2015年9月19日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月18日)

 9月18日のロンドン市場は取引前半を中心にドル売り優勢の展開。ドル円は取引前半に119円台半ば近辺から119円ちょうど近辺まで下落。中盤以降は119円台前半でのもみ合いが続いた。欧州株は下げて始まり、その後も下落基調での推移。米債利回りも低下基調で推移するなど、市場のリスク回避姿勢が強く、ドル円は軟調な推移となった。

 ユーロドルは取引中盤まで上昇基調で推移し、1.14ドルちょうど近辺から1.14ドル台半ば近辺に上昇。7月のユーロ圏経常収支(季調値)は226億ユーロと前月からは黒字額が縮小したが、前年同期比92.9%増の大幅増。ユーロをサポートした。取引終盤にECBクーレ専務理事が、ユーロ圏と米国の金融政策は異なる道を進んでいると発言。ユーロ圏景気に下方リスクがあり、必要であればECBは行動する用意があると述べると、ユーロドルは1.14ドル台前半に小幅下落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月18日)

 新興国通貨は対ドルで下落。欧米株が下落し、原油先物価格も下落。市場のリスク回避姿勢を背景に新興国通貨は売り優勢となった。

 BRLは対ドルで1.3%の下落。USD/BRLは一時3.96台まで上昇した。9月15日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.47%と市場予想を小幅上振れ。9月のブラジルCNI産業信頼感は35.7と過去最低を更新。8月のブラジル税収は937億レアルと市場予想を下回った。現地メディアはブラジルのレビ財務相が新しい財政計画を発表すると報道。2016年度予算案としてすでに公表した歳出削減策が変更される可能性があるとも報じられた。

 PENは対ドルで0.2%の下落。ペルー中銀は四半期インフレ報告を公表。GDP成長率見通しは今年が3.1%、来年が4.2%といずれも前回(5月)から下方修正。ペルー中銀のベラルデ総裁はインフレは2016年には目標レンジに収束するとの見方を示した。

 COPは対ドルで小幅下落。8月のコロンビア小売業信頼感は17.8と前月から小幅低下したが、同月同国の鉱工業信頼感は2.9と前月から小幅上昇した。

いわゆるシルバーウィーク期間中は天候に恵まれる見込みです。よい連休をお過ごしください。

2015年9月18日金曜日

金融市場次第となってしまった米利上げ開始のタイミング

米連邦準備理事会(FRB)は日本時間9月18日早朝、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ開始を見送り、金融政策を現状維持とすることを決めた。FOMCは声明で、最近の世界経済および金融動向(financial developments)は、経済活動をやや抑制する可能性があり、短期的にはインフレの下押し圧力を強めるだろうと指摘。今後も海外動向(developments abroad)を監視していく意向を示した。なお今回の決定に対し、リッチモンド連銀のラッカー総裁は反対票を投じ、25bpの利上げを主張した。

FOMC声明で、中国株の大幅下落を中心とした金融市場の不安定性を「金融動向(financial developments)」と表現し、経済活動を抑制する可能性があることを示したことは、FOMCが金融政策の決定において金融市場の動向を考慮していることを示したという点で非常に興味深い。中国景気の先行き不透明感を背景に中国株式市場が不安定な動きを続ける可能性もあり、FOMCが年内に利上げを開始できないとの見方が広がる展開も考えられる。現にFRBイエレン議長は、FOMC声明公表後の会見で、アナリストの大半の予想を上回るような、より突然の減速のリスクがあり得るかについて、8月の金融市場の動きが、中国経済のパフォーマンスに下振れリスクがあるという懸念や、政策当局がこうした懸念に対象する上で不備があるとの懸念を一部反映していると考えられると述べた。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月17日)

 9月17日のロンドン市場は取引前半を中心にドルの上値が重く推移した。ドル円は121円手前から取引後半には120円台後半に小幅下落。終盤には再び121円手前水準に反発したが121円ちょうどを上抜けすることはなかった。欧州株は小幅プラス圏で推移したものの、原油先物価格は下落。米債利回りは長期ゾーンで低下し、ドル買いの動きを抑えた。

 ユーロドルは取引前半に1.13ドルちょうど近辺から1.13ドル台前半に上昇。ただ中盤以降は伸び悩み、1.13ドル台前半で方向感に欠ける動きとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月17日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨がユーロと連れ高となる格好で対ドルで上昇する一方、中南米通貨は下落した。

