2015年2月20日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年2月19日)

 2月19日のロンドン市場はユーロがギリシャ関連上昇で上下に動く展開となった。一部メディアは取引前半、ギリシャ政府が金融支援ファシリティー基本合意文書の6カ月延長を要請したと報道。これを受けてユーロドルは1.14ドルちょうど近辺から1.14ドル台半ば近辺に上昇した。ユーログループのデイセルブルム議長は20日に財務相会合で協議すると発表。欧州委員会は、ギリシャの書簡が合理的な妥協に道を開く可能性があるとして歓迎する姿勢を示した。しかし、その後、ドイツ財務省はギリシャの支援延長要請を拒否すると表明。ユーロは一転して売り先行となり、ユーロドルは1.14ドル割れとなった。

 ECBは政策委員会の議事要旨を初めて公開。今回公開された1月22日分では1.1兆ユーロ規模の資産購入計画が決定された。議事要旨によると、理事会はユーロ圏の物価低迷が長期化するとの認識でおおむね一致。ソブリン債購入が唯一の充分な措置との意見でも一致した。ただ、実施時期に関しては反対意見もあり、一部からは現時点で行動を急ぐ必要は無いと主張。しかし、大勢はプラートECB専務理事の意見に集約されており、行動を起こすことがインフレ見通しを改善し、行動を起こさないリスクがより大きい公算と指摘した。また一部の理事は、物価安は原油価格の下落が主因で、一時的な現象の可能性があると指摘。今回の理事会で行動する差し迫った必要性はないと、量的緩和に反対した。

 ドル円は118円台後半から119円ちょうど手前まで上昇。軟調に推移していた欧州株、日経平均先物はともに取引後半に持ち直し。米債利回りも下げ渋り、ドル円はドル買い戻し優勢の動きとなった。

 NY市場はユーロの上値が抑えられる展開となった。ユーロドルは取引前半に1.14ドルちょうど近辺から1.13ドル台後半に下落。取引中盤にかけてはドル売りの流れを受けてユーロドルも1.14ドルちょうど近辺に反発したが上値は抑えられたまま。後半に入りドイツのメルケル首相とギリシャのチプラス首相が電話会談をしたと報じられたが、ドイツ連銀のバイトマン総裁は条件が満たされるかどうかを判断する上で、ギリシャ政府から受け取ったプログラム延長申請の書簡は十分ではないと発言。ユーロは売り優勢の動きとなり、ユーロドルは取引終盤には1.13ドル台後半に下落した。

 ドル円は方向感に欠ける展開となった。米新規失業保険申請件数は28.3万件と市場予想を下回る好結果。ドル円は119円台前半に上昇したが、米債利回りが伸び悩むと119円ちょうど近辺に小幅下落した。その後発表された2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は5.2と市場予想に反し前月から低下。これを受けて米債利回りは小幅反落。ドル円も118円台後半に下落した。取引後半には米債利回りが上昇に転じたことからドル円は119円ちょうど近辺に反発。その後は同水準でのもみ合いとなった。

 FOMC議事録で米利上げ開始観測は大きく後退するかと思われたが、米債利回りは上昇。ドルをサポートした。ただ足元では取引材料難のほか、アジア各国は中国・旧正月でお休みムードが強い。来週のFRBイエレン議長の講演内容を見極めたいとの思惑も強まっている様子で、本日東京市場でのドル円は様子見姿勢が強まると予想される。一方、ユーロは引き続きギリシャ関連報道に対し神経質な動きを示す見込み。アジア金融市場は昨日に引き続き、中国・旧正月でタイなど一部を除き多くが休場となる。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年2月19日)

 新興国通貨は一部を除き対ドルで下落。米債利回りの上昇が嫌気された。

 BRLは対ドルで1.0%の下落。2月のブラジルIGP-M(二次速報)は前月比+0.16%、2月18日までの週のブラジルIPC-Sは同+1.27%といずれも市場予想を下回った。

