2014年10月10日金曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月9日)

 新興国通貨は対ドルで売り優勢の展開。NY市場に入り米債利回りが反発したことが重石となった。

 BRLは対ドルで0.8%の下落。10月7日の週のブラジルFIPE消費者物価(週次)は前月比+0.32%と市場予想を上回る伸び。一方、10月の同国IGP-M(一次速報)は前年比-0.07%と2カ月ぶりのマイナスとなった。

 MXNは対ドルで0.6%の下落。9月のメキシコCPIは前年比+4.22%とほぼ市場予想通りの伸び。一方、同月同国のANTAD既存店売上高は前年比2.1%減と市場予想に反し、3カ月ぶりの前年割れ。メキシコ景気の先行き期待を後退させた。

 CZKは対ドルで0.3%の下落。9月のチェコCPIは前年比+0.7%と市場予想を下回る伸び。チェコ中銀はCZK安策がデフレを回避させているとの見方を示した。

 HUFは対ドルで0.2%の下落。8月のハンガリー貿易収支は2.7億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を下回り、昨年12月以来の低水準に減少。輸入が前年並みに留まる一方で、輸出が前年比4.1%減と落ち込んだことで貿易収支が悪化した。

 ZARは対ドルで0.2%の下落。8月の南アフリカ製造業生産は前年比1.2%減と市場予想に比べ落ち込みが小幅。前月比では2.2%増と4カ月ぶりの高い伸びとなった。

台風19号は土曜日から日曜日にかけて沖縄に接近し、来週月曜日(13日)には西日本にかなり接近すると予想されています。とりあえず今日の東京地方の天気はよいようです。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月9日)

 10月9日のロンドン市場はドルの上値が重い展開。取引序盤に107円台後半に下落したドル円は取引中盤に108円ちょうど近辺に反発したが、後半には再び下落。引けにかけては107円台半ば近辺と9月17日以来の安値に下落した。欧州株は上昇して始まったが、日経平均先物は伸び悩み、米債利回りは長期債中心に低下基調で推移。ドルを下押しした。

 ユーロドルは1.27ドル台前半から1.26ドル台後半に小幅上昇。9月のギリシャCPIは前年比-0.8%と市場予想を大きく上回る落ち込み。ECBの追加緩和観測を高めたが、ユーロドルは底堅い動きとなった。

 ポンドも小幅上昇。ポンドドルは1.61ドル台後半から1.62ドル台前半に上昇した。BOEはBOEは市場予想通り政策金利を0.50%、資産買入枠を3750億ポンドでそれぞれ据え置き。ただポンドの反応は限定的だった。

 NY市場はドルが伸び悩む動きとなった。米新規失業保険申請件数は28.7万件と市場予想を下回り、前週に引き続き28万件台の好結果。指標発表後米債利回りは上昇基調に転じ、ドル円は107円台後半に上昇した。取引中盤に入り、セントルイス連銀のブラード総裁は、FRBの利上げ開始時期について市場ではより遅い時期に利上げが開始され、開始後の利上げペースもより緩やかになるとの見方が出ているとし、市場の見方は誤っていると明言。また最
近のドル高が米インフレに影響を及ぼすとは懸念していないとも述べると、ドル円は108円ちょうど近辺まで上昇した。しかし後半に入り、FRBフィッシャー副議長が、為替レートは米国内の需要に影響を及ぼす要因の一つであると指摘すると、ドル円は107円台後半に小幅下落。引けにかけてはサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が利上げは2015年中ごろが適切と述べ、早期の利上げは米景気の減速を招く可能性があると指摘したこともドルの上値を重くした。

 一方、ユーロドルは取引前半に1.27ドル台後半から1.26ドル台後半に下落。ただ中盤以降は同水準でのもみ合いとなった。ECBドラギ総裁はECBには過度に低いインフレを引き上げるという責務があると発言。資金供給と民間資産買い入れはECBのバランスシートに大きく影響し、ひいてはインフレ押し上げ効果を発揮するはずだと述べ、必要に応じ、非伝統的な介入措置の規模を変更する用意も出来ていると続けた。

