2015年9月4日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月3日)

 9月3日のロンドン市場は、ドル、ユーロともに小動きの展開となった。ドル円は取引序盤に120円台前半から120円台半ば近辺に小幅上昇したが上値は抑えられ、中盤以降は120円台前半での推移。欧州株は上昇した始まったものの、その後は方向感に欠ける動き。米債利回りも底堅い動きとなったが、ECB理事会や米経済指標の結果発表を前にドル円は様子見姿勢が強かった。

 ユーロドルは1.12ドル台前半で動意に欠ける展開。7月のユーロ圏小売売上高は前年比2.7%増と市場予想を上回る伸び。しかし市場の反応は限定的だった。この日発表されるECB理事会の結果を見極めたいとの思惑からユーロも様子見姿勢が強まった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月3日)

 新興国通貨はCOPなど中南米通貨が対ドルで上昇する一方、EMEA通貨はユーロの急落を受けて対ドルで下落した。

 BRLは対ドルで小幅上昇。ブラジル中銀は市場予想通り政策金利を14.25%で据え置き。同中銀の声明は前回から変更なし。政策金利を当面、据え置く意向を改めて示した。8月のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.56%とほぼ市場予想通りで前月から鈍化した。

 CZKは対ドルで0.9%の下落。7月のチェコ小売売上高は前年比5.7%増と市場予想を下回った。

 HUFは対ドルで0.7%の下落。7月のハンガリー小売売上高は前年比7.0%増と市場予想に反し前月から加速。6カ月ぶりの高い伸びとなった。

 TRYは対ドルで1.0%の下落。8月のトルコCPIは前年比+7.14%と市場予想を上回り、7%台に加速。コアCPIは同+7.66%、PPIは同+6.21%と、いずれも市場予想や前月を上回る伸びとなった。

 ZARは対ドルで0.8%の下落。8月の南アフリカ・スタンダード銀行・製造業PMIは49.3と前月を上回ったが、同月同国のSACCI企業景況感は84.3と1999年1月以来の低水準に低下した。

 RUBは対ドルで0.3%の下落。8月28日時点のロシア金・外貨準備高は3664億ドルと4週連続で増加した。

結婚を控えた中国人カップルが、パリの観光名所であるエッフェル塔やノートルダム寺院、セーヌ川にかかる橋の上で、ウェディング衣装をまとって写真撮影するのがちょっとしたブームになっているそうです。私の勤務先がある虎の門もいずれブームになるのでしょう。

2015年9月3日木曜日

アジア通貨危機と同じ構図に陥った中国経済

 各種報道によると、中国人民銀行(人民銀)は9月1日、元売り・外貨買いの通貨フォワードとスワップ取引で残高の20%を、通貨オプション取引では元本の名目価値の10%を、それぞれ準備金として人民銀行に1年間、預託する義務を10月15日から課すことを市中銀行に通知した。準備金は無利子となるため、市中銀行は顧客に対し手数料などの形でコストを転嫁する可能性が高く、元買い取引は対象外。今回の通達は、元売り抑制策の一つといえる。

 人民銀は8月11日、人民元・対ドルレートの基準値の算出方法を変更する形で事実上の元切り下げを実施。ところが、その3週間後に今度は元売り抑制策を実施したわけで、人民銀の(ひいては中国政府の)真意が読みにくくなったとの指摘も出ている。

 しかし中国政府の狙いは、人民元高を是正するとともに、海外への資本流出に歯止めをかけることにあると考えれば整理がつく。9月1日の人民銀通達の真の狙いは、元安を抑制するためではなく、元安期待を抑制することで中国の対外資本流出に歯止めをかけることにある、ということだ。

 中国の対外資本流出は、昨年後半から続いている。中国の外貨準備高は昨年6月の3.99兆ドルをピークに減少基調で推移。今年3月には3.73兆ドルとピーク時から2,632億ドル減少し、今年7月には3.65兆ドルと、ピーク時から3,419億ドルも減少している。