 ILSは対ドルで0.2%の上昇。昨年12月のイスラエル製造業生産は前月比0.1%減となったが、前月分はマイナスから小幅プラスに上方修正された。

 RUBは対ドルで0.4%の下落。2月13日までの週のロシア金・外貨準備は3683億ドルと5週連続で減少。ロシアの外貨準備の減少基調は続いている。

 PLNは対ドルで変わらず。ポーランド中銀は会合議事録(2月4日開催分)を公表。25bpの利下げが提案されたものの否決されたことが判明した。数名のメンバーは金融市場のボラティリティの拡大を理由に政策金利は据え置かれるべきだと主張。しかし、中期のインフレ見通し策定時に金融調整をする可能性は排除されないとの見解も示した。同中銀のベルカ総裁は先行き見通しが不安定化しているなか、金融調整の必要性に直面していると発言。PLNは過小評価されているものの、他経済指標はポーランドに利下げ余地があることを示しているとの認識も示した。

イスラエルの地中海沿岸沖の海底で、約1000年前に鋳造された金貨が大量に発見されたそうです。金貨の総重量は約6キロで、約24万ドルの価値とのこと。落とし主が現れるといいですね。

2015年2月19日木曜日

イエレン・ショックを引き起こしかねない新興国の金融緩和

 新興国各国は、今年に入って金融緩和という危ない橋を渡り始めている。1月はインド、トルコ、ロシアがそれぞれ利下げ。シンガポールは緊急声明でシンガポールドルの政策バンドの傾斜を緩やかにする金融緩和を発表した。インフレが鈍化してきたインドと、政府からの利下げ要求が続くトルコが利下げしたのは分からなくもないが、自国通貨(ルーブル)の大幅下落もあってインフレに苦しむロシアが利下げに踏み切ったのは正直、理解に苦しむ。通常は4月と10月に金融政策を変更するシンガポールが、わざわざ緊急声明を出して金融緩和したのは異例だ。

 2月に入るとインドネシア中銀が25bpの利下げを決定。市場のリスク回避姿勢の強まりなどでルピアが大きく売られる可能性は続いているとの見方から、市場関係者の大半は、インドネシア中銀がルピア安定のために政策金利を据え置くと予想していただけに、インドネシア中銀の利下げ発表は市場に大きなサプライズを与えた。

 新興国各国が金融緩和に踏み切る背景には、原油安、景気低迷、世界的な金利の低下の3点がある。原油価格は昨年初めの水準からほぼ半値に下落。物価の伸びは先進国、新興国ともに大きく鈍化している。一方で新興国景気は、フィリピンなど一部を除き低迷したまま。原油安でインフレリスクが低下した以上、新興国各国が景気浮揚のために金融緩和に踏み切るのは自然な姿といえなくもない。

 利下げを始めとする金融緩和は、金利の低下を通じ自国通貨売り圧力を強める。トルコやインドネシアなど経常収支赤字が高水準にある国ほど、金融緩和によって自国通貨が急落し、資金繰りが苦しくなる恐れもある。しかし、1月に対ユーロ上限策を撤廃したスイス中銀は、中銀預金金利をマイナス0.25%からマイナス0.75%に引き下げ。ECBが資産買い入れ(QE)の開始を宣言したことで、欧州を中心に先進国の国債利回りは短期債を中心に大きく低下した。新興国が利下げしたとしても25bp程度であれば先進国との金利差はある程度維持されることになり、新興国通貨売りの動きが強まる恐れも低下している。現に、インドネシア中銀が予想外の利下げを発表した翌日のインドネシア・ルピアは、対ドルで0.8%程度の下落と、比較的落ち着いた値動き。インドネシアの政策金利は、25bpの利下げ後でも7.50%と高水準。高金利を求める先進国マネーが、インドネシア・ルピアをサポートしたと思われる。

