2016年2月19日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年2月18日)

 2月18日のロンドン市場はユーロが売り優勢の動きとなる一方、円相場は方向感に欠ける動きとなった。ユーロドルは取引前半に1.11ドル台半ばから1.11ドル台前半に小幅下落。取引中盤は1.11ドル台前半で小動きとなった。12月のユーロ圏経常収支(季調値)は255億ユーロの黒字と4カ月ぶりの低水準となったが市場の反応は限定的。後半に入り、米債利回りが上昇基調で推移すると、ユーロドルは1.11ドルちょうどを小幅上回る水準まで下落した。

 ドル円は114円ちょうど近辺での小動きで始まったが、中盤には113円台後半に下落。後半は米債利回りや欧州株の上昇を受けて114円ちょうど手前まで反発した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年2月18日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。米債利回りの低下が新興国通貨をサポートする一方、原油安がRUBやBRLなどの重石となった。

 BRLは対ドルで1.0%の下落。12月のブラジル経済活動指数は前年比-6.51%と市場予想通り過去最大の落ち込みを記録した。

 MXNは対ドルで0.5%の上昇。メキシコ中銀は会合議事録(2月5日結果発表分)を公表。政策金利の据え置きは全会一致だったことが判明した。

 TRYは対ドルで0.5%の下落。2月のトルコ中銀インフレ予想調査では、今年末のCPI見通しが+8.48%と先月から上方修正された。

 PLNは対ドルで0.2%の下落。ポーランド中銀は会合議事録(2月3日結果発表分)を公表。足元のPLN安はCPIを押し上げ、今後数カ月はインフレ上昇率が高まる恐れがあると指摘。現在の政策金利水準は経済のバランスを取るのに資するとの見方も示された。

 RUBは対ドルで1.7%の下落。1月のロシア失業率は5.8%と市場予想に反し前月から変わらず。同月同国の実質賃金は前年比6.1%減と市場予想ほど落ち込まず、前月分も上方修正。実質小売売上高も同7.3%減と市場予想ほど落ち込まなかった。2月12日時点のロシア金・外貨準備高は3824億ドルと5週連続で増加した。

 ILSは対ドルで0.2%の下落。2月のイスラエル・インフレ期待は+0.4%と上方修正された前月から変わらず。1月のイスラエルM1は前年比39.8%増と緩やかではあるが4カ月連続で鈍化した。

米ニューヨーク市内で50年超ぶりに路面電車を走らせる計画が持ち上がっているそうです。報道によると、新しい路面電車は、「ブルックリン・クイーンズ・コネクター(BQX)」と名付けられ、ブルックリン地区とクイーンズ地区をウォーターフロント沿いに結ぶとのこと。着工は2019年を予定しており、開業は数年後とのこと。東京オリンピックの方が先ですね。

2016年2月18日木曜日

ドル買いの動きを抑える可能性がある米インフレ期待の低下

2月も半ばを過ぎたが、年初に強まった米国景気の先行きに対する慎重な見方は、依然として払しょくされていないようだ。米国株は昨日(2月17日)まで3営業日続伸となったが、年初来では5%台半ばのマイナス。米2年債利回りも2月11日の0.65%近辺から上昇し、昨日は0.74%台で引けたが、年始の1.03%台から30bp近く低下している。

しかし米経済指標は、第1四半期の米成長率が、それなりの伸びを確保する可能性が高いことを示している。1月の米雇用統計では、失業率が4.9%と約8年ぶりの5%割れ。平均時給は前月比0.5%増と市場予想(同0.3%増)を上回り、賃金の増加ペースは加速。米景気のけん引役である個人消費の拡大継続を示唆した。

これを裏付けるかのように、1月の米小売売上高は前月比0.2%増と市場予想を上回り、0.1%減だった前月分も0.2%増に上方修正。GDP算出に用いられるコントロール売上高(総売上高から食品、自動車、建材、ガソリンを除いたもの)は同0.6%増と8カ月ぶりの高い伸びとなった。

