2014年12月20日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月19日)

 クリスマス休暇を前に米国株は様子見姿勢が強まりましたが、市場のリスク回避姿勢はかなり後退した様子。FOMCを機に来年半ばの米利上げは確度が高くなったとの見方が、ドル買いの動きをサポートするでしょう。一方、ECBは来年1月にも追加緩和に動くとの見方が強まっており、日銀も出口戦略どころか追加緩和が意識されています。来週は欧米勢がクリスマス休暇に入り、動意も乏しくなるでしょうが、ドルが底堅く推移する一方で、円、ユーロは売り優勢の展開となりそうです。

※チャートは19日のドル円の推移です。


 12月19日のロンドン市場はドルが底堅く推移。ドル円は119円台前半から119円台半ば近辺に上昇。一方、ユーロドルは取引序盤に1.23ドルちょうど近辺に上昇したが、その後は1.22ドル台半ば近辺までじり安の動きとなった。欧州株は小幅プラスで始まったものの、その後は伸び悩み。米債利回りも上値の重い動きとなったが、原油先物価格は下げ止まり。来年半ばの米利上げ期待を背景にドルは買い優勢の動きとなった。

 NY市場は取引前半にドル売りの動きが強まったが、中盤以降は一転してドル買い優勢の展開となった。この日は米経済指標の発表がなく、クリスマス休暇を控え、市場は様子見姿勢が徐々に強まる雰囲気。取引前半は米国株が前日終値水準で伸び悩んだほか、米債利回りが長期ゾーン中心に低下基調で推移したことから、ドル売りの動きが強まる動き。ドル円は119円台半ば近辺から118円台後半に下落する一方、ユーロドルは1.22ドル台半ば近辺から1.23ドルちょうど近辺に反発した。ただ取引中盤に入ると米短期債利回りや原油先物価格が上昇。ドル円は119円台後半まで上昇し、ユーロドルは1.22ドル台前半に下落した。取引後半には原油先物価格が上昇基調で推移したことを受け、米国株が上げ幅を広げる動きもみられたが、週末を前に市場は様子見姿勢が強まる展開。ドル円は119円台後半、ユーロドルは1.22ドル台前半でのもみ合いが続いたが、ドル円は引けにかけて119円台半ば近辺に小幅下落した。

 ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は声明で、FOMCが低インフレに対応しなかったことは、日本や欧州で見られたようなインフレと長期インフレ期待値に有害な押し下げ圧力をもたらすリスクがあると指摘。1~2年先のインフレ見通しが目標値の2%を下回っている限り、FOMCは利上げする意向がないことを示すべきだったとした。

 サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は一部メディアとのインタビューで、FOMC声明の表現の変化は、金融政策が正常化に近づいている現在、自然な展開だと発言。政策正常化を検討する時期に近づいており、これは橋渡しだと考えられるとした。

 カナダドルは軟調な動き。ドルカナダは取引前半に1.16ちょうど近辺から1.16台前半に上昇。ただ後半には1.16ちょうど近辺に値を戻した。11月のカナダCPIは前年比+2.0%、コアCPIは同+2.1%とともに市場予想を下回り、前月から鈍化。同時に発表された10月のカナダ小売売上高は前月比横ばいと市場予想に反しマイナスを回避したが、コア指数は同0.2%増と市場予想通りの弱い伸び。カナダ中銀による利上げ期待を後退させた。

 日本では26日に11月CPIが発表されるが、コアCPIは前年比+2.7%に鈍化する見込み。12月の東京コアCPIの伸びも鈍化傾向が続く見込みで、日銀の追加緩和観測を強めると思われる。また11月の鉱工業生産は前月比+0.9%と回復力は力強さを欠く結果となる見込み。第4四半期の日本成長率は(さすがに)プラスに転ずると思われるが、低迷からの早期脱却は期待しにくい。

 米国では第3四半期GDP(確報値)、11月耐久財受注、12月ミシガン大消費者信頼感(確報値)、11月の個人支出、新規失業保険申請件数と、注目される指標が週前半に発表される。市場参加者が少なくなることもあって、指標の予想外の動きには注意が必要だろう。

よい週末をお過ごしください。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月19日)

 新興国通貨はこの日も対ドルでマチマチ。東欧通貨が3日続落となる一方で、中南米通貨は続伸となった。

 BRLは対ドルで小幅上昇。11月のブラジル経常収支は93.3億ドルの赤字と市場予想を上回り、GDP比では4.1%の赤字と2001年12月以来、最高を記録。一方、同月同国の対内直接投資は46.4億ドルに留まり、ブラジルの対外収支の悪化が進展していることが明らかとなった。

 MXNは対ドルで小幅下落。11月のメキシコ失業率は4.71%と市場予想ほどの改善とならず。メキシコ中銀は会合議事録(12月5日開催分)を公表。金利据え置きは全会一致でメンバーの過半は第3四半期のメキシコ景気は緩やかに拡大していると指摘した。ただ同国経済には依然としてスラックが残っており、原油生産の減少で景気悪化リスクが高まっているとも指摘。メンバー全員は2015年にインフレが低下するとの見通しを示した。

 COPは対ドルで1.2%の上昇。コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を4.50%で据え置き。決定は全会一致だった。同中銀のウリベ総裁はCOPは大きく下落しており、ドル買い介入を実施することはないだろうと発言。第3四半期成長率は当初の見込みから低下するとの見方を示した。

 RUBは対ドルで3.4%の上昇。USD/RUBは60を割り込んだ。ロシア中銀による大幅利上げの影響で銀行間市場での短期資金のひっ迫が悪化。RUB需要が強まった。

2014年12月19日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月18日)

