2015年1月10日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月9日)

12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数や失業率で堅調な結果となりましたが、平均時給は予想外の大幅鈍化。米国の低インフレを懸念する動きが今後、強まりそうです。ただ、FOMC議事録ではインフレが多少、低くても利上げ開始は可能との判断も示されています。私は今年6月か7月の利上げ開始の見方を変える必要はないと考えています。

※チャートは米2年債利回りの推移。平均時給の鈍化に対して素直に反応しています。

 1月9日のロンドン市場はドルが軟調な動き。ドル円が119円台前半でじり安の推移となる一方、ユーロドルは1.18ドルちょうど近辺から1.18ドル台前半に小幅上昇した。欧州株、日経平均先物はともに小動き。米長期債利回りが小幅低下したほか、原油先物価格は上値の重い動きとなりドル売り優勢の展開となった。

 一部報道は、ECBスタッフが最大5千億ユーロ相当の投資適格級資産を購入するモデルを政策委員会メンバーに提示したと報道。報道によれば、7日にフランクフルトで開催された会合では、AAA格の債券のみ購入する案やBBB-以上を対象とする案を含め、様々な選択肢が示されたが、政策委員会のメンバーらはQEプログラムの具体的な内容や実施についての決定は下さなかったとされた。

 ポンドは英経済指標を受けて上昇。ポンドドルは1.51ドルちょうど近辺から1.51ドル台半ばに上昇した。11月の英鉱工業生産は前年比+1.1%、建設支出は同3.6%増といずれも市場予想を下回ったが、同月同国の製造業生産は同+2.7%と市場予想を上振れ。同月同国の貿易収支は14.06億ポンドの赤字と赤字額が市場予想を下回った。ポンドは英経済指標の発表前から買われていたが、指標発表後も買い優勢の動きが続いた。

 NY市場は米雇用統計発表後こそドルが上昇したが、取引中盤には米債利回りの低下を背景に一転して売り先行の展開となった。米雇用統計発表前のドル円は119円台前半、ユーロドルは1.18ドル台前半でともに膠着感の強い動き。12月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が25.2万人増と市場予想を上回り、大きく増加した前月分も上方修正。失業率は5.6%と市場予想よりも改善し、2008年6月以来の低水準に低下した。一方、平均時給は前年比+1.7%と市場予想を大きく下回り、2012年10月以来の低い伸び。前月分も下方修正され、労働参加率は62.7%と3カ月ぶりの低水準に低下した。

 米雇用統計発表後、ドルは一転は売られたものの、すぐに買いが先行。ドル円は119円台後半に上昇する一方、ユーロドルは1.17ドル台後半に下落した。その後、シカゴ連銀のエバンス総裁は、一部メディアとのインタビューで、労働市場の改善に好感を示した一方で、利上げは16年が好ましいと発言。低い賃金の伸び率が低インフレの圧力として働くとの見方も示した。

 取引中盤に入ると、米雇用統計後に小幅上昇した米長期債利回りは低下に転じ、米雇用統計発表後に低下基調で推移していた米短期債利回りは低下基調が継続。ドルは売りが先行し、ドル円は118円台後半に下落。一方、ユーロドルは1.18ドル台前半に反発した。取引後半はドル、ユーロともに方向感に欠ける動きが続いたが、ドル円は118円台半ばに小幅下落。ユーロドルは1.18ドル台前半で膠着感の強い動きとなった。

 アトランタ連銀のロックハート総裁は、一部メディアとのインタビューで、この日発表された米雇用統計の結果は利上げを急がせる理由にはならないと発言。利上げの時期は今年半ば以降になるとの見方を示した。リッチモンド連銀のラッカー総裁は講演で、米国経済は安定的な成長拡大の可能性が高まっていると発言。原油安が落ち着けば、インフレは2%に向かうとの見方を示したものの、利上げに事前のタイムテーブルはなく、純粋にその時入手可能な経済データ次第との認識を示した。両総裁とも2015年のFOMC投票権を有している。

 カナダドルは下落。ドルカナダは米雇用統計を受けて1.18台前半から1.18台後半に上昇した。12月のカナダ住宅着工件数は18.06万戸、11月の同国住宅建設許可件数は前月比13.8%減といずれもと市場予想を下振れ。12月のカナダ雇用統計では、雇用者数が4300人減と市場予想に反し2カ月連続の減少となり、労働参加率は65.9%と市場予想に反し前月から低下した。

