2014年10月24日金曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月23日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。米債利回りの上昇が新興国通貨を下押ししたが、商品市況は堅調に推移。ZARやCLPをサポートした。

 PHPは対ドルで変わらず。フィリピン中銀は市場予想通り政策金利を4.00%、SDRを2.50%でそれぞれ据え置き。同中銀は原油安を理由に2014年のインフレ見通しを従来の4.5%から4.4%に小幅下方修正した。

 TWDも対ドルで変わらず。9月の台湾商業売上高は前年比2.53%増、同月同国の鉱工業生産は同+10.30%といずれも市場予想を上回る伸び。台湾景気の先行き期待が高まった。

 BRLは対ドルで0.6%の下落。USD/BRLは一時2.51台と2008年12月以来のBRL安水準を記録した。今月26日のブラジル大統領・決選投票に関する世論調査で現地調査会社Datafolhaは現職ルセフ氏の支持率が53%、ネベス氏が47%であると公表。同じく現地調査機関のIBOPEは両者の支持率としてルセフ氏49%、ネベス氏41%とする結果を公表。ブラジル政権交代期待が後退した。

 MXNは対ドルで小幅上昇。10月上旬のメキシコCPI(隔週)は前年比+4.32%と市場予想を小幅上回る伸び。メキシコ中銀による追加利下げ懸念を後退させた。

 TRYは対ドルで0.5%の上昇。トルコ中銀は市場予想通りレポレートなど主要3金利を全て据え置き。同中銀は声明で年初に講じたマクロプルデンシャル政策と、金融引き締め姿勢がコアインフレ率の傾向に好影響を及ぼし始めたと指摘。インフレ見通しが著しく改善するまでイールドカーブを平たんに保ち、金融引き締め姿勢を今後も続けるとした。

 PLNは対ドルで小幅上昇。9月のポーランド小売売上高は前年比1.6%増と市場予想や前月を下振れ。ポーランド中銀は会合議事録(10月8日開催分)を公表。メンバーの大半が金融政策の効果は急の遅れを理由に10月会合での迅速かつ大幅な利下げを要求。数名のメンバーは大幅な利下げは一度きりであることを声明で示すべきと主張したことも明らかとなった。

米アップル社が初めて開発したコンピュータ「アップル1」が競売に掛けられ、90.5万ドル(約9700万円)で落札されたとのこと。今回落札されたのは初めて出荷された50台のうちの一つとみられているそうで、今年9月時点で稼働することが確認されているそうです。私が使っているノートPCもあと100年くらいしたら、それくらいの価格になるかもしれませんね。大事にします。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月23日)

 10月23日のロンドン市場は市場のリスク選好姿勢がやや強まり、円売りが進む一方で、ユーロは買い戻される展開。取引前半にドル円は107円台前半から107円台後半に、ユーロドルは1.26ドル台前半から1.26ドル台後半にそれぞれ上昇した。東京市場では上値が抑えられていた米債利回りは、ロンドン市場に入ると上昇。取引序盤はマイナス圏での推移となっていたドイツ株も10月のユーロ圏製造業PMIが50.7と市場予想や前月を上回ったことでプラス圏に浮上。市場のリスク選好姿勢が強まった。

 ポンドは英小売売上高を受けて下落。ポンドドルは1.60ドル台半ばから一時1.60ドルを小幅割り込む水準まで下落。その後、取引後半には1.60ドル台前半に反発したが、引けにかけては同水準で上値が抑えられた。9月の英小売売上高は前年比2.7%増と市場予想を下回り、前月分も下方修正。英景気の減速懸念が強まり、ポンドは売りが先行した。

 NY市場に入っても市場のリスク選好姿勢は継続。ドル円は上昇基調での推移が続き、107円台後半から108円台前半に上昇。取引終盤に小幅反落したが、108円台前半の水準は維持した。一方、ユーロドルは取引前半に1.26ドル台後半から1.26ドル台前半に下落。ただ中盤以降は1.26ドル台半ばを挟んで方向感に欠ける動きとなった。

