2015年8月22日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月21日)

 8月21日のロンドン市場はドルの上値が重い展開となった。ドル円は取引中盤まで123円ちょうど近辺でもみ合っていたが、後半に122円台半ば近辺に下落。終盤には122円台後半に小幅反発したが上値は抑えられた。取引中盤まで日経平均先物は緩やかながら上昇基調で推移し、米債利回りは長期ゾーン中心に上昇。市場のリスク回避姿勢が後退するかと思われたが、後半に入ると両者ともに上げ幅を縮める動き。欧州株は下げ幅を広げるなど市場のリスク回避姿勢が再び強まる展開となり、ドル円の下押し圧力も強まった。

 ユーロドルは取引前半に1.12ドル台後半から1.12ドル台半ば近辺に下落したが、後半は盛り返し、再び1.12ドル台後半での推移。市場のリスク回避姿勢の強まりを背景としたドル売り優勢の流れは対ユーロでもみられた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年8月21日)

 新興国通貨は一部東欧通貨が対ドルで上昇したものの、他は売りが先行した。

 MYRは対ドルで1.0%の下落。USD/MYRは一時4.19ちょうど近辺まで上昇した。8月14日時点のマレーシア外貨準備高は945億ドルと6年ぶりの低水準に下落。マレーシア当局によるMYR防衛が難しくなるとの見方をサポートする結果となった。

 BRLは対ドルで1.0%の下落。8月のブラジルIPCA-15は前年比+9.57%と市場予想通り前月から加速。ブラジルのインフレ圧力の強さを示した。

 MXNは対ドルで1.0%の下落。USD/MXNは17ちょうど近辺と過去最高(MXN最安値)を更新した。6月のメキシコ小売売上高は前年比5.4%増と市場予想を上回り、3カ月ぶりの高い伸びとなったがMXN売りの動きが止まることはなかった。

 COPは対ドルで1.5%の下落。USD/COPは3120台と過去最高(COP最安値)を更新した。コロンビア中銀は市場予想通り政策金利を4.50%で据え置いた。

 TRYは対ドルで変わらず。8月のトルコ消費者信頼感は62.4と市場予想を下回り、2009年3月以来の低水準に悪化。トルコのエルドアン大統領は総選挙を11月1日に実施すると発表。一部メディアは同大統領が週明けにもダウトオール首相に暫定内閣の組閣を要請すると報じた。

東京地方では朝晩セミの鳴き声が聞こえなくなり、代わりに秋虫の声が増えてきたように思えます。夏は終わろうとしているようですが、よい週末をお過ごしください。

2015年8月21日金曜日

金利を確認するための経済指標

 金利の高い国の通貨は、他の国に比べ高い利子(金利収入)を得ることができることから、需要が強く、結果として上がりやすいと考えられます。ただ、為替レートは二つの国の通貨の関係ですので、為替取引では、各国の金利水準だけでなく、二つの国の金利の差が注目されることもあります。金利差が広がれば広がるほど、金利の高い国の通貨の需要が強くなる一方、金利の低いに国の通貨の需要が弱くなり、金利の高い国の通貨が金利の低いに国の通貨に対し上がりやすくなります。

 一般の方が、外国の金利の水準や方向性(上がっているのか、それとも下がっているのか)を確認する簡単な方法は、各国の銀行預金の金利をみることです。日本の銀行で用意されている各国の外貨預金の金利を見れば、各国の金利の違いを確認することができます。

 為替市場では、各国の金利水準を比べるための目安として「政策金利」が注目されます。政策金利とは、各国の中央銀行が市中の銀行にお金を貸す際に使う金利です。金利は、借りたお金(元本)を返すまでの期間(満期)によって異なりますが、政策金利の多くは、借りた翌日に元本を返す際に使われる金利となっています。

 政策金利は、銀行預金、貸出金利、国債の利回りといった様々な金利の基準となります。このため政策金利の水準や変化をみることで、その国の金利の動きをある程度、把握することができます。

 政策金利は国によって異なります。例えば日本の政策金利は翌日物無担保コールレートです。これは、日本の銀行が日々の資金過不足を最終的に調整しあう市場(コール市場)で、銀行同士が無担保で翌日返済の短期資金を貸し借りするときに使われる金利です。

●政策金利=中央銀行が設定する金利で、様々な金利の基準となる

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月20日)

