2014年12月4日木曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月3日)

原油価格はようやく下げ止まりの雰囲気。しかし、為替市場ではドル買いの動きが続いており、新興国通貨は買い戻し機運が強まりそうにありません。

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。前日に下げたRUBや中南米通貨が反発する一方、EMEA通貨は下落。新興国通貨全体では方向感に欠ける動きとなった。

 BRLは対ドルで0.6%の上昇。11月のブラジルHSBC総合PMIは48.1と2012年の統計開始以来最低を更新。同月同国の商品価格指数は前年比+9.46%と市場予想や前月を上回る伸びとなった。

 CLPは対ドルで0.6%の上昇。チリ中銀は会合議事録(11月18日開催分)を公表。金融政策の姿勢は8回の利下げを受けて中立に変わったと指摘され、追加利上げは現在のインフレを考慮すると合理的ではないとの見方も示された。

 PLNは対ドルで0.4%の下落。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を2.00%で据え置き。同中銀は声明で景気減速が確認されれば追加利下げの可能性は排除できないと指摘。ただ一方で、10月の利下げでディスインフレリスクが抑制されたとの認識も示された。

 HUFは対ドルで0.6%の下落。10月のハンガリー小売売上高は前年比5.2%増と市場予想を上回る伸び。ただHUF買いの動きはほとんど見られず、NY市場に入るとHUFは対ドルで軟調な動きが強まった。

 TRYは対ドルで0.5%の下落。11月のトルコCPIは前年比+9.15%と市場予想を上回り、2カ月連続の加速。一方でコアCPIは同+9.03%と前月並みの伸び。同月同国のPPIは同+8.36%と前月から鈍化。TRY売りの動きは限定的となった。

 RUBは対ドルで1.5%の上昇。11月のロシアHSBC総合PMIは47.6と4カ月連続の低下。12月1日までのロシアCPIは日次平均で前週比+0.060%と2週連続で加速した。ただRUBはロンドン市場中盤で反発。一部メディアはロシア中銀がRUB買い介入を実施した模様と報じた。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月3日)

ドル買いの動きは続いています。米経済指標をみる限り、米景気は拡大基調を維持。日本など他先進国の景気が冴えないだけに、とりあえずドルを買っておくのが無難、といったムードが強まっている気がします。

 12月3日のロンドン市場はドル高基調の展開。ドル円は119円台前半から119円台半ば近辺にじり高の動きとなった。東京市場で小幅低下した米債利回りは、ロンドン市場に入ると持ち直しの動き。欧州株、日経平均先物はともに小幅高。ドル円をサポートした。

 ユーロドルは1.23ドル台後半から1.23ドル台前半に下落。11月のスペイン総合PMIは53.8と9カ月ぶりの低水準に低下。同月のフランス、ドイツ両国の総合PMI(確報値)も速報値から下方修正され、10月のユーロ圏小売売上高は前年比1.4%増と市場予想を下回るなどユーロ圏景気の弱さを示す結果が相次いだ。

 一方、ポンドは底堅い動き。ポンドドルは取引前半こそ1.56ドル台後半から1.56ドル台前半に下落したが、その後反転し、引けにかけては1.56ドル台後半と、この日の高値を更新した。11月英総合PMIは57.6と市場予想や前月を上回る強い結果。英景気の拡大継続期待がポンドを下支えした。

 NY市場でもドルは底堅い動きとなった。NY市場取引前半は米債利回りが低下に転じたことから、ドル円は119円台半ば近辺から119円台前半に小幅低下する一方、ユーロドルは1.23ドル台前半でドル売り優勢の動き。その後発表された11月の米ADP雇用統計では民間雇用者数が20.8万人増と市場予想を下振れ。ドルの上値を重くした。しかし、11月の米ISM非製造業景況指数は59.3と市場予想を大きく上回り、3カ月ぶりの高水準を記録。ドル円は119円台後半と年初来高値を更新。ユーロドルは1.23ドルちょうど近辺に下落した。

 カナダドルは買い戻し優勢の動きとなった。原油価格は1バレル67ドル台で下げ止まり。カナダ中銀は市場予想通り政策院利を1.00%で据え置き。同中銀は声明で、景気回復の裾野が広がる兆候が出ているとし、輸出の伸びの影響が企業投資や雇用に波及し始めていると指摘。物価は予想を超えた上昇がおおむね一時的なものとの見解を維持した。原油価格の下落はインフレの下押し要因になるとしながらも、米経済が好調なことに加え、カナダドルの下落などで影響は緩和されるとの見方を示した。ドルカナダはカナダ中銀の政策金利発表前に1.13台後半から1.14台前半に急上昇したが、金利発表後は一転して、カナダドル買いが先行し、1.13台半ば近辺に急落。その後は1.13台後半でのもみ合いを続けた。

