2014年10月31日金曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月30日)

 新興国通貨はRUB、BRLが大きく買い戻される一方で、CLP、COPは反落。新興国通貨全体では方向感に欠ける動きとなった。

 BRLは対ドルで2.3%の上昇。USD/BRLは一時2.40を割り込んだ。ブラジル中銀は日本時間朝方、市場予想に反し政策金利を25bp引き上げ11.25%にすると発表。利上げは4会合ぶり。同中銀は声明で、前回の会合以降、経済における相対的な価格調整の強まりによってインフレリスクが高まったと指摘。2015~16年時点でのより好ましいインフレ見通しを確保するため、金融状況を調整することが適切と判断したとした。利上げは賛成5反対3での決定。反対3名は金利据え置きを主張した。10月のブラジルIGP-Mは前年比+2.96%と市場予想を上回ったが前月からは鈍化。一方、9月の同国ローン残高は前月比1.3%増と昨年12月以来の高い伸びに加速した。

 CLPは対ドルで0.3%の下落。9月のチリ失業率は6.6%と市場予想を小幅下回り、前月からも低下。チリ中銀のベルガラ総裁は需要と投資の弱さが景気見通しの下方修正リスクを長引かせていると指摘。インフレは今後4%を超える可能性があるものの、2015年央には3%に収束するとの見方を示した。

 COPは対ドルで0.2%の下落。コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を4.50%で据え置き。同中銀のウリベ総裁は今年の同国成長率は5%に達するが来年は4%を超えるものの今年から減速するとの見方を示した。

 ILSは対ドルで小幅下落。9月のイスラエル失業率は6.5%と前月から上昇。3カ月ぶりの高水準に達した。

 TRYは対ドルで0.8%の上昇。10月のトルコ消費者信頼感は70.3と今年2月以来の低水準に低下。しかしTRYはNY市場に入ると買い優勢の動きが続いた。

 ZARは対ドルで0.8%の上昇。9月の南アフリカPPIは前年比+6.9%と市場予想通り前月から鈍化。第3四半期の同国失業率は25.4%と市場予想に反し前期から小幅低下。9月の同国財政収支は53.6億ランドの赤字と赤字額が市場予想や前月を大きく下回った。歳入が前年比9.0%増と加速したことが主因。

 RUBは対ドルで3.3%の大幅上昇。USD/RUBは41台半ばと1週間ぶりの水準に下落した。ロシア中銀が31日に利上げに踏み切るとの思惑が強まった模様。

飛ぶ自動車「エアロモービル」の最新版試作機が技術コンファレンスで公開されたそうで、走行時の最高時速は200キロ、航続距離は約700キロに伸びたそうです。自動車運転の免許証だけでいいんですかね?

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月30日)

 10月30日のロンドン市場はドルが伸び悩む展開。ドル円は取引前半こそ109円台前半で上昇基調で推移していたが、中盤に入り米債利回りが低下すると109円ちょうど近辺に反落。その後も欧州株が軟調に推移したこともあってドル円は109円ちょうど近辺でのもみあいが続いた。

 一方、ユーロドルは取引前半に1.26ドルちょうど近辺から1.25ドル台後半に下落。第3四半期のスペインGDPは前年比1.6%増と市場予想通りの結果。その後発表された10月のドイツ失業者数は2.2万人減と市場予想に反し減少に転じ、10月のドイツ・ザクセン州CPIは前年比+1.0%と前月から小幅加速した。これを受けてユーロドルは下げ止まり。取引後半には1.26ドルちょうど近辺に反発した。

