2016年8月13日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年8月12日)


 8月12日のロンドン市場は円、ユーロなど主要通貨は動意に欠ける展開となった。ドル円は取引中盤まで102円ちょうど近辺で推移。後半に102円台前半に小幅上昇する場面もあったが、上昇は一時的で終盤には再び102円ちょうど近辺で推移した。ドイツ株は小幅マイナス圏で小動き。米債利回りも動意に乏しく、ドル円は様子見ムードが強まった。

 ユーロドルは1.11ドル台半ばを挟んで小幅上下動。6月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+0.4%と市場予想を下回ったが、同時に発表された第2四半期の同圏GDPは前年比1.6%増と市場予想や前期と同じ伸び。ユーロ圏景気に大きな変化が見られなかったこともあり、ユーロ相場への影響は限定的だった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年8月12日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨が対ドルで底堅く推移する一方で、中南米通貨は売り優勢だった。

 CNYは対ドルで変わらず。7月の中国国利売上高は前年比10.2%増、同月同国の鉱工業生産は同+6.0%と、いずれも市場予想や前月を下振れ。7月の同国固定資産投資(年初来)は前年比8.1%増と市場予想を大きく下回り、1999年12月以来の低い伸びに鈍化。7月の中国新規元建て融資は4636億元と2年ぶりの低水準に落ち込んだ。IMFは中国経済に関する年次審査報告書を公表。成長率見通しは今年が6.6%、来年が6.2%とし、人民元はおおむねファンダメンタルズに沿った動きであると指摘。中国の企業債務(除く金融)は2015年末でGDP比144%と推計し、中国当局の企業債務への対応に進展が遅れていると指摘したうえで包括的な手段で早急に取り組むべきとした。

 MYRは対ドルで0.6%の下落。第2四半期のマレーシアGDPは前年比4.0%増と市場予想通り前期から鈍化。製造業が同4.1%増と鈍化したことが響いた。

 INRは対ドルで小幅下落。7月のインドCPIは前年比+6.07%、6月の同国鉱工業生産は同+2.1%とともに市場予想を小幅上回った。

 IDRはBloombergによると対ドルで変わらず。第2四半期のインドネシア経常収支は47.0億ドルの赤字と赤字額が前年同期比9.7%増加した。

 CLPは対ドルで1.0%の下落。7月のチリ自動車販売台数は前年比1.3%増と3カ月連続のプラス。チリ中銀は市場予想通り政策金利を3.50%で据え置き。同中銀は声明でインフレは容認できる範囲に回帰したと指摘。一方で第2四半期のGDP成長率は限定的な伸びで労働市場は緩やかながら悪化していると指摘。金融政策は柔軟性を持って実施する意向を示し、利下げの可能性を示唆した。

 PENは対ドルで0.2%の下落。ペルー中銀は市場予想通り政策金利を4.25%で据え置き。同中銀は声明でインフレが目標レンジに戻り、経済活動は潜在成長率水準に近づいたと指摘。政策金利を当面、据え置く意向を示唆した。

 BRLは対ドルで1.5%の下落。6月のブラジル経済活動指数は前年比-3.14%と市場予想ほど低下しなかった。

 COPは対ドルで1.3%の下落。コロンビア中銀は会合議事録(7月30日結果発表分)を公表。利上げを指示したメンバーの過半は目標水準を超えたインフレの存在がインフレ期待と賃金の物価連動との乖離を補強していると指摘。これにより中銀の信認も落ちており来年にインフレが目標レンジ(2~4%)に達する可能性を低下させているとの認識が示された。一方、金利据え置きを支持したメンバーは最近のインフレは供給制約によるものであり、中期的なインフレ期待には影響しないと指摘した。

 HUFは対ドルで0.3%の上昇。第2四半期のハンガリーGDPは前年比2.6%増市場予想を上回った。

 PLNは対ドルでほぼ変わらず。第2四半期のポーランドGDPは前年比3.1%増と前期から小幅加速したが市場予想を下振れ。7月のポーランドM3は前年比10.7%増と市場予想や前月を下回る伸び。6月の同国経常収支は2.03憶ユーロの赤字と赤字額が市場予想を上回ったが、前月の黒字が上方修正された。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。6月のチェコ経常収支は84.5億コルナの赤字と赤字額が市場予想を大きく上回り、昨年7月以来の大きさに拡大した。