 カナダドルは下落。8月のカナダ新築住宅価格指数は前年比+1.5%と市場予想通りの結果。ただ前月比では+0.3%と市場予想を上回った。これを受けてドルカナダは1.11台前半から1.11ちょうど近辺に下落。しかし取引中盤にはドル買い優勢の動きとなり、ドルカナダは1.11台後半まで上昇。その後は同水準での推移となった。

 前日のFOMC議事録を機に早期の米利上げ期待は後退。しかし米債利回りの低下に比べドルは対円、対ユーロを中心に下げ渋りの動きを示している。利上げタイミングの不透明感は強いものの、市場のドル高期待は根強い様子。本日東京市場でのドル円は底堅い動きが期待される。一方、ユーロはECBによる追加緩和観測を背景に上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで方向感に欠ける動きとなりそうだ。

2014年10月9日木曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月8日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチとなった。

 BRLは対ドルで0.5%の上昇。ただFOMC議事録発表前のBRLは小幅下落していた。9月のブラジルIPCAは前年比+6.75%と市場予想を上回り、2011年10月以来の高い伸び。一方、同月同国の商品価格指数は同+1.14%と低い伸びに留まり、ブラジルのスタグフレーション懸念を強めた。

 CLPは対ドルでほぼ変わらず。9月のチリCPIは前年比+4.9%と市場予想を上回り、2011年以降、最も高い伸び。チリのインフレ懸念を強めた。

 RUBは対ドルで0.5%の下落。USD/RUBは40.1台と過去最高を更新した。10月6日までのロシアCPIは日次平均前月比で+0.029%と前週より加速。RUB安の影響もあってロシアのインフレ圧力は再び高まりつつある。

 PLNは対ドルで0.7%の上昇。ポーランド中銀は政策金利を50bp引き下げ2.00%にすると発表。市場予想では利下げ幅は25bpとの見方が多かった。同中銀は声明でさらなる金融政策の変更の可能性は排除できないと指摘。経済指標は同国景気の減速が続くことを示しており、インフレ目標達成の不確実性を高めているとの見方を示した。同中銀のベルカ総裁は、今回の決定は全会一致ではないと紹介。追加利下げの可能性を示すことは難しいとしながらも、過剰な利下げ期待は望んでいないと発言した。また同中銀としては為替市場に変動をもたらすことは試みていないとし、PLNが対ユーロで安定していることを歓迎すると述べた。

 HUFは対ドルで0.9%の上昇。ハンガリー中銀は会合議事録(9月23日開催分)を公表。政策金利を2.10%で据え置くことは全会一致であったことが判明。緩和的な金融政策はインフレ目標達成のために続けられるべきと指摘された。

本体が曲がるとの苦情が購入者から寄せられていた米アップルのiPhone6について通話中に髭(ひげ)がパネルの継ぎ目に挟まるという新たな指摘がなされているそうです。シェービングしてくれるアプリとか流行りそうですね。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月8日)

 10月8日のロンドン市場はドルの上値が抑えられる展開。ドル円は108円台前半から取引中盤には107円台後半に下落。取引後半には108円台前半に上昇したが、ロンドン市場開始当初の水準で伸び悩んだ。欧州株、日経平均先物がともに小幅ながらマイナス圏での推移。米債利回りは取引前半に低下し、ドルの上値を重くした。

 ユーロドルは取引中盤までに1.26ドル台前半から1.26ドル台後半に上昇したが、後半には同水準で伸び悩み。この日はユーロ圏で主だった経済指標の発表がなく、ユーロはやや材料難の展開。ただユーロ圏景気の先行き懸念は根強く、ユーロ買いの動きが強まることはなかった。

 NY市場はFOMC議事録を受けてドルが下落した。この日は米国も主だった経済指標の発表がなく、取引中盤までは様子見姿勢の強い展開。取引前半に米債利回りが低下したことでドル円は108円台前半から108円ちょうど近辺に下落したが、取引中盤に入り、米国株が持ち直し、米債利回りが上昇に転ずるとドル円は108円台前半に反発。FOMC議事録発表前には108円台後半と、この日の高値を更新した。

