2015年3月21日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月20日)

 3月20日のロンドン市場は円安が進展。ドル円は120円台後半から121円ちょうど近辺に上昇した。欧州株、日経平均先物はともに緩やかな上昇基調で推移。米債利回りも小幅上昇し、ドル円をサポートした。

 ユーロドルは1.06ドル台後半で底堅く推移。2月のドイツPPIは前年比-2.1%と落ち込み幅が前月から小幅縮小したが、市場予想よりは大幅な落ち込み。1月のユーロ圏経常収支(季調値)は294億ユーロと過去最高を記録した昨年9月に次ぐ水準。前月分も上方修正され、ユーロを下支えした。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月20日)

 新興国通貨はアジア通貨が対ドルで下落したものの、他は上昇。。原油先物価格の上昇や米債利回りの低下が新興国通貨の買いを促した。

 MYRは対ドルで0.7%の下落。2月のマレーシアCPIは前年比+0.1%と市場予想を下回り、2009年12月以降で最も低い伸びに鈍化。原油安によるインフレ圧力の鈍化を示した。

 TWDは対ドルで小幅下落。2月の台湾輸出受注は前年比2.7%減と市場予想に反し前年割れ。日本向けが4カ月連続で二桁の前年割れとなったほか、中国向けも8.2%減と2年ぶりの落ち込み。台湾景気の先行き懸念を強めた。

 BRLは対ドルで1.8%の上昇。3月のブラジルIPCA-15は前年比+7.90%とほぼ市場予想通りだが2005年5月以来の高い伸び。ブラジル政府は反汚職政策集を発表。反政府デモの動きに対応する姿勢を示した。

 MXNは対ドルで1.6%の上昇。1月のメキシコ小売売上高は前年比4.7%増と市場予想を上回る伸び。メキシコ中銀のカルステンス総裁は現地メディアとのインタビューでMXNは良好なファンダメンタルズで下支えされているものの、足元では過小評価されていると発言。ただ、外貨準備を使った介入は為替市場の安定化の目的のためだけに使われなければならないとの認識も示した。

 CLPは対ドルで1.1%の上昇。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明でインフレが今後も数カ月は容認レンジの上限を上回るとの見方を提示。チリ金融市場は金融緩和の影響を反映した動きとなっているとも指摘し、追加利下げの可能性を暗に否定した。

 COPは対ドルで2.2%の上昇。コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を4.50%で据え置き。同中銀のウリベ総裁は金利据え置き決定が全会一致であることを公表。インフレ期待は比較的安定しており、年後半にはインフレが目標レンジに収まるとの認識を示した。ただCOP安の物価に対する影響は今後みられる可能性があるとも指摘。年前半の成長率は減速するものの、年後半には加速するとの見方も示した。2月のコロンビア小売業信頼感は21.4と前月から小幅低下する一方、同月同国の鉱工業信頼感は7.3と6カ月ぶりの高水準に回復した。

よい週末をお過ごしください。

2015年3月20日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月19日)

 3月19日のロンドン市場はドルが底堅く推移。ドル円は120円台後半での推移が続いた。米債利回りは取引前半に小幅上昇し、その後も下値の堅い動き。日経平均先物は小幅下落したが、欧州株は堅調な推移。ドル円をサポートした。

 ユーロドルは取引前半に1.08ドルちょうど近辺から1.06ドル台前半に下落。中盤に1.07ドルちょうど近辺に反発したが、その後は上値が抑えられた。ECBは第3回のTLTROを実施し、市場予想の400億ユーロを大きく上回る978億ユーロを供給した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月19日)

 新興国通貨は対ドルで下落。原油先物価格は上値の重い動き。米債利回りの上昇が新興国通貨を下押しした。

 BRLは対ドルで2.5%の下落。USD/BRLは一時3.30台に達した。3月15日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.96%と市場予想を上回る伸び。3月の同国IGP-M(2次速報値)は前月比+0.84%と市場予想を小幅下回ったが、前月から加速した。ブラジルの世論調査会社は、18日、ルセフ大統領の支持率が約13%に低下したと発表。スイス連邦検察当局はペトロブラスの汚職スキャンダルに関連するマネーロンダリング総裁を進めていると公表。スイスの銀行30行あまりに預けられた4億ドル相当の資産を凍結したと発表した。