アトランタ連銀が独自に公表する経済予測モデル「GDPナウ」によると、第1四半期成長率は2月17日時点で2.6%増と、2月1日時点の1.2%増から大きく上方修正。需要項目別にみると、個人消費が3.3%増と、昨年第4四半期の2.2%増から加速する予測となっている。

年始からの米国株の下落で米個人消費は2月以降、鈍化するとの見方も一部にあるようだ。しかし2月のミシガン大消費者信頼感は90.7と1月から低下したが、昨年の最低水準(87.2)を上回ったまま。上述したように米国株は、底打ちの兆しを示しており、株価下落を理由に個人消費(ひいては米景気)が鈍化すると見るのは、やや無理があるように思える。

原油安を理由に米国景気の先行き懸念を指摘する声もあるようだが、これも無理のある見方だ。米国は他先進国と同様に原油の純輸入国。原油安で原油関連企業の業績が悪化し、雇用が減少したのは事実だが、米国経済全体でみた場合、原油安がネガティブに作用するとは考えにくい。そもそも、先行き不透明感は強いものの、原油価格は2月に入り減産合意期待もあって一進一退の動き。原油安が続くとの見方が後退したようにも思える。

本日(2月18日)発表された1月の日本・貿易統計(通関ベース)では、輸出数量が前年比9.1%の低下と約3年ぶりの落ち込み。ドイツでは2月のZEW景況感指数が+1.0と2014年10月以来の低水準に落ち込むなど、日独ともに第1四半期成長率に強い期待が持ちにくい状況。中国景気の減速も続くとの見方が根強く、年始から色々とあったものの、世界経済における米国景気の堅調が目立つ図式に変わりはないように思える。

本日早朝に公表されたFOMC議事録(1月26-27日開催分)では、多くの当局者が下振れリスクが高まったと認識していることが示されたが、中長期的な見通しを変更するには十分な確証が見られないとも指摘。声明文でも示されたことだが、米景気は緩やかな拡大を続け、インフレは中期的には2%に回帰するとの見通しが維持された。原油安やドル高が落ち着いていることも考慮すれば、FRBは追加利上げを模索する動きを続けると見るのが自然と思われる。

とはいえ、FRBが追加利上げを続ける、という見方が崩れる可能性を「完全に」否定することは難しい。その理由は、米景気が大きく減速し、世界景気全体の停滞感が強まるためではなく、米国のインフレ期待が低下し、FOMCメンバーのインフレ見通しが下方修正される可能性があるからだ。

本日公表されたFOMC議事録では、調査による長期的なインフレ期待がほとんど変わっていないとの指摘が示されたが、FOMC後に発表されたミシガン大による調査では、5-10年先のインフレ期待値が2.4%と、前月の2.7%から鈍化。ミシガン大学がインフレ期待の調査を始めた1979年2月以降で最も低い水準を記録した。

これもFOMC議事録で指摘されたことだが、インフレが中期的に2%に戻ると想定する前提の一つは、調査による長期のインフレ期待が安定し続けている(remain well anchored)こと。3月18日発表予定の3月のミシガン大調査による5-10年先のインフレ期待値が2月と同水準もしくはさらに低い伸びとなれば、FOMCは4月以降、インフレ見通しを下方修正し、インフレ期待が高まるまで利上げを見送る可能性が高まる。

こうした見方は、セントルイス連銀・ブラード総裁の発言からもうかがえる。同総裁は、日本時間の本日午前に講演し、インフレ期待が低下しているなかで金融引き締めをするのは賢明ではないと発言。3月16-17日開催のFOMC後に示されるドットチャートで年内の利上げ回数見通しが下方修正される可能性を示唆した。ブラード総裁は、米雇用市場の改善を以前から指摘するなどタカ派の印象が強く、今年のFOMCで投票権を有している。今回の同総裁の発言が、今後市場で重視される可能性もある。

