2014年9月19日金曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月18日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチの動き。ドル高一服の動きを受けて東欧通貨は小幅買い戻される一方、ZAR、BRL、RUB、TRYなどは軟調な動きとなった。

 MYRは対ドルで0.3%の下落。マレーシア中銀は市場予想通り政策金利を3.25%で据え置き。同中銀は声明で現在の金融政策スタンスは景気を下支えしており、景気とインフレのバランスは取れていると指摘。今年の同国インフレは安定的な推移を続けるとの見方を示した。

 COPは対ドルで0.2%の上昇。コロンビア中銀のウリベ総裁は現地ラジオでのインタビューで同国企業景況感は高い水準にあると発言。COP安は歓迎されるだろうとの見方も示した。

 PLNは対ドルで小幅上昇。ポーランド中銀は会合議事録(9月3日開催分)を公表。会合メンバーの過半は早期の利下げ実施の必要性について同意。ただ同会合では利下げの決定は否決され、メンバーの数名は利下げがなくても景気は安定的な推移を続けるとの見方を示した。

 ZARは対ドルで0.7%の下落。USD/ZARは今年2月以来となる11.1台に上昇した。南アフリカ中銀のマーカス総裁は声明で今年のCPIは第2四半期に+6.5%でピークを打つものの、2015年の平均は+5.7%と高止まりし、来年第1四半期までインフレは目標レンジの上限を上回る状態が続くとする見通しを発表。一方、今年の成長率は従来の1.7%から1.5%に下方修正。2015年は2.8%となる見通しが示されたが下方修正リスクがあるとも指摘された。また経常収支赤字を資本流入でカバーさせることは挑戦的(チャレンジング)なものであるとの見解も示され、ZARは地政学的リスクや国内要因の影響を受けやすいとの見解。労使による賃金交渉がインフレを加速させ、同国競争力を低下させる可能性があるとの見方も示された。声明発表後、南アフリカ中銀は市場予想通り政策金利を5.75%で据え置き。ただ決定は全会一致ではなく、1名は25bpの利上げが主張されたことが明らかとされた。なお同中銀マーカス総裁は会見で辞任の意向を表明。後任はズマ大統領が迅速に指名すると発言した。

台風16号が発達しながら北上しており、21日にも沖縄に近づく恐れがあるそうです。今週末は東京地方も天気に恵まれないみたいで、ちょっと残念ですね。こういう時は晴耕雨読といったところでしょうか。私はスマホで芸能ニュースでもチェックするつもりです。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月18日)

 9月18日のロンドン市場はドルが底堅い動き。ドル円は108円台後半、ユーロドルは一時を除き1.28ドル台後半での推移となった。欧州株、日経平均先物は買い優勢の動き。一方、米債利回りは上昇基調で推移した。急ピッチなドル上昇に対する警戒感は強いものの、ドル高の動きは維持されたままだった。

 ECBは第1回の期間4年の資金供給オペ「的を絞った長期資金供給オペ(TLTRO)」を実施。255行に対し計826億ユーロを供給したが、市場予想の1330億ユーロを下回った。結果発表後、ユーロドルは1.28ドル台後半から1.29ドルちょうど近辺に上昇する場面もあったが一時的。すぐに1.28ドル台後半に下落した。TLTROではECBが十分な資金を供給することは難しいとの思惑が強まった模様。

 ポンドは上昇。ポンドドルは1.63ドルちょうど近辺から1.63ドル台前半に上昇した。8月の英小売売上高は前年比3.9%増とほぼ市場予想並みの伸び。ただ自動車を除くコア指数は同4.5%増と市場予想を小幅下回った。スコットランドの独立の是非を問う住民投票が開始。一部メディアは住民投票前の最後の世論調査で独立反対派の割合が53%と支持派を6%pt上回ったと報じた。

