2015年12月11日金曜日

緩やかなものになると予想される人民元の下落ペース

中国・人民元が下落基調で推移している。本日(12月11日)の人民元のオンショア相場は、対ドルで6.45台前半と6営業日続落し2011年7月以来の安値に下落。本日の人民元・対ドル基準値(中間値)は1ドル=6.4358元と、こちらは5営業日連続の元安となり、基準値としては、2011年8月以来の元安水準となった。基準値ですら元安が進んでいることから、市場では中国当局が元安を容認しているとの見方が定着。人民元オフショア相場は6.52前後とオンショア相場より1.1%元安水準で推移している。

中国の輸出状況を考えれば、中国当局が元安を容認し始めたことに違和感はない。11月の中国・輸出はドル建てで前年比6.8%減と落ち込み幅が市場予想を上回り、5カ月連続の前年割れ。同月同国の製造業PMIのサブ指数である新規輸出受注は46.4と14カ月連続の50割れで、4年ぶりの低水準。中国輸出の先行き懸念が強まっている。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年12月10日)

 12月10日のロンドン市場はユーロの下落基調が継続。ユーロドルは1.10ドルちょうど近辺から取引後半には1.09ドル台前半に下落。終盤に1.09ドル台半ば近辺に反発したが上値は抑えられた。この日、スイス中銀は市場予想通り政策金利をマイナス0.75%で据え置き。同中銀はスイスフランが大幅に過大評価されていると指摘。引き続き必要に応じて為替介入を実施する考えを示した。これを受けてスイスフランは対ユーロで小幅上昇。ユーロ売り圧力を強めたほか、欧州債利回りが低下する一方で、米債利回りは底堅く推移したことでユーロ売りの動きが続いた。

 ドル円は121円台後半で底堅く推移していたが、取引終盤に121円台前半に下落した。小幅マイナスで始まった欧州株は前日終値水準に回復。日経平均先物は小反発となり、ドル円をサポートしたが、取引終盤に米債利回りが小幅低下。ドル円も連れ安となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年12月10日)

 新興国通貨はCOP、RUBが対ドルで小幅反発したが、他は下落した。

 BRLは対ドルで1.7%の下落。12月7日のブラジルFIPE・CPIは前月比+1.04%と市場予想を下回ったものの前月からは加速。12月のブラジルIGP-M(一次速報)は前月比+0.44%と市場予想を大きく下回り、4カ月ぶりの低い伸び。S&Pはレポートでブラジル格付けが財政悪化や景気の大幅悪化で来年内にさらに引き下げられる可能性があると指摘した。

 PENは対ドルで変わらず。10月のペルー貿易収支は1.8億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回り、黒字を記録した今年6月以降、最も低い水準となった。ペルー中銀高官は今年の成長率は2.9~3.0%と当初見通し(3.1%)を小幅下回ると発言。インフレは今年が4.0~4.1%となるものの、来年は2.9%、再来年は2.0%に鈍化するとの見方を示した。

 COPは対ドルで1.1%の上昇。第3四半期GDPは前年比3.2%増と市場予想を小幅下振れ。鉱業が前年比1.1%減と3期ぶりの前年割れとなる一方、製造業は同2.5%増と6期ぶりにプラスに転じた。

 HUFは対ドルで1.2%の下落。10月のハンガリー貿易収支は6.03億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を上回った。

 TRYは対ドルで0.4%の下落。10月のトルコ経常収支は1.3億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下振れ。第3四半期のトルコGDPは前年比4.0%増と市場予想を大きく上振れ、前期から加速した。

 ZARは対ドルで3.2%の下落。USD/ZARは15.4台と2日連続で過去最高を更新した。第4四半期の南アフリカBER消費者信頼感は-13.8と市場予想を大幅上回る悪化となった。

 RUBは対ドルで0.6%の上昇。12月4日時点のロシア金・外貨準備は3644億ドルと前週から小幅減少した。

本日東京地方は午前中、雨が降りますが、午後には止むとの予報。長靴の使用を見送るべきか悩ましいところです。

2015年12月10日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年12月9日)

 12月9日のロンドン市場はドルが上値の重い動き。ドル円は122円台後半から122円台半ば近辺に小幅下落。ユーロドルは1.09ドル台前半で下値の堅い動きとなった。米債利回りは短期債中心に底堅く推移したが、欧州株や日経平均先物は軟調に推移。原油を始めとする商品市況の下落に対する警戒感から、市場のリスク回避姿勢は強かった。

 NY市場はドル売り先行の展開となった。NY市場に入り米短期債利回りは低下。米国株は前日終値水準で始まり、その後は小幅高となったが、ドルは売りの動きが加速。ドル円は取引前半に122円ちょうど近辺と11月6日以来の安値に下落。一方、ユーロドルは1.09ドル台後半に上昇した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年12月9日)

