2016年7月15日金曜日

過去のものではない人民元の大幅下落や外貨準備急減などの中国リスク

 6月の中国の外貨準備高は3兆2,052億ドルと前月から134億ドル増加した。EU離脱を問う英国民投票の結果を受けて、債券利回りは世界的に低下(債券価格は上昇)。中国当局が保有する海外債券の時価評価が増加したことが外貨準備高の増加につながったとみられる。

 中国の外貨準備高は2014年6月の3兆9,932億ドルをピークに減少基調で推移し、今年(2016年)2月には3兆2,023億ドルまで減少した。しかし3月以降は3兆2,000億ドル前後で推移しており、外貨準備高の減少はほぼ止まったといえる。

 一部からは外貨準備高の下げ止まりを根拠に中国の資本流出が止まったとの見方も出ているようだが、おそらく、その見方は間違っている。中国の貿易収支は、今年4-6月に1,437億ドルの黒字と、黒字額が前年同期(1,355億ドルの黒字)や前期(1,255億ドルの黒字)を上回る水準。仮に資本流出が止まったのであれば、貿易黒字が拡大を背景に人民元が他通貨に対し上昇するはずだ。

 しかし人民元は下落基調で推移している。人民元の対ドルレートは、4月に1ドル=6.45~6.50元のレンジ内で推移していたが、5月以降は上昇(元安)基調で推移し、6月末は6.65元と2010年12月以来の高水準(元安水準)を記録。中国当局が13通貨のバスケットに対する人民元の動きを示すCFETS(中国外国為替取引システム)人民元指数は、4月1日の97.9から6月末には95.0に下落と、3.0%も下落した。中国の貿易黒字は拡大しているのに、外貨準備高が変わらず、人民元が(上昇ではなく)下落しているのであれば、中国の資本流出は続いていると解釈せざるを得ない。

 外貨準備高の減少が始まった2014年半ばから2015年にかけて、中国当局は人民元の下落(元安)を抑制する方針を続けてきた。この結果、中国の外貨準備は減少を続け、中国経済の先行き不透明感も高まった。

 しかし(上述したように)今年4月を境に、外貨準備の減少は止まり、人民元は下落が続いていることから、中国当局は、元安をある程度、容認する方針に変更したと推察される。元安を容認するのであれば、元買い介入を以前ほど大規模に実施する必要もなく、外貨準備の減少も回避することができる。

 中国当局による元安容認は、中国の実態経済にポジティブな効果を与え始めている。中国の輸出はドル建てでは依然として減少基調が続いているが、元建てでは3月以降、前年比プラスで推移している。

 中国経済指標は6月に好転した。鉱工業生産は前年比+6.2%と市場予想に反し前月から加速。小売売上高は同10.6%増と昨年12月以来の高い伸びに加速した。そして4-6月期のGDP成長率は前年比6.7%増と、市場予想を上回り前期と同じ伸び。前期比では1.8%増と3期ぶりの高い伸びに加速した。

 元安容認で外貨準備の減少も止まり、景気は持ち直したことから、中国当局は、今後も現状程度の「緩やかな」元安を容認する姿勢を取り続けるだろう。一部メディアは6月末、中国人民銀行が人民元を1ドル=6.8元程度まで下落(昨年末から4.7%の下落)させる意向と報じたが、これは今年後半の人民元が、今年前半とほぼ同じペース(2.4%)で下落することを意味する。

 しかし一方で中国当局は、今年10月の人民元のSDR組み入れ開始を前に、人民元の柔軟化も進める意向のようだ。今年6月上旬に開催された米中戦略・経済対話では、中国側が市場原理に基づいた人民元相場の実現に向け、改革を続ける意向を示したと報じられた。中国人民銀行は、中国当局が為替市場の開放を推進する過程で、中国の商業銀行にとってオンショアとオフショアの人民元レートの統合を進める必要性が高まっているとの声明を発表した。

 中国当局は人民元の下落ペースをコントロールすることに自信を持っているようだが、人民元の柔軟化が進めば進むほど、人民元相場のボラティリティは高まり、当局が想定する以上元安が進むリスクも高まる。伸び悩んでいるドルが、昨年後半のように上昇ペースが加速すれば、人民元が大きく下落する場面も当然、あり得る。