 NY市場はドルが取引中盤にかけて小幅下落した。米新規失業保険申請件数は28.0万件と市場予想を大きく下回り、7月18日の週以来の低水準に改善。同時に発表された8月の米住宅着工件数は95.6万戸、同月同国の建設許可件数は99.8万戸といずれも市場予想を下回ったものの、米雇用環境の改善継続が確認されたことでドル買いが先行。ドル円は一時109円手前まで上昇。ユーロドルは1.28ドル台半ば近辺に下落した。ただ、米2年債利回りは低下基調で推移するなど、早期の米利上げ期待はやや後退。その後発表された9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が22.5と市場予想や前月を下回るとドルは小幅下落。ドル円は108円台後半に下押しされる一方、ユーロドルは1.29ドル台前半に上昇した。取引後半は様子見姿勢が強く、ドル円、ユーロドルも同水準でのもみ合いが続いた。

 急ピッチだったこともあってドル買いの動きは一服。ただ米利上げ期待が大きく後退したわけではなく、米債利回りは高止まり。欧米株の上昇もあって本日東京市場でもドル円は底堅い動きを続けると予想される。一方、ユーロはTLTROによる資金供給規模が市場予想を大きく下回ったことからECBによる追加緩和観測が強まる展開。本日東京市場では上値の抑えられる展開が見込まれる。アジア通貨は米利上げ観測を背景に対ドルで軟調な推移となりそうだ。

2014年9月18日木曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月17日)

 新興国通貨は対ドルで下落。米FRBによる利上げ期待が新興国通貨を下押しした。

 MYRは対ドルで0.3%の上昇。8月のマレーシアCPIは前年比+3.3%と市場予想に反し、前月から加速。マレーシア中銀による利上げ期待を高めた。

 BRLは対ドルで1.0%の下落。USD/BRLは一時2.36台まで上昇した。9月のブラジルIGP-10は前月比+0.31%とほぼ市場予想通りの伸びとなった。

 ZARは対ドルで1.2%の下落。8月の南アフリカCPIは前年比+6.4%と市場予想に反し前月から加速。コアCPIも同+5.8%と前月から加速した。7月の同国小売売上高は同2.4%増と市場予想を上回ったが、前月分は下方修正。南アフリカのスタグフレーション懸念を強める内容となった。

 PLNは対ドルで0.8%の下落。8月のポーランド鉱工業生産販売は前年比1.9%減と市場予想に反し昨年5月以来の前年割れ。同月同国のPPIは同-1.5%と市場予想ほどの落ち込みとならなかったが、ポーランド中銀による利下げ観測を強めた。

 RUBは対ドルで0.3%の下落。8月のロシア実質賃金は前年比1.4%増とほぼ市場予想通りだったが前月分が下方修正。同月同国の実質小売売上高は同1.4%増と市場予想を小幅上回った。また同月同国のPPIは前年比+5.7%と市場予想以上に前月から鈍化した。

 ILSは対ドルで0.3%の下落。9月のイスラエルCPI予想は前年比+1.1%と上方修正された前月から小幅鈍化した。

東京地方は今日も概ね天候に恵まれるようです。ようやく秋めいてきました。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月17日)

 9月17日のロンドン市場はドル円、ユーロドルともに底堅い動き。ドル円は107円台前半、ユーロドルは1.29ドル台後半での小動きが続いた。欧州株や日経平均先物が小高く推移するなど、市場のリスク選好姿勢は継続。ただ米経済指標やFOMCの発表を控え、ドル円、ユーロドルともに上昇基調が強まることはなかった。

 ポンドは底堅い動き。ポンドドルは1.62ドル台後半から1.63ドル台前半に上昇した。BOEは会合議事録(9月4日開催分)を公表。政策金利は7対2、資産購入枠は9対0での据え置き決定で、前回と同結果。ウィール、マカファティ両委員が前回に引き続き25bpの利上げを主張していたことも判明した。ただ同議事録では、インフレ圧力は利上げには不十分、との表現もあり、序盤に堅調だったポンドの上値を重くする場面もあった。8月の英失業率は2.9%と市場予想通り前月から低下。同月同国の失業保険申請件数は3.72万件の減少と市場予想を上回る減少となり、英雇用環境の良好ぶりが示された。