 FOMC議事録では米インフレが現状程度の伸びに留まっても利上げ開始の可能性はあるとの判断が示されたが、米雇用統計での平均時給の伸びの鈍化は利上げ後ずれ懸念を刺激するのに十分な材料。来週17日には12月の米CPIも発表され、米インフレ動向が市場の注目を集める可能性も出てきた。また13日に発表される12月の米労働市場情勢指数も注目を集めるだろう。

 ユーロ圏では14日に11月の鉱工業生産、15日に同月の貿易収支がそれぞれ発表される。市場予想では生産が前年割れとなる一方で、貿易黒字は前月並みを確保する見込み。22日のECB理事会でのQE開始に関する報道も続くと思われ、ユーロは軟調な推移が続くと予想される。

 日本では12月の景気ウォッチャー調査が発表される。消費者マインドがどの程度持ち直すか注目したい。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月9日)

予想通りフィッチはロシアを格下げしました。ロシアのジャンク入りは避けられないでしょう。

 新興国通貨は原油先物価格の下落を受けてRUBとCOPが対ドルで下落したものの、他多くは対ドルで底堅い動きを示した。

 TWDは対ドルで0.2%の上昇。12月の台湾貿易収支は44.5億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上回った。ただ黒字拡大の主因は輸入が前年比12.3%減と2014年1月以来の大幅な落ち込みとなったためで、輸出は同2.8%減と市場予想に反し前年割れ。台湾景気の先行き懸念を強めた。

 BRLは対ドルで1.1%の上昇。12月のブラジルIPCAは前年比+6.41%とほぼ市場予想通りの伸び。ブラジル中銀のトンビニ総裁は声明で2016年にインフレ率を4.5%に抑制するために必要なことを実施すると指摘。同国レビ財務相はインフレ抑制のためにも歳出を抑制する必要があるとの認識を示した。

 MXNは対ドルで0.5%の上昇。12月のメキシコ消費者信頼感は93.6と市場予想を下回ったが前月から上昇。11月の同国鉱工業生産は前年比+1.8%と市場予想を下振れ。12月の同国名目賃金は前年比4.3%増と前月並みの伸びに留まった。

 PENは対ドルで小幅下落。11月のペルー貿易収支は3.09億ドルの赤字と3カ月連続の赤字。輸出が前年比13.9%減と2カ月連続の二桁減となったことが響いた。

 CZKは対ドルで0.5%の下落。12月のチェコCPIは前年比+0.1%と市場予想を下回り、6カ月ぶりの低い伸び。11月の同国鉱工業生産は前年比-0.4%と市場予想に反し前年割れ。チェコのデフレ懸念を強める内容となった。

 HUFは対ドルで小幅上昇。11月のハンガリー貿易収支は8.32億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を上振れた。

 RUBは対ドルで2.7%の下落。フィッチはロシア債格付けを従来の「BBB」から「BBB-」に一段階格下げ。格付け見通しは「ネガティブ」とした。同社は格下げの理由として、ロシアは今年4%程度のマイナス成長になり、今年末のインフレは8.5%に達するとの見通しを示した。

よい週末をお過ごしください。

2015年1月9日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月8日)

市場のリスク回避姿勢は後退した様子。ただ今夜発表の米雇用統計を見極めたいとの思惑が強まりそうです。

 1月8日のロンドン市場はユーロが下落。ユーロドルは取引序盤に1.18ドルちょうど近辺から1.18ドル台前半に反発したが、その後は下落基調で推移し、引けにかけては1.17ドル台後半と2005年12月以来の安値に達した。欧州債は買い優勢となり、欧州株はこの日も上昇するなどECB追加緩和観測が継続。11月のユーロ圏小売売上高は前年比1.5%増と市場予想を上回ったが、同時に発表された同月のユーロ圏PPIは同-1.6%と市場予想を上回る落ち込み。12月のユーロ圏業況判断指数も0.04と市場予想を下回り、3カ月ぶりの低水準に悪化。ユーロ売りの動きを後押しした。

 一方、ドル円は119円台後半で方向感に欠ける動き。米債利回りは小幅上昇したものの日経平均先物は動意薄。ドル円は様子見姿勢が強いままだった。

 ポンドは下落。ポンドドルは取引き前半に1.50ドル台後半から1.50ドル台前半に下落。中盤以降は持ち直し、1.50ドル台後半での推移となったが、ロンドン市場序盤の水準は下回ったままだった。12月の英ハリファックス住宅価格指数は前年比+7.8%と市場予想を上振れたものの前月から鈍化。BOEは市場予想通り政策金利を0.50%、資産購入規模を3750億ポンドでそれぞれ据え置き。声明が発表されなかったこともあって、市場の反応は限定的だった。

