2014年8月15日金曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年8月14日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。米債利回りの低下を受けて新興国通貨は底堅い動きとなった。

 INRは対ドルで0.8%の上昇。7月のインド貿易収支は122.3億ドルの赤字と3カ月連続で赤字額が拡大。ただ前年同月からは赤字額が縮小した。輸出は前年比7.3%増と底堅い動きを続ける一方、輸入は同4.3%増と伸びが抑えられた。

 BRLは対ドルで0.5%の上昇。6月のブラジル小売売上高は前年比0.8%増と市場予想を下回り、前月比は0.7%減と再びマイナス。ブラジル景気の低迷継続を改めて示したが、10月のブラジル大統領選での大統領交代期待を背景にBRLは取引前半にかけて買い優勢となった。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。第2四半期のチェコGDPは前期比横ばいと市場予想に反しゼロ成長。チェコ景気の先行き不透明感が強まった。

 TRYも対ドルで0.2%の上昇。6月のトルコ経常収支は40.9億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回ったが前年同月からは縮小。TRYは経常収支発表後にやや売られたが、ロンドン市場後半には買い戻され、NY市場では底堅い動きとなった。

 HUFは対ドルで0.4%の上昇。第2四半期のハンガリーGDPは前期比0.8%増と市場予想を上回る伸び。ハンガリー中銀による利下げ局面の終了観測を強めた。

 PLNは対ドルで0.3%の上昇。第2四半期のポーランドGDPは前期比0.6%増と市場予想を上回る伸び。ポーランド中銀のオシアチンスキ委員は現地メディアとのインタビューで同国景気にインフレ圧力は見られず、実質金利は非常に高いと指摘。ウクライナ危機がポーランド景気に与える影響は短期的で、成長率を0.1~0.2%押し下げる程度との見方を示した。

米国では履歴書にオンラインゲームの戦績を記載する方がいるそうです。私は高校生の頃、野球ゲームが強いと地元の小学生の間で評判でした。そろばん3級くらいの価値はあると思います。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年8月14日)

 8月14日のロンドン市場はユーロが底堅く推移。ユーロドルは1.33ドル台後半で小幅上昇した。第2四半期のユーロ圏GDPは前期比ゼロ。この日の東京市場で発表された同期のドイツGDPがマイナス成長だったため、ユーロ圏もマイナス成長になるとの見方が一部にあったが、ユーロ圏GDPは市場予想を下回ったもののマイナス成長を回避。ユーロ圏GDP発表後にユーロ買いの動きが強まり、ユーロドルは一時1.34ドルちょうど近辺に上昇した。ただ、ユーロ圏景気の先行き不透明感が強いことには変わりはなく、ユーロは取引後半には伸び悩み。ユーロドルは1.33ドル台後半での推移となった。

 一方、ドル円は102円台半ば手前で上値が抑えられる動き。日経平均先物は小幅ながらマイナス圏での推移。米債利回りも上値が抑えられ、ドル買いの動きが強まることはなかった。

 NY市場に入ってもドルは上値が抑えられる動きとなった。米新規失業保険申請件数は31.1万件と市場予想を小幅上回り、6週間ぶりの高水準。同指標発表後に米債利回りは低下。ドル円は102円台前半で上値が重くなる一方、ユーロドルは再び1.34ドルちょうど近辺に上昇した。ただ、米国株は米FRBによる金融緩和姿勢が続くとの見方から、この日も上昇。取引中盤には米債利回りも反発し、ドル円は102円台半ばに上昇。ユーロドルは1.33ドル台後半に下落した。しかし取引後半に入ると米30年債入札の好結果を受けて米債利回りは再び低下。ドル円は102円台半ば近辺で上値が重くなる一方、ユーロドルは1.33ドル台後半で下げ止まった。

 セントルイス連銀のブラード総裁は、米メディアとの電話インタビューで来年第1四半期までの利上げを主張。従来からのタカ派寄りの姿勢を示した。同総裁は今年下期の米成長率は3%を超える水準が見込まれ、来年は3%かそれ以上の成長を見込むとし、インフレは来年末までに2.4%まで上昇するとの見方を示した。