 FRBはFOMC議事録(9月16,17日開催分)を公表。同議事録では、世界的な景気減速やドル高が米成長率見通しのリスクとなると指摘され、一部の参加者はドル高が米国のインフレを下押しする可能性があると述べたことが明らかとなった。また現在のフォワードガイダンスにある「相当な期間」という表現については、FRB当局者が文言の変更には忍耐が求められると発言。数名の参加者は文言の変更が誤解される可能性があるとする一方で、数名はガイダンスの長期化は文言変更を難しくさせるとも指摘。参加者の過半は文言の変更が経済指標の結果次第であることを強調し、文言変更の際には意図せざるシグナルを送らないように慎重に対応する必要があるとした。

 FOMC議事録公表後、上昇していた米債利回りは低下し、ドルは下落。ドル円は108円台後半から一時108円ちょうど近辺に下落。取引終盤には108円台前半に反発したが、上値は抑えられた。一方、ユーロドルは1.26ドル台後半から1.27ドル台前半と9月26日以来の高値水準に上昇した。

 先ほど発表されたFOMC議事録では、フォワードガイダンスの文言変更に関し、活発な議論がなされたことを示しただけでなく、市場が予想していた以上にFOMC内でドル高に関する議論がなされていたことが明らかとなった。米FF金利先物史上から計算される利上げ確率を見ると、FOMC議事録発表後に来年7月の確率が上昇。米利上げ期待もやや後退したとみられ、ドル買いの動きを今後抑制するだろう。ただ米利上げ観測の後退を受けて米国株は上昇。本日東京市場でのドル円は108円ちょうどを下値の目途として比較的底堅い動きが予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き懸念を背景に上値は抑えられる見込み。アジア通貨は米債利回りの低下を受けて対ドルで底堅い動きとなりそうだ。

2014年10月8日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月7日)

 新興国通貨は対ドルで方向感に欠ける動き。米債利回りの低下が新興国通貨をサポートする一方で、世界景気の先行き懸念が重石となった。

 TWDは対ドルで小幅上昇。9月の台湾貿易収支は35.0億ドルの黒字と黒字額がほぼ市場予想通りの結果。輸出が前年比4.7%増と市場予想を下回ったものの、輸入も同0.2%増と伸び悩んだ。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅上昇。インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を7.50%で据え置き。同中銀は声明でインドネシアの今年の成長率は5.1~5.5%の見通しの下限近くになるだろうと指摘。IDRは同国ファンダメンタルズの範囲内での推移を維持させるとし、IDR防衛姿勢を改めて示した。

 BRLは対ドルで1.1%の上昇。ブラジル政権交代期待が引き続きBRL買いを後押しする展開。9月のブラジルIGP-DIは前年比+3.24%と2010年4月以来の低い伸びとなった。
 CLPは対ドルで0.5%の上昇。9月のチリ貿易収支は6.35億ドルの黒字と市場予想に反し黒字額が前月より拡大。一方、8月の実質賃金は前年比1.5%増と3カ月ぶりの低い伸び。チリ景気の先行き懸念を強めた。

 HUFは対ドルで小幅下落。8月のハンガリー鉱工業生産は前年比+2.9%と大きく鈍化。ハンガリー経済省は、鉱工業生産の落ち込みは自動車メーカーの操業停止の影響が大きく、9月には再び増税を取り戻すとの見方を示した。

 CZKは対ドルで小幅上昇。8月のチェコ貿易収支は15億コルナの黒字と今年最低の黒字額。同月同国の鉱工業生産は前年比-5.2%と市場予想に反し、昨年6月以来の前年割れ。同時に発表された同月同国の建設支出も同0.9%減と2カ月連続の前年割れ。チェコ景気の先行き懸念を強める内容となった。

 ZARは対ドルで0.2%の上昇。9月の南アSACCI企業景況感は89.2と前月から小幅上昇。南ア中銀のクガニャゴ総裁は就任演説で同国金融政策は依然として緩和的であると指摘した。

