレ圧力は景気減速を背景に弱まりつつあり、インド中銀は年後半に利下げを始めると思われる。またインド中銀は外貨準備の積み上げを続けており、INRの上昇ペースを緩やかなものにしている。

中国・非製造業PMI、HSBC製造業PMI(確定値)(ともに2014年5月)

本日午前10時に5月の中国非製造業PMI、同日午前10時45分に5月のHSBC製造業PMI(確報値)がそれぞれ発表される。6月1日発表の5月の中国製造業PMIは50.8と市場予想(50.7)や前月(50.4)を小幅上回った。

中国当局は景気回復がしっかりしてくるまで、小規模な景気刺激策を続けると予想される。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月2日)

 新興国通貨は対ドルで続落。米債利回りの上昇を背景に新興国通貨は売り優勢の動きとなった。

 BRLは対ドルで1.4%の下落。USD/BRLは2.27台と4月4日以来のBRL安水準に達した。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末までの政策金利見通しが11.00%と前週から下方修正。USD/BRL見通しも2.45から2.40に下方修正された。ただ5月のブラジル製造業PMIは48.8と前月から低下し昨年7月以来の低水準。同月同国の貿易収支は7.12億ドルの黒字と市場予想に反し3カ月連続の黒字となったが、主因は輸入の落ち込み。ブラジル景気の低迷を改めて示す内容となった。

 MXNは同0.4%の下落。4月のメキシコ海外労働者送金は前年比2.1%増と市場予想を下回る弱い伸び。5月のメキシコIMEF製造業指数は52.2と市場予想を上回ったが同月同国のIMEF非製造業指数は50.1と市場予想に反し前月から低下。メキシコ景気の先行き不透明感を強めた。

 CLPは同0.4%の下落。チリ中銀は会合議事録(5月15日開催分)を公表。同会合では政策金利は4.00%で据え置かれた。議事録によると当局者は四半期ごとに1度の利下げペースを検討。4月のCPI上昇はサプライズだったが主因はCLP安にあるとの判断が示された。メンバー1名はインフレ期待が強まることを容認してはならないと主張。複数のメンバーは利下げの可能性を認めながらも、利下げを即時に実施する必要はないとの認識を示した。

 ZARは対ドルで1.0%の下落。5月のカギソ製造業PMIは44.3と市場予想を大幅に下回り、2009年8月以来の低水準に低下。新規受注は前月から上昇したものの、経済活動や受注残は前月から大きく低下した。

 HUFは同0.7%の下落。5月のハンガリー製造業PMIは53.9と前月より低下。ハンガリーのバルガ経済相はHUF安による外貨建て住宅ローンの損失の一部を市中銀行が甘受したとしても金融システムの安定性が損なわれることはないと発言。3日に予定されている同国最高裁でのOTP銀行の外貨建て住宅ローン損失問題判決で同銀行が敗れるとの見方を強めた。

 TRYは同0.5%の下落。5月のトルコHSBC製造業PMIは50.1と3カ月連続で低下し昨年7月以来の低水準を記録。トルコ中銀のバシュチュ総裁は同国成長率は4%近辺に達すると強調。また同国インフレは6月から鈍化し始めるとの認識を示した。

ロンドン・NY市場の主要通貨(2014年6月2日)

 6月2日のロンドン市場はユーロが軟調な推移となった。取引序盤に発表された5月のドイツ・ザクセン州CPIは前年比+0.8%と前月から鈍化すると、ユーロは売り優勢の動きに。その後発表された5月のイタリア製造業PMIは53.2、同月ドイツ製造業PMI(確報値)は52.3、同月ユーロ圏製造業PMI(確報値)は52.2と、いずれも市場予想を下回り、ドイツの他州のCPIも前月から鈍化すると、ユーロドルは1.36ドル台前半から1.36ドルちょうど近辺に下落した。ただ、ユーロ売りが一巡した取引中盤以降は、ユーロを買い戻す動きが続き、ユーロドルは引けにかけて1.36ドル台前半での推移。しかしロンドン市場序盤の水準まで値を戻すことはなく上値の重さが印象付けられた。

 ドル円は102円ちょうど近辺でのもみ合い。ドイツ株はプラス圏で推移し、日経平均先物は4月7日以来の15000円台を回復。ただ米債利回りは小動きに終始し、ドル円は動意に欠ける展開となった。

