2014年9月5日金曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月4日)

 新興国通貨は対ドルで下落。ユーロの急落で東欧通貨も対ドルで大きく下落。米債利回りの上昇もあって新興国通貨は売りの動きが強まった。

 BRLは対ドルで0.3%の下落。ブラジル中銀は市場予想通り政策金利を11.00%で据え置き。金利据え置きは全会一致で3会合連続。同中銀は声明で、これまで使用してきた「現時点では」政策金利を据え置く、とする表現のうち「現時点では」の部分を削除。今後の金利変更の可能性を示唆した。8月のブラジルFIPE消費者物価は前月比+0.34%と市場予想を下回る伸び。7月のブラジルCNI設備稼働率は81.0%と前月から上昇。ただ8月のブラジル自動車生産は前年比22.4%減と減少基調が続いた。

 CZKは対ドルで1.4%の下落。7月のチェコ小売売上高は前年比6.2%増と市場予想を上回る伸び。チェコ景気の拡大継続が確認された。

本日の東京地方の最高気温は30度と昨日よりちょっと上がる予報。なんとなく蒸し暑い日となりそうです。だけど、少しずつ秋めいてきました。今週末には夏服を整理してもいいのかもしれませんね。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月4日)

 9月4日のロンドン市場はユーロが小幅下落。ユーロドルは1.31ドル台半ば近辺から1.31ドル台前半に下落した。一部メディアはECBが5000億ユーロ規模のABS購入を検討していると報道。ECB理事会での追加緩和期待が高まり、ユーロは同報道を受けて軟調な動きとなった。

 一方、ドル円は取引前半に105円ちょうど近辺から104円台後半に下押しされた後に、再び105円ちょうど近辺に浮上。米長期債利回りは取引中盤以降にじり高の推移。この日開かれた日銀・黒田総裁会見でドル高は日本経済にとって悪いことではないと述べたこともあってドル円は底堅い動きとなった。

 ポンドは上値の重い動き。ポンドドルは1.64ドル台後半から1.64ドル台半ば近辺に小幅下落した。BOEは市場予想通り政策金利を0.50%、資産買入枠を3750億ポンドでそれぞれ据え置き。ポンド自体の反応は限定的だったが、ポンドドルはドル買いの動きに押された。

 NY市場はECB理事会やドラギ総裁会見を受けてユーロが大きく下落した。ECBはこの日の理事会で主要政策金利のリファイナンス金利を10bp引き下げ過去最低の0.05%とすると発表。同時に上限金利の限界貸出金利を0.30%に、下限金利の中銀預金金利をマイナス0.20%と、それぞれ10bp引き下げた。予想外の利下げを受けてユーロドルは1.31ドル台前半から1.30ドル台前半に急落。その後、ECBドラギ総裁は会見で金利調整はこれ以上は不可能な下限に達したと述べ、利下げ打ち止めの意向を表明。また利下げがこれ以上ないことは、TLTROへの参加を銀行は躊躇すべきではないシグナルであるとも述べた。また同総裁はECBが10月から資産担保証券(ABS)およびカバードボンドを買い入れることを決めたと発言。買い入れ対象となるのは、単純かつ透明性の高いABSおよびユーロ建てカバードボンド。買い入れプログラムの完全な詳細は次回10月2日のECB理事会後に公表するとした。また今回の利下げ決定は全会一致ではなく、量的緩和(QE)について理事会で議論したことも明らかにした。ECBドラギ総裁がABS買い入れプログラムの開始を表明すると、ユーロドルは一時1.30ドル割れ。その後、1.30ドル台前半に持ち直したが、NY市場取引中盤からはドル買いの動きも強まり、1.29ドル台前半と昨年7月以来の安値水準に下落。取引後半には1.29ドル台半ば近辺に持ち直したが上値は抑えられる状態が続いた。