 米新規失業保険申請件数は28.3万件と市場予想を小幅上回ったが、4週移動平均は28.1万件と2000年5月以来の低水準。同時に発表された9月のシカゴ連銀全米活動指数は0.47と前月のマイナスからプラスに浮上し、市場予想も上回った。両指標の結果を受けて米債利回り上昇基調で推移し、米国株は取引序盤に大きく上昇する動き。その後発表された10月のカンザスシティ連銀製造業活動指数は4と市場予想を下回ると米国株は伸び悩んだが、米債利回りは上昇継続。ドル円をサポートした。

 来週の米FOMCまでドル買いの動きは抑えられると思われたが、市場の動揺が落ち着いてきたこともあって、米利上げ期待が再び強まる動きに。欧米株の上昇もあって、本日東京市場でのドル円は底堅い動きが続くと予想される。一方、ユーロはECBによる追加緩和期待を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は欧米株の上昇を受けて対ドルで買い優勢の展開が期待される。

2014年10月23日木曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月22日)

 新興国通貨は対ドルで下落。米債利回りが上昇する一方、米国株が下げ幅を広げる展開となり、新興国通貨は売り優勢の動きとなった。

 ZARは対ドルで0.4%の上昇。9月の南アフリカCPIは前年比+5.9%と市場予想を下回り、7カ月ぶりに5%台に鈍化。同国財務省は今後3年の中期的な予算編成方針を発表。今年の成長率見通しは1.4%増と2月時点の2.7%増から下方修正。財政赤字見通しはGDP比4.1%と2月時点の同比4.0%から悪化した。同国ネネ財務相は演説で、投資を増やし、長期の生産停滞を避け、経済の信頼を高めるために努力が必要だと述べた。S&Pの南アフリカ担当は現地一部メディアとのインタビューで同国の「BBB-」の格付けは適切な水準であると発言した。

 RUBは対ドルで1.1%の下落。USD/RUBは41.3台と過去最高値を更新した。10月20日までのロシアCPIは日次平均前週比で+0.033%と3週連続で加速。ロシアのインフレ懸念がRUBの重石となった。

日本建設業連合会は22日、建設業界で働く女性のための新たな愛称として「けんせつ小町」を発表しました。私は知らなかったのですが土木系の女性には「ドボジョ」という愛称があるそうです。いい機会ですから、為替業界で働く女性の愛称も募集してほしいものです。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月22日)

 10月22日のロンドン市場はユーロが軟調な動き。ユーロドルは取引序盤に1.27ドル台前半から1.26ドル台後半に下落。取引後半まで同水準でのもみ合いを続け、終盤にかけて1.27ドル台前半に値を戻したが、上値は抑えられた。ベルギー中銀のクーン総裁は現地メディアとのインタビューでECBによる社債購入に関する具体的な提案はないと言明。しかし、市場はECBによる資産買い入れの拡大期待を後退させなかった。スペインの一部メディアは26日公表予定のストレステストについて6カ国の11銀行が失格だったと報道。ユーロの上値を重くした。

 ドル円は106円台後半で方向感に欠ける動き。米債利回りは上値の重い動きとなったが、欧州株と日経平均先物は前日終値水準での推移。米CPIの結果を見極めたいとの思惑もあって、ドル円は様子見姿勢が続いた。

 ポンドはBOE会合議事録を受けて下落。ポンドドルは1.61ドル台前半から一時1.60ドル台前半に下落。その後、1.60ドル台後半に反発したが、取引終盤には同水準で伸び悩んだ。BOEは会合議事録(10月7、8日開催分)を公表。政策金利の据え置きは賛成7反対2、資産買入枠の維持は全会一致で決まったことが明らかとなった。政策金利据え置きに対する反対は前回会合と同様にウィール委員とマカファティ委員によるもので、両者とも25bpの利上げを主張した。大半の委員はポンド高の影響を踏まえたとしても、国内でインフレ圧力が生じる兆しは依然としてほとんどないと判断したと指摘。インフレ目標2%の達成には賃金の伸びが低すぎるとの見方も示した。またユーロ圏景気の一段の低迷はリスクを高める要因となっているとの指摘も見られた。利上げを主張したウィール委員とマカファーティー委員は、低金利を維持すれば、景気回復のバランスが崩れる恐れがあると指摘。利上げの効果が出るまでに時間がかかることを踏まえると、現時点で利上げすることが望ましいと主張した。