 NY市場はドル買いの動きが強まった。8月の米CPIは前年比+1.7%と市場予想を下回り、前月比では-0.2%と昨年4月以来の低下。コアCPIも前年比+1.7%と市場予想を下回るなど米インフレ圧力の高まりは確認されなかった。ただ同時に発表された第2四半期の米経常収支は985億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回り、前期より縮小。第2四半期の米GDP成長率の上方修正期待が高まった。両指標を受けてドルは小幅下落。しかしドル円は107円台、ユーロドルは1.29ドル台後半のままだった。

 取引中盤に入るとドル円は107円台後半に上昇。一方、ユーロドルは一時1.29ドル台前半に下落したが、下落基調が強まることはなく1.29ドル台後半に値を戻した。その後はFOMC結果発表までドル円、ユーロドルとも同水準でのもみ合いが続いた。

 米FRBはFOMC声明を発表。FRBによる証券購入額は10月から月額250億ドルから同150億ドルに削減することを決定。また10月会合で現行の証券購入プログラムを停止することを明記した。一部で修正されるとの見方もあった資産買い入れ終了後も「相当な期間」、事実上のゼロ金利を維持する方針を据え置き。決定には、前回反対したフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁に加え、早期利上げを主張するダラス連銀のフィッシャー総裁も新たに反対票を投じた。なお同声明では米景気について緩やかなペースでの拡大が続いていると指摘。労働市場については改善しているとしつつも、「労働力に著しい未活用」とする文言は維持。労働市場での弛み(スラック)があるとの懸念を繰り返した。

 FOMC経済見通しは以下の通り。※()は前回6月時点

●実質GDP:小幅下方修正
14年 2.0~2.2%増(2.1~2.3%増)
15年 2.6~3.0%増(3.0~3.2%増)
16年 2.6~2.9%増(2.5~3.0%増)
長期 2.0~2.3%増(2.1~2.3%増)

●失業率:改善方向に修正
14年 5.9~6.0%(6.0~6.1%)
15年 5.4~5.6%(5.4~5.7%)
16年 5.1~5.4%(5.1~5.5%)
長期 5.2~5.5%(5.2~5.5%)

●PCE:概ね変わらず
14年 1.5~1.7%(1.5~1.7%) 
15年 1.6~1.9%(1.5~2.0%) 
16年 1.7~2.0%(1.6~2.0%) 
長期 2.0%(2.0%増)

 FOMC参加者による金利見通しでは、ゼロ金利解除予測は回答者17人中14名が2015年の解除を予測。1名は2014年、2名が2016年となり、ゼロ金利解除見通しが2015年に集中する結果となった。

 FOMC参加者による2015年末の金利見通しは以下の通り。

0.125%:2人
0.375%:2人
0.500%:1人
0.875%:3人
1.125%:2人
1.375%:3人
1.875%:4人
2.875%:1人
計 17人

 FRBイエレン議長は声明発表後の会見の冒頭で出口戦略の公表は金融政策の変更を意味しないと発言。米経済は最大雇用というFRBの目標に向かって進展していると述べ、米経済の先行きに自信を示した。労働市場については完全に回復しておらず、労働力の活用は極端に低い状態と指摘したが、FOMCは依然としてインフレが徐々に2%に近づくと予想しており、10月会合では資産買い入れは終了する見込みと明言。大半の参加者はFFレートが2017年末までに正常水準に近づくと想定しており、FFレートは金利誘導の主要手段であるとも述べた。ただ、同議長はゼロ金利を「相当な期間」維持するという約束は機械的なものではなく、あくまで景気判断によるものだともし、利上げ開始について慎重な姿勢も示した。

 為替市場ではFOMC声明発表直後にドル買いが先行。ドル円は107円台後半から108円台前半と6年ぶりの高値に上昇。一方、ユーロドルは1.29ドル台後半から1.29ドルちょうど近辺に下落した。しかしドル買いが一巡すると、ドルは売り戻しの動きに。ドル円は107円台後半、ユーロドルは1.29ドル台後半に値を戻したが、FRBイエレン議長の会見が進むと再びドル買いの動きに。ドル円は108円台前半と、この日の高値を更新する一方、ユーロドルは1.28ドル台後半と昨年7月以来の安値に下落した。

