2015年7月31日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年7月30日)

 7月30日のロンドン市場はドルが底堅く推移する展開。ドル円は124円台前半でドル買い優勢の動き。一方、ユーロドルは取引中盤までに1.09ドル台半ば近辺から1.09ドル台後半に上昇。7月のユーロ圏景況感が104.0と市場予想や前月を上回ったことが好感された。しかし取引後半はユーロの上値が重くなる展開。ユーロドルは終盤に1.09ドル台半ば近辺での推移となった。東京市場で上昇した米債利回りは、ロンドン市場で伸び悩み。しかし前日海外市場での米FOMC声明を受けて、9月の米利上げ開始観測は続いたまま。ドル買いの動きをサポートした。

 NY市場はユーロが下落。一方で、円は買い戻しの動きが強まった。ユーロドルは取引前半に1.09ドル台半ば近辺から1.09ドル台前半に下落。7月のドイツCPIは前年比+0.2%と市場予想を下振れ。一部英紙は、IMF理事会の話としてIMFがギリシャ第3次支援に参加できないと報道。理事会で提出されたスタッフ報告では、ギリシャが有する負債は大きく、構造改革は不十分と指摘。IMFが第3次支援に乗り出すの不適格であり、IMFは協議に参加するものの、数ヵ月の間は新たなプログラムに合意しないだろうとも報道された。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年7月30日)

 新興国通貨は対ドルで下落。原油先物価格は上値が重い動き。9月の米利上げ観測もあって新興国通貨は売り優勢となった。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。ブラジル中銀は市場予想通り政策金利を50bp引き上げ14.25%とすることを決定。利上げは7会合連続で、決定は全会一致。同中銀は声明で政策金利を当面、据え置く意向を示した。7月のブラジルIGP-Mは前年比+6.97%と市場予想を下回ったが、昨年5月以来の高水準に加速。6月のブラジル・ローン残高は前月比0.6%増と前月から小幅鈍化した。

 CLPは対ドルで1.2%の下落。チリ中銀は会合議事録(7月15日開催分)を公表。政策金利の据え置きは全会一致の決定。インフレが目標レンジの上限を突破していることから利下げができない一方で、景気が弱いことから利上げもできないとの指摘があった。またインフレの主因はCLP安によるものとの見方も示された。6月のチリ鉱工業生産は前年比+1.6%と市場予想に反し前年割れを回避。同月同国の小売売上高は前年比4.1%増と市場予想や前月を上回った。

 MXNは対ドルで0.2%の上昇。メキシコ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明でメキシコ景気は循環的な軟化を続けており、輸出と投資が昨年後半から悪化していると指摘。年内のインフレは3%を下回り続けるとの見方が示され、インフレと景気のバランスは景気悪化に傾いているとされた。また同中銀はMXN買い入札の規模を日次5200万ドルから2億ドルに引き上げると発表。規模拡大は9月末まで実施される。

 ZARは対ドルで1.3%の下落。6月の南アフリカPPIは前年比+3.7%と市場予想を下回ったが、前月からは小幅加速。6月の同国財政収支は242億ランドの黒字と黒字額が市場予想を上回った。

 ILSは対ドルで小幅上昇。6月のイスラエル失業率は5.2%と2カ月連続で上昇した。

 RUBは対ドルで1.7%の下落。7月24日時点のロシア金・外貨準備高は3583億ドルと前週とほぼ同じだった。

 TRYは対ドルで0.6%の下落。トルコ中銀のバシュチュ総裁は同中銀が今後も慎重な金融政策を継続する意向を表明。現在採用しているコリドー金利は廃止され、同中銀の金融政策はよりシンプルなものになる可能性があると発言した。

最近、市場以外の興味が天気(気温)に集中している気がしてきました。

2015年7月30日木曜日

9月の利上げ開始の可能性を残す一方で12月の利上げ開始の可能性を後退させた7月の米FOMC

日本時間の本日(7月30日)未明に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)声明は、予想通りとはいえ、利上げ開始時期に関し具体的な示唆を与えず。ただ、6月FOMC声明からの細かい修正を踏まえると、FOMCは9月の利上げ開始の可能性を残す一方で、12月の利上げ開始の判断を後退させたと考えられる。