市場のリスク回避姿勢は後退しましたが、原油価格は上値が重いまま。本日は慎重な姿勢が強まりそうです。


 12月18日のロンドン市場は取引序盤こそドル買いの動きが強まったが、その後のドルは方向感に欠ける動きとなった。ドル円は取引序盤に118円台後半から119円ちょうど近辺に上昇。スイス中銀がマイナス金利の導入を発表したことでドル買い・スイスフラン売りの動きが加速。ドル買いの動きが対円、対ユーロなどにも広がった。しかし、その後、米債利回りが低下すると、ドル買いの動きは後退し、ドル円は118円台前半に下落。取引後半は米債利回りが持ち直したことから118円台後半での推移となった。

 ユーロドルは取引序盤に1.23ドル台前半から1.22ドル台後半に下落。しかし、その後は1.23ドル台前半での推移となった。12月のドイツIFO景況感調査は105.5と2カ月連続の上昇。10月のユーロ圏建設支出は前年比1.4%増と前年越えに回復。ユーロの下値を堅くした。

 ポンドは上昇基調で推移。ポンドドルは1.55ドル台後半から1.56ドル台後半に上昇した。11月の英小売売上高は前年比6.4%増と市場予想を大きく上回り、2004年5月以来の高い伸び。BOE利上げ期待を強め、ポンドは買い優勢の動きが続いた。

 NY市場では取引前半にドルが買い戻されたが、中盤以降はドル買いの動きが一服した。米新規失業保険申請件数は28.9万件と市場予想を下回り、10月最終週以来の29万件割れ。米雇用環境の改善を受け米債利回りは上昇。ドル円は118円台後半から119円台前半に上昇する一方、ユーロドルは1.23ドル台前半から1.22ドル台後半に下落した。しかし取引中盤に発表された12月のフィラデルフィア連銀景況指数は24.5と市場予想を下振れ。米債利回りの上昇が止まったほか、プラスで始まった米国株も伸び悩みに。ドル円は118円台後半に下落し、ユーロドルは1.23ドルちょうど近辺に反発した。取引後半は円売りの動きがやや強まり、ドル円が119円ちょうど近辺に上昇する場面もあったが、取引終盤には再び118円台後半に失速。ユーロドルは1.22ドル台後半でのもみ合いとなった。

 日本の一部メディアは政府・与党が2015年度の法人税実効税率の下げ幅を2.4%前後とする方向で調整していると報道。赤字の大企業への課税強化などで財源を確保する方針だが、まずは減税を先行させる。15年度の企業負担は全体で2~3千億円程度軽くなる見通し。財源の柱は、赤字企業も課税される外形標準課税の拡充。大企業の法人事業税に占める外形課税の割合を現在の4分の1から2分の1に拡大する。欠損金の繰り越し控除制度も縮小する。

 欧米株は大きく上昇するなど、市場のリスク回避姿勢は後退。ただ原油先物価格は上値が重いままで、原油価格の先行き不透明感は強いまま。本日東京市場でのドル円は慎重な値動きが続くと思われる。なお本日は日銀が金融政策決定会合の結果を発表するが、日銀短観に大きな変化が見られなかったこともあって、景気の基調判断、金融政策ともに現状維持となる見込み。原油安に関する黒田総裁の見解が注目される。ユーロはECB緩和期待やスイスのマイナス金利導入の影響もあって上値の重い動きが続く見込み。アジア通貨は市場のリスク回避姿勢の後退を背景にIDR、INR中心に対ドルで買い戻し優勢の動きが期待される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月18日)

 新興国通貨はこの日も対ドルでマチマチ。東欧通貨が続落となる一方で、中南米通貨は買い優勢の動きとなった。

 TWDは対ドルで0.3%の下落。台湾中銀は市場予想通り政策金利を1.875%で据え置き。同中銀はGDPギャップは依然としてマイナスのままで、インフレ見通しは緩やかなものであるとの認識を示した。同中銀の淮南総裁は、ロシア金融市場の動揺による影響に台湾は対処できると指摘。石油価格の下落による世界的な成長加速、台湾の経常黒字や大規模な外貨準備、金融政策の柔軟性を要因として挙げた。

 MXNは対ドルで0.2%の下落。10月のメキシコ小売売上高は前年比5.6%増と市場予想を上回り、2012年3月以来の高い伸びを記録。メキシコ景気の先行き期待を高めた。

 PLNは対ドルで0.9%の下落。ポーランド中銀は会合議事録(12月3日開催分)を公表。同会合では100bpの利下げが提案されたが反対多数で否決。25bp、50bpの利下げ提案も反対6賛成4で否決された。議事録では追加利下げは借り入れ方を促す恐れがあるとの指摘もあった。

 ZARは対ドルで0.4%の上昇。11月の南アフリカPPIは前年比+6.5%と市場予想通り。ただ前月比は横ばいとなった。

 ILSは対ドルで0.2%の下落。10月のイスラエル製造業生産は前月比1.2%減と3カ月ぶりのマイナス。前月分も下方修正された。

 RUBは対ドルで0.4%の下落。RUBの値動きは不安定なままだった。12月12日時点のロシア金・外貨準備は4146億ドルと前週から16億ドル減少し、2009年9月以来の低水準に落ち込んだ。ロシアのプーチン大統領は年末の年次記者会見を実施。同大統領は、経済問題について、ロシア中銀・政府は適切な措置を講じており、外貨準備を無駄に使うことはないと発言。現在の好ましくない状況はあと2年続く可能性はあるが、いずれ急速に改善するとも述べたが、RUB防衛策について具体的な言及はなかった。