 NY市場では米CPIを受けてドルが買われる一方で、ユーロは下落基調での推移となった。9月の米CPIは前年比+1.7%と市場予想を小幅上回り、前月と変わらず。コアCPIは同+1.7%と市場予想通り前月と同じ伸びだった。内訳をみるとエネルギーが低下する一方、食品は上昇。医療費も上昇した。米CPI発表後に米債利回りは上昇。ドル円も107円ちょうど近辺から107円台前半に小幅上昇した。ただ、その後は米債利回りが伸び悩んだこともあってドル円は同水準でのもみ合い。取引後半に米国株が下げ幅を広げたことでドル円は107円台前半を維持したものの上値は重くなった。

 ユーロドルは1.27ドルちょうど近辺から1.26ドル台半ばに下落。オーストリア中銀のノボトニー総裁は一部メディアとのインタビューで、ECBは社債購入に関する決定をまだ下しておらず、疑問が残っていると言明。ただ、ECBの主要懸念はバランスシートの縮小であり、バランスシートの拡大をいかに達成するかがポイントであると考えるとも発言。社債購入はバランスシート拡大の手段として可能性があるとも述べ、ECBによる追加緩和期待を強めた。

 カナダドルはカナダ小売売上高を受けて売りが先行。しかし、カナダ中銀の会合声明の発表で買い戻された。8月のカナダ小売売上高は前月比0.3%減と市場予想に反し、2カ月連続のマイナス。コア売上高も前月比0.3%減と市場予想に反し2カ月連続のマイナスとなった。同指標発表後、ドルカナダは1.12台前半から1.12台後半に上昇。しかし、その後、カナダ中銀は市場予想通り政策金利を1.00%で据え置き。同中銀は声明で、金利変更の時期や方向について中立としていた文言を削除。また同中銀は経済が全能力に到達すると考える時期について、7月時点の2016年半ばから2016年下期に後ずれさせ、総合、コアインフレが2%の目標に達する時期についても1四半期遅らせ、2016年第4四半期との見方を示した。カナダ中銀の声明を受けてドルカナダは1.12台後半から1.12ちょうど近辺に急落。その後もドルカナダは同水準での推移となったが、取引終盤にかけては1.12台前半にじり高となった。

 米CPIを受けて米利上げ期待が強まったものの、米国株は下げ幅を広げる動きに。来週の米FOMCまで動きが取りにくい状況が強まっている。本日東京市場でのドル円は慎重な姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはECB社債購入期待を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は米国株の下落を受けて対ドルで軟調な推移が見込まれる。

2014年10月22日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月21日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。商品市況の上昇を受けてCOPやCLPが上昇する一方で、BRLは続落。東欧通貨もユーロと連れ安となった。

 BRLは対ドルで0.7%の下落。USD/BRLは一時2.50ちょうど近辺まで上昇した。10月のブラジルIPCA15は前年比+6.62%と高止まり。ブラジル現地調査会社Datafolhaは今月26日の大統領・決選投票に関する世論調査で現職ルセフ氏の支持率が52%、ネベス氏が48%であると公表。同国政権交代期待が後退し、BRLは売りが先行した。

 COPは対ドルで1.0%の上昇。8月のコロンビア貿易収支は1.59億ドルの黒字と市場予想に反し3か月ぶりの黒字転換。輸入が前年比1.4%減と市場予想に反し前年割れとなったことで貿易収支が改善した。

 ILSは対ドルで小幅下落。10月のイスラエルCPI予想は前年比+0.9%と2009年3月以来の低い伸び。一方、9月の同国M1は前年比24.8%増と2010年3月以来の高い伸びを記録。イスラエル中銀の利下げ効果が表れてきた。

 ネットを見ていると神戸に86歳の営業部長と78歳の鍛造職人がいる造船関連会社があることを知りました。通貨ストラテジスト業界でも、70歳代の方がいずれ現れるのかもしれませんね。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月21日)

 10月21日のロンドン市場はユーロが下落。ユーロドルは1.28ドル台前半から1.27ドル台半ば近辺に下落した。一部メディアは事情に詳しい複数の関係者の話としてECBが流通市場での社債購入していると報道。ECB報道官は政策委員会がそのような決定をしていないと同報道を否定したが、同報道が伝わるとユーロは売りが先行した。

