2014年12月27日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国・新興国通貨(2014年12月26日)

 12月26日のロンドン市場は取引前半にドルを買い戻す動き。ドル円は120円台前半で小幅上昇。一方、ユーロドルは1.22ドルちょうどをやや上回る水準から1.22ドル割れに小幅下落した。東京市場取引終盤に米長期債利回りが小幅上昇。日経平均先物も東京市場終値水準を小幅上回る推移となり、ドル買いポジションを調整する動きが後退した。ただ、取引中盤以降は、ドル、ユーロともに方向感に欠ける動き。ドル円は120円台前半、ユーロドルは1.22ドル割れの水準でそれぞれ推移した。この日はボクシングデーで欧州市場が休場。ドル買い戻しの動きが一服すると、その後は動意に欠ける展開となった。

 NY市場はドル買い戻しが優勢の展開。ドル円は120円台前半で底堅く推移。ユーロドルは1.21ドル台後半に小幅下落した。この日は米国で主だった経済指標の発表がなく取引材料難。米国株がプラス圏で推移したことがドル買いの動きをサポートした。

 新興国通貨は対ドルでマチマチだった。

 RUBは対ドルで3.5%の下落。ロシアのシルアノフ財務相は1バレル60ドルの原油価格を基に試算すると、来年のロシア成長率は少なくともマイナス4.5%が予想されると発言。同国財務省はこの試算結果と1ドル=51ルーブルの想定為替レートを基に2015年予算を見直す意向も示した。また同財務相は、何も決定しなければ、2016年から17年には準備資金が枯渇する事態になるだろうと述べ、予算全体の3分の1を占める国防費を削減し、歳出構造と配分を見直し、インフラや教育などに振り向けるべきとの考えを示した。

 TRYは対ドルで小幅上昇。12月のトルコ実質企業景況感は108.8と前月から小幅改善。トルコのゼイベクチ経済相は今年のトルコ成長率は3.3%になるとの見方を示した。

 MXNは対ドルで0.2%の上昇。11月のメキシコ貿易収支は10.8億ドルの赤字と赤字額が市場予想を大きく上回った。輸出が前年比2.1%増と伸び悩む一方で、輸入は同6.5%増と前月から加速した。

2014年12月26日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国・新興国通貨(2014年12月25日)

 12月25日のロンドン市場は取引前半にユーロが上昇。ユーロドルは1.22ドル台前半から1.22ドル台半ば近辺に小幅上昇した。この日は欧米勢がクリスマス休暇だったが、東京市場に引き続き、ドル買いポジションを調整する動きが優勢となった。

 一方、ドル円は取引前半に120円台前半から120円ちょうど近辺に下落。ただ、中盤には120円台前半に反発。その後は同水準で動意に欠ける動きが続いた。

 NY市場は動意に乏しい展開。ドル円は120円台前半での推移が続いた。一方、ユーロドルは1.22ドル台半ば近辺での推移となったが、取引終盤にかけて1.22ドル台前半とロンドン市場序盤の水準に下落した。

 新興国通貨はRUBが上昇。RUBは対ドルで2.6%上昇し、USD/RUBは一時51.1台まで下落した。12月19日のロシア外貨準備は3989億ドルと3週連続で減少し、2009年8月以来となる4000億ドル割れ。一部メディアはロシアのプーチン大統領が同国政府に対しRUBの安定化に注力するよう命じたと報道。さらにロシア経済の低迷が続く限り、閣僚は正月返上で働くよう求めたという。

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、今年もサンタクロースとトナカイの飛行ルートを追跡するミッションを開始したそうです。NORADのウェブサイトではリアルタイムでサンタとトナカイの様子が確認できるとのこと。お時間ある方はご覧ください。

2014年12月25日木曜日

ロシア当局が容認するルーブルの水準は対ドルで54近辺か

 欧米各国による経済制裁と原油安で暴落したロシア・ルーブル(ルーブル)が、12月後半から買い戻されている。クリスマス休暇前の12月23日のルーブルは対ドルで54を割り込み、12月11日以来の高値に回復。本日(25日)も54を下回る水準を維持している。ルーブルは12月16日に一時的とはいえ80ちょうど近辺まで下落したので、わずか1週間で3割以上も反発したことになる。