 NY市場はドルの上値が抑えられる展開となった。12月のチャレンジャー人員削減数は前年比6.6%増と5カ月ぶりの増加。その後発表された米新規失業保険申請件数は29.4万件と前週から減少したものの市場予想を上回った。両指標の結果を受けて米短期債利回りは低下基調で推移。ドル円は119円台後半から一時119円台前半に下落。一方、ユーロドルは1.17ドル台後半から1.18ドルちょうど近辺に反発した。しかし取引中盤に米短期債利回りが下げ止まると、ドル円は119円台後半に反発。取引後半には119円台半ばに下押しされる場面もあったが、終盤には再び119円台後半での推移となった。一方、ユーロドルは1.18ドル台前半まで上昇したものの取引後半は下落基調に転じ、引けにかけては1.17ドル台後半での推移となった。

 一部メディアはECBドラギ総裁による欧州議会あて書簡について報道。同総裁は書簡にてECBの措置にはソブリン債購入が含まれる可能性があると示したと報じられた。ECBクーレ専務理事は一部ラジオでのインタビューで原油下落はユーロ圏経済にとってポジティブだが、ECBの目標達成を困難にすると指摘。またユーロ圏はデフレに陥っていないものの、インフレ低下が継続しそうな兆候が見られるとした。

 カナダドルは方向感に欠ける動き。ドルカナダは1.18台前半での推移が続いた。11月のカナダ新築住宅価格は前年比+1.7%と前月とほぼ変わらずだった。

 欧米株が続伸となるなど市場のリスク回避姿勢は後退。ただ、今年に入ってから米経済指標は市場予想を下振れる傾向。今夜発表の米雇用統計の結果を見極めたいとの思惑も強い様子で、本日東京市場でのドル円は様子見姿勢が強まりそうだ。一方、ユーロはECB追加緩和観測を背景に軟調な推移が続く見込み。アジア通貨は対ドルで買い戻しの動きが期待される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月8日)

欧米株が上昇するなど市場のリスク回避姿勢は後退した様子。この日の新興国通貨は買い戻し優勢でしたが、発表された経済指標は冴えないまま。持続的な上昇は期待できそうにありません。

 新興国通貨は対ドルで買い優勢。ただ東欧通貨は軟調な推移だった。

 BRLは対ドルで0.8%の上昇。12月のブラジルFIPE消費者物価は前月比+0.30%と前月や市場予想を下回る伸び。12月の同国IGP-DIも同+0.38%と前月や市場予想を下回った。ただ11月の同国鉱工業生産は前年比-5.8%と9カ月連続の前年割れで、市場予想を上回る落ち込み。12月の同国自動車生産は同11.8%減と大きく落ち込んだ。

 MXNは対ドルで0.2%の上昇。12月のメキシコCPIは前年比+4.08%と前月や市場予想を下回る伸び。12月の同国自動車販売は前年比11.7%増と5カ月連続の二桁増となった。メキシコ中銀のカルステンス総裁は米国の利上げを受けてメキシコも年内に利上げに踏み切る可能性が高いと明言した。

 CLPは対ドルで0.4%の上昇。12月のチリCPIは前年比+4.6%と前月や市場予想を下回る伸び。ただコアCPIは同+5.1%と2011年の統計開始以来最大の伸びとなった。

 TRYは対ドルで0.8%の上昇。USD/TRYは2.30台と昨年12月25日以来のTRY高水準に達した。ただ、11月のトルコ鉱工業生産は前年比+0.7%と前月や市場予想を下回る伸びだった。

 HUFは対ドルで小幅上昇。11月のハンガリー小売売上高は前年比5.2%増、同月同国の鉱工業生産は同+5.8%といずれも市場予想を上回る伸びとなった。

東京地方は本日も含めしばらく晴天が続く見込みです。乾燥注意ですね。

2015年1月8日木曜日

そろそろ反転が期待されるドル円

 2015年に入ってからドル円は上値が重い。ドル円は1月2日のNY市場前半に120円台後半まで値を上げたが、12月の米ISM製造業景況指数が55.5と6カ月ぶりの低水準を記録すると、119円台後半まで急落。今週5日には、東京市場でこそ120円台半ば近辺で引けたものの、その後は下落基調で推移。6日のNY市場では、12月の米ISM非製造業景況指数が56.2と、6カ月ぶりの低水準となると、ドル円は118円ちょうど近辺と昨年12月17日以来の低水準に落ち込んだ。

 昨日(7日)は、12月の米ADP雇用統計は民間雇用者数が24.1万人増と市場予想を上回り、11月の米貿易収支は390億ドルの赤字と赤字額が市場予想以上に縮小したことで、ドル円は119円台後半に上昇。しかし12月17日、18日開催分のFOMC議事録が公表されると、ドル円は118円台後半に下落。翌9日の東京市場では119円台前半に反発したが、上値の重い動きとなっている。

