2014年6月27日金曜日

メキシコ・貿易収支(2014年5月)

 本日午後10時に5月のチリ貿易収支が発表される。市場予想では4.26億ドルの黒字が見込まれている。ただ貿易黒字の主因は景気低迷を背景とした輸入の低迷である。

 メキシコ中銀の会合議事録(6月6日開催分)によると、予想外の50bpの利下げは賛成3反対2での決定であることが判明し、早期の追加利下げ期待は後退した。ただ今後もメキシコ経済指標は軟調な推移が続くと思われる。第2四半期もメキシコ景気が軟調に推移すれば、追加利下げ観測も強まるだろう。

チリ・中銀会合議事録(6月13日開催分)

 本日午後9時半にチリ中銀は会合議事録(6月13日開催分)を公表する。同会合では政策金利が4.00%で据え置かれた。同中銀のモンテス総裁はチリCPIが11月まで前年比4%を超える伸びを続けるとの見方を示した。しかし同総裁は、今後数カ月の間に1、2回の追加利下げは可能との認識も示した。

ブラジル・IGP-M(2014年6月)

 本日午後8時に6月のブラジルIGP-Mが発表される。市場予想では前年比+6.40%と前月(同+7.84%)から鈍化し、4カ月ぶりの低い伸びとなる見込みである。ブラジルのインフレは卸売段階や生産者段階では鈍化に向かっているが、消費者段階では依然として加速気味である。ブラジル中銀はこれまでの利上げの効果を見極めているのだろう。

 昨日公表されたブラジル中銀の四半期インフレ報告では今年のインフレ見通しが従来の6.1%から6.4%に上方修正された一方で、成長率見通しは従来の2.0%から1.6%に下方修正された。

 USD/BRLのサポートは2.20近辺と2.18近辺。レジスタンスは2.25近辺と2.30近辺である。前日海外市場でUSD/BRLは2.20を割り込んだ。当局からの口先介入が頻繁になるとともに通貨スワップによるBRL売り介入も強まると思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月26日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。米債利回りの低下がサポート材料となったが、EMEA通貨の多くは対ドルで軟調な推移となった。

 BRLは対ドルで0.6%の上昇。6月22日までの週のブラジルFIPE消費者物価は前月比+0.03%と市場予想を下回る伸び。同中銀は四半期インフレ報告を公表。今年の同国成長率見通しを従来の2.0%から1.6%に下方修正。一方、今年のインフレ見通しは6.4%とし、インフレ圧力は緩和しているとの見方を示した。また同中銀は金融政策は慎重な姿勢が求められると指摘した。

 PLNは対ドルで0.5%の下落。5月のポーランド小売売上高は前年比3.8%増と市場予想を大きく下振れ。PLNを下押しした。

 CZKは同0.2%の下落。チェコ中銀は市場予想通り政策金利を0.05%に据え置き、CZKの対ユーロ相場の上限を27近辺とする方針も維持。同中銀は声明でCZK上限策を延長させる必要性が増したと指摘。2015年第2四半期より前に変更されることはないだろうとした。ただ来年のインフレは目標とする2%近辺まで戻すとの見通しも示された。

 ZARは同0.4%の下落。5月の南アフリカPPIは前年比+8.7%と市場予想に反し前月から鈍化。同国金属労働組合(NUMSA)は来月にも賃上げを目指してストライキに突入する意向を示した。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月26日)

 6月26日のロンドン市場はポンドが上昇。ポンドドルは1.69ドル台後半から1.70ドル台前半に上昇した。BOEの金融行政委員会(FPC)は金融安定報告書を公表。住宅市場の過熱を抑制するため、10月から新規住宅ローンの85%について、融資額を借り手の所得の4.5倍に制限する新規制を導入することを明らかにした。BOEのカーニー総裁は今回の措置で融資が所得の伸びを過度に上回る事態は防げるとし、中期的に景気の拡大を阻害しかねない高リスク融資への傾斜と負債の拡大を防ぐことが可能と述べた。また同総裁は今回の規制措置で抑制を目指しているのは、債務水準であって上昇価格ではないとも述べ、今回の新規制が金融政策の方向性に影響を及ぼす可能性はあまりなく、現時点では、予測の対象期間中は限定的かつ緩やかな利上げが予想されていると発言した。同規制の発表を受けて英債利回りは上昇。ポンドは買いが先行した。