 8月20日のロンドン市場は、ドルが底堅く推移するなか、ユーロが対ドルでも上昇した。ドル円は124円ちょうどを挟んでの上下動。欧州株はこの日も下落して始まり、日経平均先物は2万円割れ。米債利回りも上値の重い動きとなり、ドル円は取引中盤に123円台後半に下落。しかし後半には下げ渋りから小幅反発し、終盤は124円ちょうど近辺での推移となった。

 ユーロドルは1.11ドル台前半から1.11ドル台後半に上昇。この日はユーロ圏主要国で主だった経済指標の発表がなく、材料難となったが、オーストリア中銀のノボトニー総裁はECBが量的緩和を早めに終了する兆候はないと発言。市場のリスク回避姿勢の強まりもあって、ユーロドルはユーロを買い戻す動きが優勢となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年8月20日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。COP、MXN、RUBが売られる一方で、CLPやBRLは上昇。東欧通貨も底堅く推移した。

 TWDは対ドルで変わらず。7月の台湾輸出受注は前年比5.0%減と市場予想を上回る減少。第2四半期の台湾経常収支は165.5億ドルと黒字額が前年同期から2.8%増加した。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。7月のブラジル失業率は7.5%と市場予想を大きく上回り、2010年5月以来の高水準に上昇。ただブラジル上院は前日(19日)、給与税減税を縮小する法案を賛成多数で可決。ブラジルの財政緊縮策が進むとの見方から買い戻しの動きが続いた。

 MXNは対ドルで0.8%の下落。6月のメキシコ経済活動指数は前年比+3.11%と市場予想を上回り、昨年12月以来の高い伸び。第2四半期のメキシコGDPは前年比2.2%増と市場予想を上回ったが、前期からは減速した。

 PENは対ドルで小幅下落。第2四半期のペルーGDPは前年比3.0%増と市場予想を下回ったが、5四半期ぶりの高い伸びに加速。4四半期連続で前年割れとなった製造業が前年並みにまで減少幅を縮め、サービスセクターがGDP全体の伸びを押し上げた。

 PLNは対ドルで0.8%の上昇。ポーランド中銀は会合議事録(7月8日開催分)を公表。メンバー数名は米利上げや10月の総選挙がPLN相場の下落リスクとなると指摘。インフレは第4四半期にはゼロ近辺に浮上するとの見方が大勢だったことが判明した。

 RUBは対ドルで1.5%の下落。8月14日時点のロシア金・外貨準備高は3629億ドルと前週から大きく拡大し、約2カ月ぶりの高水準に回復した。

値上がりが確実な未公開株を通貨ストラテジスト枠で買えます、というオファーをいただく夢をみました。

2015年8月20日木曜日

原油安から考える米利上げとロシア・ルーブル(RUB)の行方

昨日(8月19日)のニューヨーク原油先物市場では、WTI9月渡し価格が1バレル40ドル台半ばと2009年3月以来の安値に下落した。この日発表された先週の米原油在庫は262万バレル増と、減少予想に反し4週間ぶりの増加。原油の供給過剰懸念を背景に原油価格の下落基調が強まった。

原油価格の先行き不透明感は強い。多くの米採掘会社にとって、現在の原油価格水準は採算割れと言われており、生産調整が進むとの期待もあるが、生産停止はコストがかかるため、採掘会社の多くは、たとえ原油価格がさらに下落しても原油生産を続けるとの見方もある。

需要面から考えると、原油価格はさらに下落するとの見方が自然に思える。中国景気は減速感が強いまま。米FRBによる利上げ観測もあってドルは高止まりしており、ドル建てでみた原油価格の重石となっている。一部米金融機関は、原油価格の下値の目途として2008年12月に記録した1バレル32.40ドルを紹介した。

原油価格が下げる中で公表されたFOMC議事録(7月29、30日開催分)では、メンバーの大半が、エネルギー価格の下落と過去のドル高によるインフレ圧力の後退は和らぐとの見方を示したことが判明。しかし市場関係者の中には、一部メンバーでエネルギー価格のさらなる下落と、ドルのさらなる上昇でインフレの下方修正リスクが強まっていると指摘したことを取り上げ、FOMCは伸び悩むインフレを受けて9月の利上げを見送るとの見方を示している。

ただ、FOMCがインフレ指標としている採用しているのは、食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレータ。エネルギー(原油)価格の下落でFOMCが利上げを先送りするというロジックは合理性を持たない。