沖縄県警浦添署が酒に酔って路上で寝てしまう「路上寝」を減らそうと「路上寝イエローカード」を作り、忘年会季節の今月から道路で寝ている人へ配布を始めたそうです。カードには署員が撮影した路上寝の写真が添付されるそうです。沖縄県警浦添署の意気込みが伝わりますね。

2014年12月18日木曜日

12月FOMCの真意はクレディビリティ(信頼)の確保

 日本時間12月18日の早朝に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)の声明は、タカ派から2名、ハト派から1名の計3名の反対が出たものの、来年半ばとみられる利上げ開始に向けた地ならしが進められたとの印象を与えた。

 同声明では、事実上のゼロ金利を「相当な期間」維持するとしていた文言が修正され、利上げ決定には「辛抱強い」アプローチが必要とする表現が登場。同時に発表された利上げ開始時期予想でも、予想参加者17名中15名が2015年の開始を予想した。

 ただ一方で、2014~17年FOMC経済見通しでは、PCEインフレが9月の公表値から若干ながら下方修正。中央値でみた場合、2017年末でも目標の2%に届かない予想となっている。しかし声明では、12月に急進展した原油価格の下落がインフレ抑制の要因となっていると指摘しつつも、労働市場のさらなる改善とエネルギー価格の下落の効果が消えれば、インフレは緩やかに2%に近付くとの見方を示した。

 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は、声明発表後の会見で「辛抱強い」は、少なくとも2会合のうちに利上げする可能性が低いことを意味すると言明。一部で期待されていた来年1-3月期の利上げ開始を否定した。しかし一方で、今回の声明は前回の声明でのガイダンスと整合的で政策意図の変更はないと述べ、利上げの準備を進めている印象を与えた。

 また同議長は原油安について、石油産業などでの設備投資を抑制するものの、家計の実質購買力を高めるだけでなく、依然として石油輸入国であるだけに交易条件面でのプラスもあるという意味で、総じて見ればプラスの効果があるとの見方を示した。

 来年のFOMCは1月、3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月の計8回。イエレン議長が言うように、1月と3月の利上げ開始の可能性が低いのであれば、利上げ開始は早くて4月となるが、4月はFOMC後の会見が予定されていない。イエレン議長は、政策変更は会見が予定されている会合のみしかないとの見方を強く否定したい、と述べたが、彼女は以前から市場とのコミュニケーションを重視する姿勢を示していたのも事実。普通に考えれば、会見のない4月の利上げ開始は考えにくく、市場が見込むように6月の利上げ開始を見込むのが自然となる。

 足元では原油急落によるインフレ圧力の低下懸念や、ロシアの(事実上の)経済危機など、来年半ばの利上げ開始を疑問視する見方をサポートする材料も少なくない。ただ、いろいろと回りくどい表現や言い訳を使いながらも、イエレン議長は来年半ば(6月)をターゲットとした利上げ開始の意図を今回も明らかにしたと考えていいだろう。それは、市場がFRBに対して抱くクレディビリティ(信頼)を確保するためには当然の行為と思われる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月17日)

原油価格が下げ止まったところでの米FOMC。FRBイエレン議長は来年半ばあたりの利上げに前向きな姿勢を示す一方で、利上げ幅を25bpにこだわらない姿勢も示し、市場のリスク姿勢は後退。やはり、イエレンは市場参加者の誘導が上手ですね。本日東京市場でも市場のリスク回避姿勢は後退したままでしょう。

※チャートはドル円とダウ30種平均(黄色)です。FOMC後に上げた後に下げていますが、イエレン議長会見後は再び買い優勢となっています。

 12月17日のロンドン市場はドルが底堅く推移。ドル円は117円台前半で方向感に欠ける動きが続いたが、ユーロドルは1.24ドル台後半から1.24ドル台半ば近辺へとじり安の動きとなった。欧州株はマイナス圏で推移したものの、日経平均先物は小高く推移。米債利回りは上昇基調で推移し、ドル買いの動きをサポートした。

 ポンドは上値が抑えられる動き。ポンドドルは取引前半に1.57ドル台前半から1.56ドル台後半に下落。中盤には1.57ドル台前半に反発したが、後半は伸び悩んだ。BOEは会合議事録(12月4日開催分)を公表。政策金利の据え置き決定は賛成7反対2によるもので、反対2名(ウィール委員とマカファティー委員)は利上げを主張。11月会合と同じ構図だった。政策当局者らは、11月の想定よりも原油価格が急落したと指摘。12月のインフレ率は1%を下回り、従来の想定よりも低い水準で推移する可能性があるとした見解が示された。また金利据え置きを主張した委員からは2%のインフレ目標を達成するためには賃金の伸び加速が必要との見解を示した。委員会では、メンバーの間でリスクに関する認識に食い違いがみられたものの、11月の議事録のような「幅広く見解が分かれた」との表現は、今回の議事録には盛り込まれなかった。なお同時に発表された11月の英失業保険申請件数は2.69万件の減少と市場予想を上回る減少。10月の英週平均賃金は前年比1.4%増と市場予想を上回る伸びとなりポンドをサポートした。