 ドル円の重石として指摘されるのが原油安の進展である。NY原油先物価格は、年末に1バレル53ドル台で引けたが、今週5日には一気に50ドルちょうど近辺に急落。その後も下落基調は続き、7日には一時46ドル台後半と2009年4月以来の安値に落ち込んだ。

 原油価格の先行き不透明感は強い。さすがに1バレル40ドル台は行き過ぎだとの見方もある一方で、米国を除く主要国景気の弱さなどを理由に原油価格は20ドル台まで下がるとの見方も出ている。仮に原油安が今後も続くのであれば、市場のリスク回避姿勢がさらに強まり、ドル円がさらに下げる、という見方も出てきそうだ。

 原油価格の下落とともにドル円の上値が重くなった主因は、ドル買い(ロング)ポジションが昨年12月初めに大きく積み上がったためと考えられる。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組によると、対円でのドル買い越し枚数(ドル買いポジション)は、12月2日までの週で15.3万枚と1年ぶりの高水準を記録。市場のリスク回避姿勢の強まりとともに、ドル買いポジションを調整する動きも強まり、ドル円の下落につながったと考えられる。

 ただ、その後、ドル買いポジションは調整が進み、12月30日までの週時点では12.5万枚と11月中旬以来の低水準まで低下。年初からのドル円の下落で、ドル買いポジションがさらに調整された可能性もある。

 FOMC議事録でも示されたように、米FRBは今年6月か7月には利上げに着手する姿勢を強めている。米経済指標もいくつか弱い結果が出たとはいえ、景気減速を示すものは皆無に近い。9日発表予定の12月の米雇用統計で、失業率が6%台に跳ね上がり、非農業部門雇用者数が前月比マイナスとなるといった極端な変化でもない限り、FRBは今年半ばの利上げの条件が整いつつあるとの見方を強めるだろう。

 一方で日銀による追加緩和観測は根強い。原油安により日本のコアCPIの鈍化は必至。日銀・黒田総裁が、2%インフレ目標に固執するのであれば、3度目の大型緩和が今年春先に実施されても不思議ではない。

 米国景気の拡大期待や日米の金融政策の違いといった為替市場でのメインテーマに大きな変化はない。目先でドルの下方向の節目は、昨年12月半ばの安値であり、昨年10月半ばから12月上旬の上昇の38%戻し水準でもある115円台半ば付近になりそうだが、原油価格がさらに急落することでもなければ、ドル円がこの水準まで下がることは考えにくい。ドル円はそろそろ反転に向かうと期待される。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月7日)

米FOMC議事録は、あまり材料視されませんでしたが、今年半ばの利上げ期待をサポートした内容と思われます。原油価格も下げ止まった感じ。市場のリスク回避姿勢も落ち着きを見せると思われます。

 1月7日のロンドン市場はユーロが下落した。12月のドイツ失業者数は前月比2.7万人減と市場予想を上回る減少となり、失業率は6.5%と過去最低を記録。ドイツ雇用環境の改善を受けてユーロドルは1.18ドル台後半から1.19ドルちょうど近辺に小幅上昇した。しかし、その後発表された12月のユーロ圏CPI(速報値)は前年比-0.2%と2009年10月以来の前年比マイナス。フランス・パリでは週刊誌本社で銃乱射事件が発生し、同国オランド大統領はテロ警戒レベルを高水準に引き上げ。ユーロは下落基調で推移した。

 一方、ドル円は119円ちょうどを挟んでの上下動が続き方向感に欠ける動き。この日の欧州株は底堅い動き。ただ米債利回りが小幅低下したことでドル買いの動きは抑えられた。

 NY市場は取引中盤までドルが底堅い動きを見せたが、FOMC議事録公表後は上値の重い動きとなった。12月の米ADP雇用統計は民間雇用者数が24.1万人増と市場予想を上回る好結果。その後発表された11月の米貿易収支は390億ドルの赤字と赤字額が市場予想以上に縮小。両指標の結果を受けてドルは買い優勢の動きとなり、ドル円は119円台後半に上昇する一方、ユーロドルは1.18ドルちょうど近辺まで下落した。しかし取引後半に入り発表された米週間石油在庫統計では原油在庫が大きく減少したものの、石油製品在庫は大きく増加。持ち直しの兆しを見せていた原油価格は伸び悩み、米債利回りは小幅低下ドル買いの動きは後退し、ドル円は119円台前半に下落。一時119円台後半に反発する動きも見せたが、FOMC議事録公表前には119円台前半に再び下落。ユーロドルは1.18ドル台前半に反発した。