エネルギー価格の下落が他物価を下押しするという、いわゆるパススルー効果を指摘する声もある。しかし、過去半世紀にわたりコアPCEデフレータと総合(ヘッドライン)PCEデフレータを比べると、両者の動きが乖離した場合、その後、総合PCEデフレータが、コアPCEデフレータに近付くことがほとんどで、その逆は生じていない。

一般的に言われていることだが、原油価格の下落は米家計の実質購買力を高め、米個人消費を刺激する。たとえ原油安が進んだとしても、個人消費が強含むとすれば、インフレ圧力が強まるのが自然と思われる。一部の市場関係者の見方は真逆となるが、足元での原油価格の下落は、米利上げ開始観測をサポートする材料とみるべきだろう。

原油価格の下落基調が強まったことで、ロシア・ルーブル(RUB)の売り圧力はさらに強まりそうだ。原油先物価格とRUBの対ドルレート(USD/RUB)の動きを比べると、両者の連動性が非常に強いことが分かる。ちなみに北海ブレント原油価格とUSD/RUBの相関係数(60日間)は0.66と、2000年以降の最高値である0.73に比べれば低いものの、両者が依然として高い相関性を有していることを示している。

昨日発表されたロシアの経済指標はロシア景気の悪化ぶりを改めて示すものとなった。7月のロシア実質賃金は前年比9.2%減と市場予想を上回る落ち込み。同月同国の実質小売売上高は同9.2%減と市場予想ほど落ち込まなかったが、4カ月連続で9%台の落ち込みを記録した。

同時に発表された8月17日までの週のロシアCPIは前週比変わらずと、ロシアのインフレ圧力は景気悪化もあって落ち着きを見せている。しかし原油安を背景にRUB安が進めば、ロシアのインフレ圧力が再び強まることになるだろう。

ロシア中銀は、景気悪化に対応すべく、今年に入ってから利下げを続け、17.00%あった政策金利を11.00%まで引き下げている。しかしRUB安が進む以上、ロシア中銀はRUB防衛の意味も含め、利下げから一転し、利上げに踏み切らざるを得ないだろう。当然、ロシア景気は悪化が続くことになる。

金利が変わると実需も変わる

 金利とは、お金の貸し借りの際に受け取る(借りた場合は支払う)お金の利用料(利子)のことです。一般に金利は、貸し借りに使われるお金の金額(元本)に対する利子の割合で表示されます。

 たとえば、銀行が企業に100万円を1年間貸すとします。そして1年後に企業は銀行にお金を返します。企業はお金を返す時に、借りたお金(100万円)とは別に、2万円を支払ったとします。この場合、企業が100万円とは別に支払った2万円のことを利子と呼び、企業が借りたお金の額(元本)に対する利子(2万円)の割合、つまり金利は2%(2万円÷100万円)となります。

 金利は世界各国で異なります。それは、国によって景気や物価など経済情勢が異なるからです。日本では長い間、銀行預金の金利がゼロに限りなく近い水準のままですが、ブラジルやインドネシアといった新興国と呼ばれる国では、銀行預金に10%以上の金利がつくこともあります。

 金利は通貨の需要に大きな影響を与えます。たとえば、ある日突然、米国の金利が10%に上昇したとします。これにより、米国の銀行に預けたことで得られる利子も、これまでの何倍も増えることになります。つまり、米国の銀行に預けることが、以前に比べ有利となり、より多くの人が米国に預けようとすると考えられます。これは日本に住む人だけでなく、外国に住む人にとっても同じことが言えます。このため世界の人々が、米国の銀行に預けるようとします。この結果、米国への間接投資が増え、ドルの需要が強まると考えられます。

 これは米国だけでなく、日本など他の国でも同じことが言えます。日本の金利が高ければ、日本の銀行にお金を預けようとする動きが強まり、日本円の需要が強まるでしょう。つまり金利の高い国ほど、その国の通貨需要が強まるといえます。逆に金利の低い国の通貨は、需要が弱くなると考えられます。

●金利が高い(低い)=その国の通貨の需要は強い(弱い)

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月19日)

 8月19日のロンドン市場は、ドル買いがやや優勢の展開。ドル円は124円台前半で下値の堅い動きを続けた。欧州株は下げて始まったが、その後は方向感に欠ける動き。米債利回りが小動きだったこともありドル円は様子見姿勢が強かった。

