2016年1月22日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月21日)

 1月21日のロンドン市場はドルが底堅さを増す展開となった。ドル円は取引序盤に116円台後半から116円台半ばに小幅下落。欧州株や日経兵器株価は前日終値水準で小動き。東京市場に引き続く形で原油先物価格が軟調に推移し、米債利回りも小幅低下。ドル円の上値を重くした。しかし、その後、原油先物価格が下げ止まり、米債利回りも小反発となると、ドル円は117円ちょうど近辺に反発。取引中盤以降は、欧州株が小幅高で推移したこともあって、ドル円は117円ちょうどを挟んでの小動きを続けた。

 ユーロドルは取引序盤に1.09ドルちょうど近辺から1.09ドル台前半に小幅上昇。しかし米債利回りが小幅反発すると、ユーロドルは1.09ドルちょうど近辺に下落。取引中盤以降はECB理事会の結果を見極めたいとの思惑が強く、1.09ドルちょうどで膠着感強く推移した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月21日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油価格の反発でCOPやCLPなどは上昇する一方、RUB、BRLは続落となった。

 MYRは対ドルで0.3%の上昇。マレーシア中銀は市場予想通り政策金利を3.25%で据え置き。ただ預金準備率は50bp引き下げられ3.50%となった。

 BRLは対ドルで1.4%の下落。ブラジル中銀は政策金利を14.25%で据え置き。同中銀は声明でリスクバランスや不確実性の増大を考慮し、金利据え置きを決めたとし、金利据え置きは賛成6反対2の決定だったことを公表。反対2名は50bpの利上げを主張していた。12月のブラジル税収は前年比5.9%増と3カ月ぶりのプラスとなった。

 TRYは対ドルで0.6%の上昇。1月のトルコ消費者信頼感は71.62と2カ月連続の低下。トルコ中銀のバシュチュ総裁はコリドー金利制の廃止は時期尚早との見方を示した。

 ILSは対ドルで小幅下落。11月のイスラエル製造業生産は前月比7.2%増と2004年の統計開始以来最大の伸びを記録した。

 PLNは対ドルで小幅下落。12月のポーランド鉱工業生産販売は前年比6.7%増、同月同国の小売売上高は同4.9%増といずれも市場予想を上回る伸び。同時に発表された同月同国PPIは前年比-0.8%と2014年4月以来の小幅なマイナスとなった。

 RUBは対ドルで1.5%の下落。USD/RUBは一時85.9台と過去最高を更新した。1月15日時点のロシア金・外貨準備は3683億ドルと前週から小幅増加。ロシア中銀は国営企業や銀行と会合を開催。一部現地メディアは会合でRUB安の影響が議題となったと報じた。

 ZARは対ドルで1.1%の上昇。S&Pは南アフリカ成長の先行き懸念を理由に同国格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた。

英人権擁護団体ストーンウォールが発表した2016年の「職場平等指数」では、英情報局保安部(MI5)がLGBT職員に対し最も配慮のある職場に選ばれたそうです。6年前の順位は134位だったそうで、MI5の頑張りがわかります。私もがんばります。

2016年1月21日木曜日

116円ちょうどが当面のサポートと思われるドル円

足元では世界的な株安・原油安が続いている。本日(21日)の日経平均株価(終値)は16000円目前と、日銀が2度目の大規模緩和を実施した2014年10月末以来の安値に下落。海外に目を向けると、NY原油先物(WTI)が、とうとう1バレル26ドル台まで下落。ダウ工業株30種は一時15500ドルを割り込み、昨年8月24日以来の安値を記録した。

為替市場では円買いの動きが続いている。まだ1月が始まったばかりだが、円は対ドルで年初来2.9%の上昇。一方で、ユーロは0.3%の上昇に留まり、ポンドは3.7%の下落。豪ドルにいたっては5.4%も下落している。

金融市場のこうした動きをみてか、個人投資家など市場関係者の中から、円買いの動きは今後も続くとの見方も示されている(ようだ)。ただ興味深いことに、ドル円は原稿執筆時点(1月21日午後3時半)まで116円を大きく割り込んでおらず、安値は昨日(1月20日)午後6時前に記録した115.98円。為替市場では、リスク回避の動きが強まると円買いの動きも強まる、との定説が普及しているが、株安・原油安が続いている割には、ドル円は下値が堅いと言える。