 一方、ユーロは1.36ドル台前半から1.36ドルちょうど近辺に下落。EONIAはこの日も上昇したが、ユーロは上値の重い動きとなった。

 ドル円は101円台後半でのもみ合い。ドイツ株、米債利回りはともに小動き。日経平均先物は小幅安と市場のリスク選好姿勢が強まる気配はなく、ドル円は様子見姿勢の展開となった。なお一部メディアは北朝鮮が同国東海岸から日本海に向け短距離ミサイルとみられる物体3発を発射したと報じたが市場の反応は限定的だった。

 NY市場は取引前半にドルが小幅下落。ただ、中盤に入るとドルは買い戻され、総じてみるとドルは方向感に欠ける動きとなった。米新規失業保険申請件数は31.2万件と市場予想を小幅上回り、前週分も小幅上方修正。同時に発表された5月の米個人支出は前月比0.2%増と市場予想を下振れ。PCEコアデフレータは前年比+1.5%と市場予想通りの結果に終わった。米経済指標発表後に米債利回りは低下。ただドルの下値は堅く、ドル円は101円台後半を維持した。

 セントルイス連銀のブラード総裁は米国はもはや1~2%程度の低インフレの環境にはなく、年末には2%に上昇すると発言。リッチモンド連銀のラッカー総裁もインフレは年内上昇を見込むとし、来年には利上げが開始されるだろうとの見解を示した。両総裁の発言が伝わると、米国株は下げ幅を広げ、米債利回りは一段の低下。ドル円は一時101円台半ばまで下落した。ただ、取引中盤に入ると米国株、米債利回りはともに下げ止まり。ドル円は101円台半ば近辺でのもみ合い。取引後半にブラード総裁は米クレジット市場が正常な状態に向かって改善する中、低金利の継続を正当化するのは一層困難になると発言。経済指標次第としながらも利上げ開始は来年第1四半期とする同総裁の予想を改めて紹介し、第2四半期以降の米成長率は従来通り3%との見通しを示した。同総裁の発言を受けて米国株は下げ幅をやや縮める動き。ドル円は101円台後半に小幅反発した。

 ユーロドルは取引前半に1.36ドルちょうど近辺から1.35ドル台後半に下落。ただ5月のフランス求職者数が2.48万人増と市場予想を上回ると、ユーロは持ち直し。ユーロドルは1.36ドルをやや上回る水準でのもみ合いとなった。

 5月の米個人支出の伸びは市場の期待に届かず。米債利回りの低下につながったが、米景気の先行き期待は続いている様子。本日東京市場でのドル円は101円台後半で方向感に欠ける動きが予想される。一方、ユーロはEONIAの上昇を受けて下値の堅い動きが続く見込み。アジア通貨は米債利回りの低下を受けて対ドルでの上昇が期待される。

2014年6月26日木曜日

ブラジル・四半期インフレ報告

 本日午後8時半にブラジル中銀は四半期インフレ報告を公表する。ブラジルのインフレは卸売段階や生産者段階では鈍化に向かっているが、消費者段階では依然として加速気味である。ブラジル中銀はこれまでの利上げの効果を見極めているのだろう。

 USD/BRLのサポートは2.20近辺。レジスタンスは2.25近辺と2.30近辺である。仮にUSD/BRLが2.20を割り込むようだと、当局からの口先介入が頻繁になるとともに通貨スワップによるBRL売り介入も強まると思われる。

チェコ・政策金利(現在0.05%)

 本日午後8時にチェコ中銀は政策金利を発表する。金融政策は現状維持となる見込みである。チェコ景気の回復は続いているが、デフレリスクは続いており、チェコ中銀は現在の緩和的な金融政策を年内継続すると思われる。

ポーランド・小売売上高(2014年5月)

 本日午後5時に5月のポーランド小売売上高が発表される。市場予想では前年比6.2%増と前月(同8.4%増)から鈍化する見込みである。5月のポーランド鉱工業生産販売は前年比4.4%増と市場予想(同5.9%増)や前月(同5.4%増)を下回った。ポーランド中銀は同国景気の先行き懸念を強めつつある。