 ユーロドルは1.10ドル台後半から1.10ドル台前半に下落。6月のユーロ圏経常収支(季調値)は254億ユーロと前月から大きく拡大。ただ同月のユーロ圏建設業生産高は前年比2.3%減と4カ月ぶりの大きな落ち込み。ユーロ圏景気の先行き懸念を強めた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年8月19日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。ユーロ高を受けて東欧通貨が対ドルで上昇する一方、原油先物価格の下落を受けて中南米通貨は売られた。

 BRLは対ドルで0.7%の下落。6月のブラジル経済活動指数は前年比-1.20%とほぼ市場予想通りの結果だった。

 ZARは対ドルで0.2%の上昇。7月の南アフリカCPIは前年比+5.0%、コアCPIは同+5.4%といずれもほぼ市場予想通りの伸び。6月の同国小売売上高は同3.5%増と市場予想を小幅上回り、4カ月ぶりの高い伸びとなった。

 PLNは対ドルで0.7%の上昇。7月のポーランド鉱工業生産は前年比+3.8%、同月同国の小売売上高は同1.2%増と、いずれもと市場予想を下振れ。ポーランド景気の先行き期待を後退させた。

 RUBは対ドルで1.1%の下落。7月のロシア実質賃金は前年比9.2%減と市場予想を上回る落ち込み。同月同国の実質小売売上高は同9.2%減と市場予想ほど落ち込まなかったが、前月並みの減少幅となった。一方、同月同国の失業率は5.3%と市場予想に反し前月から低下。8月17日までの週のロシアCPIは前週比変わらずだった。

 ILSは対ドルで0.4%の下落。7月のイスラエル先行S指数は前月比+0.29%と前月から鈍化した。

 TRYは対ドルで0.9%の下落。USD/TRYは2.94台まで上昇した。トルコ南東部で武装勢力、クルド労働者党(PKK)の攻撃により兵士8人が死亡。首都イスタンブール中心部にあるドルマバフチェ宮殿付近では大きな爆発音の後に銃声。銃を所持していた二人が拘束され、二人は手榴弾などで武装しており、宮殿入り口に配置された警官隊への攻撃を企てていたと報じられた。トルコのエルドアン大統領は、組閣は失敗に終わった。民意による解決を目指す必要があると発言。与党AKPと野党との連立協議が決裂したことを受け、再び総選挙を行う考えを明らかにした。

出産のために赤信号を無視して走行していた車を停止させた警察官が、車に乗っていた妊婦の出産を手伝ったそうです。私も手伝えるように出産に関する勉強を始めようかと思います。

2015年8月19日水曜日

物価を確認するための経済指標

 物価は、経済活動や生活に密接に関連するため、世界のほとんどの国が物価関連の経済指標を発表しています。代表的な物価指標は、消費者物価指数と生産者物価指数です。いずれの指標も○○円といった金額ではなく、基準時点を100とした指数で示されます。

 消費者物価指数は、消費者が実際に買う段階でのモノやサービスの価格を対象とした物価指標です。英語の頭文字を使ってCPIと略される場合もあります。

 生産者物価指数は、企業で作り出されたモノやサービスが問屋やスーパーといった流通網に出された時点での価格を対象とした物価指標です。英語の頭文字を使ってPPIと略される場合もあります。

 一般にモノやサービスは、企業で作り出され、流通網を通じて消費者に届けられます。このため、物価に何らかの変化が起きた場合、どこの国でも、まずは生産者物価指数が動き、その後に消費者物価指数が動く傾向にあります。このため、生産者物価指数は消費者物価指数の今後の動きを予想する際に使われることがあります。

 消費者物価指数などの物価指標は、水準そのものよりも、前の年と比較して上がったのか下がったのかを示す前年比が注目されます。物価指標の前年比がプラスの場合、物価は前の年から上がっていることを意味し、プラス幅が大きければ大きいほど、物価が上がるペースが速いことになります。逆に物価指標の前年比がマイナスの場合、物価が前の年から下がっていることを意味し、マイナス幅が大きいほど、物価が下がるペースが速いことになります。

 物価が上がるペースが速い国では、通貨の購買力が急速に低下していることを意味します。この結果、その国の通貨の需要は弱くなると考えられ、通貨は下がりやすくなります。

 逆に物価がほとんど上がらなくなったり、物価が下がる国では、通貨の購買力が上がっていることになります。このため、その国の通貨の需要は強くなると考えられ、通貨は上がりやすくなります。