 一方、ドル円は106円台前半から106円台後半に上昇基調で推移。ロンドン市場に入り米債利回りが上昇を続け、欧州株、日経平均先物は緩やかながら上げ幅を広げる動き。東京市場で強まった市場の慎重な姿勢は後退し、ドル円はドル買い優勢の展開となった。

 NY市場はドルが底堅い動きとなった。上昇基調で推移してきた米債利回りは伸び悩み。ドル円は106円台後半で上値が重くなったが、9月の米中古住宅販売は517万件と市場予想を上回り、昨年9月以来の高水準を記録。取引中盤以降は、米国株が買い優勢の動きを続けたこともあり、ドル円は取引終盤にかけて106円台後半で強含む動きとなった。

 ユーロドルは1.27ドル台後半から1.27ドル台前半に下落。一部報道はECBが資産購入プログラムとしてイタリアのカバード債を購入したと報道。ECBの社債購入期待もあってユーロは取引前半にかけて売り優勢となった。

 米債利回りはNY市場に入ると上昇一服。欧米株は持ち直したものの、9月に見られた市場のリスク選好姿勢が復活したわけではない。米経済指標の発表が少ないこともあって米景気の先行き期待は強まりにくいのも事実。本日東京市場でのドル円は107円という節目を前に上値が抑えられやすい展開となりそうだ。一方、ユーロはECB社債購入期待を背景に上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は欧米株の上昇を受けて対ドルで底堅い動きが予想される。

2014年10月21日火曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月20日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。BRL、RUBが対ドルで下げる一方、東欧通貨はユーロと連れ高となる動きとなった。

 TWDは対ドルで変わらず。9月の台湾輸出受注は前年比12.7%増と市場予想や前月を大きく上回る伸び。台湾景気の先行き期待を強めた。

 BRLは対ドルで1.3%の下落。10月のブラジルIGP-M(改定値)は前月比+0.13%と市場予想を小幅上回る伸び。ブラジル中銀の週次サーベイでは今年末の鉱工業生産見通しが小幅下方修正されたほかは、各見通しで大きな変更は見られなかった。現地調査会社MDAによるブラジル大統領選・決選投票(26日投票)に関する世論調査では、現職のルセフ氏の支持率は45.5%と、ネベス氏の44.5%を小幅上回る結果。支持率の差は誤差の範囲内にとどまり、両者の争いは拮抗したまま。ブラジル政権交代期待を後退させた。

 RUBは対ドルで0.8%の下落。一部メディアはロシア外務省筋の話として、ロシアがウクライナとの休戦協定を受諾することはないだろうと述べたと報道した。

 本日の東京地方の天気は小雨交じりの曇りの予報。晴れの日が続かないのがちょっと残念ですが、雨具の用意をお願いいたします。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月20日)

 10月20日のロンドン市場はドルが下落基調で推移。ドル円は107円台前半から106円台後半に下落。一方、ユーロドルは1.27ドル台前半から1.27ドル台後半に上昇した。欧州株は下落基調で推移し、米債利回りは上値が重くなる動き。東京市場で後退したとみられた市場の慎重な姿勢が再び強まる格好となり、ドル買いポジションを解消する動きが強まった。

 ECBは9月の理事会決定としてフランスの短期カバードボンドとスペインのカバードボンドを購入。ただ、市場の反応は限定的だった。

 NY市場はドルが対ユーロ、ポンドを中心に下落が続いた。この日は米国で主だった経済指標の発表がなく、やや材料難の展開。ダラス連銀のフィッシャー総裁は一部メディアとのインタビューで10月末での債券購入の終了に改めて支持を表明。ただ、自分はタカ派だが利上げについては賢明であり対と慎重な姿勢を示唆。これを受けて米債利回りはNY市場に入っても上値の重い動きが継続。ユーロドルは1.27ドル台後半から1.28ドル台前半に、ポンドドルは1.61ドル台前半から1.61ドル台後半にそれぞれ上昇するなど、ドル売り優勢となった。

