2015年1月17日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月16日)

市場のリスク回避姿勢は一服し、米景気は堅調持続。市場は素直にドル買いの反応となりました。来週は日銀とECBがそれぞれ会合を開きます。来週は日欧の緩和競争ムードとなるでしょうか。

※チャートはドル円です。


 1月16日のロンドン市場はユーロが下落基調で推移。ユーロドルは1.16ドル台前半から1.15ドル台後半に下落した。12月のユーロ圏CPI(改定値)は前年比-0.2%と速報値から変わらず、2014年は物価下落で終わったことが確定。ECBクーレ専務理事は一部メディアとのインタビューでECBの量的緩和の効果を上げるためには大規模である必要があると発言。ギリシャ債など格付けが不十分な国債の買い付けについてはEU/IMFの支援プログラムの下にある国の国際しか受け入れないルールがあると述べた。また同専務理事は、別メディアでのインタビューでデフレリスクが2014年夏に高まったと指摘。欧州当局は成長押し上げに向け、政策を総動員すべきだとの認識を示し、ECB追加緩和観測を強めた。また一部メディアは、ギリシャの市中銀行2行がギリシャ中銀に緊急流動性支援を要請したと報じた。

 ドル円は取引前半は116円台後半での推移。取引中盤に米長期債利回りが小幅低下したことで116円台前半に下落する場面もあったが、後半には再び116円台後半に上昇した。欧州株、日経平均先物はともに小幅安での推移。取引材料に乏しいこともあり、ドル円は小動きが続いた。

 NY市場は取引中盤からドル買い優勢の展開となった。取引前半は米債利回りが低下基調で推移したことからドルが小幅安の動き。ドル円は116円台前半に下落する一方、ユーロドルは1.15ドル台後半から1.16ドルちょうど近辺に小幅上昇した。その後発表された12月の米CPIは前年比+0.8%と市場予想を小幅上振れ。ただコアCPIは同+1.6%と市場予想を小幅下回った。米インフレが市場予想並みの伸びを示したほか、1月の米ミシガン大消費者信頼感が98.2と市場予想を大きく上回ると、低下していた米債利回りは一転して上昇。それに伴いドル買いが先行する動きとなり、ドル円は取引中盤にかけて117円台半ば近辺に上昇。一方、ユーロドルは1.14ドル台後半と2003年9月以来の安値に下落した。取引後半のドル円は117円台半ば近辺でのもみ合い。一方、ユーロドルは一転して上昇基調での推移となり引けにかけては1.15ドル台後半まで上昇。スイス中銀のジョルダン総裁が一部メディアとのインタビューで今後も必要に応じて市場で動きを取ると明言。マイナス金利は有効なツールとも述べ、フラン高抑制に前向きな姿勢を示したことでユーロを買い戻す動きが強まった。

 1月13日付IMM通貨先物の投機部門ポジションでは、円の売り越し枚数は9.5万枚と前週から増加。ユーロの売り越し枚数は16.8万枚と3週連続で増加し、昨年11月18日付以来の高水準に達した。円、ユーロ、ポンド、豪ドル、カナダドル、スイスフランの計6通貨の売り越し枚数は39.3万枚と2005年以降、最大を記録した。

 原油価格は持ち直し、欧米株も上昇するなど、市場のリスク回避姿勢は一服。米景気は引き続き堅調に推移しており、市場は素直にドル買いの反応を示した。来週の米国は19日が休日。経済指標も新規失業保険申請件数や中古住宅販売くらいしか注目を集めるものがなく、やや材料難の展開となりそうだ。

 一方、日銀は20、21日に金融政策決定会合を開き、ECBも22日に理事会を開く。日銀会合では物価見通しが下方修正されるものの金融政策は現状維持となる見込み。日銀は原油安による景気押し上げ効果や春闘の結果を見極める意向を示すと思われる。ECBはQE実施に関して何らかのアクションを起こすと予想されるが、詳細については議論が煮詰まっていない様子。25日にはギリシャ総選挙も控えていることから、QEの具体案提示は3月会合まで持ち越されると予想される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月16日)

NY原油先物価格はようやく下げ止まりの様子。欧米株の上昇もあって市場のリスク回避姿勢は一服しました。とはいえ、ユーロ安の影響もあって東欧通貨は軟調地合い。新興国通貨が全面高になるのは当面、先のことになりそうです。