 新興国通貨はZARを除き対ドルで買い戻しの動きが強まった。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。11月のブラジルIPCAは前年比+10.48%と市場予想を小幅上回り、2003年11月以来となる二桁の伸びとなった。

 MXNは対ドルで0.3%の下落。11月のメキシコCPIは前年比+2.21%と市場予想を下回り、過去最低の伸びを更新。11月のメキシコANTAD既存店売上高は前年比6.0%増と市場予想を下回り、5カ月ぶりの低い伸びとなった。

 CZKは対ドルで1.3%の上昇。11月のチェコCPIは前年比+0.1%と市場予想に反し、前月から鈍化した。

 ZARは対ドルで2.7%の下落。USD/ZARは一時15.3台を付け、過去最高を大きく更新した。南アフリカのズマ大統領はネネ財務相を交代させ、主に地方議会で政治活動をしていたルーエン氏を後任に指名することを発表。この発表を受けZARは急落した。11月の南アフリカCPIは前年比+4.8%と市場予想通り前月から小幅加速したが、コアCPIは同+5.1%と市場予想に反し前月から小幅鈍化。10月の南アフリカ小売売上高は前年比3.3%増と市場予想や前月を上回った。

 RUBは対ドルで変わらず。12月7日のロシアCPIは前週比+0.2%と前週から小幅加速した。

 ある牛丼チェーン企業が3カ月間連続で牛丼を食べ続けた結果を発表しました。継続の大切さを訴えたかったのかもしれません。

2015年12月9日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年12月8日)

 12月8日のロンドン市場はドルが反発。ドル円は123円ちょうど近辺での推移が続いていたが、取引後半に123円台前半に小幅上昇。ユーロドルは取引前半こそ1.08ドル台後半で強含んだが、中盤以降は下落基調で推移。引けにかけては1.08ドル台前半での推移となった。欧州株や日経平均先物は小幅安での推移となったが、東京市場で低下した米債利回りはロンドン市場に入ると上昇基調で推移。ドル買いの動きをサポートした。

 ポンドは下落基調で推移。ポンドドルは1.50ドル台半ば近辺から1.50ドルちょうど近辺に下落した。11月の英ハリファックス住宅価格は前年比+9.0%と市場予想を下振れ。10月の英鉱工業生産は前年比+1.7%と市場予想を小幅上回ったが、市場の反応は限定的。原油安による英貿易収支の悪化を懸念する声もあり、ポンドは売り優勢の動きが続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年12月8日)

 新興国通貨は一部東欧通貨を除き対ドルで売り優勢となった。

 BRLは対ドルで0.8%の下落。11月のブラジルIGP-DIは前年比+10.64%と市場予想を小幅下回ったが、前月から小幅加速。12月6日までのブラジル貿易収支は7.69億ドルの黒字と堅調な結果となった。

 HUFは対ドルで0.2%の上昇。10月のハンガリー鉱工業生産は前年比+12.7%と市場予想を上回り、2011年2月以来の高い伸び。一方、11月のハンガリーCPIは同+0.5%と市場予想を下回った。

 TRYは対ドルで小幅上昇。10月のトルコ鉱工業生産は前年比+4.6%と市場予想を上振れた。

 ZARは対ドルで0.3%の下落。USD/ZARは14.7台と過去最高を更新した。第3四半期の南アフリカ経常収支(GDP比)4.1%の赤字と市場予想を上回る赤字。10月の同国製造業生産は前年比2.1%減と市場予想を上回る落ち込みとなった。

 CZKは対ドルで0.5%の上昇。11月のチェコ失業率は5.9%と前月と同じだった。

 RUBは対ドルで変わらず。11月のロシア軽自動車売上高は前年比42.7%減と今年最大の落ち込みとなった。

バド・ワイザーという名前の米ミズーリ州の男が、同州セントルイスのバドワイザーのビール工場に不法侵入した疑いで逮捕されたそうです。「むらたまさし工場」をネットで探してみましたが、見つかりませんでした。よかったです。

2015年12月8日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年12月7日)

 12月7日のロンドン市場はドルが上昇。ドル円は123円台前半から123円台半ば手前に小幅上昇。ユーロドルは1.08ドル台後半から取引後半には1.08ドルちょうど近辺に下落。終盤にかけて1.08ドル台前半に小幅反発したが、上値は抑えられた。欧州株は上昇基調で推移。欧州債利回りは長期債中心に低下基調で推移する一方、米債利回りは、米利上げ開始観測を背景に下値の堅い動きとなり、ドル買いの動きをサポートした。

 NY市場に入ると米労働市場情勢指数を受けてドルは反落したが、下値は堅い動きを維持した。取引前半のドル円は123円台半ば手前、ユーロドルは1.08ドルちょうど近辺で、それぞれ推移。アトランタ連銀のロックハート総裁は米系TVメディアにて利上げの環境はかなり整っていると発言。ただ米経済の成長ペースは年2%に近い緩やかなものであり、利上げ開始後の追加引上げはより緩やかな道筋を予想していると述べた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2015年12月7日)