 IDRはBloombergによると対ドルで変わらず。インドネシア中銀は市場予想通り政策金利を7.50%で据え置き。同中銀は声明で金利据え置きはファンダメンタルズに沿った結果と説明。短期的にはIDRの安定性確保に注力する意向を示し、米FRBによる利上げで不透明感が高まるリスクがあるとの認識を示した。

 BRLは対ドルで1.5%の下落。9月のブラジルIGP-M(二次速報値)は前月比+0.65%とほぼ市場予想通りの結果となった。

 ILSは対ドルで0.3%の下落。第2四半期のイスラエルGDP(改定値)は前期比年率0.1%増と市場予想に反し速報値から下方修正。経常収支は26.1億ドルの黒字と黒字額が前期から拡大したが、前期の黒字は下方修正された。

 RUBは対ドルで小幅下落。8月のロシア実質賃金は前年比9.8%減と市場予想を上回る落ち込み。同月同国の実質小売売上高は同9.1%減と小幅ながら市場予想を上回る落ち込みとなった。同月同国の失業率は5.3%と市場予想通り前月と同じだった。

 PLNは対ドルで1.1%の上昇。ポーランド中銀は会合議事録(9月2日開催分)を公表。メンバーの大半は政策金利を据え置くのがメインシナリオであると認識していることが判明した。8月のポーランド鉱工業生産販売は前年比5.3%増と市場予想を下振れ。同月同国PPIは前年比-2.7%と市場予想を上回る落ち込み。同月同国の小売売上高は同0.3%減と市場予想に反し前年割れとなった。

某大手SNSサイトが投稿に対する好意や共感、支持を示す「いいね!(Like)」ボタンに加え、反対の「よくないね!(Dislike)」ボタンを近く試験導入する予定だそうです。導入された後にFRBがFOMCの結果を同サイトに投稿すれば、利上げに関する決定への評価がよくわかっていいかもしれませんね。

2015年9月17日木曜日

景気対策が為替に与える影響~景気対策とは

 世界のほとんどの国には政府があります。政府は議会(日本での国会)で定められた法律に基づいて国民に対し様々な施策をおこないます。

 施策を行うためにはお金が必要になりますが、政府は税金という形で国民からお金を受け取ったり、国債を発行してお金を借りることでお金を用意します。一方、政府がどのようにお金を使うかは、予算と呼ばれる計画で決められます。予算は政府によって原案が作成され、議会で承認されることで有効となります。

 政府は予算に基づきお金を手に入れ、そのお金を使うため、その国の経済に大きな影響を及ぼすことになります。このため政府は、景気が悪くなった時には、景気が回復するように予算を変えることがあります。これは景気対策と呼ばれます。

 景気対策には二つの方法があります。一つは、国民から受け取るお金(税金)を減らすことです。税金を減らすことから減税と呼ばれます。減税により国民にはより多くのお金が手元に残るため、より多くの買い物をすることが期待されます。

 もう一つの景気対策は、政府がより多くのお金を使うことです。政府が道路の整備や公共施設などを多く建てるといった公共事業を増やすのは代表的な景気対策です。政府が使うお金を増やす景気対策は財政出動と呼ばれることもあります。

 景気対策として政府がより多くのお金を使うと、企業は政府から受け取るお金の額も増えます。企業はより多く受け取ったお金を使って機械を新しく買うなど設備への投資を積極的に進めるほか、企業に勤める方々の給与を増やす可能性があります。給与が増えた分は、最終的にはより多くの買い物に回ることが期待されます。

●景気対策とは
政府が景気を良くするために予算を変えること
●景気対策は二つの方法がある
国民から受け取るお金(税金)を減らすこと
政府がより多くお金を使うこと(財政出動と呼ばれることもある)

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月16日)

 9月16日のロンドン市場は、ドル買い優勢の展開となった。ドル円は120円台前半から120円台半ば近辺に上昇。OECDは今年と来年の世界経済の成長率見通しを下方修正。ただ同時に米利上げについては、米経済の強固な成長や資産価格のゆがみへの懸念を考慮すれば、近く利上げする必要があると指摘。利上げ開始に理解を示した。取引中盤にS&Pは日本の長期ソブリン格付けを従来の「AA-」から「A+」に格下げ。格付け見通しは「安定的」とすると、ドル円は円売りの動きがやや強まった。