年内の利上げが1、2回との見方が強まれば、米国株は底堅さを増し、市場のリスク回避姿勢も和らぐ傾向が強まるだろうが、ドル買いの動きは期待しにくくなる。ドル円は111円割れから114円台まで回復したが、その後伸び悩み。市場はFRBによる年内利上げ姿勢の変化を見極めようとしているように思える。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年2月17日)

 2月17日のロンドン市場はドルを買い戻す動きが続いた。ドル円は113円台半ば近辺から上昇基調で推移し、終盤には114円台前半に上昇。引けにかけては114円ちょうど近辺での推移となった。欧州株は上昇基調で推移。東京市場で軟調に推移していた原油先物価格も上昇に転じ、米債利回りも上昇。ドル円はドル買い・円売りの動きが続いた。

 一方、ユーロドルは1.11ドル台後半から下落基調が続き、取引後半には1.11ドル台前半での推移。12月のユーロ圏建設業生産は前年比0.4%減と3カ月ぶりの前年割れとなり、前月分も下方修正されたが、米債利回りが伸び悩むと、ユーロドルは取引終盤に1.11ドル台半ばに反発した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年2月17日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。欧米株や原油先物価格の上昇が新興国通貨の買い戻しを促した。

 BRLは対ドルで2.0%の上昇。2月14日のブラジルFIPE・CPIは前月比+1.18%と市場予想を下振れ2月のブラジルIGP-10は前月比+1.55%と市場予想を上回り、3カ月ぶりの高い伸びとなった。S&Pはブラジル債格付けを従来の「BB+」から「BB」に引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ」とすると発表した。

 COPは対ドルで1.6%の上昇。12月のコロンビア小売売上高は前年比0.3%増と市場予想通り伸び悩み。同月同国の鉱工業生産は同+3.9%と市場予想を下回った。

 MXNは対ドルで3.3%の上昇。USD/MXNは一時17.9台と2月4日以来の安値(MXN高水準)に達した。NY市場取引終盤にメキシコのビデガライ財務相は132.3億ペソの歳出削減策を発表。数分後にメキシコ中銀は緊急会合を開催し、政策金利を50bp引き上げ3.75%にすると発表。同中銀のカルステンス総裁はドル売り介入を実施したことも明らかにし、今回の緊急利上げはインフレ期待が高まったことに対応したものと説明した。

 ZARは対ドルで1.9%の上昇。1月の南アフリカCPIは前年比+6.2%と2014年8月以来の高い伸び。コアCPIは同+5.6%と市場予想を上回り、8か月ぶりの高い伸びを記録した。12月の同国小売売上高は同4.1%増と市場予想を上回り、3カ月連続で加速した。

 PLNは対ドルで小幅下落。1月のポーランド鉱工業生産販売は前年比+1.4%と市場予想を上回る鈍化。同月同国の建設業生産は同8.6%減と2013年9月以来の大幅減少。同月同国の小売売上高は同0.9%増と市場予想を大きく下回るなど総じて弱い結果となった。

 RUBは対ドルで3.4%の上昇。1月のロシアPPIは前月比-1.2%と3カ月連続の低下。2月15日のロシアCPIは前週比+0.2%と9週連続同じ伸びだった。

営業運転初日にトラブルが相次ぎ、運転を見合わせているJR山手線の新型車両が、3月1日から運転を再開することが決まったそうです。朝の混雑は変わらないと予想します。

2016年2月17日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年2月16日)

 2月16日のロンドン市場はドルが下落した。取引前半は、ドル円が114円台前半、ユーロドルが1.11ドル台半ばを小幅上回る水準で、それぞれもみ合い。サウジアラビア石油相は、ロシア、カタールなど産油4カ国との協議後、原油生産を1月の水準で凍結することに合意したと発表。原油先物価格は小幅上昇したが、為替市場への影響は限定的だった。しかし取引中盤に入り、原油生産の凍結には他主要産油国の追随が条件であるとのことから、原油先物価格は一転して下落。米債利回りも低下したことで、ドル円は114円割れに下落。その後、114円台に反発する場面もあったが、取引後半も下落基調が続き、終盤は113円台後半に下落。引けにかけては114円ちょうど手前に小幅反発したが、上値は抑えられた。