 ルーブル買い戻しの原動力は、ロシア政府がルーブル防衛姿勢を強めたことだ。ロシア政府は23日、政府系の輸出関連企業に対し、外貨建て資産の純保有高に上限を設定。一部メディアは、当局筋や銀行関係者の話として、ロシア中銀は大手国営銀行の外為取引デスクに監督官を派遣したと報じた。また翌24日にはロシア中銀が外貨建ての債務の返済期限が迫っている企業の借り換えを支援するため、金融機関に外貨建ての融資を行うと発表。ロシア当局が、ルーブル安によるロシア経済危機に本腰を入れたことでパニック的なルーブル売りの動きは後退した。

 ロシアの外貨準備は12月12日時点で4146億ドルと2009年9月以来の低水準に減少。しかし、1998年の通貨危機時(8月末時点で125億ドル)と比べると33倍の規模に達する。これだけの外貨買いの原資があれば、ロシア当局がルーブル安を力づくで防ぐことも可能といえ、同当局が本気の姿勢を見せればルーブル売りポジションが巻き戻されるのも、ある程度予見できた。

 今後もロシア当局は、ルーブルが大きく下落する場面では、本気の姿勢を示すことでルーブル売りの動きをけん制するだろう。ただ、欧米各国による経済制裁や原油安といったロシアのファンダメンタルズを弱体化させる要因に大きな変化が見られないのも事実。ルーブルが今後も買い戻しが続き、対ドルで40台や30台に戻るという展開は考えにくい。

 ロシアのプーチン大統領は18日の会見でウクライナの通信社からの質問に対し、ウクライナの危機の過程で我々は正しかったと思う。欧米のパートナーこそ正しくなかったと言明。ウクライナ危機は、政治的手段を用い解決されるのであって、経済封鎖や軍事力行使といった圧力によるものではないとも発言し、今後もウクライナの実効支配を弱めることなく、欧米各国との対立姿勢を続ける意向を示した。

 原油安も当面は続くとの見方が根強い。アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相は、原油価格が1バレル40ドルに下落しても、OPECは直ちには減産せず、少なくとも3カ月間は状況を見ると発言。一方、需要面では世界最大の原油消費国である中国の景気が弱含んだまま。ユーロ圏や日本の景気も低迷が続いており、日量200万バレルとも言われる供給過剰状態が早期に解消されるとは考えにくい。

 昨日(24日)に発表された12月22日までの週のロシア週次CPIは前週比+0.9%と前週の同+0.4%から大きく加速。ロシア中銀は、原油価格が1バレル60ドルだと、来年の成長率は4%を超えるマイナスとなるとの見通しを示した。

 インフレ加速と景気後退を背景に格付け機関もロシアの格下げを視野に入れている。S&Pは23日、ロシア債を「クレジットウオッチ・ネガティブ」に指定し、格付けを引き下げる報告で検討すると発表。ロシア債の格付けは投資適格級のなかで最低の「トリプルBマイナス」であるため、実際に格下げされればロシア債は投機的等級(ジャンク級)となる。ロシア債がジャンク級となれば、インデックス投資家を中心にルーブル売りの動きが再び強まると考えるべきだろう。

 過度なルーブル売りはロシア当局が止めにかかるものの、ファンダメンタルズから考えればルーブルは買いにくい、となると、ルーブルの今後の水準は、ロシア当局が容認するルーブルの水準次第、と考えるべきだろう。前述したように23日からルーブルは対ドルで54を下回る水準での推移が続いている。仮にロシア当局が本日(25日)に何らかのアクションを起こさないのであれば、ロシア当局が容認する水準として1ドル54ルーブル近辺は有力となる。この水準はルーブル売りが加速する前の12月3日から10日の水準に合致する。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月24日)

クリスマスイブということもあって為替市場は動意に乏しい展開。ただ市場のリスク回避姿勢はダイブ後退したようでユーロやポンドはロンドン市場で買い戻し優勢となりました。