 ポーランド中銀は20日、会合議事録(6月3日開催分)を公表し、景気回復ペースに関し不確実性が高まっているとの指摘が明らかとなった。同中銀ベルカ総裁が追加利下げの可能性を言及したことと整合的である。ポーランド中銀が即座に利下げに踏み切るとは考えないが、同中銀の金融政策スタンスは一気にハト派寄りにシフトした。

台湾・政策金利(現在1.875%)

 本日午後5時に台湾中銀は政策金利を発表する。政策金利は1.875%で据え置かれる見込みである。5月の台湾鉱工業生産は前年比+5.19%と市場予想を上回る伸びとなったが、同国インフレ圧力は強まらず、景気回復ペースは緩やかなものである。台湾の政策金利は年内、据え置かれると思われる。

シンガポール・鉱工業生産(2014年5月)

 本日午後2時に5月のシンガポール鉱工業生産が発表される。市場予想では前年比+2.4%と3カ月連続で鈍化する見込みである。シンガポール景気は回復基調にあるものの、拡大ペースは極めて緩やかで、MASは10月の会合でも金融政策を据え置くと予想される。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月25日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。米GDPなどを受けて米債利回りが低下したことが新興国通貨をサポートした。

 BRLは対ドルで0.9%の上昇。ブラジル中銀は毎営業日実施している2億ドル規模の通貨スワップ入札を少なくとも12月31日まで続けると表明。政策当局者らは必要に応じて入札の規模を拡大する用意があると述べたことが好感された。

 COPは同0.5%の上昇。4月のコロンビア融資残高は前年比14.8%増と前月から小幅加速。サッカー・ワールドカップの日本対コロンビア戦は1-4でコロンビアが圧勝し、C組1位で決勝トーナメントに進出した。

 TRYは対ドルで0.5%の上昇。フィッチはトルコ外貨建て長期債格付けを「BBB-」で確認。見通しを「安定的」で据え置いた。トルコ中銀は同国債イールドカーブのフラット化は維持されていると指摘。TRY安によるインフレ圧力の強まりは和らいでいるものの、食品価格の急上昇がインフレにとってリスクであるとの認識を示した。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月25日)

 6月25日のロンドン市場はユーロが小幅下落したものの、主要通貨は総じて小動きだった。ドル円は102円手前で膠着感の強い動き。ユーロドルは1.36ドル台前半から1.36ドルちょうど近辺に小幅下落した。ドイツ株は前日終値水準から下げて始まり、その後は方向感に欠ける動き。日経平均先物は東京市場終値を小幅上回ったものの、ドイツ株と同様に方向感に欠ける推移が続いた。米債利回りも小動きに終始。この日はユーロ圏で主だった経済指標の発表もなく、ドル、ユーロなど主要通貨は様子見姿勢の強い展開となった。

 ポンドドルは1.69ドル台後半での推移。6月の英CBI小売調査指数は+4と市場予想を大きく下回り、7カ月ぶりの低水準を記録。衣料品、食料品の売り上げが低調だった。ただBOEによる来年早期の利上げ観測が大きく後退することはなく、ポンドは下値の堅い動きだった。

 NY市場は米GDPと耐久財受注の結果を受けてドルが下落。ただドル売り一巡後は緩やかにドルが買い戻される展開となった。第1四半期米GDP(確報値)は前期比年率2.9%減と市場予想を大きく下回り、リーマンショック直後の2009年第1四半期以来の大幅な落ち込み。個人消費は同1.0%増と改定値の同3.1%減から大きく下方修正された。同時に発表された5月の米耐久財受注は前月比1.0%減とこちらも市場予想を下振れ。コア受注も同0.1%減と市場予想に反し前月比マイナスとなった。両指標の弱い結果を受けてドルは売りが先行。ドル円は102円手前から101円台後半に急落。一方、ユーロドルは1.36ドルちょうど近辺から1.36ドル台半ばまで急騰した。ただ、その後発表された6月の米マークイットサービス業PMIは61.2と市場予想を大きく上回り、2011年6月の統計開始以来、最も高い水準を記録。米国株が小幅ながらプラス圏で推移したこともあって、ドルは売り一樹後に緩やかに買い戻される動きに。ドル円は101円台後半でじり高の推移。一方、ユーロドルは上値が重くなり、1.36ドル台前半での推移となった。