 新興国通貨は対ドルで下落。原油先物価格(WTI)は37ドル台に急落。鉄鉱石は1トン40ドル割れと2009年以降の最低を更新。資源国通貨を中心に新興国通貨は売りが先行した。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅下落。11月のインドネシア外貨準備は1002.4億ドルと9カ月連続で減少した。

 MYRは対ドルで0.3%の上昇。11月のマレーシア外貨準備は946億ドルと前月から増加した。

 BRLは対ドルで0.5%の下落。ブラジル中銀の週次サーベイでは来年末の政策金利見通しが14.25%と現水準まで上方修正。一方、成長率見通しは下方修正された。

 CLPは対ドルで0.6%の下落。11月のチリCPIは前年比+3.9%と市場予想を小幅下振れ。同月同国の貿易収支は4.0億ドルの黒字とほぼ市場予想通りで4カ月ぶりの黒字転換となった。10月のチリ経済活動指数は前年比+1.5%と市場予想や前月を下回った。

 CZKは対ドルで0.3%の下落。10月のチェコ鉱工業生産は前年比+3.8%と市場予想を上回る底堅い伸び。同月同国の貿易収支は133億コルナと黒字額が市場予想を上回った。

 RUBは対ドルで1.9%の下落。11月のロシア外貨準備は3647億ドルと市場予想を下回り、4カ月ぶりの低水準となった。

 ILSは対ドルで1.3%の下落。一部メディアはイスラエル中銀が1億ドル相当のドル買い介入を実施したと報じた。イスラエル中銀は会合議事録(11月23日開催分)を公表。政策金利を1.00%に据え置くのは賛成4反対0の全会一致であったことが判明した。

英王室が先日公開したウィリアム王子夫妻の長女、シャーロット王女が着ていたワンピースが話題となり、販売したスペインの子供服専門店に世界中から注文が殺到しているそうです。英王室は私の勤務先に為替取引の注文を出していただきたいものです。

2015年12月7日月曜日

利下げの有無にかかわらず下落が続くと予想されるロシア・ルーブル(RUB)

 ロシア中銀は11日、政策金利を発表する。Bloomberg調査によると、予想回答者23名中、金利据え置きを見込む者が11名。残り12名のうち11名が50bp、1名が100bpの利下げをそれぞれ見込んでいる。金利据え置きか利下げかで、見方が二分している状況だ。

 両者の見方には、それぞれもっともらしい理由が存在する。金利据え置きを見込む者は、ロシア・ルーブル(RUB)安の進展とインフレ圧力の強まりを指摘するだろう。RUBは原油安を背景に下落基調で推移。USD/RUBは本日68台前半と9月半ば以来の安値水準で推移している。

 RUB安だけでなく、ロシア軍機撃墜に対するトルコへの報復措置もロシアのインフレ圧力が強まる可能性を高めている。ロシアは来年1月よりトマト、かぼちゃ、鶏肉など17品目を対象にトルコからの輸入を禁止する措置を発表。トルコ産トマトやカボチャは、ロシア市場の10%近くを占めるとの見方から、品不足が物価上昇を促すとの見方が出ている。

 一方でロシア景気は悪化が続いている。ロシア鉱工業生産は10月まで9カ月連続の前年割れ。11月は前年比-2.9%と低下が続く見込みとなっている。実質小売売上高は10月に前年比11.7%減と1999年1月以来の落ち込みを記録した。

 ロシア貿易収支は9月に96.1億ドルの黒字と2カ月連続で2010年8月以来の100億ドル割れ。景気悪化で輸入は前年比4割弱の減少を続けているものの、輸出も同比20~30%程度の減少を続けている。こうした中、OPECは総会で原油生産目標の設定を見送り、原油先物価格は節目とされる1バレル40ドル割れ。ロシアの輸出(ひいては景気)の下振れリスクが高まっており、利下げで景気を刺激すべきとの声も出やすい。

 両者の見方それぞれにもっともらしい理由があるだけに、金利据え置き/利下げを断定的に予想しても、現実的にはあまり意味がないように思われる。ただロシア中銀の決定がどちらであるにせよ、原油安観測が続く以上、RUBの下げ基調は続くとみていいだろう。

 原油安はロシア景気だけでなく財政赤字の拡大にもつながる。ロシア政府は来年(2016年)予算で歳出を4%増に抑える緊縮予算を発表したが、シリアへの軍事介入を背景に軍事予算が膨らむ可能性が高い。欧米諸国による経済制裁が早期に解消される見込みが薄いことから、財政赤字の拡大は、ロシアの資本流出を加速しかねない。

 ロシア経済を取り巻く外部環境が改善に向かわない以上、ロシア経済はRUB安によって外部環境の悪化を吸収せざるを得ない。USD/RUBの上値の目途は、70ちょうど近辺、71.8近辺(年初来高値)、そして79.2近辺(過去最高値)となる。