 一方で中国の経常収支は黒字を維持している。昨年7月から今年3月までの経常黒字(累計)額は2,181億ドル。この間、外貨準備は2,632億ドル減少したことから、この9カ月で中国からの資本流出額は4,813億ドル(=2,632億ドル+2,181億ドル)に達したことになる。

 中国の外貨準備高は、日本の外貨準備高と内容が大きく異なる点に注意が必要だ。日本の外貨準備高の大半は、過去のドル買い介入によるものであり、原資は過去の経常収支黒字である。一方、中国の外貨準備高は、政府・中銀が保有する外貨資産だけでなく、民間部門が保有する外貨資産も含まれている。このため中国の外貨準備高の原資は、過去の経常収支黒字だけでなく、海外からの借り入れも含まれる。

 このため、外貨準備高が対外純資産に占める割合(2014年末)は、日本が41%(=1.261兆ドル÷3.062兆ドル)であるのに対し、中国は約2.1倍(=3.843兆ドル÷1.789兆ドル)と突出している。つまり日本の外貨準備高は対外純資産でフルカバーされているのに対し、中国の外貨準備高のうち対外純資産でカバーされる割合は約48%(=1÷2.7)でしかなく、残り(約52%)は外国資本による。中国の外貨準備高は日本を凌駕し世界一なのかもしれないが、その原資の過半が海外資本による以上、中国の介入余力は外貨準備高の半分ほどと考えるべきだ。

 外貨準備高の減少ペースから考えて、昨年7月から今年7月までの中国からの資本流出額は6千億ドル近くに相当すると推察され、対外純資産(約1.8兆ドル)の約3分の1が流出したことになる。これだけ巨額の資本流出に直面し、今後も同様のペースで資本流出が続くのであれば、中国景気が金融面で大きく下押しされることは不可避となる。中国政府が、さらなる資本流出を懸念するのは自然といえる。

 中国景気の減速感が強まったことで人民元の(事実上の)ドルペッグは維持が難しくなると同時に、資本流出が継続・加速しつつある状況に直面する中国政府は、今後もクリアな対処方法を打ち出せないだろう。景気減速に対応すべく、元安を容認してしまえば、元安期待が強まり海外への資本流出が加速する。各種規制で資本流出に歯止めをかけようとすれば、人民元は割高のままで、輸出を中心に中国景気の減速感がさらに強まる恐れもある。

 中国政府は、景気刺激を目的とした巨額の財政支出に否定的な姿勢を示しているが、この姿勢が続くのであれば、景気減速は続くだろう。この場合、アジア通貨危機の経験から考えて、中国政府は、最終的には、人民元を大きく切り下げる一方で、資本流出を防ぐべく強力な資本規制を実施する状況に追い込まれることになる。

金融政策が為替に与える影響~為替市場で大きく注目される政策金利

 金利は、通貨の需要に大きな影響を与えるため、政策金利の行方は為替市場で大きな注目を集めます。中銀会合の結果、政策金利を始めとする金融政策が変わることもあります。中銀会合の結果が発表された後、為替レートが大きく動くことも珍しくありません。

 中銀会合で政策金利が引き上げられそうだと予想されるなら、その国の通貨の需要は強まると考えられます。なぜなら、政策金利が引き上げられれば、その国の金利のほとんどが上がり、結果として、外国から流入するお金が増えると考えられるからです。逆に、中銀会合で政策金利の引き下げが予想されると、その国から外国にお金が流出すると考えられ、その国の通貨の需要は弱くなると考えられます。

●政策金利が引き上げられると予想される=その国の通貨の需要は強まると考えられる
●政策金利が引き下げられると予想される=その国の通貨の需要は弱まると考えられる

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月2日)

 9月2日のロンドン市場は、ドル、ユーロともに方向感に欠ける動きとなった。ドル円は取引前半に120円ちょうど近辺から119円台後半に下落。プラスで始まった欧州株は次第に売り優勢となる動き。日経平均先物は前半に18000円ちょうど近辺まで上げ、米債利回りも小幅低下し、ドル円を下押しした。