 米FRBによる金融緩和姿勢の長期化観測は続いたまま。米債利回りが低下する一方、米国株は買い優勢の動きが続いている。米国株の上昇がドルをサポートする一方で、米債利回りの低下はドルの上値を抑える展開。本日東京市場でもドル円は方向感に欠ける動きが続きそうだ。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き懸念から上値が抑えられる見込み。アジア通貨は米債利回りの低下を背景に対ドルで底堅い動きが予想される。

2014年8月14日木曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年8月13日)

 新興国通貨はEMEA通貨が対ドルで買い戻される一方で中南米通貨は軟調な動き。前日に引き続き新興国通貨は方向感に欠ける動きとなった。

 MXNは対ドルで小幅上昇。メキシコ中銀は四半期インフレ報告を公表。2014年の成長率見通しを従来の2.3~3.3%から2.0~2.8%に下方修正。インフレは2014年後半に一時4%を超えることはあっても年末には4%を下回り、同年のコアインフレは3%程度となるとの見方を示した。

 ZARは対ドルで0.5%の上昇。6月の南アフリカ小売売上高(実質)は前年比横ばいと市場予想を下振れ。同国中銀のミネレ副総裁は過去のZAR安の影響で同国インフレ圧力は強まっていると指摘。供給制約によるインフレ圧力の強まりを抑制する必要性を強調した。また同副総裁は同中銀金融政策委員会は景気が弱い一方でインフレが目標レンジの上限を上回っているというジレンマに直面していると述べ、今年の同国は成長率が1.7%に減速する一方、インフレは平均6.3%となるとの見方を示した。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。トルコのゼイベクチ経済相は同国最大の問題は金利コストによって生ずるインフレであると指摘。農産物輸出の拡大がインフレを高めているという考えは時代遅れであり、農産物由来のインフレの問題は解消に向かうだろうとの認識を示した。また同国エカー農業相はインフレバスケットに占める農産物の割合を国際基準に合わせる形で変更すべきとの考えを示した。

 PLNは対ドルで0.3%の上昇。6月のポーランド経常収支は3.91億ユーロの赤字と赤字額が市場予想を上回った。輸出の下振れで貿易黒字が予想ほど伸びなかったのが主因。同時に発表された7月の同国CPIは前年比-0.2%と市場予想通り1992年の統計開始以来初めての前年割れ。ポーランド中銀による利下げ観測を強めた。

今日も東京地方は曇りがちとの予報。気温が比較的低いのは嬉しいですが、なんとなくさびしいですね。夏も終わりに近づいている感じです。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年8月13日)

 8月13日のロンドン市場はドル円、ユーロドルともに動意薄。ドル円は102円台半ば近辺、ユーロドルは1.33ドル台半ば近辺での推移となった。欧州株、日経平均先物はともにプラス件での推移。米債利回りも底堅い動きとなったが、ドル円、ユーロドルともに大きな動きを示さなかった。6月のユーロ圏鉱工業生産は前年比横ばいと市場予想を小幅下振れ。前月比では2カ月連続のマイナスとなった。ただユーロ圏景気が弱含んでいることは他指標で確認済み。同指標発表後にユーロはやや売られたが、その後持ち直した。

 ポンドは英経済指標を受けて下落。ポンドドルは1.68ドル台前半から1.67ドルちょうど近辺に大きく下落した。7月の英失業率は市場予想通り3.0%と前月から低下。同月同国の失業保険申請件数は3.36万件減と市場予想を上回る減少となり、前月分も減少幅の上方修正となった。一方、6月の英週平均賃金(3カ月平均)は前年比0.2%減と市場予想を上回る落ち込み。その後、BOEは四半期インフレ報告を公表。英成長率見通しは2014年が5月時点の3.4%から3.5%に、2015年が5月時点の2.9%から3.0%にそれぞれ上方修正。ポンドドルは1.68ドル台半ば近辺まで一時買われたが、2014年の賃金見通しは5月時点の2.5%から1.25%に大きく下方修正されたことが伝わると、一転してポンドは売り先行の動き。また同報告は賃金の伸びが弱ければ、最初の利上げを先送りする可能性があることも示唆。ポンド売りの動きを強めた。