 一方、ドル円は106円台後半で方向感に乏しく推移。米債利回りの上値は重い状態が続いたが、下げて始まった米国株は下げ幅を縮める動き。ドル円は下値の堅い展開となった。

 カナダドルは小幅下落。ドルカナダは1.12台後半でじり高の動きとなった。8月のカナダ卸売売上高は前月比0.2%増と市場予想に反し前月比プラスの結果。ただ指標発表後にカナダドル買いの動きが強まることはなかった。

 欧州株の下落を受けて下げて始まった米国株は、その後、持ち直しの動き。ただ、米債利回りは上値が重いまま。いったんは強まったドル買いの動きは再び後退してしまった。米景気の先行き期待は続いているものの、米経済指標の発表がなかったこともあり、市場の慎重な姿勢は継続。本日東京市場でのドル円は、方向感に欠ける動きが続くと予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き不透明感から上値の重い動きを予想。アジア通貨は対ドルで様子見姿勢が強まりそうだ。

2014年10月20日月曜日

さらなる上昇は期待しにくいハンガリー・フォリント(HUF)

 HUFが9月に入ってから対ユーロで堅調な推移を続けている。9月1日から先週末(10月17日)までの対ユーロでの上昇率をみると、HUFは2.9%と、新興国通貨の中ではCLP(3.7%)、CNY(3.2%)に次いで3番目に高い上昇を記録している。ちなみに同期間のHUFの対ドルでの上昇率は変わらず(ゼロ%)である。

 HUFが底堅く推移している背景の一つにハンガリー景気の拡大があげられる。9月の同国製造業PMIは52.6と先月から上昇。今年1月に記録した57.8からは低下しているものの、同指標は昨年8月から14カ月連続の50超えとなっている。Bloomberg調査によると、第3四半期のハンガリーGDP成長率は前年比2.85%と、大きく加速した第2四半期(前年比3.9%増)から減速するものの、過去と比べて高めの伸びを維持する見込みとなっている。

 ハンガリー中銀が利下げを止めたこともHUFのサポートとなっている。ハンガリー中銀は2012年8月より連続利下げを開始。当時7.00%だった政策金利は今年7月までに2.10%まで引き下げられた。ただ、8月、9月の両会合では政策金利は2.10%で据え置き。同中銀は現在の低金利状態を当面、維持する姿勢を示したが、9月下旬の四半期報告で今年の成長率とインフレ見通しを上方修正。大きなネガティブイベントが生じなければ、同中銀が再度利下げに踏み切るとは考えにくくなった。

 ハンガリー・オルバン首相率いる与党フィデス=ハンガリー市民同盟が、10月12日開催の地方選で勝利したこともHUFをサポートしている。同党は、ブタペストを含む23都市の市長選のうち20都市で勝利。同党の勝利は、4月の総選挙、5月の欧州議会選挙に次ぐもので、オルバン首相の権力基盤はさらに強固になった。これによりオルバン首相は、ポピュリスト的に続けてきた銀行への強硬姿勢をやや緩和させることも期待される。

 外貨建て住宅ローンを多額に抱えるハンガリーにとってHUF高は決して悪いことではない。ハンガリー政府としてはEUの過剰財政赤字是正手続き(EDP)からの脱却も狙いたいところ。HUFを高めに維持することで、債務負担を軽減したいとの思惑もあるとみていいだろう。

 ただHUFが今後、対ユーロ、対ドルで上昇基調を維持できるとは考えにくい。上述したようにハンガリー景気は今年後半に入って減速気味。来月上旬に発表される9月の経済指標を見極める必要があるものの、ハンガリーの主要輸出先であるドイツ、オーストリア、ロシア各国の景気は軟調な動き。ハンガリー景気が減速から一転、再加速に転ずるとのシナリオは描きにくい。

 ハンガリー中銀が利下げを止めたとはいえ、利上げに転ずることも期待しにくい、という点もいずれHUFの重石となるだろう。9月のハンガリーCPIは前年比-0.5%と過去最大の落ち込みを記録。コアCPIは前年比+1.4%だが、前月比では-0.1%。ハンガリーのデフレ懸念が払しょくされたわけではない。

 EUR/HUFの下値の目途は300ちょうど近辺。ここを割り込めば次は290となるが、そこまでHUFが上昇するのは難しいと思われる。一方、上値の目途は200日移動平均線上の309と今年の高値である317である。