市場のリスク回避姿勢が強まると、円買いの動きが強まる、という定説の裏付けとして言われているのが、日本の投資家がリスクに備え円を買い戻す動きが強まる、というものだ。特に近年ではアベノミクスを合言葉に対外証券投資や海外直接投資が拡大しただけに、リスク回避のために円売りポジションを手仕舞う動きが強まる、というロジックはもっともらしく聞こえる。

投機的なポジション動向を示すと言われるIMM通貨先物・非商業部門の取組(IMMポジション)をみると、円の純買い越しは前週の4103枚から2万5266枚に急拡大。本日発表された日本の対外証券投資(1月11~16日の週)をみると、中長期債は3752億円の売り越しと、円買い戻しの動きと整合的に見える。

しかし同じ対外証券投資のうち株式は、2153億円の買い越しと2週続けて2000億円前後の買い越し。中長期債とあわせてみると、日本の実需筋・投資家が円を大きく買い戻しているわけではない。

これまではリスク回避というキャッチフレーズのもと、円売り(ショート)ポジションを縮小させてきた投機筋も、IMMポジションが円買い越しとなった今、ここからさらに円買いポジションを積み上げるのは難しいだろう。経常黒字の拡大が実需の円買いを促すという見方もあるが、経常黒字の多くは円転されずに外貨のままとされる所得収支黒字。実需の実態を示す貿易収支は依然として赤字基調だ。

日銀の追加緩和観測も足元では強まっている。労働需給のひっ迫などもあり、日銀・黒田総裁は追加緩和を否定する発言を続けているが、(声こそ出さないにせよ)円高を懸念しているのは間違いない。円高基調を食い止めるべく、黒田総裁がサプライズを演出した追加緩和に打って出る可能性を完全に否定することはできない。

チャートを見ると、ドル円の下値の目途は、昨年1月16日の年間安値115.85円と、2014年12月16日の115.56円。ただ、ここを下抜けると、次は2014年2月の安値(100.76)から昨年6月の高値(125.86)の半値戻しとなる113.3円台、61.8%戻し水準の110.4円台あたりまで次の節目がなく、ドル円の急落リスクが意識されやすくなる。円安がアベノミクスの推進力であることもあって、116円ちょうどに近付くと、当局が動くとの思惑が強まりやすいことも忘れてはならない。


■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月20日)

 1月20日のロンドン市場は取引前半にドル売りが加速したが、中盤以降にドルは買い戻される展開となった。ドルは取引序盤に買い優勢となり、ドル円は116円台半ばから116円台後半に小幅反発。ユーロドルは1.09ドル台後半から1.09ドル台前半に下落した。しかし欧州株が下げ幅を広げ、米債利回りも低下基調で推移すると、ドルは売りが先行。ドル円は116円ちょうどをわずかに割り込み、1年ぶりの安値を記録。ユーロドルは1.09ドル台後半に上昇した。

 取引中盤に入り一部メディアは、日本政府関係者の発言として、為替市場の動向を注視していると報道。欧州株や米債利回りが下げ止まると、ドルは買い戻しの動きに。ドル円は一時117円ちょうど近辺に反発。ユーロドルは1.09ドル台前半に下落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月20日)

 新興国通貨は対ドルで下落。原油安を背景にRUB、COPの下げが目立った。

 TWDは対ドルでほぼ変わらず。12月の台湾輸出受注は前年比12.3%減と市場予想を大きく下回り、2013年2月以来の下げ幅を記録。台湾景気の先行き懸念を強めた。

 ZARは対ドルで0.4%の下落。12月の南アフリカCPIは前年比+5.2%、コアCPIは同+5.2%と、いずれも市場予想通りで前月から加速。11月の南アフリカ小売売上高は前年比3.9%増と市場予想に反し、前月から加速した。

 PLNは対ドルで1.1%の下落。USD/PLNは一時4.13台半ば近辺と2003年3月以来の高値を記録した。12月のポーランド平均総賃金は前年比3.1%増と市場予想を下振れ、6カ月ぶりの低い伸び。一方、同月同国の雇用は同1.4%増と市場予想に反し前月から加速した。

 RUBは対ドルで3.7%の下落。USD/RUBは一時82.4台と過去最高を更新した。1月18日までの週のロシアCPIは前週比+0.2%と昨年12月下旬と同じ伸び。ロシア中銀のナビウリナ総裁はRUBの変動が金融の安定を脅かさない限り、為替市場に介入することはないと発言。ロシア金融が不安定になるリスクは今、存在しないと明言し、RUBはファンダメンタルズの水準に近いと指摘した。