 ポンドは方向感に欠ける動き。ポンドドルは取引前半に1.67ドル台半ば近辺から1.67ドル台前半に下落した。その後発表された4月の英住宅ローン承認件数は6.29万件と市場予想を下回り、前月分も下方修正。ただ同時に発表された5月の英製造業PMIは57.0と市場予想通りだったが堅調な水準。指標発表直後のポンドドルは1.67ドル台前半でもみ合いとなったが、その後はポンド買い優勢の動きが続き、取引後半は1.67ドル台半ば近辺とロンドン市場序盤の水準での推移となった。

 NY市場はドルが上昇した。米債利回りはNY市場に入ると緩やかに上昇基調で推移し、ドル円も102円ちょうど近辺から102円台前半に小幅上昇。しかし、5月の米ISM製造業景気指数は53.2と市場予想を大きく下回り、同時に発表された4月の米建設支出も前月比0.2%増と市場予想を下振れ。ドル円は再び102円ちょうど近辺に下落したが、その後、ISMは調整ミスを理由にISM製造業景気指数を53.2から56.0に修正すると発表。ドル円は再び102円台前半に反発した。取引中盤にISMはISM製造業景気指数を再度修正し、今度は55.4と2度目の発表値である56.0から小幅下方修正したが、米債利回りは上昇を続け、米国株もプラス圏での推移。ドル円は取引中盤から後半にかけて上昇基調で推移し、終盤には102円台半ば近辺まで上昇。引けにかけては102円台前半に小幅下落した。

 ユーロドルは取引前半こそ1.36ドル台前半での推移となったが中盤以降は上値が重くなり1.36ドルちょうど近辺での推移となった。5月のドイツCPIは前年比+0.9%と市場予想を下回り、2010年6月以来の1%割れ。オーストリア中銀のノボトニー総裁はユーロ圏がデフレの状況に差し迫っているわけではないが、中銀はデフレを止めることがインフレを抑制する以上に難しいと発言。5日の理事会でマイナス金利について協議されるとも述べ、5日の理事会での追加緩和観測をサポートした。なおドイツの一部メディアは中銀の事情に詳しい関係者の話を引用し、ECBが市中銀行に資金を中小企業向け融資に振り向けることを条件に400億ユーロの流動性をLTROで供給する見込みと報じた。

 米国株は堅調に推移し、米債利回りも上昇基調を維持。ドル買いの動きが(ようやく)強まってきた。本日の日本株は上昇して始まる見込み。ドル円は102円台前半で下値を固める展開が期待される。一方、ユーロはECB理事会での緩和観測を背景に引き続き上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は市場のリスク回避姿勢の後退を背景に対ドルで底堅い動きが期待される。

2014年6月2日月曜日

トルコ債買いを背景とした上昇は期待できないTRY

 トルコ中銀は5月22日、市場予想に反しレポレートを50bp引き下げ9.50%とした。同中銀は声明で利下げの理由として、最近の不透明感後退やリスクプレミアム指標の改善を受け、市場金利は全ての期間について低下したと指摘した。たしかに同中銀が指摘するように、トルコ債利回りは年初から全期間で100bp以上低下。たとえばトルコ10年債利回りは年初の10.52%から利下げ決定前の5月21日には9.19%に低下している。

 新興国の中でもトルコ債利回りは低下幅が大きい。米債利回りは(市場関係者の期待に反する形で)低下した。米10年債利回りは年初の2.98%から5月末には2.48%と50bp低下。同期間の新興国債利回りも概ね50bp前後の低下にとどまっている。3月末に実施されたトルコ地方選でエルドアン首相率いる公正発展党(AKP)が勝利したことに加え、政府からの露骨な利下げ要求がトルコ債利回りの低下を促したとみられる。

 ただトルコのインフレ圧力は強い。4月のトルコCPIは前年比+9.38%と5カ月連続の加速。同月同国のコアCPIは同+9.74%と2007年3月以来の高い伸びを記録した。明日発表される5月のトルコCPIは市場予想で前年比+9.90%と伸びがさらに高まるとみられている。Bloomberg調査によると、トルコのインフレはTRYの上昇を受けて5、6月にピークを打ち、その後は緩やかに鈍化するとみられているが、それでも前年比8%台での推移が続くとみられている。

 仮にトルコのインフレがBloomberg調査の見方通りの動きとなるのであれば、トルコ実質金利は現時点の「ほぼゼロ」から1%程度に上昇するが、それでも新興国の中では台湾、インド、フィリピンといったアジア各国に次ぐ低さとなる。今後も政府の圧力に屈する形でトルコ中銀が利下げを続けるとの思惑が強まるかもしれないが、トルコのインフレ見通しを前提とすれば、トルコ債利回りがさらに低下することは考えにくい。