 金融緩和に踏み切っても自国通貨が急落しないという「成功例」を目にしただけに、今後は他新興国でも金融緩和に踏み切る動きが出てくるだろう。特に、景気低迷にもかかわらず高インフレで金融緩和が難しかった南アフリカとメキシコは、原油安によるインフレ鈍化の定着が確認されれば金融緩和が視野に入る。景気は堅調に推移しているがディスインフレ懸念が強まっているハンガリー、チェコ、ポーランドも金融緩和が有力な選択肢となる。現時点では考えにくいものの、マイナス成長が避けがたくなってきたブラジルも、インフレ次第では金融引き締めから金融緩和に舵を切ることも否定できない。

 ただ、新興国各国による金融緩和の動きが、新興国からの資本流出リスクを高めているのは間違いない。足元では米FRBによる今年夏場の利上げ開始観測の後退もあって、ドル買いの動きは出ていないが、米景気や雇用環境は堅調を持続。FRBイエレン議長などFRB執行部が金融政策の出口戦略に強くコミットしているとの見方は根強く、何らかの材料をきっかけに為替市場がドル買いの動きを再び強める展開も十分ありえる。

 2013年5月、FRBバーナンキ議長(当時)は、月850億ドル規模の債券購入策の縮小に初めて言及。この発言を受けて新興国通貨は急激に売られた。いわゆるバーナンキ・ショックである。原油安などの恩恵を前提に金融緩和を続ける新興国が出てくるようだと、バーナンキ・ショックならぬイエレン・ショックの可能性が高まることになる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年2月18日)

日本時間早朝に発表されたFOMC議事録では、ゼロ金利が長期化するとの見方や、ドル高が輸出を抑制する可能性が示され、市場はドル売りで反応しました。もともと利上げ開始を先送りするとの見方は債券市場を中心に根強く、今回のFOMC議事録は、そうした見方をサポートしたともいえます。ただ、FOMC議事録は投票権を持たないメンバーの発言が色濃く出ることが多く、今回の内容がFOMCの相違とも思えません。個人的には今年6月の利上げの見方を変える必要はないと思っています。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年2月18日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油先物価格は下落したが、EMEA通貨の一部は対ドルで上昇した。

 MXNは対ドルで0.3%の上昇。メキシコ中銀は四半期インフレ報告を公表。今年の成長率見通しを従来の3.0~4.0%から2.5~3.5%に下方修正。来年の成長率見通しも2.9~3.9%に下方修正された。今年のインフレは目標である3%近辺とみたものの、年末には3%を下回るとも指摘。コアインフレは今年通年で3%を下回るとの見方も示した。また同中銀はMXN安によるインフレへの影響を注視するとも指摘した。

 ZARは対ドルで0.7%の上昇。1月の南アフリカCPIは前年比+4.4%と市場予想を下回ったが、コアCPIは同+5.8%と市場予想を上振れ。その後発表された昨年12月の同国小売売上高は同3.4%増と市場予想を上回り、南ア中銀による利下げ観測を後退させた。

 PLNは対ドルで小幅下落。1月のポーランド鉱工業生産販売は前年比+1.7%、同月同国の小売売上高は同0.1%増といずれも市場予想を下回る弱い結果だった。

 RUBは対ドルで2.7%の上昇。USD/RUBは61台前半と1月12日以来のRUB高水準に低下した。1月のロシアPPIは前年比+7.1%と市場予想を上回ったが、2月16日までの週のCPIは日次平均前月比+0.078%と2週続けて鈍化。その後発表された1月のロシア実質賃金は前年比8.0%減、同月同国の実質小売売上高は同4.4%減と、いずれもと市場予想を上回る落ち込みとなった。

 ILSは対ドルで小幅上昇。2月のイスラエルCPI予想は前年比+0.8%と前月から小幅加速。1月の同国M1は同40.1%増と2010年1月以来の高い伸びを記録した。

2015年2月18日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年2月17日)

 2月17日のロンドン市場はユーロが上昇。ユーロドルは取引前半こそ1.13ドル台半ば近辺から1.13ドル台前半に下落したが、その後は上昇基調で推移。引けにかけては1.14ドル台前半まで上昇した。2月のドイツZEW景況感指数は53.0と市場予想を下回ったが4カ月連続上昇し、1年ぶりの高水準を記録。ギリシャ政府とEUによる協議継続も好感され、ユーロは買い戻しの動きが続いた。