今回の声明と6月の声明を機械的に比べると、変更された点はわずか6点。そのうち5点が、米景気の現状認識を示す第1段落に集中している。第一段落で修正された6点は以下のとおりである。

(1)米経済の拡大
6月の声明では第1四半期の減速を指摘したが、今回の声明では第1四半期の減速に関する言及を削除。代わりに、米経済の拡大が「最近数カ月続いている」とした。

(2)米住宅市場
6月の声明では「いくぶんの(some)改善」が見られるとされていたが、今回の声明では「さらに(additional)改善」が見られる、と上方修正された。

(3)雇用の増加
6月の声明では「雇用増加ペースは加速している」とされていたが、今回の声明では「労働市場は、堅調な雇用増とともに改善が続いている」と労働市場の改善が強調された。

(4)労働市場の余剰資源(未活用部分)
6月の声明での「やや(somewhat)縮小した(diminished)」という表現が「年初から(since early this year)縮小している(has diminished)」に変更。余剰資源の縮小が継続している点が強調された。

(5)エネルギー価格
6月の声明では「エネルギー価格は安定している」との記述があったが、今回の声明では、この記述が削除された。

米経済の見通しを説明する第2段落は、6月の声明から変更なし。米経済は緩やかな拡大と労働市場の改善が続くという見通しや、見通しのリスクがおおむね均衡しているとの記述は据え置かれ、海外要因に対する懸念も示されなかった。第1段落で米経済の現状認識が(若干ながらも)上方修正されていることから考えると、利上げ開始の時期は近付いているとの印象を与えている。

6月の声明からの最後の変更点は、第3段落の利上げ開始時期に関する記述。6月の声明では、労働市場のさらなる改善が見られた時に(when it has seen further improvement)利上げが開始される、と記述されたが、今回の声明では、労働市場の「あといくぶん」のさらなる改善が見られた時に(when it has seen “some” further improvement)利上げが開始される、に変更された。つまり、原文(英文)での変更点は、seenとfurther の間にsomeが付け加えられただけである。

このsomeに対する解釈は、いろいろとあるのかもしれない。しかし文脈から素直に考えれば、このsomeは、あと数回の雇用統計で労働市場の改善が確認されれば利上げが開始される、という意味に捉えるのが自然と思われる。9月のFOMCまでに米雇用統計は2回(7月分と8月分が)発表される。つまり数回(some)を2回とすれば、9月のFOMCで利上げが開始されることになる。数回が3回となれば、利上げ開始は10月のFOMCとなる。

この考え方を使うと、12月のFOMCで利上げが開始されるとした場合、数回は5回を意味することになってしまう。一般的にはsomeが5回といった多くの回数を意味することはない。仮にFOMCの総意として、12月の利上げ開始を強く想定しているのであれば、6月の声明にわざわざsomeという単語を追加する必要はないと考えるのが自然と思われる。

物価が上がると円安?円高?

 物価は、その名の通り、物(モノ)の値段のことです。物価には、形のある物体を指す「物(モノ)」という言葉が使われていますが、形はないものの、売り買いがなされるサービスなどの価格も物価の一つと考えます。

 物価が上がる国では、その国の通貨の需要が弱くなる傾向にあります。逆に物価が下がる国では、その国の通貨の需要は強くなる傾向にあります。これは「一物一価の法則」という考え方で説明されます。

 「一物一価の法則」とは、同じ製品で同じタイミングで販売されるのであれば、どこの場所(国や地域)であっても同じ価格である、という考え方です。たとえば、スマホやタブレットといった製品は、どこの国で販売されていても、同じ機種であれば(言語の部分を除けば)同じ性能をもつと考えられます。同じ性能をもち、かつ同じタイミングで販売されるのであれば、どこの国であっても販売価格も同じであろうと考えられます。