※チャートはユーロとポンドの対ドルレート。いずれも小幅ながら上昇しています。


 12月24日のロンドン市場はユーロ、ポンドが底堅く推移。ユーロドルは1.21ドル台後半から1.22ドルちょうど近辺に、ポンドドルは1.55ドル台前半から1.55ドル台半ば近辺にそれぞれ上昇した。欧州株は大陸勢が休場だったが英FT指数は小幅高。米債利回りは小幅上昇したものの、ドル買いポジションを調整する動きが優勢となった。

 一方、ドル円は取引序盤に120円台前半に小幅落ち込む場面もあったが、その後は120円台半ばをやや下回る水準でのもみ合い。明日からのクリスマス休暇を控え、ドル円は様子見姿勢が続いた。

 NY市場はドル、ユーロなど主要通貨は方向感に欠ける動きが続き、ドル円はロンドン市場に引き続き120円台半ばをやや下回る水準でもみ合い。ユーロドルは1.22ドルちょうどを挟んでの上下動が続いた。米新規失業保険申請件数は28.0万件と市場予想や前週を下回る好結果。米債利回りは上昇したが、取引中盤には米長期債利回りは低下。米国株は取引後半まで底堅く推移していたが、終盤にかけて売りの動きがやや強まった。

 米新規失業保険申請件数でも米雇用環境(ひいては米景気)の好調ぶりが示された。本日は欧米勢がクリスマス休暇入り。東京市場でもドル、ユーロは動意に欠ける展開が予想される。アジア通貨も様子見姿勢が強まると思われる。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月24日)

ロシア・ルーブル(RUB)はロシア政府によるルーブル安抑制策を受けて下値の堅い動き。ただロシアのインフレは加速。ロシア政府の対応が出尽くすと、再びルーブルは売られるのではないかと思われます。

 新興国通貨はRUB、PLNなど一部を除き対ドルで小動きだった。

 RUBは対ドルで2.0%の上昇。12月22日までの週のロシアCPIは日次平均前月比+0.077%、前週比+0.9%といずれも大きく加速。ロシア中銀は外貨建ての債務の返済期限が迫っている企業の借り換えを支援するため、金融機関に外貨
建ての融資を行うと発表。また一部メディアは、当局筋や銀行関係者の話として、ロシア中銀が大手国営銀行の外為取引デスクに監督官を派遣したと報じた。

 TRYは対ドルで小幅上昇。トルコ中銀は市場予想通りレポレートなど主要3金利を全て据え置き。同中銀は声明でインフレが改善するまで金融政策は引き締めが続けられると指摘。外需は弱くなっている一方、内需は緩やかに成長を支えているとの認識を示した。また金融引締めはコアインフレに好影響を与えており、来年上期にはインフレの鈍化が早まるとの見方も示した。

元プロテニスプレーヤーの松岡修三さんの日めくりカレンダーが39万部の大ヒットだそうです。自分へのクリスマスプレゼントにしようと思います。

2014年12月24日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月23日)

第3四半期の米GDPは前期比年率5.0%増と11年ぶりの高い伸び。この日に発表された他経済指標は、マチマチの結果でしたが、為替市場はドル買いで反応しました。

※チャートは米GDP前期比年率の推移です。

 12月23日のロンドン市場はドル、ユーロともに動意に乏しい展開となった。ドル円は120円台前半、ユーロドルは1.22ドル台前半での推移。欧州株は取引前半に小幅プラスで推移する場面もあったが、中盤以降は前日終値水準での推移。米債利回りも前日NY市場終値水準でのもみ合いが続くなど、金融市場は総じて様子見姿勢の強い動き。ドル、ユーロともに動きは少なかった。

 スペイン中銀は今年の成長率見通しを1.3%から1.4%に上方修正。同中銀は第4四半期は消費支出が拡大していると指摘した。ギリシャ議会では時期大統領を選出する2回目の投票を実施。政府・与党が擁立した候補者のディマス元欧州委員への賛成票は168にとどまり、選出に必要な200を下回った。3回目で最後となる投票は29日(大統領選出に必要な賛成票は180)。大統領選出が再び失敗に終わり、憲法に従い解散・総選挙となる可能性が強まった。