 RUBは対ドルで1.2%の下落。3月13日時点のロシア金・外貨準備高は3517億ドルに減少。2月のロシア実質賃金は前年比9.9%減、同月同国の実質小売売上高は同7.7%減といずれも市場予想を上回る落ち込み。同月同国の生産設備投資は同6.5%減と市場予想ほど落ち込まなかったが、同月同国の失業率は5.8%と市場予想を上回る悪化となった。

 PLNは対ドルで1.9%の下落。ポーランド中銀は会合議事録(3月4日開催分)を公表。同会合では市場予想を上回る50bpの利下げが実施された。同議事録によると、会合では今回の利下げが追加利下げの可能性を排除するものではないと指摘。ただ大半のメンバーは今回の利下げで先行き不透明感が払しょくされることを期待し、複数のメンバーは利下げを見送る意向を示した。

日本のある女性下着メーカーは、胸を安定させつつ、締め付けが少ないブラジャーを「第3のブラ」として売り出すそうです。来年度あたりは、第3の通貨ストラテジストなんかも登場するのかもしれませんね。

2015年3月19日木曜日

新興国当局にとって都合のよい結果となった3月の米FOMC

 米連邦準備理事会(FRB)は日本時間19日午前3時、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を発表。金融政策の正常化に関し「忍耐強く(patient)」いられるとした文言を削除した。「忍耐強く」の文言削除は、利上げ開始に向けて準備を進めることを意味する。しかし同声明発表後、米10年債利回りは2.05%台から1.90%台と2月9日以来の低水準まで急落。ドル円も121円ちょうど近辺から一時119円台前半と2月27日以来の低水準まで下落した。市場は米利上げ開始時期の先送り観測を強めたといえる。

 今回FOMCの最大のポイントは、声明と同時に発表された経済見通しのうち、失業率の長期見通し(自然失業率に相当)が前回12月時点の5.35%から5.10%に下方修正されたことである。2月の米雇用統計では失業率が5.5%と2008年5月以来の低水準に改善。このまま失業率が低下すれば、4、5月にも前回12月時点で見通した自然失業率(5.35%)を下回ることも考えられ、FRBが6月に利上げを開始するとの見方も説得力を持つ。しかし自然失業率が下方修正されたことで、実際の失業率が自然失業率を下回る時期も後ずれし、利上げ開始時期も先送りされる、という見方が成り立つ。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月18日)

 3月18日のロンドン市場はドル円が121円台前半でじり安の動きとなった。この日の欧州株と二期平均先物は下落基調で推移。米債利回りも取引後半に入ると小幅下落。米FOMCを控え様子見姿勢が強まるなか、ドル円は上値の重い動きとなった。

 ポンドは英経済指標とBOE議事録を受けて下落。ポンドドルは1.47ドル台半ば近辺から1.46ドル台前半に下落した。2月の英失業率は2.4%と市場予想通り前月から低下。同月同国の失業保険申請件数は3.1万件減と市場予想を上回る減少となり、前月分も減少件数が上方修正された。ただ1月の英週平均賃金は前年比1.8%増と市場予想に反し前月から鈍化。同時に発表されたBOE議事録では金融政策の現状維持が全会一致での決定であったことを示した。同議事録では2月と同様に2人に委員が微妙なバランスの決定だと指摘。ただ前回会合で示された、次回の金融政策の変更は緩和になる可能性がある、との見解は今回の議事録では示されなかった。短期的にはユーロ圏と比べ堅調な成長見通しが示される一方、ポンドに上昇圧力がかかる可能性があることを指摘。ポンド高によりCPIがインフレ目標を下回る期間がより長期化し、低水準のインフレ期待が継続するリスクが高まる可能性があるとした。

 NY市場ではFOMC結果発表前からドルが軟調な動き。ドル円は取引前半こそ121円台前半で動意に欠ける動き。しかし取引中盤に入ると米国株が小幅下落し、米債利回りも上値の抑えられる動きとなったことからドル円は120円台後半に下落した。一方、ユーロドルは取引前半に1.06ドル台前半から1.06ドルちょうど近辺に下落したが、中盤には1.06ドル台前半に反発。後半に入りFOMC結果発表前には1.06ドル台後半と、この日の高値を更新した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月18日)