 ILSは対ドルで1.0%の下落。一部メディアはイスラエル中銀はドル買い介入を実施したとの観測を報じた。

スウェーデン王立科学アカデミーは、2014年のノーベル物理学賞を、実用的な青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇名城大教授、天野浩名古屋大教授、中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授に授与すると発表しました。民間企業の研究者だった当時の業績が評価されたことが嬉しいですね。おめでとうございます。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月7日)

 10月7日のロンドン市場はユーロが下落。ユーロドルは1.26ドル台後半から取引後半には1.25ドル台後半まで下落。終盤にかけて小幅反発したが、1.26ドルちょうど近辺で上値が抑えられた。東京市場後半に発表された8月のドイツ鉱工業生産は前年比-2.8%と市場予想を大きく上回る落ち込み。発表直後は材料視されなかったが、ロンドン市場に入り、欧米株が下落して始まると、ユーロは売り選好の展開が続いた。

 ポンドも下落。ポンドドルは1.61ドルちょうど近辺から取引後半には1.60ドル台半ばまで下落。終盤には1.60ドル台後半に小幅反発したが、ポンドも上値が抑えられた。8月の英鉱工業生産は前年比+2.5%とほぼ市場予想通りの伸びとなり、前月分も上方修正。しかしポンド買いの動きが強まることはなく、ポンドも対ドルで売り優勢となった。

 一方、ドル円は108円台半ばを挟んで方向感に欠ける動き。日経平均先物は小幅下落したものの、米債利回りはロンドン市場に入ると下げ止まり。取引後半には米債利回りが小幅上昇したことからドル円は下値の堅い動きが続いた。

 NY市場はドルが下落した。IMFは世界経済見通し(WEO)を公表。世界経済の成長率見通しを今年は3.3%、来年は3.8%とともに下方修正。米国の今年の成長率見通しは上方修正されたものの、ユーロ圏、日本は今年を中心に大きく下方修正。新興国の成長率も下方修正された。これを受けて米債利回りは低下基調で推移。その後発表された8月の米JOLT求人件数は484万件と2001年1月以来の最高水準を記録したが、米債利回りの低下は止まらず。ドル円は108円台半ば近辺から108円台前半に下落。ユーロドルは1.26ドルちょうど近辺から1.26ドル台後半に上昇した。

 取引終盤に発表された8月の米消費者信用残高は135億ドル増と市場予想を下回り、昨年11月以来の低水準。前月分も下方修正された。これを受けてドルは売りの動きが強まり、ドル円は一時107円台後半に下落。すぐに108円ちょうど近辺に反発したが、上値は重いままだった。

 カナダドルは軟調な動き。ドルカナダはNY市場前半こそ1.11台後半から1.11台半ば近辺に小幅下落したが、その後は1.11台後半での推移を続けた。8月のカナダ住宅建設許可件数は前月比27.3%減と市場予想を大きく上回る落ち込み。カナダ景気の先行き懸念がカナダドルの重石となった。

 IMFの世界経済見通しを機に米債利回りは大きく低下。ドル買いポジションを解消する動きが続くことになった。一方、円は昨日の安倍首相の円安懸念発言もあって売りの動きが後退。米利上げ期待が大きく変わったとは思われないが、明日早朝に発表されるFOMC議事録を見極めたいとの思惑もあって、本日東京市場のドル円は様子見姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き懸念を背景に上値は抑えられる見込み。アジア通貨は米債利回りの低下を受けて対ドルで底堅い動きとなりそうだ。

2014年10月7日火曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月6日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。ユーロと連れ高となり東欧通貨の上げが目立った。

 BRLは対ドルで1.4%の上昇。USD/BRLは2.36台と10営業日ぶりの低水準で始まったが、その後は売り戻しの動きが続いた。5日投開票のブラジル大統領選では現職のルセフ氏と野党・社会民主党のネベス氏とによる決選投票が確定。3位となった野党・社会党のシルバ氏がネベス氏を支援するとの見方から、ブラジル政権交代期待が強まり、BRLは取引開始時に買いが先行した。