 人民元が大きく下落すれば、中国内外で人民元の先安観が再び強まり、中国の資本流出が拡大する展開も考えられる。資本流出の拡大は、さらなる人民元の下落につながる。悪循環である。

 中国当局は今年に入って貿易決済に伴うインボイスの精査といった(事実上の)資本規制をやや強化したが、資本規制をさらに強化することは人民元のSDR入り、そして国際化の流れを自ら否定することになる。中国当局は、人民元が大きく下落する場面では、元買い介入を強化するしか手段がない。外貨準備が再び減少するようになれば、中国経済の先行き不透明感も高まり、為替市場でリスク回避姿勢が強まるだろう。中国リスクは、今年初めに起きた過去のものではなく、今後も目にするものとの認識が必要と思われる。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年7月14日)



 7月14日のロンドン市場はBOEの発表を受けてポンドが急伸。ユーロもつれ高となった。ポンドドルは取引終盤まで1.32ドル台前半でもみ合い。BOE金融政策委員会での発表を控え様子見姿勢が続いた。取引終盤にBOEは一部市場予想を裏切り政策金利を0.50%で据え置き。決定は賛成8反対1で、反対票は利下げを主張した。また資産買い入れ規模は全会一致で3750億ポンドで据え置かれた。ただBOEが同時に発表した議事録では、大半の委員会メンバーは8月の金融緩和を見込んでいると指摘。刺激措置の規模と質は8月の会合で決定するとし、規模は最新の見通しを基にするとした。また金融政策委員会は4-6月期の成長率見通しを従来の0.3%から0.5%に上方修正。ただし国民投票の結果、短期的に成長率は軟化しそうだとした。BOEによる政策金利据え置きが発表されるとポンドは買いが先行。ポンドドルは1.32ドル台前半から1.34ドル台後半まで急伸したが、その後は1.32ドルちょうど近辺まで急落するなど激しい値動き。売り買い交錯後は1.33ドル台後半で推移した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年7月14日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。資源国通貨の上げが目立った。

 SGDは対ドルで0.3%の上昇。第2四半期のシンガポールGDPは前年比2.2%増と市場予想通り。製造業は同0.8%増と7四半期ぶりのプラス。サービスは同1.7%増と前期と同じだった。

 KRWは対ドルで0.7%の上昇。韓国中銀は市場予想通り政策金利を1.25%で据え置き。同中銀の李総裁は今回の決定は全会一致であり、金融政策は緩和的だと説明。同中銀は今年の成長率見通しを従来の2.8%から2.7%に小幅下方修正した。

 INRは対ドルで0.2%の上昇。6月のインドWPIは前年比+1.62%と市場予想を上回り、2014年10月以来の高い伸びを記録した。

 BRLは対ドルで0.3%の上昇。5月のブラジル経済活動は前年比-4.92%と市場予想を上回る落ち込みを記録した。

 MXNは対ドルで小幅上昇。メキシコ中銀は会合議事録(7月1日結果発表分)を公表。50bpの利上げは全会一致での決定。メンバーの過半はインフレと景気の両見通しの悪化を指摘した。

 TRYは対ドルで0.7%の上昇。5月のトルコ鉱工業生産は前年比+5.6%と市場予想を上回り、3カ月ぶりの高い伸び。同月同国の経常収支は28.6億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回った。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。5月のチェコ経常収支は8.2億コルナの黒字と大幅赤字の市場予想に反し黒字が維持された。

 ZARは対ドルで1.6%の上昇。USD/ZARは一時14.1台と5月2日以来の安値を記録した。5月の南アフリカ鉱物生産量は前年比4.4%減と市場予想を上回る減少を記録した。

 PLNは対ドルで0.2%の上昇。6月のポーランドM3は前年比11.4%増とほぼ市場予想通り。5月の同国経常収支は4.95億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を上回った。

 RUBは対ドルで1.5%の上昇。7月8日のロシア金・外貨準備は3947億ドルと前週から小幅増加した。

フランスのオランド大統領が24時間体制の専属ヘアメークを雇っていることが判明したそうです。月に1回でいいので、私の髪も切ってもらえると助かります。

2016年7月14日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年7月13日)