 NY市場は米GDPの好結果を受けてドル買いが先行する場面もあったが一時的。総じてみればドルの上値は重いままだった。第3四半期の米GDP(速報値)前期比年率3.5%増と市場予想を上回る伸び。指標発表直後にドル円は109円台前半に急上昇した。ただGDPの内訳をみると個人消費は同1.8%増と市場予想を小幅下回り、前期から減速。GDPの伸びをけん引したのは国防費増加による政府支出と輸入減によるものだったことから、いったんは上昇した米債利回りは低下。ドル円は108円台後半に下落し、その後109円ちょうど近辺に反発したが上値は抑えられた。取引後半に入り、米国株が反発したことからドル円は円売り優勢の展開となり109円台半ば近辺に上昇。しかし終盤にかけては米国株が伸び悩んだことからドル円も上値が重くなり、引けにかけては109円台前半で弱含みの動きとなった。

 ユーロドルは米GDP発表直後に1.25ドル台半ばに急落したが、その後は持ち直し取引中盤には1.26ドル台前半まで上昇。ただその後は同水準で方向感に欠ける動きが続き、引けにかけては1.26ドルちょうど近辺に下落した。10月のユーロ圏景況感は100.7と市場予想に反し前月から上昇。ただ10月のドイツCPIは前年比+0.8%と市場予想を下回り前月から変わらず。ユーロ圏ディスインフレ傾向の継続が確認された。

 米GDPは市場予想を上回る伸びとなったが、肝心の個人消費は前期から減速。同時に発表された米新規失業保険申請件数も小幅とはいえ前週から増加。米債利回りは一転して伸び悩む展開となった。本日も日本株は上げて始まる見込みで円売りの動きがやや強まりそうだが、本日東京市場でのドル円は米債利回りの伸び悩みを背景に上値が抑えられやすい展開が予想される。なお本日は日銀が金融政策決定会合の結果を公表するが、金融政策は現状維持となる見込みである。ユーロは引き続き方向感に欠ける展開が続く見込み。アジア通貨は米国株の上昇を受けて対ドルで買い優勢の展開が期待される。

2014年10月30日木曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月29日)

 新興国通貨は商品市況の上昇を受けてCLP、COPが対ドルで上昇したものの、他新興国通貨は下落。米債利回りの上昇が新興国通貨を下押しした。

 CLPは対ドルで0.7%の上昇。9月のチリ製造業指数は前年比+5.0%と市場予想を大きく上回り、2012年10月以来の高い伸びを記録。同時に発表された同月同国の小売売上高は同0.9%減と市場予想に反し前年割れとなったが、チリ景気の先行き期待を高めた。

 ZARは対ドルで0.9%の下落。9月の南アフリカM3は前年比7.85%増と市場予想を大きく上回り、6カ月ぶりの高い伸び。南アフリカ中銀による金融引き締めが不十分なものといえる結果となった。

 RUBは対ドルで0.9%の下落。USD/RUBは一時42.9台に上昇。6営業日連続で過去最高値を更新した。10月27日までの週のロシアCPIは前週比+0.2%と前週から鈍化。ただ前年比では+7.1%と10週連続で加速。RUB安に歯止めがかかっていないこともあってロシアのインフレ懸念が後退することはなかった。

 帽子と大きなリュックサック以外は身に着けず、英国内を徒歩で旅行しようとしたことから「裸の放浪者」と呼ばれるようになった男性が、裸になる権利の確認を求めた訴訟で、欧州人権裁判所(ECHR)は男性の訴えを退ける判断を下したそうです。この男性は寒さに強いんですね。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月29日)

 10月29日のロンドン市場は東京市場に引き続きドルの上値が重い展開となった。ドル円は取引前半に一時108円割れ。中盤には持ち直し、取引後半は108円を小幅上回る水準に達したが上値は抑えられた。ドイツ株はプラス圏での推移となったが、米長期債利回りは小幅下落。米長期債利回りの持ち直しでドル円は108円台を回復したものの、米FOMCを控え、ドル買いの動きは手控えられた。

 一方、ユーロドルは1.27ドル台前半で方向感に欠ける動き。エストニア中銀のハンソン総裁はECBが公的部門発行の債券買い入れを選択肢として検討する必要はあるが、今後数カ月間は実施を見送るべきと発言。当面はすでに決定した一連の刺激策の効果が表れるのを待つべきとの見方を示した。同総裁の発言が伝わるとユーロドルは1.27ドル台半ば近辺に上昇する場面もあったが一時的。ユーロ買いの動きは続かなかった。