 米GDPの下方修正は市場予想を大きく下回り、今年通年の成長率見通しも引き下げられる見込み。ただ6月の米マークイットサービス業PMIが過去最高を記録したように第2四半期の米景気は回復基調での推移。米景気の先行き懸念が強まったとは考えにくい。ただ米債利回りが低下したことでドルは上値が抑えられた格好。本日東京市場でのドル円は102円手前でのもみ合いが予想される。一方、ユーロはEONIAの小幅反発やECBの追加緩和期待の後退を背景に底堅い動きが続く見込み。アジア通貨は米債利回りの低下を受けて対ドルでの上昇が期待される。

2014年6月25日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月24日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。RUBが大きく上昇した一方、ZAR、TRYなどは軟調な動きとなった。

 BRLは対ドルで0.3%の下落。5月のブラジル経常収支は66.35億ドルの赤字とほぼ市場予想通りの結果。一方、同月同国の対内直接投資は59.63億ドルと市場予想を上回った。 日本時間本日早朝に開催されたサッカー・ワールドカップのブラジル対カメルーン戦は4-1でブラジルが圧勝。ブラジルはA組1位で決勝トーナメントに進出した。

 MXNも同0.3%の下落。4月のメキシコ経済活動指数は前年比+0.50%と市場予想通りの結果。ただ前月分は上方修正された。6月前半のメキシコCPI(隔週)は前年比+3.71%とこちらもほぼ市場予想通りの伸びだった。

 RUBは対ドルで1.2%の上昇。USD/RUBは1月20日以来のRUB高水準に達した。ロシアのプーチン大統領がロシア上院に武力行使の議会承認の撤回を求めたことが好感された。

 ZARは対ドルで0.5%の下落。第1四半期の南アフリカ非農業部門雇用者数は前年比0.5%増と前期から変わらず。同国のネネ財務相は第1四半期の同国景気は減速したと指摘。第2四半期も減速は続くとしたものの、マイナス成長は避けられるとの見方を示した。

 TRYは同0.3%の下落。トルコ中銀はレポレートを75bp引き下げ8.75%にすると発表。市場予想では50bpの引き下げが見込まれていた。翌日物貸出金利と翌日物借入金利はそれぞれ据え置き。同中銀は声明で今回の利下げの理由として世界的な流動性状況の改善を挙げた。

 HUFも同0.3%の下落。ハンガリー中銀は市場予想通り政策金利を10bp引き下げ2.30%にすると発表。同中銀は声明で今後も慎重な利下げが実施される可能性があると指摘。今年のインフレ見通しは前年比ゼロ、来年は2.5%とした。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月24日)

 6月24日のロンドン市場はドルの上値が重い展開。ドル円は取引序盤の102円ちょうど近辺から取引中盤には101円台後半に下落。後半に入るとドル円は下げ止まったが、102円手前でのもみ合いとなった。ドイツ株、日経平均先物は寄り付きこそ小幅プラスでの推移となったが、中盤にはマイナス圏に下落。その後も軟調な推移が続いた。一方、米債利回りは上値が重い動き。安倍政権は新成長戦略と骨太の方針を閣議決定。安倍首相は会見で経済の好循環が生まれようとしていると指摘。法人税率を数年間で20%台に引き下げることを目指すとした。また景気回復の実感はまだ地方には届いていないとし、成長の主役は地方であり、地方活性化に全力で取り込むことを強調した。ただ新成長戦略や骨太の方針の内容はほぼ織り込み済みだったこともあって市場の反応は限定的だった。

 ユーロドルは1.36ドルちょうど近辺から1.36ドル台前半に小幅上昇。6月のドイツIFO企業景況感は109.7と市場予想や前月を下回る結果。指標発表直後はユーロ売りの動きがみられたが、ユーロはすぐに切り返した。IFOのジン理事長は、ウクライナ情勢とイラク情勢の潜在的な影響が懸念されているとの声明を発表した。