 世界中で大ヒットしているスマホが日本と米国で売られているとします。このスマホの価格は、日本では5万円、米国では500ドルだとします。日本語と英語の違いはあるのかもしれませんが、このスマホは同じものですから、日本で使おうと米国で使おうと同じ性能を持つと考えられます。ここで「一物一価の法則」が成り立つのであれば、

5万円=500ドル
となります。
計算すると、円とドルの関係は、
100円=1ドル
となります。

 ここでスマホの価格が変わった場合について考えてみましょう。日本のスマホの価格は変わらないのに、米国のスマホの価格は1年後に550に上がったとします。「一物一価の法則」が成り立つのであれば、

5万円=550ドル
となりますので、
円とドルの関係は、
90.9円(←5万円÷550ドル)=1ドル
もしくは
100円=1.10ドル
となります。

 1年前は100円=1ドル、だったのに、米国だけ価格が上がった1年後には90.9円=1ドルとなり、米ドルの価値が100円から90.9円に下がった、つまりドル安(円高)になったことが分かります。

 米国でのスマホの価格が上がったことで、同じスマホを買うのにより多くのドルが必要となりました。これは、米ドルで何かを買うことができる力(購買力といいます)が下がったと考えられます。一方で日本ではスマホの価格は変わらなかったわけですから、日本円の購買力は変わりません。米ドルの購買力だけが下がったわけですから、円をドルに換える需要は弱くなると考えられます。

●一物一価の法則が成り立つのであれば
物価が上がる=その国の通貨の購買力が下がる=その国の通貨の需要が弱くなる

 では次に、米国のスマホの価格は変わらないのに、日本のスマホの価格が下がった場合を考えてみましょう。ここでは、日本で5万円で売られていたスマホが、1年後に4万円に値下げされたとし、米国で500ドルで売られていたスマホは、1年後も500ドルのままだったとします。さきほどと同じように、ここで「一物一価の法則」が成り立つのであれば、

4万円=500ドル
となりますので、
円とドルの関係は、
80円(←4万円÷500ドル)=1ドル
もしくは
100円=1.25ドル
となります。

 1年前は100円=1ドル、だったのに、日本だけ価格が下がった1年後には100円=1.25ドルとなり、日本円の価値が1ドルから1.25ドルに上がった、つまり円高になったことが分かります。

 日本でスマホの価格が下がったことで、より少ない日本円でスマホが買えるようになりました。これは、日本円の購買力が上がったと考えられます。一方、米国ではスマホの価格は変わらなかったわけですから、米ドルの購買力も変わっていません。日本円の購買力だけが上がったわけですから、ドルを円に換える需要は強まると考えられます。

●一物一価の法則が成り立つのであれば
物価が下がる=その国の通貨の購買力が上がる=その国の通貨の需要が強くなる

 このように一物一価の関係から為替レートの動きを考えることを、経済学の世界では「購買力平価説」といいます。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年7月29日)

 7月29日のロンドン市場はドルが下げ渋る展開となった。ドル円は123円台後半からじり安の動きが続き、取引後半には123円台半ば近辺まで下落。しかし終盤には123円台後半とロンドン市場序盤の水準に反発した。欧州株や日経平均先物が方向感に欠ける動きを続ける中、米債利回りは底堅く推移。取引後半からは上昇基調に転じたことでドル買いの動きが強まった。

 ユーロドルは取引前半こそ1.10ドル台前半でのもみ合いだったが、中盤に入ると1.10ドル台後半に上昇。しかし、その後は同水準で再びもみ合い。終盤には1.10ドル台前半とロンドン市場序盤の水準に反落した。この日はユーロ圏主要国で主だった経済指標の発表がなく材料難。ユーロは方向感に欠ける動きとなった。一部メディアはECBがギリシャ市中銀行向けELAの上限を据え置いたと報道。ただ市場の反応は限定的だった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年7月29日)

 新興国通貨はこの日も対ドルでマチマチ。原油先物価格が上昇したことでRUBが買われる一方で東欧通貨が軟調に推移した。

 BRLは対ドルで0.8%の上昇。6月のブラジルPPI製造業は前年比+6.56%と4カ月連続で加速し、昨年5月以来の高水準。7月のブラジルCNI 消費者信頼感は97.9と前月から上昇した。