 MXNは同0.7%の上昇。9月のメキシコ自動車販売は前年比13.7%増、同生産は同10.7%増とともに堅調な伸び。メキシコ景気の拡大期待を背景にMXNは買い優勢の動きとなった。

 CLPは対ドルで小幅下落。8月のチリ経済活動指数は前年比+0.3%と市場予想を下回り、2010年3月以来の低い伸び。チリ中銀による追加利下げ観測が強まり、CLPは上値の重い動きとなった。

 COPも対ドルで小幅下落。8月のコロンビア融資残高は前年比13.6増と高い伸びながらも4カ月連続の鈍化。これまでの利上げの影響が徐々に表れてきた格好となった。

昨日の午後はいい天気でした。いい天気を見ると、ふと、過去にとらわれてはいけないな、と思いました。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月6日)

 10月6日のロンドン市場はドルが弱含みの動きとなった。ドル円は109円台前半でのもみ合い。欧州株は総じてプラス圏での推移となったが、日経平均先物は軟調な動き。米債利回りは方向感に欠ける動きが続き、ドル円は小動きとなった。

 一方、ユーロドルは1.25ドル台前半から1.25ドル台後半に上昇。この日発表された8月のドイツ製造業受注は前年比1.3%減と市場予想に反し2カ月ぶりの前年割れ。ユーロは一時売られたが、欧州株は底堅い動き。ユーロをサポートした。

 NY市場はドルが下落した。この日は米国で主だった経済指標の発表がなかったが、NY市場取引中盤に入ると米債利回りは低下。プラスで始まった米国株も先週末終値水準を小幅下回る水準まで下げ、ドルは売り優勢の動きとなった。ドル円はNY市場取引前半こそ109円台前半で小高い動きとなったが、その後は下落基調が続き、引けにかけては108円台後半での推移。一方、ユーロドルは1.25ドル台後半から1.26ドル台後半へと大きく上昇した。

 カナダドルも対ドルで上昇。ドルカナダは1.12台前半から1.11台前半に下落した。9月のカナダIvey購買部協会指数は58.6と市場予想や前月を大きく上回り、昨年10月以来の高水準を記録。内訳をみると雇用指数が前月から大きく改善し、基調判断の分岐点とされる50を5カ月ぶりに超える好結果。カナダドルは買い優勢となった。

 米雇用統計を受けて買われたドルは売り戻しの動き。ドル円は米雇用統計発表前の水準に戻った。今後もドルはボラの大きい動きを当面続けるだろうが、米利上げ観測を背景に下値は堅いと予想され、本日東京市場でのドル円は買い優勢に転ずる展開も期待される。なお本日正午近くに日銀は金融政策決定会合の結果を発表する見込み。市場予想では、黒田総裁の日銀短観に対する評価から追加緩和は見送られるとの見方が大勢となっている。結果発表後の会見で黒田総裁が、弱含みの推移を続けている景気や需給ギャップの縮小ペースの鈍化に対し、どのような判断を示すかが注目される。一方、ユーロはユーロ圏景気の低迷やECBによる追加緩和期待を背景に上値は抑えられると予想。アジア通貨は対ドルで底堅い動きが見込まれる。

2014年10月6日月曜日

ルセフ氏勝利となれば下落は避けられないブラジル・レアル(BRL)

 5日投開票のブラジル大統領選では、現職のルセフ大統領と野党ブラジル社会民主党のネベス上院議員が決選投票に進む見込みとなった。高等選挙裁判所の報告によると、開票率99.83%の段階でルセフ氏の得票率は42%、ネベス氏が34%、シルバ元環境相が21%の結果。決選投票は10月26日に実施される。

 ネベス氏は、シルバ氏と同様にルセフ氏の経済政策を批判。ブラジル中銀の独立性を高め、インフレを2年以内に4.5%の目標に鈍化させることを主張している。ネベス氏の主張は、外国人を含めた(いわゆる)市場関係者からの支持を集めやすいものが多い。