●物価が上がるペースが速い=その国の通貨は下がりやすくなる
●物価がほとんど上がらない、もしくは下がっている=その国の通貨は上がりやすくなる

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月18日)

 8月18日のロンドン市場は、ドルが軟調な動き。ドル円は124円台前半で上値が重い展開。ユーロドルは取引前半に1.10ドル台後半から1.11ドル手前まで上昇し、この日の高値を更新。中盤には1.10ドル台後半に反落したが、下値の堅い動きとなった。欧州株は前日終値水準でもみ合ったものの、日経平均先物は小幅マイナス圏での推移。米債利回りも上値が抑えられる展開となるなど市場のリスク回避姿勢は強く、ドル買いの動きは強まらなかった。

 ポンドは英CPIを受けて上昇した。7月の英CPIは前年比+0.1%と市場予想を小幅上振れ、コアCPIは同+1.2%と市場予想を上回り5カ月ぶりの高い伸び。BOEによる早期の利上げ観測を強めた。英CPI発表後、ポンドドルは1.56ドルちょうど近辺から1.56ドル台後半に急伸。その後もポンド買いの動きは続き、取引後半には一時1.57ドル台前半まで上昇。終盤は1.57ドルちょうど近辺での推移となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年8月18日)

 新興国通貨は対ドルで売りがやや優勢。ただBRL、MXNは対ドルで上昇した。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.2%の上昇。インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を7.50%で据え置き。同中銀は会見でインドネシア景気は予想以上に減速しているとしながらも第3、第4四半期は改善する見通しと説明。IDR安は外部環境によるもので、同中銀はIDRをファンダメンタルズに沿った水準になるよう防衛する意向を示した。7月のインドネシア自動車販売は前年比39.1%減と落ち込み幅が前月から拡大。インドネシア景気の先行き懸念を強めた。

 BRLは対ドルで0.4%の上昇。8月15日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.83%と市場予想を上回り前週とほぼ変わらず。一方、8月のブラジルIGP-M(2次改定値)は前月比+0.17%と市場予想を下回る伸び。7月のブラジル税収は前年比6.1%増と市場予想を上回ったが、実質では4カ月連続の前年割れとなった。

 CLPは対ドルで0.5%の下落。第2四半期のチリGDPは前年比1.9%増と市場予想を小幅上振れ。ただ同時に発表された同期同国の経常収支は7.6億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下回った。

 CZKは対ドルで0.5%の下落。7月のチェコPPIは前年比-3.0%と、落ち込み幅が市場予想を上回り、5カ月ぶりの大きさとなった。

 ILSは対ドルで0.7%の下落。6月のイスラエル製造業生産は前月比3.7%増と2012年8月以来の高い伸び。一方、8月のイスラエルCPI予想は前年比+0.7%と前月から鈍化し、6カ月ぶりの低い伸び。7月の同国M1は前年比55.0%増と4カ月連続で50%を上回る伸びとなった。

 TRYは対ドルで0.9%の下落。USD/TRYは2.90台と過去最高値(TRY最安値)を更新した。トルコ中銀は市場予想通りレポレートなど主要3金利を据え置き。同中銀は声明で流動性を引き締める政策を継続すると説明。また同中銀は同時に金融政策の正常化戦略を発表。コリドー金利の幅を縮小し、より対称的な金利水準に変える意向を示した。

 PLNは対ドルで0.4%の下落。7月のポーランド平均総賃金は前年比3.3%増と市場予想を小幅下回る伸び。同月同国の雇用は同0.9%増と市場予想や前月と同じ伸びだった。

為替市場が材料難のためなのか、最近、周囲の話題が高校野球になっているような気がします。

2015年8月18日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月17日)

 8月17日のロンドン市場は、ドル、ユーロともに方向感に欠ける動きとなった。ドル円は124円台半ばを挟んで小幅の上下動。取引序盤に米債利回りが小幅低下し、ドルがやや売られたが、その後の米債利回りは小動き。欧州株、日経平均先物はともに動意に欠け、特段の取引材料もない展開。ドル円は方向感に欠ける動きを続けた。