 一方、ユーロドルは取引中盤に1.11ドル台後半に上昇。2月のドイツZEW景況感指数は1.0と市場予想を上回ったものの、2014年10月以来の低水準。しかしユーロドルはドル売り優勢の地合いが続き、1.11ドル台後半での推移を維持した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年2月16日)

 新興国通貨は対ドルで下落。原油安で資源国通貨を中心に売りの動きが広がった。

 TWDは対ドルで0.3%の下落。1月の台湾貿易収支は35.1億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下振れ。輸出が前年比13.0%減と前月並みの落ち込みとなる一方、輸入は同11.7%減と減少率が前月から縮小した。

 BRLは対ドルで1.7%の下落。2月15日のブラジルIPC-Sは前月比+1.42%と市場予想を下振れ。12月のブラジル小売売上高は前年比7.1%減と市場予想通りで9カ月連続の前年割れとなった。

 COPは対ドルで0.9%の下落。1月のコロンビア消費者信頼感は-21.3と市場予想に反し大きく悪化し、2002年4月以来のマイナスを記録。S&Pはコロンビア債格付け見通しを従来の「安定的」から「ネガティブ」に引き下げ。同社はコロンビアの成長率見通しと同国の外部環境の悪化を指摘した。

 CZKは対ドルで小幅下落。昨年第4四半期のチェコGDPは前年比3.9%増と市場予想を下回り、1年ぶりの4%割れとなった。

 ILSは対ドルで小幅下落。昨年第4四半期のイスラエルGDPは前期比年率3.3%増と市場予想を上回り、1年ぶりの高い伸びとなった。

 PLNは対ドルで0.4%の下落。1月のポーランド平均総賃金は前年比4.0%増、同月同国の雇用は同2.3%増といずれも市場予想を上回る伸びとなった。

今朝はお腹が空いて起きました。

2016年2月16日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年2月15日)

 2月15日のロンドン市場はドルが底堅く推移した。取引前半はドル円が113円台後半から113円台半ば近辺に下落。欧州株は上昇して始まったが、原油先物価格は下落。東京市場で上昇しただけに高値警戒感が強まっており、ドル円はポジション調整が優勢となった。しかし、その後、原油先物価格が一転して反転。欧州株は底堅く推移すると、ドル円もドル買戻しとなり、114円ちょうど近辺に上昇。取引後半は114円ちょうど近辺で膠着感の強い動きが続いた。

 一方、ユーロドルは取引前半に1.12ドル台前半から1.11ドル台後半に下落。原油先物価格の下落で、ユーロドルもポジション調整が優勢となった。ただ取引中盤に入り、ユーロドルは1.12ドルちょうど近辺に小幅反発。12月のユーロ圏貿易収支(季調値)は210億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を下回ったが市場の反応は限定的。取引後半のユーロドルは1.12ドルちょうどを挟んで小動きとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年2月15日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨が対ドルで下落する一方、原油先物価格の上昇を受けてRUB、ZARが上昇した。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.8%の上昇。1月のインドネシア国内自動車販売は前年比9.9%減と17カ月連続の前年割れとなった。

 INRは対ドルで0.3%の上昇。1月のインド貿易収支は76.4億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下振れ。輸出は前年比13.6%減と13カ月連続の二桁減となったが、輸入も同11.0%減と大きく落ち込み、貿易赤字を抑制した。

 BRLは対ドルでほぼ変わらず。ブラジル中銀の週次サーベイでは今年末のインフレ、USD/BRL両見通しが上方修正。2月14日までのブラジル貿易収支は12.9億ドルの黒字と、先月の黒字額(9.2億ドル)を上回った。