 新興国通貨は対ドルでほぼ全面高。EMEA通貨の上げが目立った。

 CLPは対ドルでほぼ変わらず。昨年第4四半期GDPは前年比1.8%増と市場予想を小幅下振れ。チリ景気の回復期待を強めることはなかった。

 ZARは対ドルで2.6%の上昇。2月の南アフリカCPIは前年比+3.9%と前月から鈍化したものの、市場予想を上回る伸び。コアCPIも同+5.8%と市場予想に反し前月から鈍化しなかった。1月の同国小売売上高は同1.7%増と市場予想に届かず。前月分も下方修正されるなど南ア景気の低迷を示した。

 PLNは対ドルで2.6%の上昇。2月のポーランド鉱工業生産販売は前年比4.9%増と市場予想を上回る伸び。同月同国のPPIは同-2.7%と市場予想通りの伸び。同月同国の小売売上高は同1.3%減と市場予想に反し前年割れとなった。

 RUBは対ドルで3.6%の上昇。3月16日までの週のロシアCPIは日次平均前月比+0.032%と前週とほぼ同じ伸び。ロシアのインフレ高進懸念を後退させた。

 ILSは対ドルで0.6%の上昇。3月のイスラエルCPI予想は前年比+1.2%と前月から加速。2月のイスラエルM1は前年比39.3%増と前月から小幅鈍化した。17日投開票のイスラエル総選挙ではネタニヤフ首相率いるリクードが定数120のうち30議席を獲得し第1党に。野党労働党などによる統一会派シオニスト連合は24議席の獲得に留まった。

フランスでは過度に痩せたファッションモデルを禁じ、そうしたモデルの雇用主やエージェントに罰金を科す等の処罰を下す法案が可決される可能性が出てきたそうです。同国の社会問題・保健相は、特にモデルを美容のお手本だと考える若い女性にとって、よく食べて健康を気遣う必要性をモデル自身が訴えることが重要と述べたとのこと。たしかに健康は大事ですね。私は食べすぎと太りすぎに気を付けます。

2015年3月18日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月17日)

 3月17日のロンドン市場はドルが軟調な動き。ドル円は取引前半に121円台前半から121円台半ば近辺に上昇したが、その後は下落基調で推移。引けにかけては121円台前半とロンドン市場当初の水準に値を戻した。欧州株や日経平均先物は下落基調で推移。取引前半に上昇した米債利回りも中盤以降は低下基調で推移し、ドル円を下押しした。

 一方、ユーロドルは1.05ドル台後半から取引後半には1.06ドル台前半に上昇。ただ引けにかけては1.06ドルちょうど近辺に小幅反落した。3月のドイツZEW景況感調査は54.8と市場予想を大きく下回ったが、昨年2月以来の高水準を記録。ユーロ買戻しを促した。2月のユーロ圏CPI(確定値)は前年比-0.3%と速報値から変わらなかった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月17日)

 新興国通貨はCLPなど一部を除き対ドルで続伸。原油先物価格は軟調な推移となったが、この日も新興国通貨は買い戻し優勢となった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.5%の上昇。インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を7.50%で据え置き。同中銀は声明で現在の政策金利水準は経常赤字目標に沿ったものであると指摘。第1四半期の景気は改善しており、経常赤字は昨年第4四半期から縮小するとの見通しを示した。また同中銀はIDRをファンダメンタルズに合致した水準を維持するとも説明した。

 BRLは対ドルで0.5%の上昇。3月のブラジルIGP-10は前月比+0.83%とほぼ市場予想通りで前月からは加速。ブラジルのバルボサ企画相はインフレの加速は一時的であり、同国政府はインフレを目標に合致するよう注力していると発言。ただBRLはより減価した水準で安定するだろうとの認識を示した。

 COPは対ドルで1.1%の上昇。昨年第4四半期のコロンビアGDPは前年比3.5%増と市場予想を下回り、前期から減速。ただ前期比は0.7%増と市場予想通り前期から加速した。建設業が比較的高い伸びを示したが、製造業は前年比0.3%減と3期連続の前年割れとなった。