 ドル円は118円台半ば近辺から119円ちょうど手前まで上昇。米債利回りはじり高の動きとなり、日経平均先物も小高く推移。ドル円は底堅い動きとなった。

 ポンドは英CPIを受けて売られたが、取引後半は持ち直す動きとなった。1月の英CPIは前年比+0.3%と市場予想を下回り、1989年の統計開始以来最も低い伸びを更新。同時に発表された昨年12月の英住宅価格指数は前年比+9.8%と市場予想を上回る伸びとなったが、ポンドは売りの動きが強まり、ポンドドルは1.53ドル台後半から1.53ドル台前半に下落した。ただ、その後のポンドは一転して買い戻しの動き。ポンドドルは引けには1.54ドルちょうど近辺まで反発した。

 連休明けのNY市場は円売りの動き。ドル円は取引前半に118円台後半のもみ合いが続いたが、中盤には119円ちょうど近辺に小幅上昇。後半は119円台前半に上昇した。2月のNY連銀製造業景気指数は7.78と市場予想や前月を下回ったが、市場の反応は限定的。取引中盤以降は米債利回りが上昇基調で推移。後半には一部メディアが関係者の話としてギリシャ政府が融資合意の6カ月延長を申請する可能性があると報じると円売りの動きが強まった。

 ユーロドルは取引中盤にかけて1.14ドル台前半から1.14ドルちょうど近辺に下落。ドイツのショイブレ財務相はギリシャが決定しなければならない最重要の問題は、同国がこのプログラムを望んでいるのかどうかだと発言。仮にギリシャ政府が現行の救済プログラムの継続を求める場合、ドイツ議会は2月27日までに延長を可決する必要があるとも述べた。ただユーログループのデイセルブルム議長はギリシャ政府との話し合いのドアは確実に開かれているとし、ギリシャ協議は数日中継続すると発言。ギリシャは支援プログラムの延長を決断すべきとの見解も示すと、ユーロは下値の堅い動きとなった。取引後半に入ると、ユーロドルは1.14ドルちょうど近辺でのもみ合い。一部メディアはギリシャ政府が融資合意の6カ月延長を申請する可能性があると報じたがユーロ買いの動きが強まることはなかった。

 資金繰りに窮するギリシャ政府は近いうちに姿勢を変えるとの思惑からユーロは底堅い動き。ただ、ギリシャ政府はギリギリまで条件交渉を続けると思われ、本日東京市場でもギリシャ関連報道でユーロ相場が大きく変わる可能性もある。ドル円は現時点では底堅い動きとなっているが、本日の日銀金融政策決定会合の結果発表次第の面もある。追加緩和は見送られる見通しだが、サプライズ好きな黒田総裁があえて動く可能性は否定しきれない。アジア通貨は予想外の利下げを受けてIDRが対ドルで売り優勢になると予想される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年2月17日)

 新興国通貨は対ドルで底堅い動き。米債利回りは上昇したが、原油価格が底堅い動きとなったことが新興国通貨を下支えした。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅下落。インドネシア中銀は市場予想に反し政策金利を25bp引き下げ7.50%にすると発表。預金ファシリティー金利(FASBI)も25bp引き下げられ5.50%となった。同中銀は今回の利下げの理由としてインフレの低下が続くとの見方を示し、今回の決定が経常赤字を抑制するという中銀の方針に依然として沿ったものだとした。また今年のインフレは3~5%の目標レンジの下限での推移となるとの見方を示し、成長率は5.4~5.8%程度になるとの見通しを示した。

 PLNは対ドルで0.2%の上昇。1月のポーランド平均総賃金は前年比3.6%増と市場予想を上回る伸び。ただ、同時に発表された同月同国の雇用は同1.2%増と市場予想を下回った。

 ZARは対ドルで0.2%の下落。南アフリカ中銀のクガニャゴ総裁は講演原稿で現在の金融政策は緩和的であると指摘。原油安は経済のカンフル剤となるが、その効果は一時的となるとの見方を示し、利下げ観測をけん制した。