 NY市場もドル買い優勢の展開となった。11月の米CPIは前年比+1.3%、コアCPIは同+1.7%といずれも市場予想を下回る伸び。同指標を受けて米債利回りは低下。ドル円は一時116円台後半に落ち込んだが、その後再び117円台前半に反発した。一方、ユーロドルは1.24ドル台半ば近辺でのもみ合いが続いた。取引中盤に入り、米債利回りが持ち直すと、ドル円は117円台前半でじり高の動き。ユーロドルは1.24ドルちょうど近辺に急落した。ユーロはECBクーレ専務理事が一部メディアとのインタビューで、インフレを押し上げ、景気を支援するために一段の措置が必要であるとの広範な合意が理事会内で醸成されていると述べたことが材料視された。取引後半に入り米国株が底堅い動きを示すと米債利回りもロンドン市場引け水準まで反発。ドル円は117円台後半まで上げた後、FOMC発表前には117円台半ば近辺での推移。ユーロドルは1.24ドル台前半でのもみ合いとなった。なおギリシャ議会は大統領選出のための第1回投票を実施。連立与党が推すディマス元欧州委員への賛成票は160票にとどまり、選出に必要な200票は得られなかった。

 FRBはFOMCの結果を公表。FFレートの誘導目標は0.00~0.25%のレンジで据え置かれた。声明では事実上のゼロ金利政策を「相当の期間」続けるとの表現が残された一方で、利上げが開始できる状態になるまで「忍耐強く待つ(be patient)」との表現も追加された。米景気については緩やかなペースで拡大を続けていると指摘。雇用情勢の改善も進んだとした。一方で、インフレについては原油価格の下落を受けてFOMCの目標水準を下回っていると指摘した。ただ労働市場の改善がより進み、エネルギー安の効果が消えればインフレは2%の伸びに緩やかに近づくとの認識も示した。ダラス連銀のフィッシャー総裁はFFレートの据え置きに反対。ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は2%のインフレに近づくだろうとする判断はインフレ期待の低下などを理由に信任を低下させるとして反対。フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は利上げが開始できる状態になるまで「忍耐強く待つ」との表現を盛り込むことで利上げ開始時期に関するガイダンスを強調することに反対した。

 FOMC参加者による金利見通しは以下の通り。

ゼロ金利解除予測 ()は前回
15年 15人(14)
16年 2人(2)
計17人(16人)

*2015年末の金利見通し
0.125%・2人
0.625%・2人
0.875%・4人
1.125%・3人
1.625%・2人
1.875%・4人
計 17人

 FRBイエレン議長はFOMC後の会見で、利上げ開始時期に関するガイダンスの表現の修正は政策方針の変更を意味しないと発言。少なくとも今後数回のFOMC会合で金利の正常化を開始する可能性は低いとしながらも、参加者のほとんどは2015年の利上げ開始を想定していると述べた。なお、「今後数回」の意味として同議長は2回であると明言。第1四半期の利上げ開始を事実上否定した。また同議長は人々が25bpの利上げペースを望んでいない可能性があるとも述べた。

 FOMC声明発表直後のドル円は117円台半ばで上下動した後に117円台前半に下落。ユーロドルは1.24ドル台半ば近辺に上昇した。しかしイエレン議長が会見で来年の利上げ開始に前向きな姿勢を示すと、ドル買いが先行。ドル円は118円台半ば近辺に上昇する一方、ユーロドルは1.23ドル台前半に下落。ただ同議長が利上げペースを25bpよりも小幅にする可能性に言及すると、ドル買いの動きは一服。ドル円は118円台前半に下落し、ユーロドルは1.23ドル台後半に反発したが、その後は再びドル買い優勢となり、ドル円は118円台後半に上昇。ユーロドルは1.23ドル台前半に下落した。

 FRBイエレン議長の会見で、来年半ばあたりの利上げ開始がかなり織り込まれた様子。一方で、利上げペースが25bpではない可能性も示されたことを米国株式市場は好感。原油価格の下げ止まりが鮮明になってきたこともあって、市場のリスク回避姿勢は後退した感が強い。本日東京市場でのドル円はFOMC後の勢いを受け継ぎ、底堅く推移すると思われる。一方、ユーロドルはECBが来年早々に国債買い入れに踏み切るとの思惑もあって売り優勢の動きが続く見込み。アジア通貨は市場のリスク回避姿勢の後退を受けて対ドルで底堅い動きとなりそうだ。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月17日)

ロシアルーブルは大きく反発しましたが、よくよく考えれば、まだ1ドル60ルーブルを超えたままです。


 新興国通貨はこの日も対ドルでマチマチ。東欧通貨が対ドルで下落する一方、RUBは大幅反発。中南米通貨も対ドルで上昇した。

 BRLは対ドルで0.9%の上昇。12月のブラジルIGP-M(改定値)は前月比+0.65%と市場予想を下振れ。新しく財務相に就任する予定のブラジルのレヴィ氏は現地テレビでのインタビューで増税を検討する可能性や歳出削減の必要性を強調するなど、財政規律を強化する姿勢を示した。

 CZKは対ドルで1.6%の下落。チェコ中銀は市場予想通り政策金利、CZKの対ユーロ上限のいずれも据え置き。同中銀はCZKの対ユーロ上限は2016年まで継続されるだろうとし、仮にデフレリスクが再び強まるようならCZKの対ユーロ上限水準を変更することを検討するとの意向も示した。

 PLNは対ドルで1.8%の下落。11月のポーランド鉱工業生産販売は前年比0.3%増と市場予想を下回る伸び。11月の同国PPIは同-1.6%と市場予想を上回る落ち込みとなった。

 ILSは対ドルで0.8%の下落。12月のイスラエル予想CPIは前年比+0.6%と前月から鈍化。11月の同国M1は前年比32.8%増と前月から加速した。

 RUBは対ドルで9.6%の上昇。原油価格の下げ止まりでRUBを買い戻す動きが先行し、USD/RUBは一時60ちょうど近辺まで下落した。ロシア中銀はRUB急落を受けて銀行システム安定化措置を発表。時価会計の一時的免除や、リスク加重資産の評価で7-9月期の為替レート採用を銀行に認めることなどを発表した。11月のロシア可処分所得は前年比4.7%減と8カ月ぶりの大幅減。一方、同月同国の実質小売売上高は同1.8%増と市場予想を上回った。12月15日までの同国週次CPIは日次平均前月比+0.051%と前週より小幅加速した。