 ユーロドルは1.12ドル台後半から1.12ドル台前半に下落。8月のユーロ圏CPI(確定値)は前年比+0.1%と市場予想に反し速報値から下方修正。ECBコンスタンシオ副総裁はECBが現在実施している量的緩和(QE)が、FRBや日銀など主要中銀に比べ小型のため、規模を拡大する余地があると発言。ECBの追加緩和期待が強まった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月16日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。RUB、COPなど資源国通貨の上昇が目立った。

 THBは対ドルで0.2%の上昇。タイ中銀は市場予想通り政策金利を1.50%で据え置き。同中銀は声明でTHB安など現在の金融情勢が経済回復を後押ししていると指摘した。

 COPは対ドルで2.0%の上昇。7月のコロンビア小売売上高は前年比4.5%増と市場予想を上回る伸び。同月同国の鉱工業生産は同+0.3%と市場予想に反し前年割れは回避したが、前月から鈍化し、ほぼ前年並みとなった。コロンビア中銀のカノ政策委員はプレゼン資料でコアCPIも目標レンジの上限を突破するだろうと指摘。今のところインフレ期待は落ち着いているが、今後上昇する可能性があると指摘した。同国カルデナス財務相は今年の経常赤字はGDP比5.6%と懸念すべき水準にあるとし、少なくとも5%程度まで低下させるべきとの認識を示し、COP安を容認する姿勢を示した。

 CLPは対ドルで1.2%の上昇。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明でインフレ期待は強まっているが、景気は低迷したままと指摘。インフレが目標水準とする3%に鈍化すれば、利下げが求められるとの認識を示した。

 BRLは対ドルで0.8%の上昇。9月15日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+0.28%と市場予想や前月を小幅上振れ。7月のブラジル小売売上高は前年比3.5%減と4カ月連続の前年割れとなった。

 ZARは対ドルで1.4%の上昇。7月の南アフリカ小売売上高は前年比3.3%増と市場予想を上振れ。前月分も小幅上方修正された。

 PLNは対ドルで変わらず。8月のポーランド・コアCPIは前年比+0.4%と市場予想通り前月と変わらず。同月同国の平均総賃金は同3.4%増、雇用は同1.0%増と、いずれも市場予想通り前月並みの伸びとなった。

 RUBは対ドルで2.1%の上昇。9月14日までの週のロシアCPIは前週比+0.1%と前週から鈍化した。

昨日、あるアイドルグループが横浜アリーナでジャンケン大会をしたそうです。報道によると同大会は6回目とのこと。優勝した方はソロデビューできるそうで、優勝が決まった後、号泣したそうです。私の場合、じゃんけんで勝って、泣くほどうれしい思いをしたのは、給食のおかわり揚げパンをゲットした時ですね。

2015年9月16日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月15日)

 9月15日のロンドン市場は、ドル円の上値の重さが目立つ展開となった。取引前半のドル円は、119円台後半から119円台半ば近辺に下落。日銀・黒田総裁は金融政策決定会合後の会見で日本経済は緩やかな回復を続けていくという見方に変更はないと明言。海外経済の減速による影響は一時的との認識を重ねて示し、追加緩和に否定的な姿勢を示し、円買いの動きを後押しした。会見終了後、ドル円は119円台後半でもみ合い。後半に入り、欧州株、日経平均先物がやや持ち直したことで、ドル円は119円台後半に小幅上昇したが上値は重かった。

 ユーロドルは1.13ドルちょうど近辺での推移。7月のユーロ圏貿易収支(季調値)は224億ユーロと市場予想を上回り、過去最高水準に増加。しかし、9月のドイツZEW景況感指数は12.1と市場予想を下回り、6カ月連続の低下。ユーロの上値を抑えた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月15日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチとなった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.5%の下落。8月のインドネシア貿易収支は4.34億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下振れ。輸出は前年比12.28%減と市場予想ほど落ち込まなかったが輸入が同17.6%と落ち込み幅が市場予想を下回ったため、貿易黒字が抑制された。