 ZARは対ドルで0.4%の上昇。昨年第4四半期の南アフリカ経常収支赤字はGDP比5.1%と市場予想や前期を大きく下回り、3四半期ぶりの低水準を記録。ZARをサポートした。

 TRYは対ドルで0.5%の上昇。トルコ中銀は市場予想通りレポレートなど3つの金利を全て据え置き。同中銀は声明で慎重な政策スタンスは維持されており、今後の金融政策決定はインフレの動向次第であると指摘。食品価格の上昇が金融政策スタンスを慎重なものとさせていると説明した。

 PLNは対ドルで変わらず。2月のポーランド平均総賃金は前年比3.2%増、同月同国の雇用は同1.2%増といずれもほぼ市場予想通りの伸びだった。

 東京地方では夕方から雨が降る確率が高まるそうです。温かい日が続きますが、雨具の用意もお忘れなく。

2015年3月17日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月16日)

 3月16日のロンドン市場はユーロが底堅い動き。ユーロドルは取引序盤に1.05ドル台前半から1.05ドルちょうど近辺に下落したが、その後は1.05ドル台前半に持ち直した。欧州株はギリシャ株を除き全面高。欧州債利回りもこの日は上昇し、ユーロをサポートした。ギリシャ政府は今月3回目となるIMF資金の返済を実施したが、欧州委員会はギリシャの状況は深刻で、ギリシャは迅速に改革の約束を実行すべきとのコメントを発表した。

 一方、ドル円は上値の重い動き。ドル円は取引前半こそ121円台前半で上昇基調で推移したが、後半には伸び悩み。引けにかけては同水準で小幅下落した。欧州株、日経平均先物はともに堅調な推移となったが、米債利回りは上値が抑えられる動き。ドル円の上値を重くした。

 NY市場はユーロが小幅上昇。ユーロドルは取引前半に1.05ドル台前半から1.06ドルちょうど近辺に上昇した。3月のNY連銀製造業景況指数は6.90、2月の米鉱工業生産は前月比+0.1%とともに市場予想を下振れ。両指標を受けて米債利回りが低下し、ユーロドルはドル売り優勢の動きとなった。中盤のユーロドルは1.05ドル台後半に下落した後に1.06ドル台前半に反発。しかし後半はユーロドルの上値が重くなり、1.05ドル台後半に下落した。

 ドル円は取引前半に米経済指標の弱い結果を受けて121円台前半で小幅下落。しかし取引中盤には121円台前半で米指標発表前の水準に反発。後半は米国株の上昇と米債利回りの反転をサポートに121円台半ば近辺とこの日の高値圏まで反発したが、引けにかけては121円台前半での推移となった。

 NY連銀製造業景況指数などを受けて米債利回りは低下したが、結局持ち直し。欧米株が上昇するなど市場のリスク選好姿勢も強まっているように思える。ただ本日東京市場は日銀金融政策決定会合の結果発表までドル円、ユーロドルともに様子見姿勢が強まる見込み。アジア通貨は市場のリスク選好姿勢の強まりを背景に対ドルで底堅い動きが期待される。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月16日)

 新興国通貨はCOPなど一部を除き対ドルで上昇。米債利回りの伸び悩みやユーロの上昇を受けて新興国通貨は買い戻された。

 BRLは対ドルで0.2%の上昇。3月15日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+1.49%と市場予想や前月を上振れ。1月のブラジル経済活動指数は前年比-1.75%と市場予想を上回る落ち込み。第1四半期がマイナス成長になる可能性を示した。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末のUSD/BRL見通しが3.06まで上方修正された。

 PENは対ドルで変わらず。1月のペルー経済活動指数は前年比+1.7%と前月から加速したが、市場予想に届かず。2月のペルー失業率は6.9%と市場予想を下回ったが、前月からは上昇した。

 CZKは対ドルで1.0%の上昇。2月のチェコPPIは前年比-3.6%と市場予想に反し落ち込み幅が前月から小幅拡大。チェコも原油安の影響でインフレ圧力が後退している。