 ポンドは下落基調での推移。ポンドドルは1.61ドル台半ばから1.61ドル台前半に下落した。9月の英住宅ローン承認件数は6.13万件と市場予想を下回り、同月同国のM4は前月比0.7%減と4カ月ぶりの前月比マイナス。両指標が期待外れの結果に終わったことで、ポンドは売り優勢となった。

 NY市場は米FOMCを受けてドルが上昇した。取引前半は米FOMCの結果発表を控えドル、ユーロともに様子見姿勢の強い動き。ドル円は108円台前半、ユーロドルは1.27ドル台前半で、それぞれもみ合いとなった。中盤に入ると小幅プラス圏で推移していた米国株が前日終値水準に下げたことからドルがやや売られ、ドル円は108円ちょうど近辺に下落する一方、ユーロドルは1.27ドル台後半に小幅上昇。ただ米長期債利回りが緩やかながら上昇基調を続けたこともあって、ドル売りの動きは限定的だった。

 米FRBはFOMC結果を公表。市場予想通りQE3による資産買い入れ額を従来の毎月150億ドルからゼロと、QE3の停止を決定した。声明では、一段と広範な経済において、物価安定を伴う最大雇用の実現に向けた継続中の進展を後押しする上で、十分な底力が存在すると委員会は判断すると指摘。労働市場については、スラックが徐々に縮小していると前向きな見方を示した。事実上のゼロ金利を維持する期間については、資産買い入れ終了後も「相当な期間」維持する方針を確認、利上げの時期やペースは今後の経済指標の内容に左右されるとした。インフレについては、エネルギー価格の下落などがインフレの伸びを抑えているものの、全般的にはFRBが目標とする2%に向かって進んでいくとの見通しを示した。なお今回の会合ではミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁のみが反対票を投じた。同総裁は、インフレ期待の低下に伴い、FRBは一段と長期間、低金利を継続する姿勢を表明すべきと主張した。

 米FOMCの結果を受けてドル買いが先行。ドル円は108円ちょうど近辺から108円台後半に上昇。一方、ユーロドルは1.27ドル台前半から1.26ドル台前半に下落した。ただ取引終盤に入ると、上昇を続けてきた米長期債利回りが反落。ユーロドルは1.26ドル台前半でのもみ合いとなったが、ドル円は取引終盤に109円ちょうど近辺に強含んだ。

 NZドルは米FOMC後に下落。NZドル/ドルは0.79ドル台前半から0.78ドル台前半に急落した。取引終盤にニュージーランド中銀は市場予想通り政策金利を3.50%で据え置き。同中銀は声明で金融政策の調整の前に評価機関が必要との見方を提示。NZドル相場の水準は正当化できず、持続不可能であり、一段の大幅な下落が予想されるとした。同中銀の声明発表後、NZドル/ドルは0.78ドル台前半から0.77ドル台後半に下落した。

 米FOMCはほぼ市場予想通りの内容。FOMCの利上げ方針が改めて確認されたほか、労働資源の著しい活用不足に関する文言が削除されたことで市場は素直にドル買いで反応した。ただ、米長期債利回りの上昇は限定的。利上げ懸念で米国株の上値が抑えられたことで、ドル買いの動きは一服している。本日東京市場でのドル円は109円ちょうど近辺で慎重な姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはECB追加緩和観測を背景に上値が抑えられる見込み。アジア通貨は米利上げ懸念を背景に対ドルで軟調な推移が予想される。

2014年10月29日水曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月28日)

 新興国通貨はRUBが対ドルで続落となったが、他は買い優勢の動き。市場のリスク回避姿勢の後退で新興国通貨を買い戻す動きが強まった。

 THBは対ドルで変わらず。9月のタイ貿易収支(通関ベース)は18.0億ドルの赤字と市場予想に反し、赤字に転落。輸出が前年比3.19%増と前年超えとなったものの、輸入が同14.42%増と急増。貿易収支を大きく悪化させた。