今朝は部屋の窓を閉めておきましたが、やはり寒かったです。

2014年12月17日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月16日)

ドル円は一時115円台半ば近辺まで下落。原油価格の反発で117円台前半に戻しましたが、本日も下値を試す動きが続きそうです。


 12月16日のロンドン市場はドル売り・円買いの展開。ドル円は117円台半ば近辺から取引中盤には116円台前半に下落。取引後半には116円台後半に反発したが、引けにかけては116円台半ば近辺に下落した。取引前半は欧州株、日経平均先物がともに小幅ながらマイナス圏に下落。米債利回りも低下しドル円を下押しした。取引中盤に入り欧州株がプラス圏に浮上し、米債利回りも反転の動き。ドル買い戻しの動きをサポートしたが、原油先物価格の下落は止まらず、市場のリスク回避姿勢は継続。円買いの動きが大きく後退することはなかった。

 一方、ユーロドルは1.24ドル台前半から取引後半には1.25ドル台前半に上昇。終盤にかけて1.25ドルちょうど近辺に反落したが、引けにかけては1.25ドル台前半に再浮上した。12月のドイツ製造業PMIは51.2と市場予想を上回り、同月同国のZEW景況感指数も34.9と市場予想を上回る好結果。ユーロかいの動きを後押しした。

 ポンドも上昇。ポンドドルは取引序盤に1.56ドル台後半から1.56ドル台前半に下落したが、英CPIの結果発表後、上昇基調で推移。1.57ドル台前半まで上昇した。11月の英CPIは前年比+1.0%と市場予想を上回る鈍化。10月の英住宅価格も同+10.4%と市場予想を下回る伸びとなった。両指標発表直後、ポンドは売りの反応がみられたが、その後はポンドも対ドルで上昇基調が続いた。

 NY市場は取引前半こそドル売り・円買いの流れが続いたが、取引中盤には原油先物価格が下げ止まり、市場のリスク回避姿勢は一服。一転してドル買い戻しが優勢となった。取引前半にドル円は116円台半ば近辺から115円台半ば近辺に下落。一方、ユーロドルは1.25ドル台前半から1.25ドル台後半に上昇した。取引中盤に入り、1バレル53ドル台まで下落した原油先物価格は57ドル台まで反発。下落して始まった米国株もプラス圏に浮上し、米債利回りも下げ渋る動きとなった。これを受けてドル円は117円台後半に反発する一方、ユーロドルは1.24ドル台後半に下落。ただ、取引後半には原油先物価格は56ドルちょうどを挟んで方向感に欠ける動き。ドル円は117円台前半で動意に欠ける動きとなった。ユーロドルは一時1.25ドルちょうど近辺に反発したが、その後は同水準を下回る水準での推移となった。

 11月の米住宅着工件数は102.8万戸、同月同国の住宅建設許可件数は103.5万戸といずれも市場予想を下振れたが前月分は上方修正。市場の反応は限定的だった。

 カナダドルは小幅上昇。ドルカナダは1.16台後半から1.16台前半に下落した。10月のカナダ製造業売上高は前月比0.6%減と市場予想を上回る落ち込み。ただ原油価格が下げ止まったことでカナダドルは買い戻された。

 原油価格が反転したことで過度なリスク回避姿勢は一服。しかし需給両面ともに原油価格の上昇継続を期待するのは難しい状況で、引き続き市場は慎重な姿勢を続けると思われる。前日海外市場の下げでドル買い(ロング)ポジションの調整はだいぶ進んだようにも思えるが、日本時間明日早朝には米FOMC結果発表も控えており、大きな動きは取りにくい。本日東京市場でのドル円は様子見姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはドルが軟調ということもあって対ドルでは底堅い動きが続く見込み。アジア通貨はKRWが底堅く推移する一方、INRは引き続き軟調な推移となりそうだ。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月16日)

ロシア・ルーブル(RUB)は大幅利上げにもかかわらず売りが先行。どこまで下がるか見極めるのが非常に難しいです。ロシアはなんらかの資本規制を導入せざるを得ないだろう、と勘繰っています。

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。RUB、BRL、INRが下落する一方、ILS、TRYなどは上昇した。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅下落。11月のインドネシア自動車販売は前年比18.4%減(前月比13.4%減)と大きく落ち込み。同時に発表された同月同国の二輪販売も同様の結果となり、インドネシア景気の先行き懸念を強めた。

 BRLは対ドルで1.6%の下落。USD/BRLは一時2.76ちょうど近辺と2005年3月以来のBRL安水準まで上昇した。ブラジルFIPE消費者物価(週次)は前月比+0.51%と市場予想を下振れ。ブラジル中銀のトンビニ総裁は過去12カ月のインフレは依然として加速気味で来月にインフレが加速しても不思議ではないと発言。

 PLNは対ドルで0.3%の下落。11月のポーランドコアCPIは前年比+0.4%、同月同国の平均総賃金は同2.7%増といずれも市場予想を下振れ。ポーランド中銀のホイナ(Chojna)委員はPLN水準は同中銀による利下げの必要性がないことを示していると述べる一方、ロシアの先行き不透明な状況に対しては警戒を続けるべきとの見方を示した。

 HUFは対ドルで0.7%の下落。ハンガリー中銀は市場予想通り政策金利を2.10%で据え置き。同中銀は声明でインフレ見通しを今年は従来の+0.1%から-0.2%に、来年は従来の+2.5%から+0.9%にそれぞれ下方修正。成長率見通しについては今年は3.3%で据え置かれたが、来年は2.3%に下方修正された。