 ドル円は取引中盤までドル買い円売りの展開となった。8月の米ADP雇用統計は民間雇用者数が20.4万人増と市場予想を下振れ。ドル円は105円台前半から104円台後半に下落した。ただ、その後発表された7月の米貿易収支は405億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回り、半年ぶりの低水準に縮小。一方、米新規失業保険申請件数は30.2万件と市場予想を上回った。両指標を受けてドル円は105円ちょうど近辺まで反発するなど下げ渋りの動き。その後発表された8月の米ISM非製造業景況指数が59.6と2005年8月以来の高水準を記録すると、米債利回りの上昇もあってドル円は105円台前半と年初来高値水準まで上昇。しかし取引後半に入ると、上昇していた米国株がマイナス圏に落ち込み、米債利回りの上昇も一服したことから、ドル円は105円台前半で上値が抑えられた。

 カナダドルはカナダ国際商品貿易を受けて買いが先行。7月のカナダ国際商品貿易は25.8億カナダドルの黒字と、黒字額が市場予想を大きく上回り、2008年10月以来の高水準を記録。ドルカナダは1.08台後半から1.08台前半に急落した。その後、ドルカナダは1.08台前半でもみ合い。しかし後半に入るとドルカナダはドル買い優勢の動きとなり、引けにかけては1.08台後半と国際商品貿易発表前の水準まで上昇した。

 ECBのアグレッシブな緩和姿勢が示されたことでユーロは下落。ただECBに残された手段も少なくなり、ユーロをさらに売り込むには材料不足。本日東京市場でのユーロドルは1.29ドル台前半で方向感に欠ける動きが予想される。一方、ドル円は米景気の堅調を背景に105円台前半で値固めの展開か。アジア通貨は米債利回りの上昇を背景に対ドルで軟調な推移が予想される。

2014年9月4日木曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月3日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。ウクライナ停戦合意期待を背景にRUBやTRYなどEMEA通貨の買い戻しが目立った。

 BRLは対ドルで0.3%の上昇。8月のブラジルHSBC総合PMIは49.6と前月から小幅上昇。ただ同月同国の商品価格指数は前年比-2.69%と2012年4月以来の前年割れ。ブラジル景気の先行き期待が高まることはなかった。

 CLPは対ドルで小幅上昇。チリ中銀は第3四半期の金融政策報告を公表。今年の同国成長率見通しを従来の2.50~3.50%から1.75~2.25%に下方修正。一方でインフレ見通しは従来の4.0%から4.1%に小幅上方修正した。

 HUFは対ドルで0.6%の上昇。7月のハンガリー小売売上高は前年比2.3%増と市場予想を下回る伸び。ハンガリー経済相は不公正な為替レートが適用され、一方的な金利引き上げがなされる消費者向けローンを消費者に有利な条件で借り換えさせる法案が次回閣議で提出される可能性があると発言した。

 TRYは対ドルで0.7%の上昇。8月のトルコCPIは前年比+9.54%と市場予想を上振れ。同月同国PPIは同+9.88%と前月から加速。トルコのインフレ圧力が強まっていることが示された。

 ZARは対ドルで0.5%の上昇。8月の南アフリカSACCI企業景況感は89.0と前月から上昇。ただ水準は依然として低く、南ア景気の先行き期待を高めることはなかった。

 PLNは対ドルで0.4%の上昇。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を2.50%で据え置き。ただ同中銀のベルカ総裁は、今回の会合で利下げが議論され、金利据え置きは全会一致の決定ではなかったと発言。今後の会合での利下げの可能性は高く、利下げ回数が複数になる可能性も排除しないとも述べるなどハト派寄りの姿勢を示した。

 RUBは対ドルで1.6%の大幅上昇。ウクライナとの停戦合意期待から買いが先行した。8月のロシアHSBC総合PMIは51.1と前月から小幅低下。9月1日時点の同国CPIは日次平均で前月比+0.020%と2週連続で加速。ロシアのインフレ圧力が強まっている様子が示された。