 ブラジルで実施された世論調査では、先月まで現職ルセフ氏と、今回3位となったシルバ氏が大統領選を争うとの見方が示されてきたが、今月に入りシルバ氏は大きく失速。各種報道によると、ルセフ氏によるシルバ氏へのネガティブキャンペーンが相当の効果を発揮したようで、中でも、シルバ氏が当選すれば、貧困世帯向け補助金(ボルサ・ファミリア)が削減される、という主張が功を奏したという。

 決選投票でシルバ氏を支持する有権者がネベス氏を支持し、ネベス氏が勝利する可能性は捨て切れないものの、ネガティブキャンペーンの効果や5日投開票の第一回投票をみると、ブラジル有権者の過半近くが、ルセフ氏の貧困者対策を評価していると推察される。仮に決選投票でルセフ氏が、そのまま勝利することになれば、過去4年間続けられたルセフ氏ならではの政策、インフレターゲットの軽視、財政規律の弛緩、資本規制をも厭わないBRL高抑制姿勢、が今後も続くことになる。

 ムーディーズは、9月9日、現在「Baa2」としているブラジルの格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。同社は、次期政権が財政政策引き締めに向けた姿勢を示さない場合、また、経済成長率が1~2%と低水準にとどまる場合、同国の格付けを引き下げる可能性があるとしている。ちなみに弊社格付けモデルでのブラジル格付けは「BBB-/Baa3/BBB-」で、ムーディーズの判断と一致している。

 こうしたことから為替市場では、ルセフ氏再選の可能性が高まることでBRLが売られる展開が続いたわけだが、この流れは本日(6日)も強まるだろう。USD/BRLは先週末に一時2.50の節目を上抜けした。次の節目は2008年12月の高値である2.61や2002年10月の高値(4.00)から2008年7月の安値(1.56)の半値戻しの水準となる2.78が考えられる。

 短期間でBRL安が進まなかったとしても、BRLが大きく買い戻されることは期待しにくく、BRLは軟調な動きが続くとみていいだろう。この場合、利上げのおかげで抑えられていたインフレ圧力が、BRL安の定着とともに再び強まる可能性も出てくる。第二次ルセフ政権は、景気刺激策としてブラジル中銀による利下げを選択することが難しく、貧困世帯向け補助金の拡大といった財政支出の拡大を指向することになる。結局、BRLは時間とともに売られやすくなる。

 BRL安シナリオが回避されるとすれば、決選投票でネベス氏が勝利することしかない。ただ、筆者はネベス氏が仮に大統領選を制したとしても、短期間でブラジル経済が抱える各種問題を同氏が早期に解決することは難しいと考えている。ネベス氏勝利でBRLが買い戻されたとしても、その後はブラジルのファンダメンタルズの改善が確認されるまで、軟調な推移が続くと思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月3日)

 新興国通貨はBRLを除き対ドルで下落。ドルは新興国通貨に対してもほぼ全面高の展開だった。

 BRLは対ドルで1.4%の上昇。USD/BRLは一時2.50を上抜けしたが、取引後半に入ると買い戻し優勢の動きとなった。9月のブラジルHSBCサービス業PMIは51.2と3カ月ぶりの高水準。現地調査会社Datafolha担当者は、今月5日のブラジル大統領選の第一回投票の結果は予想しがたいものの、ルセフ大統領が第一回投票で当選を決める可能性は排除できないと発言。現地調査会社センサスの世論調査では第一回投票での支持率はルセフ大統領が37.3%、社会党・シルバ氏が22.5%、社会民主党ネベス氏が20.6%となり、ルセフ大統領の支持率回復傾向が続いていることが判明した。

 MXNは対ドルで0.8%の下落。9月のメキシコ消費者信頼感は91.8と市場予想や前月を上回り、昨年9月以来の高水準に上昇。メキシコ景気の回復期待を高める内容となった。

 COPは対ドルで0.7%の下落。9月のコロンビアCPIは前年比+2.86%と市場予想を下回り、3カ月ぶりの低い伸び。コアCPIも前月から鈍化し、コロンビアのインフレ圧力が緩和しつつあることが示された。