 しかし中盤は119円台後半でもみ合い、後半には120円ちょうど近辺に反発。欧州株や日経平均先物が下げ止まり、米債利回りも短期ゾーンが反発。この後発表される米ADP雇用統計の結果を見極めたいとの思惑もあって、ドルを買い戻す動きも限定的だった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月2日)

 新興国通貨はMXNを除き対ドルで下落した。

 SGDは対ドルで0.3%の下落。8月のシンガポール購買部景気指数は49.3と市場予想を小幅下回り、2012年12月以来の低水準。シンガポールMASによる金融緩和観測を強めた。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.3%の下落。8月のインドネシア消費者信頼感は112.6と3カ月ぶりに前月から上昇した。

 BRLは対ドルで1.6%の下落。USD/BRLは一時3.77台まで上昇した。7月のブラジル鉱工業生産は前年比-8.9%と市場予想を上回る落ち込み。8月のブラジル自動車販売台数は前年比23.9%減と2カ月連続で2割以上の落ち込みとなった。ブラジルのルセフ大統領は同国レヴィ財務相は疲弊や孤立化しておらず、今後も同国政府は財政赤字の削減を目指すと発言。一部で噂されていたレヴィ財務相辞任観測を否定した。

 RUBは対ドルで0.4%の下落。8月31日までの週のロシアCPIは前週比+0.2%と前週から加速した。

 PLNは対ドルで0.3%の下落。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を1.50%で据え置き。同中銀は声明でインフレは目標レンジ内に戻るリスクが高まっていると指摘。同中銀のベルカ総裁はデフレは今年11月には終了し、年内は政策金利が据え置かれるとの見方を示した。

米サンフランシスコ国際空港付近の通りで20ドル紙幣を拾った男性が、その紙幣でカリフォルニア州の宝くじを購入し、100万ドルの賞金を引き当てる出来事があったそうです。拾ったお金は交番に届けましょう。

2015年9月2日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月1日)

 9月1日のロンドン市場は、円買い優勢の展開となった。ドル円は取引前半に120円台半ば近辺から119円台半ば近辺に下落。中国株の下落に続く形で欧州株も下落で開始。日経平均先物は1万8千円を割り込むなど株安の動きが世界的に広がり、円を買い戻す動きを促した。取引中盤に欧州株の下げが一服すると、ドル円は119円台後半で下げ渋りの動きに。後半は120円ちょうど近辺まで反発したが、上値は抑えられた。

 ユーロドルは取引前半に1.12ドル台後半から1.13ドル台前半に上昇。ただ欧州株の下落を受けてユーロドルは次第にユーロ売り優勢の動きに。取引中盤には1.12ドル台後半に反落した。その後発表された7月のユーロ圏失業率は10.9%と市場予想に反し前月から低下。ユーロ圏景気の先行き期待を高めたが、ユーロドルは特段の反応を示さず、取引後半は1.12ドル台後半でのもみ合いとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月1日)

 新興国通貨は原油先物価格の下落でRUB、BRL、COPが下落する一方、東欧通貨は
上昇した。

 BRLは対ドルで2.1%の下落。USD/BRLは一時3.70を上抜けした。8月31日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+0.22%と前週から小幅鈍化。8月のブラジル・マークイット製造業PMIは45.8と2012年9月の統計開始以来最低を更新。7月のブラジルCNI設備稼働率は78.6%とこちらも2003年の統計開始以来最低を更新。8月のブラジル貿易収支は26.9億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下回った。

 MXNは対ドルで1.3%の下落。7月の海外労働者送金は前年比11.7%増と市場予想を上振れ。8月のメキシコIMEF製造業指数は51.8と市場予想に反し前月から低下。同非製造業指数は49.5と市場予想に反し、5カ月ぶりの50割れとなった。

 PENは対ドルで0.5%の下落。8月のペルーCPは前年比+4.04%と市場予想を上回り、2012年5月以来の4%超え。同月同国のWPIは同+1.95%と前月から小幅鈍化したが、ペルーのインフレ圧力の高まりが意識された。