EUは二酸化炭素の排出削減対策として9月からハイパワー掃除機の製造・販売を禁止したそうです。このため規制導入直前にEU各国で掃除機の売り上げが急増したとのこと。製造業PMIにも多少は影響したかもしれませんね。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月3日)

 9月3日のロンドン市場は東京市場で強まった円買い戻しの動きが一服。ドル円は105円ちょうどを挟んでのもみ合いが続いた。一部メディアはロシアとウクライナの両大統領が停戦で合意と報道。これを受けて欧州株は上昇し、米債利回りは上昇。ドル円をサポートした。

 ユーロドルは1.31ドル台前半から1.31ドル台半ば近辺に小幅上昇。8月のサービス業PMI(確定値)はドイツ、フランス、イタリアで速報値から大きく下方修正。ただ同月のユーロ圏サービス業PMIの下方修正はスペインの大幅上方修正もあって小幅に留まる結果。その後発表された7月のユーロ圏小売売上高は前年比0.8%増と市場予想を小幅下回り、前月分も下方修正。ロシアとウクライナの停戦合意報道に対し、親ロ派武装勢力が反発しているほか、ロシア側は停戦で合意したわけではなく、停戦枠組みに向けた措置で合意しただけと訂正したこともあって、ユーロ買い戻しの動きは限定的なものとなった。

 NY市場ではロンドン市場で一服した円買い戻しの動きが再開する展開となった。7月の米製造業受注は前月比10.5%増と市場予想を小幅下回ったが前月分は上方修正。ただ米国株はプラス幅を縮める動き。米債利回りも低下基調での推移となり、ドル円は105円ちょうど近辺から104円台後半への下落基調で推移した。

 取引後半でFRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表。経済活動の拡大の度合いは、12地区中6地区が「緩やか」の判断。労働市場については、大半の地区で概ね控えめな動きに変わりないとする一方、ほぼすべての地区で、IT関連やトラック運転手、建設労働者といった熟練労働者が不足していると指摘。全体として、物価圧力はおおむね変わらない状況が続いているとした。ベージュブックは米景気の拡大基調が続いていることを示したが、市場の反応は限定的で、米国株はプラス幅を縮め、米債利回りは低下基調で推移する展開が続いた。

 ユーロドルは取引前半に1.31ドル台半ば近辺から1.31ドル台前半に小幅下落したが、後半にかけて1.31ドル台半ば近辺に持ち直した。ロシアとウクライナの停戦合意の先行き不透明感が強まったことで、ユーロを買い戻す動きは後退。しかし、ロシアのプーチン大統領が停戦実現に向けた両国大統領の考えが近いと述べたことで、停戦合意期待が再浮上。ユーロは再び買い戻された。

 急ピッチな上昇で警戒感が強まるなか、米債利回りが低下基調で推移したことでドル円も下落。ただ、NY市場取引終盤には下げ止まり。8月の米自動車販売台数は年率1745万台と2006年1月以来の高水準となるなど、米景気は堅調継続。ドル買いムードが後退したとは考えにくい。本日東京市場でのドル円は下値の堅い展開が予想される。一方、ユーロは本日予定されているECB理事会を控え様子見姿勢が強まる見込み。アジア通貨は米債利回りの低下が好感され対ドルでの上昇が期待される。

2014年9月3日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月2日)

 新興国通貨は中南米通貨の一部を除き対ドルで下落。米債利回りの上昇で新興国通貨の上値は重くなった。

 SGDは対ドルで0.3%の下落。8月のシンガポール購買部景気指数は49.7と市場予想に反し昨年12月以来の50割れ。内訳をみると景気の先行指標とされる新規受注や新規輸出受注が前月より悪化。シンガポール景気の先行き懸念が強まった。

 BRLは対ドルで変わらず。7月のブラジル鉱工業生産は前年比-3.6%と市場予想とほぼ変わらず。ただ前月分は小幅ながら下方修正された。その後発表された8月の同国自動車販売台数は前年比17.2%減と3カ月連続の二桁減。ブラジル景気の低迷継続を印象付けた。