※チャートはNY原油先物価格です。

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨は続落となる一方で、中南米通貨は買い優勢となった。

 BRLは対ドルで0.8%の上昇。1月15日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+1.28%と市場予想を上回る伸び。一方、11月のブラジル設備稼働率は80.9%と市場予想を小幅ながら上回った。

 MXNは対ドルで0.7%の上昇。12月のメキシコ失業率は4.38%と市場予想を大きく下回り、前月分も下方(改善方向での)修正。メキシコ景気の先行き期待を強めた。

 PENは対ドルで0.4%の下落。ペルー中銀は市場予想に反し政策金利を25bp引き下げ3.25%にすると発表。同中銀は声明で原油安は現地市場に波及しており、今回の利下げは2%インフレ目標と整合的であるとの見解を示した。

 COPは対ドルで1.8%の大幅反発。銅価格が上昇したことでCOPは買い戻し基調で推移した。11月のコロンビア鉱工業生産は前年比-0.9%と市場予想に反し、5カ月ぶりの前年割れ。同月同国の小売売上高は同8.4%増と市場予想を下回った。

 RUBは対ドルで変わらず。12月末のロシア外貨準備は3855億ドルと市場予想を大幅に下回り、2009年4月以来の低水準に低下。11月の同国貿易収支は134億ドルの黒字と市場予想を下振れ。原油安を背景に輸出が減少したことが響いた。

 PLNは対ドルで0.3%の下落。12月のポーランドコアCPIは前年比+0.5%と市場予想通りの伸び。前月からは小幅加速したが、ポーランドのディスインフレ傾向は変わらずだった。

よい週末をお過ごしください。

2015年1月16日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月15日)

スイス中銀がフラン上限策を撤廃し、マイナス金利を広げたことで市場は混乱。予想外の動きで正直驚いています。スイス中銀のやり方の是非は今後も議論となるでしょうが、議論の行方はともかく、市場は慎重な姿勢を取らざるをえません。

※チャートはユーロスイスです。下に行けばいくほどユーロ売り・スイスフラン買いが強まったことを示します。


 1月15日のロンドン市場はスイス中銀の政策変更を受けてリスク回避姿勢が強まる展開。ユーロ売り・円買いの動きとなった。スイス中銀は日本時間午後6時半過ぎにスイスフランの対ユーロの上限(1ユーロ=1.20フラン)を廃止すると発表。あわせて中銀預金金利を-0.25%から-0.75%に引き下げ、政策金利であるLIBOR3カ月物誘導目標は-0.75~0.25%から-1.25~-0.25%に引き下げた。同中銀のダンティーヌ副総裁は12日、フラン上限策は今後も主要な金融政策手段と発言していたこともあり、市場は意表を突かれた形となった。

 同中銀の発表を受けてユーロスイスは1.20ちょうどから一時0.85ちょうど近辺まで急落。直後に1.05ちょうど近辺に反発するなど、フランの流動性不足から激しい値動き。取引後半はじり安の動きとなり、引けにかけては1.02台後半での推移となった。

 ユーロドルは同中銀発表後、一時1.15ドル台後半と2003年11月以来の安値に下落。その後、1.17ドル台後半に反発したが、取引後半には1.16ドル台後半に下落。引けにかけては1.17ドルちょうど近辺で揉み合うなど、不安定な動きが続いた。

 ドル円は117円台半ばから116円台後半に下落。取引後半に117円ちょうど近辺に反発したが、円買いの動きは続き、引けにかけては116円台前半での推移となった。スイス中銀の発表後に米債利回りは低下。スイス株は一時10%超の下落となり、日経平均先物(夜間取引)は一時日中比400円超の大幅下落。市場のリスク回避姿勢の強まりを背景にドル円は円買いの動きが強まった。

 スイス中銀のジョルダン総裁は会見で、フラン上限策の撤廃について、このような政策を終了する場合には市場の意表を突く必要があると発言。現在のフラン水準は過大評価されていることを示しており、市場は予想外の措置には過剰反応する傾向があると指摘。フランはより持続的な水準まで再び下落するはずだと述べた。また同中銀が為替市場に介入して
いるかについてはコメントを避けたが、同中銀はフラン相場を注視し続けるとし、金融状況に影響を及ぼすため必要に応じ為替市場で積極的な行動を取り続ける意向も示した。