 ZARは対ドルで小幅上昇。6月の南アフリカM3は前年比8.89%増と市場予想を上回り、2013年6月以来の高い伸び。一方、同月同国の民間部門信用は同8.14%増と市場予想に反し前月から鈍化。2013年12月以来の低い伸びとなった。第2四半期の同国失業率は25.0%と市場予想や前期から大きく改善した。

 HUFは対ドルで0.6%の下落。6月のハンガリー失業率は6.9%と市場予想を下回り、2005年2月以来の6%台に低下した。

 TRYは対ドルで小幅下落。6月のトルコ外国人観光客は前年比4.9%減と3カ月連続の前年割れとなった。

 RUBは対ドルで2.1%の上昇。7月27日までの週のロシアCPIは前週比横ばい。日次平均では3週連続の鈍化となった。

ようやく私も暑さに慣れてきたな、と思っていたら、昨日は気温が下がっただけでした。

2015年7月29日水曜日

景気を確認するための経済指標(5)

鉱工業生産指数

 鉱工業生産指数とは、鉱業や製造業での生産活動の活発さを示す経済指標です。鉱業や製造業の生産動向は、その国の経済活動、つまり景気と密接に連動します。

 最近では、米国や日本など先進国を中心に経済のサービス化が進み、鉱業や製造業が経済全体に占める割合は低下しています。しかし、たとえ先進国であっても、鉱業や製造業のその国の中での生産活動が景気と連動する傾向には変わりはありません。このため鉱工業生産指数は、景気の状況を的確に示す経済指標として市場関係者から大きく注目されています。

 鉱工業生産指数が上昇している時は、鉱業や製造業の生産活動が活発になっていることを意味しますので、その国の景気は良いと判断されます。

 鉱工業生産指数は、ある時点を基準とした指数として発表されるため、水準が重視されることはほとんどありません。代わりに鉱工業生産指数が、前月や前年からどの程度上昇したか、もしくは低下したかが重視されます。鉱工業生産指数が市場予想を上回るペースで上昇した場合、その国の景気は良いと判断され、その国の通貨は上がりやすくなります。逆に鉱工業生産が市場予想を上回るペースで低下する場合、その国の景気は悪いと考えられ、その国の通貨は下がりやすくなります。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年7月28日)

 7月28日のロンドン市場はドルが底堅く推移。ドル円は123円台後半でじり高の推移となった。中国株が下げ渋りの動きを見せたことが好感され、欧州株は6営業日ぶりの反発。米債利回りが緩やかながらも上昇基調で推移し、ドル円をサポートした。

 ユーロドルは取引中盤まで1.10ドル台後半でもみ合い。後半に入ると、1.10ドル台前半に下落した。この日はユーロ圏主要国で主だった経済指標の発表がなく材料難。米債利回りの上昇を背景にユーロドルはドル買い優勢となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年7月28日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨が軟調に推移する一方で、TRY、ZARは買い優勢となった。

 BRLは対ドルで小幅下落。7月のブラジルFGV建設コストは前月比+0.66%と、ほぼ市場予想通りで前月からは鈍化。S&Pはブラジル債格付けを「BBB-」で据え置いたものの、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げ。同社は、見通し引き下げの理由として、ブラジル経済や財政状態はしばらく困難な状況が続き、今年のGDP見通しが実質で2%程度のマイナスとなことを指摘した。

本日の東京地方の最高気温は32度と昨日から2度ほど低下するようです。とはいえ、蒸し暑い状況は続く見込みで、熱中症対策を引き続きお願いいたします。

2015年7月28日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年7月27日)