告白しますと、ジドリボウが地鶏棒ではなく自撮り棒であることを知ったのは今年に入ってからでした。

2016年1月20日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月19日)

 1月19日のロンドン市場は円売り優勢の動き。ドル円は取引中盤までに118円ちょうど近辺から117円台後半に小幅下落したが、後半にかけては盛り返し、終盤は118円を小幅上回る水準での推移となった。欧州株は中国株の上昇受けて堅調に推移。原油先物価格もじり高の推移となるなど市場のリスク回避姿勢はやや後退。ドル円は下値の堅い展開となった。

 ユーロドルは1.08ドル台後半で小動き。11月のユーロ圏経常収支(季調値)は264億ユーロと高水準を維持。12月のユーロ圏CPIは前年比+0.2%と速報値から変わらずだった。1月のドイツZEW景況感は10.2と市場予想を上回ったが3カ月ぶりの低下。ただ、いずれの指標に対しても市場の反応は限定的だった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月19日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチとなった。

 KRWは対ドルで0.4%の上昇。12月の韓国PPIは前年比-3.9%と落ち込み幅が前月から縮小。ただ前年同月の落ち込みの反動の面もあり韓国のディスインフレ基調は続いていると判断される。

 COPは対ドルで0.3%の下落。1月のコロンビア中銀エコノミストサーベイでは、今後24カ月のインフレ見通しが下方修正。ただ今年末のインフレ見通しは小幅ながら上方修正された。また政策金利見通しは今年3月までに2回(計50bp)の利上げが見込まれているが、年後半は25bpの利下げが見込まれる結果となった。11月のコロンビア貿易収支は16.9億ドルの赤字と市場予想とほぼ同じ結果となった。

 BRLは対ドルで0.8%の下落。1月15日までの週のブラジルFIPE・CPIは前月比+1.02%と市場予想通り前週から加速。1月のブラジルIGP-M(二次速報値)は同+0.83%と市場予想や前月を上回った。ブラジル中銀のトンビニ総裁はIMF世界経済見通しでブラジルの成長率が大きく下方修正されたことを受け、政策当局は景気後退を念頭に入れる必要があると発言。今週の金融政策決定会合での利上げ観測を後退させた。

 TRYは対ドルでほぼ変わらず。トルコ中銀は市場予想通りレポレートなど主要3金利を全て据え置き。同中銀は前回会合で表明していた「金融政策の単純化を進める」とした文言を削除。代わりに年始から金融市場のボラティリティが上昇しているとの指摘を追加した。

 ILSは対ドルで0.4%の下落。1月のイスラエル予想インフレは前年比+0.3%と前月から鈍化。12月の同国M1は前年比40.5%増と3カ月連続の鈍化となった。

長靴ネタも毎冬使うネタの一つだ、というご指摘をいただきました。そうでした。忘れていました。

2016年1月19日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年1月18日)

 1月18日のロンドン市場は市場のリスク回避姿勢が一服したことでドル円が117円台前半で下値を固める動きとなった。ドイツ株や日経平均先物が前日終値水準で方向感に欠ける動きとなる中、原油先物価格(WTI)は28ドル台後半から29ドル台前半へと上昇基調で推移。ドル円は原油先物価格に合わせる形で小幅上昇した。

 ユーロドルは1.08ドル台後半から1.09ドルちょうど近辺に小幅上昇。この日はユーロ圏で主だった経済指標の発表もなく材料難だったが、東京市場でじり安の動きとなったユーロは下げ止まった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年1月18日)

 新興国通貨はRUBを除き対ドルで小動き。米国が休日ということもあって様子見姿勢が強かったが、RUBは下げが目立った。

 SGDは対ドルで変わらず。12月のシンガポール輸出(除く石油)は前年比7.2%減と減少幅が市場予想を大きく上回り、4か月ぶりの大きな落ち込み。電子機器輸出はほぼ前年並みに回復したが、非電子機器輸出が二桁の落ち込みとなった。

 INRは対ドルで小幅下落。12月のインド貿易収支は116.6億ドルの赤字と市場予想を上回る落ち込み。輸出が前年比14.7%減となる一方で、輸入は金輸入の増加により同3.9%減と減少幅が大きく縮小した。