 BRLは対ドルで2.4%の上昇。USD/BRLは2.46台まで下落した。ブラジルFIPE消費者物価(週次)は前月比+0.37%と市場予想通りの伸び。食品価格の伸びが全体をけん引した。10月のブラジルFGV建設コストは前月比+0.20%と市場予想を小幅上回った。

 HUFは対ドルで0.5%の上昇。ハンガリー中銀は市場予想通り政策金利を2.10%で据え置き。同中銀は声明で現在の政策金利水準はインフレ目標と整合的であると指摘。緩和的な金融政策が続けられるとの見通しを示した。

 ILSは対ドルで0.5%の上昇。9月のイスラエル先行S指数は前月比+0.20%と上方修正された前月から加速。ただ依然として伸びは低水準だった。

26日投開票のウクライナ総選挙で、映画「スター・ウォーズ」シリーズの悪役ダース・ベイダー卿に扮することで知られる「ウクライナ・インターネット党」の指導者が、素顔を見せることを拒んだために投票ができなかったそうです。ダース・ベイダーの格好をしたこの人物は、首都キエフの投票所を訪れましたが、顔を見せることを拒否したため、選挙管理職員に投票を禁じられたとのこと。パスポートを提示してもダメだったそうです。指導者の方は残念でしたね。次回選挙までに対策をご検討ください。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月28日)

 10月28日のロンドン市場は円が下落。ドル円は107円台後半から108円台前半に上昇した。前日下げた欧州株は寄り付きに買いが先行。米債利回りは上昇基調で推移し、原油価格も持ち直すなど市場のリスク回避姿勢の後退が目立った。

 一方、ユーロは上値の重い動き。ユーロドルは取引前半に1.27ドルちょうど近辺から1.27ドル台前半に上昇したが、中盤には1.27ドル割れ。後半は1.27ドルちょうど近辺でのもみ合いとなった。

 SEKはスウェーデン中銀の利下げを受けて急落。EUR/SEKは利下げ直後に9.25台から9.33台に急上昇。その後も上昇基調が続き、NY市場序盤には9.38台と今年最高値(SEK安)水準に上昇した。スウェーデン中銀は政策金利を25bp引き下げ0.00%にすると発表。同中銀は声明でインフレ率の幅広い低下と、インフレ率予想の度重なる下方修正は、基調的なインフレ圧力が非常に弱く、以前の予想よりも弱まっていることを示唆していると指摘。海外でもインフレ率が低下し、経済活動も弱いことを踏まえると、インフレ率が目標の2%に到達するまでには、より長い時間がかかると予想されるとし、政策金利の段階的な引き揚げ開始は2016年半ばが適切との認識を示した。

 NY市場は米耐久財受注の結果を受けてドルが売られる場面があったが、その後発表された米経済指標の結果を受けて買い戻される動きとなった。9月の米耐久財受注は前月比1.3%減、コア資本財出荷は同0.2%減と市場予想に反し前月から減少。米企業の設備投資需要の減退懸念を強める内容となった。同指標発表後、ドル円は108円台前半から107円台後半に急落する一方、ユーロドルは1.27ドルちょうど近辺から1.27ドル台後半と1週間ぶりの高値に上昇した。ただ、ドル売りが一巡すると、ドルはは小幅反発。その後発表された10月の米消費者信頼感は94.5と市場予想を大きく上回り、2007年10月以来の高水準を記録。同時に発表された10月のリッチモンド連銀製造業指数は20と市場予想に反し前月から上昇。2010年12月以来の高水準に達する好結果となると、ドル買い戻しの動きが強まり、ドル円は108円台前半に上昇。ユーロドルは1.27ドル台前半に下落した。取引中盤はドル円が108円ちょうど近辺、ユーロドルは1.27ドル台半ば近辺でのもみ合い。終盤に入り米国株が上げ幅を広げると、ドル円は108円台前半で強含む一方、ユーロドルは1.27ドル台前半で上値の重い動きとなった。