 FOMC声明は市場が予想したほどのタカ派的な内容が含まれておらず、タカ派的な見方の市場関係者からすれば、むしろ期待外れの内容。ただFRBイエレン議長の会見での物言いからは、利上げに向けた意思の強まりを感じられ、市場はドル買いの動きを強めた。ドル円はあっけなく108円の節目を突破。本日東京市場でのドル円は、急ピッチな上昇に対する警戒感が強まるかもしれないが、日米金融政策の方向性の違いを背景に底堅い動きが続くと思われる。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き懸念を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は米利上げ期待の高まりを背景に対ドルで軟調な推移が予想される。

2014年9月17日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月16日)

 新興国通貨は対ドルで買い優勢。米債利回りが小幅ながら低下したことで新興国通貨を買い戻す動きが強まった。

 BRLは対ドルで0.6%の上昇。9月第2週のブラジルIPC-Sは前月比+0.39%と小幅ながら市場予想を上振れ。9月の同国CNI産業信頼感は46.5と前月から変わらず、過去最低水準のままだった。

 COPは対ドルで0.7%の上昇。7月のコロンビア小売売上高は前年比5.2%増、同月同国の鉱工業生産は同+1.6%と、いずれも市場予想を下回る伸び。第2四半期GDPは前年比4.3%増と市場予想を下回り、前期比は0.1%減と2012年第3四半期以来のマイナスを記録した。コロンビアのカルデナス財務相は第3四半期は製造業で良い数字が出ており、同国成長率は潜在成長率に近づいていると発言。同国政府による今年の成長率見通しは4.7%で変わらないと発言した。またCOPの対ドルレートが1950~2000の間で推移することに満足の意を示し、COP安がさらに進んでも当局は懸念しない意向を示した。

 ILSは対ドルで0.2%の下落。第2四半期のイスラエルGDP(改定値)は前期比年率1.5%増と速報値(同1.7%増)から下方修正。一部メディアはイスラエル政府が今年の成長率見通しを従来の2.9%から2.4%に、来年は従来の3.0%から2.8%にそれぞれ下方修正するだろうと報道した。

 PLNは対ドルで0.3%の上昇。8月のポーランド平均総賃金は前年比3.5%増、同月同国の雇用は同0.7%増といずれも市場予想を下回る伸び。ただ、同月同国のコアCPIは前年比+0.5%と市場予想に反し前月から小幅加速した。

あるコーヒーチェーン店が1杯1850円(税抜)のコーヒーを首都圏など国内48店限定で販売するそうです。私のランチ3回分ですね。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月16日)

 9月16日のロンドン市場はドルの上値が重く推移した。ドル円は107円ちょうどを小幅上回る水準でのもみ合い。ユーロドルは1.29ドル台前半から取引後半には1.29ドル台後半に上昇。ただ、引けにかけては1.29ドル台半ば近辺に下落した。欧州株が軟調に推移するなど、市場のリスク選好姿勢は一服。米債利回りが小動きで推移したこともありドル買いの動きが強まることもなかった。9月のドイツZEW景況感は6.9と市場予想を上回ったが前月からは低下。ドイツ景気の先行き懸念は続き、ユーロの上値を抑えた。

 ウクライナ最高会議はEUと包括的に関係を深める連合協定を批准。EUの立法機関である欧州議会も連合協定を批准した。ただ、ロシアの反発を受け、連合協定の一部であるFTAの発効は2016年1月に延期された。ウクライナ最高会議は声明で、連合協定をEU加盟の全面的な準備の手段と位置づけた。連合協定はウクライナが政治、経済、司法、人権など幅広い分野で欧州の基準に近づくように改革を進め、これをEUが支援するのが主な内容。

 ポンドは軟調な動き。ポンドドルは取引後半に1.61ドル台後半から1.62ドルちょうど近辺に小幅上昇したが、その後は伸び悩んだ。8月の英CPIは前年比1.5%と市場予想通りの伸び。ただコアCPIは同+1.9%と市場予想に反し前月から加速した。同時に発表された7月の英住宅価格は前年比+11.7%と前月より加速し、2007年7月以来の高い伸びとなったが、スコットランド独立懸念を背景にポンドの上値は抑えられたままだった。