 FRBはFOMC議事録(12月17、18日開催分)を公表。大半の参加者は声明の「忍耐強い」の表現が政策の柔軟性を増すと指摘。また大半の参加者は「忍耐強い」は今後2回の会合より前の利上げの可能性が低いことを意味しているとの認識で一致した。また数人の参加者は海外経済成長の見通しに対する評価を下方修正。コアインフレが現状近くで推移しても利上げ開始の可能性があるとの指摘もあった。

 議事録公表後、米債利回りが低下したことでドル買いの動きは後退。ドル円は118円台後半まで下落後、119円台前半に反発。ただ上値は抑えられた。一方、ユーロドルは1.18ドル台後半に反発したが、終盤には1.18ドル台前半に反落した。

 カナダドルは軟調な動き。ドルカナダは1.18台前半から一時1.18台後半に上昇。しかしFOMC議事録公表後に1.18台前半に反落した。11月のカナダ国際商品貿易は6.4億カナダドルの赤字と赤字額が市場予想を大きく上回った。12月のカナダIvey購買部協会指数は55.4と市場予想を上回ったが前月からは低下した。

 FOMC議事録は4月会合まで利上げはないことを提示。ただコアインフレが高まらなくても利上げがなされる可能性が示され、今年半ばの利上げ観測をサポートした。米長期債利回りは低位安定のままだが、欧米株は反発。本日東京市場でのドル円は下値の堅い動きとなりそうだ。一方、ユーロはECB追加緩和観測を背景に上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで慎重な姿勢が続くと思われる。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月7日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。中南米通貨は対ドルで上昇した一方で、東欧通貨はこの日も下げが目立った。

 BRLは対ドルで0.7%の上昇。11月のブラジル製造業PPIは前年比+4.56%と前月より加速。12月の同国商品価格指数は同+5.47%と市場予想を上回ったが前月からは大きく鈍化した。

 CLPは対ドルで0.2%の上昇。12月のチリ貿易収支は12.4億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上振れ。11月の同国名目賃金は前年比7.0%増と前月から小幅加速した。

 CZKは対ドルで1.2%の下落。チェコ中銀のトムシク副総裁はユーロ圏で発生しているデフレ圧力は高まっておりチェコ景気を下押ししていると指摘。CZKが上昇する経済的な理由は何もなく、同中銀はCZKの急激な上昇に対し介入で対応するとの意向を示した。

米国で宝くじ券の印字ミスがあったそうです。私もメール等々での誤字に気を付けます。

2015年1月7日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月6日)

ドル円は一時118円ちょうど近辺まで下落。米利上げ期待は続いているものの、市場のリスク回避姿勢の強まりがドル円を下押ししました。とはいえ、米国株も下げ渋りの動きを示しており、ドル円の下げもそろそろ終わりのように思えます。

※チャートはドル円です。


 1月6日のロンドン市場はユーロが下落基調で推移。ユーロドルは1.19ドル台後半から1.19ドル割れとなった。欧州株は下げ渋りの動きを見せたが、12月のユーロ圏総合PMI(改定値)は速報値から下方修正。ギリシャ政局の先行き不透明感やECB追加緩和観測も根強く、ユーロは売り優勢の展開が続いた。

 一方、ドル円は119円ちょうどを挟んでの上下動。引けにかけては119円台前半での推移となった。日経平均先物は東京時間終値水準でもみ合い。米債利回りは取引前半に小幅下落したが、その後下げ止まり。原油先物価格は48ドル台半ばまで下げたが、そこで下げ渋りの動きとなり、ドル円をサポートした。

 ポンドもユーロと同じく下落基調で推移。ポンドドルは1.52ドル台後半から1.52ドル割れとなった。12月の英サービス業PMIは55.8と市場予想を大きく下回り、2013年5月以来の低水準。BOE利上げ期待の後退でポンドは売り優勢となった。

 NY市場は米経済指標を受けてドルが下落した。取引前半のドル円は119円ちょうど近辺での推移。ユーロドルは1.19ドルちょうどを挟んで方向感に欠ける動きが続いた。11月の米製造業受注は前月比-0.7%、12月の米ISM非製造業景況指数は56.2といずれも市場予想を下振れ。指標発表後、米債利回りは大きく低下し、ドル売りの動きが強まる展開に。取引中盤にドル円は118円ちょうど近辺に下落する一方、ユーロドルは1.19ドル台後半に上昇した。ただ取引後半には米債利回りが反転し、ドル円は118円台後半に反発。一方、ユーロドルは1.19ドルちょうど近辺に反落した。