 欧米株が堅調に推移し、米債利回りも下値を切り上げる展開。世界景気の先行き懸念は根強いものの、市場のリスク回避姿勢は後退した。ただ日本時間明日早朝の米FOMCの結果を見極めたいとの思惑も強く、本日東京市場でのドル円は様子見姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き懸念やECBによる追加緩和観測を背景に上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は市場のリスク回避姿勢の後退を背景に対ドルで買い優勢の動きが期待される。

2014年10月28日火曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月27日)

 新興国通貨はBRL、RUBが対ドルで大きく下落した他は小動き。欧州株は下落したものの、米債利回りが小幅ながら低下。米国株は先週末終値水準を維持したこともあって、新興国全体では様子見姿勢が強かった。

 BRLは対ドルで1.9%の下落。USD/BRLは取引開始直後に2.55台と2008年12月以来のBRL安水準を記録した。ブラジル大統領選で現職のルセフ氏が勝利したことが嫌気された。10月26日までの週のブラジル貿易収支は6.02億ドルの赤字と3週連続の赤字。輸出の伸び悩みが貿易収支の悪化につながっている。

 MXNは対ドルで小幅下落。9月のメキシコ貿易収支は5.9億ドルの黒字と市場予想に反し、3カ月ぶりの黒字を記録。輸出が前年比9.2%増と2012年10月以来の高い伸びを記録したことで貿易収支が改善した。

 TRYは対ドルで小幅上昇。10月のトルコ実質企業景況感は106.9と前月から小幅低下。一方、同月同国の設備稼働率は74.9%と前月から小幅上昇した。

 ILSは対ドルで0.5%の上昇。イスラエル中銀は市場予想通り政策金利を0.25%で据え置き。同中銀はILSの下落が輸出をサポートすると指摘。ただこれまでの利下げの効果は完全には行き渡っていないとし、目標達成のために様々な手法の利用が必要がないか検討されるとした。

 RUBは対ドルで1.1%の下落。USD/RUBは42.2台と過去最高値を更新した。原油価格はこの日も下落し、一時80ドル割れ。ウクライナ総選挙で親欧米派が圧勝したことでウクライナ情勢の早期の解決期待が後退したこともRUBを下押しした。

フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトがかぶっていた「二角帽」が競売に出品されるそうです。落札価格は30~40万ユーロくらいになりそうとのこと。日本円で4、5千万円といったところでしょうか。思ったよりも高くないなと思ったら、ナポレオンの帽子は今でも20~30個くらい現存しているそうです。なんであろうと価格は需給で決まるんですね。ちょっとさびしくなりました。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月27日)

 10月27日のロンドン市場はユーロ圏景気の先行き懸念を背景にユーロが下落した。10月のドイツIFO企業景況感は103.2と市場予想を下回り、6カ月連続の低下。水準は2012年12月以来の低さとなった。IFOエコノミストは第4四半期のドイツ成長率がゼロとなる可能性があると指摘。ユーロ圏景気の先行き懸念を強めた。同時に発表された9月のユーロ圏M3が前年比2.5%増と市場予想を上回り、昨年5月以来の高い伸びとなったことから、ユーロドルは1.26ドル台後半から1.27ドルちょうど近辺に上昇する場面もあったが、その後は下落基調で推移。引けにかけては1.26ドル台後半でこの日の安値を更新した。

 ドル円は108円ちょうど近辺から107円台後半に小幅下落。欧州株、日経平均先物はともにマイナス圏での推移。米債利回りも緩やかながら下落基調で推移し、ドル円の上値を抑えた。エボラ熱に関しては、リベリアに滞在し、羽田空港に到着した男性が発熱、都内病院に搬送されたとのニュースもあった。