 ポンドはBOEカーニー総裁の議会証言を受けて下落。ポンドドルは1.70ドル台前半から1.69ドル台後半に下落した。BOEカーニー総裁は議会証言で国内経済は予想以上に力強い回復を遂げたが、労働市場のスラック(需給の緩み)は以前想定していたよりも大きいようだと発言。利上げ開始の正確なタイミングは経済指標の結果で決まるとし、利上げの時期が来ても上げ幅は限定的で緩やかなペースになるとの見通しを示した。

 ロシアのプーチン大統領はウクライナでの武力行使を認める議会承認の撤回を上院に請求。同上院は3月1日、クリミア併合前にウクライナでの武力行使を承認していた。

 NY市場では取引前半にドル買いの動きが強まったが、中盤以降はドル売り戻しの動きとなった。フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁のNYでの講演テキストが公表。同総裁は米国経済の基調を踏まえると、FOMC声明の中にあるフォワードガイダンスは消極的すぎる可能性があると指摘。米国経済の先行きについてはかなり楽観的との認識を示し、FRBの目標が想定よりも早く達成できる公算が大きいとした。4月のS&Pケースシラー住宅価格は前年比+10.82%と市場予想を下振れ。ただ、その後発表された6月の米消費者信頼感は85.2と市場予想を上回り、2008年1月以来の高水準を記録。5月の米新築住宅販売は前月比18.6%増と1986年9月以来の高い伸びとなった。両指標発表後にドル買いの動きは強まり、ドル円は101円台前半から102円台前半と今週の高値圏に上昇。一方、ユーロドルは1.36ドル台前半から1.36ドルちょうど近辺に下落した。ただ、米債利回りは両指標発表後も伸び悩んだまま。取引後半に入ると低下基調で推移した。これを受けてドル買いの動きは後退。ドル円は取引後半にかけて102円台前半から101円台後半に下落。ユーロドルは取引中盤に1.35ドル台後半まで一時下落したが、1.36ドル台前半に反発。終盤にかけては1.36ドルちょうど近辺での推移となった。

 ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ政府が宣言した7日間の停戦だけでは十分な対応とは言えないと発言。問題の本質に関する実質的な協議が不可欠とも語った。軍事介入権の撤回については、ロシア系住民の利益を保護しないということではないとした。

 米国景気は堅調に推移。しかし米債利回りは上値が重く、ドル買いの動きは強まりにくいまま。本日東京市場でもドル円は上値の重い動きとなるだろう。一方、ユーロはECBの追加緩和期待の後退を背景に下値の堅い動きが続く見込み。アジア通貨は対ドルで様子見姿勢での推移が予想される。

2014年6月24日火曜日

ブラジル・経常収支と対内直接投資(2014年5月)

 本日午後10時半に5月のブラジル経常収支と対内直接投資が発表される。経常収支は66.05億ドルの赤字。対内直接投資は52.00億ドルが見込まれている。ブラジルの経常赤字の約8割は対内直接投資でカバーされており、ブラジルの対外収支は安定的に推移している。しかしインフレは依然としてブラジル経済の問題点となっている。

 日本時間本日早朝に開催されたサッカー・ワールドカップのブラジル対カメルーンは4-1でブラジルが圧勝。ブラジルはA組1位で決勝トーナメントに進出した。

メキシコ・CPI(隔週、6月前半)

 本日午後10時に6月前半のメキシコCPIが発表される。市場予想では前年比+3.72%と5月後半(同+3.58%)から加速する見込みである。先週金曜日に公表されたメキシコ中銀の会合議事録(6月6日開催分)によると、予想外の50bpの利下げは賛成3反対2での決定であることが判明し、早期の追加利下げ期待は後退した。ただ今後もメキシコ経済指標は軟調な推移が続くと思われる。CPIと同時に発表される4月のメキシコ経済活動指数は前年比+0.50%と前月(同+3.03%)から大きく減速する見込みである。第2四半期もメキシコ景気が軟調に推移すれば、追加利下げ観測も強まるだろう。

ハンガリー・政策金利(現在2.40%)

 本日午後9時にハンガリー中銀は政策金利を発表する。市場予想では政策金利が10bp引き下げられ2.30%となる見込みである。ハンガリー景気は回復基調で推移しているが、デフレ圧力は強い。4月と5月のハンガリーCPIは前年比-0.1%と1968年の統計開始以来、初めて前年割れとなった。ハンガリー中銀は小幅ながら利下げを続けるだろう。ただ政策金利が2.00%に達したところで利下げは打ち止めとなると予想される。