 5月末時点でのTRYの年初来リターンは対ドルで3.26%とBRL、INR、IDR、KRWに次ぐ高いパフォーマンスとなっている。トルコ債買いを背景としたTRYの上昇を期待するのも難しいように思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年5月30日)

 新興国通貨は対ドルで下落。ZAR、RUBなどEMEA通貨の下げが目立った。

 BRLは対ドルで1.0%の下落。第1四半期のブラジルGDPは前年比1.9%増と市場予想を小幅下振れ、前期から減速。個人消費は前期比0.1%減と1年半ぶりのマイナス。投資も同2.1%減と3期連続のマイナスとなった。

 CLPは同0.4%の下落。4月のチリ製造業指数は前年比-4.2%と落ち込みが市場予想を上回り、昨年5月以来の落ち込み。同月同国の小売売上高は前年比1.6%増と市場予想を下回り、2009年9月以来の低い伸びとなった。

 PENは同0.3%の下落。5月のペルーCPIは前年比+3.56%と市場予想を小幅加速。家賃が同+6.15%と2011年1月の統計開始以来最も高い伸びを記録した。

 COPは対ドルで0.2%の上昇。コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を25bp引き上げ3.75%にすると発表。同中銀の売り米総裁は、決定が全会一致で金融政策は依然として拡張気味であると指摘。同国カルデナス財務相は負のGDPギャップは年末までにはゼロになるとの見方を示し、現在はドル買いを進めるのによい時期だとの認識を示した。

 ZARは対ドルで1.7%の下落。4月の南アフリカM3は前年比6.98%増と市場予想を下回る弱い伸び。その後発表された同月同国の貿易収支は130億ランドの赤字と赤字額が市場予想を上回り、3カ月ぶりの大幅な赤字。同月同国の財政収支は401億ランドの赤字と市場予想を上回り昨年7月以来の赤字を記録した。

 RUBは同0.9%の下落。ウクライナはロシアが同国に供給するガスの代金未払い分約7.9億ドルを支払うと発表。ロシアはウクライナにガス料金の前払い方式を要求し、従わなかった場合、6月1日からの供給停止を警告していた。

 TRYは同0.7%の下落。4月のトルコ貿易収支は72.1億ドルの赤字と市場予想を上回る赤字。輸入が前年比9.5%減と2009年10月以来の落ち込みを記録したものの、輸出が同7.9%増と前月から鈍化した。

中国国務院は30日、一部銀行を対象に預金準備率を「適切に」引き下げると発表。国務院は声明で、「比較的大きな」景気下降圧力に直面するなかで、社会融資のコストを抑え、与信と社会融資の妥当な伸びを維持していく考えを示した。

ロンドン・NY市場の主要通貨(2014年5月30日)

 5月30日のロンドン市場はドル、ユーロともに小動き。ドル円は101円台後半、ユーロドルは1.36ドルをやや上回る水準でのもみ合いが続いた。ドイツ株は取引前半に買い優勢となったが、中盤には上げ幅を縮める動き。米債利回りは方向感に欠ける動きとなるなど市場のリスク選好姿勢は強まらず。この日は欧州で注目度の高い経済指標が発表されなかったこともあって、ロンドン市場での主要通貨は様子見姿勢が強かった。

 NY市場はドル円が101円台後半で小幅上昇したものの、ユーロドルは1.36ドル台前半に小幅上昇するなどドルが軟調に推移した。4月の米個人支出は前月比0.1%減と市場予想に反し1年ぶりのマイナス。その後発表された5月のシカゴ購買部協会景気指数は65.5と市場予想を上回り、7カ月ぶりの高水準を記録したが、同月のミシガン大消費者信頼感(確報値)は81.9と市場予想を下振れ。ドルは米債利回りとともに上値が重くなった。

 米国株は小幅続伸。ウクライナ東部国境付近に展開しているロシア軍は数千人規模に縮小したとの見方も広がり、市場のリスク回避姿勢は後退した。ただ、米10年債利回りは2.40%ちょうどを底に反発しているが、依然として節目とされる2.50%を割り込んだまま。本日東京市場でのドル円は102円突破を前に上値の重い動きとなりそうだ。ユーロは引き続きECB理事会での緩和観測を背景に上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は市場のリスク回避姿勢の後退を背景に対ドルで底堅い動きが期待される。