 MXNは対ドルで0.2%の下落。メキシコ中銀のエコノミストサーベイでは今年の成長率見通しが2.47%と8カ月連続の下方修正。ただ今年のインフレ見通しは小幅ながら上方修正。利下げ期待を強める内容とは言えなかった。

プロテニスプレーヤーの錦織圭選手が、全米オープンで初の準々決勝に進出しました。次の試合でも錦織選手らしい動きを期待したいと思います。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月2日)

 9月2日のロンドン市場はドルが堅調に推移。ドル円は104円台後半から今年1月10日以来となる105円ちょうど近辺に上昇。一方、ユーロドルは1.31ドル台前半で上値の重い動きとなった。米長期債利回りは上昇基調で推移。日経平均先物は買い優勢の動きとなり、この日の東京市場に引き続きドル買いムードの強い展開となった。

 ポンドは下落基調で推移。ポンドドルは1.65ドル台後半から1.65ドル台前半に下落。一方、ユーロポンドは0.79台前半で上昇基調で推移した。8月の英建設業PMIは64.0と市場予想に反し前月から上昇したが、ポンド買いの動きは限定的。英国のオズボーン財務相は議会でユーロ圏景気の弱さは英国の経済にとってのリスクとなりつつあると発言。英景気の先行き懸念が強まった。

 NY市場はドルが底堅く推移した。8月の米ISM製造業景況指数は59.0と市場予想を大きく上回り、2011年3月以来の高水準を記録。7月の米建設支出は前月比1.8%増と市場予想を上回り、前月分も上方修正。米景気の拡大継続が確認されたことでドル円は105円ちょうど近辺から105円台前半に小幅上昇した。ただユーロドルは1.31ドル台前半で下値の堅い動き。取引中盤になると米債利回りの上昇は一服。米国株は小幅安での推移となり、ドル円は105円台前半、ユーロドルは1.31ドル台前半でのもみ合いが続いた。

 市場はウクライナ情勢を重視せず、ドル買いムードを継続。ただ好結果に終わった8月の米ISM製造業景況指数を受けてもドル買いの動きは鈍く、ドルの高値警戒感も強い様子。本日東京市場でのドル円は105円という節目を達成したこともあって、105円台前半でのもみ合いが予想される。一方、ユーロは明日のECB理事会を前に方向感に欠ける動きが続く見込み。アジア通貨は米債利回りの上昇を背景に対ドルで軟調な推移となりそうだ。

2014年9月2日火曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月1日)

 新興国通貨は対ドルでやや軟調な動き。ウクライナ情勢の緊張継続などを背景に新興国通貨は上値の重い展開となった。

 BRLは対ドルで0.2%の下落。ブラジル中銀週次サーベイでは、年末までの成長率見通しが下方修正。8月のブラジル貿易収支は116.8億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上振れ。輸出が前年比4.5%減と市場予想ほどの落ち込みを示さなかった一方、輸入は同4.5%減と市場予想を上回る落ち込みとなった。

 MXNは対ドルで小幅下落。7月のメキシコ海外労働者送金は前年比8.4%増と2カ月連続の加速。その後発表された8月の同国IMEF製造業指数は51.6と市場予想を上回り、非製造業指数は52.7と7カ月ぶりの高水準を記録。メキシコ中銀による追加利下げ観測を後退させた。

 CLPは対ドルで0.7%の下落。チリ中銀は会合議事録(8月15日開催分)を公表。同会合での25bpの利下げは全会一致であることが判明した。ただ会合では金利据え置きと50bpの利下げが同時に議論されたことも判明。インフレ懸念は後退したとの指摘も示され、追加利下げ継続の見方がサポートされた。