 ポンドは英経済指標を受けて下落した。第3四半期の英GDP(確報値)は前期比0.7%増と速報値と変わらなかったが、前年比は2.6%増と速報値の3.0%増から下方修正。同時に発表された同期同国の経常収支は270億ポンドの赤字と赤字額が市場予想を上回り、1952年以降最大の赤字額を更新した。両指標の発表後、ポンドは売り優勢の動き。ポンドドルは1.55ドル台後半から引けにかけては1.55ドル台前半に下落した。

 NY市場は米GDP確報値を受けてドルが急伸した。第3四半期米GDP(確報値)は前期比年率5.0%増と改定値の同4.3%増を大きく上回り、11年ぶりの高い伸びを記録。同時に発表された11月の米耐久財受注は0.7%減と市場予想に反しマイナスとなったが、ドル買いが先行。ドル円は120円台前半から120円台後半に上昇する一方、ユーロドルは1.22ドル台前半から1.21ドル台後半に下落した。米国株は米GDPの好結果を受けて過去最高値を更新。米長期債利回りも上昇基調で推移したが、米短期債は取引中盤以降は伸び悩み。12月のミシガン大消費者信頼感(確定値)は93.6と速報値から小幅下方修正。11月の米新築住宅販売件数は43.8万件と市場予想を下回る一方、同月同国の個人支出は前月比0.6%増と市場予想を小幅上回る伸び。コアPCEデフレータは前年比+1.4%と市場予想を下回り、前月分も下方修正。ドル買いの動きも一服し、ドル円は120円台後半、ユーロドルは1.21ドル台後半での推移が続いた。

 カナダドルはNY市場取引前半に下落し、ドルカナダは1.16台前半から1.16台後半に上昇。しかし取引中盤には買い戻され、ドルカナダは1.16台前半に下落した。10月のカナダGDPは前年比2.3%増と市場予想を上回り、前月分も同2.4%増と小幅上方修正。カナダ景気の先行き期待を高めた。

 クリスマス休暇が近づいているが欧米株は続伸。原油先物価格は一進一退の動きを続けており、市場はドル買いの動きを続けている。米債利回りの上昇もあって、本日東京市場でもドル円は底堅い動きとなりそうだ。一方、ユーロはECBによる国債買い入れ観測を背景に上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで軟調な推移が予想される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月23日)

ロシア・ルーブル(RUB)は今日も上昇。ロシア政府が政府系輸出企業にドル売りを支持したとの報道が材料視されました。ただS&Pとムーディーズはロシア債の格下げの可能性を指摘。ルーブルの先行き不透明感は強いあっまと思われます。

※チャートはロシア・ルーブルの対ドルレート(USD/RUB)です。下に行けば行くほどルーブル高を意味します。

 新興国通貨はRUBを除き対ドルで下落した。

 PHPは対ドルで小幅下落。10月のフィリピン貿易収支は5600万ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回った。輸入が前年比7.5%増と市場予想ほど伸びなかったことが主因。

 SGDは対ドルで0.4%の下落。11月のシンガポールCPIは前年比-0.3%と市場予想を下回り、2009年12月以来の落ち込みを記録。コアCPIも同+1.5%と4カ月連続の鈍化。シンガポールのディスインフレ傾向の継続を示した。

 TWDは対ドルで0.6%の下落。11月の台湾商業売上高は前年比0.7%増、同月同国の鉱工業生産は同+6.86%といずれも市場予想を下回る伸び。ただ鉱工業生産は前月分が上方修正された。台湾の個人消費は再び減速傾向を強めている。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。12月のブラジルFGV消費者信頼感は96.2と前月から改善したが、2009年2月以来の低水準からは脱せず。ブラジル中銀は四半期インフレ報告を公表。2015年のインフレ見通しは参考シナリオで6.1%と目標レンジの上限を超えないとの見方を示したが、短期的にはインフレが加速する可能性は排除できないと指摘した。

 MXNは対ドルで0.5%の下落。10月のメキシコ経済活動指数は前年比+2.54%と市場予想を小幅上回り、前月分も小幅上方修正。12月前半の同国CPIは前年比+4.19%と市場予想を小幅上回り、11月下旬とほぼ同じ伸びとなった。

 COPは対ドルで0.7%の下落。10月のコロンビア貿易収支は13.57億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上振れ。輸入が市場予想を上回ったことで赤字額が拡大した。