 NY市場はドルが小幅下落した。8月の米PPIは前年比+1.8%と市場予想通りの伸び。ドル円は107円ちょうどを小幅上回る水準、ユーロドルは1.29ドル台半ば近辺で、それぞれ大きな動きを示さなかった。その後、両通貨ペアは同水準で膠着感の強い動き。しかし取引中盤に入り、一部Fedウォッチャーがブログにて、FRBがフォワードガイダンスで使用している『「相当程度」の期間、ゼロ金利を維持することが適当』との文言の「相当程度」は、今回は残るだろうと指摘。この指摘が広まると、米債利回りは低下し、ドル円は106円台後半に下落。一方、ユーロドルは1.29ドル台後半に上昇した。取引後半に入るとドル円は米国株の上昇もあって107円台前半に値を戻したが、ユーロドルは1.29ドル台後半を維持。ドルの戻りは限定的なものとなった。

 さきほど発表された7月の対米証券投資では、中長期債が186億ドルの売り越しと250億ドルの買い越しとされた市場予想に反し2カ月連続の売り越しとなった。

 カナダドルは上昇。ドルカナダは1.10台前半から1.09台後半に下落した。7月のカナダ製造業売上高は前月比2.5%増と市場予想を上回り、前月分も上方修正。カナダ中銀のポロッツ総裁は講演でカナダ景気は回復の兆しがみられると指摘。同国住宅市場はわずかではあるが、同中銀がモデルで示すよりも強い回復を示しているとも述べた。

 米債利回りが伸び悩んだことでドル買いの動きもやや後退。ただ、米国株が上昇するなど米景気の先行き期待は続いている。本日東京市場では米FOMCを控え慎重な姿勢が強まる見込みだが、ドル円は底堅い動きが続くと予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き懸念を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は米債利回りの低下を受けて対ドルで買い戻しの動きが期待される。

2014年9月16日火曜日

9月末の利下げは回避されると思われるインド

 インド景気の回復一服感が目立ち始めている。第2四半期のインドGDPは前年比5.7%増と市場予想(同5.5%増)を上回り、2012年第1四半期以来の高い伸びを記録。しかし、7月のインド鉱工業生産は前年比+0.5%と市場予想(同+1.8%)を下回り、8月の同国輸出は同2.4%増と3カ月連続で鈍化した。8月のインドHSBC製造業PMIは52.4と前月(53.0)から低下。同月同国のHSBC総合PMIは51.6と3カ月ぶりの低水準に低下した。

 一方でインドのインフレ圧力は緩和している。8月のインドCPIは前年比+7.80%と前月から小幅鈍化。同月同国のWPIは同+3.74%と2009年11月以降で初めて4%を割り込んだ。内訳をみると、食品、燃料・電力が前月から大きく鈍化。製造品も同+3.45%と2カ月連続で鈍化した。

 昨年8月はINRが対ドルで一時68を超える水準まで下落。一方で今年の8月は60台半ばから61台半ばでの推移となったため、INRの対ドルでの上昇がWPIの伸びを抑制したと言える。ただ、上述したようにインド景気は回復一服。INR高によるWPI押し下げ効果が多少剥落しても、インドのインフレ圧力が今後、急激に強まるとは考えにくい。

 インド中銀のラジャン総裁は、一部米メディアとのインタビューで、インドのインフレは現時点で目標に向かっていると考えており、政策金利は上下どちらにも動く可能性があると発言した。インフレ圧力が緩和気味であるならば、次の一手は利下げと考えるのが自然だろう。

 ただ、足元では米債利回りが上昇基調で推移しており、ドルは底堅い動き。こうした中でインド中銀が利下げに動けば、INRは他新興国通貨と比べても下落ペースが早まる可能性もある。インド中銀としては、景気回復が一服し、インフレ圧力が緩和しているとはいえ、INRの大幅下落のリスクを取ってまで利下げに踏み切るとは考えにくい。9月30日に予定されている中銀会合では政策金利(レポレート)など主要3金利は据え置きとなるだろう。