よい週末をお過ごしください

2016年8月12日金曜日

レンジ相場が続くと思われるドル円

 昨日(11日)の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均、S&P500、ナスダック総合指数がそろって過去最高値を更新した。米国株の主要3指数がそろって過去最高値を更新したのは1999年12月31日以来と、16年7カ月ぶりのこととなる。当時の米景気は、ITバブルで絶好調。1999年第4四半期の米GDP成長率は前期比年率7.1%増と、新興国並みの高成長だった。

 しかし(指摘するまでもないが)足元の米景気に当時の勢いはない。今年第2四半期の米GDP成長率は前期比年率1.2%増と3期連続の2%割れ。NY連銀の予測モデル「ナウキャスト」によると、第3四半期のGDP成長率は同2.6%増が見込まれているが、前期の低い伸びの反動増も考えれば、決して高い伸びとは言えない。

 昨日のドル円は、米国株だけでなく米長期債利回りも上昇したことで、朝方の101円ちょうどから102円ちょうどへと1円上昇した。ただ米長期債利回りの上昇は、OPEC加盟国と非加盟国が市場安定化に向けて協議することが明らかとなったことで原油先物価格が上昇したためで、米国の追加利上げ期待が高まったからではない。FFレート先物市場から算出される利上げ確率は、9月時点で22.0%、11月時点で25.3%、12月時点ですら49.0%に過ぎない。年内の追加利上げは五分五分で、利上げがあるとしても決まるのは12月のFOMC、というのが市場の大方の見方だろう。米国株の上昇の背景には、米企業決算に対する期待感もあるのだろうが、その前提には米国の追加利上げは当分ないとの見方もある。

 成長率が伸び悩み、利上げも当面、期待できないのであれば、投機筋を中心にドル売りの動きが強まることも考えられるが、現水準からドルを売り込んでいくのも無理があるように思える。財務省が本日発表した対外及び対内証券売買契約などの状況によると、7月31日~8月6日の国内投資家による海外の中長期債投資は8918億円の買い越しと、前週(3121億円の買い越し)や前々週(6787億円の買い越し)を大きく上回り、7週連続の買い越しを記録。該当週は、ドル円が106円台から102円ちょうどまで大きく下げた週の翌週。ドル安・円高が進むと、国内投資家の外債需要が高まる図式に変わりはない。利上げは当面ないとはいえ、米10年債利回りは1.5%台と、日本やドイツのマイナス0.1%台や、英国の0.5%台に比べれば魅力的で、ドル売りの動きは米債買いの流れに飲み込まれやすい。

 今夜は7月の米小売売上高が発表されるが、仮に市場予想を上回る好結果となったとしてもドル買いの動きは限定的だろう。米経済に対する市場の注目点は、個人消費ではなく民間設備投資。来週発表される7月の米鉱工業生産や設備稼働率の方が、小売売上高よりも市場へのインパクトは大きいと思われる。ただ現時点での市場予想を見ると、米鉱工業生産も設備稼働率も前月並みの結果となる見込み。これでは市場も材料視しにくい。

 市場関係者の間からは、8月26日に予定されているFRBイエレン議長のジャクソンホールでの講演まで材料らしい材料はないとの声も出ているようだが、同講演がドル相場の決め手になるとは思えない。「データ次第」の姿勢を貫くイエレン議長が、市場に対し明確なメッセージを放つとは考えにくく、講演内容は楽観的な見方と悲観的な見方をない交ぜにしたものとなるだろう。結局、ドル円は100~104円のレンジ相場が続くと予想される。
 

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年8月11日)


 8月11日のロンドン市場はユーロ、ポンドが取引序盤に対ドルで下落した。ユーロドルは取引序盤に1.11ドル台後半から1.11ドル台半ばに下落。その後、もみ合いとなったが、中盤には1.11ドル台前半に下落した。米債利回りが動意に欠けるなか、ドイツ債利回りはじり安の動き。ユーロドルを下押しした。取引後半に入ると、ドイツ債利回りは一転して上昇基調で推移。しかし米債利回りもじり高の動きとなり、ユーロドルは1.11ドル台半ば近辺で上値の抑えられる動きが続いた。

 ポンドドルはユーロと連れ安となる形で取引序盤に1.30ドル台前半から1.29ドル台半ば近辺に下落。ただ英債利回りは下値の堅い動き。取引中盤以降のポンドドルはじり高の動きを続け、後半は1.29ドル台後半での推移となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年8月11日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。原油先物価格の上昇を背景に中南米通貨やRUBが対ドルで上昇。一方、東欧通貨やZARは軟調な展開となった。

 MYRは対ドルで0.4%の下落。6月のマレーシア鉱工業生産は前年比+5.3%と市場予想を大きく上回り、昨年7月以来の高い伸び。同月同国の製造業売上高は同2.9%増と昨年10月以来の高い伸びに加速した。