2014年10月19日日曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月17日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。BRL、TRYなどが対ドルで上昇する一方、東欧通貨はユーロと連れ安となる格好となった。

 MYRは対ドルで0.3%の上昇。9月のマレーシアCPIは前年比+2.6%と市場予想通りの結果。ムーディーズはマレーシア政府の財政赤字削減策について、補助金削減や物品・サービス税導入の影響緩和策は財政健全化効果を阻害するとするレポートを公表した。

 BRLは対ドルで1.5%の上昇。ブラジルFIPE消費者物価(週次)は前月比+0.34%と市場予想を下振れ。ブラジル現地ウェブメディアのブラジル大統領選に関する世論調査ではネベス氏56.4%の支持率に対し、現職ルセフ氏は43.6%。同国政権交代期待が高まった。

 MXNは対ドルで0.3%の上昇。9月のメキシコ失業率は4.75%と市場予想や前月から小幅低下した。

 COPは対ドルで0.2%の上昇。8月のコロンビア小売売上高は前年比7.5%増と市場予想を上回り、3か月ぶりの高い伸び。ただ同時に発表された同月同国の鉱工業生産は同+0.3%と市場予想を下回る弱い伸び。コロンビア製造業セクターの低迷継続が示された。

 CLPは対ドルで0.7%の上昇。チリ中銀は市場予想通り政策金利を25bp引き下げ3.00%にすると発表。同中銀は声明で今後の政策金利は経済指標の結果次第とし、これまでの追加利下げ姿勢を後退させた。

 PLNは対ドルで小幅下落。9月のポーランド鉱工業生産は前年比+4.2%と市場予想を上回る伸び。同月同国の建設支出も同5.6%と市場予想を大きく上回り、ポーランド中銀による追加利下げ観測が後退した。

 RUBは対ドルで0.5%の上昇。9月のロシア実質賃金は前年比1.0%減と市場予想に反し前年割れ。前月分も前年割れに下方修正され、2カ月連続の前年割れとなった。同指標が前年割れとなるのは、2009年11月以来。一方、同月同国の実質小売売上高は同1.7%増と市場予想を小幅上回った。ムーディーズはロシア債格付けを従来の「Baa1」から「Baa2」に一段階引き下げ。格付け見通しは「ネガティブ」に据え置き。同社は、ウクライナでの軍事衝突と対ロシア制裁拡大によって、ロシアの投資環境が一段と悪化する公算が大きいとの見解を示した。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月17日)

 10月17日のロンドン市場は取引前半に市場のリスク回避姿勢が後退する展開。ドル円は106円台前半から106円台中が近辺に上昇。ユーロドルは1.28ドルちょうど近辺から1.28ドル台前半に小幅上昇した。ECBクーレ専務理事がECBによる民間銀行の資産買い入れについてECBのバンラスシートを強化する目的のもと数日以内にも開始すると発言。欧州株が取引前半に上昇基調で推移。東京市場でじり安の動きとなった米債利回りも上昇に転じるなど、市場のリスク回避姿勢が後退する動きとなった。

 NY市場はドルが上昇。ドル円は106円台半ば近辺から106円台後半に上昇。一方、ユーロドルは1.28ドル台前半から1.27ドル台後半に下落した。9月の米住宅着工は101.7万件と市場予想を小幅上回ったものの、同時に発表された同月同国の建設許可件数は101.8万件と市場予想を小幅下回る結果。指標発表直後の市場の反応は限定的となった。ただ、その後発表された10月のミシガン大消費者信頼感が86.4と市場予想を上回り、2007年7月以来の高水準を記録すると、米債利回りが小幅上昇し、ドル買い優勢の動き。取引中盤から後半にかけてはドル、ユーロともに方向感に欠ける動きが続いたが、終盤にかけてドル買いの動きがやや強まった。

 カナダドルは下落基調の推移。ドルカナダは1.12台前半から1.12台後半に上昇した。9月のカナダCPIは前年比+2.0%と市場予想通りの結果。指標発表後にカナダドル買いの動きがやや強まる場面もあったが、取引中盤以降は下落基調での推移となった。