 なおUSD/INRの節目は以下の通り。

●レジスタンス
61.1:昨年11月の高値から今年5月の安値の50.0%戻し水準
61.5:昨年11月の高値と今年1月の高値を結んだトレンドライン
61.8:昨年11月の高値から今年5月の安値の61.8%戻し水準

●サポート
60.9:200日移動平均
60.4:今年8月の安値
60.2:今年9月の安値

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月15日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。RUBやアジア通貨は売り優勢となる一方、ZARなど一部EMEA通貨は買い戻しの動きを示した。

 SGDは対ドルで小幅下落。7月のシンガポール小売売上高は前年比5.5%増と市場予想を上回る伸び。ただ自動車を除くコア指数は同0.4%減と市場予想を小幅上回る落ち込みとなった。

 INRは対ドルで0.8%の下落。8月のインドWPIは前年比+3.74%と伸びが市場予想を下回り、2009年10月以来となる4%割れ。インド中銀による利下げ観測を高めた。その後発表された8月のインド貿易収支は108.4億ドルの赤字と前年同月並みの赤字。輸出、輸入ともに前年比2%程度の伸びに留まり、インド景気の回復の遅れが示された。

 PHPは対ドルで0.7%の下落。7月のフィリピン海外労働者送金は前年比6.0%増と市場予想を上回る伸びとなった。

 BRLは対ドルで小幅下落。ブラジル中銀の週次サーベイでは今年末の成長率見通しが0.33%に下方修正。鉱工業生産見通しは-1.98%と前週から変わらずだったが、ブラジル景気の先行き懸念は続く内容となった。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。6月のトルコ失業率は9.1%と3カ月ぶりの高水準に上昇。ただTRYは他新興国通貨に比べ底堅い動きを続けた。

 PLNは対ドルで小幅下落。7月のポーランド経常収支は1.73億ユーロの赤字と赤字額が市場予想を下回る結果。貿易黒字が市場予想を上回った。8月の同国CPIは前年比-0.3%と市場予想通りの結果となったが、統計開始以来最大の落ち込み。CPIは2カ月連続の前年割れとなった。

 ILSは対ドルで変わらず。8月のイスラエルCPIは前年比0.0%と市場予想を下回り、2007年7月以降、最も低い伸び。イスラエル中銀による非伝統的な金融緩和実施の思惑を高める内容と言えた。

 RUBは対ドルで1.5%の下落。USD/RUBは一時38.4台と過去最高値(RUBは最安値)を更新した。8月のロシア鉱工業生産は前年比0.0%と市場予想を下回る弱い結果。ロシア景気の先行き懸念を強める結果となった。

米不動産業者が、ニューヨークで建設中の高級マンションの駐車場10台分を、各100万ドルで販売するそうです。通常の米国の住宅価格の6倍に相当するとのこと。私の実家もじつは駐車場を貸しております。駅から歩くと30分くらいかかる場所ですが、100万ドルで売れないか検討してみます。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月15日)

 9月15日のロンドン市場はユーロが下落。ユーロドルは1.29ドル台半ば近辺から1.29ドル台前半に下落した。欧米による追加制裁へ報復措置がロシアからなされるとの見方からユーロは取引前半にかけて下落基調で推移した。7月のユーロ圏貿易収支は122億ユーロの黒字と黒字額が市場予想に反し前月から減少。この日発表されたOECD成長率予想では今年のユーロ圏成長率見通しが従来の1.2%から0.8%に下方修正。ユーロ圏景気の先行き懸念も強まった。

 ドル円は107円台前半で方向感に乏しく推移。米債利回りは上値の重い展開となったが、米景気の先行き期待は継続。欧州株が先週末終値水準で底堅く推移したこともあってドル円は下値の堅い動きとなった。

 ポンドドルは取引前半から中盤にかけて1.62ドル台前半から1.62ドル台後半に上昇。日本時間朝方に発表された9月の英ライトムーブ住宅は前年比+7.9%と前月より加速。週末に発表された複数の世論調査でスコットランド独立反対の回答比率が賛成を上回る結果が多かったこともあり、ポンドを買い戻す動きが優勢となった。ただ取引後半にはポンドドルは再び1.62ドル台前半に下落。総じてみればポンドは方向感に欠ける動きとなった。