 一部報道はオランダの経済紙の報道を引用し、ECBによる国債買い入れ策として3つの選択肢があると報じた。報道によると、3つの方策は、

(1)ユーロ圏諸国のECBへの出資割合に応じた各国の国債をECBが直接買い入れ、金融システムに流動性を供給する。

(2)トリプルA格の国債のみ買い入れ、これらの国債の利回りをマイナスとすることで、投資家によりリスクの高い国債や社債買い入れに向かわせる。

(3)ECBではなく各国中銀が買い入れを行い、リスクを「原則的に」個別国に負わせる。

 カナダドルは下落。ドルカナダは1.17台後半から1.18台前半に上昇した。11月のカナダ鉱工業製品価格は前月比-0.4%と市場予想ほどの落ち込みとならなかったが、同月同国の原料価格指数は同-5.8%と2010年5月以来の大幅な落ち込み。NY市場取引中盤には下げ止まっていた原油先物価格が再び下落し、取引後半は48ドルちょうどを挟んでの推移。カナダドルを下押しした。

 年末以降に発表された米経済指標は若干ではあるが弱いものが相次いでおり、米国景気の先行き期待もやや後退した印象。とはいえ、FRBによる利上げ期待の継続に変わりはなく、米短期債は下げ渋っている。原油価格はじり安の動きとなっているが、サウジアラビアのアブドラ国王が、皇太子による代読で石油価格の下落によってもたらされた課題に対し同国が「断固たる意思」をもって対処すると表明。原油価格の下げ止まりも期待される。米国株も下げ渋りの動きを見せており、市場のリスク回避姿勢に一服の兆しも。本日東京市場でのドル円は下値を固める展開が期待される。一方、ユーロはECB追加緩和観測を背景に上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで慎重な姿勢が続くと思われる。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月6日)

NY原油先物価格はとうとう48ドルちょうどまで下落。しかしサウジアラビアが(ようやく)危機感を示したこともあり、下げ止まりの期待も持てそうです。

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油安を背景にRUB、COPは続落となったほか、東欧通貨も下げが目立った。

 BRLは対ドルで0.2%の上昇。12月のブラジルHSBCサービス業PMIは49.1と2カ月連続の上昇となったが、依然として50割れ。同月同国の自動車販売は前年比4.6%増と10カ月ぶりに前年越えとなった。

 COPは対ドルで0.8%の下落。12月のコロンビアPPIは前年比+6.33%と5か月連続で加速し、2011年11月以来の高い伸び。同月同国CPIは同+3.66%と前月とほぼ変わらなかったが、前月比では+0.27%と7か月ぶりの高い伸び。コアCPIも前月より加速するなどCOP安によるインフレ昂進が目立ち始めてきた。11月のコロンビア自動車販売は前年比3.1%増と大きく鈍化した。

 HUFは対ドルで0.8%の下落。11月のハンガリー失業率は7.2%と前月から小幅上昇。ハンガリー中銀は最近のHUF安の動きについて声明を発表。同中銀は物価と金融市場の安定に関し注意深く監視している都市、HUF安は外部要因によるものとの認識を示した。また同中銀はHUF水準について特定のターゲットは設けていないとも指摘した。

ある報道によると、健康的なオフィス環境を追求するなら、立った状態で仕事をする「スタンドアップ・デスク」を導入するのが良いそうです。長時間座った状態でいると、糖尿病、循環器疾患、肥満、早死になどのリスクが高まり、たとえ行動的な人でも悪影響を免れないとのこと。とりあえず今日は立って画面を見ることにします。

2015年1月6日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月5日)

NY原油先物価格は一時50ドル割れ。サウジアラビアが2月積みの欧州向け原油価格を大幅に引き下げたことで原油安が加速しました。米国景気の先行き期待は根強くても、原油価格が下げ止まらなければ欧米株の上値が重くなるのも自然。ドル買いの動きは一服したままとなりそうです。

※チャートはNY原油先物価格です。


 1月5日のロンドン市場はユーロが下落。ユーロドルは取引き前半こそ1.19ドル台前半から1.19ドル台後半に上昇したが、中盤以降は下落基調が続き、引けには1.19ドルちょうど近辺に下落した。欧州株は寄り付きこそプラスで始まったが、その後下げ幅を広げる動き。ドイツ各州のCPIは約半数の週で前月比マイナス。22日のECB理事会での追加緩和観測が強まり、ユーロを下押しした。