 SGDは対ドルで0.3%の上昇。7月の小売売上高は前年比5.2%増と市場予想を下振れ。しかしコア売上高は同0.8%増と小幅ながら前年比プラスに反発した。

 PHPは対ドルで変わらず。7月のフィリピン海外労働者送金は前年比0.5%増と市場予想を大きく下振れ。フィリピン景気の先行き懸念を強めた。

 KRWは対ドルで0.3%の下落。S&Pは韓国の外貨建て長期債格付けを従来の「A+」から「AA-」に引き上げ。格付け見通しは「安定的」とした。同社は声明で韓国は今後3~5年間、大半の先進国よりも高い経済成長を維持すると予想されるとし、短期債務の比率低下や国内銀行の債務減少により、対外債務の著しい悪化リスクが低減したと説明した。

 INRは対ドルでほぼ変わらず。8月のインド貿易収支は124.8億ドルの赤字と市場予想を上回る赤字。輸出が前年比20.7%減と大きく落ち込んだことが響いた。

 BRLは対ドルで1.1%の下落。9月のブラジルIGP-10は前月比+0.61%と市場予想や前月を上回る伸び。ブラジル政府は2016年度歳出予算を260億レアル削減する案を発表。ブラジル中銀のトンビニ総裁は政策金利は当分、現水準が維持される見込みだが、インフレが鈍化すれば利下げが実施されるべきとの認識を示した。

 PENは対ドルで変わらず。7月のペルー経済活動指数は前年比+3.3%と市場予想通りだったが前月から鈍化。8月のペルー失業率は6.1%と市場予想に反し前月から低下した。

 COPは対ドルで小幅上昇。8月のコロンビア消費者信頼感は-0.4と市場予想に反し前月から悪化。2009年4月以来のマイナスとなった。

 TRYは対ドルで0.9%の上昇。6月のトルコ失業率は9.6%と市場予想に反し前月から悪化。8月のトルコ予算収支は52.4億リラの黒字と黒字に回復した。

 ZARは対ドルで0.2%の上昇。第2四半期の南アフリカ経常収支はGDP比3.1%の赤字と市場予想を大きく下回り、4円ぶりの低水準となった。

 PLNは対ドルで0.3%の下落。8月のポーランドCPIは前年比-0.6%と市場予想に反し、落ち込み幅が前月から小幅縮小した。

 RUBは対ドルで1.1%の上昇。8月のロシア鉱工業生産は前年比-4.3%と7カ月連続の前年割れとなった。

プロ野球の阪神―広島戦であった本塁打性の当たりをめぐるビデオ判定で、日本野球機構(NPB)が誤審を認めた問題を受け、15日夕までに電話による苦情が100件超になったそうです。利上げに関する決定についてFRBも電話での苦情を受け付けてくれるのでしょうか?

2015年9月15日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月14日)

 9月14日のロンドン市場はユーロが下落基調で推移。ユーロドルは1.13ドル台後半から1.13ドル台前半に下落した。7月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+1.9%と市場予想を上回り、前月分も上方修正。ユーロ圏景気の先行き期待を強めたが、ユーロの高値警戒感から売り優勢の展開が続いた。

 ドル円は120円台前半で下値を固める動き。取引序盤に上昇した欧州株は、中盤に入る前に前日終値水準まで上げ幅を縮小。日経平均先物も小幅高で伸び悩み。米債利回りも長期ゾーンで小幅低下したものの、ドル円は東京市場での下落トレンドを引き継がず、下げ渋りの動きとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月14日)

 新興国通貨はBRL、RUBなど資源国通貨が対ドルで反発する一方、東欧通貨は上値の重い動きとなった。

 INRは対ドルで0.3%の上昇。8月のインドCPIは前年比+3.66%と市場予想を小幅上回ったが下方修正された前月分とほぼ同じ伸び。インドのインフレ圧力が弱いままであることが示された。

 BRLは対ドルで1.3%の上昇。ブラジル中銀の週次サーベイでは、USD/BRL見通しとインフレ見通しが今年末、来年末ともに上方修正。来年末のUSD/BRL見通しは3.80となった。9月13日までの週のブラジル貿易収支は8.88億ドルの黒字と2週連続で黒字を維持した。

 PLNは対ドルで0.3%の下落。8月のポーランドM3は前年比+7.3%と市場予想を上回る鈍化。7月の同国経常収支は16.6億ユーロの赤字と赤字額が市場予想を上振れ。黒字予想だった貿易収支が輸出の低迷で赤字に転落したことが響いた。