 一方、ポンドは底堅い動き。ポンドドルは1.61ドルちょうどをやや上回る水準で方向感に欠ける動きを続けた。10月の英CBI小売売上指数は31と前月から低下の市場予想に反し前月と同水準。3カ月平均は33と2011年2月以来の高水準を記録したことが好感された。

 NY市場はドルの上値が重い展開となった。9月の米中古住宅販売制約指数は前年比+3.0%と市場予想を上回ったが、前月比は+0.3%と市場予想を下振れ。その後発表された10月のダラス連銀製造業活動指数は10.5と史上予想や前月を下回った。米景気の拡大期待がやや後退し、米債利回りはこの日の安値圏に低下。ドル円は107円台後半で上値の重い動きとなる一方、ユーロドルはダラス連銀製造業活動指数の結果を受けて1.26ドル台後半から1.27ドル台前半とこの日の高値を更新。取引中盤以降は1.27ドルちょうどをやや上回る水準でのもみ合いを続けた。

 ドイツ景気の悪化が続いていることもあって、世界景気の先行き期待は後退。米景気への期待が後退しているわけではないものの、市場のリスク選好姿勢は強まりにくい。まだ28日だが、市場は日本時間30日早朝の米FOMCを見極めたいとの思惑が強まっている様子。本日東京市場でのドル円は様子見姿勢が強いままと思われる。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き懸念やECBによる追加緩和観測を背景に上値の重い動きが予想される。アジア通貨は前日と同様に様子見姿勢の強い展開となりそうだ。

2014年10月27日月曜日

上昇に転ずる期待は持ちにくいロシア・ルーブル(RUB)

 RUBの下落が止まらない。USD/RUBは先週末に一時42ちょうどと過去最高を更新。EUR/RUBも一時53.2まで上昇し過去最高値を更新した。RUBは9月から10月24日までの2カ月弱だけで対ドルで10.8%の下落。年初来では15.0%の下落となっている。

 RUBが売られ続けている最大の要因は今年7月から実施されている欧米各国による対ロシア経済制裁である。同制裁措置のうち金融規制によって、ロシアの国営銀行、エネルギー関連企業、兵器関連企業は、国際金融市場へのアクセスを断たれており、外貨の資金繰りが悪化している。ロシア中銀の発表によると、今年9月までの民間部門の資本純流出額は853億ドルになり、IMFが4月に公表したロシアの資本純流出額予想(1,000億ドル)を上回りそうな勢いにある。 

 ロシアは対外純債権国であり、理論的には対外債務を全て返済する余力がある。しかし、対外債権の中には直接投資や長期貸出といった流動性に欠けるものも含まれる。ロシアが即座に資本・通貨危機に陥るとは考えにくいが、流動性のある資産の目減りはRUB売りの材料となりうる。9月26日時点のロシア外貨準備は4,092.2億ドルと昨年12月27日時点の4,696.1億ドルから約604億ドル減少だが、欧米各国による対ロ経済制裁が始まった7月からの減少幅は227億ドル。2カ月間とはいえ足元では月間100億ドル超のペースで外貨準備が減少していることになり、ロシア当局がRUB買い介入に踏み切るのを難しくしている。

 ロシア景気の悪化もRUBの下押し材料となる。ロシア政府は今年の成長率見通しを5月時点で0.5%に下方修正したが、その後の欧米各国による経済制裁や原油価格の下落を考えると、同政府が見通しを再度下方修正する可能性も十分にある。ちなみにIMFはロシアの成長率見通しとして、今年が0.2%。来年は0.5%としている。ロシア政府は投資回復策として国民福祉基金を使ったインフラ整備プロジェクトを開始する見込みだが、経済制裁による資金調達環境の悪化で設備投資の減少は避けがたいと思われる。