 NY市場はドル円の上値が重い展開が続くなか、ユーロが下落基調で推移した。1月のNY連銀製造業景況指数は9.95と市場予想を上回り、予想外のマイナスとなった前月分も上方修正。同時に発表された12月の米PPIは前年比+1.1%と市場予想を小幅上振れ。米新規失業保険申請件数は31.6万件と市場予想を上回った。米経済指標の結果はマチマチだったが、指標発表後ドル買いの動きがやや強まる動き。116円台半ばを挟んで上下動していたドル円は117円円台前半に上昇。一方、ユーロドルは1.17ドルちょうど近辺から1.16ドル台前半に下落した。取引中盤に発表された1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は6.3と市場予想を大きく下回り、昨年3月以降の最低に低下。すると米債利回りは低下基調での推移となり、ドル円は117円ちょうど近辺でのもみ合い。取引後半には116円台前半に下落した。一方、ユーロドルはユーロ売りの動きが優勢で、一時1.15ドル台後半とスイス中銀の発表直後に記録した水準まで低下。取引後半には1.16ドル台前半に反発したが上値は抑えられた。

 カナダドルはNY市場取引前半に原油先物価格が51ドル台まで回復したことで買いが先行。ドルカナダは1.19台後半から1.18ちょうど近辺まで下落した。ただ、その後、原油先物価格は下落基調に転じ、12月のカナダ中古住宅販売件数は前月比5.8%減と2012年8月以来の大幅な落ち込み。カナダドルは一転して下落基調での推移となり、ドルカナダはNY市場引けにかけて1.19台後半とロンドン市場終盤の水準に値を戻した。

 スイス中銀の突然の発表で米債利回りは低下。欧州株は上昇したものの、米国株は下落。原油先物価格も反発は一時的で再び下値を模索する動き。本日東京市場でのドル円は引き続き円買い優勢の展開が見込まれる。一方、ユーロはECB追加緩和観測を背景に上値の重い動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで軟調な動きとなりそうだ。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月15日)

スイス中銀の突然の発表に加え、持ち直したと思われた原油先物価格は再び下落。これでは新興国通貨を買うことは難しいままです。

 新興国通貨はCOPなど一部を除き対ドルで下落。一時51ドル台に回復した原油先物価格はNY市場に入ると46ドル台まで低下。東欧通貨はユーロと連れ安となった。米国株が軟調な動きとなったことも新興国通貨の重石となった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.5%の上昇。インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を7.75%で据え置き。同中銀は声明で現在の政策金利はインフレ目標と整合的であると指摘。成長率見通しを昨年が5.1%、今年が5.4~5.8%とした。また1月のCPIは前年比+7.6%程度になるとの見方を示した。

 INRは対ドルで0.2%の上昇。12月のインド貿易収支は94.3億ドルの赤字と赤字額が前月から縮小し、2014年2月以来の低水準を記録。輸出が前年比3.8%減と前年割れとなったが、輸入が原油安の影響で同4.8%減と7カ月ぶりの前年割れとなったことで貿易赤字が縮小した。

 BRLは対ドルで1.0%の下落。1月のブラジルIGP-10は前月比+0.42%と市場予想通り前月から鈍化。11月の同国経済活動指数は前年比-1.30%と市場予想ほどの落ち込みとならなかった。

 CLPは対ドルで小幅上昇。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置く見通し。

 PENは対ドルで0.2%の下落。11月のペルー経済活動指数は前年比+0.3%と市場予想を下回り、2009年9月以来の低い伸び。12月の同国失業率は5.6%と過去最低を記録した先月から悪化した。

 RUBは対ドルで0.9%の下落。1月9日時点のロシア金・外貨準備は3862億ドルと前週から変わらず。12月の同国軽自動車売上高は前年比2%増と市場予想を下回った。

 PLNは対ドルで2.9%の下落。12月のポーランドCPIは前年比-1.0%と統計開始以来最大の落ち込みを更新。ポーランド中銀のベルカ総裁はモスクワでのフォーラムで同国経済がデフレに陥っていることを認め、為替相場が非合理な動きを見せた場合にのみ介入すると発言した。