 RUBは対ドルで0.9%の上昇。EUはロシアに対する経済制裁を来年3月まで6カ月延長することを決定した。

英陸上競技選手だったロジャー・バニスター氏(86)が、1954年に世界で初めて1マイル4分を切るタイムで走るという記録を打ち立てた際に履いていたランニングシューズがクリスティーズで競売にかけられ26.7万ポンド(約5千万円)で落札されたそうです。私のランニングシューズが必要な方はお気軽にお問い合わせください。

2015年9月14日月曜日

チェコ中銀の出口戦略次第では暴騰する恐れもあるチェコ・コルナ(CZK)

 チェコ景気が堅調に推移している。第2四半期のチェコGDPは前年比4.4%増と2期連続で加速し、2007年第4四半期以来の高い伸び。8月のチェコ・マークイット製造業PMIは56.6と市場予想や過去最高を記録した前月を下回ったが高水準を維持。同月のハンガリー製造業PMIが50.7、ポーランド・マークイット製造業PMIが51.1と50を小幅上回る水準に留まっていることを考えれば、チェコ景気の堅調ぶりがよくわかる。

 また、今年に入ってチェコの経常収支の改善基調が強まっている。6月のチェコ経常収支は132.6億コルナの黒字と、赤字予想に反し黒字に回復した。貿易黒字が緩やかに拡大基調を維持するなか、第一次所得収支の赤字に歯止めがかかっている。

 一方で、チェコのインフレ圧力は依然として弱い。8月のチェコCPIは前年比+0.3%と前月から鈍化。同国CPIは20カ月連続で1%割れを続けている。インフレ圧力と連動するとみられる平均実質賃金は今年第2四半期に前年比2.7%増と3期連続で加速したが、この程度の伸びでは早期のインフレ加速は見込みにくい。

 チェコ中銀は、2013年11月に始めたチェコ・コルナ(CZK)の対ユーロ上限策(EUR/CZKの下限を27ちょうどに設定する金融政策)を2016年後半まで続ける意向を示している。しかしチェコ景気が堅調な上に、経常収支は改善し、低インフレは継続。このためCZK買い圧力は強まっており、EUR/CZKは7月下旬あたりからチェコ中銀がリミットとする27ちょうど近辺で推移。BloombergによるとEUR/CZKは9月4日に一時27を割り込んだ。

 チェコ中銀は、CZKの対ユーロ上限策を順守すべく、機械的にユーロ買いを中心としたCZK売り為替介入を強めている。この結果、チェコの外貨準備は8月に急増。ドル建てで617.6億ドルと前月から53.4億ドル、ユーロ建てで550.6億ユーロと前月から36.1億ユーロ、それぞれ拡大している。

 自国通貨売り介入は、経済学上、無限に実施できるが、現実には介入に伴う損失に耐えきれず、途中で介入を断念する可能性が存在する。スイス中銀が今年1月15日、スイスフラン(CHF)売り介入を突然に停止したのは記憶に新しいところだ。

 チェコ中銀が公表するユーロ建て外貨準備高の推移から推測すると、チェコ中銀のCZK売り介入コストはEUR/CZKで27.39程度。現在の水準(27ちょうど近辺)から考えると、チェコ中銀は含み損を抱えていることになる。

 しかしチェコ中銀は、CZKの対ユーロ上限策を開始した2013年と翌2014年に介入による利益を計上。過去2年間で910億コルナの利益を計上し、2012年まで続いた債務超過から脱却した。今後もチェコ中銀は当面、CZKの対ユーロ上限策を続ける見込みで、それに伴いCZK売りコストも現在の水準である27ちょうど近辺に近付くことになる。スイス中銀のように介入に伴う損失拡大を理由に、CZKの対ユーロ上限策を突如中止する可能性は低いと思われる。

 とはいえ、CZK買い圧力が強まる中、人為的にCZK相場を対ユーロで固定し続ければ、最終的にはインフレが昂進する可能性が高まる。2016年後半まで続ける意向を表明しているとはいえ、インフレ圧力が急激に高まった場合、チェコ中銀がCZKの対ユーロ上限策を続けることが難しくなるだろう。