 ポンドも取引前半に小幅上昇したが、後半には下落基調で推移。ポンドドルは取引前半に1.52ドル台後半から1.53ドルちょうど近辺に小幅上昇したが、取引後半からは下落基調で推移し、引けでは1.52ドル台半ば近辺での推移となった。12月の英建設業PMIは57.6と市場予想を下振れ。英利上げ期待の後退からポンドも売り優勢となった。

 一方、ドル円は120円台前半で方向感に欠ける動き。日経平均先物は東京時間の終値から下落。一方で米債利回りは短期債中心に上昇。ドルの下値を堅くした。

 NY市場はユーロ、ポンドが下げ止まる一方、円は買い戻される展開となった。ユーロドルは取引序盤に1.19ドル割れとなるなどユーロ売り優勢の動き。しかし、その後発表された12月のドイツCPIは前月比横ばい(前年比+0.2%)と市場予想を下回ったものの前月比マイナスを回避。ユーロドルは指標発表後、1.19ドル台前半に小幅上昇。その後は同水準で方向感に欠ける動きを続けたが、引けにかけては1.19ドル台半ば近辺にまで上昇した。

 ドル円は取引前半に下落基調で推移し、120円台前半から119円台前半に下落。原油先物価格はNY市場に入ると1バレル51ドル割れ。米国株は取引序盤に大きく下げ、米債利回りも低下。ドル円はドル売り・円買いの動きとなった。取引中盤に入り、米債利回りが下げ止まると、ドル円も119円台半ば近辺で下げ止まり。ただ原油先物価格は一時50ドルを割り込み、米国株は大きく下落したまま。ドル円は取引後半に119円台後半に反発する場面もみられたが、終盤には再び119円台半ば近辺に下押しされた。

 サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は(金融)引き締めを急ぐ理由はどこにも見当たらないと発言。米経済はかなり改善しつつあるものの、トレンドを上回る成長に向けては依然として金融緩和が必要だとも述べた。ただ同総裁は年内引き締めの可能性を排除しないと付け加えた。

 米国景気の先行き期待は根強いものの、原油先物価格が下げ止まらず、欧米株は大きく下落。市場のリスク回避姿勢を背景にドル買いの動きが強まりにくい。本日の日本株も下げて始まり、日経平均株価は17000円割れの可能性も。本日東京市場でのドル円は上値の重い展開となりそうだが、日米の金融政策の違い(ダイバージェンス)もあって下値は堅いと予想される。一方、ユーロはECB追加緩和観測を背景に上値は抑えられる見込み。アジア通貨は欧米株の下落を受けて対ドルで軟調な推移が見込まれる。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月5日)

NY原油先物価格は1バレル50ドル割れ。これでは新興国通貨は買えません。

 新興国通貨は対ドルで続落。原油価格の下落を受けてRUB、COPの下げが目立った。

 SGDは対ドルで0.3%の下落。12月のシンガポール購買部景気指数は49.6と市場予想に反し、4カ月ぶりの50割れ。新規受注、生産ともに50割れとなるなどシンガポール景気の弱さを改めて示した。

 BRLは対ドルで0.4%の下落。ブラジル中銀の週次サーベイでの年末見通しはGDP成長率が小幅下方修正されたほかは前週からほぼ変わらず。12月のブラジル貿易収支は2.9億ドルの黒字と黒字額が市場予想を小幅上回ったが、輸出は市場予想を下振れし前年割れ。ブラジル景気の回復期待が盛り上がることはなかった。

 COPは対ドルで2.3%の下落。コロンビアのカルデナス財務相はCOP安は製造業や農業などを支援するなど利点が多いと発言した。

 CLPは対ドルで0.6%の下落。11月のチリ経済活動指数は前年比+1.3%と市場予想を小幅上回ったが前月からは鈍化。チリ景気の低迷ぶりが示された。

 TRYは対ドルで0.6%の上昇。12月のトルコCPIは前年比+8.17%、コアCPIは同+8.73%とともにと市場予想を下回る伸び。同月同国のPPIも同+6.36%と2013年11月以来の低い伸びに鈍化。トルコのインフレ懸念を後退させた。

昨年12月29日にペルーの首都リマでシャーマン(霊媒師)らがビーチに集まり、今年の世界平和を祈り、一年間に起きる出来事などを予想したそうです。ドル円予想をお願いすべきでした。

2015年1月4日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月2日)

この日発表された2つの米経済指標はいずれも市場予想を下回りましたが、結局ドル買いの展開は変わらず。当面はドル買い優勢の動きが続きそうです。

※チャートはドル円とユーロドルの二つ。ユーロドル(黄色の線)は下に行けばいくほどドル高・ユーロ安を意味します。

 1月2日のロンドン市場はドル、ユーロともに方向感に欠ける動き。ドル円は120円台半ば近辺でのもみ合い。ユーロドルは1.20ドルだ半ばを挟んでの推移が続いた。欧州株は寄り付きこそプラスで始まったものの、取引中盤にはマイナス圏に下落。一方、米債利回りは動意に欠ける動きが続いたが、昨年末水準を上回る水準を維持。ドルをサポートした。