 RUBは対ドルで5.4%の下落。USD/RUBはBloombergによるとNY市場取引序盤に79.1台に大きく上昇した。ロシア中銀は日本時間朝方に政策金利を650bp引き上げ17.00%にすると発表。これを受けてRUBは上昇して始まったが、原油価格の下落とともに再び売り優勢の動きとなった。ロシアのウリュカエフ経済相はRUB相場の現状は極めて厳しいとの認識を示し、外貨流動性の追加供給を計画しているが、通貨統制は検討していないと明言した。


なんか今朝は寒いなと思っていたら、部屋の窓が開いていました。

2014年12月16日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月15日)

 12月15日のロンドン市場はドル買い優勢の展開。ドル円は118円台前半から118円台後半に上昇した。欧州株や日経平均先物は小幅ながらプラス圏での推移。東京市場取引終盤に低下した米債利回りは一転して上昇基調で推移。ドル買いの動きをサポートした。

 一方、ユーロドルは取引序盤に1.24ドル台半ば近辺から1.24ドル台後半に上昇したが、その後は一転して下落基調での推移。引けにかけては1.24ドル台前半でのもみ合いとなった。ギリシャ議会による大統領選が難航するとの見方から、解散総選挙を通じ反緊縮政権が誕生するとの懸念が台頭。一部イタリア紙は前回のECB会合でECBが1兆ユーロのバランスシート拡大に対し6~7名の反対が示されたと報道。オーストリア中銀のノボトニー総裁はエネルギー価格が低下する中でECBが引き締め効果をもたらす政策をとる意向はないと発言したこともユーロの重石となった。ムーディーズはオーストリアの格付けを最上級の「Aaa」で維持し、格付け見通しを「安定的」とした。

 NY市場は円買い先行の展開となった。取引序盤はドル買い優勢のナカ、ドル円は119円ちょうど近辺まで上昇。しかし12月のニューヨーク連銀製造業景況指数は-3.58と市場予想に反し昨年1月以来のマイナスを記録。ドル円は118円台後半に小幅下落した。ただ、その後発表された11月の米鉱工業生産は前月比+1.3%と市場予想を上回り、同月同国の設備稼働率は80.1%と2008年3月以来の80%台を記録。ドル円は118円台後半を維持したが、取引中盤に入ると原油先物価格が下落基調で推移。米債利回りが低下し、プラスで始まった米国株もマイナス圏に落ち込むなど市場のリスク回避姿勢が強まる展開となり、ドル円は117円台後半に下落。米国株の下げ止まりを受けて、取引後半にドル円は118円台前半に反発したが、終盤にかけて再び117円台後半に下落した。

 日本の一部メディアはWEBサイトにて日本政府・与党が法人実効税率を2015年度に2.5%程度引き下げる調整に入ったと報道。ただ市場の反応は限定的だった。

 一方、ユーロは取引中盤まで1.24ドル台前半での推移。後半に入ると1.24ドル台後半に上昇する場面もあったが、ユーロ買いの動きが続くことはなく、取引終盤には再び1.24ドル台前半での推移となった。イタリア中銀のビスコ総裁は原油価格の下落はこの先数カ月のデフレリスクを高めるだろうが、ECBのサポートがそれを抑制すると発言した。

 カナダドルは原油先物価格の下落を受けて下落基調で推移。ドルカナダは1.15台後半から1.16台半ば近辺に上昇した。11月のカナダ中古住宅販売件数は前月比横ばいと伸び悩み。カナダ住宅市場の拡大期待を後退させた。

 原油先物価格は下げ止まらず、米国株は上値が重いまま。12月のニューヨーク連銀製造業景況指数が予想外のマイナスとなったことも市場のリスク回避姿勢を強める一因とも思われる。本日は日本株が大きく下げて始まる見込み。本日東京市場でのドル円は円買い優勢の動きが続きそうだ。一方、ユーロはギリシャ政局不安などが重石となる見込みだが、対ドルでは底堅い動きとなる見込み。アジア通貨は世界景気の先行き不透明感を背景に対ドルで軟調な推移が予想される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月15日)

 新興国通貨は対ドルで下落。RUBはこの日も過去最安値を更新。TRY、BRL、ZARなども対ドルで1%超の下落となった。

 PHPは対ドルで0.2%の下落。10月のフィリピン海外送金は前年比7.0%増と市場予想を上回る伸び。フィリピン内需拡大期待をサポートした。

 BRLは対ドルで1.6%の下落。USD/BRLは2.70ちょうど近辺までBRL安が進んだ。12月のブラジルIGP-10は前月比+0.98%と市場予想を上回る伸び。10月のブラジル経済活動指数は前年比-1.18%と市場予想上回る落ち込みとなった。ブラジル中銀の週次サーベイでは来年末のUSD/BRL見通しが2.72に上方修正。一方、GDP成長率や鉱工業生産は下方修正された。

 COPは対ドルで1.0%の下落。第3四半期のコロンビアGDPは前年比4.2%増と市場予想通りの伸び。ただ製造業と鉱業は2期連続の前年割れだった。

 TRYは対ドルで3.0%の大幅下落。USD/TRYは一時2.39台と過去最高(最TRY安)を更新した。トルコ警察当局はエルドアン大統領と対立関係にあるギュレン氏を支持するジャーナリスト、警察関係者ら少なくとも27人を拘束。トルコ現地メディアによると、容疑は「国家主権の掌握を試みる犯罪組織設立」のための「脅迫」や「中傷」。トルコ政局不安を背景にTRYは下落基調での推移が続いた。