 ロシアの財政では歳入が減少する可能性がある。ロシア連邦政府の歳入の半分以上(約53%)は石油ガス関連だが、原油価格1ドルの低下で歳入(年間)は約23億ドル低下するとの試算がある。ロシアの2015年予算は原油価格100ドル/バレルを前提としているため、仮に80ドル/バレルの原油価格が1年間定着するようだと、それだけで460億ドルの歳入減となる。RUB安によってRUB建てでみた石油ガス関連歳入が押し上げられる可能性があるものの、ロシア歳入に対して楽観的な見方は持ちにくい。

 ロシア中銀は31日、政策金利(1週間物入札レポレート)を発表する。Bloomberg予想では予想回答者27名中18名が50bpの利上げを予想。ただ6名は金利据え置きをみており、75bp、100bpの利上げを予想する声もある。RUBの下落に歯止めがかかる様子はなく、ロシア中銀はRUB安抑制策の一つとして利上げを検討しているようだ。ただ、50bp程度の利上げは市場のRUB安懸念を解消させるには焼け石に水で、多少の利上げでRUBが下げ止まるとは考えにくい。ただ、だからといってロシア中銀がRUB安を止めるべく、大幅な利上げに踏み切るとは考えにくい。大幅利上げは設備投資をさらに減少させ、ロシア景気の悪化を加速させかねない。

 ロシア当局が利上げではなく、資本規制といったよりダイレクトな手法でRUB安に対応する可能性もある。短期的には資本規制がRUB安を抑制するかもしれないが、格付け機関はロシア債格付けを投機的水準に引き下げるだろう。RUBが反転するには、結局のところ、欧米各国による経済制裁の解除くらいしか見当たらない。しかし、フィンランドのストゥブ首相は16日、EUがロシアに対する経済制裁を早期に解除する公算は非常に小さいとし、ロシアはウクライナ東部情勢の安定化にさらに尽力する必要があると述べている。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年10月24日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。商品市況の下落が新興国通貨を下押ししたものの、米国株の上昇もあって新興国通貨全体では方向感に欠ける展開となった。

 BRLは対ドルで1.1%の上昇。ブラジルの調査会社センススは26日の同国大統領選・決選投票の支持率に関する世論調査でネベス氏が54.6%、現職のルセフ氏が45.4%であると発表。ブラジル運輸連盟が調査会社MDAに委託した世論調査ではネベス氏50.3%、ルセフ氏49.7%の支持率を公表。ブラジル政権交代期待が再び強まりBRLは買い戻しの動きとなった。10月のブラジルFGV消費者信頼感は101.5と2009年4月以来の低水準。9月の同国経常収支は79.1億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回る一方、同月同国の対内直接投資は42.1億ドルと市場予想を上回った。

 MXNは対ドルで変わらず。8月のメキシコIGAE経済活動指数は前年比+1.29%と市場予想を下回り、4カ月ぶりの低い伸び。MXNの上値を抑えた。

 CLPは対ドルで小幅下落。9月のチリPPIは前年比2.1%と2カ月連続の鈍化。チリ中銀による追加利下げ観測を強めた。

 RUBは対ドルで0.2%の下落。USD/RUBは一時42ちょうど近辺に上昇。RUBの対ドルでの過去最安値を更新した。S&Pはロシア長期外貨建て債の格付けを「BBB-」で確認。格付け見通しは「ネガティブ」のままとした。同社は声明で見通しを「ネガティブ」に留めたことについて、ウクライナ問題をめぐる対ロシア制裁措置の強化などにより、ロシアの対外、財政上のバッファーがわれわれの予想より速いペースで縮小すれば、向こう18カ月以内に同国の格付けを引き下げる可能性があるとの見方を反映した、と説明した。

Ebola.comというドメイン名が2000万円超で売却されたそうです。ちなみにmurata.comは、ある日本企業が所有しているようです。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年10月24日)

 10月24日のロンドン市場はドル、ユーロともに様子見姿勢の強い展開。ドル円は108円台前半での推移。ユーロドルは1.26ドル台半ばを挟んで方向感に欠ける動きとなった。欧州株は小幅マイナス圏で推移し、米債利回りもじり安の動き。市場の慎重な姿勢は根強いものの、新規取引材料に欠けたこともあり、ドル、ユーロともに方向感に欠ける動きとなった。