 PLNは対ドルで1.4%の下落。11月のポーランド小売売上高は前年比0.2%減と昨年4月以来の前年割れ。同月同国の失業率は11.4%と小幅ながら前月から悪化した。

 HUFは対ドルで1.2%の下落。ハンガリー中銀は会合議事録(12月16日開催分)を公表。政策金利の据え置きは賛成8反対0の全会一致で決定。会合メンバーは中期のインフレ目標を達成するためには緩和的な金融政策を継続する必要があるとの認識を示した。

 RUBは対ドルで2.0%の上昇。USD/RUBは一時53.0台まで下落した。一部メディアはロシア政府が政府系の輸出企業に対し、ドルやユーロなどの外貨を市場で売却し、外貨資産の規模を来年3月1日までに今年10月1日の水準に戻すよう指示したと報道。RUB買い戻しの動きを後押しした。S&Pはロシアを投機的水準まで格下げする可能性があるとの認識を示し、ムーディーズは2015年のロシア成長率が5.5%減となるとの見方を示した。

一部報道によるとロンドンでは2008年の金融危機を題材にした「マーケット・メルトダウン」というボードゲームが人気のようです。プレイヤーが盤面を1周するたびに金利が上昇するほか、プレイヤーが引くカードには「量的緩和」などもあるそうです。今年のクリスマスプレゼントはこれにしようかと思います。

2014年12月23日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年12月22日)

欧米株は上昇。米国株は過去最高値近辺を回復しました。本日は日本が祝日で、欧米勢はクリスマス休暇前。為替市場の値動きは徐々に小さくなる見込みですが、ドル買い基調に変わりはないようです。

 12月22日のロンドン市場は取引前半に円売りが進展。ドル円は119円台半ば近辺から119円台後半に上昇した。東京市場で伸び悩んでいた米債利回りは小幅上昇。欧州株や日経平均先物も小高く推移。ただ円売りの動きは取引前半のみで、中盤以降のドル円は方向感に乏しい動きとなった。

 ユーロドルは取引き前半に1.22ドル台半ば近辺から1.22ドル台後半に小幅上昇したが、中盤以降は同水準でのもみ合い。ユーロは様子見姿勢の強い動きとなった。

 NY市場はドルが底堅く推移した。11月の米シカゴ連銀全米活動指数は0.73と市場予想を上回り、2006年12月以来の高水準を記録。米国株が上昇して始まり、米債利回りも上昇基調で推移し、ドル円は120円ちょうど近辺に上昇。一方、ユーロドルは1.22ドル台後半で上値の抑えられる動きとなった。取引中盤に発表された11月の米中古住宅販売件数は493万戸と市場予想に反し6カ月ぶりの500万戸割れとなったが、市場の反応は限定的。取引後半には米長期債利回りが低下したが、ドルは底堅い動きが継続。ドル円は120円ちょうど近辺での推移を維持する一方、ユーロドルは1.22ドル台前半に下落した。

 クリスマス休暇を前に欧米株は上昇。原油先物価格の急落による市場のリスク回避姿勢の強まりは後退。市場は再びドル買いムードを強めている。本日は日本が祝日のため、東京市場では大きな値動きは見られないと思われるが、ドルは底堅い動きが続くと予想される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年12月22日)

市場のリスク回避姿勢はかなり後退。ロシア・ルーブル(RUB)は大きく買い戻されました。本日は日本が祝日で、欧米勢はクリスマス休暇前。為替市場の値動きも徐々に小さくなる見込みです。

 新興国通貨はRUBを除き対ドルで軟調な動きとなった。

 BRLは対ドルで0.2%の下落。12月のブラジル建設コストは前月比+0.25%と市場予想を下回る伸び。ブラジル中銀の週次エコノミストサーベイでは、来年末のUSD/BRL見通しが前週の2.72から2.75に上方修正。一方でGDP成長率と鉱工業生産見通しは前週から下方修正された。12月21日までの週の同国貿易収支は13.39億ドルの赤字と赤字額が前週から拡大した。

 HUFは対ドルで0.5%の上昇。12月のハンガリー消費者信頼感
は-22.1と3カ月連続の悪化。一方で同月同国の企業景況感は+8.1と統計開始以来の最高水準を更新した。