 ユーロドルは取引前半に1.10ドル台後半から1.11ドルちょうど近辺に上昇したが、中盤からは一転して下落基調で推移し、引けにかけては1.10ドル台後半での推移。6月のユーロ圏貿易収支(季調値)は219億ユーロと市場予想を下振れ。ユーロの上値を重くした。ドイツ連銀は月報で国内での実質所得の大幅な拡大、ユーロ圏の回復、ユーロ安、主要貿易相手の米英の成長加速からドイツ経済が恩恵を享受すると予想。国内外の需要をけん引役に、ドイツ景気は比較的強い成長が見込まれるとの認識を示したが、世界経済については中国経済急減速のリスクの高まりによって不透明になっていると指摘した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年8月17日)

 新興国通貨は対ドルで下落。米債利回りは低下したものの原油先物価格は軟調な動き。新興国通貨は総じて上値の重い展開となった。

 PHPは対ドルで0.3%の下落。6月のフィリピン海外労働者送金は前年比6.1%増と市場予想を上回る伸び。2カ月連続の加速となった。

 BRLは対ドルで小幅下落。8月16日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+0.36%と市場予想通り前週から小幅鈍化。ブラジル中銀の週次サーベイでは今年末のUSD/BRL見通しが3.48に上方修正。一方、成長率見通しは今年末が2.01%減、来年末が0.15%減とそれぞれ下方修正された。8月16日までの週のブラジル貿易収支は6.7億ドルの黒字と黒字が続いた。

 TRYは対ドルで1.3%の下落。USD/TRYは2.87台と過去最高(TRY最安値)を更新した。5月のトルコ失業率は9.3%と前月から低下したが市場予想は上回った。トルコのダウトオール首相は、民族主義者行動党(MHP)のバフチェリ党首との会談後、公正発展党(AKP)との短期連立や、少数与党、早期の再選挙をMHPが支持しないだろうと発言。再選挙実施の可能性を示唆した。

 RUBは対ドルで0.7%の下落。7月のロシア鉱工業生産は前年比-4.7%とほぼ市場予想通りで、6カ月連続の前年割れとなった。

1本1万円を超えるビニール傘が人気との記事をネットで見かけました。私も1冊1万円を超える書籍を出版しても、それなりに売れるようになれるよう頑張ろうと思いました。

2015年8月17日月曜日

今後も売り優勢の展開が続く見込みのインドネシア・ルピア(IDR)

 マレーシア・リンギット(MYR)の陰に隠れているものの、インドネシア・ルピア(IDR)も下落が続いている。Bloombergによると、USD/IDRは先週、13900台と、17年ぶりのIDR安水準を記録。対ドルでの年初来パフォーマンスは先週末時点で10.2%の下落と、アジア通貨の中ではMYR(14.3%の下落)に次ぐ大幅下落となっている。 

 インドネシア当局は、IDR下落を緩やかなものにしようと努力を続けているようだ。7月のインドネシア外貨準備は1075.5億ドルと5カ月連続で減少し、昨年5月以来の低水準。各種メディアは、インドネシア中銀によるIDR買い介入に関する観測報道を続けている。       

 新興国の中でも比較的高い金利もIDRの下落ペースの加速を防いでいるようだ。外国人投資家によるインドネシア債の保有比率は、8月13日時点で39.0%と昨年末水準からほぼ変わらず。2013年5月の(いわゆる)バーナンキショックのように、外国人投資家がインドネシア債売りに殺到するような状況には至っていない。  

 しかしIDRの下押し材料は数多い。米FRBによる利上げ開始観測、中国・人民元の先安観、原油など国際商品市況の下落、景気の低迷、経常赤字の縮小ペースの鈍化は、いずれもIDRを下押しする。しかも、こうした下押し材料は、短期間で是正されることが期待しにくい。IDRを買い戻すきっかけは、なかなか見いだしにくい。 

 インドネシア政府によるIDR防衛姿勢の弱さもIDRの下落観測をサポートする。今年第2四半期の同国GDP成長率は前年比4.67%と2期連続で5%割れ。同国政府の2015年の成長率見通し(5.0~5.2%)の達成は難しいとの見方が強まっている。こうした中、同国のブロジョネゴロ財務相は、景気刺激のためにインドネシア中銀の利下げが望ましいと発言。ジョコ政権の支持率低下を背景に景気を重視する姿勢が強まっている。ただ、IDRが下落基調を続けている中での利下げとなれば、IDRの売り圧力が強まるのは必至。ブロジョネゴロ財務相の発言は、IDRのさらなる下落を半ば容認したものとの解釈も可能だ。       