 TRYは対ドルで0.5%の上昇。12月のトルコ失業率は10.9%と前月から上昇したが、市場予想を下回った。

 PLNは対ドルで1.3%の上昇。1月のポーランド経常収支は5600万ユーロの黒字と市場予想に反し黒字転換。輸入が市場予想に反し前年割れとなり経常収支の改善につながった。2月の同国コアCPIは前年比+0.4%と市場予想や前月を下回った。

米ルイジアナ州ニューオーリンズ郊外でビールの銘柄として優れているのは「バドワイザー」か「ブッシュ」かという隣人同士の口論が、発砲騒ぎに発展するという事件があったそうです。私は、この時期にアルコールを飲むと、目がかゆくなり、クシャミが止まらなくなります。

2015年3月16日月曜日

そろそろ下げ止まりの兆しも見られそうなブラジル・レアル(BRL)

 ブラジルレアル(BRL)の下落が続いている。USD/BRLは先週末(3月13日)に一時3.28ちょうど近辺と2004年5月に記録したBRL安水準(3.242近辺)をあっさり上抜け、2003年4月以来のBRL安水準を記録。次の節目は2002年10月の高値(4.004近辺)から2011年7月の安値(1.529近辺)の76.4%戻し水準の3.420近辺となる。同水準は、先週末終値(3.248近辺)から5.3%ものBRL安水準となるが、BRLを取り巻く環境に改善がみられないことから、そこまで下落するとの見方も不自然ではなくなりつつある。

 ブラジルのインフレ、景気、対外収支はいずれもBRLの下押し要因となっている。2月のブラジルIPCAは前年比+7.70%と2005年5月以来の高い伸び。内訳をみると、公共料金で住居や交通が大きく伸びているほか、干ばつの影響で食料の伸びも高止まりしている。

 景気は製造業を中心に低迷したままである。2月のブラジルHSBC製造業PMIは49.6と3カ月ぶりの50割れ。2月のブラジル自動車生産は前年比28.9%減と17カ月連続の前年割れ。2月のブラジル輸出は前年比24.1%減と7カ月連続の前年割れ、と軒並み悪化を示している。

 1月のブラジル経常収支は106.5億ドルの赤字と、過去最大の赤字を記録した前年同月からは赤字額が縮小したが、経常赤字をカバーする海外からの直接投資は39.7億ドルと2013年8月以来の40億ドル割れ。ブラジルの資金繰り手段の過半が、足の速い証券投資に移り変わろうとしている。

 ブラジル債が格下げされるとの懸念もBRLの重石となっている。ムーディーズは昨年9月、現在「Baa2」としているブラジルの格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更。当時、同社は、次期政権が財政政策引き締めに向けた姿勢を示さない場合、もしくは経済成長率が1~2%と低水準にとどまる場合、同国の格付けを引き下げる可能性があると警告した。

 こうした中、昨日(3月15日)には、ブラジル・ルセフ政権に抗議するデモがブラジル全国各地で実施。現地メディアによると、少なくとも152の自治体で約100万人が参加したという。今のところ、デモを発端とした暴動などは発生しておらず、ルセフ政権がすぐに崩壊するようなこともないだろうが、ブラジル国民の不満が強いままだと、同政権が目指す財政再建の実現可能性が危ぶまれることになる。

 こうしたBRLの悪材料が、すぐに改善に向かうとは考えにくく、今後もBRLは上値の重い動きが続く見込みである。ただ、BRL安による輸入インフレの昂進リスクも考えると、ブラジル当局が、BRL下落をこのまま放置するとも考えにくい。今月末に終了するBRL買い介入プランは、規模を拡大する形で継続されるだろう。

 ブラジル中銀による利上げも、そう遠くない将来にBRL買い戻しのドライバーとなる。政策金利はすでに12.75%に達しているが、3月5日の会合でも声明文の変更はなく、4月29日の次回会合でも50bpの利上げが有力視されている。これだけ高い金利となれば、たとえ米国が利上げを開始したとしても、主要先進国投資家にとってブラジル債への投資は非常に魅力的。マイナス利回りで苦しむ欧州投資家が、BRL建て投資を拡大する展開は十分に考えられる。