 PENは対ドルで0.2%の上昇。12月のペルー経済活動指数は前年比+6.4%と市場予想を上回り、2年ぶりの高い伸び。1月のペルー失業率は6.6%と市場予想を上回り、7カ月ぶりの高水準に悪化した。

 TRYは対ドルで0.6%の下落。11月のトルコ失業率は10.5%と市場予想に反し前月と変わらず。1月のトルコ中央政府財政収支は42.0億リラの黒字と黒字額が前年同月比11.4%増となった。

 RUBは対ドルで1.5%の上昇。1月のロシア鉱工業生産は前年比-2.7%と低下率が市場予想を小幅下回ったが、12カ月連続の前年割れとなった。

 ILSは対ドルで0.4%の下落。1月のイスラエルCPIは前年比-0.6%と17カ月連続の前年割れとなった。

東京都は13日から都内各地で2日以上続けて花粉が観測されたことからスギ花粉の飛散が始まったと発表したそうです。今年の飛散する花粉数が「多い」と分類される日は、東京23区で36日程度とのこと。今日の昼休みにマスクを購入することにします。

2016年2月15日月曜日

下値余地が大きいと思われるタイ・バーツ(THB)

 タイ景気の減速が続いている。本日(2月15日)発表された昨年第4四半期のタイGDPは前年比2.8%増と市場予想を上回ったが、前期(同2.9%増)から小幅鈍化。個人消費が同2.5%増、政府消費が同4.8%増と前期から加速。投資は同9.4%増と大幅増に転じたが、輸出が同3.5%減と5期ぶりの前年割れ。タイ政府の景気刺激策で内需は持ち直し基調を維持しているが、外需の低迷がタイ景気全体を下押ししている。

 一方で、タイのインフレはディスインフレ基調のまま。1月のタイCPIは前年比-0.53%と13カ月連続の前年割れ。コアCPIも同+0.59%と2010年4月以来の低い伸びに鈍化している。一方、タイ中銀は昨年6月以降、6会合連続で政策金利を1.50%で据え置き。同中銀は、タイ政府の景気刺激策による内需の拡大を背景に今後も当面、政策金利を据え置く姿勢を示している。

 ディスインフレの中、タイ中銀による追加利下げが期待できないこともあり、タイ・バーツは、今年1月半ばから対ドルで買い戻し基調で推移。USD/THBは36.4台から2月11日には35.2台へと3.2%も下落(THBは上昇)。昨年10月半ば以来のTHB高水準に達した。

 ただTHBの上昇(買い戻し)は短期的なものと思われ、今後のTHBは対ドルで軟調な推移を余儀なくされるとみている。タイ経常収支は輸入の低迷を背景に黒字基調が定着。昨年第4四半期の経常収支は130.6億ドルの黒字と1991年の統計開始以来、最大の黒字額を記録したが、総合収支は昨年11月、12月と2カ月連続で赤字。昨年4月にタイ政府は、居住者・対外投資規制を緩和。外国人によるタイ株式市場への資本フローの流出超も続いており、タイの証券投資は純流出額が拡大している。また外国人投資によるタイへの直接投資も昨年第2四半期から2期連続で純流出となり、タイの総合収支を悪化させた。

 中国・人民元安もTHBの重石となるだろう。1月の中国・貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年比11.2%減、輸入は同18.8%減と、いずれも市場予想を大幅に上回る落ち込み。春節の影響で両者が大きく下押しされた可能性はあるものの、主因は中国景気の減速にあるとみられ、中国当局は緩やかなペースであれば元安を容認するとの見方が続くだろう。

 中国人民銀行の周総裁は、現地メディアとのインタビューで中国の国際収支は良好で資本流出は正常であり、通貨バスケットに対する為替レートは基本的に安定していると発言。GDPと為替レートとの間に直接的な関連はないとも述べ、元安誘導観測を否定したが、同総裁が指摘した元相場は、あくまで通貨バスケットでの話。ドル高相場であれば対ドルでの人民元安を容認しているともいえる。