 PENは対ドルで0.3%の下落。8月のペルーCPIは前年比+2.69%と市場予想を下回り、昨年5月以来の低い伸び。ペルー中銀による追加緩和観測を強めた。

 TRYは対ドルで0.2%の上昇。8月のトルコHSBC製造業PMIは50.3と3カ月ぶりに50台を回復した。

 HUFは対ドルで小幅上昇。8月のハンガリーHSBC製造業PMIは51.0と前月から大きく低下し、年初来最低を記録。ハンガリー景気の先行き不透明感を強めた。

 PLNは対ドルで小幅上昇。8月のポーランドHSBC製造業PMIは49.0と市場予想通りの結果。2カ月連続の50割れとなった。

 CZKは対ドルで小幅下落。8月のチェコHSBC製造業PMIは54.3と市場予想を下回り、昨年9月以来の低水準となった。

 ZARも対ドルで小幅下落。8月の南アフリカ・カギソ製造業PMIは49.0と市場予想を上回り、今年3月以来の高水準に上昇。ただ同月同国のNaamsa自動車販売台数は前年比1.4%減と市場予想を小幅下回り、8カ月連続の前年割れとなった。

国内で感染者が増えている高熱の病気の名前が「天狗熱」ではないことを昨日知りました。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月1日)

 9月1日のロンドン市場は円が小幅下落。ドル円は104円台前半で小幅上昇した。この日は米金融市場が休場ということもあって日経平均先物は動意薄。欧州株はウクライナ情勢の緊張を受けて取引前半は小幅下落したが、中盤には買い戻され先週末終値水準を回復。日銀による追加緩和期待もあって円は売り優勢の動きとなった。

 ロシアのプーチン大統領は31日、国営テレビのインタビューでウクライナ東部のロシア系住民の保護のため、ウクライナ東部を独立した国家的な地位とすべきと発言。ウクライナ安全保障・国防会議のルイセンコ報道官は1日、ルガンスク空港の守備部隊が命令に基づいて撤退したと発表する一方、親ロ派勢力は同日、前夜の戦闘でドネツク空港を包囲したと発表した。ドイツのメルケル首相は、欧州はロシアのウクライナへの侵攻を座視することをしないとして、欧州の国境を書き換えることや軍を動かして他国を攻撃することを容認するのは、経済に対する何らかの悪影響を受け入れるよりもはるかに危険だと述べた。ウクライナ政府、親ロ派代表、ロシア政府に全欧安保協力機構(OSCE)を加えた連絡グループの協議が、ベラルーシの首都ミンスクで開催。親ロ派勢力は、ウクライナからの独立承認という主張から、独自軍の承認など国内での自治権を求めるものに変更した。

 ユーロは小幅高。ユーロドルは1.31ドル台前半から取引中盤には1.31ドル台半ば近辺に上昇。ただ後半に入るとやや下落し、1.31ドル台前半でのもみ合いとなった。第2四半期のドイツGDP(確報値)は前期比0.2%減と速報値から変わらず。ギリシャの同期GDP(確報値)は前年比0.3%減と速報値から小幅下方修正された。8月製造業PMIはイタリアが49.8と昨年6月以来の50割れ一方、フランス確報値は46.9と速報値46.5から上方修正。続くドイツ確報値は51.4、ユーロ圏確報値は50.7といずれも下方改定されたが、ユーロ売りの反応はほとんどみられなかった。

 ドイツ現地メディアは31日、ECBドラギ総裁が8月22日のジャクソンホール会合で講演した際、欧州の成長を加速させるため財政の健全化よりも景気刺激策の方を重視すべきと受け取れる発言をしたことにメルケル独首相が不満を持っていると報道。メルケル首相とショイブレ独財務相がドラギ総裁に電話をかけ講演内容について質したと報じた。

 ポンドは英製造業PMIを受けて買いの動きが後退。ポンドドルは取引序盤に1.66ドル台前半でポンド買い優勢となったが、英製造業PMI発表後は同水準で上値が重くなった。7月の英住宅ローン承認件数は6万6569件と市場予想を上振れ。しかし同時に発表された8月の英製造業PMIは52.5と市場予想を下回り、昨年6月以来の低水準に低下。英景気の拡大期待を後退させた。