 RUBは対ドルで3.7%の下落。8月のロシア・マークイット製造業PMIは47.9と市場予想を下回り、3か月ぶりの低水準に低下した。

 PLNは対ドルで0.4%の上昇。8月のポーランド・マークイット製造業PMIは51.1と市場予想を大きく下回り、昨年9月以来の低水準。ポーランド景気の先行き懸念を強めた。

 TRYは対ドルで0.5%の下落。8月のトルコ・マークイット製造業PMIは49.3と市場予想に反し再び50割れとなった。

 HUFは対ドルで0.6%の上昇。8月のハンガリー製造業PMIは50.7と50割れとなった前月から上昇した。

 CZKは対ドルで1.0%の上昇。8月のチェコ・マークイット製造業PMIは56.6と市場予想をやや下回ったものの高水準を維持した。

 ZARは対ドルで1.2%の下落。8月の南アフリカ・バークレイズ製造業PMIは48.9と市場予想に反し4カ月ぶりの50割れ。8月の南アNaamsa自動車販売台数は前年比8.2%減と落ち込み幅が市場予想を上回った。

2015年9月1日火曜日

金融政策が為替に与える影響~金融政策のツールである政策金利とは

 一般には、世の中に出回っているお金の量が多いと物価が上がりやすいと考えられ、反対にお金の量が少ないと物価は上がりにくい、もしくは下がりやすくなると考えられています。そこで中央銀行は金融政策の一つとして、政策金利と呼ばれる金利を変えることで、世の中に出回っているお金の量を調整します。

 金利は、いくつかの基準によって様々な種類に分かれます。貸したお金が返ってくるタイミング(満期)が短ければ短いほど、貸したお金が返ってくる可能性が高いと考えられますので、金利は満期が長い時に比べ低くなる傾向にあります。またお金を借りる側の信用力が高ければ高いほど、信用力が低い場合よりも金利が低くなる傾向にあります。ここでいう信用力とは、貸したお金を返してくれる能力のようなもので、借金の額や年収などで判断されます。信用力が高いほど、貸したお金が返ってくる可能性が高くなると考えられますので、金利が低めになるのです。

 政策金利は通常、満期が翌日(明日)で、お金を貸す相手が銀行の時に使われる金利です。満期が翌日であり、信用力が最も高い部類に入る銀行に対して使われることから、政策金利は、その国で最も低い金利であることがほとんどです。このため、政策金利が上がれば、他の金利も上がることがほとんどで、反対に政策金利が下がれば、他の金利も下がることになります。、中央銀行は政策金利を調整することで、その国に存在する様々な金利に影響を与えようとします。

 中央銀行が政策金利を引き上げると、銀行でもお金を借りにくくなりますので、個人や企業もお金が借りにくくなり、最終的には世の中に出回っているお金の量も増えにくくなります。反対に中央銀行が政策金利を引き下げると、お金を貸す側にある銀行が中央銀行からお金を借りやすくなりますので、個人や企業にもより多くのお金を貸そうとします。また政策金利が下がれば、他の金利も連動して下がりやすくなりますので、個人や企業は、お金を借りても以前より金利の負担が減ると考えられ、より多くのお金を借りようとします。結果として、世の中で出回るお金の量は増えると予想されます。

 中央銀行はこうした仕組みを使います。つまり物価が上がり過ぎたと判断されれば、中央銀行は政策金利を引き上げ、世の中に出回るお金の量を増えにくくし、物価が上がりにくくなることを狙います。反対に、物価が上がりにくくなったり、物価が下がるようだと、中央銀行は政策金利を引き下げ、世の中に出回るお金の量が増えやすくし、物価が上がりやすくなるようにします。

 また中央銀行は、景気を良い状態にするためにも政策金利を利用します。通常、世の中に出回っているお金の量が多いと景気が良くなると考えられています。そこで中央銀行は、景気が悪くなってきたと判断すると、政策金利を下げることで世の中に出回るお金の量を増やそうとし、景気が良くなることを助けようとします。