 NY市場ではドルの上値が重い展開となった。9月のNY連銀製造業景況指数は27.54と市場予想を大きく上回り、2009年10月以来の高水準を記録。ただ内訳をみると、上昇の主因は販売価格の改善によるもので、雇用は3.26と前月から10pt以上も低下。9月の米雇用統計に対する警戒感を強める内容となった。このためかドル円は指標発表後も107円台前半で反応薄。その後発表された8月の米鉱工業生産は前月比-0.1%、同月同国の設備稼働率は78.8%とともに市場予想を下振れ。両指標の結果を受けてドル円は107円ちょうど近辺に下落。一方、ユーロドルは1.29ドル台前半から1.29ドル台半ばに上昇した。ただ、その後は米債利回りの下げ渋りもあってドルはやや買い戻される動き。取引中盤にはドル円は107円台前半に反発し、同水準での推移を続けた。ユーロドルは
1.29ドル台半ばから1.29ドル台前半に小幅下落してのもみ合いとなった。

 カナダドルは上昇基調で推移。ドルカナダはNY市場取引後半までに1.10台後半から1.10台前半に下落。終盤にはドルを買い戻す動きもあって、ドルカナダは1.10台半ば近辺に反発した。8月のカナダ中古住宅販売件数は前月比1.8%増と前月より加速。カナダドルを買い戻す動きを後押しした。

 米債利回りは小幅ながら低下。米ISM製造業景況指数の内訳で雇用の改善鈍化が示唆されたこともあって、ドル買いの動きは一服した。ただ今週予定されている米FOMCでの声明修正を見込む声が強まるなど、来年早期の米利上げ期待も根強い様子。本日東京市場でのドル円は107円台前半を維持する底堅い動きが予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き懸念を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は米債利回りの低下を受けて対ドルで買い戻しの動きが期待される。

2014年9月15日月曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年9月12日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。ユーロと連れ高となる格好で東欧通貨は対ドルで底堅く推移した一方で、他通貨は軟調な動きとなった。

 INRは対ドルで0.5%の上昇。8月のインドCPIは前年比+7.80%と市場予想とほぼ同じ伸び。ただ同時に発表された7月の同国鉱工業生産は前年比+0.5%と市場予想を下回る弱い伸び。インド景気の先行き期待を後退させた。

 BRLは対ドルで1.8%の下落。USD/BRLは一時2.34台と今年3月下旬以来の高値(BRL安水準)に上昇した。7月のブラジル経済活動は前年比-0.23%と市場予想ほどの落ち込みを示さず。ブラジル世論調査・統計機関IBOPEが発表した世論調査では、来月の大統領選での1回目の投票予定者は、ルセフ現大統領が39%、野党・社会党のシルバ氏が31%、社会民主党のネベス氏が15%とルセフ大統領の支持率が回復。ルセフ政権の支持率も前週の36%から38%に上昇したこともあって、BRLは取引中盤まで下落基調で推移した。

 CLPは対ドルで0.5%の下落。チリ中銀は市場予想通り政策金利を25bp引き下げ3.25%にすると発表。同中銀は声明で需要、雇用の両経済指標はチリ景気の減速の様子を反映していると指摘。インフレは賃金上昇ペースが加速していることから今後数カ月は許容レンジの上限を上回る可能性が高いものの、その後は許容レンジ内に収まるとの見方が示された。同中銀はこれまで表明していた追加利下げの可能性に関する表現を弱め、追加利下げに慎重な姿勢を示した。

 PENは対ドルで小幅下落。ペルー中銀も市場予想通り政策金利を25bp引き下げ3.50%にすると発表。同中銀は声明で景気拡大ペースは当初の予想を下回り続けていると指摘。ただ今回の利下げは(必要なら追加利下げを検討する用意があるとしたものの)今後の連続利下げを意味するわけではないとの考えも示した。