トルコ・レポレート(現在9.50%)

 本日午後8時にトルコ中銀はレポレートなど主要3金利を発表する。市場予想ではレポレートが50bp引き下げられ9.00%となる見込みである。ただトルコCPIは前年比ベースで9%を超える伸びを示しており、仮に利下げされたとすればギャンブル性の高い判断と思われる。トルコPPIは4月にピークを打ち、5月は鈍化したものの、今後もインフレ圧力が弱まり続ける保証はない。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月23日)

 新興国通貨は対ドルで買い優勢。ただ、RUBなど一部通貨を除き値動きは小幅。様子見姿勢の強い展開だった。

 BRLは対ドルで0.6%の上昇。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末のIGP-DI見通しが7週連続で下方修正。ただ鉱工業生産見通しは前年割れとなるなど、ブラジル景気の先行き期待は後退したままだった。

 MXNは同0.2%の下落。5月のメキシコ失業率は4.92%と市場予想に反し前月から悪化。メキシコ景気の低迷ぶりを示した。

 RUBは対ドルで0.9%の上昇。ロシア経済省は6月の同国CPIが前月比0.5~0.6%程度で推移していると公表。ロシアのインフレ圧力が後退し始めている可能性が出てきた。NATOのルンゲスク報道高官は過去1週間程度で約2千人のロシア兵がウクライナとの国境に戻り、すでに駐留していた1千人と合流していると発表した。

 ZARは同0.6%の上昇。南アフリカ鉱山労働者・建設組合連合(AMCU)の指導者はプラチナ生産大手3社との賃金交渉での合意文書に明日署名することを表明。これによりストが終了するとの見方も示した。

 ILSは同0.2%の上昇。イスラエル中銀は市場予想通り政策金利を0.75%で据え置き。同中銀は今年の成長率見通しを従来の3.1%から2.9%に下方修正。また同国インフレは目標レンジの下限で推移するとの見方も示した。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月23日)

 6月23日のロンドン市場はユーロが軟調な動き。ユーロドルは取引前半に1.36ドルちょうど近辺から1.35ドル台後半に下落。中盤以降はやや持ち直したが、終盤には1.36ドル手前で上値が抑えられた。この日発表されたフランス、ドイツ、ユーロ圏の各製造業PMIはいずれも市場予想を下回る結果。PMI発表後にユーロは売り優勢の動きとなった。

 ドル円は101円台後半で上値の重い動き。ドイツ株、日経平均先物はともに小幅マイナス圏での推移。米債利回りもじり安の動きとなりドル円を下押しした。

 NY市場はユーロ、ポンドなど欧州通貨が対ドルでやや買い戻されたものの、総じてみれば主要通貨は小動きが続いた。ドル円は101円台後半でのもみ合い。ユーロドルは取引序盤に1.36ドルちょうど近辺に他上昇した後に1.35ドル台後半に下落。ただ取引中盤以降はじり高となり、後半にかけては1.36ドルちょうど近辺でのもみ合いとなった。

 この日発表された6月の米製造業PMIは57.5と市場予想を上回り、2010年5月以来の高水準に上昇。内訳をみると受注が61.7と高水準を記録するなど米国景気の先行き期待を強める内容となった。5月の米中古住宅販売件数は489万戸と市場予想を上回り、7カ月ぶりの高水準に拡大。ただ米債市場の反応は限定的で、米国株は小幅マイナス圏での推移。ドルは上値の重い動きが続いたが、取引終盤に米債利回りが小幅反発したことでドルは下げ止まった。

 米アーネスト大統領報道官は、同国オバマ大統領がロシアのプーチン大統領と電話で会談したことを明らかに。同報道官は、ウクライナ情勢を一層不安定にしている武装集団や分離派に、国境を越えて武器や資材が渡ることを容認し、支援を継続する代わりに、プーチン大統領が和平を支持するようオバマ大統領があらためて求めたと述べた。また、オバマ大統領は、情勢の緊張緩和に向けた具体的な行動が確認できなければ、ロシアは追加の代償に直面することになるだろうと語ったとしている。