東京でも積雪との報道が一部にありましたが、今のところ雪は見当たりません。長靴は今回も出番がなさそうです。

2015年2月17日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年2月16日)

 2月16日のロンドン市場はドル、ユーロともに動意に欠ける動き。ドル円は118円台後半でもみ合いとなった。欧州株、日経平均先物ともに方向感に欠ける動き。この日は米金融市場が休場ということもあってドル円は様子見姿勢が強かった。

 ユーロドルは取引中盤まで1.14ドル台前半で膠着感の強い動き。後半に入り、一時1.14ドルちょうど近辺に下落する場面もあったが、終盤には1.14ドル台前半に反発した。この日発表された12月のユーロ圏貿易統計は、243億ユーロの黒字と市場予想を上回り、過去最大を更新。内需低迷を背景に輸入の落ち込みが大きく、貿易黒字を押し上げた。ドイツ連銀は月報で今年のドイツ経済は個人消費を中心に景気が予想以上のペースで成長するとの見通しを提示。ELAを受けているギリシャの銀行は流動性改善に取り組むべきで、ギリシャ短期債を今後数週間で買い入れ、流動性要件を延長することはこれに反するとの見方を示した。

 NY市場では米金融市場が休場の中、円がじり高の動き。ユーロはユーロ圏財務相会合の結果を受けて下落した。この日は米国がプレジデンツデーで米株式市場、米国債市場、CMEグループの各取引市場が終日休場。ドル円は取引前半こそ118円台後半での推移となったが、中盤からはじり安の動き。取引後半は118円台前半に下落したが、取引終盤は118円台半ば近辺まで反発した。

 ユーロドルは取引前半に1.14ドル台前半から1.14ドルちょうど近辺に小幅下落。ドイツのショイブレ財務相がユーロ圏財務相会合を前にギリシャ政府は全く行動しておらず、支援プログラムを完遂すべきと批判したことがやや材料視された。ただ取引中盤にはユーロドルは1.14ドル台前半に持ち直した。

 取引後半に入ると、この日実施されていたユーロ圏財務相会合が打ち切りと発表。同会合ではギリシャ政府に対し、ギリシャが現行の支援プログラムを無事に完了するとともに、半年間の延長を受け入れる声明草案が提示されたが、同国がこれを拒否。同会合のデイセルブルム議長は、ギリシャが今週20日までに現行の支援プログラムの延長を要請する必要があり、それ以降の要請は受け入れられないとの認識を示した。ギリシャとEU側との交渉が決裂したことを受けて、ユーロは売りが先行。ユーロドルは1.14ドル台前半から1.13ドル台前半に下落したが、取引終盤には1.13ドル台半ば近辺まで反発した。

 ユーロ圏財務相会合は大方の見方通り決裂。ギリシャ政府に残された時間は少ないが、同国政府はギリギリまで強気の姿勢を崩さないと思われる。ギリシャ政府は最後には姿勢を変えると思われるが、それまではユーロからの離脱懸念を背景にユーロの下押し圧力はかかり続ける見込み。本日東京市場でもユーロは上値の重い展開となりそうだ。一方、ドル円は日銀の追加緩和期待の後退を背景に軟調な推移となる見込み。アジア通貨は対ドルで方向感に欠ける動きとなりそうだ。なお本日は韓国とインドネシアの両中銀が政策金利を発表するが、両中銀とも政策金利を据え置くとみられている。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年2月16日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。RUB、ILSが対ドルで底堅く推移する一方、東欧通貨はユーロと連れ安となった。

 PHPは対ドルで小幅上昇。昨年12月のフィリピン海外労働者送金は前年比6.6%増と市場予想を上回る伸び。前月の落ち込みをカバーした。

 PENは対ドルで小幅下落。1月のペルー失業率は6.4%と市場予想を上回り、昨年3月以来の高水準に悪化。昨年12月のペルー経済活動指数は前年比+0.5%と市場予想を下回り、ペルー景気の低迷を示した。