 7月13日のロンドン市場は取引中盤以降、円売りが進展。ユーロは底堅く推移した。取引前半のドル円は104円台前半で推移。米債利回りは小動きで、ドイツ株は小幅マイナス圏での動きとなり、ドル円の上値を重くした。取引中盤に入り、安倍首相が経済財政諮問会議で名目GDP3%へ最大限の努力を関係閣僚に指示したことが伝わると、ドル円は104円台後半に上昇。後半は米債利回りが低下したことで、同水準で伸び悩んだ。

 ユーロドルは取引前半に1.10ドル台半ばでもみ合い。5月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+0.5%と市場予想を下振れ。しかしドイツ株が小幅プラス圏に持ち直す一方で、米債利回りが低下したことで取引中盤にユーロドルは1.10ドル台後半に上昇。取引後半も同水準で推移した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年7月13日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチだった。

 KRWは対ドルで小幅上昇。6月の韓国失業率は3.6%と市場予想に反し前月から低下。5月の韓国M2は前月比0.7%増に加速した。

 MYRは対ドルで0.2%の上昇。マレーシア中銀は市場予想に反し政策金利を25bp引き下げ3.00%にすると発表。中銀は声明で、英国民投票がもたらした混乱を背景に世界経済の成長見通しは下方リスクを増していると指摘。国内経済の安定成長を確実にするため、利下げを決めたと説明した。

 BRLは対ドルで0.7%の上昇。5月のブラジルIBGEサービス部門売上高は前年比6.1%減と市場予想を上回る減少となった。

 ILSは対ドルで0.3%の上昇。6月のイスラエル貿易収支は16.9億ドルの赤字と5カ月連続で10億ドルを超える赤字となった。

 ZARは対ドルで1.0%の下落。5月の南アフリカ小売売上高は前年比4.5%増と市場予想を上回り、2014年1月以来の高い伸びに加速した。

 RUBは対ドルで小幅上昇。7月11日のロシアCPIは前週比+0.1%と前週の+0.4%から鈍化した。

チョークバスというサンゴ礁に生息する体長8センチに満たない小さな魚は、パートナーとペアを組んで、1日に20回も性的役割を入れ代えるそうです。売ったり買ったりを繰り返すデイトレーダーのイメージでしょうか。

2016年7月13日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年7月12日)


 7月12日のロンドン市場は取引中盤以降、円安の動きが続いた。ドル円は取引前半に103円台半ばから103円割れに下落。小幅上昇して始まった米債利回りが低下に転ずると、ドル円はドル売り優勢となった。しかし米債利回りの低下は一時的で、取引中盤には持ち直し。ドイツ株はこの日もプラス圏で底堅く推移し、日経平均先物も上昇基調で推移すると、ドル円は103円台後半まで上昇した。

 ユーロドルは取引序盤に1.10ドル台後半から1.11ドル台前半に上昇。ドル円と同様にドル売り優勢となった。しかし、この日はユーロ圏主要国で主だった経済指標の発表もなく材料難。その後のユーロドルは1.11ドルちょうどを小幅上回る水準で小動き。ただ後半に入ると、1.10ドル台後半に下落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年7月12日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。欧米株や原油先物価格が上昇したことで新興国通貨は買い優勢となった。

 PHPは対ドルで変わらず。5月のフィリピン輸出は前年比3.8%減と市場予想を上回る減少となった。

 MYRは対ドルで0.4%の上昇。5月のマレーシア鉱工業生産は前年比+2.7%と市場予想や前月並みの伸びとなった。

 INRは対ドルで小幅下落。6月のインドCPIは前年比+5.77%と市場予想や前月並みの伸び。5月のインド鉱工業生産は前年比+1.2%と市場予想に反し前年超えとなった。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅下落。6月のインドネシア消費者信頼感は113.7と2カ月連続で上昇し、昨年3月以来の高水準に達した。

 BRLは対ドルで0.5%の上昇。5月のブラジル小売売上高は前年比9.0%減と市場予想を上回る減少を記録した。

 MXNは対ドルで0.8%の上昇。5月のメキシコ鉱工業生産は前年比+0.4%と市場予想を下回った。

 CZKは対ドルで小幅上昇。6月のチェコ失業率は5.2%と市場予想を下回り2009年1月以来の低水準。6月のチェコCPIは前年比+0.1%と市場予想通り前月と同じだった。