 ILSは対ドルで0.7%の下落。12月のイスラエルCPIは前年比-0.2%と市場予想や前月を上回る落ち込み。一部メディアはイスラエル中銀が1億ドル相当のドル買い介入を実施した模様と報じた。

一部メディアによると、プロレス好きの女性が増えているとのこと。為替好きの女性がいつかは増えることを期待したいと思います。

2015年1月15日木曜日

原油安に歯止めがかかるまでの有望通貨は円、韓国ウォン、台湾ドル

 原油価格の下落が物価に波及し始めてきた。12月のCPIをみると、英国が前年比+0.5%、ドイツが同+0.2%といずれも前月から大きく鈍化。明日(16日)発表予定の米国でも市場予想では同+0.7%と2009年11月以降、初めての1%割れを記録する見込みである。

 12月16、17日開催のFOMC議事録では、コアインフレが現状の水準でも金利を正常化させる可能性が指摘されたが、物価鈍化でFRBによる利上げが後ずれするとの見方も浮上している。現に、米2年債利回りは昨年12月29日に記録した0.74%台から低下を続け、昨日(1月14日)には一時的とはいえ0.44%台と昨年10月29日以来の低水準を記録。米金利がここまで下がれば、ドル買いの動きが後退する。昨日のドル円が116円ちょうど近辺と昨年12月16日以来の安値を記録したのも自然のことといえる。

 インフレ圧力が強い新興国ですら12月のCPIは伸び悩んだ。インドは前年比+5.00%、トルコは同+8.17%、ブラジル(IPCA)は同+6.41%といずれも前月並みの伸びにとどまり、市場予想を下回った。CPIの先行指数とされるWPIやPPIは鈍化傾向で推移しており、近い将来、CPIも鈍化する可能性が高いと思われる。

 原油安という外的要因によるものとはいえ、インフレ圧力の低下は、景気が低迷する新興国に利下げの機会を与える。インド中銀は15日、緊急会合を開き、政策金利(レポレート)を25bp引き下げ7.75%にすると発表した。同中銀のラジャン総裁は、予想を下回るインフレは、原油安の影響が大きいと言明した。トルコ中銀は20日に金融政策決定会合を開催するが、トルコ政府からの利下げ要求が続いていることもあって、インド中銀と同じように原油安を理由に利下げに踏み切る可能性が高まってきたと思われる。

 原油安によってドル買いの動きが後退するのであれば、新興国通貨は対ドルで持ち直すはず。しかし現実には、利下げがチラつく国では通貨上昇が見込みにくい。フィリピンやマレーシアは、インドなどと違い、金融当局が引き締め姿勢を示してきたものの、一方で原油安による景気悪化懸念が強まっている。11月のフィリピン海外労働者送金は前年比2.0%増と前月(同7.0%増)から大きく鈍化。送金国別にみると、中東からの送金が2011年10月以来の前年割れ。原油安により中東景気が急速に悪化。中東各国で働くフィリピン人による送金が一気に縮小したと考えられるが、これでは、たとえ利下げがなくとも、当該通貨を買うことは難しい。

 原油安の環境下で買いやすい通貨は、原油輸入国の通貨だろう。こうした国々では原油安によって貿易収支が改善する。日本の通関統計によると11月の鉱物性燃料の輸入額は前年比12.2%減。12月の韓国・原油輸入額は前年比32.3%減といずれも二桁の減少を記録した。原油安に歯止めがかかるまで、消去法的に選好されやすいのは、原油輸入国通貨としての円、韓国ウォン、台湾ドルとなる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月14日)

原油価格は反発しましたが、欧米株は下落し、米債利回りは低水準のまま。本日もドル買いの動きが強まることは期待できません。

※チャートはドル円です。

 1月14日のロンドン市場はユーロが下落。ユーロドルは取引序盤に1.17ドル台後半から1.18ドルちょうど近辺に上昇したものの、欧州司法裁ビラロン法務官は、ECBはEUの金融政策を策定かつ実施するに当たり、幅広い裁量を与えられるべきであり、裁判所はECBの活動を査定するに当たって相当程度の慎重姿勢が求められると発言。法務官の見解に拘束力はないものの、それに沿った判断を裁判所が最終的に下すケースが大半ということもあり、同発言が伝わるとユーロは売りが先行。ユーロドルは1.18ドルちょうど近辺から1.17ドル台前半に急落した。取引後半に入るとユーロドルは1.17ドル台後半に反発したが上値は抑えられた。