2014年12月3日水曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月2日)

12月2日はドル買いの動きが続き、新興国通貨は軒並み下落しました。ロシア・ルーブル(COP)は過去最安値を更新したほか、メキシコ・ペソ(MXN)、コロンビア・ペソ(COP)、チリ・ペソ(CLP)、ペルー・新ソル(PEN)といった中南米通貨も直近安値を更新。世界的なドル高ムードが強まっています。


 新興国通貨は対ドルで下落。米債利回りの上昇が嫌気された。

 SGDは対ドルで0.4%の下落。11月のシンガポール購買部景気指数は51.8と市場予想を上回り、ほぼ前月並みの結果。しかし同月同国の電子産業指数は50.6と市場予想を大きく下回り、6カ月ぶりの低水準に低下。シンガポール景気の先行き懸念を強めた。

 BRLは対ドルで0.4%の下落。10月のブラジル鉱工業生産は前年比3.6%減と市場予想を上回る落ち込み。同月同国のCNI設備稼働率は80.6%と4カ月ぶりの低水準に低下した。

 COPは対ドルで1.4%の下落。USD/COPは2009年4月以来となる2300台に一時上昇した。原油価格の下落でCOPは売りが先行する展開。コロンビア中銀のウリベ総裁はCOP安は原油安の影響を吸収する働きを持つと発言。同国カルデナス財務相はCOPが対ドルで2300台に下落したことは同国輸出業者にとって朗報であり、現時点でコロンビア経済の懸念ではないと発言。コロンビア当局のCOP安容認姿勢が改めて示された。

 ILSは対ドルで1.4%の下落。イスラエル中銀のフラッグ総裁は現在のILS安水準は同国経済にとってより好ましいものであると発言。ILSの下落基調を容認する姿勢を示した。イスラエルのネタニヤフ首相は政府の権限を明確にするため議会を解散すると発表した。

 RUBは対ドルで4.3%の下落。USD/RUBは一時54.1台まで上昇。過去最高値を更新した。一部メディアは米国務省高官の発言を引用し、ウクライナの親ロ派勢力が暴力行為を停止しない場合、米国のケリー国務長官が週内に欧州諸国とロシアに対する追加制裁について協議する見通しと報道。ロシアの資金繰り懸念が高まった。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月2日)

先週は低下基調で推移していた米債利回りは、今週に入ると一転して上昇基調で推移。米10年債利回りは2.28%台まで回復し、ドル買いの動きを後押ししています。


 12月2日のロンドン市場はドルが堅調に推移。ドル円は118円台前半から119円ちょうど近辺に上昇する一方、ユーロドルは1.24ドル台後半から1.24ドル台前半に下落した。米債利回りは小幅低下し、欧州株は伸び悩み。ただ原油価格は上値が重く、日経平均先物は小高く推移。ドル買いの動きをサポートした。

 NY市場でもドル買いの動きは継続。ドル円は119円ちょうど近辺から119円台前半へと2007年8月以来の高値を記録。一方でユーロドルは1.24ドル台前半から1.23ドル台後半に下落した。FRBフィッシャー副議長は一部メディアによるパネルディスカッションで事実上のゼロ金利政策を「相当な期間」維持するとの文言を削除する時期が近付いているとの認識を披露。最初の利上げの正確な日時は示せず、あくまで経済指標次第とも発言したが、同副議長の発言を受けて米債利回りは上昇。ドル買いの動きを後押しした。

2014年12月2日火曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月1日)

ロシア・ルーブル(RUB)は先週末の原油価格の急落を受けて過去最安値を更新。ルーブルは対ドルで60も視野に入ってきました。


 新興国通貨はマチマチの動き。ユーロと連れ高となる格好で東欧通貨は対ドルで底堅い動きとなった一方で、RUBは大きく下落。中南米通貨も軟調な推移となった。

 BRLは対ドルで小幅上昇。11月のブラジルHSBC製造業PMIは48.7と3カ月連続の低下。同月同国の貿易収支は23.5億ドルの赤字と市場予想ほど赤字額が拡大しなかったが、12カ月累計の貿易収支は15.7億ドルの赤字と2001年9月以来の赤字転落。ブラジルの対外収支の悪化懸念を強める内容となった。

 MXNは対ドルで小幅下落。10月のメキシコ海外労働者送金は前年比6.5%増と市場予想を上回る伸び。ただ、11月の同国IMEF製造業指数は53.0と市場予想を下回り、前月分も下方修正。原油価格は反発したものの、MXNは伸び悩んだ。