 PHPは対ドルで小幅下落。フィリピン中銀は市場予想通り政策金利3.00%で据え置き。同中銀のテタンコ総裁は今年のインフレは目標レンジをやや下回るとの見通しを示し、現在の金融政策は緩和的であると指摘。ただ同中銀のグイニガンド副総裁は預金準備率の引き下げを依然として研究していると述べた。

 BRLは対ドルで0.5%の下落。6月のブラジルIBGEサービス部門売上高は前年比3.4%減と市場予想ほど減少しなかった。

 MXNは対ドルで1.0%の上昇。6月のメキシコ鉱工業生産は前年比+0.6%と市場予想通り。メキシコ中銀は市場予想通り政策金利を4.25%で据え置き。同中銀は声明でMXN安の物価押し上げ効果(パススルー)に対し強い注意を払っていると指摘。一歩う、前回会合以降、景気リスクは悪化したとの認識を示した。

 TRYは対ドルで変わらず。6月のトルコ経常収支は49.4億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回り、昨年12月以来の高水準に拡大した。

 ZARは対ドルで1.1%の下落。6月の南アフリカ鉱物生産量は前年比2.5%減と市場予想ほど減少せず。同月同国の製造業生産は同4.5%増と市場予想を上回り、昨年7月以来の高い伸びを記録した。

 ILSは対ドルで変わらず。7月のイスラエル貿易収支は13.2億ドルの赤字。前月の赤字額が下方修正された。

 RUBは対ドルで0.8%の上昇。8月5日のロシア金・外貨準備高は3964億ドルと2014年12月以来の高水準に増加。第2四半期のロシアGDPは前年比0.6%減と市場予想ほど減少せず、減少が始まった2015年第1四半期以降、最小の減少率。6月のロシア貿易収支は81.1億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上回った。

オリンピック以外のネタを探すのは、思ってた以上に大変だということ気付きました。

2016年8月11日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年8月10日)


 8月10日のロンドン市場はドルが下落した。ドル円は101円台半ばから101円ちょうど近辺まで下落。ユーロドルは取引前半に1.11ドル台半ば近辺で小動きだったが、中盤を過ぎると1.11ドル台後半に急上昇。その後も1.11ドル台後半で底堅く推移し、終盤には1.12ドルちょうど手前まで上昇した。ドイツ株は小幅ながらマイナス圏で推移し、米債利回りは上値の重い動き。特段の取引材料がないなか、ドル売り優勢の展開が続いた。

 NY市場はドルが下げ止まったものの、上値は抑えられたままだった。ドル円は取引序盤に米債利回りの低下を受けて101円割れを記録。しかし米債利回りが反転すると、ドル円も101円台前半に反発した。一方、ユーロドルは1.12ドルちょうど手前から1.11ドル台後半に下落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年8月10日)

 新興国通貨は対ドルで上昇した。

 KRWは対ドルで1.1%の上昇。7月の韓国失業率は3.6%と市場予想通り前月と同じ。6月の韓国M2は前月比0.7%増と前月と同じ伸びを維持した。韓国中銀は本日(11日)、市場予想通り政策金利を1.25%で据え置くと発表。同中銀の李総裁は韓国景気は緩やかな拡大を続けていると指摘。政策金利は過去の利下げの影響を見極めるために据え置く意向を示したが、金融緩和余地は依然としてあるとも発言した。

 PHPは対ドルで0.2%の上昇。6月のフィリピン輸出は前年比11.4%減と市場予想ほどではなかったが大幅な減少だった。

 INRは対ドルで0.2%の上昇。7月のインド自動車販売台数は前年比9.6%増と3カ月ぶりのプラスとなった。

 BRLは対ドルで0.6%の上昇。8月7日のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.24%とほぼ市場予想通りの伸び。8月のブラジルIGP-M(一次速報)は前月比横ばい。7月のブラジルIPCAは前年比+8.74%と市場予想を小幅上振れた。

 MXNは対ドルで小幅上昇。7月のメキシコ名目賃金は前年比4.4%増と前月と同じ伸びだった。

 PENは対ドルで変わらず。6月のペルー貿易収支は3.25億ドルの赤字と市場予想を上回る赤字となった。

 HUFは対ドルで0.6%の上昇。ハンガリー中銀は会合議事録(7月26日結果発表分)を公表。政策金利の据え置きは全会一致だったことが判明した。

 RUBは対ドルで0.2%の下落。8月8日のロシアCPIは前週比-0.1%と2週続けてマイナスとなった。

よい祝日をお過ごしください。

2016年8月10日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年8月9日)