 一方、ドル円は取引前半に117円ちょうど近辺から116円台半ばに下落。原油価格に続き銅価格も下落したことが嫌気され欧州株が売り優勢の展開。ドル円は円買いの動きが強まったが、欧州司法裁ビラロン法務官の発言が伝わると、欧州株は持ち直しの動き。米債利回りも緩やかながら上昇基調で推移したことも加わり、ドル円は取引後半には117円ちょうど近辺に反発。しかし米債利回りが伸び悩むとドル円も同水準でのもみ合いとなった。

 NY市場は米小売売上高を受けてドル売りが先行。しかし取引中盤以降はドル買戻しの動きが続いた。12月の米小売売上高は前月比0.9%減と市場予想を上回り、1月以来の大幅な落ち込み。前月分も下方修正された。コア売上高も同0.4%減と大きく落ち込むなど、主要13項目のうち9項目が減少した。同指標発表後、ドルは売りが先行。ドル円は116円ちょうど近辺に急落する一方、ユーロドルは1.18ドル台前半に上昇。ただ米債利回りが反発に転ずると、ドルは買い戻しの動きに。ドル円はじり高の動きが続き、引けにかけては117円台前半と、この日のロンドン市場序盤の水準を超えるところまで上昇。一方、ユーロドルは1.17ドル台後半に下落後、取引後半に1.18ドルちょうど近辺に反発したが、後半にかけては再び1.17ドル台後半での推移となった。

 フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は講演原稿で労働市場の想定以上の回復が経済拡大の継続を支えると指摘。経済は今や平時に戻っており金融政策もそうあるべきとも指摘し、いわゆる出口戦略に前向きな姿勢を示した。

 FRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表。総括判断で「米経済活動は11月半ばから12月下旬にかけて、引き続き拡大した」と指摘。大部分の地区は経済成長のペースを「緩やか」または「穏やか」と報告した。カンザスシティー地区はわずかな成長にとどまったと報告したものの、同地区を含め多くの地区が今後数カ月の経済成長ペースはやや加速すると予想。一方、ダラス地区では経済がわずかに減速し、石油価格の低下が同地区の経済に及ぼす影響を懸念する声が多かった。

 原油先物価格は反発。ただ欧米株は1%を超える下落となり、米債利回りは低水準のまま。本日東京市場でのドル円は上値追いの動きは期待しにくい。一方、ユーロはECB追加緩和観測を背景に上値の重い動きを予想。アジア通貨は欧米株の下落や原油価格の反発を受けて対ドルで売り優勢の展開となりそうだ。なお本日は韓国中銀とインドネシア中銀が政策金利を発表する。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月14日)

NY原油先物価格は48ドル台に回復。新興国通貨売りの動きも一服した感じです。ただハンガリー、ポーランド両国のデフレ懸念が再燃。追加利下げ観測も浮上しています。

※チャートはNY原油先物価格です。

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。銅価格の急落を受けてCLPが大きく下げた一方で、BRLは反発。新興国通貨全体では方向感に欠ける動きとなった。

 PHPは対ドルで0.2%の上昇。11月のフィリピン海外労働者送金は前年比2.0%増と市場予想を大きく下回り、2009年1月以来の低い伸び。日本からの送金が大きく鈍化し、中東からの送金は前年割れとなった。ただフィリピン中銀のグイニガンド副総裁は、海外労働者送金は12月に反発するとの見方を示した。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。USD/BRLは昨年12月11日以来となる2.60台まで一時低下した。11月のブラジル小売売上高は前年比1.0%増と市場予想に反し、3カ月連続の前年越え。指標発表後のBRLは買い優勢の動きが続いた。

 HUFは対ドルで0.3%の下落。USD/HUFは一時273台と2002年4月以来のHUF安を記録した。12月のハンガリーCPIは前年比-0.9%と落ち込み幅が市場予想を上回り、過去最大を更新。コアCPIも同+0.8%と2006年4月以来の最低を記録した。ハンガリーのデフレ化を受けてハンガリー中銀による追加利下げ観測が浮上。HUFは指標発表後に売りの動きが強まった。