 PENは対ドルで0.3%の下落。11月のペルーCPIは前年比+3.16%と市場予想を下回り、前月比では-0.15%と3カ月ぶりのマイナス。ペルー中銀の利下げ観測を強めた。

 PLNは対ドルで0.4%の上昇。11月のポーランドHSBC製造業PMIは53.2と市場予想を大きく上回り、8カ月ぶりの高水準を記録。同指標発表後、PLNは買い優勢の動きが続いた。

 ZARは対ドルで0.6%の上昇。11月の南アフリカカギソPMIは53.3と市場予想を大きく上回り、昨年8月以来の高水準を記録。同国中銀は同国コアインフレは高止まったままであると指摘。緩やかながらも金融引き締めを続ける必要があるとの認識を示し、利上げはインフレ期待と賃金動向によるとした。

 RUBは対ドルで4.2%の下落。USD/RUBは一時53.9台まで急騰し、過去最高(RUBは過去最安値)を更新。一部メディアはロシア中銀が介入した模様と報じた。11月のロシアHSBC製造業PMIは51.7と市場予想に反し前月から上昇。しかし先週末の原油価格の急落を受けてRUBは売り先行の展開となった。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月1日)

NY連銀のダドリー総裁の発言を受けて米債利回りは上昇。しかしドル円は上値が重いまま。本日もドル円の上値は重くなりそうです。


 12月1日のロンドン市場はムーディーズが日本国債を格下げしたことで円買いが先行。ドル円は格下げ発表直後こそ118円台後半から119円台前半に急上昇したが、その後、118円ちょうど近辺まで急落。円買い一巡後は118円台半ば近辺まで反発した。ムーディーズは、日本の長期国債格付けを「Aa3」から「A1」に1段階引き下げたと発表。理由として、財政赤字削減目標の達成可能性に不確実性が高まったほか、デフレ圧力の下で成長戦略のタイミングと有効性に対する不確実性が高まったと指摘した。同社による日本国債の格下げは2011年8月以来、3年4カ月ぶり。これによりムーディーズによる日本国債の格付けはフィッチと並んだ。

 一方、ユーロは底堅い動きとなった。取引序盤のユーロドルは1.24ドル台半ば近辺から1.24ドル台前半に下落。その後、1.24ドル台後半に反発したが、11月のドイツ製造業PMI(確報値)は49.5と市場予想に反し速報値から下方修正され、昨年6月以来の低水準。これを受けてユーロドルは1.24ドル台前半に反落したが、フランスなど他ユーロ圏各国の製造業PMIは前月から改善。ユーロ圏製造業PMIは速報値から下方修正されたが、修正幅が小幅だったこともあり、ユーロ売りの動きは広がらず。取引後半のユーロドルは1.24ドル台後半での推移となった。

 ポンドは上昇基調で推移。ポンドドルは取引前半に1.56ドル台前半から1.56ドルちょうど近辺に下落したが、その後は上昇基調が続き、引けにかけては1.57ドル台前半まで上昇した。10月の英住宅ローン承認件数は5.94万件と前月から減少したが、市場予想を上回る水準。11月の英製造業PMIは53.5と市場予想に反し前月から上昇。ポンド買いの動きをサポートした。

 NY市場ではドルの上値が重い動きとなった。ロンドン市場でもみあいが続いた米債利回りは、NY市場に入ると低下基調で推移。米国株も取引序盤に下げ幅を広げる動きとなったことで、ドル円は118円台半ば近辺から下落し、取引中盤には118円割れとなった。しかし、その後発表された11月の米ISM製造業景況指数は58.7と前月から小幅低下したが、市場予想を上回る結果。景気の先行指数とされる新規受注が66.0と前月から上昇したほか、NY連銀のダドリー総裁が来年半ばの利上げが好ましいと発言したことも材料視され、米債利回りは一転して上昇基調で推移。しかしドル円は118円台前半で上値の抑えられる動きが続いた。

 一方、ユーロドルは取引前半に1.24ドル台前半から1.25ドルちょうど近辺に上昇。中盤以降は米債利回りの上昇を受けて伸び悩み、1.24ドル台後半から1.25ドルちょうど近辺で方向感に欠ける動きとなった。

 カナダドルは上昇基調で推移。ドルカナダは1.14ちょうど近辺から1.13台前半に下落した。11月のカナダ製造業PMIは55.3と前月から変わらずだったが、原油価格の反発を受けて、カナダドルは買い戻しの動きが続いた。