●中央銀行は物価を安定的にするために政策金利を使う
●物価が上がり過ぎる=中央銀行は政策金利を引き上げる
●物価が上がりにくい・下がっている=中央銀行は政策金利を引き下げる
●景気が悪くなってきた=中央銀行は政策金利を引き下げる

 中央銀行は、政策金利といった金融政策の内容を決めるための会議を定期的に開いています。たとえば日本の中央銀行である日本銀行は、政策金利など金融政策を決める場として「金融政策決定会合」と呼ばれる会議を開いていますし、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度)は「FOMC(連邦公開市場委員会)」と呼ばれる会議を開いています。ただ一般的には、こうした会議は、中央銀行の会合ということで「中銀会合」と呼ばれたり、金融政策を決めることから「金融政策決定会合」と呼ばれたりします。

 中銀会合は、中央銀行の最高意思決定者である総裁や副総裁のほかに、金融政策を議論するための委員と呼ばれる人々で構成されており、国内外の経済情勢を中心に議論され、最終的には金融政策の内容が決められます。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月31日)

 8月31日のロンドン市場は、ユーロが軟調な推移となった。ユーロドルは取引前半に1.12ドル台前半から1.12ドルちょうど近辺に下落。中盤以降は同水準でのもみ合いが続いた。8月のユーロ圏CPIは前年比+0.2%、コアCPIは同+1.0%と、ともに市場予想を小幅上回ったがユーロ買いの反応は起きず。一部メディアはECBが複数の銀行融資債権を裏付けとする債券を資金供給の担保として認める方針を明らかにしたと報道。9月3日のECB理事会を前にECBによる追加緩和観測がやや強まった。

 一方、ドル円は121円台前半で小動き。ドイツ株は軟調に推移したが、日経平均先物は下値の堅い動き。米債利回りは短期ゾーンで小幅上昇となったが、ドル円は動意に乏しい展開が続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年8月31日)

 新興国通貨は原油先物価格の上昇を受けてRUBなど資源国通貨が対ドルで上昇。一方、BRlなど一部中南米通貨は対ドルで軟調な動きとなった。

 INRは対ドルで0.5%の下落。第2四半期GDPは前年比7.0%増と市場予想を下回る伸び。個人消費が同7.4%増と前期から小幅鈍化したことが響いた。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。ブラジル中銀の週次サーベイでは今年末のGDP成長率見通しが7週連続で下方修正。来年末のGDP成長率見通しは0.40%減と前週からマイナス幅が広がった。現地の一部メディアブラジル中銀のトンビニ総裁が今年末に退任する意向と報じた。

 CLPは対ドルで小幅上昇。7月のチリ失業率は6.6%と市場予想通り前月から小幅上昇。同月同国の鉱工業生産は前年比-1.7%と市場予想に反し前年割れ。小売売上高は同2.9%増と市場予想を下回った。

 COPは対ドルで0.8%の上昇。7月のコロンビア失業率は8.8%と前月から上昇した。

 ZARは対ドルで0.2%の上昇。7月の南アフリカM3は前年比10.25%と市場予想を大きく上回り、2009年3月以来の高い伸び。同月同国の民間部門信用も同8.38%と市場予想や前月を上回る伸びとなった。7月の南ア貿易収支は4億ランドの赤字と赤字額が市場予想を下回った。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。7月のトルコ貿易収支は70.3億ドルの赤字とほぼ市場予想通りの赤字だった。