 ZARは対ドルで0.7%の上昇。5月の南アフリカ製造業生産は前年比+4.0%と市場予想を上回り、昨年7月以来の高い伸びに加速した。

 PLNは対ドルで0.7%の上昇。6月のポーランド・コアCPIは前年比-0.2%と低下率が市場予想を下回った。

 RUBは対ドルで0.6%の上昇。5月のロシア貿易収支は75.3億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上回った。

 HUFは対ドルで変わらず。ハンガリー中銀のなぎ副総裁は3カ月物預金を従来の週1度の受け入れを月1度に8月から変更すると発言。また10月からは同預金の受け入れに上限を設ける意向も示した。同副総裁は一連の措置によって利下げをせずにインターバンク市場での借り入れコストを低下させ、貸出を刺激するとの見方を示した。

ポンドが下落したことで英国の名物料理であるフィッシュ・アンド・チップスの材料となるタラの輸入価格が上がるとの見方が強まっているそうです。タラの養殖ビジネスが英国で流行るのかもしれませんね。

2016年7月12日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年7月11日)





 7月11日のロンドン市場は東京市場に引き続き円安が進んだ。ドル円は102円ちょうどから102円台半ば手前に上昇基調で推移。安倍首相は東京市場後半に自民党総裁として会見を開き、経済対策の策定・実施を表明。一部日系メディアが経済対策の財源として4年ぶりに新規国債の追加発行を検討すると報じたことで、アベノミクスに対する期待感も高まった。一方、株式市場ではアジア株の上昇を受けてドイツ株が上昇して始まり、その後も底堅く推移。日経平均先物は上昇基調で推移し、円売りの動きを後押しした。

 ユーロドルは取引中盤まで1.10ドル台前半で方向感に欠ける動き。しかし後半に入るとドイツ債利回りの上昇を背景にユーロドルは1.10ドル台半ばに上昇した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年7月11日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチだった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.3%の上昇。6月のインドネシア・ダナレクサ消費者信頼感は96.6と3カ月連続で低下し、昨年12月以来の低水準に達した。

 INRは対ドルで0.4%の上昇。6月のインド自動車販売台数は前年比5.2%減と2014年4月以来の大幅な落ち込みを記録した。

 BRLは対ドルで0.2%の下落。7月のブラジルIGP-M(一次速報値)は前月比+0.55%と市場予想を下回り、3カ月ぶりの低い伸び。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末までのUSD/BRL見通しが3.40に2週連続で下方修正された。7月10日までのブラジル貿易収支は14.9億ドルの黒字と前月並みのペースでの黒字を維持した。

 MXNは対ドルで0.2%の上昇。6月のメキシコANTAD既存店売上高は前年比5.3%増と市場予想を下回った。

 RUBは対ドルで0.3%の下落。第2四半期のロシア経常収支は34.0億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下回り、2013年第2四半期に赤字を記録して以来、黒字額が最も低い水準に留まった。

 ILSは対ドルで変わらず。イスラエル中銀は会合議事録(6月27日結果発表分)を公表。金利据え置きは全会一致での決定だった。

ベルギーで、世界最長寿の双子のご兄弟が8日、103歳の誕生日を祝ったそうです。あいにく私には双子の兄弟・姉妹がいないので、対抗できないのが残念です。

2016年7月11日月曜日

インフレ加速懸念で上値余地は狭い南アフリカ・ランド(ZAR)

 ようやく落ち着きを見せてきた南アフリカのインフレが、再び加速する恐れが出てきた。一部メディアは、南アフリカの国有電力会社エスコムは、同国エネルギー規制庁(National Energy Regulator of South Africa:Nersa)に電力料金の値上げを申請する可能性があると報じた。報道によると、引き上げ額は、過去に発生したコストの一部である400億ランド(約27億ドル)で、これにより電力料金は2割程度上昇するという。南アフリカCPIにおける電力のウエイトは4.18%であるため、仮に電力料金が2割上昇すれば、CPIは0.8%程度押し上げられることになる。

 ただ電力料金の上昇は、製造業、非製造業を問わずコスト増にもつながるため、インフレ期待を刺激すると考えられる。電力料金の引き上げによって、実際のCPIは1%強上昇することも考えられ、5月の南アフリカCPI(前年比+6.1%)をベースに考えると、CPIは7%台前半と2009年以来の高い伸びに加速する可能性もある。