 RUBは対ドルで0.6%の下落。USD/RUBは一時38ちょうど近辺と過去最高値を更新した。米国は対ロシア制裁対象を北極海の石油開発やシェールプロジェクトに拡大。ロシア国営企業への資金融通をさらに制限する追加制裁措置を発表。ロシア中銀は市場予想通り政策金利を8.00%で据え置き。同中銀は欧米からの経済制裁により、インフレが目標を上回り続ける可能性が強いとの認識を示した。ロシア非常事態省は13日、ウクライナ東部に第2弾となる人道支援物資をトラックで搬送したと発表。ウクライナ側は赤十字国際委員会(ICRC)が参加しておらず、違法な越境だと前回同様に反発した。

 ILSは対ドルで変わらず。第2四半期のイスラエル経常収支は22.1.6億ドルの黒字と前年同月を下回る水準。財サービス輸入が前年比1.9%増と微増にととどまった一方で同輸入が同0.8%減と前年割れとなったことが響いた。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年9月12日)

 9月12日のロンドン市場はドル、ユーロともに小動き。ドル円は107円台前半、でのもみ合いが続いた。米債利回りは伸び悩み、欧州株や日経平均先物も方向感に乏しい動き。この日発表予定の米小売売上高の発表を前にドル円は様子見姿勢が強かった。

 ユーロドルは1.29ドル台前半での推移。後半にかけてユーロ買いの動きがやや優勢となったが、ユーロドルの上昇は限定的だった。7月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+2.2%と市場予想を上回り、昨年11月以来の高い伸び。ユーロ買いの動きをサポートした。

 ポンドは上値が抑えられる動き。ポンドドルは1.62ドル台前半から1.62ドル台半ばをやや上回る水準まで上昇。ただ、朝方記録した高値は超えられず、その後、ポンドドルは伸び悩み。引けにかけては1.62ドル台前半に小幅下落した。7月の英建設支出は前年比2.6%増と市場予想を下回り、昨年11月以来の低い伸び。ポンド買いの動きを抑えた。

 NY市場はドル円が107円台前半で底堅い動きを維持した。8月の米小売売上高は前月比0.6%増、自動車を除くコア指数は同0.3%増といずれも市場予想通りの伸び。その後発表された9月のミシガン大消費者信頼感は84.6と市場予想を上回り、昨年7月以来の高水準を記録。米景気が堅調に推移していることが確認され、ドル円の下値を堅くした。

 ユーロドルは1.29ドル台前半から1.29ドル台後半に上昇。ECBドラギ総裁はユーロ圏財務相会合後の会見でABSの買入規模は大規模なものになるのは間違いないと発言。買い入れ対象は、政府保証があればリスクのより高いメザニン部分への拡大もあり得ると指摘。ABS買い入れなどに伴いECBのバランスシートは2012年初頭の水準に近づくことが予想されるとした。ECBのクーン理事は一部メディアとのインタビューで為替レートが低下している事実が懸念事項の根源ではないことは明らかだと述べ、現在の下落基調は有益でさえあると発言。ECB高官のユーロ安歓迎姿勢が露骨に示された。S&Pはギリシャ格付けを従来の「B-」から「B」に引き上げ。見通しは「安定的」といした。同社はギリシャのプライマリーバランスがGDP比約2%の黒字を今後数年間は維持すると予想。ギリシャの財政再建をめぐるリスクが後退したと指摘した。

 週明けの主要通貨はドルがやや売られての開始。ドル円は先週末終値水準から小幅下落したが107円台前半を維持。ユーロドルは1.29台後半で先週末水準から小幅上昇した。週末に発表された8月の中国小売売上高は前年比11.9%増と市場予想を下振れ。同月同国の鉱工業生産は同+6.9%と市場予想を大きく下回り、2008年12月以来の低い伸びに落ち込む結果。市場のリスク選好姿勢がやや後退した模様。

 米10年債利回りは7月末以来となる2.61%台に上昇。中国景気の先行き懸念はあるものの、本日はロンドン市場までドル円は底堅い動きが続くと見込まれる。一方、ユーロはロシアによる追加的な報復制裁懸念もあって上値が重くなる見込み。アジア通貨は米債利回りの上昇を背景に対ドルで軟調な展開が見込まれる。