 8月9日のロンドン市場は円買い優勢の展開。ドル円は102円台半ばから102円台前半に下落した。ドイツ株はプラス圏で推移したものの、日経平均先物は日中終値からじり安の動き。米債利回りは取引前半に低下し、中盤も上値が抑えられる動きとなり、ドル円の上値を重くした。

 取引前半のユーロドルは1.10ドル台後半で小動き。6月のドイツ経常収支は263億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を上回る好結果。ドイツ株も堅調に推移したが、ユーロ買いの動きは強まらなかった。取引中盤に1.11ドルちょうど手前に上昇する場面もあったが、後半は上値が重くなり再び1.10ドル台後半での推移となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年8月9日)

 新興国通貨はRUBなど一部を除き対ドルで上昇した。

 CNYは対ドルで小幅上昇。7月の中国CPIは前年比+1.8%と市場予想通り前月から鈍化。しかし非食料CPIは同+1.4%と小幅ながら前月から加速。同月同国のPPIは同-1.7%と市場予想ほど落ち込まなかった。

 INRは対ドルで変わらず。インド中銀は市場予想通りレポレートなど主要3金利を現状維持。同中銀は性未明で金融政策の実行のための余地ができるのを待つのが適切と指摘。金融政策の緩和的スタンスを維持し、流動性の適切な供給を引き続き重視していくとした。同中銀のラジャン総裁は会見でインフレ抑制策が適切だったか否かは5~6年後に初めて分かるとし、次回以降の金融政策の決定は後任総裁個人ではなく合議制で決められるだろうと発言。不良債権処理については銀行は着実に動いているとし、今後も活動が後退するとは思わないと述べた。

 BRLは対ドルで0.9%の上昇。6月のブラジル小売売上高は前年比5.3%減と市場予想ほど減少しなかった。

 MXNは対ドルで0.6%の上昇。7月のメキシコCPIは前年比+2.65%と市場予想を小幅下振れ。7月のメキシコANTAD既存店売上高は前年比10.0%増とほぼ市場予想通りで堅調な結果となった。

 HUFは対ドルで0.4%の上昇。7月のハンガリーCPIは前年比-0.3%と市場予想に反し低下率が前月から拡大した。

 CZKは対ドルで0.3%の上昇。7月のチェコCPIは前年比+0.5%と市場予想を上回る伸びを記録した。

2016年8月9日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年8月8日)


 8月8日のロンドン市場は円売り優勢の展開。ドル円は取引中盤まで102円ちょうどを近辺から102円台半ば手前まで上昇基調で推移。後半は一時102円台前半に下落したが、終盤には再び102円台半ば手前に反発するなど底堅い動きを見せた。米長期債利回りは取引前半に低下し、中盤以降も上値が抑えられる動き。一方、ドイツ株はプラスで始まり、取引前半は上げ幅を広げる動き。中盤以降も高値圏を維持するなど堅調な推移となり、円売りの動きをサポートした。

 一方、ユーロドルは1.10ドル台後半で方向感に欠ける動き。6月のドイツ鉱工業生産は前年比+0.5%と市場予想通り。ドイツ債利回りは米債利回りと同じように上値の重い動きとなり、ユーロ買いの動きは見られなかった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年8月8日)

 新興国通貨は中南米通貨や資源国通貨が対ドルで上昇。他は小動きだった。

 KRWは対ドルで0.2%の上昇。S&Pは韓国債格付けを「AA-」から「AA」に引き上げ。今後の見通しを「安定的」とした。同社が韓国債を格上げしたのは昨年9月以来。同社はさらなる格上げのためには、新たな成長を通じた経済成果や安定性の強化が必要との認識を示した。

 TWDは対ドルで0.2%の上昇。7月の台湾貿易収支は36.1億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下振れ。ただ輸出は前年比1.2%増と市場予想を上回り、昨年1月以来の前年超えとなった。

 IDRはBloombergによると対ドルで変わらず。7月のインドネシア消費者信頼感は114.2と3カ月連続で上昇し、昨年3月以来の高水準に達した。

 BRLは対ドルで小幅下落。7月のブラジルIGP-DIは前年比+11.23%と市場予想を小幅下振れ。ブラジル中銀の週次サーベイは前週とほぼ同じ内容だった。8月7日のブラジル貿易収支は6.4億ドルの黒字と黒字増ペースが前月から鈍化した。

 CLPは対ドルで0.4%の上昇。7月のチリCPIは前年比+4.0%と前月から鈍化したが、市場予想を上回る伸び。同月同国の貿易収支は0.9億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下振れ。輸入が前年比14.0%減と大きく落ち込んだことで貿易収支が改善した。