 HUFは対ドルで1.2%の下落。8月のハンガリー小売売上高は前年比2.5%増と上方修正された前月と変わらず。ハンガリー個人消費の減速基調が示された。

 TRYは対ドルで1.2%の下落。9月のトルコCPIは前年比+8.86%と市場予想を大きく下回り、6カ月ぶりの8%台に鈍化。コアCPIも同+9.25%と市場予想を下回り、7カ月ぶりの低い伸び。トルコのインフレ圧力の後退期待が高まった。

大型で強い台風18号は現在関東地方に向かって移動。6日の予想最大瞬間風速は東京地方で45メートルになっております。皆様ご多忙とは思いますが、公共交通の乱れも予想されており、時差通勤などで安全第一でお願いいたします。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月3日)

 10月3日のロンドン市場はドルがじり高の動き。ドル円は取引前半に109円ちょうど近辺から108円台後半に下落したが、中盤に持ち直し、後半には再び109円ちょうど近辺に上昇。引けまで同水準でのもみ合いが続いた。米債利回りは取引前半こそ小幅低下したが、中盤にかけて小反発。小幅下落していたドイツ株も取引終盤には前日終値水準まで下げ幅を縮め、ドル円をサポートした。

 ユーロドルは1.26ドル台半ばから1.26ドル台前半に小幅下落。9月のユーロ圏サービス業PMI(確報値)は52.4と速報値から下方修正。8月のユーロ圏小売売上高は前年比1.9%増と市場予想を上回ったが前月分は小幅ながら下方修正。ユーロ圏景気の低迷が続くなか、ユーロドルはドル買い優勢の動きとなった。

 ポンドは緩やかながら下落基調で推移。ポンドドルは1.61ドル台前半から1.60ドル台後半と年初来安値水準まで下落。ユーロポンドは0.78台前半から0.78台半ば近辺に小幅上昇した。9月の英サービス業PMIは58.7と市場予想や前月を下回り、3カ月ぶりの低水準を記録。英景気の先行き期待を後退させた。

 NY市場は米雇用統計を受けてドルが上昇。米雇用統計発表後、ドル円は109円ちょうど近辺から109円台後半に急上昇。いったん109円台前半に下押しされる場面もあったが、下げ一服後は底堅い動きを取り戻し再び109円台後半に上昇した。一方、ユーロドルは1.26ドル台前半から1.25ドル台前半。1.25ドル台半ば近辺に反発した後は下落基調で推移し、取引中盤には1.25ドルちょうど近辺と2012年9月以来の低水準に下落。後半は1.25ドル台前半で上値の抑えられる動きが続いた。ポンドドルは米雇用統計発表後に1.60ドル台後半から一時1.60ドルちょうど近辺に下落。いったん下げ止まったかのように思われたが、再び下落基調が強まり、取引中盤には一時1.59ドル台半ばと年初来安値を更新。取引後半は1.59ドル台後半に反発したが、ユーロドルと同様に上値は抑えられた。

 9月の非農業部門雇用者数は24.8万人増と市場予想を上回り、前月分も上方修正される好結果。失業率は5.9%と市場予想を下回り、2008年7月以来となる5%台に低下した。平均時給は前年比+2.0%と市場予想を下回ったが、週平均労働時間は34.6と市場予想を上回り、2008年5月以来の高水準。米雇用の拡大傾向が続いていることが確認される内容となった。

 米雇用統計と同時に発表された8月の米貿易収支は401億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回り、前月分の赤字額も小幅下方修正。米雇用統計後に発表されたISM非製造業景況指数は58.6と前月を下回ったが市場予想を小幅上回る水準。米景気の拡大期待をサポートした。

 米雇用統計は予想以上の好結果となり、前日に108円ちょうど近辺まで下落したドル円は109円台後半に急騰。ボラが一気に拡大した。ただ平均時給が伸び悩んだこともあって、米FRBによる利上げ前倒し期待は高まりにくいまま。米債利回りの伸び悩みもあって本日東京市場でのドル円は慎重な姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の低迷やECBによる追加緩和期待を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨も対ドルで軟調な推移が見込まれる。