 ポンドは下落基調で推移。ポンドドルは1.55ドル台半ばから1.54ドル台前半に下落した。12月の英製造業PMIは52.5と市場予想に反し前月から悪化。M4は前月を上回るマイナスを記録。BOE利上げ期待が後退し、ポンドは売り優勢の動きが続いた。

 NY市場は取引前半はドル買いの動き。ドル円は120円台半ばから120円台後半に小幅上昇する一方、ユーロドルは1.20ドル台半ば近辺から1.20ドル台前半に下落した。米国株はプラスで始まり、米債利回りはロンドン市場から変わらず。米利上げ期待を背景にドルは買い優勢の動きとなった。

 しかし取引中盤に発表された12月の米ISM製造業景況指数は55.5と市場予想を下回り、6カ月ぶりの低水準。同時に発表された11月の米建設支出は前月比0.3%減と市場予想に反しマイナスを記録。二つの米経済指標がいずれも弱い結果となったことで米債利回りは急低下し、米国株も下落。ユーロドルは1.20ドル台前半で下げ止まり。ドル円は円買い戻しの動きが強まり119円台後半まで下落した。

 ただ取引後半に入り米債利回りが下げ止まると、再びドル買い優勢の動き。ドル円は120円台半ばまで上昇。一方、ユーロドルは1.20ドルちょうどまで下落した。

 カナダドルは下落基調で推移。ドルカナダは1.16台後半から1.17台後半と2009年5月以来のカナダドル安水準に達した。12月のカナダ製造業PMIは53.9と前月から低下。カナダ景気の先行き期待の後退を背景にカナダドルは売りの動きが続いた。

 昨年末に続き2日の米経済指標も市場予想を下振れ。しかしドル買い優勢の展開が変わることなく今年最初の相場は終わった。米利上げ期待は根強く、米景気によほどのショックが生じない限りドル買いムードが大きく後退する様子はみえない。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月2日)

 新興国通貨は対ドルで下落。アジア通貨の下げは比較的小幅だったものの、中南米通貨、EMEA通貨はともに大きく売られた。

 KRWは対ドルで0.9%の下落。元旦に発表された12月の韓国貿易収支は57.8億ドルの黒字と市場予想や前月を上回る黒字。輸出が前年比3.7%増と持ち直す一方、輸入は同0.9%減と市場予想ほど落ち込まず。貿易黒字を押し上げた。12月の韓国HSBC製造業PMIは49.9と前月から上昇。韓国景気の回復の兆しが示された。

 SGDは対ドルで0.6%の下落。第4四半期のシンガポールGDPは前年比1.5%増と市場予想を下回り、昨年第1四半期以来の低い伸び。シンガポール景気の減速感の強まりが示された。

 IDRはBloombergによると対ドルで1.3%の下落。12月のインドネシアCPIは前年比+8.36%と市場予想を上回り、2010年の統計開始以来、最大の伸びを記録。コアCPIも同+4.93%と市場予想を上回る伸びとなり、インドネシアのインフレ懸念を高める結果となった。11月の同国貿易収支は4.26億ドルの赤字と市場予想に反し赤字を記録。輸出が前年比14.6%減と2012年8月以来の大きな落ち込みとなり貿易収支が悪化。12月の同国HSBC製造業PMIは47.6と2012年の統計開始以来、最低を更新した。

 BRLは対ドルで1.4%の下落。ブラジル・ルセフ大統領は2期目の就任式で財政規律の重視を主張。一方で、ブラジルをビジネスや投資がしやすい環境にするとの意向も示した。

 MXNは対ドルで0.6%の下落。11月のメキシコ海外労働者送金は前年比2.3%増と市場予想を下振れ。12月の同国IMEF製造業指数は49.7と市場予想に反し、5カ月ぶりの50割れ。メキシコ景気の先行き期待を後退させた。

 PENは対ドルで小幅上昇。12月のペルーCPIは前年比+3.22%と市場予想に反し小幅ながら前月から加速。ペルー中銀による利下げ懸念を後退させた。

 COPは対ドルで小幅上昇。コロンビア中銀は会合議事録(12月20日開催分)を公表。COP安の進展はインフレを加速させると指摘。COP安による交易条件の悪化が景気減速につながるとの見方も示されるなどCOP安に対する警戒姿勢が強く示された。