 米国のケリー国務長官はイラクを訪問。同国のマリキ首相と会談し、米国のイラク治安部隊への支援は強力かつ持続的であることを表明した。

 米国景気の先行き期待は続いているものの、米債利回りは上値が抑えられたまま。ドル買いの動きは強まりにくいままで、本日東京市場でもドル円は上値の重い動きが予想される。一方、ユーロはECBの追加緩和期待の後退を背景に下値は堅い動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで様子見姿勢が強まると予想される。

2014年6月23日月曜日

追加切り下げは当面見送られると思われるVND

 ベトナム中銀は19 日、VND(ドン)の対ドル基準レートを18日の1ドル=2万1036ドンから1%切り下げ、1ドル=2万1246ドンとした。切り下げは昨年6月以来1年ぶり。同中銀は声明で、切り下げは輸出の促進を狙ったもので、インフレ率が低水準での推移となっているなど現在のマクロ経済環境に沿ったものと説明した。

 ベトナム政府は5月7日、中国が南シナ海・西沙諸島近海で石油の掘削活動に着手し、周辺に約80隻の中国公船などが集まってベトナムの巡視船などに衝突や放水砲で攻撃を繰り返していると発表。5月中旬にはベトナム各地で中国に対する抗議デモが多発。デモの一部は暴徒化し、中国人を中心に死傷者が発生した。中越関係の悪化を受けてベトナム企業や個人は資産の一部をドルに替える動きを加速。5月中旬以降、VNDは対ドルで軟調な推移が続いた。

 今回の切り下げは、中越関係の悪化をきっかけとしたドル買い需要の強まりに対応するのと同時に、内需を中心に伸び悩むベトナム景気への刺激を意識したものと思われる。第1四半期のベトナムGDPは前年比4.96%増と前期の同+6.04%から大きく鈍化。第2四半期は同国小売売上高が今年4-5月平均で前年比11.1%増と第1四半期の同10.3%増から加速しているものの、回復ペースが弱い。ベトナム中銀は3月17日に政策金利であるリファイナンスレートを50bp引き下げ6.50%としたが、今のところ利下げ効果は目立っていない。

 一方で、ベトナムの外需は堅調に推移している。ベトナム貿易収支は昨年第4四半期が5.6億ドルの黒字、今年第1四半期は7.0億ドルの黒字と黒字額は拡大基調で推移。今年4-5月ではすでに4.1億ドルの黒字となっており、第2四半期も黒字が拡大する可能性がある。輸出が前年比15%前後の伸びを示す一方で、輸入は内需の伸び悩みを背景に伸びが鈍化傾向にあり貿易黒字の拡大を後押ししている。VNDが切り下げられたことで輸出の増税が加速することも期待される。

 VNDの切り下げが海外からの直接投資をサポートする可能性も期待される。ベトナムには日本、シンガポール、韓国、中国を中心に海外から直接投資が堅調に推移しており、2013年は実行額ベースで115億ドル、認可額ベースで216億ドルが計上されている。業種別では製造業が全体の4分の3を占めており、今後も海外製造企業が中国・タイの人件費が上昇する中、低賃金労働力の確保を目的にベトナムへの直接投資を進める展開が期待される。海外からの直接投資流入はベトナムの雇用環境を改善させ、個人消費の拡大を促すだろう。

 ベトナムのインフレは昨年第4四半期から鈍化傾向が鮮明となり、3月のCPIは前年比+4.39%と2009年11月以来の低い伸び。その後は2カ月連続で加速しているとはいえ、5月でも同+4.72%と5%を下回っている。内需が伸び悩んでいるほか、今回のVND切り下げ幅が1%ということもあり、ベトナムのインフレ圧力が今後半年の間に一気に強まるとは考えにくい。

 ベトナム中銀のビン総裁は以前にVNDは必要に応じて2%以内の調整を実施すると発言したことがある。今回は1%の切り下げだったことから、追加で1%の切り下げを実施する可能性を指摘する声もあるが、当面はベトナム内需の動向を確認すべく、VNDの追加切り下げを見送ると思われる。仮にベトナム内需の伸び悩みが続くようであれば、次のアクションはVNDの切り下げではなく政策金利の引き下げ(利下げ)とみるべきだろう。