 12日に実施された内閣改造で新しく貿易相に就任したレンボン氏の発言もIDRのさらなる下落を予感させる。同氏は、一部米系メディアとのインタビューで、保護貿易的な政策を減らしていくと発言。具体的には、ゴーベル前貿易相が実施した消費財を中心とした輸入関税の引き上げや牛肉輸入の制限を解消する意向を示した。 

 海外からの直接投資を促す意味では保護主義的な政策とされる輸入障壁の撤廃は中長期的には正しい。しかしIDR売りが強まる中での輸入障壁の撤廃は、縮小を続けてきた経常収支赤字の拡大を連想させ、IDR売りの動きが加速する恐れも強まる。レンボン新貿易相が、ジョコ政権の支持率低下を受けての登場ということもあって、ブロジョネゴロ財務相と同様に景気重視姿勢が強いとみられ、IDR防衛姿勢が弱いとの見方も成り立つ。  

 外部環境、当局の意向のいずれ点から考えても、今後もIDRは売り優勢の展開が続くとみていいだろう。USD/IDRの当面の節目は14000だが、MYRと同様に節目を越えると、14500程度まで売りの動きが続くとみておくべきだろう。

2015年8月16日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月14日)

 8月14日のロンドン市場はドルが下落。ドル円は124円台前半から124円ちょうど近辺に下落した。取引前半は買い優勢だった欧州株は次第に売り優勢に転じ、取引後半はマイナス圏に下落。中国景気の減速懸念は続き、米債利回りも上値の重い展開となるなど、市場のリスク回避姿勢は根強く、ドル円はドル売り・円買いの展開となった。

 ユーロドルは1.11ドル台半ば近辺から1.11ドル台後半に上昇。第2四半期のユーロ圏GDPは前年比1.2%増と市場予想を下振れ。7月のユーロ圏CPI(確報値)は前年比+0.2%と市場予想通り速報値と変わらず伸び悩み。しかしギリシャ議会は第3次金融支援の条件を可決し、ギリシャ支援の先行き不透明感はさらに後退。ユーロドルもドル売り優勢の展開となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年8月14日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。BRLを中心に中南米通貨が対ドルで上昇する一方、東欧通貨は下落した。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅下落。第2四半期のインドネシア経常収支は44.8億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下振れ。インドネシアのジョコ大統領は、2016年度予算案の成長率目標を5.5%に定めたと発表。インフラ開発予算を15年度補正予算比で8%増とするとした。

 CLPは対ドルで0.2%の上昇。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明でインフレが4%を超える状態は当初の予想よりも長引くと指摘。一方で生産と需要は、当初の基準シナリオより弱い状態が続いていると指摘し、民間の期待成長率は今年、来年と低下したとした。

 PENは対ドルで小幅下落。ペルー中銀は市場予想通り政策金利を3.25%で据え置き。同中銀は声明で、インフレ期待は目標レンジの上限に近付いているものの、インフレは今年から来年にかけて目標レンジに終息するとの見通しを披露。ペルー経済は依然として潜在成長率を下回っているものの、回復していると指摘した。7月のペルー失業率は6.4%と前月から低下。6月の同国経済活動指数は前年比3.9%増と市場予想を上回る伸びとなった。

 COPは対ドルで0.3%の下落。コロンビア中銀は会合議事録(8月1日開催分)を公表。一部メンバーは25bpの利上げを主張していることが判明した。6月のコロンビア小売売上高は前年比5.1%増と市場予想を上振れ。同月同国の鉱工業生産は同+1.5%と市場予想に反しプラスに転じた。

 CZKは対ドルで0.4%の下落。第2四半期のチェコGDPは前年比4.4%増と市場予想を上回り、2007年第4四半期以来の伸びを記録した。

 HUFは対ドルで0.6%の下落。第2四半期のハンガリーGDPは前年比2.7%増と市場予想を下回り、2013年第3四半期以来の低い伸びに鈍化した。

 PLNは対ドルで0.4%の下落。第2四半期のポーランドGDPは前年比3.3%増と市場予想を下振れ。7月の同国コアCPIは同+0.4%と市場予想通り前月から加速した。

 ILSは対ドルで0.4%の上昇。7月のイスラエルCPIは前年比-0.3%と市場予想通りとなった。

東京地方は朝晩にかけて暑さが和らいだ気がします。よい日曜日をお過ごしください。