 7月27日のロンドン市場はドルの上値が重い展開となった。ユーロドルは取引前半に1.10ドル台前半から1.11ドルちょうど近辺と2週間ぶりの高値に上昇。7月のドイツIFO企業景況感は108.0と市場予想を上回り、前月から上昇。ドイツ景気の先行き期待を背景にユーロは買い優勢となった。しかし、その後発表された6月のユーロ圏M3が前年比5.0%増と市場予想に反し、前月から変わらずとなるとユーロ買いの動きは一服。ユーロドルは取引中盤に1.10ドル台後半に下落したが、取引後半は同水準でのもみ合いを続けた。

 ドル円は概ね123円台前半での推移。取引中盤に123円台半ば近辺に上昇する場面もあったが、一時的でドル円は上値の抑えられる展開が続いた。欧州株、日経平均先物はともにマイナス圏での推移。米債利回りはじり安の動きとなり、ドル円の上値を重くした。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年7月27日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油先物価格はこの日も下落し、1バレル47ドルちょうど近辺に。RUBなど資源国通貨の一部が対ドルで下落したが、一方で東欧通貨は対ドルで上昇した。

 BRLは対ドルで0.2%の下落。ブラジル中銀の週次サーベイではインフレ、USD/BRLの年末までの見通しがそれぞれ上方修正。一方、政策金利見通しは14.25%に下方修正された。7月26日までの週のブラジル貿易収支は18.6億ドルの黒字と、前月から黒字額が縮小したものの輸入の低迷を背景に黒字基調が維持されていることが示された。

 MXNは対ドルで0.2%の下落。6月のメキシコ貿易収支は7.49億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上振れ。輸出は前年比2.1%減と6カ月連続の前年割れとなる一方、輸入は同0.2%減に留まり、貿易赤字を拡大させた。

 TRYは対ドルで1.1%の下落。トルコのダウトオール首相は25日、トルコ軍がシリア北部にあるイスラム国の拠点に空爆を実施したと発表。また同軍はトルコからの分離独立を目指すクルド労働者党(PKK)のイラク北部の拠点も空爆。トルコがイスラム国に対する姿勢を変更したことでTRYは売りが先行した。7月のトルコ企業景況感は102.9と前月から上昇。同月同国の設備稼働率は75.9%と市場予想や前月を上回った。

 HUFは対ドルで1.4%の上昇。7月のハンガリー企業景況感は5.0と前月並み。消費者信頼感は-26.0と前月から小幅改善したものの両者とも大きな動きは見られなかった。

 ILSは対ドルで1.3%の上昇。イスラエル中銀は市場予想通り政策金利を0.10%で据え置いた。

米航空宇宙局(NASA)の専門家は23日、地球に非常によく似た惑星を発見したと発表したそうです。地球から1400光年離れた場所に位置し、大きさや温度が太陽と似た恒星の周りを385日周期で回っているとのこと。きっと、その惑星でもドルの上値は重いのでしょう。

2015年7月27日月曜日

利上げ休止まで売りの動きが続きそうなブラジル・レアル(BRL)

 ブラジル政府は現地時間22日の金融取引終了後、2015~2017年のプライマリーバランス(PB)黒字目標(対GDP比)を以下のように下方修正することを発表した。

【ブラジル政府のPB黒字目標(対GDP比)、左が従来、右が変更後】
 2015年:1.1%→0.15%
 2016年:2.0%→0.7%
 2017年:2.0%→0.7%

 今回の発表の前から、市場では税収減と支出削減の遅れからPB目標が対GDP比0.4~0.6%程度に引き下げられるとの見方が広がっていたが、今回の下方修正は市場の見方を上回るものとなった。

 ブラジルのレビ財務相は、PB目標を達成可能かつ適切な水準に引き下げることは、経済の不確実性を低くするために必要なことと発言。しかしブラジル政府がみずから財政収支改善の遅れを認めたことで、翌23日のブラジル金融市場では株式、債券、通貨がいずれも売りが先行。ブラジル・レアル(BRL)は対ドルで3.35台半ばと2003年3月末以来の安値に下落した。

 大手格付け会社ムーディーズは、ブラジル債の格付けを定期見直し中。一部からは、PB目標の下方修正で、格付けの可能性が指摘されている。ムーディーズによるブラジル債格付けはBaa2で見通しは「ネガティブ」。格下げとなれば、外貨建てブラジル長期債格付けは、BBB-/Baa3/ BBBと、大手格付け会社3社中2社で投資適格級の最低水準となる。