 ポンドは小幅上昇した。第3四半期の英GDPは前年比3.0%増、前期比0.7%増といずれも市場予想通りの伸び。指標発表後、ポンドドルは1.60ドル台前半から1.60ドル台後半に上昇したが、ポンド買いの動きが一服した取引中盤には再び1.60ドル台前半に下落。英景気の先行き懸念の根強さを示したが、取引終盤にはポンドドルは1.60ドル台半ば近辺に小幅上昇した。

 NY市場では、取引前半にドル売りの動きが一時強まる場面もあったが、中盤にかけて反発。その後は様子見姿勢の強い展開となった。ドル円はNY市場に入り米債利回りが小幅低下すると、108円台前半から108円ちょうど近辺に下落。その後発表された9月の米新築住宅販売件数は46.7万件と市場予想を下回り、前月分も大きく下方修正。ドル円は107円台後半に下落した。ただ、取引中盤に入ると低下した米債利回りはこの日の高値水準に反発。米国株が上げ幅を広げたこともあり、ドル円は108円台前半に上昇。後半は108円ちょうど近辺に下押しされる場面もあったが、終盤にかけては下値の堅い動きとなり、108円台前半で引けた。

 ユーロドルは米新築住宅販売件数の結果を受けて1.26ドル台後半から1.27ドルちょうど近辺に上昇したが、中盤には1.26ドル台後半に下落。後半は同水準でのもみ合いとなった。一部メディアは26日に公表されるECBによるストレステストの結果草案文書で130行中25行が不合格と報道。ただ市場の反応は限定的だった。ECB報道官は同中銀ドラギ総裁がEU首脳会議でユーロ圏各国首脳に対し、ユーロ圏のリセッション入り回避に関しECBのみをあてにすることはできないと発言。ユーロ圏加盟各国が構造改革や投資、財政規律の強化、需要押し上げで連携するよう要請したことを明らかにした。

 ECBは26日、ユーロ圏の民間銀行130行に対する資産査定とストレステストの結果を発表。25行が2013年末の時点で不合格となり、自己資本不足は総額246億ユーロとなった。このうち12行は今年に入り150億ユーロの増資を実施した。いわゆる主要銀行で資本不足と判定された銀行はなかった。欧州銀行監督機構(EBA)もストレステストの結果を発表。123行中24行を不合格とした。内訳は、イタリアで9行、ギリシャで3行、キプロスで3行、ベルギーとスロベニアで2行、フランス、ドイツ、オーストリア、アイルランド、ポルトガルで各1行。

 ウクライナでは26日、総選挙を実施。日本時間の27日午後には大勢が判明する見通し。事前の世論調査によると、ポロシェンコ大統領が率いる「ポロシェンコ連合」など親欧米派が過半数を占めるのは確実な情勢。一方、選挙前には議会の多数派を占めていた親露派勢力は敗北するとの見方が強まっている。

週明けのドル円は、108円台前半でドル買い優勢の動き。一方、ユーロドルはストレステストの結果を受けて、ユーロ圏金融システム不安に対する懸念が後退し、1.27ドルちょうど近辺まで上昇。しかし、ウクライナ総選挙で親欧米派が勝利するとの見方から、ウクライナの緊張状態は続くとの見方が広がり、ユーロドルはウクライナ総選挙の投票終了後、1.26ドル台後半に下落した。

 10月上旬のような市場の極端なリスク回避姿勢はほぼ解消。ただ、米FOMCの結果を見極めたいとの思惑も強く、債券市場を中心に市場の慎重な姿勢は続いている。本日東京市場でのドル円は、引き続き方向感に乏しい展開が予想される。一方、ユーロはECBによる追加緩和観測を背景に上値の重い動きが見込まれ、アジア通貨は主だった経済指標の発表もないことから様子見姿勢の強い展開とな
りそうだ。