 ZARは対ドルで0.8%の上昇。12月の南アカギソ製造業PMIは50.2と市場予想や前月を下回る弱い結果。新規受注が52.6と前月から鈍化したほか、事業活動は48.3と4カ月ぶりの50割れとなった。一方、11月の同国小売売上高は前年比2.6%増と市場予想を上回る伸びとなった。

 PLNは対ドルで0.6%の上昇。12月のポーランドM3は前年比8.4%増と市場予想を上回る伸び。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を2.00%で据え置き。ただ同中銀は声明でデフレが続く用であれば追加緩和の可能性は排除できないと指摘。同中銀のベルカ総裁は同国経済にとってデフレは重要ではないとの考えは間違いであると言明した。

 RUBは対ドルでほぼ変わらず。1月12日までの週のロシアCPIは日次平均前月比+0.068%と前週から小幅鈍化。原油先物価格が1バレル48ドルに急上昇したこともあってRUBも買い戻された。

東京地方では本日午後から雨もしくは霙が降る見込みとのこと。雨具の用意を忘れずに。

2015年1月14日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月13日)

原油価格の先安観は根強く、ドル買いの動きは強まりにくい感じ。日銀は物価見通しを下方修正するようですが、追加緩和観測は盛り上がらず、円を買い戻す動きが優勢となりがちです。

 1月13日のロンドン市場はドルが底堅い動き。ドル円は118円台前半から118円台後半に小幅上昇。一方、ユーロドルは1.18ドル台前半から1.18ドルちょうど近辺に下落した。ECBクーレ専務理事は、一部独紙とのインタビューで国債購入に関するECBの議論はかなり進んでおり、22日の理事会で決定する可能性があると発言。ユーロ売りの動きを後押しした。

 ポンドも対ドルで下落した。12月の英CPIは前年比+0.5%と市場予想を下回り、2000年5月以来の低い伸び。コアCPIは同+1.3%と市場予想通りの伸びとなり、原油安がCPIを大きく押し下げたことが示された。CPI発表を受けてポンドドルは1.51ドル台後半から1.50ドル台後半に下落。BOEのカーニー総裁はインフレの低下は今後数カ月続くだろうと発言。BOEの次の動きが利上げになることに変わりはないとの認識を示したが、利上げは1年前の想定と比べ、やや緩やかでやや限定的なものになるだろうと述べた。同総裁の発言後、ポンドドルは1.51ドル台前半に反発した。

 NY市場は取引中盤から円買い戻しの動きが続いた。寄り付きの米国株は買いが先行し、米債利回りも上昇基調で推移。しかしドル円は118円台半ばを挟んでの上下動。一方、ユーロドルは1.18ドルちょうど近辺から1.17ドル台後半に下落基調で推移した。取引中盤に発表された11月の米求人件数は497万件と2001年1月以来の最高を記録。米雇用環境の改善継続が確認されたものの米債利回りは伸び悩み。ドル円は取引中盤に118円ちょうど近辺に下落。取引後半には米国株がマイナス圏に落ち込み、米債利回りが低下に転ずると、ドル円は117円台後半まで下落した。一方、ユーロドルは取引中盤に1.18ドルちょうど近辺まで上昇したが、取引後半は1.17ドル台後半でのもみ合いとなった。

 一部日本のメディアは、複数の関係筋の話として、日銀が今月20、21日に開く金融政策決定会合で2015年度の物価見通しを下方修正する公算が大きいと報道。足元までの原油価格の急落などで、前年比1.7%としているコアCPIの上昇率見通しの維持は難しく、1%前半から半ばに引き下げる可能性が高いと報じた。

 原油先物価格は下げ止まったものの先安観は根強いまま。米債利回りの上値も抑えられがちでドル買いの動きは続きにくい。本日も日本株は下げて始まる見込みで、本日東京市場でのドル円は上値の重い動きが続きそうだ。一方、ユーロもECB追加緩和観測を背景に上値が抑えられやすいとみる。アジア通貨は米国株の下落を受けて対ドルで慎重な動きが予想される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月13日)

 新興国通貨はBRLなど一部を除き対ドルで下落。原油先物価格はロンドン市場で45ドル割れ。NY市場に入ると46ドルちょうど近辺に反発したが、価格先安観は継続。寄り付きに買いが先行した米国株も下落に転じ、新興国通貨を回避する動きが強まった。