 BRLは対ドルで0.3%の上昇。1月17日までの週のブラジルIPC-Sは前月比+1.30%と市場予想や前月を上回る伸び。ブラジル中銀の週次サーベイではインフレ見通しが上方修正されたが、USD/BRL見通しや政策金利見通しは先週から変わらなかった。1月のブラジルCNI産業信頼感は36.5と前月から小幅上昇。1月17日までのブラジル貿易収支は4.7億ドルの黒字と黒字に転換した。

 COPは対ドルでほぼ変わらず。12月のコロンビア消費者信頼感は1.1と市場予想を下回り、4か月ぶりの低水準。11月のコロンビア小売売上高は前年比0.3%減と市場予想に反し小幅ながら前年割れ。一方、同月同国の鉱工業生産は同+4.8%と市場予想を上振れた。

 CZKは対ドルで0.2%の下落。12月のチェコPPIは前年比-2.9%と市場予想を上回る落ち込みとなったが、前月からは落ち込み幅が縮小した。

 PLNは対ドルで0.3%の上昇。12月のポーランド・コアCPIは前年比+0.2%と市場予想や前月と変わらずだった。

 RUBは対ドルで2.1%の下落。USD/RUBは一時79.4台と過去最高値(RUBは過去最安値)を更新した。第4四半期のロシア経常収支は130億ドルの黒字と黒字額が前年比9.3%減となった。

昨日は、長靴をどこにしまったのか忘れてしまい、朝からあわただしい一日でした。

2016年1月18日月曜日

利下げを機に売り優勢の展開が予想されるインドネシア・ルピア(IDR)

 インドネシア中銀がまた悪い癖を見せ始めた。同中銀は14日、政策金利を始めとする主要3金利を全て25bp引き下げると発表。利下げ発表の翌日、インドネシア中銀のマルトワルドヨ総裁は記者団に対し、追加緩和の余地はあると明言し、追加緩和姿勢を明確にした。

 原油安もあってインドネシアのインフレは鈍化傾向。一方で景気は伸び悩んだままで、表面的には利下げの余地があるのかもしれない。昨年12月の同国CPIは前年比+3.35%、コアCPIは同+3.95%と、いずれも統計開始以来、最低の伸びを記録。一方、昨年第3四半期の同国GDPは前年比4.73%増と3期連続の5%割れ。昨年12月の消費者信頼感は107.5と3カ月連続の上昇となったが、水準は昨年夏場の水準(約110)を下回ったままである。

 ただインドネシアは経常収支の赤字が慢性化していることから、海外からの資本フローの依存度が高い。同国債の海外投資家保有比率は今年1月13日時点で38.2%と昨年8月のピーク(40.0%)から若干低下したとはいえ高止まり。利下げを機にインドネシア債の資本フローが弱まり、インドネシア・ルピア(IDR)が売られる展開は容易に想像できる。

 現にインドネシア中銀は昨年2月の利下げを機にIDR安に直面した。同中銀は昨年2月、市場予想を裏切る形で25bpの利下げを実施。同中銀ワルジヨ副総裁は原油安が利下げ余地を作ったとし、インフレが減速するとの見方を示したが、その後、IDRは対ドルで12700台からじり高(IDR安)の推移が続き、3月半ばには13200台に到達。4月に入り、IDRは対ドルで13000を割り込むなどIDR売りの動きは一服したが、5月以降はじり高の動きが再開。9月末には14500を上抜けするほど売られた。

 足元では原油安やドル高を背景に3月FOMCでの米追加利上げ観測が大きく後退。先週末は米10年債利回りが一時2.00%を割り込むなど米金利の低下が目立った。これにより、インドネシア債利回りの対米スプレッドは25bpの利下げ後も10bp程度の縮小に留まり、利下げ後もIDRは落ち着いた値動きを続けている。

 しかし、市場のリスク回避姿勢がいつまでも続くわけではなく、いずれ市場が落ち着くとともに米債利回りは利上げ観測を背景に再び上昇基調を取り戻すだろう。一方、インドネシア債利回りは追加利下げを織り込む形で低下する可能性があり、インドネシア債利回りの対米スプレッドはさらに縮小。IDRも売り優勢の展開が予想される。

 USD/IDRの上の節目は14000ちょうど近辺。その次は昨年9月末の高値から10月半ばの安値の61.8%戻し水準である14200近辺と14500近辺。そして過去最高値である14800近辺である。