 NY市場では米小売売上高の結果を受けてドル売りの動きが強まったが、取引中盤には持ち直し。後半に入るとドル、ユーロともに方向感に欠ける動きとなった。7月の米小売売上高は前月比横ばいと市場予想を下振れ。自動車を除くコア指数も同0.1%増と市場予想を下回る弱い伸びとなった。同指標発表後、ドル円は102円台前半に下落する一方で、ユーロドルは1.34ドルちょうどを上抜け。ただ米FRBによる利上げ期待の後退を受けて米国株は上昇。ドルは売り一巡後に買い戻しの動きとなり、取引中盤にドル円は102円台半ば近辺に反発。一方、ユーロドルは1.33ドル台後半に下落。取引後半のドル円は102円台半ば近辺、ユーロドルは1.33ドル台後半でのもみ合いを続けた。

 欧米株は上昇したが、米小売売上高を受けて米債利回りは低下。ドルは伸び悩んだままとなっている。本日東京市場でのドル円は方向感に欠ける動きが続きそうだ。一方、ユーロは本日発表予定のドイツGDPを控え様子見姿勢が強まる見込み。アジア通貨は対ドルで方向感に欠ける動きが予想される。なお本日は韓国とインドネシアで政策金利が発表される。韓国中銀は25bpの利下げに踏み切るとの見方が強い。

2014年8月13日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年8月12日)

 新興国通貨はEMEA通貨が対ドルで売り優勢の動きとなる一方で、中南米通貨は底堅く推移するなどマチマチの動きとなった。

 INRは対ドルで0.2%の上昇。7月のインドCPIは前年比+7.96%と市場予想を上回る伸び。同時に発表された6月のインド鉱工業生産は同+3.4%と市場予想を下振れ。インド景気の低迷継続とインフレ圧力の後退一服が確認され、インド中銀による利下げ懸念が後退した。

 CLPは対ドルで0.3%の下落。チリ中銀のエコノミストサーベイでの政策金利見通しは現在の3.75%に対し、来月は3.25%、年末までには3.00%の予想。チリ中銀による追加利下げ期待の強さが示された。

 HUFは対ドルで0.2%の下落。7月のハンガリーCPIは前年比+0.1%と市場予想に反し小幅ながら前年越え。ただHUFはロンドン市場後半に売り先行の展開となった。

 ILSは対ドルで0.7%の下落。7月のイスラエル貿易収支は14.9億ドルの赤字と前年同月から赤字額が縮小。イスラエル現地報道は同国とハマスが停戦合意に近づいていると報道した。

 TRYは対ドルで0.6%の下落。S&Pトルコ担当者は一部メディアとのインタビューでトルコの予測可能性は低下したと発言。トルコ格下げの可能性を示唆した。

今日も東京地方は最高気温が31度程度でおさまるとの予報。ドル円と同じで上値が重いようです。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年8月12日)

 8月12日のロンドン市場はドイツZEW景況感指数を受けてユーロが下落。ユーロドルは1.33ドル台後半から1.33ドル台前半に下落した。8月のドイツZEW景況感指数は8.6と市場予想を下回り、8カ月連続の低下。ドイツ景気の減速懸念が強まり、ユーロは売り先行の展開となった。

 一方、ドル円は102円台前半で方向感の乏しい動き。ドイツ株はドイツZEW景況感指数の低下を受けて小幅マイナス圏での推移。ただ他欧州株は底堅く推移。日経平均先物や米債利回りは小動き。ドル円は手掛かり難の様相が強かった。

 NY市場ではユーロ買戻しの展開。ユーロドルは1.33ドル台前半から1.33ドル台後半とドイツZEW景況感指数発表前の水準に上昇した。ドイツなどユーロ圏景気の先行き不透明感は強いものの、ユーロ売りのポジションは積み上がった状況。ユーロドルは今月の安値である1.33ドル台前半で下げ止まると、買い戻し優勢の動きとなった。

 ドル円は102円台前半で底堅い動き。6月の米求人数は467.1万件と市場予想を上回り2001年2月以来の高水準。米雇用環境の改善継続が確認され、米債利回りは上昇基調で推移する一方、米国株は上値が重く推移。ただドル円は200日移動平均をしっかりと上抜けできず、上値が抑えられたままだった。

 カナダドルは取引後半にかけて上昇。カナダ統計局は先週発表された7月の同国雇用統計にエラーが生じたと発表。修正データは8月15日に発表し直すとした。7月雇用統計では正規雇用が大きく減少するなど弱い内容だっただけに、雇用者数が上方修正されるとの見方が強まった様子。ドルカナダは同発表を受けて1.09台半ば近辺から1.09台前半に下落した。