 BRLは対ドルで1.2%の上昇。ブラジルFIPE・CPI(週次)は前月比+0.49%と市場予想を上振れ。ブラジルのレビ財務相は現在の歳出の大きさはインフレ抑制を困難にすると指摘。今後は電力などエネルギーセクターの効率化を図るため補助金支出を削減する意向を示した。

 TRYは対ドルで小幅下落。11月のトルコ経常収支は56.4億ドルの赤字と市場予想を上回る赤字を記録。トルコのゼイベクチ経済相は今年第1四半期に利下げを必ずするだろうと発言。現在の政策金利水準では投資が抑制されると指摘し、今年の同国インフレは5%程度に鈍化する可能性があるとの見方を示した。

 CZKは対ドルで0.4%の上昇。11月のチェコ経常収支は67.2億コルナの赤字と市場予想に反し赤字に転落。チェコ中銀のシンガー総裁は足元での食品価格や原油価格の下落に対し同中銀が即時に対応する必要はないと指摘。CZK買い戻しの動きをサポートした。

 PLNは対ドルで0.7%の下落。11月のポーランド経常収支は2.68億ユーロの赤字と市場予想に比べ赤字額が小幅。第一次所得収支の赤字が前月から減少したほか、貿易赤字も小幅に留まったことが主因。

 RUBは対ドルで4.0%の下落。USD/RUBは一時66台と昨年12月17日以来のRUB安水準に達した。ロシア政府は予定されていた国債入札を中止。原油安が止まらないこともあって、この日のRUBは売り優勢だった。

ズボンやスカートを脱いで下着だけで地下鉄に乗るイベント・ノーパンツデーが世界約25カ国で開催されたそうです。下着を履かずにズボンやスカートを履くイベントなのかと思っていましたが、どうも違うようです。私も真似をして今日はモモヒキを履いて地下鉄に乗ってみたいと思います。もちろんズボンも履きます。

2015年1月13日火曜日

15日会合で予想外の利下げもありそうな韓国

 KRWが今年に入り堅調な推移を続けている。USD/KRWは1月5日に1110台に上昇したが、その後は低下(KRW買い)基調で推移。本日(1月13日)は1070台と昨年11月5日以来のKRW高水準で推移している。

 KRW買いをサポートするのが原油安だ。韓国が輸入する原油関連製品(原油、石油製品、LNGの3種合計)は輸入全体(2014年は5257億ドル)の30%程度(約1530億ドル)。仮に今年の平均原油価格が2014年平均(1バレル約93ドル)から4割下落(約56ドル)となれば、今年の韓国貿易黒字は(原油安効果だけで)612億ドルも押し上げられ、2014年(474億ドル)から2倍以上増えることになる。

 輸出は今年も底堅い動きとなりそうだ。先ほど発表された12月の中国輸入は前年比2.4%減と市場予想ほどの落ち込みを示さず。日本向けは円安を背景に減少基調が続く見込みだが、韓国輸出の約4割を占める米中景気が大きく悪化しないのであれば、韓国の輸出が急減するリスクは低い。

 ただ、貿易黒字の拡大がKRW買いの動きを促すとなると、韓国当局はKRW高に対する懸念を強めるだろう。韓国・朴大統領は、昨日(12日)おこなわれた新年記者会見で、利下げについてはマクロ政策を担当する機関と協議し、時期を逃さずに適宜対応するようにすると明言。同国の周企画財政部次官は、同大統領の発言は利下げを示唆したものではないと釈明したが、15日の韓国中銀会合に利下げのプレッシャーがかかったとの見方もある。

 韓国中銀は、家計の債務残高拡大を懸念し、利下げに消極的な姿勢を示しているが、韓国の消費低迷とディスインフレの継続は否定しがたい事実。11月のディスカウント売上高は前年比4.7%減と3カ月連続の前年割れ。12月のCPIは前年比+0.8%と市場予想を下回り、1999年8月以来の低い伸びに鈍化している。

 日本が金融緩和で円安誘導に成功したこともあって、韓国中銀も金融緩和によってKRW安誘導を試みるべきとの指摘もある。韓国中銀が15日会合で予想外の利下げに踏み切る可能性は、それなりにあるのではないかと思われる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年1月12日)

原油安は続き、NY原油先物価格は46ドル割れ。40ドル割れの可能性を指摘する声も出てきました。米利上げ観測が大きく後退したわけではないとはいえ、原油安によるディスインフレ懸念はジワジワと効いている様子。ドルの上値は抑えられやすいままです。