 じつは南アフリカのインフレ圧力は、今後、鈍化する可能性があった。5月の同国M3は前年比7.79%増と2カ月連続で鈍化し、昨年3月以来の低い伸び。同月同国の民間部門信用は同6.60%増と2013年12月以来の低い伸びに鈍化していた。しかし外生的に電力料金が大きく上昇してしまえば、マネーが多少鈍化したところで、インフレは加速するとみられる。

 これまでの南アフリカ中銀の動きから推察すると、外生的とはいえ電力料金の上昇でインフレが加速すれば、同中銀は利上げで対応するだろう。この場合、インフレ期待は収まるかもしれないが、内需が今まで以上に抑制される。同中銀が景気に配慮して、利上げを先送りする可能性もあるだろうが、この場合、インフレによる実質所得の減少で個人消費が悪化する。いずれにしても南アフリカ景気の先行きは厳しいものになるだろう。IMFは7日、南アフリカの今年の経済成長率見通しを従来の0.6%から0.1%に下方修正したが、マイナス成長も視野に入れておくべきだろう。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は、世界的な金利低下を背景に下値の堅い動きを続け、週明けのUSD/ZARは14.5台と先週の安値(ZAR高)水準で推移している。しかしインフレ加速が視野に入るなか、ここからさらにZARの上昇が続くとは考えにくい。USD/ZARの下の節目は年初来安値(ZAR高)の14.12近辺や心理的な節目となる14ちょうど近辺で、ZARの上値余地は小さいと思われる。

 

2016年7月10日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年7月8日)


 7月8日のロンドン市場はユーロが上値の重い動きとなる一方で、円とポンドは底堅く推移した。ユーロドルは1.10ドル台後半でじり安の動きが続き、取引後半には1.10ドル台半ば近辺での推移。5月のドイツ経常収支は175億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を下回り、4カ月ぶりの低水準。ドイツ株は上昇基調で推移したが、ドイツ債利回りはじり安の動き。ユーロを下押しした。

 ドル円は取引中盤まで100円台後半で推移していたが、後半は100円台前半に下落。取引前半は米債利回りの上昇がドル円をサポートしたが、日経平均先物は終始、動意薄。取引中盤に米債利回りが伸び悩むと、ドル円は徐々に円買い優勢となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年7月8日)

 新興国通貨はアジア通貨が対ドルで下落したが、他は上昇した。

 TWDは台風の接近に伴い休場。6月の台湾貿易収支は35.8億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上振れ。輸入が前年比10.0%減と大きく減少し、輸出が同2.1%減と市場予想ほど落ち込まなかったことで黒字額が拡大した。

 BRLは対ドルで2.1%の上昇。6月のブラジルIPCAは前年比+8.84%と市場予想とほぼ同じで、1年ぶりの低水準に鈍化した。6月のブラジルCNI消費者信頼感は101.0と前月から低下した。

 CLPは対ドルで0.9%の上昇。6月のチリCPIは前年比+4.2%と市場予想に反し前月と同じだった。

 MXNは対ドルで1.8%の上昇。6月のメキシコ消費者信頼感は93.5と市場予想を上回り1年ぶりの高水準。同月同国の名目賃金は前年比4.4%増と前月から加速した。

 COPは対ドルで1.8%の上昇。コロンビア中銀は会合議事録(6月23日結果公表分)を公開。利上げは賛成6反対1による決定。コロンビアのインフレ圧力はCOP安の影響を依然として受けていると指摘。メンバー一人は金利水準が十分高いと指摘した。

 PENは対ドルで変わらず。5月のペルー貿易収支は0.35万ドルの黒字とほぼ市場予想通りだった。

 CZKは対ドルで小幅下落。5月のチェコ鉱工業生産は前年比+8.6%と市場予想を下回ったが、昨年6月以来の高い伸び。同月同国の建設業生産は同4.3%減と5カ月連続の前年割れ。小売売上高は同11.1%増と市場予想を上回り、2カ月連続で加速した。

 HUFは対ドルで0.3%の上昇。6月のハンガリーCPIは前年比-0.2%と市場予想を下回り、前月と同じ。5月のハンガリー貿易収支は7.55億ユーロの黒字とほぼ市場予想通りだった。

明日もよろしくお願いいたします。