 米債利回りは小幅上昇したが、総じてみればドルは様子見姿勢の強い動き。欧米株が伸び悩むなど、市場のリスク選好姿勢の強まりを期待するのは難しい状況のまま。本日東京市場でのドル円は引き続き102円台前半での推移が見込まれる。なお本日朝に日本GDPが発表されるが、消費税率引き上げの影響で大きく落ち込むとの見方は織り込み済み。為替市場への影響は限定的と予想される。ユーロドルはユーロ圏景気の先行き懸念を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は対ドルで様子見姿勢が強まると予想される。

2014年8月12日火曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年8月11日)

 新興国通貨は対ドルで方向感に欠ける動き。欧米株は上昇し、米債利回りは小動きとなったが、主要通貨に動きが少ないこともあって、新興国通貨も総じてみれば様子見姿勢の強い展開となった。

 BRLは対ドルで0.4%の上昇。8月のブラジルIGP-M(一次速報)は前月比-0.31%と3カ月連続の前月比マイナス。ブラジル中銀の週次サーベイでも今年末のIPCA、IGP-DIの両見通しは前週から下方修正。ブラジルのインフレ圧力の後退観測が強まった。ブラジル中銀はBRL買い介入に相当する通貨スワップ入札規模を先週末の計1.2万枚から計1.4万枚に拡大。BRL安抑制姿勢を強めた。

 MXNは同0.5%の上昇。6月のメキシコ鉱工業生産は前年比+2.0%とほぼ市場予想通りの伸び。ただ、7月の同国ANTAD既存店売上高は同0.7%増と市場予想を下回り、同国景気の回復ペースの弱さが示された。

 CZKは対ドルで小幅下落。7月のチェコCPIは前年比+0.5%と市場予想を上回り、今年最も高い伸びを記録。チェコのディスインフレ懸念を後退させた。

 TRYは対ドルで0.3%の下落。10日投開票のトルコ大統領選では与党・公正発展党(AKP)のエルドアン首相が当選。現地報道によると得票率は52%前後の見込み。フィッチはエルドアン首相が大統領選で当選したことで政治的な緊張が続くと指摘。同首相はトルコ中銀に利下げ圧力を強めており、トルコの資本流入が減速すると予想。トルコの信用格付けの重石となるとの認識を示した。

 RUBは対ドルで0.7%の上昇。第2四半期のロシアGDPは前年比0.8%増と市場予想を上回ったが前期から減速し、昨年第1四半期以来の低い伸び。ロシア経済発展省は同1.1%増を見込んでいた。その後発表された6月の同国貿易収支は139.6億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下振れ。輸出が前年比2.6%減と4カ月ぶりの前年割れとなるなど、欧米諸国による経済制裁の影響が響いた。

暑いから大丈夫だろう、と油断していたら、私の腹回りの脂肪が増えていました。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年8月11日)

 8月11日のロンドン市場はドル、ユーロともに方向感に欠ける動き。ドル円は102円台前半でのもみ合い。ユーロドルは取引序盤に1.34ドル手前から1.33ドル台後半に小幅下落したが、その後は同水準で推移した。欧州株は上昇基調で推移。取引序盤は低下していた欧州債利回りも株高を背景に小幅上昇に転ずる展開。ただ、米国債利回りは大きく動かず低位安定。この日はユーロ圏主要国で主だった経済指標の発表もなく、為替市場は材料難。ドル、ユーロなど主要通貨は動意に欠ける展開となった。

 NY市場でもドル、ユーロは小動き。ドル円は102円台前半で底堅さが増したが、上昇基調は強まらなかった。ユーロドルは1.33ドル台後半で上値の抑えられる動きとなった。この日は米国でも主だった経済指標の発表はなし。米国株は寄り付きこそ上昇して始まったが、その後は方向感に欠ける動きで、米債利回りも動意薄。材料難ということもありドル、ユーロは方向感に乏しいままだった。

 イラクのマスーム大統領は、マリキ首相に代わる新首相の候補に、イスラム教シーア派政党連合のアバディ連邦議会副議長を指名。マリキ氏に代わる首相候補が決まり、米国の要求に沿った形で、スンニ派の過激派「イスラム国」の脅威に対抗する挙国一致内閣作りが始まることとなった。