 CZKは対ドルで0.2%の下落。10月のチェコ経常収支は51.5億コルナの黒字と市場予想に反し5カ月ぶりの黒字を記録。第一次所得収支の赤字額が前月から大きく縮小したことで経常収支が黒字に転じた。

 PLNは対ドルで0.2%の下落。10月のポーランド経常収支は4.35億ユーロの赤字と市場予想を上回る赤字。11月の同国CPIは前年比-0.6%と市場予想を上回る落ち込み。ポーランド中銀による追加利下げ観測を促す内容となった。

 ILSは対ドルで0.7%の下落。11月のイスラエルCPIは前年比-0.1%と市場予想ほどの落ち込みを示さず。ムーディーズはイスラエル政局の混乱が同国債にとって「クレジット・ネガティブ」であるとの見解を示した。

 RUBは対ドルで9.3%の下落。USD/RUBは64.2台に上昇。RUB安に歯止めがかからない。11月のロシア鉱工業生産は前年比-0.4%と市場予想に反し今年1月以来の前年割れ。原油価格の下落に加えEUが対露追加制裁に踏み切るとの観測がRUBを大きく押し下げた。

私が大好きだった「アメリカ横断ウルトラクイズ」は全17回すべて赤字だったそうです。ちなみに私は90年に同クイズに出場し、東京ドームで○×ボールを持って二択クイズに参加したことが自慢の一つです。あと1問正解していたら成田空港でジャンケンできたのですが、願いかなわず敗退し、初の海外旅行はお預けになってしまいました。

2014年12月15日月曜日

さらなる下落も視野に入るインドネシア・ルピア(IDR)

 先週末からインドネシア・ルピア(IDR)の下落が目立っている。Bloombergによると、IDRの対ドルレートは、先週木曜日(11日)の12,350から、金曜日(12日)には12,467と約1%の下落。本日は12,700近辺と2008年11月以来のIDR安水準に下落している。        

 IDRは11月時点では、他新興国通貨に比べ下げ渋る動きが目立っていた。11月の新興国通貨の対ドルパフォーマンスを見ると、IDRは1.0%の下落と、RUB(13.1%下落)、COP(7.2%下落)、CLP(5.0%下落)、KRW(3.5%下落)に比べ下落幅が小幅にとどまっていた。       

 IDR下落の背景には外国人投資家によるインドネシア資産の引き上げがある。外国人投資家のインドネシア債保有残高は、12月1日時点で482.2兆ルピアあったが、12月11日時点では471.1兆ルピアと11.1兆ルピアも減少。外国人投資家のインドネシア株式市場の資本フロー(月初来)は、11月時点で4.34億ドルの流入超だったが、12月は12月12日時点で1.76億ドルの流出超に転じている。
        
 12月に入ると、原油価格を始めとする国際商品市況が急落しており、インドネシア景気の先行き懸念が強まっている。インドネシアの輸出を品目別にみると、鉱物性燃料や動植物性油脂、ゴム、鉱石といった天然資源輸出は全体の3割を超えており、石油・ガス関連の輸出(全体の17.9%)を合わせると、輸出の半分弱はコモディティ関連といえる。
        
 12月に入る前からインドネシア景気は減速感が強まっていた。11月5日に発表された第3四半期の同国GDPは前年比5.01%増と市場予想を下回り、2009年第3四半期以来の低い伸びとなっている。輸出は今年に入り前年割れが頻発しており、10月も前年比2.2%減とインドネシア景気を下押ししている。

 あくまで推測でしかないが、インドネシア中銀がIDR買い介入の目的をIDRの水準維持ではなく下落ペースの緩和(いわゆるスムージング)に変更した可能性も考えられる。インドネシア中銀のマルトワルドヨ総裁は先週末(12日)、IDRが売り圧力にさらされているとの認識を示したものの、同中銀は市場の変動(ボラティリティ)の抑制に努めていると発言。IDR安への移行を容認するかのような姿勢を示した。  
    
 インドネシア政府は補助金削減による燃料価格の引き上げに着手。以前ならインフレ圧力の強まりが懸念されたが、原油価格の下落でインフレ昂進リスクは後退。インドネシア中銀は昨年8月、IDRの水準を維持するべく、ドル供給を絞ったことで、IDR相場が機能不全に陥るという苦い経験も学んでいる。輸出を刺激するとともに、IDRの流動性確保をも視野に入れるならば、インドネシア当局が、IDRの過度の変動を抑えつつも、IDR安をある程度容認するのは不思議なことではない。

 USD/IDRの上の節目は13000ちょうど。これは年初来+6.8%のIDR下落に相当するが、アジア通貨で最も下落しているMYRの下落率(6.3%)と比べても、パニック的な下落とは言えない。 

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月12日)

 12月12日のロンドン市場は円が下落基調で推移。ドル円は取引序盤の119円ちょうど近辺から118円台前半に下落した。欧州株は大きく下げての開始。日経平均先物も売り優勢の動きとなり、米債利回りは低下基調で推移。一部メディアが関係者の話として、日銀は景気・物価の先行きに自信を深めており、現状程度の原油価格の下落であれば、来年1月の金融政策決定会合で、追加緩和を見送る可能性が高まっていると報道。日銀は当面、春闘の行方を見極める構えとも報じたこともドル円の重石となった。

 一方、ユーロドルは1.23ドル台後半から1.24ドル台半ば近辺に上昇。10月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+0.7%と市場予想通り。第3四半期の同圏雇用は前年比0.6%増と
前期より小幅加速した。