 第3四半期のBBHソブリン格付けモデルでは、外貨建てブラジル長期債格付けがBB+/Ba1/BB+と、とうとう投機的水準(ジャンク級)に陥落。ムーディーズが格下げをしても、今後もブラジル債の格下げ懸念はBRLの重石として残り続けると思われる。

 ブラジル中銀は日本時間30日、金融政策決定委員会を開催し政策金利を発表する。政策金利は50bp引き上げられ14.25%となる見込み。ただインフレ圧力が後退する兆しを見せていないほか、BRL安が進展したこともあって、ブラジル中銀は追加利上げの姿勢を示し続けるだろう。

 本来であれば金利高はBRLのサポート要因。しかし金利高はブラジル景気を下押しする。ブラジル景気のさらなる悪化は、ブラジル政府の税収減につながり、財政収支の改善見通しに対する見方も厳しくなる。結果として、ブラジル債格付けのジャンク級入りが意識されやすくなり、利上げがBRL買いにつながりにくい。

 矛盾しているかのように思えるかもしれないが、ブラジル中銀が利上げを休止できる状態になるまで、BRL売りの動きは続くとみた方が合理的のように思われる。USD/BRLの次の上値の目途は2002年10月の高値から2011年7月の安値の76.4%戻し水準である3.42近辺と思われる。

2015年7月26日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年7月24日)

 7月24日のロンドン市場はドルが底堅く推移した。ドル円は123円台後半から124円ちょうど近辺に小幅上昇。欧州株は前日終値水準でのもみ合いとなる一方で、日経平均先物は小幅高での推移。米債利回りも下値の堅い動きとなり、ドル円はじり高の推移となった。

 ユーロドルは取引序盤に1.09ドル台後半から1.09ドル台前半に下落。7月のドイツ製造業PMIは51.5、同月のユーロ圏製造業PMIは52.2といずれも市場予想や前月を下振れ。ユーロ圏景気の先行き期待を後退させた。ただ取引中盤以降のユーロドルは1.09ドル台半ばを挟んでの上下動。欧州債利回りが下げ渋ったことでユーロも下値の堅い動きとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年7月24日)

 新興国通貨は対ドルで3日続落。原油先物価格はこの日も下落。新興国景気の先行き不透明感もあって、新興国通貨はこの日も売り優勢となった。

 PHPは対ドルで0.3%の下落。5月のフィリピン貿易収支は5.1億ドルの黒字と市場予想に反し黒字転換。輸入が前年比13.4%減と2009年10月以来の落ち込みとなったことで貿易収支が改善した。

 SGDは対ドルで0.2%の下落。6月のシンガポール鉱工業生産は前年比-4.4%と市場予想を大きく上回る落ち込み。前年割れが5カ月連増となるなどシンガポール景気の悪化は続いている。

 BRLは対ドルで2.1%の下落。USD/BRLは3.35台と2003年3月以来のBRL安水準に達した。7月23日までのブラジルFIPE・CPIは前月比+0.72%と市場予想を上回る伸び。7月のブラジルFGV消費者信頼感は82.0と2005年9月の統計開始以来最低を更新した。

 CLPは対ドルで0.7%の下落。USD/CLPは661台と2008年12月以来のCLP安水準に達した。6月のチリPPIは前年比-3.1%と3カ月ぶりの落ち込み幅が3%を超えた。

 MXNは対ドルで0.3%の下落。USD/MXNは一時16.3ちょうど近辺とMXN過去最安値を更新した。5月のメキシコ経済活動指数は前年比+1.51%と前月から減速。6月のメキシコ失業率は4.39%と前月とほぼ変わらずだった。

 CZKは対ドルで変わらず。7月のチェコ企業景況感は13.6、同月同国の消費者信頼感は1.3と、いずれも前月から低下した。

東京地方は暑い日が続きますが、よい週末をお過ごしください。