 カナダドルは上昇。ドルカナダは1.09台後半から1.09台前半に下落した。7月のカナダ住宅着工件数は20.01万件と市場予想を上回り、9カ月ぶりの高水準を記録。前月分も小幅上方修正され、同指標発表後カナダドルは上昇基調での推移となった。

 欧米ともに主だった経済指標の発表がなく、前日海外市場のドル、ユーロは動意薄。ただ、イラクやウクライナの地政学的リスクは依然として意識されやすく、市場のリスク選好姿勢の強まりを期待するのは難しい。本日東京市場でのドル円は102円台前半で方向感に欠ける推移となりそうだ。一方、ユーロドルはユーロ圏景気の先行き懸念を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は対ドルで様子見姿勢が強まると予想される。

2014年8月11日月曜日

今後も米長期債利回りの重しになると思われる新興国を中心とした外貨準備積み増しの動き

 米10年債利回りは先週8日の東京市場で、一時的とはいえ2.35%を割り込み、昨年6月以来の低水準を記録。ロンドン市場に入り2.42%台まで反発したが、それでも今年5月下旬以来の低水準である。

 米FRBが証券買入枠の縮小、いわゆるテーパリングを続ける、との見方から、昨年末時点で市場関係者の多くは米長期債利回りの上昇を見込み、今年(2014年)はドル買い相場を期待する声が強かった。しかし、米長期債利回りは年初から低下基調で推移。今となっては米10年債利回りの年初の水準である3.00%ちょうど近辺は、非常に遠いものとなってしまった。

 米長期債利回りが大方の見方に反し低下している理由はいろいろと考えられる。リーマンショックを契機に米国の潜在成長率は低下。米国の低インフレ化が定着するとともに、米国の自然利子率が低下したことも要因の一つだろう。

 筆者は、アジアを中心に世界の外貨準備が拡大基調を続けていることも、米長期債利回り低下の要因の一つと考えている。Bloombergによると世界全体の外貨準備は、今年6月時点で11兆9,326億ドルと、昨年末から3,927億ドルも拡大。外貨準備の半分程度が米ドルであると仮定し、さらにその半分(実際にはもっと多いだろう)が米長期債であると仮定しても、約1千億ドルの米長期債買い需要が発生したことになる。

 米FRBは昨年末から今年6月にかけて、米長期債買い入れ額を月額400億ドルから200億ドルに縮小させているが、世界各国がテーパリングを上回る規模で米長期債を買い入れている以上、米長期債利回りが(上がるどころか)低下しても不思議ではなくなる。

 米FRBの姿勢がテーパリングから利上げにシフトし、市場が反応する形で米長期債利回りが(ようやく)上昇に転ずる可能性は否定しないが、外貨準備の拡大が米長期債利回りの重石となり続けるだろう。米国の利上げ観測が本格化すれば、新興国は資本流出懸念による自国通貨安を恐れ、外貨準備を積み増す姿勢を強める。中国景気の持ち直しもあって、新興国の対外収支は改善基調を続けており、これも外貨準備増に寄与するだろう。またECB、日銀は金融緩和姿勢を続けたままであり、たとえ米国が利上げに踏み切ろうとしても、先進国の緩和マネーの一部は新興国を目指し続ける。これも新興国の外貨準備積み増しをサポートする。

 結果としてドル買いの動きは昨年末の期待ほど強まらず、消去法的に新興国通貨が対ドルで底堅い動きを維持するとみるのが自然のように思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年8月8日)

 新興国通貨は対ドルで反発。米国株が上昇するなど市場のリスク回避姿勢は一服。新興国通貨は買い戻し優勢となった。

 BRLは対ドルで0.5%の上昇。7月のブラジルIPCAは前年比+6.50%と市場予想を小幅下回る伸び。ブラジル経済政策のオランド秘書官はブラジルのインフレは市場予想を上回るペースで鈍化すると発言。年後半にはブラジル景気は改善するとの見通しも示した。

 CLPは同0.2%の上昇。7月のチリCPIは前年比+4.5%と市場予想を上回る伸び。一方で同月同国の自動車販売台数は前年比13%減と6カ月連続の前年割れ。チリ景気の低迷継続が示された。