 RUBは対ドルで6.8%の上昇。USD/RUBは一時54台まで下落した。中国の王外相は必要ならロシアを支援するとし、ロシアは経済的困難を克服できると確信していると発言。同国・高商務相は中毒とロシアの通貨スワップ協定を拡大したり、2国間貿易で人民元の利用を増やすことがロシア支援で最も効果があるだろうと指摘したと報じられた。米アップル社はRUB建てのiPhone6の価格を35%引き上げることを発表。同社は11月末にも25%値上げしたばかりだった。

2014年12月22日月曜日

来年には小幅利下げ しかし下げは限定的と期待されるインドルピー(INR)

 これまで高インフレ国の代表例だったインドのインフレが鈍化傾向を続けている。11月のインドCPIは前年比+4.38%と4カ月連続の鈍化。2012年1月の統計開始以来、最も低い伸びとなった。同月同国のWPIは、前年比横ばいと、2009年7月に記録した前年比-0.3%以来の低い伸びとなった。

 インドWPIの内訳をみると、インフレ鈍化の主因は、景気低迷を背景としたインフレ期待の低下に加え、足元では原油安よるものと推察される。WPIの燃料・電力は前年比-4.91%と2009年10月以来の落ち込みを記録。WPIを大きく押し下げたが、一次産品も同-0.98%と前年の反動(ベース効果)によるものとはいえ、2005年4月の統計開始以来初の前年割れを記録。製造品も同+2.04%と2009年10月以来の低い伸びに鈍化した。

 一方でインド景気は低迷が続いている。第3四半期のインドGDPは前年比5.3%増と市場予想を上回ったものの、前期からは減速。政府支出の反動減に加え、農業生産の落ち込みがGDPを押し下げた。10月の同国鉱工業生産は前年比4.2%減と市場予想に反し7カ月ぶりの前年割れ。ヒンドゥー教の新年を祝うディーワーリーの連休が、今年は10月(昨年は11月)だったことで製造業の操業日が大きく減少したことが響いているとはいえ、自動車を中心にインド製造業の低迷が目立つ結果となった。

 インド政府は財政赤字の拡大を理由に年度内の裁量的歳出を一律10%削減する方針を表明。今年第2、第3四半期に高い伸びを示した政府消費も今後は減速傾向が強まる見込みで、今年度(2014年4月~2015年3月)のインド成長率は5%台半ばに留まるとの見方が強まっている。

 インド中銀は12月2日にレポレートを8.00%で据え置くことを決定。同中銀は声明で、CPIが急速に鈍化していると指摘したものの、足元でのインフレ鈍化はベース効果による一時的なものであると指摘。農産物生産の減少を考慮すると、今後は食品価格が上昇するとの見方を示し、金融政策スタンスの変更は時期尚早とした。たしかに、食品価格のベース効果は12月には剥落する見込みで、12月のCPIは、前年比6~7%程度に加速するとの見方が強まっている。

 しかし原油価格の下落は12月に加速。燃料価格の下落はインドのインフレ期待の抑制にも貢献すると思われ、12月以降もインドのインフレ加速は限定的となる可能性もある。あくまでインフレ次第とはいえ、インフレ鈍化と景気低迷の組み合わせを考えれば、インド中銀は来年第1四半期を目途に利下げに踏み切ると考えられる。同中銀のラジャン総裁は、インフレに対し強い警戒姿勢を示しているだけに、大幅な利下げが実施されるとは考えにくいが、CPIはたとえ6~7%台に反発したとしても、昨年11月に記録した+11.16%からは5%以上鈍化することになる。同総裁は50~75bpの利下げは容認すると予想される。

 50~75bp程度の利下げであれば、INR売りの動きは限定的と期待される。原油安による対外収支の改善効果もINRを下支えするだろう。USD/INRは先週の新興国通貨売りの流れを受け、12月17日には63.8台まで上昇したが、その後、INR売りの動きは一服している。USD/INRの上値の目途は64ちょうど近辺、64.8近辺(2013年8月の高値から2014年5月の安値の61.8%戻し水準)と考えられる。