 NY市場はドル、ユーロなど主要通貨は方向感に乏しく推移。この日は米金融市場がレーバーデータのため休場。取引材料に乏しく様子見姿勢が強かった。ドル円は104円台前半で底堅く推移。一方、ユーロドルは1.31ドル台前半で上値が抑えられた。

 ウクライナ情勢は緊張状態が続いているものの、ドルは底堅い動きを継続。本日は米金融市場の休場明けということもあって、ドル、ユーロともに材料難の展開となりそうだ。アジア通貨は対ドルで方向感に欠ける動きが予想される。

2014年9月1日月曜日

10月の大統領選までは下値の堅い動きが続くと思われるブラジル・レアル(BRL)

 第2四半期のブラジルGDPは前年比0.9%減と市場予想を上回る落ち込み。前期比では0.6%減と2期連続のマイナス成長となった。需要項目別にみると、個人支出が前期比0.25%増と前期に0.20%減とマイナスとなった後にしては非常に弱い伸び。投資は同5.31%減と2009年第1四半期に記録した同11.79%減以来の大幅な落ち込みとなった。

 業種別にみると、製造業が前年比5.49%減と2009年第3四半期以来の落ち込み。建設業は同8.65%減と2002年第1四半期以来の落ち込みとなった。今年6月にはブラジルでサッカーワールドカップがあったため、試合時には工場が稼働ストップ。両業種を中心にブラジル景気を大きく下押しした。

 ただ、ワールドカップが終わったにもかかわらず、7月のブラジル景気指標はさえないまま。HSBC製造業PMIは49.1と6月から小幅改善したが4カ月連続の50割れ。自動車生産は前年比20.5%減と5カ月連続で前年比二桁減となった。鉱工業生産は前年比-3.7%と5カ月連続の前年割れが見込まれており、6月に80.1%と2009年5月以来の低水準を記録したCNI設備稼働率が、7月にはさらに落ち込み80%割れとなる可能性もある。

 製造業の低迷は、供給の低下を通じブラジルのインフレ圧力を維持する。現に7月のブラジルIPCAは前年比+6.50%と6月とほぼ変わらず。7月も同+6.51%の見込みと、鈍化する兆しが見られない。インフレが落ち着かない以上、ブラジル中銀が、景気低迷にもかかわらず、利下げに踏み切ることは難しいだろう。

 支持率低迷に苦しむルセフ大統領としては財政拡大による景気刺激を狙いたいところだが、それも難しい。7月のプライマリーバランスは47億レアルの赤字と3カ月連続の赤字。ブラジルの今年のプライマリーバランス目標はGDP比1.9%の黒字だが、実現は難しいとの見方がさらに強まった。ルセフ政権が目標を棚上げし、財政拡大を指向する可能性は否定できないが、この場合、すでに投資適格級の最低水準まで引き下げられたブラジル格付けが、ジャンク級に引き下げられる懸念が強まる。

 ブラジルでは、景気低迷とインフレの高止まりという苦しい組み合わせが続くだろうが、BRLは10月のブラジル大統領選まで対ドルで下値の堅い動きとなるだろう。BRLは今年4月以降、対ドルで2.20~2.30のレンジ内での推移。足元では10月の大統領選での政権交代期待がBRL買いを後押ししている。今年5月のインド総選挙を前に、INRは政権交代期待から対ドルで63ちょうど近辺から58ちょうど近辺と約8%も上昇した。BRLの対ドルでの直近安値である2.30から8%上昇すると仮定すると、BRLは対ドルで2.12近辺まで上昇することになる。

2014年8月31日日曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年8月29日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。個別材料に反応する展開となった。

 BRLは対ドルで0.3%の上昇。第2四半期のブラジルGDPは前年比0.9%減と市場予想を上回る落ち込み。製造業、建設業がともに2期連続の前年割れとなったほか、小売業も前年割れとなった。需要項目別では投資が前年比11.25%減と二桁減。個人支出も同1.17%と2004年第1四半期以来の低い伸びとなった。7月のブラジル基礎的財政収支は47億リアルの赤字と市場予想に反し3カ月連続の赤字。ブラジル財政懸念を強めた。