※チャートはNY原油先物価格の推移です。

 1月12日のロンドン市場はドルが買い戻される展開。ドル円は118円台前半から119円台前半に上昇する一方、ユーロドルは1.18ドル台後半から1.18ドルちょうど近辺に下落した。この日はユーロ圏主要国で主だった経済指標の発表もなく材料難だったが、欧州株は買い優勢の動き。米債利回りも前週末終値水準から小高く推移。ドルは買い戻しの動きとなった。

 しかしNY市場に入るとドル伸び悩みから、一転して売り優勢の動きとなった。原油先物価格はNY市場に入ると下落基調で推移。米債利回りも低下に転じ、ドル円は取引中盤には118円台前半とロンドン市場序盤の水準に下落。一方、ユーロドルは1.18ドル台前半に反発した。12月の米労働市場情勢指数は6.1と前月から加速し、前月分も2.9から5.5に上方修正。米雇用環境の改善傾向が示され、米債利回りは下げ止まり。ドル円は118円台後半に反発する一方、ユーロドルは1..18ドルちょうど付近まで下落した。

 しかし取引後半に入っても、原油先物価格は46ドル台半ばで伸び悩み。取引終盤には46ドルちょうど近辺に下落すると、米債利回りも再び低下。ドルの上値は重くなり、ドル円は118円台前半に下落する一方、ユーロドルは1.18ドル台前半での推移となった。

 アトランタ連銀のロックハート総裁は、アトランタでの講演の事前原稿で、初回利上げについてリスク管理という立場で言えば、早期よりも遅めの時期を好むだろうと発言。私は慎重なアプローチを支持した。今後も支持し続ける見込みだ。慎重なアプローチとは金利正常化のペースに関して比較的慎重で保守的なことだとも述べた。

 オーストリア中銀のノボトニー総裁は、ユーロ圏の低インフレは長期化する可能性があり、ECBは対応を長期間待つべきではないと発言。ECBは物価姉い目標から遠く離れており、QE実施の方法について議論を続けているとも述べた。

 原油先物価格はじり安の動き。理屈の上では原油安は先進国景気を押し上げることになっているが、市場の注目は景気よりも金融政策の先行き。FRBによる年半ばの利上げ観測も揺らぎつつある状況だけに、ドルの上値は抑えられやすい。本日は日本株も下げて始まる見込みで、日経平均株価は1万7千割れで始まる可能性も。本日東京市場でのドル円は上値の重い動きとなりそうだ。一方、ユーロは対ドルで下値の堅い動きが見込まれるが、ECB追加緩和に関する報道に対しては引き続き脆弱な動きを示す見込み。アジア通貨は米国株の下落を受けて対ドルで慎重な動きが予想される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年1月12日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油先物価格の下落を受けてRUBが大きく下げたほか、中南米通貨も売り優勢。一方、アジア通貨は底堅い動きとなった。

 INRは対ドルで0.3%の上昇。11月のインド鉱工業生産は前年比+3.8%と市場予想を上振れ。一方、12月の同国CPIは同+5.00%と市場予想を下回ったが、前月から加速。インド中銀による利上げ観測を後退させた。

 BRLは対ドルで1.5%の下落。1月のブラジルIGP-M(一次速報)は前月比+0.29%と市場予想通り前月から鈍化。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末のGDP成長率見通しが0.40%と2週連続の下方修正。BRLの重石となった。

 CZKは対ドルで0.7%の下落。11月のチェコ小売売上高は前年比0.8%増と市場予想や前月を下回り、6カ月ぶりの低い伸び。チェコ中銀ルスノク委員は一部メディアとのインタビューで現時点で同中銀が新しい金融政策を実施する計画はないと発言。CZKの対ユーロ上限の設定は現時点で適切なものであるとの認識も示した。

 ZARは対ドルで小幅下落。11月の南アフリカ製造業生産は前年比1.3%減と市場予想に反し、3カ月ぶりの前年割れ。前週後半から続いたZAR買い戻しの動きを止めた。

 ILSは対ドルで0.2%の上昇。イスラエル中銀は会合議事録(12月29日開催分)を公表。政策金利を0.25%に須億との判断が全会一致であることが示された。

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