 HUFは対ドルで0.6%の上昇。7月のハンガリーPPIは前年比+0.3%と前月から大きく鈍化。ハンガリーのディスインフレ傾向は続いている。

 CZKは対ドルで0.4%の上昇。7月のチェコM2は前年比6.5%増と4か月連続で加速し、2012年8月以来の高い伸びとなった。

 PLNは対ドルで小幅下落。8月のポーランド・インフレ予想は前年比+0.2%と市場予想や前月と同じだった。

米国イリノイ州が宝くじの高額賞金支払いを一時凍結したそうです。予算案が成立していないためとのこと。夢のない話ですね。

2015年8月31日月曜日

景気は今後も期待できるが過度なPHP安の進展に注意が必要なフィリピン

 第2四半期GDPが前期比5.6%増と前期から加速したように、フィリピン景気は他アジア各国に比べ堅調に推移していると言える。しかし、夏場に始まったPHP売りの動きが続くようだと、政府の債務支払い負担の増大を通じ、インフラ投資など財政支出が抑制され、フィリピン景気が弱含むだけでなく、中長期でみた同国経済のファンダメンタルズが悪化するリスクが高まることに注意が必要である。

 第2四半期のフィリピンGDPは前年比5.6%増と、市場予想を小幅下回ったが、前期(同5.0%増)から加速。需要項目別にみると、輸出が同3.7%増と2期連続で鈍化したものの、個人消費、政府消費を中心に内需が景気をけん引した。

 フィリピン景気の先行きも期待が持てる。6月の海外労働者送金はドル建てで前年比6.1%増と市場予想を上回り、2カ月連続で加速。ペソ建てでは同9.1%増と伸びが高まった。フィリピンにとって最大の海外就労先である米国景気が堅調に推移しているほか、PHPが夏場に下落したことから、今後も当面は海外労働者送金の加速が続くと予想される。

 財政支出も第3四半期は加速する見込みである。第2四半期の政府歳出額は前年比12.5%増と前期(同4.5%増)から急加速。4月にフィリピン・アキノ大統領が予算執行の迅速化に関する大統領令を出したことが効いたようだ。今年度予算は前年度比15.1増と拡大余地が大きく、インフラ投資を中心に財政支出が成長率を下支えする展開が期待できる。

 注意すべきは、フィリピン政府の外債発行残高が他アジア諸国に比べ大きいことだ。フィリピンの財政収支はGDP比0.5%の黒字と、赤字が慢性化しているタイ(1.8%の赤字)、マレーシア(3.7%の赤字)、インドネシア(2.2%の赤字)に比べ財政の健全性は高いイメージが強い。しかし、フィリピン政府は歳入不足を補うため、外債発行を拡大させており、外債発行残高は2015年3月末時点で289億ドルと、アジア諸国の中ではインドネシア(420億ドル)に次ぐ規模となっている。

 PHPは年初から6月上旬まで対ドルで44.0~45.0のレンジ内で推移。6月中旬から7月中旬までは、レンジが小幅上方にシフトし45.0~45.5のレンジ内で推移するなど、他アジア通貨に比べ安定的な値動きを続けてきた。しかし7月下旬からは新興国通貨売りの流れに抗いきれず、PHPも対ドルで下落基調で推移。8月下旬には46台後半に下落し、その後は同水準で下げ渋っている。

 PHPの年初来パフォーマンス(対ドル)は4.2%の下落と、他新興国通貨と同様に対ドルで下落しているが、BRL(25.8%の下落)、COP(22.7%の下落)だけでなく、SGD(5.9%の下落)、INR(4.7%の下落)など他アジア通貨と比べても下げ幅が小さい。

 フィリピン景気が堅調に推移しており、今後も底堅い景気が期待されることから、PHPは引き続き底堅い動きが予想されるが、米利上げ観測の強まりなどをきっかけに市場のリスク回避姿勢が強まり、ファンダメンタルズの強弱にかかわらず、PHPも含め新興国通貨が再び大きく売られる展開も否定できない。

 仮にPHPが今後、さらに下げるようだと、フィリピン政府の対外債務負担がさらに増大することになる。財政健全化姿勢の強いフィリピン・アキノ政権が財政規律を守るため、他歳出を抑制することで対外債務負担の増大に対応する可能性も否定できない。

 この場合、短期的にはフィリピン景気の下支え役が一つなくなることになり、成長率が下振れするリスクが高まる。また財政支出の抑制は、公的インフラ投資の伸び縮小にもつながりかねず、中長期的にはフィリピン経済の発展可能性が低下する恐れも出てくる。