 PENは同0.7%の上昇。ペルー中銀は市場予想に反し政策金利を3.75%に据え置き。ただ預金準備率は50bp引き下げられ11.00%となった。同中銀は声明で現在の政策金利水準はペルーのインフレが年内に目標レンジに収まり、2015年には2%に収束するという見通しと整合的であると指摘した。6月のペルー貿易収支は3.2億PENの赤字と赤字額は市場予想を下回り2カ月連続で縮小した。

 TRYは対ドルで1.0%の上昇。6月のトルコ鉱工業生産は前年比+1.4%と市場予想を下振れ。しかしNY市場に入るとTRYは買い戻しの動きが強まった。

 RUBは同0.4%の上昇。ロシア国防相はウクライナ国境付近で実施していた軍事演習を終了したと発表。ロシア一部報道はロシアがウクライナ紛争の緊張緩和に乗り出すとも報じ、ウクライナ情勢の緊張緩和期待を強めた。

 昨日の東京地方は久しぶりに30度を下回る涼しい気温。ただ今日は再び34度くらいまで上がるようです。気温のチャートがドル円に似ている気がします。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年8月8日)

 8月8日のロンドン市場は円売り戻しの動き。ドル円は101円台半ば近辺から102円ちょうど近辺に上昇した。欧州株はアジア株の下落を受けて下げて始まったが、日経平均先物は現物終値水準とほぼ変わらず。欧州株も次第に下げ渋りの様相が強くなり、イタリア株は取引後半にかけてプラス圏に浮上。米債利回りも下げ止まり、市場のリスク回避姿勢は一服した。

 ユーロドルは1.34ドル手前でのもみ合い。6月のフランス鉱工業生産は前年比-0.4%と市場予想ほどの落ち込みを示さず。ただウクライナ情勢の緊張でユーロ圏景気の先行き不透明感は強いまま。米債利回りの下げ止まりもあってユーロドルは上値が抑えられたままだった。

 ポンドは1.68ドルちょうど近辺でのもみ合い。6月の英貿易収支は24.59億ポンドの赤字と3カ月連続で赤字が拡大。ただ同時に発表された同月同国の建設支出は前年比1.2%増と市場予想を小幅上振れ。両指標に対するポンドの反応は限定的だった。

 NY市場に入るとドルの上値は抑えられる動きが続いた。第2四半期の米非農業部門労働生産性は前期比年率2.5%増と市場予想を上回る伸び。一方、同期同国の単位労働コストは同0.6%増と市場予想を下回った。ただ両者とも前期分が大きく修正された影響が大きく、ドル買いの動きは限定的。ドル円は一時的に102円を上抜けしたが、その後は米軍がイスラム国の砲台を空爆したと報じられたこともあって101円台後半に下落。一方、ユーロドルは1.34ドル手前から1.34ドル台前半に上昇した。取引後半に入ると米国株が上げ幅を広げ、低下した米債利回りも反発したが、ドル買いの動きは抑えられたまま。ドル円は102円ちょうど近辺に反発した後は同水準で方向感に乏しく推移。ユーロドルは1.34ドル台前半で上値が重くなったが、同水準を維持しながらの推移となった。

 カナダドルはカナダ雇用統計を受けて下落。ドルカナダは1.09台前半から1.09台後半に上昇した。7月のカナダ雇用者数は200人の増加と2万人増の市場予想を大きく下振れ。同月同国の失業率は7.0%と前月から低下したが、主因は労働参加率の低下で、カナダの雇用環境の悪化が嫌気された。

 週明けはドルが小幅買い戻され、ドル円は102円台前半、ユーロドルは1.34ドルちょうど近辺で開始。米国はイスラム国への空爆を今後も続ける方針を示したものの、ロシアはウクライナ情勢の緊張緩和を狙っているとの思惑がドル買いをサポートした。

 米国がイスラム国への空爆実施に踏み切った一方で、ロシアはウクライナ情勢の緊張緩和に乗り出すとの期待感が強まり、市場のリスク回避姿勢は一服。本日東京市場でのドル円は底堅い動きが期待される。一方、ユーロドルはドル買い戻しの動きを受けて上値が抑えられる見込み。アジア通貨は市場のリスク回避姿勢の一服を背景に対ドルで買い戻しの動きが予想される。