 TRYは対ドルで変わらず。11月のトルコ失業率は10.7%と市場予想を上回り、2011年2月以来の高水準となった。

 ILSは対ドルで小幅上昇。昨年第4四半期のイスラエルGDPは前期比年率7.2%増と市場予想を大きく上回り、2006年以降、最大の伸びを記録。政府消費が同12.2%増と急増したほか、民間設備投資も同12.9%増と急増し成長率を押し上げた。

 RUBは対ドルで0.3%の上昇。1月のロシア鉱工業生産は前年比+0.9%と市場予想を小幅上振れ。ロシア経済省は今年のRUB平均相場は1ドル61.5RUBとの見通しを公表。成長率は3%減、インフレは年末時点で12.2%に達するとの見通しも示した。

ブラジルではリオのカーニバルが始まったようです。私も一度でいいからあんな衣装を着けて通勤したいものです。

2015年2月16日月曜日

アジア通貨とのレラティブ・トレードにも使えそうなタイ・バーツ(THB)

 タイのソムマイ財務相は13日、タイバーツ(THB)はタイ中銀によってよく管理されており、今後もTHBのボラティリティを抑制するために特段の措置を講ずる必要がないと発言した。たしかに、アジア通貨を対象に、過去1年間の対ドルでのヒストリカル・ボラティリティ(3カ月間)をみると、THBは3.43%とアジア通貨の中でCNY(2.61%)に次ぐ低さとなっている。

※アジア通貨の対ドル・ヒストリカルボラティリティ(過去1年間・3カ月)
THB:3.43%、PHP:3.74%、SGD:5.57%、TWD:5.97%、INR:6.78%、MYR:8.53%、KRW:9.63%、IDR:10.45%
(出所)Bloomberg

 タイのファンダメンタルズは、良くも悪くも安定している。さきほど発表された昨年第4四半期のタイGDPは前年比2.3%増と市場予想を上回り、2期連続の加速。家計消費は同1.9%増と前期から鈍化したが、政府消費は同5.5%増と大幅増。投資も同3.2%増と2期連続のプラスとなり、輸出も同4.9%増と1年ぶりのプラスに転じた。

 ただ、タイ景気の先行き不透明感は強いままだ。タイGDPの6割以上を占める民間消費は、タイのクーデター後も前年並み水準を上下動。1月のタイ消費者信頼感は80.4と前月から低下するなど、消費者マインドも伸び悩みが鮮明となっている。

 民間投資は2013年5月から昨年10月まで前年割れが続いた後に、昨年11月から(ようやく)前年比プラスに浮上。しかしタイ中銀が発表する企業景況感は昨年12月でも49.0と19カ月連続で50割れ。タイ企業が早期に設備投資を活発化させるとも考えにくい。

 こうしたなか、タイ中銀は1月28日、政策金利を賛成5反対2で据え置きを決定。金利据え置き賛成の5名は、タイ景気の減速やTHB高の進展リスクを指摘しつつも、現在の政策金利水準は十分緩和的であると判断。仮に利下げをしたとしても、同国景気の押し上げ幅は限定的で、原油安を起因とした物価下落はいずれタイ景気を押し上げるとの見方を示した。

 景気の回復基調が強まらない一方でタイ中銀は、今後も金利据え置き姿勢を続けるのであれば、THBの低ボラティリティも続きそうだ。タイ国債利回りは1~3カ月債ですら2%近辺あるので、それほど魅力的ではないとしても、THB買いポジションの構築も検討の余地があるかもしれない。

 THBのもう一つの使い道として考えられるのは、アジア通貨でのレラティブ・トレードだ。インドネシア、インド、マレーシアの債券利回りはアジア通貨各国の中では比較的高めだが、上述したようにIDR、INR、MYRのボラティリティは対ドルで高め。THBをショートすることで、3通貨のボラを抑えることが期待できるほか、米債利回りの上昇などでアジア通貨売りの流れが強まった時にも、ある程度対抗できそうだ。