 この場合、チェコ中銀は、CZKの対ユーロ上限策を解除する方法に苦慮するだろう。ある日突然、上限策の解除を宣言すれば、今年1月のCHF相場と同じようにCZKが急騰し、チェコ経済に大きなダメージを与える可能性が高まる。かといって、上限策を緩和する方法を選択したとしても、投機筋がCZK買いを強める可能性もあり、CZK上限策を解除したくても、結局、CZKの急騰を防ぐべくCZK売り介入を続けざるを得ない状況に追い込まれる可能性もある。この場合、チェコのインフレが加速してしまうリスクも高まる。今のところCZKの対ユーロ上限策は成功に終わっているが、上限策の解除という出口戦略については妙案が見いだしにくいままである。

2015年9月13日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月11日)

 9月11日のロンドン市場はドルが底堅い動きとなった。ドル円は取引序盤に120円台後半から120円台前半に下落したが、その後はじり高の動きを続け、引けにかけては120円台後半とロンドン市場序盤の水準に回復。欧州株が取引序盤に下げ幅を広げる動きとなり、日経平均先物は1万8千円割れ。ドル円を下押ししたが、両者ともに取引中盤には下げ止まり。米債利回りは短期ゾーン中心に底堅い動きとなったこともあり、取引中盤以降のドル円はドル買い戻しの動きとなった。

 ユーロドルは取引序盤に1.12ドル台後半から1.13ドルちょうど近辺に上昇。しかし、その後は下落基調で推移し、取引終盤は1.12ドル台半ば近辺での推移となった。7月のイタリア鉱工業生産は前年比+2.7%と市場予想を上回る伸び。ユーロの下値をサポートしたが、取引中盤以降はドルを買い戻す動きに抑えれる格好となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年9月11日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨が底堅く推移する一方で、中南米通貨やTRY、RUBは軟調な推移となった。

 MYRは対ドルで小幅下落。マレーシア中銀は市場予想通り政策金利を3.25%で据え置き。同中銀は声明でマレーシア経済は第3四半期も拡大基調で推移している模様と指摘。インフレは高めの水準だが、MYR安による影響は商品市況の低下もあって限定的との見方を示した。

 SGDは対ドルで0.2%の上昇。11日に投開票が行われたシンガポール総選挙では、リー・シェンロン首相率いる与党・人民行動党(PAP)が89議席中83議席を獲得。最大野党の労働者党(WP)が6議席を獲得した。

 INRは対ドルで0.2%の下落。一部メディアはインド中銀の金融政策決定会合は、今後2カ月に一度開催され、メンバーは政府任命が3名、中銀指名が3名の計6名になる見込みと報道。7月のインド鉱工業生産は前年比+4.2%と市場予想を上回り、前月分も上方修正された。

 COPは対ドルで0.3%の上昇。6月のコロンビア経済活動指数は前年比+3.1%と市場予想を小幅下回り、前月分も下方修正。コロンビア景気の伸び悩みが示された。

 PENは対ドルで0.2%の上昇。ペルー中銀は市場予想に反し政策金利を25bp引き上げ3.50%にすると発表。同中銀は声明でペルーのインフレ圧力は食品価格の上昇とPEN安の影響で高まっていると指摘。同国の実質金利は0.5%にまで低下しており、25bpの利上げでも金融政策は依然として緩和的との見方を示した。またインフレが目標レンジに到達するよう追加利上げの準備もできていると付け加えた。

 BRLは対ドルで0.6%の下落。9月7日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.50%と市場予想を小幅上回った。

 MXNは対ドルで0.4%の下落。7月のメキシコ鉱工業生産は前年比+0.7%と市場予想を小幅上回ったが、小幅の伸びに留まった。

 RUBは対ドルで0.4%の下落。ロシア中銀は市場予想通り政策金利を11.00%で据え置き。同中銀は声明で内需の弱さはインフレ抑制に役立つと指摘。インフレの鈍化は今後数カ月は続くとの見方を示したが、為替相場の動向の影響で、インフレおよびインフレ見通しは明らかに上向きのトレンドを示していると指摘した。同中銀のナビウリナ中銀総裁は、最も楽観的なシナリオの下でもロシア経済は向こう数年間はこれまでよりも困難な状況に直面すると理解しておくことは重要だと発言。ただ、経済情勢が最善のシナリオに沿って推移すれば、主要政策金利を引き下げる可能性も出てくると述べた。7月のロシア貿易収支は107億ドルの黒字と黒字額が市場予想を大きく下振れ。輸出が前年比40.2%減と大きく落ち込んだことが響いた。

だいぶ秋らしい気候となり、過ごしやすくなりました。よい日曜日をお過ごしください。