 一部エコノミストが輸出競合度指数などを根拠に指摘するように、タイの輸出構造は台湾、ベトナムに次いで中国と類似。対ドルとはいえ元安が進めば、タイ輸出が下押しされる可能性が高まる。

 上述したようにUSD/THBは先週、35.2台までTHB高が進んだが、その後はTHBが下落し、足元では35.6台での推移。とはいえ、THBの年初来上昇率は対ドルで1%超。THBの下値余地は大きいとみられる。USD/THBの上値の目途は、今年1月8日の高値(36.42)から2月11日の安値(35.21)の半値戻しにあたる35.82近辺、61.8%戻しの35.96近辺となる。

2016年2月14日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年2月12日)

 2月12日のロンドン市場はドルが底堅く推移した。取引前半にドル円は112円ちょうど近辺から112円台後半に上昇。ユーロドルは1.13ドル台前半から1.12ドル台後半に下落するなどドル買い優勢の動き。欧州株がプラスで寄り付いたことで、米債利回りも下げ止まり。ドル買いの動きをサポートした。

 ただ取引中盤以降は欧米株、米債利回りともに伸び悩み。ドル円は112円台半ばを挟んでの小動き。ユーロドルは1.12ドル台後半から一時1.13ドルちょうど近辺に上昇。しかし、その後に発表された12月のユーロ圏鉱工業生産は前年比-1.3%と市場予想に反し前年割れ。昨年第4四半期の同圏GDPは前年比1.5%増(前期比0.3%増)と市場予想通りの結果となり、ユーロドルは終盤は1.12ドル台後半に小幅下落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年2月12日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油先物価格が上昇したことでCOP、RUBなどが上昇したが、アジア通貨や東欧通貨は下落となった。

 INRは対ドルで小幅上昇。1月のインド国内自動車販売は前年比0.7%減と前年割れ。12月のインド鉱工業生産は前年比-1.3%と市場予想を上回る落ち込み。一方、1月のインドCPIは同+5.69%と市場予想に反し前月から小幅加速した。

 CLPは対ドルで1.1%の上昇。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.50%で据え置き。同中銀は声明で今後の金融政策はインフレを目標レンジに収束させることを確保するために調整されると指摘した。

 PENは対ドルで0.2%の上昇。ペルー中銀は市場予想通り政策金利を25bp引き上げ4.25%にすると発表。同中銀は声明でインフレは食品や公益といった供給制約による影響を受けており、その結果、インフレ期待が目標レンジの上限を上回ることになったと指摘。国内景気は回復を続けていることもあって利上げを決めたと説明した。

 BRLは対ドルで0.2%の下落。2月7日のブラジルFIPE・CPIは前月比+1.34%と前週から加速。2月のブラジルIGP-M(一次速報)は前月比+1.23%とほぼ市場予想通りで前月から加速した。

 COPは対ドルで1.7%の上昇。コロンビア中銀は会合議事録(1月30日開催分)を公表。メンバーは今後も金融引き締めが行われるだろうと指摘。一部メンバーは50bpの利上げを主張したことが判明した。

 HUFは対ドルで0.2%の下落。昨年第4四半期のハンガリーGDPは前年比3.2%増と市場予想を大きく上回り、3期ぶりの3%超となった。

 CZKは対ドルで0.6%の下落。1月のチェコCPIは前年比+0.6%と市場予想を上回り、7カ月ぶりの高い伸びとなった。

 PLNは対ドルで変わらず。昨年第4四半期のポーランドGDPは前年比3.9%増と市場予想を小幅上振れ。1月の同国CPIは同-0.7%と市場予想に反し、落ち込み幅が前月から拡大。12月の同国経常収支は4.1億ユーロの赤字と赤字額が市場予想を上回った。

よい週末をお過ごしください。