 なおベトナム経済のドル化はここ5年ほど解消の方向に推移しており、2012年時点ではマネーサプライに占める外貨預金の割合は10%台まで低下している。USD/VNDがVND切り下げ後、安定的に推移していることも考慮すると、今回のVND切り下げでVNDの信認が大きく低下し、ベトナム経済のドル化回帰とともにインフレが加速するというシナリオは、今のところ現実味の薄いものと思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月20日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。ただ一部通貨を除き値動きは小幅。様子見姿勢の強い展開と言えた。

 MXNは対ドルで0.3%の上昇。4月のメキシコ小売売上高は前年比0.4%減と市場予想ほどの落ち込みとならず。その後公表されたメキシコ中銀の会合議事録(6月6日開催分)では、予想外の50bpの利下げは賛成3反対2の僅差での決定だったことが判明。反対2名は金利据え置きを主張していた。またメンバーの過半は追加利下げの見送りを推奨していたことも明らかとなった。

 COPは対ドルで変わらず。コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を25bp引き上げ4.00%とすると発表。決定は全会一致だった。また同中銀は7月から9月にかけて計20億ドルの買い上げを実施することも発表した。同中銀のウリベ総裁は同国供給が年内に潜在供給量に達する可能性があると指摘。同国インフレ期待は上昇を続けているとした。同国カルデナス財務相は同国成長率は年率4.7%のペースで推移できると述べ、足元のCOP高は一時的なものであり、同国当局はCOPをより競争的な水準に誘導することを模索していると発言した。

 PLNは対ドルで0.5%の下落。ポーランドのピエホチンスキ副首相兼経済相は仮に同国中銀総裁と同国政治家との会話テープがさらに暴露されるようなら、現政権の信任は低下し、早期の解散・総選挙を余儀なくされるだろうと発言。ポーランド中銀タスク総裁が同国内務相に2015年の総選挙の際には政府を支援するとした会話テープを暴露した現地メディアは政府高官の会話が含まれた4つの会話テープを入手したと報道した。ポーランド中銀は会合議事録(6月3日開催分)を公表。第1四半期の同国成長率は3月時点の見通しに近いものであるが、賃金上昇圧力は限定的であり、今後のインフレは3月時点の見通しを下振れするだろうと指摘。場合によってはインフレがゼロを下回る可能性もあるとの見方も示された。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月20日)

 6月20日のロンドン市場はドルが上昇基調で推移。ドル円は101円台後半から102円ちょうど近辺に小幅上昇。一方、ユーロドルは1.36ドル台前半から1.35ドル台後半に下落した。米債利回りは底堅く推移し、日経平均先物は上昇基調で推移。イラクやウクライナでの緊張継続で米債利回りの上昇は緩やかなものとなったが、ドル買い戻しの動きが続いた。

 NY市場は一転してドルの上値が重い展開。ドル円は取引前半に102円ちょうど近辺から102円台前半に小幅上昇したが、取引中盤以降は上値が重く、引けにかけては102円ちょうど近辺に下落。ユーロドルは1.35ドル台後半から1.36ドルちょうど近辺に小幅上昇した。この日は米国で主だった経済指標の発表がなく、やや材料難。米国株は主要株式指数が過去最高値を更新するなど堅調な推移。ただ上昇していた米債利回りは取引中盤以降は低下基調で推移。ドル買いの動きを抑えた。ウクライナのポロシェンコ大統領は同国東部での戦闘を終結させるため、20日から一週間の一方的な停戦を命令。併せて地方の権限強化、ロシア国境地帯に緩衝地域を設定するといった和平に向けた15項目の行動計画を発表した。

 週明けはドル買いがやや優勢。ドル円は102円台前半、ユーロドルは1.35ドル台後半でそれぞれ推移している。
 米国株は堅調だが、米債利回りは上値が抑えられたまま。ドル買いの動きが強まるとも考えにくく、本日東京市場でのドル円は上値の重い動きが予想される。一方、ユーロはECBの追加緩和期待の後退を背景に下値は堅い動きとなる見込み。アジア通貨は米債利回りの伸び悩みを受けて対ドルで底堅い動きが予想される。