 本日(3月16日)もBRLは売り優勢の動きとなりそうだが、ブラジル政府によるBRL買い介入プログラムの継続が発表される(と思われる)今月下旬には、BRL売りの動きも一服し、中長期投資家による買いの動きも出ると期待される。

 

2015年3月15日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年3月13日)

 3月13日のロンドン市場はユーロの上値が重い展開。ユーロドルは取引前半に1.05ドル台後半から1.06ドル台前半に上昇したが、中盤以降はじり安の動きが続き、引けにかけては1.05ドル台後半とロンドン市場序盤の水準に値を戻した。この日の欧州債利回りは小幅プラスでの推移となったが、欧州株は上値が抑えられる展開。ユーロの先安観も強く、ユーロ買いの動きが続くことはなかった。

 ドル円は取引前半に121円台半ば近辺から121円台前半に小幅下落。しかし中盤にかけて米債利回りが小幅上昇するとドル円も121円台半ばに反発。その後は同水準でのもみ合いとなった。

 ポンドは売り優勢の動き。ポンドドルは1.48ドル台後半から1.48ドル台前半に下落した。1月の英建設業支出は前月比2.6%減と市場予想に反しマイナス。ポンドの上値を重くした。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年3月13日)

 新興国通貨は対ドルで下落。原油先物価格や米国株の下落が重石となった。

 BRLは対ドルで2.6%の下落。USD/BRLは一時3.27台と2003年4月以来のBRL安水準に達した。1月のブラジル小売売上高は前年比0.6%増と市場予想に反し前年割れを回避。ペトロブラスを舞台とした汚職疑惑でルセフ政権の支持率は23%と過去最低を更新。15日にはルセフ大統領の退陣などを求める抗議活動が全国の主要都市で開かれる見通しとなり、BRLは売り先行の動きとなった。

 MXNは対ドルで0.6%の下落。1月のメキシコ鉱工業生産は前年比+0.3%と市場予想を下回る伸び。メキシコのビデガライ財務相は原油安は一時的ではなく2016年まで続く可能性があると発言。ただ同国政府は2016年の歳出を削減する必要があると述べ、同国景気の先行き懸念を強めた。またメキシコ中銀のラモス副総裁は為替政策は流動性確保を目的としており、特定の水準を維持することにあるわけではないと発言。MXN安を容認する姿勢を示した。

 COPは対ドルで1.6%の下落。USD/COPは一時2670台と2004年7月以来のCOP安水準を記録した。1月のコロンビア小売売上高は前年比6.1%増と市場予想を下回る伸び。同月同国の鉱工業生産は同-2.5%と前年割れ。同月同国の消費者信頼感は14.0と市場予想を下回り、コロンビア景気の先行き懸念が強まった。

 PENは対ドルで小幅上昇。ペルー中銀は市場予想通り政策金利を3.25%で据え置き。同中銀は声明で同国成長率は依然として潜在成長率を下回っていると指摘。同国金融市場や為替市場はボラティリティが高まっているとの認識を示し、必要であれば追加利下げを実施すると説明した。

 CZKは対ドルで1.3%の下落。1月のチェコ鉱工業生産は前年比+2.9%と市場予想を上回ったが前月からは鈍化。一方、同月同国の小売売上高は同5.5%増と市場予想を上回り前月並みの伸びを確保した。

 PLNは対ドルで1.5%の下落。2月のポーランドM3は前年比8.8%増と市場予想を上回り、2012年8月以来の高い伸び。しかし同月同国CPIは同-1.6%と1992年の統計開始以来最大の落ち込みを記録した。

 RUBは対ドルで1.5%の下落。ロシア中銀は市場予想通り政策金利を100bp引き下げ14.00%にすると発表。同中銀はあわせて今年の成長率がマイナス3.5~4.0%に落ち込むとする予想も発表し、インフレは経済の活動の停滞で今後1年間で9%前後まで鈍化するとの見方を示した。また同中銀は声明で景気が著しく減速するリスクが引き続き存在しているとし、利下げによりインフレ高進の脅威を高めることなく、こうしたリスクを最小化できるとの認識を示した。1月のロシア貿易収支は150億ドルの黒字と市場予想を上回ったが前年同月から2割近く黒字額が減少した。

よい週末をお過ごしください。