 MXNは対ドルで1.0%の上昇。7月のメキシコ自動車生産台数は前年比17.9%増と堅調な伸びを維持した。

 CZKは対ドルでほぼ変わらず。6月のチェコ鉱工業生産は前年比+3.9%と市場予想を上回る伸び。同月同国の貿易収支は206億コルナの黒字と黒字額が市場予想を下回ったが、前年同月比42.8%増。7月のチェコ失業率は5.4%と市場予想や前月を上回った。

 TRYは対ドルで0.6%の上昇。6月のトルコ鉱工業生産は前年比+1.1%と市場予想を下回った。

 ZARは対ドルで1.0%の上昇。7月の南アフリカSACCI企業景況感は96.0と昨年10月以来の高水準を記録した。

 ILSは対ドルで0.3%の上昇。イスラエル中銀は会合議事録(7月25日開催分)を公表。金利据え置きの決定は全会一致だった。

 RUBは対ドルで1.4%の上昇。7月のロシア軽自動車売上高は前年比16.6%減と19カ月連続の前年割れとなった。

2016年8月8日月曜日

方向感に欠ける動きが続くと予想されるフィリピン・ペソ(PHP)

 フィリピン景気は第2四半期も堅調に推移しているようだ。5月の輸入は前年比39.3%増と約6年ぶりの高い伸びを記録。資本財輸入が前年から倍増したほか、消費財輸入も5割増となるなどフィリピン内需の強さがうかがわれる。5月のフィリピン海岸労働者送金は、前年比1.9%増と市場予想を下回ったが、同送金の中心をなす米国や中東からの送金は前年比プラスを維持。6月末に就任したドゥテルテ新大統領はインフラ投資を加速させる方針を示しているほか、ドゥテルテ政権の高官は所得税や法人税の引き下げを検討していることを表明。今年後半もフィリピン内需の拡大は続くと期待される。

 景気が堅調なうえに、6月のフィリピン銀行貸出動向は前年比16.6%増と、前月に続き昨年1月以来の高い伸びを維持した。7月のフィリピンCPIは前年比+1.9%と市場予想を下振れ。しかし今年後半は、昨年同期の低い伸びによる押し上げ効果(ベース効果)もあって、フィリピンCPIは2~3%程度に加速するとみられる。

 フィリピンの対外収支が悪化傾向にあることも注目される。5月のフィリピン貿易収支は20.2億ドルの赤字と市場予想を上回る赤字。中国景気の減速を背景に輸出の減少が続くなか、輸入はフィリピン内需の強さを背景に大きく拡大しており、貿易赤字も拡大傾向にある。中国景気が大きく改善するとは期待しにくく、輸出は今後も低迷する一方で、輸入は内需拡大を背景に拡大を続ける可能性が高いことから、今後もフィリピン対外収支は悪化を続けると予想される。

 7月のフィリピン外貨準備高は855億ドルと前月から2.1億ドルほど増加し、2カ月連続で過去最高を更新した。6月から7月末までの2カ月間を対象にアジア通貨の対ドルパフォーマンスを見ると、KRWが6.4%、IDRが4.3%上昇するなどアジア通貨の多くが上昇となる一方で、PHPは0.8%の下落で終わった。フィリピン景気は海外からの労働者送金への依存度が比較的高いことから、自国通貨建てでの送金の目減りにつながるPHP高は、フィリピン当局にとって避けたいところ。フィリピン中銀のテタンコ総裁が、通貨(PHP)の過度な変動を抑制する意向を頻繁に示していることも考えると、同中銀(当局)はPHPが上昇する場面では売り介入を断続的に実施していると考えられる。

 フィリピン中銀は6月23日、政策金利やコリドー金利の上下限を全て据え置き。同中銀は声明で、インフレは今年に目標レンジ(2.0~4.0%)の下限に達し、2017年、2018年はレンジの中央付近に加速すると指摘。一方、景気については、世界経済が抑制されるとみられるものの、内需は堅調に拡大するとの見方を示し、インフレと景気のバランスは取れているとした。また今後の金融政策は、先進国での金融政策の不確実性が続いていることに準備することが求められているとし、当面、現状維持を続ける意向を示した。

 景気は内需が拡大しているものの、インフレは徐々に高まり、対外収支は悪化が続く見込み。当局が自国通貨高を抑制する姿勢を取っていることも考えると、PHPは今後も上値の重い展開となりそうだ。USD/PHPは、年初来からのレンジである46~48で方向感に欠ける推移が見込まれる。