 CLPは対ドルで1.0%の上昇。7月のチリ製造業指数は前年比-4.1%と市場予想を上回る落ち込み。同月同国の小売売上高は同1.5%増と市場予想を小幅上回ったが前月からは鈍化した。

 COPは対ドルで0.3%の上昇。7月のコロンビア失業率は9.3%と2カ月連続の上昇。コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を25bp引き上げ4.50%にすると発表。コロンビア中銀のウリベ総裁は利上げは前科一致ではなかったことを明らかにした。

 ZARは対ドルで0.2%の下落。7月の南アフリカ貿易収支は69億ランドの赤字と赤字額が市場予想を上振れ。同月同国の財政収支は696.5億ランドの赤字とやはり赤字額が市場予想を上回った。

 RUBは対ドルで1.1%の下落。USD/RUBは37台前半と過去最高(RUB安水準)を更新した。ウクライナ東部での戦闘激化を受けてロシアが追加制裁を受ける可能性があるとの見方が強まった。

結婚披露宴が直前に中止になった米ピッツバーグ在住の男性が、披露宴を途上国の子どもに無料の手術を斡旋する慈善団体への寄付集めイベントに変更したそうです。男性がイベントのチケットを販売したところ完売し、その他の寄付と合わせて約5万ドルの寄付が見込まれるとのこと。こういう機転がきかせられるようになりたいです。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年8月29日)

 8月29日のロンドン市場は円がじり安の動き。ドル円は103円台後半から104円ちょうど近辺に上昇した。ドイツ株、日経平均先物はともに小幅ながらプラス圏で推移。米債利回りも小幅高となるなど市場のリスク回避姿勢は一服。円は売り優勢の地合いが続いた。

 ユーロドルは1.31ドル台後半で底堅く推移。8月のユーロ圏CPIは前年比+0.3%と2009年11月以降、最も低い伸びを記録。ただ市場予想通りだったほか、同時に発表されたコアCPIは同+0.9%と市場予想に反し前月から小幅加速。7月のユーロ圏失業率が11.5%と市場予想通りとはいえ前月と変わらなかったこともあって、ユーロ売りの動きは後退した。

 NY市場はドル買い優勢の展開となった。7月の米個人支出は前月比前年比0.1%減と市場予想に反し6カ月ぶりのマイナス。その後発表されたミルウォーキー地域ISM景気指数も59.6と市場予想を下振れたことでドルは小幅下落。ドル円は103円台後半に下落した。ただ、その後発表された8月のシカゴ購買部協会景気指数は64.3と市場予想を大きく上回り、3カ月ぶりの高水準。同月ミシガン大消費者信頼感(確定値)も82.5と速報値から大きく上方修正。ドルは一転して買い優勢の動きとなり、ドル円は104円ちょうどを上抜け。一方、ユーロドルは1.31ドル台後半から1.31ドル
台前半に下落した。

 カナダドルはカナダGDP発表後に買いが先行したが一時的。NY市場中盤以降は売り優勢となった。第2四半期のカナダGDPは前期比年率3.1%増と市場予想を上回り2011年第3四半期以来の高い伸びを記録。ドルカナダは1.08台半ばから1.08台前半に下落した。ただ取引中盤に入るとドルカナダは一転して上昇基調での推移。引けにかけてドルカナダは1.08台後半とこの日の高値で引けた。

 ウクライナ情勢は緊張状態が続いているものの、ドルは底堅い動き。来週月曜日は米金融市場が休場ということもあって、ドル円は底堅さを維持しながらも、様子見姿勢が強まると予想される。一方、ユーロは4日のECB理事会での追加緩和懸念から引き続き上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで方向感に欠ける動きとなりそうだ。