金融政策が為替に与える影響~中央銀行とは

 中央銀行とは、その国・地域で利用される通貨を発行し、通貨の発行量や金利などを調整することで物価や景気を安定的にしようとする公的な組織です。必要な場合には一般の銀行に対し資金を貸し出すこともしますので、「最後の貸し手」とか「銀行の銀行」などと呼ばれることもあります。

 中央銀行は、いくつかの役割がありますが、その中でも重要とされているが、①物価を安定的にする、②景気を良い状態にする、の二つです。そして中央銀行は、この二つの役割を果たすために金融政策と呼ばれる通貨や金融の調整を行います。

2015年8月30日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月28日)

 8月28日のロンドン市場はドルの上値が重い展開となった。ドル円は取引前半に121円ちょうど近辺から120円台後半に下落。中盤以降は同水準で方向感に欠ける動きとなった。欧州株や日経平均先物は取引序盤に下げた後、方向感に欠ける動き。米債利回りも長期ゾーンで株安に反応する形で低下。原油先物価格も低下するなど、市場のリスク回避姿勢がやや強まる格好となり、ドル円の重石となった。

 ユーロドルは取引前半にドル売りの反応となり、1.12ドル台後半から1.13ドルちょうど近辺に上昇。ただ中盤には再び1.12ドル台後半に反落。後半は1.12ドル台後半を維持したものの上値は重い動きとなった。8月のドイツ・ザクセン州CPIが前月比-0.1%と再びマイナスとなり、8月のスペインCPIは同-0.4%と4カ月ぶりの大幅な落ち込みとなるなど、ユーロ圏のインフレ圧力は再び軟化へ。8月のユーロ圏景況感は104.2と市場予想や前月を上回ったものの、ユーロ買いの動きは強まらず。ユーロは軟調な動きが続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年8月28日)

 新興国通貨は資源国通貨が対ドルで買い戻される一方で、東欧通貨を中心にEMEA通貨の多くは対ドルで下落した。

 THBは対ドルで0.5%の下落。7月のタイ製造業生産は前年比5.3%減と市場予想ほど落ち込まず、同月同国の設備稼働率指数は58.7と前月から上昇。タイ景気の先行き期待を高める内容となった。

 MYRは対ドルで0.8%の上昇。7月のマレーシアM3は前年比3.9%増と2002年1月以来の低い伸び。マレーシアではナジブ首相の退陣を求め各地で大規模デモが発生。クアラルンプールでは主催者の発表によると10万人がデモに参加した。

 PHPは対ドルで小幅下落。7月のフィリピンM3は前年比8.5%増と5カ月ぶりの低水準に鈍化した。

 BRLは対ドルで0.8%の下落。8月のブラジルIGP-Mは前年比+7.55%とほぼ市場予想通りで、昨年5月以来の高い伸び。第2四半期のブラジルGDPは前年比2.6%減と市場予想を上回る落ち込みとなり、2期連続で落ち込み幅が拡大。7月のブラジル基礎的財政収支は100億レアルの赤字と赤字額が市場予想を上回り、昨年12月以来の大幅赤字となった。

 MXNは対ドルで0.8%の上昇。7月のメキシコ失業率は4.31%と市場予想に反し、小幅だが前月から低下した。

 CLPは対ドルで0.2%の上昇。チリ中銀は会合議事録(8月14日開催分)を公表。政策金利の据え置き決定に対し、一部からは利上げを主張する反対票があったことが判明した。

 HUFは対ドルで0.4%の下落。7月のハンガリー失業率は6.8%と前月から低下し、2005年1月以来の低水準を記録した。

 ZARは対ドルで1.2%の下落。7月の南アフリカ財政収支は717.6億ランドの赤字と2004年の統計開始以来最大の赤字を記録した。

東京地方では気温が低下し、秋の様相が強まってきました。体調管理がやや難しくなりますが、よい週末をお過ごしください。