 NY市場はドル、ユーロともに方向感に欠ける展開となった。11月の米PPIは前月比-0.2%と市場予想をやや上回る落ち込みとなったが、前年比では+1.4%と市場予想通りの伸び。その後発表された12月の米ミシガン大消費者信頼感は93.8と市場予想を大きく上回り、2006年12月以来の高水準に上昇した。米景気の堅調継続が確認されたことでドル円は取引前半に118円台前半から119円ちょうど近辺に上昇。一方、ユーロドルは1.24ドル台半ば近辺から1.24ドル台前半に下落した。しかし、取引中盤に入り原油先物価格が下落基調で推移すると、米国株は下げ幅を広げ、米債利回りは低下。ドル円は一時118円台前半に下落する一方、ユーロドルは1.24ドル台後半にじり高の動きとなった。

 取引終盤には原油先物価格がじり安の動きとなり、下げ止まったかに見えた米国株は一段安。米債利回りは低下したが、ドル円は118円台後半に反発。一方、ユーロドルは1.24
ドル台半ば近辺に小幅下落した。

 14日投開票の第47回衆議院選挙では事前報道通り自民党が選挙前議席(293)から数を減らしたものの、290議席を獲得。公明党の35議席を合わせ与党で3分の2の317議席を上回る325議席を獲得した。野党では民主党が73と選挙前の62議席から拡大したが、代表である海江田氏は落選。維新は41議席と選挙前とほぼ変わらず。共産党は21議席と躍進した。

 週明けの為替市場ではドル円が119円ちょうど近辺で始まったが、その後は伸び悩み。現時点では118円台後半と先週末海外市場引け値とほぼ同じ水準での推移となっている。一方、ユーロドルは1.24ドル台後半、ポンドドルは1.57ドル台前半と、ドルが小幅ながら売られての開始となった。

 日本の総選挙の結果もほぼ織り込み済みだった様子で市場の反応は限定的。米ミシガン大消費者信頼感が示すように原油価格の下落は米景気の押し上げ要因。ただ市場は原油価格の下落で慎重な姿勢を強めており、ドル買いの動きは強まりにくいままだ。本日東京市場でのドル円は上値の重い動きが予想される。一方、ユーロはECB緩和観測が根強いものの、ドル買いポジションを解消する動きが優勢のため、対ドルでは底堅く推移する見込み。アジア通貨は世界経済の先行き不透明感を背景に対ドルで軟調な推移が予想される。

 本日は日銀短観が発表される。Bloomberg調査によると、大企業製造業の業況判断DIは+13と前回から変わらずとの見方となっているが、10日に発表された財務省BSIでは前期比悪化。短観でも業況悪化が示される可能性はある。また19日には日銀が金融政策決定会合の結果発表が予定されている。金融政策は現状維持となる見込みだが、原油価格の下落に対する黒田総裁の見解が注目される。

 米国では日本時間18日早朝にFOMCの結果が発表される。事実上のゼロ金利を「相当の期間(considerable time)」維持するとする文言が削除されるか否かに注目が集まるだろう。なお一部からは、2004年1月の声明文を例に挙げ、「considerable time」という表現が「辛抱強い(patient)」という表現に置き換えられるとの見方も出ている。

 ユーロ圏では16日に12月の製造業PMIが発表される。ユーロ圏全体では前月から小幅改善する見込み。ドイツでは、16日に12月のZEW景況感指数、18日に12月のIFO企業景況感指数が発表される。いずれも前月から改善が見込まれているが、ドイツ景気に対する懸念も強く、市場予想に反し前月から悪化する可能性も意識しておくべきと思われる。

2014年12月14日日曜日

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月12日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。RUBはこの日も過去最安値を更新。一方、EMEA通貨は底堅い動きとなった。

 INRは対ドルで小幅上昇。11月のインドCPIは前年比+4.38%と市場予想通り前月から大きく鈍化。一方、同時に発表された10月の同国鉱工業生産は同-4.2%と市場予想に反し7カ月ぶりの前年割れ。インド中銀による利下げ期待を強める内容となった。

 BRLは対ドルで小幅下落。ただUSD/BRLは一時2.67台まで上昇した。10月のブラジル小売売上高は前年比1.8%増と市場予想を小幅上回る伸び。ただ市場の反応は限定的だった。

 MXNは対ドルで小幅上昇。10月のメキシコ鉱工業生産は前年比+2.1%と市場予想を小幅下回った。

 PENは対ドルで0.2%の上昇。ペルー中銀は市場予想通り政策金利を3.50%で据え置き。同中銀は声明でインフレ期待は目標レンジ内に抑制されたままであると指摘。原油安は国内インフレを抑制するだろうとの見方も示した。またペルー景気は依然として潜在成長率を下回る状態であり、必要があれば追加緩和を実施する用意ができているとした。

 PLNは対ドルで小幅上昇。11月のポーランドM3は前年比8.4%増と市場予想や前月を上回り、2012年8月以来の高い伸び。ポーランドのディスインフレ懸念を後退させた。

 RUBは対ドルで4.4%の下落。USD/RUBは一時58.5台と過去最高(最RUB安)を更新した。10月のロシア貿易収支は136億ドルの黒字と市場予想を上回る黒字。ただ輸入は前年比12.4%減と3カ月連続の二桁減。原油先物価格の下落でRUBは売りが先行した。

ネットで知ったのですが、企画段階では仮面ライダー3号が予定されていたのに、大幅なリニューアルのために実際のシリーズ3作目はV3が登場することになったそうですね。もし日銀・黒田総裁による3度目の緩和が大幅なリニューアルでしたら、バズーカV3と呼んであげましょう。外国人投資家には何の事だかわかりませんね。